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発明の名称 熱電対および半導体製造装置用セラミック基材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−135869(P2001−135869A)
公開日 平成13年5月18日(2001.5.18)
出願番号 特願2000−254465(P2000−254465)
出願日 平成12年8月24日(2000.8.24)
代理人 【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
発明者 松原 均 / 平松 靖二 / 伊藤 康隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 異なる2種類の金属線を接合してなる熱電対において、これら各金属線の接合部位の大きさが、各金属線の素線径と同一か、もしくはそれよりも大きいものの、 0.5mm以下の大きさとしたことを特徴とするセラミック基材用熱電対。
【請求項2】 セラミック板の表面または内部に温度制御手段を設けると共に、このセラミック板に、異なる2種類の金属線を接合すると共にその接合部位の大きさが、各金属線の素線径と同一かもしくはそれよりも大きいものの、 0.5mm以下の大きさとした熱電対を配設したことを特徴とする半導体製造装置用セラミック基材。
【請求項3】 セラミックヒータ機能を付与したことを特徴とする請求項2に記載の半導体製造装置用セラミック基材。
【請求項4】 前記セラミック板の内部に、静電電極を埋設して静電チャック機能を付与したことを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置用セラミック基材。
【請求項5】 前記セラミック板の内部に、ガード電極とグランド電極を埋設すると共に、該セラミック板表面の半導体ウエハ載置面にチャックトップ導体層を形成してウエハプローバ機能を付与したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1に記載の半導体製造装置用セラミック基材。
【請求項6】 前記熱電対を、セラミック板に埋設してなる請求項2〜5のいずれか1に記載の半導体製造装置用セラミック基材。
【請求項7】 前記熱電対を、セラミック板の表面に付着してなる請求項2〜6のいずれか1に記載の半導体製造装置用セラミック基材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体産業において使用される半導体製品の乾燥あるいはスパッタリング等に用いられるセラミックヒータや静電チャック、ウエハプローバ等としての機能を具える半導体製造装置用セラミック基材、およびこのセラミック基材に用いられる熱電対に関し、特に、温度制御しやすく、加熱面の温度均一性確保に優れる半導体製造装置用セラミック基材を得るための技術を提案する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品の電子回路は、シリコンウエハー上にエッチングレジストとして感光性樹脂を塗布したのち、エッチングすることにより形成されている。この場合、シリコンウエハーの表面に塗布された感光性樹脂は、スピンコーターなどにより塗布されたものであるから、塗布後に乾燥する必要がある。その乾燥処理は、感光性樹脂を塗布したシリコンウエハーをヒータの上に載置して加熱することにより行われる。従来、このようなヒータとしては、金属板 (アルミニウム板) からなる基板の裏面に発熱体を配線したものなどが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような金属製基板からなるヒータを半導体製品の乾燥に用いた場合、次のような問題点があった。それは、ヒータの基板が金属製であることから、基板の厚みを15mm以上に厚くしなければならない。なぜなら、薄い金属製基板では、加熱に起因する熱膨張により、そりや歪みが発生してしまい、この基板上に載置されるウエハーが破損したり傾いたりしてしまうからである。しかも、従来のヒータは厚みがあるため重量が大きく、かさばるという問題があった。
【0004】また、基板に取付けた発熱体に印加する電圧や電流量を変えることにより、ヒータの加熱温度を制御する場合、基板の厚みが大きいと、ヒータ基板の温度が電圧や電流量の変動に迅速に追従せず、基板の温度制御特性が悪いという問題点もあった。
【0005】これに対して従来、特公平8−8247号公報などでは、発熱体を形成した窒化物セラミック基板を使用し、その発熱体近傍の温度を測定しながら、セラミック板の温度を制御するセラミックヒータが提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなセラミックヒータを用いてシリコンウエハを加熱しようとすると、ヒータ表面に偏った温度分布が不可避的に発生し、シリコンウエハが破損するという問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、温度制御しやすく、加熱面の温度均一性に優れるセラミックヒータ, 静電チャック, ウエハプローバとしての機能が付与されたセラミック基材およびこの基材に取付けられる発熱体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上掲の目的の実現に向け発明者らは、シリコンウエハ破損の原因について研究する中で、温度制御を行っているにもかかわらずセラミック基材に不均一な温度分布が発生する主な理由は、熱電対の応答性が悪いためであることがわかった。そして、さらに研究を続けた結果、熱電対の応答性が充分でない理由は、熱電対の接合部分 (金属線接合部) が球状になっており、この部分の熱容量が大きくなるために、温度が正確に電流値に変換されないためであるとの知見を得た。そこで、発明者らは、2本の金属線接合部を従来のように溶融した後、圧着して球状とするのではなく、接合部分をレーザ光でスポット加熱して接合する方法に着目し、この方法によって接合部の形状をスリム化して、熱電対自身の温度制御性を向上させることに成功した。
