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ウエハプローバ - イビデン株式会社
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発明の名称 ウエハプローバ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−135685(P2001−135685A)
公開日 平成13年5月18日(2001.5.18)
出願番号 特願2000−254182(P2000−254182)
出願日 平成12年8月24日(2000.8.24)
代理人 【識別番号】100086586
【弁理士】
【氏名又は名称】安富 康男 (外2名)
発明者 伊藤 淳 / 平松 靖二 / 伊藤 康隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 貫通孔が設けられた台座上に、多孔質のチャックトップ導体層が形成されてなることを特徴とするウエハプローバ。
【請求項2】 前記台座は、セラミック基板からなる請求項1に記載のウエハプローバ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に半導体産業において使用されるウエハプローバに関し、特には、薄くて軽く、昇温降温特性に優れるウエハプローバに関する。
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】半導体は種々の産業において必要とされる極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリコンウエハに種々の回路等を形成することにより製造される。この半導体チップの製造工程においては、シリコンウエハの段階でその電気的特性が設計通りに動作するか否かを測定してチェックするプロービング工程が必要であり、そのために所謂プローバが用いられる。
【0003】このようなプローバとして、例えば、特許第2587289号公報、特公平3−40947号公報、特開平11−31724号公報等には、アルミニウム合金やステンレス鋼などの金属製チャックトップを有するウエハプローバが開示されている(図14参照)。このようなウエハプローバでは、例えば、図13に示すように、ウエハプローバ501上にシリコンウエハWを載置し、このシリコンウエハWにテスタピンを持つプローブカード601を押しつけ、加熱、冷却しながら電圧を印加して導通テストを行う。なお、図13は、ウエハプローバに電源を接続した状態を模式的に示す断面図である。ウエハプローバのチャックトップ電極(チャックトップ導体層)2、グランド電極6およびガード電極5には、スルーホール16、17を介して電源V1が接続されている。グランド電極6は、接地され、0電位となっている。また、チャックトップ導体層2とガード電極5とは、等電位である。発熱体41には、電源V2 が、プローブ601には、電源V3 が、それぞれ接続されている。
【0004】ところが、このような金属製のチャックトップを有するウエハプローバには、シリコンウエハを吸引、吸着するための溝が形成されているため、プローブカード601のテスタピンが、シリコンウエハの溝の真上にある部分に接触し、圧力が加えられると、溝を起点としてシリコンウエハが破壊されてしまうという問題があった。また、溝を設けて吸着する方法では、吸着が溝部分で局所的に起こり、シリコンウエハを均一に吸着することができないという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に鑑み、プローブカードのテスタピンの位置によりシリコンウエハに破壊が発生することがなく、シリコンウエハの全体を均一に吸着することができるウエハプローバを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、貫通孔が設けられた台座上に、多孔質のチャックトップ導体層が形成されてなることを特徴とするウエハプローバである。上記ウエハプローバにおいて、上記台座は、セラミック基板からなるものであることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のウエハプローバは、貫通孔が設けられた台座上に、多孔質のチャックトップ導体層が形成されてなることを特徴とする。
【0008】本発明のウエハプローバでは、貫通孔を有する台座上に、多孔質のチャックトップ導体層が形成されているので、特に上記台座の上面に溝を設けなくても、シリコンウエハ全体を均一にチャックトップ導体層に吸着させることができる。また、台座の上面に溝を設け、この溝の上に上面が平坦な多孔質のチャックトップ導体層を形成することにより、溝を利用して均一な吸引が可能となり、また、チャックトップ導体層の上面が平坦であるため、溝に起因する破損という問題も発生しない。
【0009】すなわち、上記チャックトップ導体層上にシリコンウエハを載置し、上記台座に設けられた貫通孔から空気を吸引すると、チャックトップ導体層に形成された開孔(オープンポア)を通ってチャックトップ導体層の表面全体から均一に空気が吸引されるため、その上に載置されたシリコンウエハがチャックトップ導体層に均一に吸着することになる。
【0010】チャックトップ導体層がこのような機能を有するためには、チャックトップ導体層に一主面から他の主面に通じる開孔が形成されている必要があり、さらに、チャックトップ導体層の表面に載置されたシリコンウエハの全体が均一に吸引されるためには、開孔がチャックトップ導体層の内部でお互いに結合し、チャックトップ導体層の下に存在する貫通孔から空気を吸引した際、その周囲の広い範囲で均一に空気が吸引されることが望ましい。
