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発明の名称 半導体製造・検査装置用セラミック基板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−148416(P2001−148416A)
公開日 平成13年5月29日(2001.5.29)
出願番号 特願平11−360613
出願日 平成11年12月20日(1999.12.20)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3K034
4M106
5F031
【Fターム(参考)】
3K034 AA02 AA06 AA08 AA10 AA15 AA21 AA22 AA34 AA37 BB04 BB06 BB14 BC17 CA03 CA14 CA17 CA22 CA34 DA04 EA06 EA07 HA01 HA10 JA01 JA02 
4M106 AA01 BA01 CA31 DD30 DJ02
5F031 HA17 HA37 MA33
発明者 伊藤 康隆 / 平松 靖二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 X線回折チャート上ではピークが検出できないか検出限界以下であるカーボンと、ピークが検出できるカーボンとの両方を含有するセラミック基板に、導電体を配設してなることを特徴とする半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項2】 前記導電体は、静電電極であって、前記セラミック基板が静電チャックとして機能する請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項3】 前記導電体は、抵抗発熱体であって、前記セラミック基板がホットプレートとして機能する請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項4】 前記導電体は、セラミック基板の表面および内部に形成され、前記内部の導電体は、ガード電極またはグランド電極のいずれか少なくとも一方であって、前記セラミック基板がウエハプローバとして機能する請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項5】 X線回折チャート上ではピークを検出できないか検出限界以下であるカーボンは、非晶質カーボンまたは窒化アルミニウム結晶相に固溶したカーボンのいずれかであり、ピークが検出できるカーボンは、結晶質カーボンである請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項6】 前記カーボンの含有量は、200〜5000ppmである請求項1〜5のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項7】 前記セラミック基板中に、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物および希土類酸化物のいずれか少なくとも1種からなる焼結助剤を含む請求項1〜6のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【請求項8】 JIS Z 8721に規定される明度がN4以下である請求項1〜7のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、ホットプレート、静電チャック、ウエハプローバなど、半導体の製造用や検査用の装置として用いられるセラミック基板に関し、特に電極パターン等の隠蔽性、高温での体積抵抗率および熱伝導率、ならびに、サーモビュアによる温度測定精度等に優れる半導体製造・検査装置用セラミック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置等を含む半導体製造、検査装置等においては、従来、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒータや、ウエハプローバ等が用いられてきた。しかしながら、金属製のヒータでは温度制御特性が悪く、また厚みも厚くなるため重く嵩張るという問題があり、腐食性ガスに対する耐蝕性も悪いという問題を抱えていた。
【0003】これに対し、特開平11−40330号公報等では、金属製のものに代えて、窒化アルミニウムなどのセラミックを使用したヒータが開示されている。ところが、このヒータを構成する基材の窒化アルミニウム自体は、一般に白色または灰白色であることから、ヒータやサセプタとしては好ましくない。むしろ、黒色の方が輻射熱量が大きいため、この種の用途には適しており、また電極パターンの隠蔽性が高いため、ウエハプローバや静電チャックには特に好適であった。さらに、ヒータの表面温度の測定は、サーモビュア(表面温度計)で行われるが、白色や灰白色の場合、輻射熱も測定されてしまうため、正確な温度測定が不可能であった。
【0004】このような求めに応じて開発された特開平9─48668号公報等に記載の従来の発明の中には、窒化アルミニウム基板中にX線回折チャート上の44〜45°の位置にピークが検出されるような結晶質のカーボンを含有するものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような結晶質のカーボン(グラファイト)を添加した従来の窒化アルミニウム基板は、高温時での体積抵抗率、例えば、500℃の高温領域における体積抵抗率が108 Ω・cm未満に低下するため、その内部に抵抗発熱体等が配設されたセラミック基板では、短絡が発生してしまうという問題点があった(図1参照)。また、窒化アルミニウム自体が、高温領域で熱伝導率が低下するという問題もあり、これも解決する必要があった。
