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発明の名称 導電性ペーストの充填方法および多層プリント配線板用の片面回路基板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−24323(P2001−24323A)
公開日 平成13年1月26日(2001.1.26)
出願番号 特願平11−198092
出願日 平成11年7月12日(1999.7.12)
代理人 【識別番号】100080687
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4F204
5E317
5E346
【Fターム(参考)】
4F204 AA34 AA37 AA39 AB13 AD03 AD19 AG02 AH36 AM28 FB01 FB17 FF01 FF05 FN12 
5E317 BB01 BB12 BB13 BB14 BB15 BB19 BB25 CC22 CC25 CC31 CD05 CD11 CD25 CD27 CD32 GG05 GG11 GG14 GG16
5E346 AA02 CC02 CC09 CC10 CC32 DD02 DD16 DD17 DD22 DD32 DD33 DD45 EE01 FF03 FF18 FF22 GG06 GG08 GG13 GG15 GG16 GG17 GG22 GG23 GG27 GG28 HH07 HH16 HH33
発明者 榎本 亮 / 坂本 一 / 苅谷 隆
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 プリント配線板の樹脂絶縁層内に形成されたスルーホールまたはビアホール形成用開口内に、所定量の導電性ペーストを充填させ、さらに減圧下においてその充填された導電性ペーストを加圧することによって、上記導電性ペーストに混入した気泡の残留を阻止することを特徴とする導電性ペーストの充填方法。
【請求項2】 絶縁性基材の片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一面から導体回路が形成された他の面に達するビアホールを具える多層プリント配線板用片面回路基板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくとも下記■ないし■の工程、すなわち、■ 上記絶縁性基材の一面から導体回路に達する開口を形成する工程、■ その開口内に、所定量の導電性ペーストを充填させる工程、■ その導電性ペーストを減圧条件下において、加圧する工程、を含むことを特徴とする多層プリント配線板用片面回路基板の製造方法。
【請求項3】 絶縁性基材の片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一面から導体回路が形成された他の面に達するビアホールが形成されるとともに、ビアホール直上に突起状導体が形成された多層プリント配線板用片面回路基板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくとも以下の■〜■の工程、すなわち、■上記絶縁性基材の一面に半硬化状態の樹脂接着剤層を介して樹脂フィルムを粘着させ、その樹脂フィルム上からレーザ照射を行って絶縁性基材を貫通して上記導体回路に達する開口を形成する工程、■その開口内に所定量の導電性ペーストを充填する工程、■その充填された導電性ペーストを減圧条件下において、加圧した後、上記樹脂フィルムを剥離させる工程、を含むことを特徴とする多層プリント配線板用片面回路基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の製造に際して、スルーホール形成用の貫通孔やビアホール形成用の開口内へ導電性ペースト等のペースト状物質を充填する工程において、充填されたペースト状物質に混入した気泡が、その開口または貫通孔内に残留するのを阻止した充填方法およびその充填方法を用いた多層プリント配線板用片面回路基板の製造方法についての提案である。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板を製造する際に、スルーホール形成用の貫通孔やビアホール形成用の開口内へ導電性ペーストを充填する一般的な方法としては、まず、導電性の金属粒子に導電性のフィラーや樹脂粒子を添加したものを溶剤に混合させ、その混合物を攪拌して導電性のペーストとし、しかる後に、貫通孔あるいは開口位置にマスクを配置させ、その上からスキージを用いて導電性ペーストを貫通孔あるいは開口内に印刷の手法によて充填させる方法、あるいはディスペンサーを用いて貫通孔あるいは開口内に直接充填する方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような方法によって充填する場合、上記攪拌時あるいは印刷時において導電性ペースト内に気泡が巻き込まれる、すなわち、気泡が混入するという問題がある。このような問題は、導電性フィラーが多く含まれる高粘度の導電性ペーストを充填する場合に顕著である。その結果、充填された導電性ペースト内にボイドが残留することとなり、このようなボイドが存在する状態のままで導電性ペーストを硬化させた場合には、層間接続抵抗が不安定となったり、吸湿したそのボイドに水分が溜まる恐れがある。特に、吸湿した場合には、その後のはんだリフロー処理における高温雰囲気下において水蒸気爆発が起こる危険性があった。