【0009】即ち、本発明は、異なる2種類の金属線を接合してなる熱電対において、これら各金属線の接合部位の大きさが、各金属線の素線径と同一か、もしくはそれよりも大きいものの、 0.5mm以下の大きさとしたことを特徴とするセラミック基材用熱電対を提案する。
【0010】また、本発明は、セラミック板の表面または内部に温度制御手段を設けると共に、このセラミック板に、異なる2種類の金属線を接合すると共にその接合部位の大きさが、各金属線の素線径と同一かもしくはそれよりも大きいものの、 0.5mm以下の大きさとした熱電対を配設したことを特徴とする半導体製造装置用セラミック基材を提案する。
【0011】本発明にかかるセラミック基材は、セラミックヒータ機能を付与することが望ましい。また、本発明のセラミック基材については、セラミック板の内部に、静電電極を埋設して静電チャックを付与してなる実施形態が好ましい。さらに、本発明のセラミック基材については、その内部にガード電極とグランド電極を埋設すると共に、この板表面の半導体ウエハ載置面にチャックトップ導体層を形成してウエハプローバ機能を付与してなる実施形態が好ましい。
【0012】本発明の上記各構成において、セラミック板には反加熱面側から穿孔した有底孔が設けられ、その有底孔内に熱電対を挿入して取り付けることが望ましいが、この有底孔の孔底と加熱面との距離は、0.1 mm〜セラミック板の厚さの1/2程度とすることが望ましい。また、熱電対は、前記有底孔を設けずセラミック板の表面に付着 (接触保持)させてもよい。この場合、該熱電対をセラミック板の表面に直に付着させてもよいが、絶縁材や熱伝導媒体を介して間接的に付着させたものであってもよい。例えば、無機系接着剤で接着固定するか、ボルトやピン等で押しつけて圧着する方法などによって付着させる。このようなセラミックヒータを構成するセラミック板の素材としては、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックを用いることが望ましい。また、上記セラミックヒータの発熱体については、少なくとも2以上の回路に分割したものを用いることが望ましい。なお、上記発熱体は、断面が偏平な板状のものが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、セラミック板内に埋設される温度制御手段としては、発熱体やペルチェ素子を用いることができる。また、異なる2種類の金属線の遊端同士を接合してなる熱電対としては、その接合部の大きさ、即ち接合部の径が、各金属線の素線径と同一もしくはそれよりも大きいものの、0.5 mm以下の径を有するものが用いられる(図4参照)。このような構成にすることによって、接合部分に集中する熱容量が小さくなり、温度が正確に、また迅速に電流値に変換でき、ひいては温度制御性が向上し、これをヒータに適用した場合に、ウエハ加熱面の温度分布の偏りを小さくすることができる。なお、かかる熱電対の金属線の組み合わせ例としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に示されているような、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対等が挙げられるが、これらのなかでは、K型熱電対がセラミックヒータの発熱体として好ましい。なお、K型とは、Ni/Cr合金線とNi合金の組合せ、R型とはPt−13%Rh合金線とPt線との組合せ、B型とは、Pt−30%Rh合金線とPt−65Rh合金線との組合せ、S型とは、Pt−10%Rh合金線とPt線との組合せ、E型とは、Ni/Cr合金線とCu/Ni合金線との組合せ、J型とは、Fe線とCu/Ni合金線との組合せ、T型とは、Cu線とCu/Ni合金線との組合せである。
【0014】この発熱体を構成する前記金属線の大きさ (断面直径) は、0.1 〜0.3 mm程度のものを用いることが望ましい。また、接合部 (D)の大きさは、該金属線の素線径 (d)と同一か、大きくとも0.5 mm以下、好ましくは 0.2〜0.3 mm程度である。このように、大きさを具体的に限定する理由は、接合部 (D)の大きさが素線径 (d)と同一程度であれば、余分な熱容量が存在せず、温度変化を正確に電流に変換でき、その結果として正確な温度測定が可能になるからである。従って、正確な温度の測定結果に基づいて発熱体の発熱状態を調整することになるから、被加熱物を均一に加熱することができるようになるのである。
【0015】このような熱電対を製造する方法としては、2種類の金属線を接触させて、レーザ光をパルス(10−6〜10−4秒)照射してスポット加熱する。そのレーザ光としては、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、紫外線レーザなどを使用することができる。このように、金属線4a, 4bの接合部4cをレーザ光をパルス照射してスポット加熱すると、該接合部4cが、図5に示す従来熱電対4′のような“こぶ状”にならないからである。なお、この熱電対4の各金属線4a, 4bは互いに接触しないように、ポリイミドや絶縁パイプ20で被覆する。
【0016】次に、本発明にかかる半導体製造装置用セラミック基材について、まずこれを、セラミックヒータとして構成した例について説明する。セラミックヒータとして構成するためのセラミック基材は、図2に示すように、セラミック板1の表面または内部に、好ましくは断面形状が扁平な板状の発熱体2を埋設してなるものを基本形とする。そして、上記セラミック板1の被加熱物載置側である加熱面1aとは反対側の面には、前記加熱面に向けて穿孔して開口させた熱電対収納用有底孔3を設けるとともに、この有底孔3内に熱電対4の接合端側を挿入する。そして、その有底孔3内に該熱電対4とともにAu−Ni合金のような金ろうを充填してこれを固定したり、この有底孔3内に耐熱性樹脂またはセラミックをともに充填して固定してもよい。その他、前記有底孔3を設けずに、セラミック板1aの表面に、有機接着剤、無機接着剤、ろう材25等を介して接着固定してもよく、ボルトやピン等で押しつけて圧着固定してもよい。図8には、熱電対4を接着剤で固定した場合の例を示す。
