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発明の名称 プルトニウムの分離回収方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−74886(P2001−74886A)
公開日 平成13年3月23日(2001.3.23)
出願番号 特願平11−252439
出願日 平成11年9月7日(1999.9.7)
代理人 【識別番号】100082865
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 陽一
発明者 韋 悦周 / 熊谷 幹郎 / 高島 洋一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 プルトニウムを含有する硝酸または硝酸塩溶液を陰イオン交換体に接触させることにより一部分または全部のプルトニウムを硝酸イオン錯体として吸着させた後、プルトニウムとの錯形成能力が弱い酸溶液を溶離剤として用い吸着したプルトニウムを選択的に溶離回収することを特徴とするプルトニウムの分離回収方法。
【請求項2】 前記プルトニウムの溶離剤が、ギ酸(HCOOH)、酢酸(CH3COOH)、過塩素酸(HClO4)およびHxMOy酸(M=クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、バナジウム、シリコン、砒素、セレンおよびテルルのうちの少なくとも一元素、x=1〜3、y=2〜4)溶液のうちの少なくとも1種類の酸溶液である請求項1のプルトニウムの分離回収方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み核燃料の硝酸溶解液、原子力関連施設で発生する廃液および核物質の生産または解体工程で発生するプルトニウムを含有する廃棄物や廃液から、プルトニウムを分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所で発生する使用済み核燃料には相当量のプルトニウム(Pu)が含まれている。例えば、通常の燃焼度の軽水炉使用済み燃料中のプルトニウム含有量は約0.9〜1.5重量%であり、1トンの使用済燃料あたり約900〜1500gのPuが含まれている。使用済みMOX燃料(ウランとプルトニウムの混合酸化物燃料)やFBR燃料(高速増殖炉燃料)中のプルトニウム含有量はさらに高くなっている。プルトニウムは核分裂性元素であり、ウラン(U)とともに原子力エネルギー発電体系において極めて重要な核燃料物質である。将来的に石油等の化石燃料やウラン資源の枯渇が予想され、次世代のエネルギー需要を確保して着実に供給するためには、使用済み核燃料からプルトニウムを分離回収し核燃料として利用することは極めて重要な意義がある。
【0003】また、使用済み核燃料のほかに、原子力関連施設で発生する廃液や、核物質の生産または解体工程で発生する廃棄物や廃液にはプルトニウムが含まれる場合がある。Puは放射性が非常に強い核種を含んでいるため、これらの廃液や廃棄物の処理処分にあたって、環境への放射能影響の低減および処理処分プロセスの安全性向上を図るために、これらの廃液や廃棄物からPuを効果的に分離除去する手法の開発が重要な課題となっている。
【0004】使用済み核燃料からプルトニウムやウランを分離回収するために、現在ではピュレックス法に代表される溶媒抽出再処理プロセスは世界的に工業的規模で行われている。このプロセスでは、使用済み核燃料を硝酸溶液で溶解した後、有機溶媒リン酸トリブチル(TBP)および希釈剤ドデカンを抽出剤として加え、ミキサセトラまたはパルスカラムと呼ばれる抽出器を用いて種々の核分裂生成物(FP)からプルトニウムおよびウランをそれぞれ分離精製する。このプロセスは抽出、逆抽出、分配、洗浄、希釈剤洗浄、溶媒回収など多くの工程からなり、また設備として多数の大容量の塔槽類とその間を連結する錯綜した配管が使用される。したがって、建設費が高く、また操作工程が複雑であり、さらに処理処分が非常に困難な有機溶媒を含有する廃液が多量に発生するといった問題点がある。
【0005】上記溶媒抽出法のほかに、プルトニウムの分離精製工程やPu含有廃液からのPuの分離除去工程などに陰イオン交換法も一部工業的に採用されている。陰イオン交換法の原理として、通常約1モル/リットル(mol/l)以上の硝酸や硝酸塩を含む比較的濃厚な硝酸イオン(NO3-)溶液中では、原子価が四価のプルトニウム(以降、Pu(IV)と略記する)はNO3-と結合してPu(NO35-、Pu(NO362-などの安定な陰イオン錯体を形成するため陰イオン交換体に良く吸着される。このような吸着繰作は、一般的にガラス材質もしくは金属材質の円筒状カラムにイオン交換体を充填して、Puを含有する硝酸もしくは硝酸塩溶液(以降、単に「処理液」とも言う)をカラムの上方より供給して通過させ、イオン交換体層にPu(IV)を吸着させて行われる。一方、イオン交換体層に吸着したPu(IV)を溶離回収するためには、従来より「希硝酸溶離」もしくは「還元溶離」の二通りの方法が採用されている。希硝酸溶離法では、約0.35〜0.6mol/lの希硝酸溶液をカラムに持続的に供給しイオン交換体層に吸着したPu(IV)近傍の溶液相のNO3-濃度を低減させることにより、Pu(IV)の陰イオン硝酸錯体が解離して溶離する。還元溶離法では、三価のプルトニウム(以降、Pu(III)と略記する)とNO3-との錯形成能力が非常に弱いため陰イオン硝酸錯体を生成しないことを利用し、還元剤を含む溶液をカラムに供給しPu(IV)を非吸着性のPu(III)に還元して溶離させる。