【0011】本発明のウエハプローバを構成する台座は特に限定されるものではなく、例えば、金属、樹脂(プラスチック)、セラミック等が挙げられる。これらのなかでは、セラミックが好ましい。すなわち、上記台座としては、剛性の高いセラミック基板よりなる台座が望ましい。上記台座をセラミック基板により構成した場合には、プローブカードのテスタピンによりチャックトップが押されてもチャックトップが反ることはなく、チャックトップの厚さを金属に比べて小さくすることができるからである。
【0012】さらに、チャックトップの厚さを金属に比べて小さくすることができるため、熱伝導率が金属より低いセラミックを用いても熱容量を小さくすることができ、昇温、降温特性を改善することができる。
【0013】図1は、本発明のウエハプローバの一実施形態を模式的に示した断面図である。また、図2は、図1に示したウエハプローバの平面図であり、図3は、その底面図であり、図4は、図1に示したウエハプローバにおけるA−A線断面図である。本発明の導体層や貫通孔等が形成されたセラミック基板は、チャックトップ板、すなわちプロービングステージとして機能するものであるが、以下の説明においては、便宜上、このような導体層や貫通孔等が形成されたセラミック基板をウエハプローバということとする。
【0014】このウエハプローバでは、平面視円形状のセラミック基板3の表面にシリコンウエハを吸引するための複数の吸引用貫通孔8が設けられており、このセラミック基板3の大部分にシリコンウエハの電極と接続するためのチャックトップ導体層2が円形状に形成されでおり、このチャックトップ導体層2は多孔質の金属焼結体により構成されている。
【0015】一方、セラミック基板3の底面には、シリコンウエハの温度をコントロールするために、図3に示したような平面視同心円形状の発熱体41が設けられており、発熱体41の両端には、外部端子ピン191が接続、固定され、セラミック基板3の内部には、ストレイキャパシタやノイズを除去するためにガード電極5とグランド電極6とが設けられている。
【0016】本発明のウエハプローバは、例えば、図1〜4に示したような構成を有するものである。以下において、上記ウエハプローバを構成する各部材、および、本発明のウエハプローバの他の実施形態について、順次詳細に説明していくことにする。
【0017】本発明のウエハプローバでは、吸引用の貫通孔が設けられたセラミック等からなる台座上に、多孔質のチャックトップ導体層が形成されている。また、本発明のウエハプローバでは、シリコンウエハの裏面を電極として使用するため、台座上にチャックトップ導体層が形成されている。
【0018】チャックトップ導体層としては、例えば、銅、チタン、クロム、ニッケル、貴金属(金、銀、白金等)、タングステン、モリブデンなどの高融点金属から選ばれる少なくとも1種の金属の焼結体を使用することができる。
【0019】上記チャックトップ導体層は、タングステン、モリブデン等により構成されるものがより好ましい。上記チャックトップ導体層の抵抗値を下げることができ、多孔質のものを比較的容易に作製することができるからである。
【0020】これらチャックトップ導体層の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、成形治具の内部に上記金属の粉末を充填した後、焼成する方法等が挙げられる。上記チャックトップ導体層の厚さは、1〜200μmが望ましい。1μm未満の厚さの焼結体を作製することは困難であり、一方、200μmを超えると導体の持つ応力によって剥離しやすくなってしまうからである。
【0021】チャックトップ導体層の気孔率は、5〜80容量%程度が望ましい。5容量%未満であると、チャックトップ導体層の内部に連続的な開気孔を形成することが困難となり、一方、80容量%を超えると、機械的強度が低下し、使用しているうちに破損しやすくなる。チャックトップ導体層とセラミック基板との接合は、半田やろう材を用いる。
【0022】本発明のウエハプローバのチャックトップ導体層形成面には図2に示したように空気の吸引用貫通孔8が形成されていることが望ましい。吸引用貫通孔8の数は、1〜20個が好ましく、2〜10個がより好ましい。このように吸引用貫通孔を複数設けることにより、シリコンウエハのより均一な吸着を行うことができる。
【0023】本発明におけるチャックトップのセラミック基板の厚さは、チャックトップ導体層より厚いことが必要であり、具体的には1〜10mmが望ましい。
【0024】本発明のウエハプローバで使用されるセラミック基板は、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物セラミックに属するセラミックから選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
【0025】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0026】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】これらのセラミックの中では、窒化物セラミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
【0028】上記セラミック中には、カーボンを100〜2000ppm含むことが望ましい。セラミック内の電極パターンを隠蔽し、かつ、高輻射熱が得られるからである。カーボンは、X線回折で検出可能な結晶質または検出不能な非晶質の一方または両方であってもよい。
【0029】本発明においては、セラミック基板に温度制御手段を設けておくことが望ましい。加熱または冷却しながらシリコンウエハの導通試験を行うことができるからである。
【0030】上記温度制御手段としては図1に示した発熱体41のほかに、ペルチェ素子であってもよい。発熱体を設ける場合は、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹きつけ口などを設けておいてもよい。発熱体は、複数層設けてもよい。この場合は、各層のパターンは相互に補完するように形成されて、加熱面からみるとどこかの層にパターンが形成された状態が望ましい。例えば、互いに千鳥の配置になっている構造である。