【0017】上記セラミック板1としては、窒化物セラミックや炭化物セラミックがよい。これらのセラミックは、熱膨張係数が金属よりも小さく、機械的な強度が金属に比べて格段に高いため、その厚さを薄くしても、加熱により反ったり、歪んだりしない。そのため、基板を薄くて軽いものとすることができる。さらに、これらの材質からなるセラミック板1は、熱伝導率が高く、板厚も薄いため、該板の表面温度が発熱体の温度変化に迅速に追従させることができる。即ち、電圧、電流値を変えて発熱体の温度を変化させる場合に、このセラミック板1の表面温度を迅速に制御することができる。
【0018】本発明のセラミック基材を用いて構成されるセラミックヒータは、前記発熱体2をセラミック板1の一方の表面に形成し (図3参照) 、その反対側の面をシリコンウエハなどの被加熱物を載置して加熱する加熱面1aとして構成するか、発熱体2を該セラミック板1の内部に埋設すると共に、そのその埋設位置を厚み中心より厚さ方向に偏芯させて配設し、そして、発熱体2から遠い側の面を加熱面1aとしたもの (図2参照) が望ましい。
【0019】セラミック板1への発熱体2を上記のように配設することにより、発熱体2から発生した熱が加熱面1aに伝搬していくうちに、基板全体に拡散し、被加熱物5(シリコンウエハなど)を加熱する面の温度分布が均一化され、その結果、被加熱物5の各部分における温度が均一化される。
【0020】例えば、図1は、本発明にかかるセラミック基材をセラミックヒータとして構成した例を模式的に示す底面図であり、このセラミックヒータは、円板状に形成されたセラミック板1の底面に対し、発熱体2を、該セラミック板1の加熱面(図示した底面とは反対側の面)全体の温度分布が均一になるように加熱するため、同心円や渦巻き状のパターンに形成される。これらの発熱体2は、近接する二重の同心円どうしを1組として、1本の線になるように接続し、その両端に入出力の端子となる端子ピン6を接続した構成を有する。このセラミック板1の中央に近い部分には、被加熱物5を支持するための支持ピン7を挿入するための貫通孔8が形成されており、その他、測温素子、すなわち熱電対4を挿入するための有底孔3も形成されている。
【0021】このような構成にかかるセラミックヒータにおいて、セラミック板1の厚さは、0.5 〜5mmが好ましい。0.5 mmより薄いと破損しやすく、一方、5mmより厚くなると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が悪くなる。
【0022】上記セラミック板材料としては、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックを使用することが望ましい。その窒化物セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、炭化物セラミックとしては、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、窒化アルミニウムが最も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高く、温度追従性に優れるからである。
【0023】上記のセラミックヒータにおいて、有底孔3の孔底と加熱面1aとの距離(図2(b)参照)Lは、0.1 mm〜セラミック板の厚さの1/2であることが望ましい。この距離Lが0.1 mm未満では放熱によって前記加熱面に不均一な温度分布が生じる。一方、この距離がセラミック板の1/2を超えると、発熱体2の温度の影響を受けやすくなり、温度制御できなくなり、やはり前記加熱面に不均一な温度分布を形成することになるからである。
【0024】前記有底孔3の直径は、0.3 mm〜5mmにすることが望ましい。これは、大きすぎると放熱性が大きくなり、また小さすぎると加工性が低下して加熱面との距離を均等にすることができなくなるからである。かかる有底孔3は、図1に示したように、セラミック基板1の中心に対して対称で、かつ、十字を形成するように配列することが望ましい。これは、加熱面全体の温度を測定することができるようにするためである。
【0025】上記有底孔3内には測温素子、即ち熱電対4を挿入し、その後、孔内を耐熱性樹脂あるいはセラミック等で封止することが好ましい。このような耐熱性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、特にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、セラミックとしては、アルミナゾル、シリカゾルなどを使用することができる。これらのセラミックゾルは乾燥させてゲル化することにより固定することができる。本発明においてはまた、有底孔3を設けずに、セラミック板1の表面に熱電対4を接触させた状態で、アルミナゾル、シリカゾルを乾燥してゲル化させることで接着固定してもよい。また、ボルトやピン等で押しつけて圧着して固定してもよい。
【0026】上記セラミックヒータにおいて、温度制御手段の1つである発熱体2は、図1に示すように、少なくとも2以上の回路に分割することが望ましく、2〜10の回路に分割したものがより望ましい。その理由は、回路を分割することにより、各回路に投入する電力を制御して発熱量を細かく変えることができ、シリコンウエハなどの加熱面1aの温度を正確に制御することができるからである。
【0027】発熱体2の配線パターンとしては、図1に示した同心円のほか、例えば、渦巻き、偏心円、屈曲線などが挙げられる。
【0028】上記セラミックヒータにおいて、発熱体2をセラミック板1の表面に形成する場合には、金属粒子を含む導電ペーストを、該セラミック板1の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層を形成し、その後、焼き付け焼結する方法が好ましい。なお、金属粒子の焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融着すれば充分である。
【0029】セラミック板1の表面に発熱体2を形成する場合、この発熱体2の厚さは、1〜30μm程度が好ましく、1〜10μmがより好ましい。一方、発熱体2をこのセラミック板1の内部に形成する場合には、その厚さは、1〜50μmとすることが好ましい。
