Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
超臨界圧軽水冷却炉の起動方法 - 岡 芳明
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 岡 芳明

発明の名称 超臨界圧軽水冷却炉の起動方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−91689(P2001−91689A)
公開日 平成13年4月6日(2001.4.6)
出願番号 特願平11−311433
出願日 平成11年9月27日(1999.9.27)
代理人
発明者 岡 芳明 / 越塚 誠一 / 中塚 亨
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】冷却材に超臨界圧軽水を用いるとともに貫流型直接サイクルの冷却系を有する超臨界圧軽水冷却炉の起動方法において、気水分離器を備えた起動系が主蒸気系に接続されており、起動の際にこの起動系を用いて亜臨界圧での核加熱を行うことを特徴とする超臨界圧軽水冷却炉の起動方法。
【請求項2】請求項1に記載の超臨界圧軽水冷却炉の起動方法において、気水分離器より得られる高温のドレン水の熱の回収を、熱交換器を介して給水を加熱することにより行うことを特徴とする超臨界圧軽水冷却炉の起動方法。
【請求項3】請求項1に記載の超臨界圧軽水冷却炉の起動方法において、気水分離器より得られる高温のドレン水の熱の回収を、再循環ポンプを用いて給水に直接混合することによって行うことを特徴とする超臨界圧軽水冷却炉の起動方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子炉の起動方法、特に、超臨界圧軽水冷却炉の起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超臨界圧軽水冷却炉は、将来型の原子炉としてこれまで設計研究がなされ、公知である。(岡芳明「超臨界圧軽水炉の概念」原子力工業、第38巻11月号、ページ71−77(1992))その特徴は、冷却材に超臨界圧軽水を用いることと、給水ポンプで昇圧された冷却水の全量が原子炉を冷却した後タービンへと向かう貫流直接サイクルを採用していることである。そのため、システムの大幅な簡素化が期待でき、経済性に優れた原子炉概念として注目されている。
【0003】超臨界圧軽水冷却炉は従来の原子炉とシステムが大幅に異なるため、従来の原子炉で用いられてきた起動方法をそのまま採用することはできない。一方、火力では超臨界圧軽水冷却で貫流直接サイクルを採用したプラントが存在するが、熱源がボイラーであり再熱をボイラーに戻して行うことができるなど原子炉とは機能が大きく異なっており、超臨界圧軽水冷却炉で超臨界圧火力プラントの起動方法を採用することもできない。
【0004】超臨界圧軽水炉の起動方法としては、超臨界圧まで加圧した後に原子炉を起動し核加熱を行う方法がこれまでに唯一提案されている。(東京電力「超臨界圧軽水炉炉心とプラントシステム」新型炉研究会(第5回)報告書、UTNL−R−0334、ページ11−15(1996))しかしながら、タービン起動時に約80%の蒸気を復水器に直接放出しなければならないなど、熱の損失が大きいという問題があった。また、超臨界圧までシステムを昇圧した後に核加熱を開始すると、熱応力を抑えるために温度上昇を緩やかにする必要があり、起動時間が長くなるという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】超臨界圧軽水冷却炉は、従来の軽水炉や超臨界圧火力プラントのいずれとも異なったシステムを有しており、これらで用いられてきた従来の起動方法を採用することはできない。