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発明の名称 プリント配線板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−135916(P2001−135916A)
公開日 平成13年5月18日(2001.5.18)
出願番号 特願平11−313767
出願日 平成11年11月4日(1999.11.4)
代理人 【識別番号】100079142
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 祥泰 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5E343
5E346
【Fターム(参考)】
5E343 AA07 AA15 AA17 BB24 BB67 CC44 CC50 CC73 CC78 DD33 DD43 DD76 EE33 EE37 ER16 ER18 ER22 ER26 GG06 GG13 
5E346 AA06 AA12 AA15 BB01 CC51 CC54 DD03 DD24 DD47 EE33 FF02 FF15 GG02 GG16 GG17 GG22 GG23 GG27 HH07
発明者 市川 慎一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 a)樹脂絶縁層に金属層を形成し,b)ドライフィルムにて金属層のパターン非形成部分を被覆するとともにパターン形成部分を開口させ,c)電解めっきにて金属層のパターン形成部分を厚付けし,d)上記ドライフィルムの剥膜処理を行って,上記金属層のパターン非形成部分を露出させ,e)上記金属層にエッチングを施してパターン非形成部分の金属層を除去することにより,金属層のパターン形成部分からなる導体パターンを形成する,プリント配線板の製造方法において,上記ドライフィルムの厚みは20〜50μmであり,かつ上記ドライフィルムの剥膜処理を行うにあたっては,上記プリント配線板を温度40〜70℃の剥膜液に浸漬,スプレーかけまたは超音波付与をすることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】 請求項1において,上記剥膜液は,アルカリ水溶液あるいはアミン系水溶液であることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項3】 請求項2において,上記アルカリ水溶液は,少なくとも水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウムまたは水酸化リチウムのいずれかを含有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項4】 請求項2において,上記アミン系水溶液は,少なくともモノエタノールアミン,ジエタノールアミン,またはトリエタノールアミンのいずれかを含有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,上記剥膜処理は,1〜10分間で行うことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,上記金属層のパターン非形成部分を覆うドライフィルムの最小幅は,15〜75μmであることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【技術分野】本発明は,プリント配線板の製造方法に関し,特にセミアディティブ法でのドライフィルムの剥膜方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,IC実装用のプリント配線板は,例えば,特開平9−130050号に開示されているようなビルドアップ方法にて製造されている。すなわち,内部用の基板の上下両面に内層導体パターンを形成し,その表面に,無電解めっきやエッチングにより粗化処理を施し,次いでロールーコーターや印刷にて層間絶縁層を形成する。次いで,露光及び現像を行ってビアホール開口部を形成し,層間絶縁層の硬化を行う。
【0003】さらに,セミアディティブ法にて外層導体パターンを形成する。すなわち,層間絶縁層に酸や酸化剤などにより粗化処理を施し,パラジウムなどの触媒を付け,次いで,薄い無電解めっきを形成し,そのめっき膜上にドライフィルムにて外層導体パターン形成部分以外の部分にレジストパターンを形成し,外層導体パターン形成部分を電解めっきで厚付けする。次いで,水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの剥膜液(30〜40℃)に基板を浸漬してドライフィルムの剥膜処理を行う。