【0006】本発明の目的は、上述した従来技術が抱えている問題点を解決することにあり、特に200℃以上の高温時における体積抵抗率が充分に大きいためリーク電流や短絡が発生せず、しかも高温時の熱伝導率を60W/m・k以上とすることができ、さらには隠蔽性、大輻射熱量、および、サーモビュアによる測定精度を保証することができる半導体製造・検査装置用セラミック基板を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ホットプレート、静電チャック、ウエハプローバ等として好適に用いることができる半導体製造・検査装置用セラミック基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の要請に応えるために開発された半導体製造・検査装置用セラミック基板に関し、特に酸化物、窒化物、炭化物等の結晶からなるマトリックス中に、X線回折チャートの2θ=10〜90°の位置にピークが検出できないか検出限界以下であるカーボンと、ピークの検出ができるカーボンとの両方を含有するセラミック基板に、導電体を配設してなる半導体製造・検査装置用セラミック基板である。
【0008】上記半導体製造・検査装置用セラミック基板(以下、単に半導体装置用セラミック基板ともいう)において、上記導電体は、静電電極であって、上記セラミック基板が静電チャックとして機能するか、抵抗発熱体であって、上記セラミック基板がホットプレートとして機能することが望ましい。
【0009】また、上記導電体は、セラミック基板の表面および内部に形成され、上記内部の導電体は、ガード電極またはグランド電極のいずれか少ないとも一方であって、上記セラミック基板がウエハプローバとして機能することが望ましい。
【0010】また、上記半導体装置用セラミック基板において、上記X線回折チャート上ではピークを検出できないか検出限界以下であるカーボンは、非晶質カーボンまたは窒化アルミニウム結晶相に固溶したカーボンのいずれかであり、ピークが検出できるカーボンは、結晶質カーボンであり、このカーボンの含有量は、200〜5000ppmであることが望ましい。
【0011】また、上記半導体装置用セラミック基板中には、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物および希土類酸化物のいずれか少なくとも1種からなる焼結助剤を含み、このセラミック基板のJIS Z 8721に規定される明度は、N4以下であることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】さて、本発明者らの研究によれば、X線回折チャート上において、回折角度2θ=10〜90°、特に2θ=44〜45°の位置でピークが検出されるようなカーボンを含有するセラミック基板は、200℃以上の高温における体積抵抗率が大きく低下するため、加熱時に発熱体パターン間や電極パターン間でリーク電流や短絡が発生してしまう場合がある。
【0013】この理由は、セラミック基板は、高温になるに従って体積抵抗率が低下することに加え、結晶質カーボンは、金属結晶に類似した結晶構造を持ち、かつ、高温での電気伝導性が大きいため、この2つの特性が相乗的に作用し合って上記のような短絡を招くものと考えられる。
【0014】このような短絡を防止し、セラミック基板の電気抵抗率を増大させるために本発明者らがさらに研究をつづけた結果、カーボンを含む焼結体の高温での電気抵抗率を増大させるには、X線回折チャート上においてピークが検出されない程度に結晶性を低下させたカーボン、または、結晶相に固溶させたカーボン、すなわち、X線回折チャート上において、ピークが検出されないようなカーボンにすればよいことを知見した。
【0015】ここで、X線回折チャート上でピークが検出できないという意味は、回折角度2θ=10〜90°、特に44〜45°でカーボンのピークが検出できないという意味である。なお、上記のように規定したのは、カーボンには種々の結晶系が存在し、特開平9−48668号公報に開示されているように、単に回折角度2θ=44〜45°に出現するピークのみならず、回折角度2θ=10〜90°にピークが出現するカーボンの結晶も考慮しなければならないからである(図3、図4参照)。
【0016】なお、X線回折のチャートには、ピークのみならずハローの出現も好ましくない。非結晶質体は通常2θ=15〜40°付近にハローと呼ばれるゆるやかな起伏を持つが、このようなハローが出現するということは、セラミック基板を構成する窒化物や酸化物等の結晶中に非晶質カーボンが侵入していることを意味する。そのため窒化物等の結晶性を低下させることになり、また、焼結性を阻害して、明度が高くなってしまい、さらには高温での強度低下をも招いてしまう。
【0017】X線回折チャート上でピークが検出できないようなカーボンとする具体的な方法としては、(1) カーボンをセラミックを構成する化合物の結晶相に固溶させて、カーボンの結晶に起因するX線回折のピークが出ないようにする方法、(2) 非晶質カーボンを用いる方法、などが考えられる。
【0018】これらの中では、(2) の非晶質カーボンを用いる方法が好ましい。この理由は、セラミック焼結体中にカーボンを固溶させると結晶に欠陥が生じやすくなり、その結果、焼結体の高温での強度低下を招くからである。
【0019】なお、特開平9−48668号公報では、1850℃にて加熱すると結晶質カーボンが窒化アルミニウム中に固溶してX線回折のピークが消失する現象が記載されているが、特開平9−48668号公報ではあくまでX線回折のピークが44〜45°に存在するものを発明として認識しているものであり、本発明のように、X線回折のチャート上にピークが検出できるカーボンとピークができないカーボンを両方有させるという思想は、記載も示唆もされていないのだから、特開平9−48668号公報の記載を理由に本発明の新規性、進歩性がなんら阻却されるものでない。
【0020】ただし、窒化アルミニウムに非晶質カーボンを添加すると、高温での熱伝導率が低下するという問題が発生する。これは、おそらく非晶質カーボンが粒子界面に介在して熱の伝搬を阻害する障壁となるためと推定している。そこで、上記したように、発明者らは、非晶質カーボンを添加する場合には、さらに金属結晶に類似した結晶構造を持ち、かつ、高温での熱伝導率が低下しにくい結晶質のカーボンをも共存させることにした。