【0030】なお、セラミック板1の表面に発熱体2を形成する場合、発熱体2の幅は、0.1 〜20mmが好ましく、0.1 〜5mmがより好ましい。一方、このセラミック板1の内部に発熱体2を埋設形成する場合には、この発熱体2の幅は、5〜20μm程度が好ましい。
【0031】上記発熱体2は、その幅や厚さを変えることにより、抵抗値を変化させることができるが、上記した範囲が最も実用的である。抵抗値は、薄く、また細くなる程大きく、そして発熱体2をセラミック基板1の内部に形成した場合の方が、厚み、幅とも大きくすることができる。とくに、発熱体2を内部に埋設すると、加熱面1aと発熱体2との距離が短くなり、加熱面1aの温度の均一性が低下するおそれがあるので、該発熱体2自体の幅は広げる必要がある。なお、この発熱体2をセラミック板1の内部に埋設する例では、窒化物セラミック等との密着性を考慮する必要性がないため、この発熱体の材料としてタングステン、モリブデンなどの高融点金属やタングステン、モリブデンの炭化物を使用することができるようになる。また、このような発熱体については、抵抗値を高くすることが可能となるため、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くしてもよい。この場合の発熱体もまた、上述した厚みや幅にすることが望ましい。
【0032】かかる発熱体2は、幅方向の断面は矩形であっても楕円径であってもよいが、扁平ないわゆる板状にすることが望ましい。それは、扁平断面の方が加熱面に向かって熱を均一に伝搬させやすく、加熱面の不均一な温度分布ができにくくなるからである。その扁平の程度としては、断面アスペクト比(発熱体の幅/発熱体の厚さ)で、10〜5000程度であることが望ましい。この範囲に調整すると、発熱体2の抵抗値を大きくすることができるとともに、加熱面1aの温度の均一性を確保することができるからである。
【0033】即ち、発熱体2の厚さを一定と仮定した場合、アスペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック板1の加熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、発熱体2のパターンに近似した不均一な温度分布が加熱面に発生してしまい、逆にアスペクト比が大きすぎると、発熱体2の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、発熱体2のパターンに近似した温度分布が発生してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、上述したように10〜5000程度にすることが好ましい。
【0034】なお、発熱体2をセラミック板1の表面に形成する場合は、前記断面アスペクト比は10〜200、発熱体2をセラミック板1の内部に形成する場合は、断面アスペクト比を200〜5000とすることがより好ましい。この点に関し、発熱体2というのは、セラミック板1の内部に形成した場合の方が、前記断面アスペクト比は大きくすることができる。このことは、発熱体2を内部に設けると、加熱面1aと発熱体2との距離が短くなり、その分だけ加熱面の温度均一性が低下するため、発熱体2自体をより扁平にする必要が生じるためである。
【0035】ところで、この発熱体2は、セラミック板1の内部の厚み方向に偏芯させて埋設することができるが、その位置は、セラミック板1の加熱面1aに対して反端側の面(底面)に近い位置で、加熱面1aから底面までの距離に対して50%を超え、99%までの位置とすることが望ましい。その埋設位置が50%以下だと、加熱面に近すぎるため、不均一な温度分布が発生してしまい、逆に、99%を超えるような偏芯量では、セラミック板1自体に反りが発生して、加熱時に処理すべきシリコンウエハが破損することがある。
【0036】なお、発熱体2をセラミック板1の内部に埋設する場合、この発熱体形成層を複数層に分けて設けてもよい。この場合は、各層のパターンは、相互に補完するような関係、即ちどこかの層の発熱体2が加熱面1aの上方から見ると、必ずどの領域にもパターン形成されているような状態にすることが望ましい。このような構造としては、例えば、互いに千鳥状の配置になっている構造が挙げられる。
【0037】かかる発熱体形成用導体ペーストとしては特に限定はないが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
【0038】次に、上記セラミックヒータの製造方法について説明する。
(1) 窒化物セラミック、炭化物セラミックなどのセラミックの粉体をバインダーおよび溶剤と混合してグリーンシート (生成形体) を得る工程:この工程の処理において、かかるセラミック粉体としては、窒化アルミニウム、炭化けい素などを使用でき、必要に応じイットリアなどの焼結助剤などを加えてもよい。また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。さらに、溶媒としては、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。これらを混合して得られる導電性ペーストを、ドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシートを製造する。前記グリーンシートに、必要に応じてシリコンウエハー5用の支持ピン7を挿通するための貫通孔8や熱電対4を埋め込む有底孔3を開口しておくことができる。これらの貫通孔8や有底孔3は、パンチング法などを適用して形成することができる。グリーンシートの厚さは、0.1〜5mm程度がよい。なお、熱電対4をセラミック板表面に配設する場合は、開口は不要である。
【0039】(2) グリーンシートに発熱体となる導電ペーストを印刷する工程:この工程の処理において、前記グリーンシート上の発熱体4形成部分には金属粒子や導電性セラミックの如きからなる導電性ペーストを塗布しまたは印刷する。これらの導電性ペースト中には導電性の金属粒子や導電性セラミック粒子が含まれており、このような金属粒子としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。また、導電性セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデンの炭化物が最適である。酸化しにくく熱伝導率が低下しにくいからである。これらは単独でも混合したものであってもよい。
