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発明の名称 直接サイクル高速炉
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−330692(P2001−330692A)
公開日 平成13年11月30日(2001.11.30)
出願番号 特願2000−148151(P2000−148151)
出願日 平成12年5月19日(2000.5.19)
代理人 【識別番号】100059258
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
発明者 加藤 恭義 / 吉澤 善男
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 原子炉と、タービンと、発電機とを具え、ウラン−238を転換してなるプルトニウムを燃焼させることによって発生した熱により前記原子炉中の冷却材を加熱し、この加熱された冷却材によって前記タービンを駆動させ、前記発電機を駆動して発電するようにした高速炉であって、前記冷却材を超臨界圧二酸化炭素から構成するとともに、前記冷却材を前記タービンに直接的に導入するようにしたことを特徴とする、直接サイクル高速炉。
【請求項2】 前記プルトニウムに、マイナーアクチノイド核種を加えて燃焼させることを特徴とする、請求項1に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項3】 前記プルトニウムに代えて、ウランー235を燃焼させることを特徴とする、請求項1に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項4】 前記プルトニウムに代えて、ウランー233を燃焼させることを特徴とする、請求項1に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項5】 前記超臨界圧二酸化炭素に代えて、前記冷却材をアンモニアから構成したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項6】 前記アンモニアは、窒素−15を同位体濃縮して得られた窒素から構成されることを特徴とする、請求項5に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項7】 前記超臨界二酸化炭素に代えて、前記冷却材を二酸化窒素から構成したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項8】 前記二酸化窒素は、窒素−15を同位体濃縮して得られた窒素から構成されることを特徴とする、請求項7に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項9】 前記タービンの出口側と前記原子炉の入口側との間に、再生熱交換器と凝縮器とを設け、前記タービンから排出された前記冷却材を前記再生熱交換器を経由させて前記凝縮器に導入することにより冷却して液化し、この液化した冷却材を前記再生熱交換器に導入することにより前記タービンから排出された前記冷却材と熱交換して超臨界圧以上に加圧するとともに、前記原子炉の入口温度まで上昇させた後に前記原子炉内に導入するようにしたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載の直接サイクル高速炉。
【請求項10】 前記再生熱交換器と前記凝縮器との間に、冷却材貯留槽を設けたことを特徴とする、請求項9に記載の直接サイクル高速炉。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接サイクル高速炉に関する。
【0002】
【従来の技術】ウランは、99.3%を占めるウラン−238と残り0.7%を占めるウラン−235から構成されている。現在原子力発電の主流を占めている加圧水型原子炉や沸騰水型原子炉などの軽水炉では、ウラン−235を3〜4%に濃縮した燃料が使用されている。そして、国際原子力機関(IAEA)の評価によれば、経済的に採掘可能なウラン資源は西暦2070〜2100年頃までに消尽してしまうと予測されている。
【0003】一方、高速炉は、ウランの99.3%を占めるウラン−238を原子炉内でプルトニウム−239に転換し、このプルトニウム−239を燃焼させることにより発電する。したがって、ウラン資源を軽水炉の約60倍有効利用することができ、高速炉によれば人類は数千年に亘ってウラン資源をエネルギー源として使用することができる。このため、先進国はこの高速炉を競って開発してきた。
【0004】高速炉では、炉心におけるウラン−238からプルトニウム−239への転換効率(増殖比)を増大させるため、核分裂で発生した中性子ができる限り他の物質と衝突して減速しないように、軽水炉に比較して燃料棒のピッチは遥に小さく抑えられている。その結果、高速炉の出力密度は軽水炉の4〜7倍程度となっている。そして、このような稠密炉心で高い冷却効率を得るため、現在、冷却材として熱伝達特性の高い液体金属ナトリウムが一般に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)液体金属ナトリウムは冷却系統から外部へ漏れて空気や水と接触すると激しく反応し、冷却系統や周辺設備に損傷を生じること、(2)事故時に炉心が過熱して液体金属ナトリウムが沸騰した場合や気泡が流入してボイド化した場合において、正の反応度(ナトリウムボイド反応度)が挿入されて炉心がさらに過熱の方向に進むこと、(3)冷却材として液体金属ナトリウムを用いた一次冷却系統や二次冷却系統及び水蒸気系統などの冷却系統、さらには凍結防止用予熱設備やナトリウム洗浄設備、ナトリウム漏洩対策設備などが必要となり、建設コストが高くなるなどの問題があった。このため、高速炉の開発を行っていたほとんどの先進国では開発をスローダウンしている。