【0004】次いで,過硫酸塩類,過酸化水素/硫酸などのエッチング液により,金属層の外層導体パターン非形成部分をエッチング除去して外層導体パターンを形成する。次いで,外層導体パターンの表面に,エッチングまたは無電解めっきにより粗化層を形成する。また,内層導体パターンと外層導体パターンとの導通を行うためのビアホールを形成する。
【0005】以上の工程を繰り返し,最表面にソルダーレジスト層を形成することにより,ビルドアップ多層配線板が得られる。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,導体パターンの粗化層をエッチング処理によって形成する場合には,後者の無電解めっきで析出させる場合と比べて,導体パターンの厚みは相対的に薄くなる。これは,エッチング処理では,後工程の導体パターンの粗化層形成のためのエッチング処理と,2回のエッチング処理が行われることになるからである。そのため,エッチングによる粗化層の形成では導体パターンの絶対的な厚みが確保されないこともあり,電気的導通性及び導通信頼性に影響を与える。このような導体パターンの厚み不足は,導体パターンの上に形成する樹脂絶縁層の凹凸が形成される原因に結びつき,インピーダンスの整合性や絶縁信頼性に影響を与えてしまう。
【0007】かかる問題に対応するため,ドライフィルムの膜厚みを従来の20μmよりも5μm以上厚くして,厚付け電解めっき膜をX−Y方向およびZ方向に従来よりも5μm厚くつけることにより,導体パターンの厚みを確保しすることが考えられる。
【0008】しかしながら,ドライフィルムの膜厚を大きくすると,従来の剥膜条件では,ドライフィルムの膜残りが発生する場合がある。これにより,ドライフィルムの下部に位置するパターン非形成部分の金属膜がエッチングされず,短絡を引き起こしてしまう。また,導体パターンの幅を広げたりファインパターン化する場合には,パターン間が狭くなり,更にドライフィルムの膜残りが発生しやすくなる。
【0009】そこで,剥膜液への基板の浸漬時間より長くすることが考えられる。これにより,ドライフィルムは完全に除去されるが,その一方で金属層に変色(アルカリ焼け)が生ずることがある。変色した金属層は,エッチング性(腐蝕性)が低下する。このため,パターン非形成部分の金属層が残り,短絡の原因となる。また,粗化層を形成するために用いるエッチング液では,粗化層の凹凸の差が小さくなり,粗化層と層間絶縁層との密着性が低下して,剥離やクラックを引き起こすことになる。また,変色した導体パターンは電気特性が変化してしまう。
【0010】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,導体パターンの厚みを確保して,電気的接続信頼性に優れたプリント配線板の製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,a)樹脂絶縁層に金属層を形成し,b)ドライフィルムにて金属層のパターン非形成部分を被覆するとともにパターン形成部分を開口させ,c)電解めっきにて金属層のパターン形成部分を厚付けし,d)上記ドライフィルムの剥膜処理を行って,上記金属層のパターン非形成部分を露出させ,e)上記金属層にエッチングを施してパターン非形成部分の金属層を除去することにより,金属層のパターン形成部分からなる導体パターンを形成する,プリント配線板の製造方法において,上記ドライフィルムの厚みは20〜50μmであり,かつ上記ドライフィルムの剥膜処理を行うにあたっては,上記プリント配線板を温度40〜70℃の剥膜液に浸漬,スプレーかけまたは超音波付与をすることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0012】本発明において最も注目すべきことは,上記a)〜e)工程からなるセミアディティブ法により導体パターンを形成するにあたり,電解めっき厚付け後にドライフィルムを剥膜するときに,剥膜液の温度を40〜70℃と高めに設定したことにある。
【0013】剥膜液の温度が40〜70℃であることにより,剥膜液中の酸解離定数が上がりドライフィルムが膨潤し易い方向に反応が進む。また,ドライフィルムの膨潤開始時間(Lifting-point)及び分散開始時間(Breaking-point)を速めることができ,物理的な力による剥膜時間も長くなる。例えば,ドライフィルムの膨潤開始時間を剥膜時間全体の1/6以下とし,またドライフィルムの分散開始時間を剥膜時間全体の1/3以下とすることが可能である。
【0014】このため,20〜50μmもの厚いドライフィルムであっても,完全に除去することができ,剥膜性が向上する。また,迅速にドライフィルムが除去されるため,金属層のアルカリ焼けによる変色も起こらない。このため,金属層のエッチング特性が良好で,電気特性に優れた導体パターンを形成することができる。また,導体パターンの表面には,層間絶縁層との密着性が高い粗化層を形成することができる。また,導体パターンの間が3〜10μmと狭小のファインパターンを形成する場合であっても,ドライフィルムの剥膜が可能となる。
