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発明の名称 ウエハプローバ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−148405(P2001−148405A)
公開日 平成13年5月29日(2001.5.29)
出願番号 特願平11−328981
出願日 平成11年11月19日(1999.11.19)
代理人 【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
【テーマコード(参考)】
2G011
2G032
4G030
4M106
【Fターム(参考)】
2G011 AE03 
2G032 AF01 AK03
4G030 AA02 AA08 AA12 AA40 AA44 AA48 AA51 BA01 BA12 CA08 GA14 GA16 GA20 GA29 GA36
4M106 AA01 BA01 BA14 CA60 DJ02
発明者 伊藤 淳 / 平松 靖二 / 伊藤 康隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 所定温度領域の体積固有抵抗率が108Ωm〜1013Ωmであるセラミック材料からなる検査用ステージの表面に金属材料からなるチャックトップ導体層を形成したことを特徴とするウエハプローバ。
【請求項2】 前記所定温度領域は、25℃〜500℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のウエハプローバ。
【請求項3】 前記検査用ステージは、窒化物セラミック、炭化物セラミック及び酸化物セラミックに属するセラミック材料から選ばれる少なくとも一種のセラミック材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウエハプローバ。
【請求項4】 前記セラミック材料には、イットリア、酸化リチウム、酸化鉛及び酸化カルシウムから選ばれる少なくとも一種の焼結助剤を配合したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウエハプローバ。
【請求項5】 前記チャックトップ導体層は、銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン、モリブデン及びパラジウムから選ばれる少なくとも一種の金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のウエハプローバ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路の導通検査用のウエハプローバに関するものであり、更に詳しくは、半導体ウエハが載置されるセラミックス材料からなる検査用ステージの材料特性に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、半導体チップは、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスして半導体ウエハを作製した後、この半導体ウエハに種々の集積回路などを形成することにより製造される。そして、半導体ウエハの段階で各集積回路が設計通りに動作するか否かがチェックされる。
【0003】従来のウエハプローバとしては、例えば、特許第2587289号公報、特公平3-40947号公報、特開平11-31724号公報などに開示されているように、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属製検査用ステージを備えたものが周知である。これら従来のウエハプローバの検査用ステージは、その金属板の厚みが薄いと、テスタピンの押圧により検査用ステージに反りや歪みが発生し、更にこの反りや歪みにより半導体ウエハの破損や変形を招くことから厚め(15mm程度)である。もっとも、検査用ステージの厚さを厚くしてもウエハプローバ全体の重量が増し、かさばるほか、熱伝導率が高い金属を使用しても昇温降温特性が悪くなり、高温で半導体ウエハを吸引固定すると温度制御ができなくなるという問題が生じる。
【0004】そこで、本発明者等は、金属製の検査用ステージに代えてセラミック材料からなる検査用ステージを備えたウエハプローバを特願平11-201789号で提案している。このウエハプローバは、導通検査に際して図9に示したように半導体ウエハWを検査用ステージ501に載置した状態で、テスタピンを配置したプローブ・カード601をウエハWに接触させて使用される。半導体ウエハの良否は、集積回路へ入力されたテストパターン信号に対する応答信号に基づいて判定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなセラミック材料によって検査用ステージを作製した場合、これを数百℃(〜500℃)に加熱すると検査用ステージに絶縁破壊が起こることが判明した。セラミック材料は、高温に加熱すると体積抵抗率が低下して導電性が高くなるため、検査用ステージの内部に形成されるガード電極とグランド電極とがショートするからである。このように絶縁破壊が起こると検査用ステージ内部の正常動作が確保されず、検査用ステージの上に載置された半導体ウエハの導通検査ができなくなる。
