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発明の名称 銅張積層板およびプリント配線板用回路基板とその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−168481(P2001−168481A)
公開日 平成13年6月22日(2001.6.22)
出願番号 特願平11−348407
出願日 平成11年12月8日(1999.12.8)
代理人 【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4E351
5E317
5E343
5E346
【Fターム(参考)】
4E351 AA17 BB01 BB49 CC01 CC06 DD04 DD12 DD21 DD24 DD54 GG04 
5E317 AA21 AA24 BB12 BB18 CC25 CC33 CD05 CD25 CD27 CD32 GG03 GG11
5E343 AA07 AA15 AA17 BB24 BB34 BB52 BB67 BB72 DD33 DD43 ER18 ER45 GG04 GG13
5E346 AA42 AA43 CC04 CC09 CC10 CC32 CC33 CC40 DD24 EE05 EE13 EE19 FF07 FF14 FF17 FF18 FF24 GG15 GG17 GG18 GG22 GG28 HH07
発明者 苅谷 隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 絶縁性基材の片面または両面に、その一面が粗化処理された銅箔が貼付されてなる銅張積層板において、上記銅箔の粗化面に、亜鉛よりも低い融点を有する金属層が形成されていることを特徴とする銅張積層板。
【請求項2】 上記金属層は、錫を主成分とする錫系はんだから形成されることを特徴とする請求項1に記載の銅張積層板。
【請求項3】 上記錫系はんだからなる金属層の厚さは、0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項2に記載の銅張積層板。
【請求項4】 絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する貫通穴に対してビアホールが形成されたプリント配線板用回路基板において、上記絶縁性基材の一方の面と導体回路との間に、亜鉛よりも低い融点を有する低融点金属層が形成されていることを特徴とするプリント配線板用回路基板。
【請求項5】 上記金属層は、錫を主成分とする錫系はんだから形成されることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板用回路基板。
【請求項6】 上記錫系はんだからなる金属層の厚さは、0.1〜2.0μmであることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板用回路基板。
【請求項7】 絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達するビアホールが形成されたプリント配線板用回路基板の製造にあたって、その製造工程中に、少なくとも下記(a)〜(d)の工程、すなわち、(a)銅箔の一面に粗化処理を施して粗化面を形成した後、その粗化面上に亜鉛よりも低い融点を有する金属層を形成する工程、(b)上記銅箔の金属層形成面を絶縁性基材の一方の面に貼付ける工程、(c)上記絶縁性基材に貼付けられた銅箔をエッチングして、導体回路を形成する工程、(d)上記絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する貫通穴を、レーザ照射によって形成し、その貫通穴に対してビアホールを形成する工程、を含むことを特徴とするプリント配線板用回路基板の製造方法。
【請求項8】 絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達するビアホールが形成されたプリント配線板用回路基板の製造にあたって、その製造工程中に、少なくとも下記(a)〜(d)の工程、すなわち、(a)上記絶縁性基材の一方の面に、PVD法、CVD法、あるいは無電解めっき処理によって低融点金属層を形成する工程、(b)上記低融点金属層を形成した絶縁性基材に対して、電解銅めっき処理を施し、低融点金属層の上に銅めっき層を有する導体層を形成する工程、(c)上記導体層をエッチングして、絶縁性基材上の一方の面に導体回路を形成する工程、(d)上記絶縁性基材の他方の面から上記導体回路に達する貫通穴を、レーザ照射によって形成し、その貫通穴に対してビアホールを形成する工程、とを含むことを特徴とするプリント配線板用回路基板の製造方法。