【0015】また,金属層の厚付けのための電解めっきは,ドライフィルムのパターン形成部分に開口する開口部に形成される。このため,電解めっきの膜厚みはドライフィルムと同程度の厚みにすることができる。したがって,本発明において,ドライフィルムの厚みを20〜50μmとすることにより,電解めっきの膜厚みをそれと同程度の厚みにすることができる。そのため,後工程においてエッチング処理が行われても,導体パターンの全体厚みを十分に確保でき,電気導通信頼性を確保できる。また,CZ処理という粗化処理が行われても,導体パターンの十分な厚みを確保できる。
【0016】本発明において,剥膜処理の温度は,40〜70℃である。これにより,ドライフィルムの剥膜性が向上し,またドライフィルム下の金属層も変色しない。一方,剥膜液の温度が40℃未満の場合には,25μm以上の厚みのドライフィルムの剥膜残りが生じる場合がある。70℃を超える場合には,ドライフィルム下の金属層にアルカリ焼けによる変色が発生する場合があり,また作業安全性が低下する。特に,剥膜液の温度は55〜65℃の範囲で行うことが良い。その範囲であれば,剥膜残りもなく,金属層の変色も防止できる。
【0017】ドライフィルムの厚みは20〜50μmである。これにより,導体パターンを十分な厚みにすることができ,電気導通信頼性を確保できる。一方,ドライフィルムの厚みが20μm未満の場合には,電解めっきによる金属層の厚付けが不十分になり,導電性の表面に形成する層間絶縁層の塗布厚みも全体的に薄くなってしまい,絶縁信頼性に影響を与える場合がある。また,ドライフィルムの厚みが50μmを超える場合には,ドライフィルムの剥膜残りが生じるおそれがあり,50μm以下の微細なパターン形成には不適である。
【0018】剥膜処理は,プリント配線板を剥膜液に浸漬する,プリント配線板に剥膜液をスプレー掛けする,あるいはプリント配線板を剥膜液に浸漬して超音波をかけることにより行う。浸漬する場合には,剥膜液槽を2槽に分けると良い。第1槽でドライフィルムを膨潤させ,第2槽でドライフィルムを剥膜液に溶解させて除去分散させる。
【0019】請求項5の発明のように,剥膜処理は1〜10分間で行うことが好ましい。上記の2槽に分ける場合には,2槽あわせた浸漬時間を1〜10分とすることが好ましい。特に望ましいのは,2〜5分間で行う。1分未満では,ドライフィルムに膜残りが生ずる場合があり,10分を越えると金属層が変色するおそれがある。
【0020】請求項2の発明のように,上記剥膜液は,アルカリ水溶液あるいはアミン系水溶液であることが好ましい。これにより,ドライフィルムを剥膜することができる。特には,無機の強アルカリを用いることが好ましい。これにより,剥膜性が向上する。無機の強アルカリとしては,水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化リチウム,水酸化カルシウムなどを用いる。その中でも,水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。安価で溶解度が高く,金属層上に異物が残留しにくいからである。
【0021】請求項3の発明のように,上記アルカリ水溶液は,少なくとも水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウムまたは水酸化リチウムのいずれかを含有することが好ましい。また,請求項4の発明のように,上記アミン系水溶液は,少なくともモノエタノールアミン,ジエタノールアミン,またはトリエタノールアミンのいずれかを含有することが好ましい。
【0022】上記アルカリ水溶液またはアミン系水溶液の中に,上記アルカリ成分または上記アミン化合物が50%以上含有していることが好ましい。50%未満の含有率では,剥膜液の劣化が早くなり,実用的でない。特に,アミン系水溶液からなる剥膜液を用いることが良い。剥膜性がよく,金属層が変色しないからである。
【0023】次に,上記a)〜e)工程について説明する。
a)工程樹脂絶縁層に金属層を形成する。樹脂絶縁層は,ガラスクロスに樹脂を含浸させたコア基板,または該コア基板の表面に層間樹脂絶縁層を形成したビルドアップ基板であってもよい。コア基板にはスルーホールを,層間樹脂絶縁層にはビアホールを形成することができる。
【0024】上記ビルドアップ基板を作製するにあたっては,スルーホール及び導体パターンを有するコア基板上に,樹脂絶縁層をロールコーターや印刷によって塗布して形成する。黒円が描画されたフォトマスクにを上記基板上に載置させて,露光,現像,乾燥,硬化を行い,樹脂絶縁層にバイアホールを形成する。次に,酸あるいは酸化剤で樹脂絶縁層表面に粗化層を形成する。酸としては,硫酸,塩酸,硝酸やリン酸などを用いることができる。酸化剤としては,クロム酸,クロム酸塩,過マンガン酸などを用いることができる。その後,粗化層が形成された樹脂絶縁層上に,無電解銅めっきで薄付け金属層を形成する。