【0006】このため、ヘリウムなどの気体から冷却材を構成することも考えられたが、冷却性能が低いために原子炉の出力密度を下げざるを得なくなっていた。したがって、同量の発電出力を得るには炉心容積を大きくする必要が生じ、プラント物量が増大することに起因した建設コストの上昇という問題を生じさせていた。
【0007】本発明は、液体金属ナトリウムに代わる新規な冷却材を使用し、この冷却材によって直接的にタービンを回して発電するようにした新規な直接サイクル高速炉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、本発明は、原子炉と、タービンと、発電機とを具え、ウラン−238を転換してなるプルトニウムを燃焼させることによって発生した熱により前記原子炉中の冷却材を加熱し、この加熱された冷却材によって前記タービンを駆動させ、前記発電機を駆動して発電するようにした高速炉であって、前記冷却材を超臨界圧二酸化炭素から構成するとともに、前記冷却材を前記タービンに直接的に導入するようにしたことを特徴とする、直接サイクル高速炉に関する。
【0009】超臨界圧二酸化炭素は、ヘリウムなどの気体に比して2〜3倍の高い冷却性能(熱伝達率及び熱輸送力)を有する。さらに、二酸化炭素は温度を下げることにより凝縮するので、熱効率の高いランキンサイクルを採用することができる。したがって、従来の軽水炉と同等の高い熱効率でタービンを回すことができ、これによって高い発電効率を得ることができる。
【0010】さらに、二酸化炭素は、空気や水に対して化学的に不活性であるため、冷却系統から外部へ漏洩した場合においても空気や水と激しく反応することがない。したがって、冷却材漏洩に伴う冷却系統や周辺設備の損傷という問題を回避することができる。
【0011】また、本発明で用いる二酸化炭素は炉心において超臨界状態にあるので沸騰によるボイドの発生を回避することができる。したがって、正の反応度の挿入による炉心の過熱という問題を回避することができる。
【0012】さらには原子炉内で加熱された冷却材で直接タービンを回して発電機を駆動するようにしているので、液体金属ナトリウムを冷却材として用いた場合と比較して二次冷却系統及び水蒸気系統などを必要としない。したがって、プラント構成を単純にすることができ、その結果プラント運転が容易となり、点検保守などの作業工数を削減及び低減することができる。
【0013】また、超臨界圧二酸化炭素は、液体金属ナトリウムと比較して冷却材密度が低いため中性子の減速効果が低減され、高エネルギー中性子の割合が増大する。その結果、原子炉内でのプルトニウム−239などの核分裂性物質の生成効率(増殖比)が高くなり、燃焼に伴う原子炉の反応度劣化が小さくなることにより、燃料交換間隔を長期化することもできる。さらには、高エネルギー中性子の増大により、長寿命放射性廃棄物として深地層埋設処分の対象となっていたマイナーアクチノイド元素(ネプチニウム、アメリシウム、キュウリウムなど)を効率良く燃焼することができる。この結果、これら元素の長期保管管理負担を軽減することができる。
【0014】なお、本発明における「超臨界圧二酸化炭素」とは、臨界圧力(7.375MPa)以上の圧力状態の二酸化炭素を言う。
【0015】また、本発明の直接サイクル高速炉は、前記冷却材を前記超臨界圧二酸化炭素に代えてアンモニアから構成することができる。さらに、本発明の直接サイクル高速炉は、前記冷却材を前記超臨界圧二酸化炭素に代えて二酸化窒素から構成することも可能である。
【0016】超臨界圧二酸化炭素同様に、アンモニア及び二酸化窒素は空気や水に対して化学的に不活性であり、これらと反応することがない。さらには、沸騰によるボイドの発生も生じない。また、冷却効率も高いため、高い熱効率に基づいて高い発電効率を達成することができる。したがって、冷却材としてアンモニア又は二酸化窒素を用いた場合においても本発明の目的を十分達成することができる。さらには、高エネルギー中性子の割合増大による上記追加の効果をも得ることができる。
【0017】本発明の好ましい態様においては、冷却材としてアンモニア及び二酸化窒素を使用する場合、これらを窒素−15を同位体濃縮した窒素から構成する。これによって、14N(n,p)14C反応を削減することができ、放射性炭素−14の発生を抑制することができる。なお、本発明でいう二酸化窒素とは、窒素1に対して酸素2が結合してなるものを言い、NOの他にNなども含むものであり、さらにはこれらの混合物をも含むものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の直接サイクル高速炉の好ましい態様を示す構成図である。図1に示す直接サイクル高速炉は、原子炉1と、タービン2と、発電機3とを具えている。さらに、タービン2の出口側と原子炉1の入口側との間において再生熱交換器4と、凝縮器5と、ポンプ6とを具えている。図中における矢印は、直接サイクル高速炉中における冷却材の流れる方向を示すものである。