【0031】発熱体としては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げられる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
【0032】また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。さらに、セラミック基板の外側に発熱体を形成する場合には、金属焼結体としては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケルを使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジウムなどを使用することができる。上記金属焼結体に使用される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状とリン片状の混合物を使用することができる。
【0033】金属焼結体中には、金属酸化物を添加してもよい。上記金属酸化物を使用するのは、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックと金属粒子を密着させるためである。上記金属酸化物により、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックと金属粒子との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面および窒化物セラミックまたは炭化物セラミックの表面はわずかに酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭化物セラミックが密着するのではないかと考えられる。
【0034】上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭化物セラミックとの密着性を改善できるからである。
【0035】上記金属酸化物は、金属粒子に対して0.1重量%以上10重量%未満であることが望ましい。抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子と窒化物セラミックまたは炭化物セラミックとの密着性を改善することができるからである。
【0036】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜70重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調整されることが望ましい。これらの範囲が特に窒化物セラミックとの密着性を改善できる範囲だからである。
【0037】発熱体をセラミック基板の表面に設ける場合は、発熱体の表面は、金属層410で被覆されていることが望ましい(図11(e)参照)。発熱体は、金属粒子の焼結体であり、露出していると酸化しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしまう。そこで、表面を金属層で被覆することにより、酸化を防止することができるのである。
【0038】金属層の厚さは、0.1〜10μmが望ましい。発熱体の抵抗値を変化させることなく、発熱体の酸化を防止することができる範囲だからである。被覆に使用される金属は、非酸化性の金属であればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。なかでもニッケルがさらに好ましい。発熱体には電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体に取り付けるが、ニッケルは半田の熱拡散を防止するからである。接続端子しては、コバール製の端子ピンを使用することができる。
【0039】なお、発熱体をヒータ板内部に形成する場合は、発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。発熱体をヒータ板内部に形成する場合、発熱体の表面の一部が露出していてもよい。
【0040】発熱体として使用する金属箔としては、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して発熱体としたものが望ましい。パターン化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブデン線等が挙げられる。
【0041】温度制御手段としてペルチェ素子を使用する場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、冷却両方行うことができるため有利である。ペルチェ素子は、図7に示すように、p型、n型の熱電素子440を直列に接続し、これをセラミック板441などに接合させることにより形成される。ペルチェ素子としては、例えば、シリコン・ゲルマニウム系、ビスマス・アンチモン系、鉛・テルル系材料等が挙げられる。
【0042】本発明では、温度制御手段とチャックトップ導体層との間に少なくとも1層以上の導電層が形成されていることが望ましい。図1におけるガード電極5とグランド電極6が上記導体層に相当する。ガード電極5は、測定回路内に介在するストレイキャパシタをキャンセルするための電極であり、測定回路(即ち、図1のチャックトップ導体層2)の接地電位が与えられている。また、グランド電極6は、温度制御手段からのノイズをキャンセルするために設けられている。これらの電極の厚さは、1〜20μmが望ましい。薄すぎると、抵抗値が高くなり、厚すぎるとセラミック基板が反ったり、熱衝撃性が低下するからである。
【0043】これらのガード電極5、グランド電極6は、図4に示したような格子状に設けられていることが望ましい。即ち、円形状の導体層51の内部に矩形状の導体層非形成部52が多数整列して存在する形状である。このような形状としたのは、導体層上下のセラミック同士の密着性を改善するためである。