【請求項9】 上記ビアホールは、貫通穴内に導電性物質を充填することによって形成されることを特徴とする請求項7または8に記載のプリント配線板用回路基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性基材に銅箔が貼付された銅張積層板、およびその銅張積層板を用いたプリント配線板用回路基板とその製造方法についての提案である。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造に用いる銅張積層板は、銅箔と樹脂との密着性や防錆特性を得るために、銅箔表面に粗面化処理や、亜鉛その他の被覆処理等の表面処理を施しているのが通常である。たとえば、このような銅張積層板を用いて多層プリント配線板を製造する場合には、その銅箔面にエッチング処理等を施して導体回路を形成し、その反対側の樹脂面から導体回路に達する貫通孔をレーザ照射によって形成し、さらに、その貫通穴内に導電性物質を充填してビアホールを形成したような回路基板を基本単位として、これらの複数枚を接着剤層を介して積層した後、一括して加熱プレスすることによってIVH構造を有する多層プリント配線板が製造される。このような多層プリント配線板およびその製造方法は、たとえば、本願と同じ出願人によって提案された特願平第7−139878号に記載されている。
【0003】上記多層プリント配線板用回路基板の製造に際して、樹脂面から導体回路に達するようなビアホール形成用の貫通穴は、適切なレーザ照射条件の下で、非常に正確にしかも短時間で形成することができる。このような貫通穴の形成に要するレーザ出力等のレーザ照射条件は、積層板を構成する樹脂材料の種類や、樹脂層や銅箔の厚みに依存しているが、銅箔にダメージを与えないような所定の範囲内でのレーザ出力に限定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなレーザ加工によって貫通穴を形成する場合、貫通穴の内部壁にスミア(残滓)が残ってしまうので、貫通穴形成後に、化学薬品処理やプラズマ処理等によってスミア除去を行うことが必要である。とくに、貫通穴の底部全域に付着残留するスミアについて分析したところ、樹脂面との密着性を向上させる目的で銅箔のマット面にコーティングされた亜鉛の一部が、所定のレーザ照射条件下においては蒸発しきれずに溶融し、その溶融した亜鉛が樹脂繊維と一体となって底部全域に付着したものであることが分かった。
【0005】本発明の主たる目的は、レーザ加工によって形成されるビアホール形成用貫通穴のデスミア処理を不要とした銅張積層板を提供することにある。本発明の他の目的は、デスミア処理を不要とした銅張積層板を用いたプリント配線板用回路基板とその製造方法を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上掲の目的を実現するために鋭意研究した結果、亜鉛よりも低い融点を有する金属層を銅箔の粗化処理された一面、すなわちマット面に形成することによって、所定のレーザ照射条件下においても、ほとんど蒸発させることができることを知見し、以下の内容を要旨構成とする本発明に想到した。
(1)すなわち、本発明にかかる銅張積層板は、絶縁性基材の片面または両面に、その一面が粗化処理された銅箔が貼付されてなる銅張積層板において、上記銅箔の粗化面に、亜鉛よりも低い融点を有する金属層が形成されていることを特徴とする。
【0007】(2)また、本発明にかかるプリント配線板用回路基板は、絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する貫通穴に対してビアホールが形成されたプリント配線板用回路基板において、上記絶縁性基材の一方の面と導体回路との間に、亜鉛よりも低い融点を有する低融点金属層が形成されていることを特徴とする。上記(1)および(2)において、亜鉛よりも低い融点を有する金属層は、鉛‐錫系はんだ、銀‐錫系はんだ、ビスマス‐錫系はんだ等の、錫を主成分とするはんだから形成されることが望ましく、また、その金属層の厚さは、0.1〜2.0μmであることが望ましい。