【0025】また,本発明において,金属層は,金属箔,電解めっき膜または無電解めっき膜などからなる。金属層は,スパッタ,蒸気によって形成させてもよい。また,それらを2層以上形成させた複合金属層でもよい。前記したように樹脂層に粗化層を設けてもよいが,樹脂層に粗化層を設けないで,フォトあるいは炭酸,エキシマ,UVなどのレーザでバイアホールを形成し金属層を形成してもよい。
【0026】b)工程ドライフィルムにて金属層のパターン非形成部分を被覆するとともにパターン形成部分を開口させるにあたっては,具体的には,20〜50μmのドライフィルムを金属層に貼り付けて,導体パターンが描画されたフォトマスクを載置して,ドライフィルムの露光及び現像を行う。
【0027】請求項6の発明のように,上記金属層のパターン非形成部分を覆うドライフィルムの最小幅は,15〜75μmであることが好ましい。これにより隣接する回路間の電気絶縁性を確保しつつ,回路のファイン化を図ることができる。15μm未満の場合には,パターン間の絶縁性を確保できない場合がある。75μmを超える場合には,導体パターンの高密度化が図れないおそれがある。
【0028】ドライフィルムは,金属層のパターン非形成部分を被覆し,パターン形成部分に開口部を設けている。ここで,パターン形成部分とは,様々な形状を有する導体パターンを形成すべき部分をいう。上記ドライフィルムの最小幅とは,パターン非形成部分を覆うドライフィルムにおいて,最も狭い部分の幅をいう。
【0029】c)工程電解めっきにて金属層の厚付けをする。これにより,ドライフィルムの開口部に電解めっき膜が形成される。電解めっきの膜厚は,ドライフィルムの厚みと同程度にすることができる。
【0030】d)工程ドライフィルムの剥膜処理を上記の条件で行う。すると,ドライフィルムが除去され,ドライフィルム下の金属層が露出する。
【0031】e)工程ドライフィルム下の金属層の非形成部分をエッチングにて除去する。これにより,金属層における電解めっき膜を施したパターン形成部分が残り,導体パターンが形成される。導体パターン形成用のエッチングでは,過硫酸塩類,過酸化水素/硫酸,塩化第二鉄,塩化第二銅などのエッチング液を用いる。
【0032】次に,導体パターンの表面に,エッチング液により粗化層を形成することが好ましい。これにより,導体パターンとその上に形成される層間樹脂絶縁層との密着性が向上する。粗化層形成用のエッチング液としては,過硫酸塩類,過酸化水素/硫酸,第二銅錯体と有機酸塩からなるエッチング液を用いるとよい。上記導体パターンの表面には,ビルドアップ法により,層間樹脂絶縁層を介して導体パターンを形成することができる。これにより,プリント配線板を多層にすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】実施形態例1本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造方法について,図1〜図5を用いて説明する。まず,各種組成物を調製し,プリント配線板の製造に供した。
【0034】A.上層の層間絶縁層用の原料組成物〔樹脂組成物■〕クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製,分子量2500)の25%アクリル化物を80重量%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を35重量部,感光性モノマー(東亜合成製,アロニックスM315)3.15重量部,消泡剤(サンノプコ製,S−65)0.5重量部,及びNMP3.6重量部を攪拌混合して,樹脂組成物■を得た。
【0035】〔樹脂組成物■〕ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部,エポキシ樹脂粒子(三洋化成製,ポリマーポール)の平均粒径1.0μmのもの7.2重量部,及び平均粒径0.5μmのもの3.09重量部を混合した後,さらにNMP30重量部を添加し,ビーズミルで攪拌混合して,樹脂組成物■を得た。
【0036】〔硬化剤組成物■〕イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)2重量部,光開始剤(チバガイギー製,イルガキュア I−907)2重量部,光増感剤(日本化薬製,DETX−S)0.2重量部,及びNMP1.5重量部を攪拌混合して,硬化剤組成物■を得た。