【0004】本発明の目的は、プリント配線板の製造工程において、樹脂絶縁層内に形成したスルーホール用貫通孔およびまたはビアホール形成用開口内に導電性ペーストを充填する際に、その導電性ペーストに巻き込まれた気泡がボイドとして残留しないような導電性ペーストの充填方法を提案することにある。本発明の他の目的は、樹脂絶縁層内に形成したスルーホールおよびまたはビアホールに充填される導電性ペースト内への気泡の残留を阻止して、層間接続抵抗の安定性に優れ、かつ高温雰囲気下でも水蒸気爆発の危険性のない多層プリント配線板用片面回路基板の製造方法を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上掲の目的を実現するために鋭意研究した結果、以下の内容を要旨構成とする本発明に想到した。
(1) すなわち、本発明にかかる導電性ペーストの充填方法は、プリント配線板の製造工程において樹脂絶縁層に形成されたスルーホールまたはビアホール形成用の開口内に、所定量の導電性ペーストを充填させ、さらにその充填された導電性ペーストを、減圧条件下において、プレスすることによって、上記導電性ペーストに混入した気泡の残留を阻止することを特徴とする。
【0006】上記スルーホール形成用の開口、すなわち貫通孔内に導電性ペーストを充填する場合には、貫通孔の一方の開口端を封止した状態で導電性ペーストを充填するとともに、減圧下において、開口内に充填された導電性ペーストに対して適切な加圧手段によって圧力を加えることによって、導電性ペーストに混入した気泡を排除することができる。
【0007】(2) また、本発明にかかる多層プリント配線板用片面回路基板の製造方法は、絶縁性基材の片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一面から導体回路が形成された他の面に達するビアホールを具える多層プリント配線板用の片面回路基板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくとも下記■ないし■の工程、すなわち、■ 上記絶縁性基材の一面から導体回路に達する開口を形成する工程、■ その開口内に、所定量の導電性ペーストを充填させる工程、■ 減圧条件下において、充填された導電性ペーストを加圧する工程、を含むことを特徴とする。
【0008】(3) さらに、本発明にかかる多層プリント配線板用片面回路基板の製造方法は、絶縁性基材の片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一面から導体回路が形成された他の面に達するビアホールが形成されるとともに、ビアホール直上に突起状導体が形成された片面回路基板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくとも以下の■〜■の工程、すなわち、■上記絶縁性基材の一面に半硬化状態の樹脂接着剤層を介して樹脂フィルムを粘着させ、その樹脂フィルム上からレーザ照射を行って絶縁性基材を貫通して導体回路に達する開口を形成する工程、■ レーザ照射によって形成された開口内に所定量の導電性ペーストを充填する工程、■ その充填された導電性ペーストを減圧下において、加圧した後、上記樹脂フィルムを剥離させる工程、を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にかかる導電性ペーストの充填方法は、貫通孔あるいは開口内に、単に導電性ペーストを充填させるだけでなく、その充填された導電性ペーストを適切な減圧条件下において、適切な手段を用いて加圧することにより、導電性ペースト内に混入した気泡を排除することを特徴としている。
【0010】上記導電性ペーストとしては、銀、銅、金、ニッケル、半田から選ばれる少なくとも1 種以上の金属粒子からなる導電性ペーストを使用できる。また、前記金属粒子としては、金属粒子の表面に異種金属をコーティングしたものも使用できる。具体的には銅粒子の表面に金、銀から選ばれる貴金属を被覆した金属粒子を使用することができる。