【0044】本発明におけるウエハプローバとしては、例えば、図1に示すようにセラミック基板3の底面に発熱体41が設けられ、発熱体41とチャックトップ導体層2との間にガード電極5の層とグランド電極6の層とがそれぞれ設けられた構成のウエハプローバ101、図5に示すようにセラミック基板3の内部に扁平形状の発熱体42が設けられ、発熱体42とチャックトップ導体層2との間にガード電極5とグランド電極6とが設けられた構成のウエハプローバ201、図6に示すようにセラミック基板3の内部に発熱体である金属線43が埋設され、金属線43とチャックトップ導体層2との間にガード電極5とグランド電極6とが設けられた構成のウエハプローバ301、図7に示すようにペルチェ素子44(熱電素子440とセラミック基板441からなる)がセラミック基板3の外側に形成され、ペルチェ素子44とチャックトップ導体層2との間にガード電極5とグランド電極6とが設けられた構成のウエハプローバ401等が挙げられる。いずれのウエハプローバも、溝7と吸引用貫通孔8とを必ず有している。
【0045】本発明では、図1〜7に示したようにセラミック基板3の内部に発熱体42、43が形成され(図5〜6)、セラミック基板3の内部にガード電極5、グランド電極6(図1〜7)が形成されるため、これらと外部端子とを接続するための接続部(スルーホール)16、17、18が必要となる。スルーホール16、17、18は、タングステンペースト、モリブデンペーストなどの高融点金属、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電性セラミックを充填することにより形成される。なお、図1〜7では、スルーホール16、17、18をウエハ加熱面の反対側に露出するように形成したが、セラミック基板の側面から露出させてもよい。
【0046】また、接続部(スルーホール)16、17、18の直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止しつつ、クラックや歪みを防止できるからである。このスルーホールを接続パッドとして外部端子ピンを接続する(図11(g)参照)。
【0047】外部端子ピンとの接続は、半田、ろう材により行う。ろう材としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性に優れるからである。
【0048】Au/Niの比率は、〔81.5〜82.5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が望ましい。Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。また、10-6〜10-5Paの高真空で500℃〜1000℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化するが、Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利である。また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を100重量部とした場合に1重量部未満であることが望ましい。
【0049】本発明では、必要に応じてセラミック基板に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御することができるからである。
【0050】熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
【0051】図8は、以上のような構成の本発明のウエハプローバを設置するための支持台11を模式的に示した断面図である。この支持台11には、冷媒吹き出し口12が形成されており、冷媒注入口14から冷媒が吹き込まれる。また、吸引口13から空気を吸引して吸引用貫通孔8を介してウエハプローバ上に載置されたシリコンウエハ(図示せず)をチャックトップ導体層2の表面に吸い付けるのである。
【0052】図9(a)は、支持台の他の一例を模式的に示した縦断面図であり、(b)は、(a)図におけるB−B線断面図である。図9に示したように、この支持台では、ウエハプローバがプローブカードのテスタピンの押圧によって反らないように、多数の支持柱15が設けられている。支持台は、アルミニウム合金、ステンレスなどを使用することができる。
【0053】次に、本発明のウエハプローバの製造方法の一例を図10〜11に示した断面図に基づき説明する。
(1)まず、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミックなどのセラミックの粉体をバインダおよび溶剤と混合してグリーンシート30を得る。前述したセラミック粉体としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などを使用することができ、必要に応じて、イットリアなどの焼結助剤などを加えてもよい。
【0054】また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート30を作製する。
【0055】グリーンシート30に、必要に応じてシリコンウエハの支持ピンを挿入する貫通孔や熱電対を埋め込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部は、パンチングなどで形成することができる。グリーンシート30の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0056】次に、グリーンシート30にガード電極、グランド電極を印刷する。印刷は、グリーンシート30の収縮率を考慮して所望のアスペクト比が得られるように行い、これによりガード電極印刷体50、グランド電極印刷体60を得る。印刷体は、導電性セラミック、金属粒子などを含む導電性ペーストを印刷することにより形成する。
