Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
回路遮断装置 - 矢崎総業株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 矢崎総業株式会社

発明の名称 回路遮断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−68000(P2001−68000A)
公開日 平成13年3月16日(2001.3.16)
出願番号 特願平11−241770
出願日 平成11年8月27日(1999.8.27)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
発明者 山口 昇 / ▲高▼橋 英生
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 電源から負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に電源から負荷への回路を遮断する回路遮断装置であって、前記電源側に接続された第1の接続端子と前記負荷側に接続された第2の接続端子との間に配置され、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子に接触し、加熱剤を充填した導電性を有する加熱部と、着火剤に着火することにより前記加熱剤を発熱させる着火部と、前記加熱部の近傍または接触して配置され且つ前記加熱部を押圧する伸縮自在な弾性部材と、この弾性部材、前記着火部及び前記加熱部を収納する外容器と、前記弾性部材の前記加熱部への押圧を阻止し前記加熱剤の熱により溶融する押圧阻止部材と、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の内の一方の接続端子と前記着火部とに接触する熱伝導部材と、を備えることを特徴とする回路遮断装置。
【請求項2】 前記着火部は、前記車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された異常信号により前記着火剤に着火して前記加熱剤を発熱させることを特徴とする請求項1記載の回路遮断装置。
【請求項3】 前記着火部は、一対の着火部端子と、この一対の着火部端子間に設けられた抵抗体と、この抵抗体の近傍または接触して配置された前記着火剤とを有し、前記一対の着火部端子の内の一方の着火部端子が前記熱伝導部材の一端に接触し、他方の着火部端子が前記制御部へ接続され、前記熱伝導部材の他端が前記一方の接続端子に接触してなることを特徴とする請求項2記載の回路遮断装置。
【請求項4】 前記制御部は、前記異常信号により励磁電流が流れる電磁コイルと、一端が前記他方の着火部端子に接続され他端がアースされ前記励磁電流によりオンするスイッチとを有することを特徴とする請求項3記載の回路遮断装置。
【請求項5】 前記押圧阻止部材は、前記弾性部材を圧縮状態で取り付けるとともに前記外容器に着脱自在であって、前記外容器に装着されたときに前記加熱部の近傍または接触して配置されるとともに前記加熱剤の熱により溶融する着脱部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の回路遮断装置。
【請求項6】 前記加熱部の端部には側壁部が形成され、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子のそれぞれの先端部と前記側壁部とを低融点材により接合したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の回路遮断装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路を短時間で遮断する回路遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に設けられる電装システムでは、パワーウインドウ等の負荷に何らかの異常が発生したり、バッテリーと各負荷とを接続している複数の電線によって構成されたワイヤーハーネス等に何らかの異常が発生したとき、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間に介挿された大電流ヒューズを溶断させて、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間を遮断し、これによって各負荷やワイヤーハーネス等が焼損するのを防止している。