【0011】上記導電性ペーストとしては、金属粒子に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリフェニレンスルフイド(PPS)などの熱可塑性樹脂を加えた有機系導電性ペーストを用いることもできる。
【0012】このような導電性ペーストの開口内への充填は、メタルマスクを用いた印刷による方法や、スクイージやディスペンサーを用いた方法等のいずれの方法でも可能である。また、上記減圧条件および印加する圧力は、導電性ペーストの粘度、溶剤の種類や量、スルーホールやビアホールの開口径および深さに応じて決定され、このような適切な条件下での導電性ペーストへの圧力印加は、例えば、公知のプレス装置やドライフィルム形成用の真空ラミネータを用いて行うことができる。
【0013】さらに、必要に応じて、開口内に充填された導電性ペーストを加熱して、その流動性を高めることによって、気泡排除の時間を短縮することができる。
【0014】本発明にかかる導電性ペーストの充填方法は、スルーホール用の貫通孔内に導電性ペーストを充填する場合にも適用することができる。その際には、貫通孔の一方の開口端を封止した状態で導電性ペーストを充填するとともに、減圧条件下において、充填された導電性ペーストに対して適切な加圧手段によって圧力を加え、その後、貫通孔の他方の開口端を封止した状態で、同様の減圧条件下において、導電性ペーストに対して圧力を加えることによって、気泡の排除が行なわれる。
【0015】なお、本発明にかかる導電性ペーストの充填方法は、硬質の樹脂基材に形成した貫通孔や開口だけでなく、プリプレグに形成した貫通孔や開口への導電性ペーストの充填にも適用され得る。
【0016】また、本発明にかかる導電性ペーストの充填方法は、絶縁性基材の片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一面から導体回路が形成された他の面に達するビアホールを具える多層プリント配線板用片面回路基板や、絶縁性基材の片面または両面に導体回路を有し、この絶縁性基材の一面から導体回路が形成された他の面に達するビアホールを具えるとともに、そのビアホール直上に突起状導体を具える多層プリント配線板用片面回路基板の製造、およびそれらの片面回路基板を積層して形成する多層プリント配線板の製造に効果的に適用され得る。
【0017】以下、本発明にかかる導電性ペーストの充填方法を、多層プリント配線板用片面回路基板の製造に適用した例について、添付図面を参照にして説明する。
■本発明による導電性ペーストの充填方法を用いて片面回路基板を製造するに当たって、片面に金属層10の形成された絶縁性基材20を出発材料として用いる(図1(a) 参照)。
【0018】この絶縁性基材20は、アラミド不織布−エポキシ樹脂基材、アラミド不織布−ポリイミド基材、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基材から選ばれるいずれかのリジッド(硬質)な積層基材が使用され、ガラス布エポキシ樹脂基材が最も好ましい。
【0019】また、絶縁性基材20の一方の表面に形成された金属層10は、銅箔を使用できる。銅箔は密着性改善のため、マット処理されていてもよく、また絶縁性基材20の表面に、金属を蒸着した後、電解めっき処理を施して形成した銅めっきを、金属層とすることもできる。上記絶縁性基材20の厚さは、20〜100 μmが望ましい。その理由は、絶縁性を確保するためである。20μm未満の厚さでは強度が低下して取扱が難しくなり、100 μmを超えると微細なビアホールの形成および導電性物質の充填が難しくなるからである。
【0020】一方、金属層10の厚さは、5 〜18μmが望ましい。その理由は、レーザ加工で絶縁性基材にビアホール形成用開口を形成する際に、薄すぎると貫通してしまうからであり、逆に厚すぎるとエッチングにより、ファインパターンを形成し難いからである。
【0021】上記絶縁基材20および金属層10としては、特に、エポキシ樹脂をガラスクロスに含潰させてBステージとしたプリプレグと、銅箔とを積層して加熱プレスすることにより得られる片面銅張積層板を用いることが好ましい。その理由は、金属層10がエッチングされた後の取扱中に、配線パターンやビアホールの位置がずれることがなく、位置精度に優れるからである。
【0022】■次に、絶縁性基材20に積層用ピン穴をドリル加工によって形成し、その後、絶縁性基材20の金属層10を設けた表面と反対側の表面に保護フィルム30を貼付する(図1(b) 参照)。この保護フィルム30は、後述する導電性ペーストの充填および突起状導体形成用のマスクとして使用され、たとえば、表面に粘着層を設けたポリエチレンテレフタレート(PET )フィルムが使用され得る。
【0023】前記PET フィルム30は、粘着剤層の厚みが1〜20μm、フィルム自体の厚みが10〜50μmであるようなものが使用される。