【0008】(3)さらに、本発明にかかるプリント配線板用回路基板の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達するビアホールが形成されたプリント配線板用回路基板の製造にあたって、その製造工程中に、少なくとも下記(a)〜(d)の工程、すなわち、(a)銅箔の一面に粗化処理を施して粗化面を形成した後、その粗化面上に亜鉛よりも低い融点を有する金属層を形成する工程、(b)上記銅箔の金属層形成面を絶縁性基材の一方の面に貼付ける工程、(c)上記絶縁性基材に貼付けられた銅箔をエッチングして、導体回路を形成する工程、(d)上記絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する貫通穴を、レーザ照射によって形成し、その貫通穴に対してビアホールを形成する工程、を含むことを特徴とするプリント配線板用回路基板の製造方法である。
【0009】(4)また、本発明にかかるプリント配線板用回路基板の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に導体回路を有し、この絶縁性基材の他方の面から導体回路に達するビアホールが形成されたプリント配線板用回路基板の製造にあたって、その製造工程中に、少なくとも下記(a)〜(d)の工程、すなわち、(a)上記絶縁性基材の一方の面に、PVD法、CVD法、あるいは無電解めっき処理によって低融点金属層を形成する工程、(b)上記低融点金属層を形成した絶縁性基材に対して、電解銅めっき処理を施し、低融点金属層の上に銅めっき層を有する導体層を形成する工程、(c)上記導体層をエッチングして、絶縁性基材上の一方の面に導体回路を形成する工程、(d)上記絶縁性基材の他方の面から上記導体回路に達する貫通穴を、レーザ照射によって形成し、その貫通穴に対してビアホールを形成する工程、とを含むことを特徴とする。上記(3)および(4)の製造方法において、ビアホールは、貫通穴内に導電性物質を充填することによって形成されることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明にかかる銅張積層板は、絶縁性基材の片面または両面に貼付けられる銅箔の粗化処理された一面に、従来技術で使用される亜鉛に代えて、亜鉛よりも低い融点を有する金属層が形成されていることが特徴である。かかる構成によれば、絶縁性基材の一方の面から金属層が形成されている他方の面に達する貫通穴を、レーザ照射によって形成する場合には、貫通穴底部に位置する低融点金属層のほとんどが蒸発するが、貫通穴の周辺部に位置する低融点金属層の一部は蒸発しきれないで溶融し、残存する樹脂片とともに貫通穴の周縁に移動するので、実質的にデスミア処理が不要となる。
【0011】本発明における絶縁性基材としては、レーザ加工が可能な硬質樹脂基材であれば十分であり、たとえば、ガラス布−エポキシ樹脂基材、ガラス布−ビスマレイミドトリアジン樹脂基材、ガラス布−ポリフェニレンエーテル樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド樹脂基材等が使用されるが、ガラス布やアラミド不織布を含まない樹脂基材であっても使用可能である。とくに、エポキシ系樹脂基材を用いるのが好ましく、20〜200μmの厚さのガラス布エポキシ基材が用いられるのがさらに好ましい。この厚さを限定した理由は、20μm未満の厚さでは電気的絶縁性に対する信頼性が低くなり、200μmを超える厚さではビアホール形成用開口が形成し難くなると共に、基板そのものが厚くなるためである。
【0012】また、本発明における銅箔は、樹脂との密着性改善のため、その一面がマット処理されており、さらにそのマット処理表面に、亜鉛よりも融点が低い金属層が形成される。この銅箔の厚さは、5〜18μmが望ましい。その理由は、レーザ加工で絶縁性基材にビアホール形成用開口を形成する際に、薄すぎると貫通してしまうからであり、逆に厚すぎるとエッチングにより、ファインパターンを形成し難いからである。