【0003】しかしながら、このような大電流ヒューズを使用した電装システムでは、パワーウインドウ等の負荷に何らかの異常が発生したり、バッテリーと各負荷とを接続しているワイヤーハーネス等に何らかの異常が発生したりしても、大電流ヒューズに予め設定されている許容値以上の電流が流れないと、これが溶断しないことから、許容値に近い大きな電流が連続的に流れているとき、これを検知して、バッテリーと、ワイヤーハーネスとの間を遮断する各種の保護装置が開発されている。
【0004】図7は保護装置のうち、バイメタルを使用した保護装置の一例を示す断面図である。図7に示す保護装置は、絶縁樹脂などによって構成され、上部側にヒューズ収納部102が形成されたハウジング103と、このハウジング103のヒューズ収納部102を開閉自在に閉止する蓋113と、上端部分がヒューズ収納部102内に突出し、下端が外部に露出するように、ハウジング103の下側に配置され、外部に露出した部分がバッテリー104のプラス端子に接続される電源ターミナル105と、上端部分がヒューズ収納部102に突出し、下端が外部に露出するように、ハウジング103の下側に配置され、外部に露出した部分がワイヤーハーネス106を構成する電線107を介して負荷108に接続される負荷ターミナル109と、ヒューズ収納部102内に配置された低融点金属などによって構成され、その一端が電源ターミナル105の上端に接続され、他端が負荷ターミナル109の上端に接続される可溶体110と、電源ターミナル105、負荷ターミナル109の中間位置となるように、かつ下端が外部に露出するように、ハウジング103の下側に配置され、外部に露出した部分がバッテリー104のマイナス端子に接続される中間ターミナル111と、2種類の金属を張り合わせた長板状部材によって構成され、下端側が中間ターミナル111の上端に接続され、上端側がL字状に曲げられて可溶体110と対向するように配置されるバイメタル112とを備えている。
【0005】そして、車両のイグニッションスイッチ等が操作され、バッテリー104のプラス端子、電源ターミナル105、可溶体110、負荷ターミナル109、ワイヤーハーネス106の電線107、負荷108、バッテリー104のマイナス端子なる経路で、電流が流れているとき、負荷108あるいはこの負荷108と保護装置101とを接続しているワイヤーハーネス106に何らかの異常が発生して、可溶体110に許容値以上の電流が流れたとき、これが発熱して溶断し、負荷108やワイヤーハーネス106などを保護する。
【0006】また、負荷108あるいは負荷108と保護装置101とを接続しているワイヤーハーネス106に何らかの異常が発生し、可溶体110に大きな電流が流れていても、これが許容値を越えていないとき、可溶体110に流れている電流によって可溶体110が発熱し、バイメタル112が変形を開始する。そして、可溶体110に大きな電流が流れ始めてから、所定時間が経過した時点で、バイメタル112の先端が可溶体110に接触して、バッテリー104のプラス端子、電源ターミナル105、可溶体110、中間ターミナル111、バッテリー104のマイナス端子なる経路で、可溶体110に大きな短絡電流が流れ、これが溶断する。
【0007】これにより、予め設定されている時間以上、許容値以下の電流が流れたときにも、回路を遮断して、ワイヤーハーネス106や負荷108などを保護する。
【0008】また、このような保護装置101以外に保護装置として、図8に示す保護装置121も開発されている。
【0009】図8に示す保護装置121は、絶縁樹脂などによって構成されるハウジング122と、このハウジング122の一側面側に埋設され、下端部分がバッテリー123のプラス端子に接続される電源ターミナル124と、ハウジング122の他側面側に埋設され、下端部分がワイヤーハーネス125を構成する電線126を介して負荷127に接続される負荷ターミナル128と、低融点金属等をU字型に形成した可溶導線129及び可溶導線129を覆うように形成される耐熱被覆130によって構成され、一端が電源ターミナル124の上端に接続され、他端が負荷ターミナル128の上端に接続される電線131と、マルテンサイト相になっているとき、図8に示すように、電線131に巻き付けられた形状にされ、120°C〜170°Cの温度まで加熱されたとき、電線131を締め付ける形状の母相に戻る形状記憶合金によって構成されるコイル132と、ハウジング122の外部に設けられ、上端がコイル132の一端に接続され、下端がバッテリー123のマイナス端子に接続される外部ターミナル133とを備えている。
【0010】そして、車両のイグニッションスイッチ等が操作され、バッテリー123のプラス端子、電源ターミナル124、電線131の可溶体129、負荷ターミナル128、ワイヤーハーネス125の電線126、負荷127、バッテリー123のマイナス端子なる経路で、電流が流れているとき、負荷127あるいは負荷127と保護装置121とを接続しているワイヤーハーネス125に何らかの異常が発生して、可溶導線129に許容値以上の電流が流れたとき、これが発熱して溶断し、負荷127やワイヤーハーネス125などを保護する。