【0024】■ついで、絶縁性基材20上に貼付けられたPET フィルム30上からレーザ照射を行って、金属層10が設けられていない表面から金属層10に至るビアホール形成用開口40を形成する(図1(c) 参照)。このレーザ加工は、パルス発振型炭酸ガスレーザ加工装置によって行われる。加工条件は、パルスエネルギーが0.5 〜5.0 mJ、パルス幅が1〜20μs、パルス間隔が2ms以上、ショット数が3〜10の範囲内であることが望ましい。
【0025】このような加工条件のもとで形成され得る開口40の開口径は、50〜250 μmであることが望ましい。その後、開口40の内壁面に残留する樹脂を取り除くために、酸素プラズマ放電処理、コロナ放電処理等のデスミア処理を行うことが、接続信頼性確保の点で望ましい。
【0026】■次に、レーザ加工で形成したビアホール形成用開口40上に、開口40の口径よりもやや大きな口径を有するメタルマスク42を配置させ(図1(d) 参照)、そのメタルマスク開口を介してビアホール形成用開口40内に導電性ペースト44を充填する(図1(e) 参照)。このような導電性ペースト44の充填によって、開口40内には金属層10に電気的接続されるビアホール46が形成されるとともに、PET フィルム30の厚みだけ絶縁性基材20の表面から突出する突起状導体48が形成され、さらに突起状導体48の上には、外側に露出する余分な導電性ペースト層50が形成される。
【0027】この実施の形態においては、開口40内への導電性ペースト44の充填前に、開口40内に露出する金属層10の内側表面を酸などで活性化処理しておくことが望ましい。
【0028】■その後、メタルマスク42をPET フィルム30から剥離させ(図1(f) 参照)、基板全体を真空チェンバー(図示を省略する)内のステージ上に固定し、数Torr〜10数Torrの減圧下において、絶縁性基材20の導電性ペースト層50露出側の表面をプレス装置52によって、数分間だけ加圧する(図2(a),(b) 参照)。この際、導電性ペーストの露出表面とプレス装置52のプレス板との間に、離型材54を介在させ、プレス後に、導電性ペーストがプレス板に粘着しないようにする。
【0029】また、導電性ペーストの種類に応じて、開口内に充填した導電性ペーストを加圧しながら、適切な温度で加熱してもよい。そうすることで、導電性ペーストに流動性を与え、開口内に巻き込まれた気泡を排除する時間を短縮する上で有効である。
【0030】■次いで、離型材54を導電性ペースト層50から剥離させ(図2(c) 参照)、さらに、PET フィルム30上の余分な導電性ペーストを掻きとって、突起状導体48の表面を平坦化する(図2(d) 参照)。
■さらに、前記■にて余分な導電性ペーストを掻きとったPET フィルム30上にエッチング保護フィルム60を貼付して(図2(e) 参照)、その保護フィルム60と反対側の金属層10の表面に所定パターンのマスクを披覆した後、エッチング処理を行って導体回路を構成する導体パターン70(ビアランドを含む)を形成する。
【0031】この処理工程においては、先ず、金属層10の表面に感光性ドライフィルムレジストを貼付するか、液状感光性レジストを塗布した後、所定の回路パターンに沿って露光、現像処理してエッチングレジスト62を形成した後、エッチングレジスト非形成部分の金属層10をエッチングして導体パターン70を形成する。エッチング液としては、硫酸一過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第二鉄の水溶液から選ばれる少なくとも1種の水溶液が望ましい。
【0032】上記金属層10をエッチングして導体回路70を形成する前処理として、ファインパターンを形成しやすくするため、あらかじめ、金属層10の表面全面をエッチングして厚さを1〜10μm、より好ましくは2〜8μm程度まで薄くすることができる。
【0033】■前記■におけるエッチング処理の後、エッチング保護フィルム60およびPETフィルム30を順次剥離させると、一方の面に導体回路70を具え、その導体回路70に電気的接続しているビアホール46の直上に位置して、他方の面から露出している突起状導体48、すなわちバンプを具える片面回路基板80を得る。なお、前記■において形成した導体回路70の表面を粗化処理することもできる。この粗化処理は、前記■におけるエッチング処理の後、エッチング保護フィルム60およびPET フィルム30を剥離させないで貼付けたままで行なう。
【0034】この粗化処理は、片面回路基板を積層して多層化する際に、導体回路70と突起状導体48との密着性を改善し、また接着剤層との密着性を改善して、剥離(デラミネーション)を防止するためである。