【0037】B.下層の層間樹脂絶縁層用の原料組成物〔樹脂組成物■〕クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製,分子量2500)の25%アクリル化物を80重量%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液35重量部,感光性モノマー(東亜合成製,アロニックスM315)4重量部,消泡剤(サンノプコ製,S−65)0.5重量部,及びNMP3.6重量部を攪拌混合して,樹脂組成物■を得た。
【0038】〔樹脂組成物■〕ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部,及びエポキシ樹脂粒子(三洋化成製,ポリマーポール)の平均粒径0.5μmのもの14.49重量部を混合した後,さらにNMP30重量部を添加し,ビーズミルで攪拌混合して,樹脂組成物■を得た。
【0039】〔硬化剤組成物■〕イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)2重量部,光開始剤(チバガイギー製,イルガキュア I−907)2重量部,光増感剤(日本化薬製,DETX−S)0.2重量部,及びNMP1.5重量部を攪拌混合して,硬化剤組成物■を得た。
【0040】C.樹脂充填剤用の原料組成物〔樹脂組成物■〕ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル製,分子量310,YL983U)100重量部,表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径1.6μmのSiO2球状粒子(アドマテック製,CRS1101−CE)170重量部,及びレベリング剤(サンノプコ製,ペレノールS4)1.5重量部を攪拌混合することにより,その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,000cpsに調整して,樹脂組成物■を得た。なお,SiO2球状粒子の最大径は,後述する内層導体パターンの厚み(15μm)以下とする。
【0041】〔硬化剤組成物■〕イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)6.5重量部。
【0042】D.プリント配線板の製造次に,上記各種組成物を用いてプリント配線板を製造する方法を,図1〜図5を用いて説明する。
【0043】(1)まず,図1(a)に示すごとく,厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の上下両面に18μmの銅箔20がラミネートされている銅張積層板を形成した。この銅張積層板をドリル削孔し,無電解銅めっき処理を施し,パターン状にエッチングすることにより,図1(b)に示すごとく,基板1の上下両面に内層導体パターン2と,上下導通を行うためのスルーホール22を形成した。
【0044】(2)基板を水洗いし,乾燥した後,酸化浴(黒化浴)として,NaOH(10g/l),NaClO2(40g/l),Na3PO4(6g/l),還元浴として,NaOH(10g/l),NaBH4(6g/l)を用いた酸化−還元処理により,内層導体パターンおよびスルーホールの表面に粗化層を形成した。
【0045】(3)Cの樹脂充填剤調製用の原料組成物を混合混練して樹脂充填剤を得た。
【0046】(4)図1(b)に示すごとく,内層導体パターン2の間あるいはスル−ホ−ル22内に,上記(3)で得た樹脂充填剤10を調製後24時間以内に印刷,充填した。樹脂充填剤10の印刷は,スキ−ジを用いて2回行った。1回目の印刷は,主にスルホ−ル内を充填して,乾燥炉内の温度100℃,20分間乾燥させた。また,2回目の印刷は,主に内層導体パターンの形成で生じた凹部に該当する部分が開口したマスクを載置して凹部を充填して,内層導体パターン間およびスル−ホ−ル内を充填させた後,前述の乾燥条件で乾燥させた。
【0047】(5)基板の片面を,#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により,内層導体パターンの表面やスルーホールのランド表面に樹脂充填剤が残らないように研磨し,次いで,上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。
【0048】次いで,100℃で1時間,150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填剤を硬化した。このようにして,スルーホール等に充填された樹脂充填剤の表層部および内層導体パターン表面の粗化層を除去して基板両面を平滑化し,樹脂充填剤と内層導体パターンの側面とが粗化層を介して強固に密着し,またスルーホールの内壁面と樹脂充填剤とが粗化層を介して強固に密着した。即ち,この工程により,図1(c)に示すごとく,樹脂充填剤10の表面と内層導体パターン2表面が同一平面となる。