【0021】このように、2種のカーボンを含有させると、高温時の体積抵抗率を少なくとも108 Ω・cm以上に、また高温時の熱伝導率を60W/m・k以上にすることができ、非晶質カーボン単独添加の問題を克服することができる。
【0022】本発明において、X線回折チャートにおいてそのピークが検出されないか検出限界以下であるカーボンと、そのピークが検出できるカーボンの混合比率は、できれば重量比で1/200〜200/1の範囲が望ましく、1/100〜100/1に調整するのが最適である。
【0023】なお、カーボンの比率はレーザラマン分析にて測定することができる。レーザラマン分析では、結晶質カーボンのピーク(ラマンシフト:1580cm-1)と非晶質カーボンのピーク(ラマンシフト:1355cm-1)が分離して出現するため、両者のピーク高さの比率から混合比がわかる。また、これ以外にも濃度既知の結晶性カーボンをセラミックに添加して、X線回折分析を行い、各カーボンの濃度とピークの高さ(より正確には面積)の関係を検量線として得ておき、一方、測定対象の試料の全炭素濃度を500〜800℃で焼成して発生するCOやCO2 などのCOX ガス濃度を測定し、また、この測定対象の試料について、X線回折分析を実施して、得られたピーク高さ(より正確には面積)からX線回折で検出できるカーボン量を特定し、一方、全炭素量とX線回折で検出できるカーボン量の差をX線回折で検出できないカーボンと定義することもできる。ただし、両カーボンの添加量の合計量は、200〜5000ppmにすることが望ましく、200〜2000ppmとすることがより望ましい。200ppm未満では、黒色とは言えず、明度がN4を超えるものとなり、一方、添加量が5000ppmを超えると窒化アルミニウムの焼結性が低下するからである。
【0024】本発明の半導体装置用セラミック基板を構成するセラミック材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
【0025】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タンステン等が挙げられる。
【0026】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】これらのセラミックの中では、窒化物セラミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
【0028】本発明においては、マトリックスを構成する焼結体中には、焼結助剤を含有することが望ましい。その焼結助剤としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物を使用することができ、これらの焼結助剤のなかでは、特にCaO、Y23 、Na2 0、Li2 0、Rb23 が好ましい。これらの含有量としては、0.1〜10重量%が望ましい。
【0029】また、本発明に係る半導体装置用セラミック基板は、明度がJIS Z 8721の規定に基づく値でN4以下のものであることが望ましい。この程度の明度を有するものが輻射熱量、隠蔽性に優れるからである。ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
【0030】本発明の半導体装置用セラミック基板は、半導体の製造や半導体の検査を行うための装置に用いられるセラミック基板であり、具体的な装置としては、例えば、静電チャック、ウエハプローバ、ホットプレート、サセプタ等が挙げられる。
【0031】本発明の半導体装置用セラミック基板には、導電性の金属または導電性セラミックからなる導電体が配設されているが、この導電体が静電電極である場合には、上記セラミック基板が静電チャックとして機能する。
【0032】上記金属としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。また、上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】図5(a)は、静電チャックを模式的に示す縦断面図であり、(b)は、(a)に示した静電チャックのA−A線断面図である。この静電チャック20では、窒化アルミニウム基板3の内部にチャック正負電極層22、23が埋設され、その電極上にセラミック誘電体膜40が形成されている。また、窒化アルミニウム基板3の内部には、抵抗発熱体11が設けられ、シリコンウエハ9を加熱することができるようになっている。なお、窒化アルミニウム基板3には、必要に応じて、RF電極が埋設されていてもよい。
【0034】この静電チャックを使用する場合には、チャック正極静電層22とチャック負極静電層23とにそれぞれ直流電源の+側と−側を接続し、直流電圧を印加する。これにより、この静電チャック上に載置されたシリコンウエハが静電的に吸着されることになる。従って、この静電チャック内に抵抗発熱体が形成されておれば、シリコンウエハを吸着した状態で加熱等を行うことができる。
【0035】図6および図7は、他の静電チャックにおける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図6に示す静電チャック70では、セラミック基板71の内部に半円形状のチャック正極静電層72とチャック負極静電層73が形成されており、図7に示す静電チャック80では、セラミック基板81の内部に円を4分割した形状のチャック正極静電層82a、82bとチャック負極静電層83a、83bが形成されている。また、2枚の正極静電層82a、82bおよび2枚のチャック負極静電層83a、83bは、それぞれ交差するように形成されている。なお、円形等の電極が分割された形態の電極を形成する場合、その分割数は特に限定されず、5分割以上であってもよく、その形状も扇形に限定されない。
【0036】本発明の半導体装置用セラミック基板に埋設された導電体が、抵抗発熱体である場合には、上記セラミック基板がホットプレートとして機能する。図8は、本発明の半導体装置用セラミック基板の一実施形態であるホットプレート(以下、セラミックヒータともいう)の一例を模式的に示す底面図であり、図9は、上記セラミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