【0011】また、負荷127あるいは負荷127と保護装置121とをワイヤーハーネス125に何らかの異常が発生し、可溶導線129に大きな電流が流れていても、これが許容値を越えていないとき、可溶導線129に流れている電流によって可溶導線129が発熱し、コイル132の温度が上昇する。そして、可溶導線129に大きな電流が流れ始めてから、所定時間が経過し、コイル132の温度が120°C〜170°Cの温度まで上昇したとき、コイル132がマルテンサイト相から母相に遷移して、熱によって軟化している耐熱被覆130に食い込んで、可溶導線129に接触し、バッテリー123のプラス端子、電源ターミナル124、可溶導線129、コイル132、外部ターミナル133、バッテリー123のマイナス端子なる経路で、可溶導線129に大きな短絡電流が流れ、これが溶断する。
【0012】これにより、予め設定された時間以上、許容値以下の電流が流れたときにも、回路を遮断して、ワイヤーハーネス125や負荷127などを保護する。
【0013】また、図9に従来のヒュージブルリンク用可溶導体の斜視図を示す。このヒュージブルリンク用可溶導体201は、高融点金属からなる可溶導体本体202の中間部に、挟持片202aを介して低融点金属からなる可溶導体片203を保持し、低融点金属の拡散による合金の生成によって溶断特性を改善したものである。
【0014】このような構成によれば、可溶導体本体202に過電流が流れると、その発生熱により可溶導体片203の溶融が発生し、これによって、可溶導体201を溶断することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した従来の保護装置101、121にあっては、以下に述べるような問題があった。
【0016】まず、図7に示す保護装置では、熱膨張率が異なる2種類の金属を張り合わせたバイメタル112を使用して、可溶体110に大きな電流が流れているかどうかを検出しているので、可溶体110に流れる電流の大きさが変化すると、バイメタル112が変形して、回路を遮断するまでの時間が変化する。
【0017】このため、大きな電流が断続的に流れるような故障が発生したとき、可溶体110の温度がある程度以上、上昇しなくなり、保護装置101が回路を遮断する前に、ワイヤーハーネス106や負荷108などが燃え出してしまう虞れがあった。
【0018】一方、図8に示す保護装置121では、形状合金記憶によって構成されるコイル132を使用して、可溶導線129に大きな電流が流れているかどうかを検出しているので、可溶導線129に流れる電流の大きさが変化すると、コイル132が変形して、回路を遮断するまでの時間が変化する。
【0019】このため、大きな電流が断続的に流れるような故障が発生したとき、可溶導線129の温度がある程度以上、上昇しなくなり、保護装置121が回路を遮断する前に、ワイヤーハーネス125や負荷127などを過度に発熱させてしまう虞れがあった。
【0020】また、図7及び図8に示す保護装置では、熱変形電導部材であるバイメタル112やコイル132の熱反応時間が通電電流に左右されていた。さらには、熱変形電導部材の熱反応が異常時(過電流通電)にタイムリーに作動しない場合があった。
【0021】また、図9に示す可溶導体201では、銅合金への低融点金属の拡散時間が通電電流により左右され、また、低融点金属の拡散にかなりの時間がかかるため、異常時(過電流通電)にタイムリーに作動しない場合があった。
【0022】そこで、異常時(過電流通電)にタイムリーに作動する回路遮断装置として、本出願人は、特願平11−64055号(平成11年3月10日出願)に記載された回路遮断装置を出願している。この回路遮断装置は、概略的には、バッテリ用の接続端子(例えば、バスバー)と負荷用の接続端子とからなる一対の接続端子を設け、この一対の接続端子のそれぞれに電気的に接触する導電性部材(例えば、テルミットケース)を設け、車両の異常時に制御回路等から入力された異常信号に応答して圧縮バネ等で導電性部材を上方に移動させて、一方の接続端子と他方の接続端子との電気的な接続を切断して回路を遮断するものである。
【0023】しかしながら、この回路遮断装置にあっては、制御回路等に断線が発生したり、あるいは電流センサ等が破損して、異常信号が回路遮断装置に送られてこない場合には、回路を遮断することができないという問題があった。