【0006】本発明は、高温領域を含む所定の温度領域(25℃〜500℃)において、絶縁破壊を起こさず、且つ、応答性に優れた温度制御が可能な検査用ステージを備えたウエハプローバを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1に記載のウエハプローバは、所定温度領域の体積固有抵抗率が108Ωm〜1013Ωmであるセラミック材料からなる検査用ステージの表面に金属材料からなるチャックトップ導体層を形成したことを要旨とするものである。
【0008】この場合に、前記所定温度領域は、25℃〜500℃の範囲であればよい。この温度範囲がウエハプローバが使用される温度だからである。検査自体は、150℃〜200℃で行うことが一般的であるが、装置の故障などで温度が上昇しすぎてしまう場合があり、このような場合でも絶縁を確保する必要があるからである。なお、この温度範囲を含む広範囲な温度領域でかかる体積固有抵抗率を示すことは何ら本発明を逸脱するものではない。
【0009】この場合に、前記検査用ステージは、窒化物セラミック、炭化物セラミック及び酸化物セラミックに属するセラミック材料から選ばれる少なくとも一種のセラミック材料により形成することが望ましい。セラミック材料は、剛性が高いため、この表面にチャックトップ導体層を薄めに形成しても、このチャックトップ導体層に反りや歪みが発生しないからである。更にこれらのセラミック材料は、25℃〜500℃の所定温度領域で108Ωm〜1013Ωmの体積固有抵抗率を示すからである。
【0010】この場合に、前記セラミック材料には、イットリア、酸化リチウム、酸化鉛及び酸化カルシウムから選ばれる少なくとも一種の焼結助剤を配合しておくとよい。これらの焼結助剤を配合しておくと、酸化物のバリア層ができると考えられるからである。
【0011】この場合に、前記チャックトップ導体層は、銅、チタン、クロム、ニッケル、金、銀、白金、タングステン、モリブデン及びパラジウムから選ばれる少なくとも一種の金属材料により形成することが望ましい。これらの金属は、高融点で硬度が高いため、高温に加熱したり強い力で半導体ウエハを吸着固定しても変形することはないからである。
【0012】この場合に、前記チャックトップ導体層は、リン及び/又はホウ素を含有させるとよい。リンを含有させると検査用ステージの耐久特性を向上させることができ、ホウ素を含有させると検査用ステージの昇温降温特性を向上させることができるからである。
【0013】上記構成を備えた本発明に係るウエハプローバによれば、検査用ステージは、25℃〜500℃の温度領域の体積固有抵抗率が108Ωm〜1013Ωmである窒化アルミニウムなどを主成分とするセラミック材料により形成されるため、絶縁破壊が起こらず、検査用ステージの正常な加熱制御状態が維持される。また、窒化アルミニウムなどのセラミック材料は熱伝導性が高いため、検査用ステージの温度制御は応答性に優れたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る一実施形態であるウエハプローバの概略構成を示した断面図、図2及び図3は、各々その平面図及び底面図である。図4は、図1に示したウエハプローバにおけるA−A線断面図である。
【0015】これらの図において、ウエハプローバ10は、半導体ウエハ上に形成された集積回路の導通検査に用いられるものである。このウエハプローバ10は、検査される半導体ウエハを載置するための検査用ステージ12、検査用ステージ12の表面に設けられるチャックトップ導体層14、検査用ステージ12の裏面に設けられる発熱体16等により構成される。
【0016】そして検査用ステージ12は、平面視円形状のセラミック板の表面に同心円形の溝18が設けられるとともに、溝18の一部に半導体ウエハを吸引するための複数の吸引孔20が設けられている(図2参照)。更に、検査用ステージ12の温度を測定するための測温素子22が有底孔24に設けられている。検査用ステージ12の内部にはガード電極26及びグランド電極28が設けられるほか、ガード電極26を電源端子に接続し、グランド電極28をアースするための接続部として、各々、スルーホール30,32が設けられる。
【0017】まず検査用ステージ12は、材料として窒化アルミニウムを用いて作製したものである。熱伝導率が180W/mKと高く応答性に優れた温度制御ができるからである。検査用ステージ12の厚さは、1〜10mmであり、後述するチャックトップ導体層14の厚さ(1〜10μm)より厚くしている。