【0049】(6)表層の導体パターンを,イミダゾール銅(II)錯体10重量部,グリコール酸7重量部,塩化カリウム5重量部からなるエッチング液,メック社商品名「メックエッチボンド」にて,スプレイを施して,搬送ロールにて送ることによりエッチング処理して,厚さ3μmの粗化面を形成した。該エッチング処理はCZ処理という。以上により,図1(d)に示すごとく,内層導体パターン2の表面に,粗化層29が形成される。
【0050】(7)Bの層間樹脂絶縁層用の原料組成物を攪拌混合し,粘度1.5Pa・sに調整して下層の層間絶縁樹脂剤を得た。また,Aの層間絶縁層用の原料組成物を攪拌混合し,粘度7Pa・sに調整して上層の層間絶縁樹脂用溶液を得た。
【0051】(8)上記(6)の基板1の上下両面に,上記(7)で得られた下層の層間樹脂絶縁剤(粘度1.5Pa・s)を調製後24時間以内にロールコータで塗布し,水平状態で20分間放置してから,60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い,次いで,上記(7)で得られた上層の層間絶縁樹脂用溶液(粘度7Pa・s,感光性)を調製後24時間以内に塗布し,水平状態で20分間放置してから,60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い,図2(e)に示すごとく,下層層間絶縁層31と上層層間絶縁層32とからなる2層構造の厚さ35μmの層間絶縁層3を形成した。
【0052】(9)層間絶縁層3の表面に,85μmφの黒円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ,超高圧水銀灯により500mJ/cm2で露光した。これをDMTG溶液でスプレー現像し,さらに,基板を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2で露光し,100℃で1時間,120℃で1時間,その後150℃で3時間の加熱処理(ポストベーク)をすることにより,図2(f)に示すごとく,フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れた85μmφのビアホール形成用の開口部35を形成した。なお,開口部35には,内層導体パターンの粗化層29を部分的に露出させた。
【0053】(10)基板をクロム酸に19分間浸漬し,層間絶縁層の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより,層間絶縁層の表面を粗化処理した。粗化深さは6μmであった。その後,中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに,粗面化処理した上記基板の表面に,パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより,図2(g)に示すごとく,層間絶縁層3の表面および開口部35の内壁面に触媒核35を付けた。
【0054】(11)以下に示す組成の無電解銅めっき水溶液中に基板を浸漬して,図2(h)に示すごとく,粗面全体に厚さ0.6〜1.2μmの金属層41を形成した。
〔無電解めっき水溶液〕
i)NiSO・・・・・・・0.003mol/l,ii) 酒石酸・・・・・・・・・0.200mol/l,iii)硫酸銅・・・・・・・・0.030mol/l,iv)HCHO・・・・・・・0.050mol/l,v)NaOH・・・・・・・0.100mol/l,vi)α,α’−ビピリジル・・40mg/l,vii)PEG・・・・・・・・0.10g/l。
【0055】〔無電解めっき条件〕
35℃の液温度で40分【0056】(12)上記(11)で形成した無電解銅めっき膜上に膜厚25μmの市販の感光性のドライフィルム49を貼り付けた。次いで,ドライフィルム49のパターン非形成部分の表面をマスクにより被覆して,100mJ/cm2で露光,0.8%炭酸ナトリウムで現像処理して,図3(i)に示すごとく,パターン形成部分91のドライフィルム49に開口穴490を形成し,パターン非形成部分92のドライフィルム49を残した。
【0057】(13)ドライフィルム49の開口穴490の内部に以下の条件で電解銅めっきを施して,図3(j)に示すごとく,厚さ22μmの金属層42を形成して,パターン形成部分の金属層41が厚付けされた。
【0058】〔電解めっき水溶液〕
i)硫酸・・・・・・・・2.24mol/l,ii)硫酸銅・・・・・・・0.26mol/l,iii)添加剤(アトテックジャパン製,カパラシドHL)・・19.5ml/l。
【0059】〔電解めっき条件〕
i)電流密度・・・・・・・1A/dm2,ii)時間・・・・・・・・65分,iii)温度・・・・・・・22±2℃。
【0060】(14)図4(k)に示すごとく,ドライフィルム49を,3%NaOH含有の剥膜液(55℃)に3分間浸漬させて剥離除去した。次いで,そのドライフィルム下の金属層41を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理して溶解除去した。これにより,図4(l)に示すごとく,2層の金属層41,42からなる厚さ20μmの外層導体パターン4(ビアホールを含む。)が形成された。