【0024】本発明は、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができ、しかも、制御部等の故障により異常信号が送られてこない場合であっても、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる回路遮断装置を提供することを課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、以下の構成とした。請求項1の発明は、電源から負荷に電流を供給するとともに、車両の異常時に電源から負荷への回路を遮断する回路遮断装置であって、前記電源側に接続された第1の接続端子と前記負荷側に接続された第2の接続端子との間に配置され、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子に接触し、加熱剤を充填した導電性を有する加熱部と、着火剤に着火することにより前記加熱剤を発熱させる着火部と、前記加熱部の近傍または接触して配置され且つ前記加熱部を押圧する伸縮自在な弾性部材と、この弾性部材、前記着火部及び前記加熱部を収納する外容器と、前記弾性部材の前記加熱部への押圧を阻止し前記加熱剤の熱により溶融する押圧阻止部材と、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子の内の一方の接続端子と前記着火部とに接触する熱伝導部材とを備えることを特徴とする。
【0026】請求項1の発明によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子に過電流が流れると、過電流により接続端子の温度が上昇し、一方の接続端子の熱が熱伝導部材を介して着火部に伝導されて、この熱により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により押圧阻止部材が溶融し、弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、加熱部と第1の接続端子及び第2の接続端子との電気的接続が遮断されるから、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。
【0027】請求項2の発明の前記着火部は、前記車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された異常信号により前記着火剤に着火して前記加熱剤を発熱させることを特徴とする。
【0028】請求項2の発明によれば、着火部は、車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された異常信号により着火剤に着火して加熱剤を発熱させるため、異常信号の入力によっても、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。また、制御部等の故障により異常信号が着火部に入力されないために回路が遮断できない場合であっても、一方の接続端子の温度により回路を短時間で確実に遮断することができ、電気部品を保護することができる。
【0029】請求項3の発明の前記着火部は、一対の着火部端子と、この一対の着火部端子間に設けられた抵抗体と、この抵抗体の近傍または接触して配置された前記着火剤とを有し、前記一対の着火部端子の内の一方の着火部端子が前記熱伝導部材の一端に接触し、他方の着火部端子が前記制御部へ接続され、前記熱伝導部材の他端が前記一方の接続端子に接触してなることを特徴とする。
【0030】請求項3の発明によれば、過電流により第1の接続端子の温度が上昇し、温度上昇による熱は、第1の接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体及び着火剤と伝導されるため、この熱により着火剤を着火することができる。また、他方の着火部端子が制御部へ接続されているため、制御部からの異常信号が他方の着火部端子を介して抵抗体に送られて抵抗体の発熱により着火剤を着火することができる。
【0031】請求項4の発明の前記制御部は、前記異常信号により励磁電流が流れる電磁コイルと、一端が前記他方の着火部端子に接続され他端がアースされ前記励磁電流によりオンするスイッチとを有することを特徴とする。
【0032】請求項4の発明によれば、制御部において、異常信号により電磁コイルに励磁電流が流れると、この励磁電流によりスイッチがオンする。このため、電源から、第1の接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体、他方の着火部端子、スイッチ、アースの経路で電流が流れ、抵抗体の発熱により着火剤を着火することができ、接続端子側に有する電源を流用して回路を遮断することができる。
【0033】請求項5の発明の前記押圧阻止部材は、前記弾性部材を圧縮状態で取り付けるとともに前記外容器に着脱自在であって、前記外容器に装着されたときに前記加熱部の近傍または接触して配置されるとともに前記加熱剤の熱により溶融する着脱部材であることを特徴とする。