また、超臨界圧軽水冷却炉の起動方法としてこれまでに唯一提案されている上記の方法では、超臨界圧まで加圧した後に核加熱を開始するため、熱の損失が大きくなるとともに起動時間が長くなるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、超臨界圧軽水冷却炉の起動時の熱の損失を減らすとともに起動時間を短縮するため、亜臨界圧で核加熱を開始する起動方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明では、気水分離器を備えた起動系が主蒸気系に接続されており、起動の際にこの起動系を用いて亜臨界圧での核加熱を行う。また、気水分離器で分離されたドレン水をアディショナルヒータに送り給水を加熱する、あるいはドレン水を再循環ポンプにより給水と直接混合することにより、起動時の熱の損失を少なくすることができる。また、圧力が低いと熱応力の条件も緩和されるので起動時間を短縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1、図2、図3を用いて本発明の超臨界圧軽水冷却炉の起動方法の第1の実施形態を示す。図1はアディッショナルヒータを備えた起動系を有する超臨界圧軽水冷却炉のシステム構成を示す図である。アディッショナルヒータとは気水分離器より得られる高温のドレン水によって給水を加熱するための熱交換器である。なお、超臨界圧では液相と気相の区別がなくなるが、炉心で加熱された高温の冷却水をここでは便宜上蒸気とも記述する。
【0009】定格運転時は、原子炉圧力容器1の中の炉心2によって加熱された冷却水が、主蒸気管3を通りタービン9に向かう。タービンで仕事をした蒸気は復水器10によって復水される。主蒸気流量はタービン主蒸気止め弁7およびタービン蒸気加減弁8によって制御される。主蒸気管には、緊急時に原子炉を隔離するために主蒸気隔離弁5が、その際の蒸気の逃げ道を確保するために逃し安全弁4が備わっている。また、タービンへの蒸気供給を緊急に停止させる時などにおいて、蒸気を直接復水器に逃がすために、タービンバイパス弁11が備わっている。復水された冷却水は、低圧復水ポンプ12、水処理装置13、高圧復水ポンプ14、低圧給水加熱器15、主給水ポンプ16、高圧給水加熱器17、逆止弁19を経て、原子炉圧力容器1に供給される。
【0010】起動時に使用する起動系を以下に説明する。起動系配管20の一方は、主蒸気管3の主蒸気隔離弁5の下流に起動系入口弁21を介して接続する。起動系配管20のもう一方は、主蒸気管3の主蒸気系閉止弁6の下流に起動系出口弁22を介して接続する。起動系には気水分離器23が備わっている。気水分離器のドレン水は、気水分離器ドレン弁24を経て復水器10に直接放出されるか、あるいはアディッショナルヒータ18を通じて給水加熱に用いた後、気水分離器水位制御弁25を経て復水器10に放出される。
【0011】起動途中においてシステムが亜臨界圧の場合には、炉心で加熱された冷却水は蒸気と水の二相状態になる。その際、主蒸気閉止弁6を閉めるとともに、起動系入口弁21と起動系出口弁22を開ける。すると、炉心より出てくる二相状態の冷却水は気水分離器23に供給される。ここで蒸気と水に分離され、蒸気は再び主蒸気管3に戻り、タービン9の暖機に用いられる。一方、分離されたドレン水は、アディッショナルヒータ18でその熱を給水に放出した後に復水器で冷やされる。ドレン水の発生量がアディッショナルヒータ18で必要な量よりも多い場合には、その多い分のドレン水は気水分離器ドレン弁24を通り復水器10に送られる。気水分離器23内のドレン水の水位は気水分離器ドレン弁24および気水分離器水位制御弁25によって制御される。
【0012】圧力が超臨界圧に達した時点で、起動系入口弁21と起動系出口弁22を閉じて起動系を切り離すと同時に、主蒸気閉止弁6を開け定格運転状態の系統に移行する。
【0013】上記実施形態では、起動系の入口を主蒸気隔離弁5の下流側に設置しているが、上流側に設置することもできる。