【0061】(15)第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液によって,上記(6)と同様のCZ処理を行い,導体パターンの粗化層を形成した。本例においては,粗化層には,Snなどの金属層の被覆を行わなかったが,場合によっては行うことが好ましい。導体パターンの薬液からの侵食を防止し,導体パターンの強度が増すからである。
【0062】(16)図2(e)〜図4(l)に示す上記(7)〜(15)の工程を繰り返すことにより,さらにその上層の導体パターンを形成して多層のプリント配線板を得た。表層の導体パターンにも,第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液により,粗化層を形成した。表層にはSn置換などの被覆層は形成しなかった。
【0063】(17)一方,DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67g,メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製,エピコート1001)15.0g,イミダゾール硬化剤(四国化成製,2E4MZ−CN)1.6g,感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製,R604)3g,同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製,DPE6A)1.5g,分散系消泡剤(サンノプコ社製,S−65)0.71gを混合した。さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g,光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を0.2g加えて,粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。なお,粘度測定は,B型粘度計(東京計器,DVL−B型)で60rpmの場合はローターNo.4,6rpmの場合はローターNo.3を用いた。
【0064】(18)図5に示すごとく,上記(16)で得られたプリント配線基板の上下両面に,上記(17)のソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布してソルダーレジスト層6を形成した。次いで,70℃で20分間,70℃で30分間の乾燥処理を行った後,円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルムを密着させて載置し,1000mJ/cm2の紫外線で露光し,DMTG現像処理した。そしてさらに,80℃で1時間,100℃で1時間,120℃で1時間,150℃で3時間の条件で加熱処理し,半田パッド部分(ビアホールとそのランド部分を含む)に開口部65(開口径200μm)を有するソルダーレジスト層6(厚み20μm)を形成した。
【0065】(19)その後,過硫酸ナトリウムを主成分とするエッチング液を毎分2μm程度毎エッチングするように成分を調整し,調整後のエッチング液にプリント配線板を1分間浸漬し,水洗などを行い,導体パターンの平均粗度(Ra)を1μm以下にして導体パターンを平坦にした。次いで,多層プリント配線板を,塩化ニッケル2.3×10-1mol/l,次亜リン酸ナトリウム2.8×10-1mol/l,及びクエン酸ナトリウム1.6×10-1mol/l,からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して,開口部65内に厚さ5μmのニッケルめっき層45を形成した。さらに,そのプリント配線板を,シアン化金カリウム7.6×10-3mol/l,塩化アンモニウム1.9×10-1mol/l,クエン酸ナトリウム1.2×10-1mol/l,次亜リン酸ナトリウム1.7×10-1mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して,ニッケルめっき層45上に厚さ0.03μmの金めっき層46を形成した。
【0066】(20)図5に示すごとく,ソルダーレジスト層6の開口部65に,半田ペーストを印刷して200℃でリフローすることにより,半田バンプ7(半田体)を形成した。
【0067】次に,本例の作用及び効果について説明する。本製造方法においては,(14)工程において,図4(k)に示すごとく,ドライフィルム49を3%NaOH含有の剥膜液を55℃にして,3分間浸漬させて剥離除去している。そのため,ドライフィルムの剥膜性が向上し,またドライフィルム下の無電解めっき膜(金属層)も変色しない。