【0034】請求項5の発明によれば、伸縮自在な弾性部材を圧縮状態で取り付けた着脱部材は、外容器に装着されたときに加熱部の近傍または接触して配置され、着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により着脱部材が溶融する。弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる。また、着脱部材は、外容器に着脱自在に構成されてなるため、着脱部材の着脱作業が簡単になる。さらに、弾性部材を着脱部材で保持しているため、第1の接続端子及び第2の接続端子と加熱部との接合部に外力が加わらなくなる。
【0035】請求項6の発明は、前記加熱部の端部には側壁部が形成され、前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子のそれぞれの先端部と前記側壁部とを低融点材により接合したことを特徴とする。
【0036】請求項6の発明によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子のそれぞれの先端部と側壁部とを低融点材により接合したため、加熱剤の発熱により押圧阻止部材及び低融点材が溶融すると、加熱部が跳ね上がり、第1の接続端子及び第2の接続端子の電気的接続が遮断されるから、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる。また、第1の接続端子及び第2の接続端子と加熱部との接合部である低融点材にバネ力が加わらないため、接合部の信頼性を向上することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回路遮断装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は実施の形態の回路遮断装置の遮断前の断面図である。図2は実施の形態の回路遮断装置の組立斜視図である。図3は実施の形態の回路遮断装置に設けられた熱伝導端子及びその周辺部の詳細図である。図4は回路遮断装置に接続される制御部の回路構成図である。図5は実施の形態の回路遮断装置の遮断前のリテーナの状態図である。図6は実施の形態の回路遮断装置の遮断後のリテーナの状態図である。
【0038】実施の形態の回路遮断装置は、制御部等の故障により着火部に異常信号が入力されないために回路が遮断できない場合であっても、過電流によるバスバーの温度上昇の熱により回路を遮断することを特徴とする。
【0039】図1に示す回路遮断装置において、板状の長い第1のバスバー11aは、例えば、銅または銅合金からなり、バッテリ1に接続されている。また、板状の長い第2のバスバー19aも、例えば、銅または銅合金からなり、図示しない負荷等に接続されている。
【0040】図2において、キャップ14aには四角形状の溝部51を有する延出部50が形成されており、樹脂ケース14bには楔状の係止部55が形成されており、溝部51に係止部55が嵌合することで、樹脂ケース14bにキャップ14aが被せられるようになっている。キャップ14a及び樹脂ケース14bは、外容器を構成し、樹脂(熱可塑性樹脂)等の絶縁材料の容器からなる。
【0041】樹脂ケース14bに形成された開口部53には、円筒状のテルミットケース26が収納されており、このテルミットケース26には、加熱剤27とリード線31が接続された着火部29とが収納されていて、加熱剤上部には上蓋24が被せられている。
【0042】テルミットケース26は、熱伝導度が良く、加熱剤27の発熱で溶けない、例えば、黄銅、銅、銅合金、ステンレス等を用いると良い。テルミットケース26は、金属の絞り加工等により成形され、円筒または直方体からなる。
【0043】着火部29は、車両の衝突事故等の車両の異常時にリード線31に流れる電流によって発生する発熱により着火剤30aを点火して加熱剤27にテルミット反応熱を発生させるようになっている。
【0044】丸穴部12を有する第1のバスバー11a及び丸穴部20を有する第2のバスバー19aは、上方に略直角に折り曲げられており、折り曲げられた部分が樹脂ケース14bを挿通し、バスバー先端部13a,16aがハンダ(例えば、融点が200℃〜300℃)等の低融点材としての低融点金属23を介してテルミットケース26の左右の側壁部に接触している。
【0045】テルミットケース26の左右の側壁部は、バスバー先端部13a,16aに低融点金属23により接合されており、低融点金属23及びテルミットケース26を介して第1のバスバー11aと第2のバスバー19aとが電気的に接続可能となっている。
【0046】低融点金属23としては、例えば、Sn、Pb、Zn、Al及びCuから選ばれる少なくとも1種の金属からなる。