【0018】尚、検査用ステージ12の材料は、窒化アルミニウムの他、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタンその他の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タンステンその他の炭化物セラミック及びアルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライトその他の酸化物セラミックが好適である。窒化アルミニウムをはじめとしたこららのセラミック材料は、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。また、これらのセラミックス中には、バインダ及び溶剤を混合しておくとよい。バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセルソルブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも一種、溶媒としては、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも一種が使用できる。この際に、必要に応じてイットリア(そのほかにも、酸化リチウム、酸化鉛及び酸化カルシウムでもよい)などの焼結助剤を加える。更に、セラミックス材料中には、カーボンを200〜1000ppm含むことが望ましい。セラミック内の電極パターンを隠蔽し高輻射熱が得られるからである。カーボンは、X線回折で検出可能な結晶質又は検出不能な非晶質の一方又は両方のいずれでもよい。
【0019】検査用ステージ12の内部に設けられるガード電極26及びグランド電極28は、ストレイキャパシタやノイズを除去するものである。ガード電極26及びグランド電極28は、導電性セラミック(例えば、タングステン又はモリブデンの炭化物)や金属粒子(例えば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケル)を含む導電性ペーストAをスクリーン印刷することにより形成される。導電性ペーストAの平均粒子径は、0.1〜5μmである。印刷に最適な大きさだからである。図4に示したように、これらの電極は、平面視方形状であり、多数の電極が格子状に印刷形成されている。尚、ガード電極及びグランド電極は、格子状に限定されるものではなく、面電極(円形状、方形状、多角形状)としてもよい。
【0020】導電性ペーストAとしては、上述した金属粒子又は導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ及びポリビニラールから選ばれる少なくとも一種のバインダ1.5〜10重量部、α−テルピオーネ、グリコール、エチルアルコール及びブタノールから選ばれる少なくとも一種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調整したペーストが最適である。
【0021】次にスルーホール30,32は、その直径が約0.1〜10mm程度である。断線を防止し、クラックや歪みを防止するのに最適な大きさだからである。図示されるように、スルーホール30,32には、金属粒子(例えば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケル)を含む導電性ペーストBが充填され、これを接続パッドとしてコバール製の外部端子ピン34,36が取り付けられている。尚、導電性ペーストBに代えて、金ろう、銀ろう、パラジウムろう、半田ペーストを用いることもできる。
【0022】導電性ペーストBとしては、導電性ペーストAと同様に、金属粒子又は導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ及びポリビニラールから選ばれる少なくとも一種のバインダ1.5〜10重量部、α−テルピオーネ、グリコール、エチルアルコール及びブタノールから選ばれる少なくとも一種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調整したペーストが最適である。
【0023】尚、スルーホール30,32に金ろうを充填する場合には、Au-Ni合金が密着性に優れるため好適である。Au/Niの比率は、[81.5〜82.5(重量%)]/[18.5〜17.5(重量%)]が好適であり、Au-Ni層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。接続を確保するのに十分な範囲だからである。また、Au-Ni合金中の不純物元素量は、全量を100重量部とした場合に1重量部未満であることが望ましい。
【0024】次にチャックトップ導体層14は、平面視円形状の検査用ステージ12と同心円形状に、この検査用ステージ12の表面形状に沿って設けられる(図1及び図2参照)。従って、チャックトップ導体層14は、検査用ステージ12と一体となって、溝18及び複数の吸引孔20を形成する。チャックトップ導体層14を形成する材料としては、リン及び/又はホウ素を各々0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜5重量%の組成で含有させたニッケルが好適である。ニッケルは、硬度が高くテスタピンの押圧に対しても変形などが起こらないからである。チャックトップ導体層14の厚さは、1〜10μmが好ましい。チャックトップ導体層14の厚さを1μm未満とすると抵抗値が高くなりすぎて電極として働かず、一方、20μmを超えると導体層の持つ応力によって剥離しやすくなるからである。また、チャックトップ導体層14の表面には、貴金属層(金、銀、白金、パラジウム)を0.01〜15μmの厚さで設ける。卑金属のマイグレーションによる汚染を防止することができるからである。