【0037】セラミック基板91は、円板状に形成されており、抵抗発熱体92は、セラミック基板91のウエハ載置面の全体の温度が均一になるように加熱するため、セラミック基板91の底面に同心円状のパターンに形成されており、その表面には、金属被覆層92aが形成されている。
【0038】また、これら抵抗発熱体92は、互いに近い二重の同心円同士が1組として、1本の線になるように接続され、その両端に入出力の端子となる端子ピン93が接続されている。また、中央に近い部分には、支持ピン96を挿入するための貫通孔95が形成され、さらに、測温素子を挿入するための有底孔94が形成されている。
【0039】また、図9に示したように、この支持ピン96は、その上にシリコンウエハ99を載置して上下させることができるようになっており、これにより、シリコンウエハ99を図示しない搬送機に渡したり、搬送機からシリコンウエハ99を受け取ったりすることができる。図9に示した抵抗発熱体92は、セラミック基板91の底面に配設されているが、抵抗発熱体92は、セラミック基板91の内部で、その中心または中心よりウエハ載置面に偏芯した位置に形成されていてもよい。
【0040】このような構成のセラミックヒータでは、その上にシリコンウエハ99等を載置した後、種々の操作を行う際、シリコンウエハ99等を所望の温度に加熱することができる。
【0041】本発明の半導体装置用セラミック基板の表面および内部に導電体が配設され、上記内部の導電体が、ガード電極またはグランド電極のいずれか少ないとも一方である場合には、上記セラミック基板は、ウエハプローバとして機能する。
【0042】図10は、本発明の半導体装置用セラミック基板の一実施形態であるウエハプローバの一例を模式的に示した断面図であり、図11は、その平面図であり、図12は、図10に示したウエハプローバにおけるA−A線断面図である。
【0043】このウエハプローバ101では、平面視円形状のセラミック基板3の表面に同心円形状の溝7が形成されるとともに、溝7の一部にシリコンウエハを吸引するための複数の吸引孔8が設けられており、溝7を含むセラミック基板3の大部分にシリコンウエハの電極と接続するためのチャックトップ導体層2が円形状に形成されている。
【0044】一方、セラミック基板3の底面には、シリコンウエハの温度をコントロールするために、図8に示したような平面視同心円形状の発熱体41が設けられており、発熱体41の両端には、外部端子ピン191(図14参照)が接続、固定されている。また、セラミック基板3の内部には、ストレイキャパシタやノイズを除去するために図12に示したような格子形状のガード電極5とグランド電極6とが設けられている。
【0045】このような構成のウエハプローバでは、その上に集積回路が形成されたシリコンウエハを載置した後、このシリコンウエハにテスタピンを持つプローブカードを押しつけ、加熱、冷却しながら電圧を印加して導通テストを行うことができる。
【0046】次に、本発明にかかる半導体装置用セラミック基板の製造方法の一例を説明する。
(1) 初めに、非晶質カーボンを製造する。例えば、C、H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは糖類(ショ糖やセルロース)を、空気中、300〜500℃で焼成することにより、純粋な非晶質カーボンを製造する。一方、結晶質のカーボンについては、一般的なグラファイトやカーボンブラック等を使用することができる。
【0047】(2) 次に、上記カーボンとマトリックス成分となるセラミック粉末とを混合する。混合する粉末の好ましい大きさは、平均粒径で、0.1〜5μm程度の小さいものがよい。これは、微細なほど焼結性が向上するからである。なお、カーボンの添加量は焼成時に消失する分を考慮して添加する。また、上記の混合物にはさらに前述の酸化イットリウム(イットリア:Y23)の如き焼結助剤を添加してもよい。
【0048】上記の(1) 、(2) の処理に代え、セラミック粉末、バインダー、糖類および溶媒を混合してグリーンシートを作製した後積層し、このグリーンシートの積層体を300〜500℃で仮焼成することにより、糖類を非晶質カーボンとしてもよい。また、この場合に、糖類と非晶質カーボンの両方を添加してもよい。なお、溶媒としては、α−テルピネオールや、グリコールなどを用いることができる。
【0049】(3) 次に、得られた粉末混合物を成形型に入れて成形体としたもの、または、上記グリーンシートの積層体(いずれも仮焼成したもの)を、アルゴン窒素などの不活性雰囲気下に、1700〜1900℃、80〜200kg/cm2 の条件で加熱、加圧して焼結する。
【0050】本発明の半導体装置用セラミック基板は、基本的にセラミック粉末の混合物からなる成形体やグリーンシート積層体を焼成することにより製造することができるが、このセラミック粉末の混合物を成形型に入れる際に、発熱体となる金属板(箔)や金属線等を粉末混合物中に埋没したり、積層するグリーンシートのうちの1枚のグリーンシート上に発熱体となる導体ペースト層を形成することにより、内部に抵抗発熱体を有するセラミック基板とすることができる。また、焼結体を製造した後、その表面(底面)に導体ペースト層を形成し、焼成することによって、底面に発熱体を形成することもできる。
【0051】さらに、このセラミック基板の製造時には、発熱体の他、静電チャック等の電極の形状となるように、上記成形体の内部に金属板(箔)等を埋設したり、グリーンシート上に導体ペースト層を形成することにより、ホットプレート、静電チャック、ウエハプローバ、サセプタなどを製造することができる。
【0052】各種の電極や発熱体を作製するための導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