【0014】図2に気水分離器の垂直断面を示す。炉心より供給される蒸気と水の二相流体は、気水分離器入口配管26より気水分離器に流入する。二相流体は気水分離器内を下方に流れ、案内羽根27に達する。案内羽根はひねりのある複数の固定板より構成されていて、これを通過した二相流体は旋回流28となる。旋回によって生じる遠心力のため、二相のうちの重い成分である水が外側に押し付けられ、気水分離器内壁に衝突し、蒸気より分離される。湿分が分離された蒸気は上方に向かい、分離蒸気出口配管29より流出する。一方、湿分は気水分離器内の下方にドレン水30として蓄積され、ドレン水出口配管31より流出する。
【0015】図3に起動時の主要な変数の変化を示す。まず(a)で主給水ポンプを起動し、給水を始める。この時は常温常圧であり、起動系が用いられる。気水分離器のドレン水は復水器に直接放出される。給水流量が既定の値に達した時点(b)で、原子炉を起動し核加熱を開始する。主蒸気温度は徐々に上昇する。また、気水分離器からのドレン水はアディッショナルヒータに送り、給水を加熱することで熱を回収する。主蒸気圧力と原子炉出力も徐々に上昇させる。気水分離器から得られる蒸気は、この時点ではタービンには送らずバイパスして復水器に送る。原子炉出力、主蒸気圧力、主蒸気温度が既定値に達した時点(c)で、蒸気をタービンに供給し、タービンの暖機を行う。主蒸気圧力と主蒸気温度を徐々に上げていく。主蒸気圧力が超臨界圧に達した時点(d)で、起動系を切り離す。主蒸気圧力をさらに上げ、定格圧力に達した時点(e)より後は、原子炉出力と給水流量を上昇させ、最終的に定格運転状態に至る。
【0016】次に図4を用いて本発明の超臨界圧軽水冷却炉の起動方法の第2の実施形態を示す。図4は再循環ポンプを備えた起動系を有する超臨界圧軽水冷却炉のシステム構成を示す図である。熱の回収を第1の実施形態ではアディッショナルヒータを介して行っていたが、ここに示す第2の実施形態では気水分離器23より得られる高温のドレン水を、再循環ポンプ32により昇圧し、再循環ポンプ出口弁33を経て給水に直接混合させる。起動手順については、アディッショナルヒータの替りに再循環ポンプを用いることを除けば、第1の実施形態と同じである。
【0017】本起動方法を、超臨界圧で核加熱を開始する従来の起動方法と比較する。従来の方法では主系統は超臨界圧であり、これを起動系の減圧弁を用いて亜臨界圧まで減圧してから気水分離を行うのに対し、本起動方法では主系統と起動系でともに亜臨界圧になっている。そのため、従来の方式では大容量の減圧弁が必要なのに対し、本方式では必要ない。また、従来の方法では起動時の炉心流量が多く、出力のほとんどを復水器に捨てなければならないのに対し、本方法ではアディッショナルヒータあるいは再循環ポンプにより多くの熱を回収することができ、熱の損失が少なくなる。さらに、超臨界圧軽水冷却炉では原子炉圧力容器の肉厚が厚くなり、熱応力を抑制するために起動時の温度上昇を緩やかにする必要がある。そしてこの制約条件によって起動時間を必要なだけ長くしなければならない。熱応力は圧力が低いほど緩和されるので、本起動方法の方が従来の方法よりも起動時間を短縮することができる。
【0018】本起動方法を従来の超臨界圧火力プラントの変圧起動方式と比較する。火力では気水分離器が主系統に設置されているため、起動時の弁操作は必要ないが、気水分離器が大型になる。一方、本方式では起動系として主系統から分岐させており、起動時の亜臨界圧状態では蒸気流量が少ないので、気水分離器は小型でよい。また、主系統に気水分離器を設置すると、定格運転時の圧力および温度条件に耐えるようするため構造設計条件が厳しくなり、さらに機器が大型化してしまう。特に原子炉では、主蒸気が放射能を有しているので、主蒸気を蓄えた大型機器があると、その遮蔽や事故時の対策などにより周辺機器も大型化してしまう。そのため気水分離器の小さな本起動方式は優れている。
【0019】
【発明の効果】本発明により、超臨界圧軽水冷却炉の起動において、熱の損失を低減しつつ起動時間も短縮することができる。また、起動系の機器は比較的小型で簡素なため、経済的にも有利である。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013