【0019】原子炉1の炉心で加熱された冷却材は、タービン2へ直接的に導かれてタービン2を回し、これによって発電機3を駆動させる。タービン2から排出された冷却材は再生熱交換器4を経由して凝縮器5へ導入される。凝縮器5には外部から海水などの冷却水あるいは液化天然ガスが気化する際の冷熱を導入できるようになっており、これによって前記冷却材が冷却されて液化される。
【0020】液化された冷却材はポンプ6によって再生熱交換器4に送られ、タービン2から排出された前記冷却材との熱交換によって臨界圧力以上に加圧し、原子炉1の入口温度まで上昇させられる。この超臨界圧以上に加圧された冷却材は原子炉1の炉心内に至り、ここで再び加熱される。そして上記のような工程を再び経ることによって発電機を連続的に駆動させ、発電を行うものである。
【0021】図1に示す直接サイクル高速炉においては、タービン2の出口側と原子炉1の入口側との間において再生熱交換器4と凝縮器5とを設け、冷却材を液体に凝縮させて体積収縮させる、いわゆるランキン熱サイクルとしている。このため、冷却材を体積圧縮させる圧縮機及びこれを駆動するための圧縮動力が不要となるため、高速炉の構成を簡易化及び小型化することができる。さらには、液体化することによりポンプ効率を向上させることができ、ポンプ動力を低減することができる。したがって高速炉の発電効率を高めることができる。
【0022】また、凝縮器5における冷却に際して液化天然ガスの気化冷熱を使用することにより、従来は無駄に廃棄していた気化冷熱を有効利用することができる。図1に示す直接サイクル高速炉における冷却材は、本発明にしたがって超臨界圧二酸化炭素、アンモニア、又は二酸化窒素から構成する。そして、冷却材としてアンモニア又は二酸化窒素を使用する場合は、上述したような放射性炭素−14の発生を抑制すべく、好ましくは窒素−15を同位体濃縮した窒素から構成する。
【0023】図1に示す直接サイクル高速炉において、冷却材として超臨界圧二酸化炭素を用いた場合の運転は、具体的には以下のようにして実施される。超臨界圧二酸化炭素は、原子炉1内において約530℃に加熱され圧力約15.5MPaを有するようになる。この加熱された超臨界圧二酸化炭素は、タービン2に至ってこれを駆動し、発電機3を駆動させることによって発電させる。タービン2を駆動させた後、タービン出口に至った二酸化炭素は、温度約420℃で、圧力約6MPaとなる。次いで、二酸化炭素は、再生熱交換器4を経由することにより凝縮器5に導かれて冷却液化される。その結果、二酸化炭素は、凝縮器5において圧力約6MPaで温度約25℃の液体二酸化炭素となる。
【0024】次いで、この液体二酸化炭素はポンプ6によって再生熱交換器4に送られ、タービン2から排出された温度約420℃の二酸化炭素と熱交換されることにより、超臨界圧以上に加圧されるとともに原子炉の入口温度である約260℃まで昇温され、再び原子炉1内に導入される。そして、上記のような工程を繰り返すことによって連続した発電を行うものである。なお、上記においては具体例の一実施態様を示すものであり、具体的な高速炉の構成や大きさ、発電量などによって加熱温度などは異なってくる。
【0025】図2は、本発明の直接サイクル高速炉のその他の好ましい態様を示す構成図である。図2に示す直接サイクル高速炉は、再生熱交換器4と凝縮器5との間に冷却材貯留槽7を設けている以外は、図1に示す直接サイクル高速炉と同じ構成を有している。このような冷却材貯留槽7を設けることにより、原子炉1とタービン2との間において配管が破断してしまうという事故が万一発生した場合においても、原子炉1側の圧力低下によって冷却材貯留槽7内に貯留された冷却材が自動的に気化されて原子炉内に供給されるようになる。したがって、配管の破断による原子炉内への冷却材供給の停止を防止することができる。
【0026】上記においては、ウランー238を転換してなるプルトニウムを燃焼させる場合について説明してきたが、本発明の構成及び特徴から、ウランー235又はウランー233を燃焼させる場合にも使用できる。
【0027】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、液体金属ナトリウムと異なり空気や水に対して化学的に不活性である超臨界圧二酸化炭素などから冷却材を構成している。したがって、冷却材が冷却系統から外部へ漏洩した場合においても、空気や水などと反応することがないため、冷却系統や周辺設備の損傷を防止することができる。 さらに超臨界圧二酸化炭素などは高速炉の運転中に沸騰することがないため、ボイド発生による正の反応度の挿入による炉心過熱の問題を生じることもない。
【0029】また、原子炉内で加熱された冷却材で直接的にタービンを回し発電機を駆動するので、中間の冷却系統を必要とせず、高速炉の構成自体を簡易化することができる。そして、高速炉の構成が簡易化されることにより、高速炉の保守・運転をも簡易化することができる。また、高エネルギー中性子の割合が増大するため、プルトニウム−239などの核分裂性物質の生成効率(増殖比)が高くなるとともに、長寿命放射性廃棄物であるマイナーアクチノイド核種をも燃焼し、低減させることができる。




 

 


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