【0040】このような導電性ペーストとしては、金属粒子または導電性セラミック粒子:85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニラールから選ばれる少なくとも1種以上のバインダー:1.5 〜10重量部、α−テルピオーネ、グリコールから選ばれる少なくとも1種以上の溶媒:1.5 〜10重量部を混合調整したタングステンペースト、またはモリブデンペーストが最適である。
【0041】上記導電性ペースト中に含まれる金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満よりも微細だと酸化されやすく、一方、100μmを超えて大きくなると焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、発熱体と窒化物セラミック等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
【0042】導体ペーストに含まれる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。発熱体とすべき導体ペーストには、上記したように、金属粒子に金属酸化物を添加し、これを焼結して発熱体とすることが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結することにより、セラミック板1である窒化物セラミックまたは炭化物セラミックと金属粒子との密着性が向上する。なお、導電性ペースト中に金属粒子とともに金属酸化物を混合することにより、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックとの密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミック、炭化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜どうしが金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭化物セラミックとが密着するのではないかと考えられる。
【0043】前記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B)、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、発熱体2の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭化物セラミックとの密着性を改善することができるからである。
【0044】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B)、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミックとの密着性を改善することができる。上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。
【0045】また、このような構成の導体ペーストを使用して発熱体2を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、セラミック板の表面に発熱体を設けたセラミックヒータでは、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0046】なお、発熱体2がセラミック板1の表面に形成される場合には、発熱体2の表面部分に、金属被覆層(図3参照)9が形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体 (発熱体2) が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。この金属被覆層9の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。その金属被覆層9を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
【0047】(3) 工程(2) で得られた発熱体2用の導電性ペーストを印刷したグリーンシートと、工程(1) と同様の工程で得られたペーストを印刷していないグリーンシートとを各々少なくとも1枚以上積層する工程:この工程において、2種類のグリーンシートを各1層以上積層する場合は、(2) の発熱体用導電性ペーストつきグリーンシートの上側 (加熱面側の意味) に積層されるグリーンシートの数を、下側に積層される(1) のグリーンシートの数よりも少なくして、発熱体2の埋設位置を厚さ方向に偏芯させることが重要である。具体的には、上側に20〜50枚、下側に5〜20枚を積層する。
【0048】(4) 上記グリーンシート積層体を加熱加圧してグリーンシートおよび導電ペーストを焼結し、セラミック基板、発熱体を形成する工程:発熱体2には、電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体2に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止するから好ましい。接続端子としては、例えば、コバール製の端子ピン6が挙げられる。なお、発熱体2をセラミック板1の内部に形成する場合には、発熱体2表面が酸化されることがないため、上述した被覆9は不要である。発熱体2をセラミック板1内部に形成する場合、発熱体2の一部が表面に露出していてもよく、発熱体2を接続するためのスルーホール23, 24が端子部分に設けられ、このスルーホール23, 24に外部端子接続用ピン6が接続、固定されていてもよい。外部端子接続用ピン6を接続する場合、半田としては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは 0.1〜50μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充分な範囲だからである。