【0047】加熱剤27は、例えば、酸化鉄(Fe23)等の金属酸化物の粉末、アルミニウムの粉末とによって構成され、リード線31の発熱によりテルミット反応を起こして高熱を発生するテルミット剤である。このテルミット剤は、防湿対策として金属製の容器であるテルミットケース26に封入される。なお、酸化鉄(Fe23)を用いる代わりに、酸化クロム(Cr23)、酸化マンガン(MnO2)などを用いても良い。
【0048】また、加熱剤27としては、B、Sn、FeSi、Zr、Ti及びAlの中から選ばれる少なくとも1種の金属粉末と、CuO、MnO2、Pb34、PbO2、Fe34およびFe23の中から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物と、アルミナ、ベントナイト、タルク等からなる添加剤の少なくとも1種の混合物を用いても良い。このような加熱剤によれば、着火部29により容易に着火され、低融点金属23を短時間で溶融することができる。
【0049】また、樹脂ケース14bの開口部53内にあって且つテルミットケース26の下部には、樹脂部材からなるリテーナ45が配置されている。このリテーナ45は、圧縮バネ39aを圧縮状態で取り付けるとともに樹脂ケース14bに着脱自在であって、樹脂ケース14bに装着されたときにテルミットケース26の近傍または接触して配置されるとともに加熱剤27の熱により溶融する着脱部材を構成する。
【0050】このリテーナ45は、図5に示すように、基部61と、この基部61に形成された切欠部63と、切欠部63及び基部61に対して植立したリテーナ胴部65と、このリテーナ胴部65の先端に形成された一対のリテーナ係止部67とを有して構成され、一対のリテーナ係止部67が樹脂ケース14bに装着されるようになっている。
【0051】リテーナ胴部65の外側には螺旋状にリテーナ胴部65を巻いた圧縮バネ39aが配置されており、この圧縮バネ39aの先端部は、リテーナ係止部67により係止されている。すなわち、リテーナ45には圧縮バネ39aが圧縮された状態で挟み込まれている。
【0052】前記着火部29は、一対の着火部端子30c,30d、この一対の着火部端子30c,30d間に設けられた抵抗体30b、この抵抗体30bの近傍または接触して配置された着火剤30aを有する。
【0053】また、第1のバスバー11aの折り曲げ部分と着火部端子30cとに接触する熱伝導部材としての例えば、銅、銅合金等からなる熱伝導端子32が設けられている。この熱伝導端子32は、図3に示すように、略L字状をなしており、熱伝導端子本体32aと、第1のバスバー11aに圧接するために円弧状に突起したバスバー接触片32cと、着火部端子30cに面接触する着火部接触片32bとが形成されてなり、樹脂ケース14bの下方から挿入されるようになっている。着火部端子30dは、リード線31を介して図4に示す制御部70へ接続されている。
【0054】制御部70は、図4に示すように、第1のバスバー11a及び第2のバスバー19aのそれぞれに流れる電流を検出する電流センサ71と、車両の衝突を検出する衝突センサ(Gセンサ)73と、電流センサ71で検出した検出電流値がしきい値以上になった場合に駆動制御信号を異常信号として駆動回路77に出力またはGセンサ73で検出した検出加速度値が所定値以上になった場合に駆動制御信号を電磁リレー77に出力する制御回路75と、制御回路75からの駆動制御信号により動作する電磁リレー77とを有している。
【0055】この電磁リレー77は、異常信号(ここでは、駆動制御信号のこと)により励磁電流が流れる電磁コイル78と、一端aがリード線31を介して着火部端子30dに接続され他端bがアースされ励磁電流によりオンするスイッチ79とを有する。
【0056】なお、回路遮断装置は、過電圧を検出する電圧センサ、温度を検出する温度センサを設け、電圧センサからの出力、温度センサからの出力を制御回路75に出力するようにしてもよい。
【0057】異常信号は、前記電流の値がしきい値以上になった場合に着火部29に入力され、第1のバスバー11aを介する熱伝導端子32からの熱により加熱剤27が発熱するときの前記電流の値は、前記しきい値を超えた値に設定されている。
【0058】次に、このように構成された実施の形態の回路遮断装置の動作を図面を参照して説明する。
【0059】まず、通常では、第1のバスバー11aと第2のバスバー19aとは、低融点金属23及びテルミットケース26を介して電気的に接続され、バッテリ1から図示しない負荷に電流が供給される。
【0060】次に、電流センサ71、Gセンサ73、制御回路75等が正常であり、車両の異常時に異常信号が着火部29に送られてくる場合の動作を説明する。車両に異常が発生して第1のバスバー11a及び第2のバスバー19aに過電流が流れると、電流センサ71がその電流を検出し、電流センサ71で検出した検出電流値がしきい値以上になった場合には、制御回路75は、駆動制御信号を電磁コイル78に出力するため、電磁コイル78に励磁電流が流れて、この励磁電流によりスイッチ79がオンする。