【0068】また,(12)工程において,ドライフィルムの厚みを25μmとしている。このため,(13)工程において,導体パターンを十分な厚み(22μm)にすることができ,電気導通信頼性,及び層間絶縁層の絶縁信頼性を確保できる。
【0069】実施形態例2実施形態例1とほぼ同様であるが,(14)工程において,剥膜液を5%のKOH水溶液を用いて行い,温度50℃にしてドライフィルムの剥離を行った。
【0070】実施形態例3実施形態例1とほぼ同様であるが,(14)工程において,剥膜液をモノエタノールアミンが7%含有した剥膜を用いて行い,温度40℃にしてドライフィルムの剥離を行った。
【0071】比較例実施形態例1とほぼ同様であるが,(14)工程において,剥膜液を3%のNaOH水溶液を用いて行い,温度35℃にしてドライフィルムの剥離を行った。
【0072】(実験例)実施形態例1〜3及び比較例について,i) 剥膜後のドライフィルム残りの有無,ii) 金属層(無電解めっき膜)の変色の有無,iii) 導通試験による断線,短絡の有無,iv) 信頼性試験(ヒートサイクル条件下 130℃/3分+−65℃/3分を1サイクルとして1000サイクル実施)後の金属層と樹脂層との間の剥れの有無,v) 信頼性試験(条件はiv)と同じ)後の導通試験による断線,短絡の有無の計5項目を評価した。評価結果を表1に示した。
【0073】
【表1】

【0074】同表より,実施形態例1〜3では,ドライフィルムの剥膜残りがなく,導体パターンの導通性もよかった。一方,比較例では,ドライフィルムの剥膜残りが生じ,信頼性試験で導通不良が発生した。このことから,NaOH,KOH,モノエタノールアミンを含む剥膜液を40〜55℃にしてドライフィルムの剥膜処理を行うことにより,ドライフィルムの剥膜性が向上し,導体パターンの導通性,信頼性が高くなることがわかる。
【0075】(実験例2)本例では,剥膜液の温度及び剥膜処理時間と,ドライフィルムの剥膜残り及び金属層の変色との関係を調査した。実施形態例1のプリント配線板の製造方法における(14)工程で,剥膜液の温度は35〜75℃の間で変化させた。また,剥膜処理時間は,1〜10分の場合,10分を超える場合とした。この条件で(14)工程の剥膜処理を行い,その他は,実施形態例1と同様に,プリント配線板を製造した。評価結果を表2に示した。表2より,剥膜液の温度は35℃よりも高い場合には,ドライフィルムの剥膜残りが発生しなかった。また,75℃未満では,金属層の変色が起こらなかった。また,剥膜処理時間は1〜10分の場合には,金属層の変色が少なかった。
【0076】
【表2】

【0077】(実験例3)本例では,プリント配線板の製造工程における,導体パターンのパターン幅の変動について調査した。プリント配線板は,実施形態例1と同様の方法で製造した。その中で,(11)工程では,図6(i)に示すごとく,無電解めっきにて厚み0.01〜2μmの薄付けの金属層41を形成した。(12)工程では,図6(i)に示すごとく,厚み20〜50μmのドライフィルム49を樹脂絶縁層3に貼り付けた。このとき,ドライフィルム49におけるパターン形成部分91の幅Aとパターン非形成部分92の幅Bは50μm/30μmとした。(13)工程において,図6(j)に示すごとく,パターン形成部分91に電気めっきにて金属層42を25〜29μmの厚みに形成した。
【0078】次いで,(14)工程において,図6(l)に示すごとく,ドライフィルム49に剥膜処理を施した。剥膜処理は,溶液組成モノエタノールアミン65%含有,溶液温度50℃,浸漬時間3分とした。次いで,ドライフィルム49下のパターン非形成部分92の金属層41をエッチングして導体パターン4を形成した。導体パターン4の幅A,パターン非形成部分92の幅Bは35μm/45μmであった。
【0079】その後,(15)工程において,図6(m)に示すごとく,導体パターン4に厚み2μmの粗化層29を形成したところ,導体パターン4の幅A,パターン非形成部分92の幅Bは40μm/40μmとなった。また,導体パターン4の厚みは18μmとなった。形成された導体パターンの導通試験を行ったところ,正常な電気導通を示した。
【0080】以上のように,本例のプリント配線板の製造方法によれば,ドライフィルムが剥膜処理によって完全に除去されるため,導体パターン間のスペースが狭くても,短絡はなく,導通信頼性に優れたプリント配線板を製造することができる。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば,導体パターンの厚みを確保して,電気的接続信頼性に優れたプリント配線板の製造方法を提供することができる。




 

 


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