【0049】この工程において、加熱の温度は、1000〜2000℃で、加圧は100〜200kg/cmで不活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用できる。
【0050】(5) 最後に、上記スルーホール (接続パッド) 23, 24に、外部端子接続用ピン6を挿入するための開口を形成する。そして、この開口内に、ろう材としてはんだペーストを印刷した後、外部端子接続用ピン6を挿入して加熱し、リフロー処理する。加熱温度は200〜500℃が好適である。さらに、必要に応じて熱電対6を埋め込むことができる。
【0051】次に、上記のセラミックヒータの使用方法について、図2に基づいて説明する。まず、制御部15を作動させることにより、セラミックヒータに電力を投入すると、セラミック基板1自体の温度が上がり始めるが、外周部の方の表面温度がやや低温になる。熱電対4で測温したデータはまず、記憶部16に格納される。次に、この温度データは演算部17に送られ、この演算部17において、各測定点における温度の差ΔTを演算し、さらに、加熱面1aの温度の均一化のために必要なデータΔWを演算する。例えば、発熱体2aと発熱体2bに温度差ΔTがあり、発熱体2aの方が低ければ、ΔTを0にするような電力データΔWを演算し、これを制御部15に送信して、これに基づいた電力を発熱体2aに投入して昇温させるのである。
【0052】電力の計算アルゴリズムについては、セラミック板1の比熱と加熱域の重量から昇温に必要な電力を演算する方法が最も簡便であり、これに発熱体パターンに起因する補正係数を加味してもよい。また、予め、特定の発熱体パターンについて昇温試験を行い、測温位置、投入電力、温度の関数を予め求めておき、この関数から投入電力を演算してもよい。そして、演算部17で演算された電力に対応する印加電圧と時間とを制御部15に送信し、この制御部15でその値に基づいて各発熱体2に電力を投入することになる。
【0053】図3は、本発明の適用例であるセラミックヒータの他の実施形態を示した図である。この図に示したセラミックヒータでは、セラミック板1の底面1bに発熱体2a、2bが形成され、これらの発熱体2a、2bの外周囲に金属被覆層9が形成されている。また、これらの発熱体2a、2bに金属被覆層9を介して外部端子接続用ピン6が接続、固定され、このピン6に、ソケット18が取り付けられている。そして、このソケット18は、電源を有する制御部15に接続されており、そのほかは、図2に示したセラミックヒータと同様に構成されている。
【0054】次に、本発明のセラミック基材の別の実施形態としては、セラミック板1のチャック面にシリコンウエハの如き被吸着物を静電的に吸着するために、このセラミック板1内に静電電極を埋設して静電チャック機能を付与したものがある。即ち、図6に示すように、セラミック板1中に発熱体2とともに、あるいは単独に、正・負極の静電電極11を埋設して構成される。この静電電極11は、正極と負極からなる櫛歯状の電極で構成されており、電極に電圧を印加することにより、静電場を発生させてセラミック板1上にセットしたシリコンウエハ5を吸着支持するために用いられる。
【0055】本発明のさらに他の実施形態としては、セラミック板1中に、発熱体2や静電電極11とともに、あるいは単独で、ウエハプローバ機能を付与したセラミック基材がある。そのウエハプローバ機能を付与したセラミック基材は、図7(a),(b) に示すように、セラミック板1の内部にガード電極12とグランド電極13とを埋設すると共に、該セラミック板1表面にチャックトップ導体層14を形成した構成によってなる。前記チャックトップ導体層14上にはシリコンウエハ5が載置され、加熱しながらテスタピンがついたプローブカードが押圧され、さらにチャックトップ導体層14に、電圧を印加して導通試験を行うことができるようになっている。このウエハプローバにおいて、前記ガード電極12には、静電容量をキャンセルするためにチャックトップ導体層14と同じ電圧が印加される。また、グランド電極13は、発熱体2からのノイズを除去するために設けられる。
【0056】この種のセラミックヒータの動作は、図2に示したセラミックヒータと同様であり、発熱体2a、2bの温度を一定時間毎に測定して記憶部16で記憶し、このデータから演算部17で制御する電圧値等の計算を行い、これに基づき、制御部15から発熱体2a、2bに対して所定の電圧を印加して、セラミックヒータの加熱面1a全体の温度を均一化することができるようになっている。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例1−1 (熱電対の製造)Pt−13%Rh合金からなる断面直径0.2 mmの金属線とPtからなる断面直径0.2 mmの金属線の2本を接合して、10−4秒のパルス炭酸ガスレーザを照射して両者を接合した。各金属線には内径0.3 mmで厚さ0.02mmのポリイミド樹脂製のパイプ20をはめ込んで絶縁し、熱電対4′とした。この熱電対4′は、図4に示したように、2種の金属線4a, 4bの接合部に球状の溶融体4cを形造ることなく接合されている。
実施例1−2 (熱電対の製造)断面直径がそれぞれ0.2 mmのNi/Cr線とNi合金線との2本の金属線を10−6秒のパルスエキシマレーザを照射してスポット溶接した。各金属線には内径0.3 mmで暑さ0.02mmのアルミナ製のパイプ20をはめ込んで絶縁し、熱電対4′とした。この熱電対4′は、図5に示すように、金属線4a, 4bの接合部に0.2 mm程度の球状の溶融体4cが形造られているものである。
【0058】実施例2 窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造(1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1 μm)100 重量部、イットリア(平均粒径:0.4 μm)4重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。このグリーンシートにドリル加工を施し、シリコンウエハの支持ピンを挿入するための貫通孔8となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔3となる部分(直径:1.1 mm、深さ:2mm)を形成した。