【0025】チャックトップ導体層14の具体的な構成としては、例えば、リン及び/又はホウ素を各々0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜5重量%の組成で含有させたニッケルスパッタリング層を形成し、その上にリン及び/又はホウ素を同じ組成で含有させた無電解ニッケルめっき層を設けたものや、チタン、モリブデン、ニッケルをこの順序でスパッタリングし、更にその上にニッケルを無電解めっき若しくは電解めっき(リン及び/又はホウ素を各々0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜5重量%の組成で含有させてもよい)で析出させたもの等が挙げられる。尚、チタン、クロムの厚みは、0.1〜0.5μm、モリブデンの厚みは、0.5〜7.0μm、ニッケルの厚みは、0.4〜2.5μmが望ましい。
【0026】尚、チャックトップ導体層14は、ニッケルに代えて、例えば、銅、チタン、クロム、金、銀、白金、タングステン、モリブデン及びパラジウムから選ばれる少なくとも一種の金属を用いたものでもよい。
【0027】次に発熱体16は、吸引固定される半導体ウエハの温度を制御するものである。発熱体16は、幅1〜5mm、厚さ1〜10μmの断面長方形状である。発熱体16は、金属粒子及び/又は導電性セラミック粒子からなる導電性ペーストCを検査用ステージ12の裏面に平面視同心円形状にスクリーン印刷して焼結することにより設けられる(図3参照)。導電性ペーストCに含有させる金属粒子としては、金、銀、パラジウム、白金、鉛、銀−パラジウム及びニッケルから選ばれる金属粒子が望ましく、その形状は、球状、鱗片状、球状と鱗片状との混合であればよい。導電性ペーストCに含有させる導電性セラミック粒子としては、タングステン又はモリブデンの炭化物から選ばれる導電性セラミック粒子が望ましい。また、金属焼結体には、金属酸化物(酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナ、イットリア、チタニアなど)を金属粒子に対して0.1重量%以上10重量%未満の割合で含有させるとよい。
【0028】尚、発熱体16は、ニッケルに代えて、金、白金、パラジウム、銀、鉛、タングステン及びモリブデンから選ばれる少なくとも一種の金属を材料として用いたものでもよい。また、焼結体中には、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも一種の金属酸化物を焼結助剤として添加してもよい。金属酸化物は、金属粒子に対して0.1重量%以上10重量%未満であることが望ましい。
【0029】そして、発熱体16の表面にはリン及び/又はホウ素を各々0.01重量%〜1重量%、0.01重量%〜5重量%の組成で含有させたニッケルからなる保護層38が0.1〜10μmの厚さで非酸化金属被膜として設けられる。発熱体の抵抗値を変化させることなく発熱体の酸化を防止することができるからである。尚、保護層38は、ニッケルに代えて、金、銀、パラジウム、白金によって形成してもよい。
【0030】保護層38の表面には、半田ペースト等を介してコバール製の外部端子ピン40が取り付けられる。これにより、発熱体16がソケット42を介して電源に接続され得る。また、半田ペーストの材料としては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズ等の半田合金を用いることができ、その半田層の厚さは、0.1〜50μmが好適である。
【0031】図5は、上述した構成を備えたウエハプローバ10を設置するための支持台44を模式的に示した断面図である。この支持台44は、冷媒吹出口46が設けられ、冷媒注入口48から冷媒が吹き込まれる。半導体ウエハWは、吸引口50からの空気吸引により溝18及び吸引孔20を介して、検査用ステージ12に吸引固定される。
【0032】次に、本発明に係るウエハプローバ10の製造方法を図6及び図7に示した工程図を参照して説明する。まず、セラミックス粉体である窒化アルミニウムをバインダ及び溶剤と混合してペースト状にする。この際に、イットリアなどの焼結助剤を加えてもよい。このペーストをドクターブレード法を用いてシート状に成形して厚さ約0.1〜5mmのグリーンシート52を作製する。グリーンシート52は、図示されるように複数枚作製する。グリーンシート52のうちスルーホール30,32を形成させるものについては、該当する部位に予めパンチングにより貫通孔Hを形成しておく。
【0033】次に貫通孔Hを形成したグリーンシート52のうち該当するものに図4に示したようなガード電極26を格子状に形成すべく、導電性ペーストAをスクリーン印刷する。同様に、貫通孔を形成したグリーンシート52のうち該当するものに図4に示したようなグランド電極28を格子状に形成すべく、導電性ペーストAをスクリーン印刷する。導電性ペーストAの印刷部位は、スルーホール30,32を設ける部位に対応させ、その印刷は、グリーンシート52の収縮率に応じて所望のアスペクト比が得られるように行う。また、形成した貫通孔Hには導電性ペーストBを充填する。
【0034】次に、図6(a)に示したように、作製した複数のグリーンシート52をガード電極26、グランド電極28及び貫通孔Hが所定の位置関係となるように積層する。同図によれば、5枚のグリーンシートがあるように見えるが、これは模式的に示した図であり、実際には、数十枚が積層されることになる。発熱体16の形成側に印刷体を有さないグリーンシート52を積層するのは、スルーホールの端面が露出して、発熱体形成の焼成の際に酸化してしまうことを防止するためである。