【0057】これらの導電性ペースト中に含まれる導電性セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデンの炭化物が最適である。酸化しにくく熱伝導率が低下しにくいからである。また、金属粒子としては、例えば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを使用することができる。
【0058】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大きすぎても小さすぎてもペーストを印刷しにくいからである。
【0059】このようなペーストとしては、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコール、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製したぺーストが最適である。さらに、パンチング等で形成した孔に、導電ペーストを充填してスルーホール印刷体160、170を得る。
【0060】次に、図10(a)に示すように、印刷体50、60、160、170を有するグリーンシート30と、印刷体を有さないグリーンシート30を積層する。発熱体形成側に印刷体を有さないグリーンシート30を積層するのは、スルーホールの端面が露出して、発熱体形成の焼成の際に酸化してしまうことを防止するためである。もしスルーホールの端面が露出したまま、発熱体形成の焼成を行うのであれば、ニッケルなどの酸化しにくい金属をスパッタリングする必要があり、さらに好ましくは、Au−Niの金ろうで被覆してもよい。
【0061】(2)次に、図10(b)に示すように、積層体の加熱および加圧を行い、グリーンシートおよび導電ペーストを焼結させる。加熱温度は、1000〜2000℃、加圧は100〜200kg/cm2 が好ましく、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用することができる。この工程でスルーホール16、17、ガード電極5、グランド電極6が形成される。
【0062】(3)次に、図10(c)に示すように、焼結体の底面に導電ペーストを印刷してこれを焼成し、発熱体41を作製する。
【0063】(4)次に、図11(d)に示すように、発熱体41の表面に無電解ニッケルめっき等により保護層410を形成する。
(5)次に、溝7から裏面にかけて貫通する吸引用貫通孔8、外部端子接続のための袋孔180を設ける。袋孔180の内壁は、その少なくとも一部が導電化され、その導電化された内壁は、ガード電極、グランド電極などと接続されていることが望ましい。
【0064】(6)一方、セラミック基板とは別に、チャックトップ導体層となる金属の多孔質体を作製する。この多孔質体は、タングステン等の高融点金属の粉末を成形用治具の内部に充填した後、1000〜2000℃で焼成することにより製造する。通常は、焼成の温度、圧力、時間等により、気孔率を制御する。
(7)次に、図11(e)に示すように、ウエハ載置面(溝形成面)に上記(6)で製造したチャックトップ導体層を半田付けまたはろう付けにより接着し、これによりチャックトップ導体層2を設ける。
(8)最後に、図11(f)に示すように、発熱体41表面の取りつけ部位に半田ペーストを印刷した後、外部端子ピン191を乗せて、加熱してリフローする。加熱温度は、200〜500℃が好適である。
【0065】また、袋孔180にも金ろうを介して外部端子19、190を設ける。さらに、必要に応じて、有底孔を設け、その内部に熱電対を埋め込むことができる。半田は銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。半田による接続を確保するに充分な範囲だからである。
【0066】なお、上記説明ではウエハプローバ101(図1参照)を例にしたが、ウエハプローバ201(図5参照)を製造する場合は、発熱体をグリーンシートに印刷すればよい。また、ウエハプローバ301(図6参照)を製造する場合は、セラミック粉体にガード電極、グランド電極として金属板を、また金属線を発熱体にして埋め込み、焼結すればよい。さらに、ウエハプローバ401(図7参照)を製造する場合は、ペルチェ素子を溶射金属層を介して接合すればよい。
【0067】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(1)平均粒子径3μmのタングステン粉末を内部が円板状の成形治具に入れて、窒素ガス中で温度1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、直径200mm、厚さ110μmのタングステン製の多孔質チャックトップ導体層を得た。
【0068】(2)次に、窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合した組成物を用い、ドクターブレード法により成形を行って厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0069】(3)このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにて発熱体と外部端子ピンと接続するためのスルーホール用の貫通孔を設けた。
(4)平均粒子径1μmのタングステンカーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量および分散剤0.3重量部を混合して導電性ペーストAとした。
【0070】また、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量および分散剤0.2重量部を混合して導電性ペーストBとした。
【0071】次に、グリーンシートに、この導電性ペーストAを用いたスクリーン印刷で、格子状のガード電極用印刷体50、グランド電極用印刷体60を印刷した。また、端子ピンと接続するためのスルーホール用の貫通孔に導電性ペーストBを充填した。