【0053】上記金属粒子としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較的酸化しにくく、薄膜状の電極等とした際には、充分に大きな導電性を有し、一方、図8に示したような線状(帯状)の抵抗発熱体とした場合には、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0055】上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、発熱体とセラミック基板との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
【0056】導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。
【0057】発熱体用の導体ペーストをセラミック基板の表面に形成する際には、導体ペースト中に金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、金属粒子および金属酸化物を焼結させたものとすることが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板と金属粒子とを密着させることができる。
【0058】金属酸化物を混合することにより、セラミック基板と密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するのではないかと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物からなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0059】上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0060】これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善することができるからである。
【0061】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板との密着性を改善することができる。
【0062】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して発熱体を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
【0063】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に発熱体を設けたセラミック基板では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0064】発熱体がセラミック基板の表面に形成される場合には、発熱体の表面部分に、金属被覆層が形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
【0065】金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。なお、発熱体をセラミック基板の内部に形成する場合には、発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。また、セラミック基板の表面に金属層を形成する場合や、その金属層の上に被覆層を形成する場合には、上記した導体ペーストの塗布以外に、スパッタリング等の物理的蒸着手段やめっき等の化学的な被覆手段を用いることができる。本発明の半導体装置用セラミック基板は、200℃以上で使用することができる。
【0066】
【実施例】(実施例1) セラミックヒータ(AlN+Y23 +非晶質カーボン+グラファイト)
(1)ショ糖を酸化性気流中(空気中)で500℃に加熱して熱分解させ、非晶質カーボンを得た。
(2)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、上記(1)の非晶質カーボン0.04重量部、結晶質グラファイト粉末(東洋炭素社製、GR−1200)0.05重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。
(3)次に、上記(2)で得た焼結体の底面に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図8に示したような同心円状のパターンとした。導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
【0067】この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
【0068】(4)次に、導体ペーストを印刷した焼結体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、発熱体92を形成した。銀−鉛の発熱体92は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(5)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(4)で作製した焼結体を浸漬し、銀−鉛の発熱体92の表面に厚さ1μmの金属被覆層92a(ニッケル層)を析出させた。
【0069】(6)電源との接続を確保するための端子を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成した。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピン93を載置して、420℃で加熱リフローし、端子ピン93を発熱体92の表面に取り付けた。
(7)温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、セラミックヒータ10(図8参照)を得た。
【0070】なお、焼結体中のカーボン量の測定は、焼結体を粉砕し、これを500〜800℃で加熱して発生するCOX ガスを捕集することにより行った。この方法による測定の結果、窒化アルミニウム焼結体中に含まれるカーボン量は800ppmであった。また、明度はN=3.5であった。
【0071】(実施例2) セラミックヒータ(AlN+非晶質カーボン+グラファイト)
(1)ショ糖を空気中で500℃に加熱して熱分解させ、非晶質カーボンを得た。