【0061】すると、バッテリ(電源)1から、第1のバスバー11a、熱伝導端子32、着火部端子30c、抵抗体30b、着火部端子30d、リード線31、スイッチ79、アースの経路で電流が流れる。このため、抵抗体30bが発熱し、抵抗体30bの温度が350℃以上となると、着火剤が着火して、テルミット剤である加熱剤27が以下の反応式によりテルミット反応熱を発生する。
【0062】Fe23+2AL→AL23+2Fe+386.2Kcalこのテルミット反応熱によりテルミットケース26が加熱され、加熱剤27の発熱とテルミットケース26の熱により低融点金属23が加熱されて、溶融する。また、これと同時に、圧縮バネ39aをリテーナ45に圧縮固定した樹脂性のリテーナ係止部67が前記熱によって溶融する。すると、図6に示すように、圧縮バネ39aが伸張するため、テルミットケース26がキャップ14aの方向に跳ね上がる。
【0063】このため、テルミットケース26と、第1のバスバー11a及び第2のバスバー19aとの電気的接続が切断される。すなわち、車両の電気回路が短時間で且つ確実に遮断されることになる。また、バッテリ1からの電源電圧を流用して、異常信号による回路遮断を行うことができる。
【0064】次に、電流センサ71、Gセンサ73の破損、制御回路75の断線等が発生し、車両の異常時に異常信号が着火部29に送られない場合の動作を説明する。この場合には、電磁リレー77に有するスイッチ79はオフである。
【0065】まず、第1のバスバー11aに前記しきい値を超える過電流が流れると、第1のバスバー11の温度が上昇し、その温度が例えば、350℃以上となり、温度上昇による熱は、第1のバスバー11a、熱伝導端子32、着火部端子30c、抵抗体30b及び着火剤30aと伝導される。
【0066】このため、この熱(例えば、温度が350℃以上となったとき)により着火剤30aが着火して、加熱剤27が発熱して、この熱によりテルミットケース26が加熱され、加熱剤27の発熱とテルミットケース26の熱により低融点金属23が加熱されて、溶融する。また、これと同時に、圧縮バネ39aをリテーナ45に圧縮固定した樹脂性のリテーナ係止部67が前記熱によって溶融する。すると、図6に示すように、圧縮バネ39aが伸張するため、テルミットケース26がキャップ14aの方向に跳ね上がる。
【0067】このため、テルミットケース26と、第1のバスバー11a及び第2のバスバー19aとの電気的接続が切断される。すなわち、制御部70の故障等により回路を遮断することができない場合でも、過電流時のバスバーの温度上昇による熱により、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。
【0068】また、電流センサ71等のセンサがなくても、温度検出によって回路を遮断することができる。さらに、図9に示した従来の回路部材を溶断する方式に比較して、実施の形態の回路遮断装置は、熱伝導端子32を用いているから、ヒューズの回路抵抗を小さくできるため、自然遮断等がなくなり、安全性を向上することができる。
【0069】また、異常信号は、電流の値がしきい値以上になった場合に着火部29に入力され、第1のバスバー11aを介する熱伝導端子32からの熱により加熱剤27が発熱するときの電流の値は、しきい値を超えた値に設定されてなるため、制御部70からの異常信号により回路を遮断できない場合には、第1のバスバー11aを介する熱伝導端子32からの熱により回路を遮断できるとともに、異常信号による回路遮断よりも先に、熱伝導端子32からの熱による回路遮断が行われることがなくなる。
【0070】また、リテーナ係止部67を圧縮バネ39aの内側に設置しているため、リテーナ係止部67が圧縮バネ39aの反力によって内側に倒れ込む傾向があり、テルミットケース26とリテーナ45とが強接し、これによってテルミットケース26からリテーナ45への熱伝導が良好となるので、効率よくリテーナ係止部67を溶融することができる。
【0071】また、リテーナ係止部67を内側に倒し、圧縮バネ39aをリテーナ45に押し込むだけで容易に圧縮バネ39aをリテーナ45に組み付けでき、リテーナ45を容易に樹脂ケース14bに装着することができる。
【0072】また、圧縮バネ39aをリテーナ45により保持しているため、第1のバスバー11a及び第2のバスバー19bとテルミットケース26との接合部、すなわち、低融点金属23に外力を加えることがなくなる。このため、接合部の信頼性を向上することができる。