【0072】さらに、印刷されたグリーンシートおよび印刷がされていないグリーンシートを50枚積層して130℃、80kg/cm2 の圧力で一体化することにより積層体を作製した(図10(a)参照)。
【0073】(5)次に、この積層体を窒素ガス中で600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。得られた板状体を、直径230mmの円形状に切り出してセラミック製の板状体とした(図10(b)参照)。また、ガード電極5、グランド電極6の厚さは10μm、ガード電極5の形成位置は、ウエハ載置面から1mm、グランド電極6の形成位置は、ウエハ載置面から1.2mmであった。また、ガード電極5、グランド電極6の導体非形成領域の1辺の大きさは、0.5mmであった。
【0074】(6)上記(5)で得た板状体を、ダイアモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部(図示せず)を設けた。
【0075】(7)さらに、ウエハ載置面に対向する面に発熱体41を印刷した。印刷は導電ペーストを用いた。導電ペーストは、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。この導電ペーストは、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量部に対して7.5重量部含むものであった。また、銀の形状は平均粒径4.5μmでリン片状のものであった。
【0076】(8)導電ペーストを印刷したヒータ板を780℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板3に焼き付けた(図10(c)参照)。さらに硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴にヒータ板を浸漬して、銀の焼結体41の表面に厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層410を析出させた。この後、ヒータ板は、120℃で3時間アニーリング処理を施した。銀の焼結体からなる発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった(図10(d)参照)。
【0077】(9)上面から底面に抜ける吸引用貫通孔8をドリル加工により形成した後、上記(1)で得た多孔質チャックトップ導体層を、Ni−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量%、不純物0.1重量%)からなる金ろうの粉末を介してセラミック基板に載置し、970℃でリフローし、多孔質チャックトップ導体層をセラミック基板の上面に接着した(図11(e)参照)。
【0078】(10)スルーホール16、17を露出させるための袋孔180をドリル加工により設けた。この袋孔180に、上記(9)のチャックトップ導体層を接合する際に使用した金ろうを用い、970℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子ピン19、190を接続させた(図11(f)参照)。また、発熱体に半田(スズ9/鉛1)を介してコバール製の外部端子ピン191を形成した。
【0079】(11)次に、温度制御のための複数熱電対を凹部に埋め込み、ウエハプローバヒータ101を得た。
(12)このウエハプローバ101を図8に示したステンレス製の支持容器11にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウール)からなる断熱材10を介して嵌め込み、シリコンウエハを載置し、吸引口13から吸引した。この実施例で得られたウエハプローバは、チャックトップ導体層に半導体ウエハが均一に吸着する。
【0080】(実施例2)(9)の工程において、吸引用貫通孔68を形成する際に、ドリル加工にて吸引用の溝67を形成したほかは、実施例1と同様にしてウエハプローバを製造した。製造されたウエハプローバは、図12に示したように、セラミック基板3の上面に溝67が設けられ、この溝67の上に上面が平坦な多孔質のチャックトップ導体層62が形成されている。
【0081】評価方法支持台上に載置された上記実施例1〜2で製造したウエハプローバについて、チャックトップ導体層の上に、図13に示したようにシリコンウエハWを載置し、加熱などの温度制御を行いながら、プローブカード601を押圧して導通テスト(100V印加)を行った。その結果、このウエハプローバでは、プローブカードを押圧した場合にも反りがなく、シリコンウエハの破損もなかった。
【0082】また、上記実施例1〜2で製造したウエハプローバについて、チャックトップ導体層のチャック力をロードセルで測定した。その結果、上記実施例1〜2に係るウエハプローバのチャック力は、いずれも1.0kg/cm2 であり、充分に大きなチャック力を有していた。
【0083】さらに、ウエハプローバ上にシリコンウエハを載置せず、加熱も行わず、吸引のみを行い、チャックトップ導体層表面の種々の場所に液体を滴下し、この液体がチャックトップ導体層の内部に吸引される状態を観察したところ、多孔質のチャックトップ導体層の表面全体から均一に空気を吸引していることがわかった。
【0084】
【発明の効果】以上説明のように、本発明のウエハプローバは、吸引用の貫通孔が設けられた台座上に、多孔質のチャックトップ導体層が形成されているので、上記台座上に載置されたシリコンウエハは、プローブカードのテスタピンの位置により破壊されることはなく、全体的に均一な吸着力でしっかりとチャックトップ導体層に吸着、固定され、テスタピンにより押圧した場合にも、シリコンウエハがずれることはない。




 

 


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