【0013】また、亜鉛よりも融点が低い金属層としては、錫と鉛、錫と銀、錫とビスマス等からなる錫を主成分とするはんだから形成されるのが望ましく、たとえば、スパッタリングのようなPVD法、CVD法、あるいはめっき等の方法で、銅箔のマット面上に形成され、その厚さは、0.1〜2.0μmが望ましい。その理由は、0.1μm未満ではレーザ照射を受けて溶融するものの、樹脂残滓をビア底周辺まで移動させる量には満たないからであり、2.0μmを超える厚さでは、銅箔の粗面を滑らかにしてしまい、絶縁基材との密着性に欠けるからである。
【0014】上記銅箔を絶縁基材に貼付けて銅張積層板とするには、銅箔と絶縁基材とを、半硬化状態の樹脂接着剤層を介して積層し、熱プレスすることにより行われるのが好ましい。このような熱プレスは、適切な温度および加圧力のもとで行なわれる。より好ましくは、減圧下において行なわれ、半硬化状態の樹脂接着剤層のみを硬化することによって、銅箔を絶縁性基材に対してしっかりと接着され得る。
【0015】また、本発明にかかるプリント配線板用回路基板は、上記絶縁性基材の一方の面に銅箔が貼付けられた銅張積層板を用いて製作することができる。すなわち、本発明による銅張積層板を、銅箔の一面に粗化処理を施して粗化面を形成した後、その粗化面上に亜鉛よりも低い融点を有する金属層を、PVD法、CVD法、あるいは無電解めっき処理等の方法によって形成し、その銅箔の金属層形成面を絶縁性基材の一方の面に貼付けることによって形成する。
【0016】本発明のプリント配線板用回路基板にかかる導体回路は、このような銅張積層板における銅箔をエッチング処理することによって形成され、その後、レーザ照射によって、絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する貫通穴を形成し、その貫通穴に対してビアホールを形成する。
【0017】上記銅張積層板を用いないで、本発明にかかるプリント配線板用回路基板を製造することもでき、その場合には、まず、絶縁性基材の一方の面にPVD法、CVD法、あるいは無電解めっき処理によって低融点金属層を形成し、その低融点金属層を形成した絶縁性基材に対して、電解銅めっき処理を施して、低融点金属層の上に銅めっき層を有する導体層を形成し、その導体層をエッチング処理することによって導体回路を形成し、その後、レーザ照射によって、絶縁性基材の他方の面から導体回路に達する貫通穴を形成し、その貫通穴に対してビアホールを形成する。
【0018】上記絶縁性基材に形成されるビアホール形成用貫通穴は、炭酸ガスレーザやYAGレーザ等のレーザ照射によって形成されるのが望ましい。上記絶縁性基材として、とくにエポキシ系樹脂基材を用いた場合には、パルスエネルギーが0.5〜5.0mJ、パルス幅が1〜20μs、パルス間隔が2ms以上、ショット数が3〜10の条件で照射される炭酸ガスレーザによって形成されることが好ましく、その口径は、50〜250μmの範囲であることが望ましい。その理由は、50μm未満では開口に導電性物質を充填し難くなると共に、接続信頼性が低くなるからであり、250μmを超えると、高密度化が困難になるからである。
【0019】このような炭酸ガスレーザによって貫通穴を形成する場合には、絶縁性基材の片面または両面に半硬化状態の樹脂接着剤層を介して樹脂フィルムを粘着させ、その樹脂フィルム上からレーザ照射を行うのが望ましい。この樹脂接着剤は、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂から形成され、その厚みは10〜50μmの範囲が好ましい。また、樹脂接着剤層の上に貼付けられる樹脂フィルムは、ビアホール形成用の貫通孔内に導電性ペーストを充填する際のマスクとして機能し、絶縁性基材に貫通孔を形成した後は、接着剤層から剥離されるような粘着剤層を有する。
【0020】上記絶縁性基材を貫通する貫通孔内部に充填される導電性物質としては、導電性ペーストや電解めっき処理によって形成される金属めっきが好ましいが、工程をシンプルにして、製造コストを低減させ、歩留まりを向上させるためには、導電性ペーストの充填が好適である。
【0021】このような導体回路が絶縁性基材の両面に形成されるような回路基板は、多層プリント配線板を形成する際のコア基板として適切であるが、各ビアホールに対応した基板表面には、導体回路の一部としてのビアランド(パッド)が、その口径が50〜250μmの範囲に形成されるのが好ましい実施の形態である。