(2)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、上記(1)の非晶質カーボン0.06重量部、結晶質グラファイト粉末(東洋炭素社製、GR−1200)0.03重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。この後、焼結体の底面に実施例1と同様にして抵抗発熱体92を設けた。得られた窒化アルミニウム焼結体中のカーボンの合計量は810ppmで、明度はN=3.5であった。
【0072】(実施例3) セラミックヒータ(カーボンの固溶)
実施例1の焼結体を常圧窒素雰囲気中、1850℃で1時間加熱してカーボンの一部を窒化アルミニウム相に固溶させた。この後、焼結体の底面に実施例1と同様にして抵抗発熱体92を設けた。
【0073】なお、ホットプレス中は、カーボンの固溶はないと考えられる。また、図16には、実施例1と実施例3の半導体装置用セラミック基板を構成する焼結体の強度測定結果を記載している。図16に示したように、カーボンの一部が結晶相に固溶した半導体装置用セラミック基板(実施例3)は、強度の低下が見られる。そのため、固溶させるよりも非晶質カーボンを利用した方がより有利であると考えられる。
【0074】なお、強度の測定は、インストロン万能試験機(4507型 ロードセル500kgf)、温度が25〜1000℃の大気中、クロスヘッド速度0.5mm/分、スパン距離L=30mm、試験片 厚さt=3.06mm、幅w=4.03mmで実施し、以下の数式(1)を用いて3点曲げ強度σ(kgf/mm2 )を算出した。
【0075】
【数1】

【0076】上記計算式(1)中、Pは、試験片が破壊したときの最大荷重(kgf)であり、Lは、下支点間の距離(30mm)であり、tは、試験片の厚さ(mm)であり、wは、試験片の幅(mm)である。
【0077】(比較例1) セラミックヒータ(AlN+Y23
窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :平均粒径0.4μm)4重量部を混合し、これを成形型に入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。この後、焼結体の底面に実施例1と同様にして抵抗発熱体92を設けた。得られた窒化アルミニウム焼結体中のカーボン量は、100ppm以下であり、明度はN=7.0であった。
【0078】(比較例2) セラミックヒータ(AlN+結晶質カーボン)
この比較例は、特開平9−48668号公報の記載に従い、バインダーとしてフェノール樹脂粉末を使用した。なお、この従来技術において、上記フェノール樹脂、アクリル系バインダーを分解して得られるカーボンは結晶性のものである。
【0079】まず、窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、フェノール樹脂粉末5重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。この後、焼結体の底面に実施例1と同様にして抵抗発熱体92を設けた。得られた窒化アルミニウム焼結体中のカーボン量は800ppmであった。
【0080】(比較例3) セラミックヒータ(AlN+非晶質カーボン)
(1)ショ糖を空気中で500℃で加熱して熱分解させ、非晶質カーボンを得た。
(2)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :平均粒径0.4μm)4重量部、上記(1)の非晶質カーボン0.09重量部を混合し、成形型に入れて窒素雰囲気中において1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。得られた窒化アルミニウム焼結体中のカーボン量は805ppmで、明度はN=4.0であった。
【0081】図1は、実施例1〜3および比較例1〜3のセラミックヒータを構成する焼結体について、室温〜500℃までの体積抵抗率の推移について示したものである。この図1に示すように、比較例2として示す結晶質カーボンのみが入っているセラミックヒータの場合には、焼結体の体積抵抗率が約1/10に低下し、500℃に加熱した際、リーク電流が10mAを超してしまい実用的なものとならなかった。
【0082】図2は、焼結体の熱伝導率の温度依存性を示すものであるが、比較例3として示した非晶質カーボンのみが入っている半導体製造・検査装置用セラミック基板の場合には、熱伝導率が40W/m・Kに低下した。また、図3は、実施例1の半導体装置用セラミック基板を構成する焼結体のX線回折チャートであり、図15は、比較例3で得られた焼結体のX線回折チャートである。また、図4は、比較例2で得られた焼結体のX線回折チャートである。実施例1(図3)では、結晶質のカーボンを使用しているため、結晶質カーボンに由来するピークを観察することができるのに対し、比較例3(図15)では、非晶質のカーボンを使用しているため、窒化アルミニウム結晶以外の物質に由来するピークを観察することができない。
【0083】また、実施例1〜3および比較例1〜3の半導体装置用セラミック基板(セラミックヒータ)に通電を行って500℃まで加熱し、表面温度をサーモビュア(日本データム株式会社製 IR 162012−0012)、JIS−C−1602(1980)K型熱電対で測定し、両者の温度差を調べた。なお、熱電対で測定した温度とのずれ量が大きいほど、サーモビュアの温度誤差が大きいと言える。その結果、実施例1では温度差0.8℃、実施例2では温度差0.9℃、実施例3では温度差1℃、比較例1では温度差8℃、比較例2では温度差0.8℃、比較例3では温度差0.9℃であった。
【0084】上記測定において、体積抵抗率と熱伝導率とは次のように測定した。
(1) 体積抵抗率:焼結体を切削加工することにより、直径10mm、厚さ3mmの形状に切出し、三端子(主電極、対電極、ガード電極)を形成し、直流電圧を加え、1分間充電した後のデジタルエレクトロメーターに流れる電流(I)を読んで、試料の抵抗(R)を求め、抵抗(R)と試料の寸法から体積抵抗率(ρ)を下記の計算式(2)で計算した。