(3) 加工処理の終ったグリーンシートを1800℃、圧力:200 kg/cmでホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。次に、この板状体から直径12インチ(300 mm)の円板体を切り出し、セラミック製の板状体(セラミック基板)1とした。
【0059】(4) 上記(3) で得たセラミック板1に、スクリーン印刷にて導電性ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円状のパターンとした。この導電性ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。この導電性ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100 重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5 重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5 μmで、リン片状のものであった。
【0060】(5) 次に、上記導電性ペーストを印刷したセラミック板1を780 ℃で加熱、焼成して、該ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに該板1に焼き付け、発熱体2を形成した。銀−鉛の発熱体2は、厚さが5μm、幅2.4 mm、面積抵抗率が7.7 mΩ/□であった。
(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製したセラミック板1を浸漬し、銀−鉛の発熱体2の表面に厚さ1μmの金属被覆層9(ニッケル層)を析出させた。
(7) 電源との接続を確保するための外部端子を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成した。ついで、半田層の上にコバール製の外部端子接続用ピン6を載置して、420℃で加熱タフローし、該ピン6を発熱体2の表面に取り付けた。
【0061】(8) 温度制御のための実施例1−1の熱電対4を有底孔3に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、セラミックヒータを得た。
【0062】実施例3 発熱体を内部に有するセラミックヒータの製造(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1 μm)、イットリア(平均粒径:0.4 μm)4重量部、アクリルバインダ 11.5 重量部、分散剤 0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレート法により成形を行って、厚さ 0.47 mmのグリーンシートを得た。
(2) 次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8 mm、3.0 mm、5.0 mmのシリコンウエハ支持ピン6を挿入する貫通孔8となる部分、端子ピン6と接続するためのスルーホール23, 24 (接続パッド) となる部分を設けた。
【0063】(3) 平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0 重量部、α−テルピオーネ溶媒3.5 重量部および分散剤0.3 重量部を混合して導電性ペーストAを調製した。平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9 重量部、α−テルピオーネ溶媒3.7 重量部および分散剤0.2 重量部を混合して導電性ペーストBを調製した。この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導電性ペースト層を形成した。印刷パターンは、図1に示したような同心円パターンとした。また、端子ピンを接続するためのスルーホール用の貫通孔8に導電性ペーストBを充填した。上記処理の終わったグリーンシートに、さらに、タングステンペーストを印刷していないグリーンシートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚、130℃、80kg/cmの圧力で積層した。
【0064】(4) 次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cmで3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体を有するセラミックヒータとした。
(5) 次に、(4) で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラスビーズによるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔3(直径:1.2 mm、深さ:2.0 mm)を設けた。
(6) さらに、スルーホール用孔の一部をえぐり取って凹部とし、この凹部にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子接続用ピン6を接続した。なお、このピン6の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
(7) 次に、温度制御のための実施例1−1の熱電対4を有底孔3内に挿入し、シリカゾルを埋め込み、100℃で1時間乾燥させてセラミックヒータの製造を完了した。
【0065】実施例4 静電チャック (つきセラミックヒータ)基本的には実施例2と同様であるが、グリーンシートの外周に半円弧状部分と、その部分から平行にかつ等間隔にのびる多数の直線部分からなる正極, 負極を櫛歯状に配列した静電電極11を印刷し、このグリーンシートを発熱体2を印刷したグリーンシートとともに積層して1890℃、圧力150kg/cmで3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを300mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの発熱体および櫛歯状の静電電極11を有するヒータ付き静電チャックとした。