【0022】また、導体回路が絶縁性基材の片面に形成されるような回路基板は、積層用回路基板として適切であり、ビアホールに充填された導電性物質の位置の真上に突起状導体が形成されることが好ましい実施の形態である。上記突起状導体は、導電性ペーストや低融点金属から形成されることが好ましく、多層プリント配線板を製造する際の、加熱プレス工程において、導電性ペーストあるいは低融点金属が熱変形するので、前記ビアホール内に充填される導電性物質の高さのばらつきを吸収することができ、それ故に、接続不良を防止して接続信頼性に優れた多層プリント配線板を得ることができる。
【0023】(3)以下、本発明にかかるプリント配線板用回路基板を銅張積層板を用いて製造する方法の一例について、添付図面を参照にして説明する。本発明のプリント配線板用回路基板の製造に当たって、まず銅張積層板の製造について説明する。この銅張積層板10は、絶縁性基材12の片面に銅箔が14が貼付けられた片面銅張積層板である。この銅箔14の貼付側の表面には、粗化処理によって粗化面(マット面と言われており、図示を省略する)が形成され、さらにこの粗化面の上には、亜鉛よりも低い融点を有する低融点金属層16が、適切な方法によって形成される(図1(b)参照)。このような銅箔14と絶縁性基材12とを積層し、加熱プレスすることによって銅張積層板10が形成される(図1(c)参照)。以下、具体的に説明する。
【0024】使用する絶縁性基材12としては、硬質の樹脂基材が望ましく、たとえば、ガラス布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド基材、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基材等の積層基材が使用される。上記絶縁性基材12の厚さは、20〜100μmが望ましい。その理由は、絶縁性を確保するためである。20μm未満の厚さでは強度が低下して取扱が難しくなり、100μmを超えると微細なビアホールの形成および導電性物質の充填が難しくなるからである。
【0025】また、絶縁性基材12に貼付けられる銅箔14の一方の表面に形成される粗化面は、樹脂面との密着性改善の目的で設けられ、亜鉛よりも低い融点を有する低融点金属層16は、その粗化面上に、PVD法、CVD法、あるいは無電解めっき処理等の方法によって形成される。上記低融点金属としては、錫と鉛、錫と銀、錫とビスマス等からなる錫を主成分とするはんだから形成され、その厚さは0.1〜2.0μmが望ましい。また銅箔14の厚さは、5〜18μmが望ましい。その理由は、後述するようなレーザ加工を用いて、絶縁性基材にビアホール形成用の貫通穴を形成する際に、薄すぎると金属層を貫通してしまうからであり、逆に厚すぎるとエッチングにより、ファインパターンを形成し難いからである。
【0026】■次に、絶縁性基材12に貼付けた銅箔14の表面に、感光性ドライフィルムレジストを貼付するか、液状感光性レジストを塗布した後、所定の回路パターンに沿って露光、現像処理してエッチングレジストを形成した後、エッチングレジスト非形成部分の銅箔14をエッチングして導体回路18を形成する。(図1(b)参照)。エッチング液としては、硫酸一過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第二鉄の水溶液から選ばれる少なくとも1種の水溶液が望ましい。
【0027】上記銅箔14をエッチングして導体回路を形成する前処理として、ファインパターンを形成しやすくするため、あらかじめ、銅箔14の表面全面をエッチングして厚さを1〜10μm、より好ましくは2〜8μm程度まで薄くすることができる。上記銅張積層板を用いないで、絶縁性基材上に直接的に導体回路を形成するもできるが、このような場合には、絶縁性基材12の表面に、低融点金属を蒸着して金属層16を形成した後、電解めっき処理を施して銅めっき層14を形成し、その銅めっき層14をエッチング処理することによって、導体回路18を形成する。
【0028】■前記■のようなエッチング処理によって形成された導体回路の表面および側面に、粗化層20を形成する(図1(e)参照)。この粗化処理は、片面回路基板を積層して多層化する際に、導体回路18と後述する突起状導体との密着性を改善し、また接着剤層との密着性を改善して、剥離(デラミネーション)を防止するためである。上記粗化処理方法としては、例えば、ソフトエッチング処理や、黒化(酸化)一還元処理、銅−ニッケルーリンからなる針状合金めっき(荏原ユージライト製:商品名インタープレート)の形成、メック社製の商品名「メックエッチボンド」なるエッチング液による表面粗化がある。