【0085】
【数2】

【0086】上記計算式(2)において、tは試料の厚さである。また、Sは、下記の計算式(3)および(4)により与えられる。
【0087】
【数3】

【0088】
【数4】

【0089】なお、上記計算式(3)および(4)において、r1 は主電極の半径、r2 はガード電極の内径(半径)、r3 はガード電極の外径(半径)、D1 は主電極の直径、D2 はガード電極の内径(直径)、D3 はガード電極の外径(直径)であり、本実施例においては、2r1 =D1 =1.45cm、2r2 =D2 =1.60cm、2r3 =D3 =2.00cmである。
【0090】
(2) 熱伝導率:a.使用機器リガクレーザーフラッシュ法熱定数測定装置LF/TCM−FA8510Bb.試験条件温度・・・常温、200℃、400℃、500℃、700℃雰囲気・・・真空c.測定方法・比熱測定における温度検出は、試料裏面に銀ペーストで接着した熱電対(プラチネル)により行った。
・常温比熱測定はさらに試料上面に受光板(グラッシーカーボン)をシリコングリースを介して接着した状態で行い、試料の比熱(Cp)は、下記の計算式(5)により求めた。
【0091】
【数5】

【0092】上記計算式(5)において、Δは、入力エネルギー、ΔTは、試料の温度上昇の飽和値、CpG.c は、グラッシーカーボンの比熱、WG.c は、グラッシーカーボンの重量、CpS.G は、シリコングリースの比熱、WS.G は、シリコングリースの重量、Wは、試料の重量である。
【0093】(実施例4) ウエハプローバ(図13〜14)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部、実施例1で得られた非晶質カーボン0.05重量部、グラファイト粉末0.05重量部および1−ブタノールおよびエタノールからなるアルコール53重量部を混合した組成物を、ドクターブレード法を用いて成形することにより厚さ0.47mmのグリーンシート30を得た。
(2)このグリーンシート30を80℃で5時間乾燥した後、パンチングを行い、発熱体と外部端子ピンと接続するためのスルーホール用貫通孔を設けた。
【0094】(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部、分散剤0.3重量部を混合して導電性ペーストAを調製した。また、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部、分散剤0.2重量部を混合して導電性ペーストBを調製した。
【0095】(4)グリーンシート30の表面に、上記導電性ペーストAをスクリーン印刷法により印刷し、格子状のガード電極用印刷層50およびグランド電極用印刷層60を形成した。また、外部端子接続用ピンと接続するための上記スルーホール用貫通孔に導電性ペーストBを充填してスルーホール用充填層160、170を形成した。そして、導電性ペーストが印刷されたグリーンシート30および印刷がされていないグリーンシート30′を50枚積層し、130℃、80kg/cm2 の圧力で一体化した(図13(a))。
(5)一体化させた積層体を600℃で5時間脱脂し、その後、1890℃、圧力150kg/cm2 の条件で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。この板状体を直径230mmの円状に切り出して窒化アルミニウム基板3とした(図13(b))。なお、スルーホール16、17の大きさは直径0.2mm、深さ0.2mmであった。また、ガード電極5、グランド電極6の厚さは10μm、ガード電極5の焼結体厚み方向での形成位置は発熱体から1mmのところ、一方、グランド電極6の焼結体厚み方向での形成位置は、チャック面1aから1.2mmであった。
【0096】(6)上記(4)で得た窒化アルミニウム基板3を、ダイアモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラスビーズのブラスト処理によって、表面に熱電対取付け用凹部(図示せず)およびウエハ吸着用の溝7(幅0.5mm、深さ0.5mm)を形成した(図13(c))。
(7)さらに、溝7を形成したチャック面1aに対向する裏面に導電性ペーストを印刷して発熱体用のペースト層を形成した。この導電性ペーストは、プリント配線板のスルーホール形成に用いられている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。すなわち、この導電性ペーストは、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀の量に対して7.5重量%含むものである。なお、この導電性ペースト中の銀としては、平均粒径4.5μmのリン片状のものを用いた。
【0097】(8)裏面に導電性ペーストを印刷して発熱体41を形成した窒化アルミニウム基板(ヒータ板)3を780℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに窒化アルミニウム基板3に焼き付け、発熱体41を形成した(図13(d))。次いで、この窒化アルミニウム基板3を、硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l、ロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴中に浸漬して、上記導電性ペーストからなる発熱体41の表面に、さらに厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以下であるニッケル層410を析出させて発熱体41を肥厚化させ、その後120℃で3時間の熱処理を行った。こうして得られたニッケル層410を含む発熱体41は、厚さが5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0098】(9)溝7が形成されたチャック面1aに、スパッタリング法にてTi、Mo、Niの各層を順次積層した。このスパッタリングは、装置として日本真空技術株式会社製のSV−4540を用い、気圧:0.6Pa、温度:100℃、電力:200W、処理時間:30秒〜1分の条件で行い、スパッタリングの時間は、スパッタリングする各金属によって調整した。得られた膜は、蛍光X線分析計の画像からTiは0.3μm、Moは2μm、Niは1μmであった。