【0066】実施例5 ウエハプローバ (つきセラミックヒータ)(1) 窒化アルミニウム粉末(トクヤマ製、平均粒径1.1 μm)100重量部、イットリア(酸化イットリウムのこと 平均粒径0.4 μm)4重量部、アクリルバイダー11.5重量部、分散剤0.5 重量部および1−ブタノールおよびエタノールからなるアルコール53重量%を混合した組成物を、ドクターブレードで形成して厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2) グリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにて発熱体2と外部端子接続用ピン6と接続するためのスルーホール用孔を設けた。
(3) 平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0 重量部、α−テルピオーネ溶媒を3.5 重量部、分散剤0.3 重量部を混合して導電性ペーストAとした。また、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9 重量部、α−テルピオーネ溶媒を3.7 重量部、分散剤0.2 重量部を混合して導電性ペーストBとした。この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷でガード電極12用印刷体、グランド電極13用印刷体を格子状に印刷して電極パターンを描いて印刷した。さらに、図1に示すようか発熱体2を同心円パターンでグリーンシート裏面に印刷した。また、端子ピン6と接続するためのスルーホール用孔に導電性ペーストBを充填した。そして、印刷されたグリーンシートおよび印刷がされていないグリーンシートを50枚積層して130℃、80kg/cmの圧力で一体化した。
【0067】(4) 上記積層体を窒素ガス中で600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cmで3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを直径230mmの円状に切り出してセラミック製の板状体とした。スルーホールの大きさは直径0.2 mm、深さ0.2 mmであった。また、ガード電極12、グランド電極13の厚さは6μm、ガード電極2の形成位置は、ウエハ載置面から0.7 mm、グランド電極13の形成位置は、1.4 mm、発熱体2の位置は、2.8 mmであった。
【0068】(5) (4) で得た板状体を、ダイアモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラスビーズによるブラスト処理で表面に熱電対4のための有底孔3およびウエハ吸着用の溝19(幅0.5 mm、深さ0.5 mm)を設けた (図7b)。
(6) 上記溝19が形成された面にスパッタリングにてチタン、モリブデン、ニッケルの3層からなる膜を形成した。スパッタリングのための装置は、日本真空技術株式会社製のSV−4540を使用した。条件は気圧0.6Pa、温度100℃、電力200Wで時間は、30秒から1分で、各金属によって調整した。得られた3層の膜は、蛍光X線分析計の画像から、チタンは0.5μm、モリブデンは4μm、ニッケルは1.5μmの厚みであった。
【0069】(7) 硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/l、ロッシェル塩60g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に(6)で得られたセラミック基板1を浸漬して、溝19側の上記膜の表面に、厚さ7μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケルを析出させて積層し、120℃で3時間アニーリングした。さらにその上に、表面にシアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液に93℃の条件で1分間浸漬して、ニッケルめっき層15上に厚さ1mの金めっき層を形成することにより、チャックトップ導体層14を形成した。
【0070】(8) 溝19から裏面に抜ける空気吸引孔22をドリル加工し、さらにスルーホール23、24を露出させるための孔を設けた。この孔にNi−Au合金(Au81.5、Ni18.4、不純物0.1)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローしてコバール製の端子ピン6を接続させ、また、実施例1の熱電対を有底孔にはめこんでポリイミド樹脂で封止しウエハプローバを形成した。
【0071】実施例6実施例1と同様であるが、有底孔を形成せず、熱電対4を図3に示すように、無機系接着剤(東亜合成製 商品名 アロンセラミック)でセラミック板1の表面(発熱体形成側)に接着固定した。
【0072】実施例7実施例1と同様であるが、図5に示すような実施例1−2の熱電対を使用した。
【0073】比較例実施例1と同様であるが、熱電対としては、スポット溶接した図5に示すような、実施例1−2の熱電対4′を使用した。接合部4cの太さは、0.8mmであった。
【0074】200℃まで昇温した場合の直径300mmの円板形状のセラミック板の最大温度と最低温度の差を、実施例2〜7、比較例について調べた。その結果を表1に示す。
【表1】

【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体製造装置用セラミック基材によれば、これをセラミックヒータとして構成した場合、正確な被加熱物の温度の測定が可能となり、この温度の測定結果に基づいて発熱体の発熱状態を調整することにより、シリコンウエハのような被加熱物の全体を均一に加熱することができる。また、これを静電チャックとして構成した場合は、温度むらに起因するチャック力のむらがなくなり、そしてウエハプローバとして構成した場合には、温度むらに起因する導通試験の誤差がないものが得られる。




 

 


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