【0035】粗化処理方法としては、例えば、ソフトエッチング処理や、黒化(酸化)一還元処理、銅−ニッケルーリンからなる針状合金めっき(荏原ユージライト製:商品名インタープレート)の形成、メック社製の商品名「メックエッチボンド」なるエッチング液による表面粗化がある。なお、上記突起状導体の高さ、すなわち絶縁性基材20表面からの突出量は、PET フィルム30の全体としての厚さ、すなわち、粘着剤層の厚みとフィルム自体の厚みとの和、にほぼ等しく、10〜50μmの範囲とすることが望ましい。その理由は、10μm未満では、接続不良を招きやすく、50μmを越えると抵抗値が高くなると共に、加熱プレス工程において突起状導体(バンプ)が熱変形した際に、絶縁性基板の表面に沿って拡がりすぎるので、ファインパターンが形成できなくなるからである。
【0036】また、上記導電ペーストから形成される突起状導体は、プレキュアされた状態であることが望ましい。その理由は、突起状導体は半硬化状態でも硬いので、後述するような積層プレスの段階で軟化した有機系接着剤層を貫通し、積層される他の回路基板のビアホールと電気的接触が可能となるからである。また、加熱プレス時に変形して接触面積が増大し、導通抵抗を低くすることができるだけでなく、突起状導体の高さのばらつきを是正することができる。
【0037】上述したような本発明による片面回路基板は、それらの複数が相互に積層接着されたり、予め製造されたコア基板に積層接着されて多層化されるが、このような積層段階では接着剤が使用される。上記■〜■の工程によって製造された複数の片面回路基板、たとえば4枚の基板を相互に積層して多層プリント配線板を製造する一例について、図3および図4を参照にして説明する。
【0038】まず、各片面回路基板の製造段階において、ビアホール46の直上に突起状導体(バンプ)48が形成された後、その突起状導体48を含む絶縁性基材20の表面全体に接着剤72を塗布しておく。例えば、絶縁性基材20の突起状導体48側の表面全体および/または導体回路70側の表面全体に塗布され、乾燥化された状態の未硬化樹脂からなる接着剤層54として形成される。接着剤層は、取扱が容易になるため、予備硬化(プレキュア)しておくことが好ましく、その厚さは、5〜50μmの範囲が望ましい。
【0039】前記接着剤層72は、有機系接着剤からなることが望ましく、有機系接着剤としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型ポリフェノレンエーテル(PPE)、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との複合樹脂、エポキシ樹脂とシリコーン掛脂との複合樹脂、BTレジンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが望ましい。
【0040】有機系接着剤である未硬化樹脂の塗布方法は、カーテンコータ、スピンコータ、ロールコータ、スプレーコート、スクリーン印刷などを使用できる。また、接着剤層の形成は、接着剤シートをラミネートすることによってもできる。
【0041】まず、片面回路基板80、82、84および86を互いに対向するように積層する( 図3参照) 。この重ね合わせは、隣接する片面回路基板の突起状導体48と導体回路70とが、あるいは突起状導体48と他の突起状導体48とが対向するような位置に配置することにより行なわれる、すなわち、各片面回路基板の周囲に設けられたガイドホールにガイドピン(図示せず)を挿通することで位置合わせしながら行なわれる。また、位置合わせは、画像処理にて行ってもよい。
【0042】上記積層された4層基板を、熱プレスを用いて150 〜200 ℃で加熱し、5〜100 kgf/cm2 、望ましくは20〜50 kgf/cm2で加熱プレスすることにより、片面回路基板60〜66を、1度のプレス成形により一体化し、多層プリント配線板を得る(図4参照)。
【0043】ここでは、先ず、加圧されることで、片面回路基板80の突起状導体48が、未硬化の接着剤72を周囲に押し出し、その突起状導体48が片面回路基板82の導体回路70に当接して両者の電気的接続がなされる。同様に、片面回路基板82の突起状導体48が片面回路基板84の突起状導体48と当接して両者の電気的接続がなされ、片面回路基板86の突起状導体48は、片面回路基板84の導体回路70に当接して両者の電気的接続がなされる。
【0044】更に、加圧と同時に加熱することで、各片面回路基板80〜86の接着剤層72が硬化し、隣接する片面回路基板との間で強固な接着が行われる。なお、熱プレスとしては、真空熱プレスを用いることが好適である。
【0045】このように、積層された4 層の片面回路基板を一括して加熱加圧しながら、各片面回路基板の突起状導体を接着剤層に嵌入・貫通せしめて、その突起状導体と対向する前記導体回路あるいは他の突起状導体に接続させて一体化することにより、多層プリント配線板が製造される。上述した実施形態では、本発明による4層の片面回路基板を用いて多層化したが、3層、5層あるいは6層を超える多層プリント配線板の製造にも適用できる。更に、従来技術の方法で作成された片面プリント基板、両面プリント基板、両面スルーホールプリント基板、多層プリント基板等に本発明の片面回路基板を積層して多層プリント配線板を製造することもできることは勿論のことである。