【0035】次に、図6(b)に示したように、積層体の加熱及び加圧を行い、グリーンシート52及び導電性ペーストA,Bを焼結させる。加熱温度は、1000〜2000℃、加圧力は、100〜200kg/cm2である。加熱及び加圧は、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行う。これにより、ガード電極26、グランド電極28及びスルーホール30,32が形成される。
【0036】次に、図6(c)に示したように、ドリル、サンドブラストにより焼結体の表面に平面視同心円状の溝18を形成する(図2参照)とともに、焼結体の反対面に有底孔24を形成する。
【0037】次に、図6(d)に示したように、焼結体の底面に発熱体を形成するために導電性ペーストCを印刷してこれを焼成し、発熱体16を設ける。
【0038】次に、図7(e)に示したように、半導体ウエハ載置面(溝形成面)にリン及び/又はホウ素を各々0.01〜1重量%、0.01〜5重量%含有させたチタン、モリブデン、ニッケルなどをスパッタリングした後、リン及び/又はホウ素を各々0.01〜1重量%、0.01〜5重量%含有させた無電解ニッケルめっきなどを施してチャックトップ導体層14を設ける。また、発熱体16の表面にもリン及び/又はホウ素を各々0.01〜1重量%、0.01〜5重量%含有させた無電解ニッケルめっきにより保護層38を設ける。
【0039】次に、図7(f)に示したように、溝18から裏面にかけて貫通する吸引孔20、外部端子ピン接続のための袋孔54を設ける。袋孔54の内壁は、その少なくとも一部が導電化され、その導電化された内壁は、ガード電極、グランド電極などと接続されていることが望ましい。
【0040】最後に、図7(g)に示したように、発熱体16表面の取付部位に半田ペーストを印刷した後、外部端子ピン40を載せて、200〜500℃で加熱してリフローする。また、袋孔54にも金ろうを介して外部端子ピン34,36を取り付ける。更に、有底孔24の内部に測温素子22(熱電対)を埋め込む。
【0041】以下、本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)ウエハプローバ10の製造(1-1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部及び1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合した組成物を用いて、ドクターブレード法により成形を行って厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0042】(1-2) このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにて発熱体と外部端子ピンとを接続するためのスルーホール用の貫通孔を設けた。
(1-3) 平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピオーネ溶媒3.5重量部及び分散剤0.3重量部を混合してガード電極及びグランド電極を形成するための導電性ペーストAとした。また、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピオーネ溶媒3.7重量部及び分散剤0.2重量部を混合してスルーホールに充填するための導電性ペーストBとした。そして、導電性ペーストAをグリーンシートに格子状にスクリーン印刷するとともに、スルーホール用の貫通孔Hに導電性ペーストBを充填した(図6(a)参照)。
【0043】(1-4) 次に、印刷されたグリーンシート及び印刷がされていないグリーンシートを50枚積層して130℃、80kg/cm2の圧力で一体化することにより積層体を作製した(図6(a)参照)。
【0044】(2) 次に、この積層体を窒素ガス中で600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2で3時間ホットプレスし、厚さ4mmの窒化アルミニウム板状体を得た。得られた板状体を、直径230mmの円形状に切り出してセラミック製の板状体とした(図6(b)参照)。ちなみにスルーホール30,32の大きさは、直径3.0mm、深さ3.0mm程度であった。また、ガード電極及びグランド電極の厚さは10μm、ガード電極の形成位置は、半導体ウエハ載置面から1.2mm、グランド電極の形成位置は、半導体ウエハ載置面から3.0mmであった。
【0045】(3) 上記(2)で得た板状体を、ダイアモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、炭化ケイ素によるブラスト処理で半導体ウエハ載置面に半導体ウエハ吸着用の溝18(幅0.5mm、深さ0.5mm)を設けるとともに、その対向面側から測温素子22(熱電対)のための有底孔24を設けた。