【0029】■ついで、絶縁性基材20の樹脂面に接着剤層22を形成する(図2(a)参照)。この接着剤層22は、片面回路基板を積層して多層プリント配線板を製造する際に、隣接する片面回路基板同士を接続するために設けられる。絶縁性基材12の樹脂面全体に塗布され、乾燥化された状態の未硬化樹脂からなる接着剤層として形成され、取扱が容易になるため、予備硬化(プレキュア)しておくことが好ましく、その厚さは、20〜30μmの範囲が望ましい。上記接着剤層22は、有機系接着剤からなることが望ましく、有機系接着剤としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリフェノレンエーテル(PPE)、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との複合樹脂、エポキシ樹脂とシリコーン掛脂との複合樹脂、BTレジンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが望ましい。有機系接着剤である未硬化樹脂の塗布方法は、カーテンコータ、スピンコータ、ロールコータ、スプレーコート、スクリーン印刷などを使用できる。また、接着剤層の形成は、接着剤シートをラミネートすることによってもできる。
【0030】■さらに、前記■で形成した接着剤層22の上に保護フィルム24をラミネートし(図2(a)参照)、その上からレーザ照射を行って、保護フィルム24、接着剤層22および絶縁性基材12を貫通して導体回路18に至るビアホール形成用の貫通穴26を形成する(図2(b)参照)。この保護フィルム24は、後述する導電性ペーストの印刷用マスクとして使用され、たとえば、表面に粘着層を設けたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが使用され得る。このPETフィルム24は、粘着剤層の厚みが1〜20μm、フィルム自体の厚みが10〜50μmであるようなものが使用される。上記レーザ照射による穴あけ加工は、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置によって行われる。加工条件は、パルスエネルギーが0.5〜5.0mJ、パルス幅が1〜20μs、パルス間隔が2ms以上、ショット数が3〜10の範囲内であることが望ましい。このような加工条件のもとで形成され得る貫通穴26の開口径は、50〜250μmであることが望ましい。上記貫通穴26の内壁面に残留する樹脂を取り除くために、酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理等のデスミア処理を行うことが、接続信頼性確保の点で望ましいが、この実施形態においては、貫通穴底部に位置する低融点金属層のほとんどが、レーザ照射によって蒸発するが、貫通穴の周辺部に位置する低融点金属層の一部は蒸発しきれないで溶融し、残存する樹脂片とともに貫通穴の周縁に移動するので、実質的にデスミア処理が不要である。
【0031】■次に、レーザ加工で形成したビアホール形成用の貫通穴26内に、導電性ペースト30を充填する(図2(c)参照)。この導電性ペースト30は、PETフィルム24を貫通して形成された開口と、接着剤層22を貫通して形成された開口と、絶縁性基材12を貫通して形成された貫通穴26のほとんど全ての隙間に充填される。上記導電性ペースト30は、銀、銅、金、ニッケル、半田から選ばれる少なくとも1種以上の金属粒子からなる導電性ペーストを使用できる。また、前記金属粒子としては、金属粒子の表面に異種金属をコーティングしたものも使用できる。具体的には鋼粒子の表面に金、銀から選ばれる貴金属を被覆した金属粒子を使用することができる。
【0032】このような導電性ペーストとしては、金属粒子に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェニレンスルフイド(PPS)などの熱可塑性樹脂を加えた有機系導電性ペーストが望ましい。また、上記導電性ペーストに代えて、低融点金属である半田ペーストを用いて印刷する方法、半田めっきを行う方法、あるいは半田溶融液に浸漬する方法により、導電性物質を開口内に形成することもでき、低融点金属としては、鉛−錫系はんだ、銀−錫系はんだ、インジウムはんだ等を使用することができる。