【0046】
【実施例】以下、本発明にしたがって製造したIVH構造配線板の製造プロセスおよびその製造した結果について説明する。このIVH構造配線板の基本的な製造プロセスは、先に説明した工程■〜■にしたがっている。
( 実施例1)(1) ガラスエポキシ基材からなるリジッドな片面銅張積層板の樹脂面に、粘着剤層の厚みが10μm、フィルム自体の厚みが12μmのPET フィルムをラミネートし、その後、パルス発振型炭酸ガスレーザを用いて、ブラインドビア加工してから、開口径200 μm、厚みが100 μmのメタルマスクを用いてビアホール開口内に導電性ペーストを充填する。
【0047】(2) 次いで、基板全体を真空チェンバー内に配置させ、真空度が20Torrの減圧下に約5分間おき、さらに、真空チェンバー内に配設したプレス装置によって、ビアホール開口内に充填した導電性ペーストに対して20 Kgf/cm2 の圧力を約5分間にわたって加えた。
(3) PET フィルム上に残った余分の導電性ペーストを掻きとって、その表面を平坦化し、その上に、厚さが22μmのエッチング保護フィルム60を貼付した。
【0048】(4) その保護フィルムと反対側の銅箔の表面に、感光性ドライフィルムレジストを用いて銅箔をエッチングすることによって配線パターンを形成する。
(5) PET フィルムおよびエッチング保護フィルムを剥離させ、導電性ペーストをプレキュアすることにより、ビアホールの直上に突起状導体(バンプ)を形成する。
【0049】(6) その後、エポキシ樹脂接着剤を突起状導体側もしく導体回路側の全面に塗布してプレキュアして、多層化のための接着剤層を形成する。
(7) このようにして各層ごとに準備された4層の片面回路基板を所定の位置にスタックし、真空熱プレスを用いて180 ℃の温度で積層プレスしてIVH構造配線板を作成した。
【0050】製造された4層配線板においては、L/S=75μm/75μm、ランド径が250μm、ビアホール口径が150 μm、導体層の厚みが12μm、そして絶縁層の厚みが75μmであった。本発明において、本質的に重要な役割を果たすプロセスは、エポキシ樹脂からなるリジッドな片面銅張積層板の樹脂面に、粘着剤層の厚みが10μm、フィルム自体の厚みが12μmのPET フィルムをラミネートし、そのPET フィルム上からパルス発振型炭酸ガスレーザを照射して、熱分解温度の差が大きいガラスエポキシ基材に、良好なマイクロビアを形成し、さらに、マイクロビアに導電性ペーストを充填し、その充填された導電性ペーストに対して、減圧下において、プレス処理を施すことにある。
【0051】この実施例においては、三菱電機製の高ピーク短パルス発振型炭酸ガスレーザ加工機を用い、全体として厚さ22μmのPET フィルムを樹脂面にラミネートした、銅箔厚さ12μm、基材厚75μmのガラスエポキシ片面銅張積層板に、マスクイメージ法でフィルム側からパルス照射して、400 穴/秒のスピードで150 μmのブラインドビアを形成した。
【0052】(実施例2)開口に充填した導電性ペーストに加えるプレス圧を10Kg/cm2 としたこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0053】(実施例3)開口に充填した導電性ペーストに加えるプレス圧を5Kg/cm2 としたこと以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0054】(比較例1)開口に充填した導電性ペーストに対して、減圧下でのプレス処理を行なわなかった以外は、実施例1と同様にして4層配線板を製造した。
【0055】上記実施例1、2 、3 および比較例1によって製造された4層配線板について、X線観察によってボイドが存在するかどうかを調べた。その結果、実施例1、2 、3 においては、ボイドの存在はまったく見られず、比較例1においては、全体の3〜13%のボイド(直径:10〜50μm)が観察された。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による導電性ペーストの充填方法によれば、開口内に充填された導電性ペーストを減圧下において加圧処理することによって、導電性ペーストに混入した気泡を効果的に排除することができるので、この方法を回路基板の製造に適用して、層間接続抵抗の安定性に優れ、かつ高温雰囲気下でも水蒸気爆発の危険性のない多層プリント配線板用回路基板を製造できる。




 

 


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