【0046】(4-1) 更に、半導体ウエハ載置面に対向する面に外付けで発熱体を形成すべく、導電性ペーストCを印刷した。導電性ペーストCとして用いたペーストは、プリント配線板のスルーホール形成用に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。このペーストは、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量部に対して7.5重量部含むものである。また、銀の形状は、平均粒径4.5μmで鱗片状のものであった(図6(d)参照)。
【0047】(4-2) 導電性ペーストを印刷したヒータ板を780℃で加熱焼成して、導電性ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板に焼き付けた。更に硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l及びロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴にヒータ板を浸漬して、銀の焼結体の表面に厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層を析出させた。この後、ヒータ板は、120℃で3時間アニーリング処理を施した。銀の焼結体からなる発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった(図6(d)参照)。
【0048】(5-1) 溝18を形成した面にチャックトップ導体層14としてスパッタリング法により、順次、チタン層、モリブデン層、ニッケル層を形成した。スパッタリングのための装置は、日本真空技術株式会社製のSV-4540を使用した。スパッタリングの条件は、気圧0.6Pa、温度100℃、電力200Wであり、スパッタリング時間は、30秒から1分の範囲内で、各金属によって調整した。得られた膜の厚さは、蛍光X線分析計の画像から、チタン層は0.3μm、モリブデン層は2μm、ニッケル層は1μmであった。
【0049】(5-2) 硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l、及びロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴、及び硫酸ニッケル250〜350g/l、塩化ニッケル40〜70g/l、ホウ酸30〜50g/lを含み、硫酸でpH2.4〜4.5に調整した電解ニッケルめっき浴を用いて、上記(5-1)で得られたセラミック板を浸漬し、スパッタリングにより形成された金属層の表面に厚さ7μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層を析出させ、120℃で3時間アニーリングした。
【0050】(5-3) 更に、表面にシアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l及び次亜リン酸ナトリウム10g/lを含む無電解金めっき液に、93℃の条件で1分間浸漬し、ニッケルめっき層上に厚さ1μmの金めっき層を形成した(図7(e)参照)。
【0051】(6) 次に、溝18から裏面に抜ける空気吸引孔20をドリル加工により形成し、更にスルーホール34,36を露出させるための袋孔54を設けた(図7(f)参照)。(7) この袋孔54にAu-Ni合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子ピン34,36を取り付けた。また、発熱体16に半田(スズ/鉛=9/1)を介してコバール製の外部端子ピン40を取り付けた。また、温度制御のための複数熱電対22を有底孔24に埋め込んだ(図7(g)参照)。
【0052】以上のようにして作製したウエハプローバを図5の断面形状を有するステンレス製の支持台44にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウール)からなる断熱材を介して組み合わせた。この支持台44は、冷却ガスの噴射ノズル(冷媒吹出口46)を有し、ウエハプローバ10の温度調整を行うことができる。更に、吸引口50から空気を吸引して半導体ウエハWの吸引固定を行う。
【0053】評価方法上述のようにして作製した実施例1のウエハプローバを用いて、検査用ステージの温度と体積固有抵抗率との関係を測定した。その結果、図8に示したように25℃〜500℃の所定温度領域において体積固有抵抗率は、108Ωm〜1013Ωmの範囲に収まった。従って、絶縁破壊を起こすことなく半導体ウエハの導通検査を行うことができた。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るウエハプローバは、25℃〜500℃の温度領域の体積固有抵抗率が108Ωm〜1013Ωmである窒化アルミニウムなどを主成分とするセラミック材料を用いて検査用ステージを形成したものであるから、検査用ステージ内で絶縁破壊が起こらず、その正常な加熱制御状態を維持することができる。また、検査用ステージは、窒化アルミニウムなどを主成分とするセラミック材料により形成し、その上にニッケルなどからなるチャックトップ導体層を設けたものであるから、検査用ステージの温度制御は、応答性に優れたものとなり正確な温度制御が可能となる。




 

 


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