【0033】■次いで、接着剤層22から保護フィルム24を剥離させる(図2(d)参照)。保護フィルム24を剥離させることによって、貫通穴26内には導体回路18に電気的接続されるビアホール32が形成されるとともに、接着剤層22の厚みに、PETフィルム24の厚みを加えた分だけ、絶縁性基材12の表面から突出する突起状導体34(バンプ)が形成された回路基板40を得る。上述したような本発明による多層プリント配線板用回路基板は、それらの複数が相互に積層接着されたり、予め製造されたコア基板に積層接着されて多層化される。
【0034】上記■〜■の工程によって製造された回路基板の複数枚、たとえば4枚の基板を、相互に積層して多層プリント配線板を製造する一例について、図3および図4を参照にして説明する。
【0035】まず、片面回路基板40、42、44および46を互いに対向するように積層する(図3参照)。この重ね合わせは、隣接する片面回路基板の突起状導体34と導体回路18とが、あるいは突起状導体34と他の突起状導体34とが対向するような位置に配置することにより行なわれる、すなわち、各片面回路基板の周囲に設けられたガイドホールにガイドピン(図示せず)を挿通することで位置合わせしながら行なわれる。また、位置合わせは、画像処理にて行ってもよい。
【0036】上記積層された4層基板を、熱プレスを用いて150〜200℃で加熱し、0.5〜10MPa、望ましくは2〜5MPaで加熱プレスすることにより、片面回路基板40〜46を、1度のプレス成形により一体化し、多層プリント配線板を得る(図4参照)。なお、この熱プレスは、減圧条件下で行うことが好ましい実施の態様である。
【0037】ここでは、先ず、加圧されることで、片面回路基板40の突起状導体34が、片面回路基板42の導体回路18に当接して両者の電気的接続がなされる。同様に、片面回路基板42の突起状導体34が片面回路基板44の突起状導体34と当接して両者の電気的接続がなされ、片面回路基板46の突起状導体34は、片面回路基板44の導体回路18に当接して両者の電気的接続がなされる。更に、加圧と同時に加熱することで、各片面回路基板40〜46に予め設けた接着剤層22が硬化し、隣接する片面回路基板との間で強固な接着が行われる。なお、この実施形態における接着剤層22は、絶縁性基材12の樹脂面全体に予め塗布され、予備硬化されたものであるが、これに限定されるものではなく、片面回路基板の積層段階において設けることもできる。
【0038】このように、積層された4層の片面回路基板を一括して加熱加圧しながら、各片面回路基板の突起状導体34と、それと対向する片面回路基板の導体回路18あるいは突起状導体34とを接続させて一体化することにより、多層プリント配線板が製造される。上述した実施形態では、本発明による片面回路基板を4層用いて多層化したが、3層、5層あるいは6層を超える多層プリント配線板の製造にも適用できる。更に、従来技術の方法で作成された片面プリント基板、両面プリント基板、両面スルーホールプリント基板、多層プリント基板等に本発明の片面回路基板を積層して多層プリント配線板を製造することもできることは勿論のことである。
【0039】
【実施例】(実施例1)■片面が粗化処理された、厚さ12μmの銅箔の粗化面(マット面)に対して、鉛‐錫系はんだからなる、厚さ0.5μmの低融点金属層を、めっき法によって形成した。
■上記■で形成した銅箔を、その低融点金属層が貼付面となるように、ガラス布‐エポキシ樹脂基材からなる、厚さ75μmの硬質樹脂基板に、熱プレスによって貼付け、片面銅張積層板を作製した。
■上記■で作製した片面銅張積層板の銅箔面に、感光性ドライフィルムレジストを貼付け、所定の回路パターンに沿って露光、現像処理してエッチングレジストを形成した後、エッチングレジスト非形成部分の銅箔を、塩化第二銅エッチング液を用いてエッチングして、厚さ12μmの導体回路を形成した。
■上記■で形成した導体回路の表面および側面に、メック社製の商品名「メックエッチボンド」なるエッチング液を用いて粗化層を形成する。
■一方、片面銅張積層板の樹脂面上に、エポキシ樹脂からなる厚さ25μmの接着剤層を形成し、取扱を容易になるため、予備硬化(プレキュア)しておく。