【0073】また、圧縮バネ39aとリテーナ45とのサブアッシーをヒューズ下面、すなわち、樹脂ケース14bの開口部53から挿入しているため、回路遮断装置全体の組み付けが容易になる。さらに、回路が遮断された後には、リテーナ45とテルミットケース26とを交換すれば、樹脂ケース14bは、そのままの状態で、ヒューズとして再利用が可能となる。
【0074】また、樹脂ケース14bにキャップ14aを被せるため、回路遮断時におけるテルミットケース26がキャップ14aから飛び出すことがなくなり、これによって、熱による火傷等を防止することができる。
【0075】なお、本発明は前述した実施の形態の回路遮断装置に限定されるものではない。実施の形態では、圧縮バネ39a及び低融点金属23を設け、リテーナ45及び低融点金属23が溶融したときに回路を遮断したが、例えば、低融点金属23を設けることなくリテーナ45のみを設け、リテーナ45が溶融したときに回路を遮断するようにしても良い。
【0076】また、実施の形態では、リテーナ45として樹脂部材を用いたが、リテーナ45は、加熱剤27の熱により溶融するハンダ(例えば、融点が200℃〜300℃)等の低融点金属を用いても良い。このほか、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能であるのは勿論である。
【0077】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子に過電流が流れると、過電流により接続端子の温度が上昇し、一方の接続端子の熱が熱伝導部材を介して着火部に伝導されて、この熱により着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により押圧阻止部材が溶融し、弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、加熱部と第1の接続端子及び第2の接続端子との電気的接続が遮断されるから、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。
【0078】請求項2の発明によれば、着火部は、車両の異常時に外部に設けられた制御部から入力された異常信号により着火剤に着火して加熱剤を発熱させるため、異常信号の入力によっても、回路を短時間で且つ確実に遮断することができる。また、制御部等の故障により異常信号が着火部に入力されないために回路が遮断できない場合であっても、一方の接続端子の温度により回路を短時間で確実に遮断することができ、電気部品を保護することができる。
【0079】請求項3の発明によれば、過電流により接続端子の温度が上昇し、温度上昇による熱は、第1の接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体及び着火剤と伝導されるため、この熱により着火剤を着火することができる。また、他方の着火部端子が制御部へ接続されているため、制御部からの異常信号が他方の着火部端子を介して抵抗体に送られて抵抗体の発熱により着火剤を着火することができる。
【0080】請求項4の発明によれば、制御部において、異常信号により電磁コイルに励磁電流が流れると、この励磁電流によりスイッチがオンする。このため、電源から、第1の接続端子、熱伝導部材、一方の着火部端子、抵抗体、他方の着火部端子、スイッチ、アースの経路で電流が流れ、抵抗体の発熱により着火剤を着火することができ、接続端子側に有する電源を流用して回路を遮断することができる。
【0081】請求項5の発明によれば、伸縮自在な弾性部材を圧縮状態で取り付けた着脱部材は、外容器に装着されたときに加熱部の近傍または接触して配置され、着火部が着火すると、加熱部に充填された加熱剤が発熱し、その熱により着脱部材が溶融する。弾性部材が伸張して加熱部を跳ね上げるため、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる。また、着脱部材は、外容器に着脱自在に構成されてなるため、着脱部材の着脱作業が簡単になる。さらに、弾性部材を着脱部材で保持しているため、第1の接続端子及び第2の接続端子と加熱部との接合部に外力が加わらなくなる。
【0082】請求項6の発明によれば、第1の接続端子及び第2の接続端子のそれぞれの先端部と側壁部とを低融点材により接合したため、加熱剤の発熱により押圧阻止部材及び低融点材が溶融すると、加熱部が跳ね上がり、第1の接続端子及び第2の接続端子の電気的接続が遮断されるから、回路を短時間で且つ確実に遮断して、電気部品を保護することができる。また、第1の接続端子及び第2の接続端子と加熱部との接合部である低融点材にバネ力が加わらないため、接合部の信頼性を向上することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013