【0099】(10)上記(9)で得られた窒化アルミニウム基板3を、硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l、ロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に浸漬して、チャック面1aに形成されている溝7の表面に、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層(厚さ7μm)を析出させ、120℃で3時間熱処理した。さらに、上記窒化アルミニウム基板3表面(チャック面側)にシアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液に93℃の条件で1分間浸漬して、窒化アルミニウム基板3のチャック面側のニッケルめっき層上に、さらに厚さ1μmの金めっき層を積層してチャックトップ導体層2を形成した(図14(e))。
(11)次いで、溝7から裏面に抜ける空気吸引孔8をドリル加工して穿孔し、さらにスルーホール16、17を露出させるための袋孔180を設けた(図14(f))。この袋孔180にNi−Au合金(Au81.5wt%、Ni18.4wt%、不純物0.1wt%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローさせてコバール製の外部端子ピン19、190を接続させた(図14(g))。また、上記発熱体41に半田合金(錫9/鉛1)を介してコバール製の外部端子ピン191を形成した。
(12)温度制御のために、複数の熱電対を上記凹部に埋め込み(図示せず)、ウエハプーバつきヒータとした。
【0100】(13)この後、通常は、上記ウエハプローバ付きヒータをステンレス鋼製の支持台上にセラミックファイバー(イビデン製、商品名、イビウール)からなる断熱材を介して固定し、その支持台上には冷却ガスの噴射ノズルを設けて該ウエハプローバの温度調製を行うようにする。なお、このウエハプローバ付きヒータは、空気吸引孔8からの空気を吸引して、該ヒータ上に載置されるウエハを吸着支持する。なお、このようにして製造したウエハプローバつきヒータは、明度がN=3.5を示し、輻射熱量が多く、しかも、内部のガード電極2やグランド電極3の隠蔽性にも優れる。
【0101】(実施例5)発熱体および静電チャック用静電電極を内部に有するセラミックヒータ(図5)
(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、実施例1で得られた非晶質カーボン0.05重量部、結晶質グラファイト粉末0.05重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0102】(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
【0103】(3) 平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。また、他のグリーンシートに図5に示した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0104】さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚、130℃、80kg/cm2 の圧力で積層した。
【0105】(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体および静電電極を有する窒化アルミニウム製の板状体とした。得られた焼結体は、炭素含有量が850ppmであった。
【0106】(5) 次に、(4) で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0107】(6) さらに、スルーホール用の貫通孔の一部をえぐり取って凹部とし、この凹部にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子を接続させた。なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
【0108】(8) 次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、静電チャック付きセラミックヒータの製造を完了した。このようにして製造した静電チャック付きヒータは、明度がN=3.5を示し輻射熱量が多く、しかも、内部の抵抗発熱体や静電電極の隠蔽性にも優れる。
【0109】(実施例6〜7)本実施例では、非晶質カーボンと結晶質カーボンの比率を下記の表1のように変更したほかは、実施例1と同様にして半導体製造・検査装置用セラミック基板を得た。そして、400℃における体積抵抗率(Ω・cm)と熱伝導率(W/m・K)を測定し、炭素量を測定した。
【0110】
【表1】

【0111】上記表1に示した結果より明らかなように、この半導体製造・検査装置用セラミック基板では、体積抵抗率、熱伝導率ともに、充分に良好な値となっている。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る半導体製造・検査装置用セラミック基板は、相互補完的な2種のカーボンを含有することから、電極パターンの隠蔽性およびサーモビュアによる温度測定精度に優れる他、高温での体積抵抗率および熱伝導率にも優れ、かつ明度の低いセラミック基板となる。従って、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、例えば、ホットプレート、静電チャック、ウエハプローバ、サセプタなどの基板として有用である。




 

 


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