■上記■で形成した接着剤層の上に、粘着剤層の厚みが10μm、フィルム自体の厚みが12μmのPETフィルムをラミネートし、その後、パルス発振型炭酸ガスレーザを用いて、ビアホール形成用貫通穴(ブラインドビア)を設ける。
■レーザ加工によって形成されたビアホール形成用貫通穴内に、銀粉と熱硬化性エポキシ樹脂からなる導電性ペーストを充填してビアホールを形成する。
■PETフィルムを接着剤層から剥離させ、導電性ペースト全体をプレキュアすることによって、片面銅張積層板の一方の面に導体回路を有し、他方の面から樹脂層を貫通して導体回路に達するビアホールが形成され、そのビアホールの直上に突起状導体(バンプ)が形成された回路基板を得る。
■このようにして、各層ごとに準備された4層の片面回路基板を所定の位置にスタックし、真空熱プレスを用いて180℃の温度で70分間の積層プレスをしてIVH構造の4層配線板を作成した。
【0040】製造された4層配線板においては、L/S=75μm/75μm、ランド径が250μm、ビアホール口径が150μm、導体層の厚みが12μm、そして絶縁層の厚みが75μmであった。
【0041】本発明において、本質的に重要な役割を果たすプロセスは、亜鉛よりも低い融点を有する金属層を銅箔の一面に形成し、この銅箔の低融点金属層をエポキシ系樹脂等のリジッドな絶縁性基材の片面に、熱プレスによって貼付け、絶縁性基材の樹脂面の上方からパルス発振型炭酸ガスレーザを照射して、熱分解温度の差が大きいガラスエポキシ基材に、良好なマイクロビアを形成し、さらに、マイクロビアに導電性ペーストを充填して、ビアホールを形成することである。
【0042】この実施例においては、三菱電機製の高ピーク短パルス発振型炭酸ガスレーザ加工機を用い、全体として厚さ22μmのPETフィルムを樹脂面にラミネートした、銅箔厚さ12μm、基材厚75μmのガラスエポキシ片面銅張積層板に、マスクイメージ法でフィルム側からパルス照射して、100穴/秒のスピードで150μmのブラインドビアを形成した。
【0043】(実施例2)低融点金属として、厚さが1.0μmの鉛‐錫系はんだを用いたこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0044】(実施例3)低融点金属として、厚さが0.5μmの銀‐錫系はんだを用いたこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0045】(実施例4)低融点金属として、厚さが0.5μmのビスマス‐錫系はんだを用いたこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0046】(比較例1)低融点金属層を形成しない銅箔が貼付けられた片面銅積層板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0047】上記実施例1、2、3および比較例1によって製造された4層配線板について、SEM写真観察によって、ビアホール形成用の貫通穴底部における残滓の分布状況を調べた。
【0048】その結果、実施例1、2、3においては、低融点金属層のほとんどはレーザ照射によって蒸発したが、貫通穴底部の周縁近傍に蒸発しきれないで残ったわずかな低融点金属が樹脂繊維に結合した状態で見られたが、比較例1においては、貫通穴の底部全体にわたって、蒸発しきれない亜鉛が樹脂繊維と結合した残滓として観察された。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の銅張積層板は、絶縁性基材と銅箔との間に低融点金属が形成されているので、絶縁性基材の一方の面から、導体回路としての銅箔が貼付けられた他方の面に達する貫通穴を、レーザ照射によって形成する場合には、貫通穴底部に位置する低融点金属層のほとんどが蒸発するが、貫通穴の周辺部に位置する低融点金属層の一部は蒸発しきれないで溶融し、残存する樹脂片とともに貫通穴の周縁に移動するので、実質的にデスミア処理が不要な回路基板を有利に製造することができる。このような回路基板を多層積層して、層間接続抵抗の安定性に優れた多層プリント配線板を製造できる。




 

 


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