【0006】一般に、イオン交換体によるイオンの吸着性は分配係数により示される。分配係数は、吸着平衡時における(イオン交換体中の吸着元素の濃度/溶液中の同元素の濃度)として定義される。硝酸イオン溶液におけるPu(IV)の陰イオン交換体への吸着性が非常に強く、NO3-濃度約1〜14mol/lの範囲では約数十〜数千以上の極めて高い吸着分配係数を有する。このため、前記カラム内のイオン交換体層に吸着したPu(IV)近傍の溶液相中のNO3-濃度を下げて分配係数を徐々に低下させる希硝酸溶離法では、分配係数の急速な減少は実現できないため、Pu(IV)の溶離速度が非常に遅い。したがって、Pu(IV)の完全溶離には多量の溶離剤溶液(希硝酸)が必要であり、通常カラム内に充填したイオン交換体層の体積(ベッド体積)の約5〜数十倍量が必要である。これは、Pu分離回収工程の効率を悪くする重要な原因である。また、通常溶離液中のPuはさらに濃縮、沈殿、焼成等の工程を経て酸化プルトニウムとして回収される。希硝酸溶離法では、溶離液量が多いためその中のPu濃度が低く、濃縮工程に困難をもたらす。特に前述したようにPuは放射性が非常に強い核種を含んでいるため、Puを含有する多量な溶液のハンドリングが安全性の観点からも好ましくない。なお、Pu(IV)の溶離を速めるには溶離液として用いるHNO3濃度が低いほど好ましいが、HNO3濃度がさらに低くなるとPu(IV)は加水分解や多核化により沈殿を生成してイオン交換体の細孔に析出して溶離されなくなる恐れがある。通常、溶離液としてのHNO3溶液の下限濃度は約0.35mol/lとされている。
【0007】一方、還元溶離法では、還元剤としてまず酸化性が強い硝酸イオン溶液中で安定に存在する性質が要求されるため、還元力が強い還元剤は使用できずその種類が限られている。これまでにU(IV)、Fe(II)などの金属イオン還元剤やヒドロキシルアミン(NH2OH)、ヒドラジン(N24)などの窒化水素化合物が提案されている。これらの還元剤の還元力がそれほど強くないため、イオン交換体に吸着したPu(IV)の還元溶離速度の顕著な改善は望めない。また、金属イオン還元剤の場合、加えたU(IV)、Fe(II)などの金属イオンはPu(III)とともに溶出し、Pu(III)の溶離液に混入してしまう問題点もある。両者の分離回収には新たな分離工程を設ける必要がある。他方の窒化水素化合物還元剤の場合、Pu(IV)との酸化還元反応により酸化窒素ガスが発生するため、これによってカラムの内圧が上昇し通液ができなくなり、場合によってカラムの破裂等の恐れもあり得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、使用済み核燃料、原子力関連施設で発生する廃液および核物質の生産または解体工程で発生する廃棄物や廃液からプルトニウムを効率よく、容易な操作で分離回収する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々の分離回収方法を検討し、とくに陰イオン交換体によるPuの効果的な分離方法について鋭意な検討を重ねた結果、次の方法を見いだした。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0010】(1) プルトニウムを含有する硝酸または硝酸塩溶液を陰イオン交換体に接触させることにより一部分または全部のプルトニウムを硝酸イオン錯体として吸着させた後、プルトニウムとの錯形成能力が弱い酸溶液を溶離剤として用い吸着したプルトニウムを選択的に溶離回収することを特徴とするプルトニウムの分離回収方法。
(2) 前記プルトニウムの溶離剤が、ギ酸(HCOOH)、酢酸(CH3COOH)、過塩素酸(HClO4)およびHxMOy酸(M=クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、バナジウム、シリコン、砒素、セレンおよびテルルのうちの少なくとも一元素、x=1〜3、y=2〜4)溶液のうちの少なくとも1種類の酸溶液である上記(1)のプルトニウムの分離回収方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を(1)処理液調整工程、(2)吸着工程、(3)洗浄工程、(4)溶離回収工程、(5)交換体再生工程に分けてさらに詳細に説明する。
【0012】(1)処理液調整工程本発明では、まず処理液中の硝酸(HNO3)濃度を0.5mol/l〜10.0mol/lの範囲および硝酸イオン(NO3-)濃度を0.5mol/l以上、好ましくは1.0mol/l以上10.0mol/l以下の範囲に調整する。通常の使用済み核燃料の硝酸溶解液、原子力関連施設で発生する廃液および核物質の生産または解体工程で発生するプルトニウムを含有する廃液中の硝酸イオン濃度はほぼこの範囲に入っている。また処理原料はPu含有の固体物質である場合、好ましくは1.0〜10.0mol/lのHNO3溶液に溶解すれば、同様な処理液が得られる。このような溶液中において、Puは通常Pu(IV)の硝酸錯イオンとして存在する。もし、処理液中にPu(III)も存在する場合、公知の酸化窒素ガス(NO,NO2)等の酸化剤を適量導入する手法によりPu(III)を容易にPu(IV)に調整することができる。
【0013】これらの溶液中の硝酸濃度が低くなりすぎると、溶液中のPuをはじめ種々の金属元素のイオンが加水分解反応により沈澱し、イオン交換体の吸着液として不適である。また、硝酸イオン濃度が低くなりすぎると、十分なPu(IV)の硝酸錯体が生成されず、次の吸着工程でイオン交換体への吸着性が低下してしまう。なお、硝酸溶液の硝酸濃度が高くなりすぎると、酸化性、腐食性が非常に強くなるため分離工程における取り扱いが困難である。
【0014】(2)吸着工程上記処理液調整工程で得られた溶液を陰イオン交換体を充填したカラムに供給して交換体と接触させ、溶液中のPu(IV)等の吸着性イオンが交換体に吸着されて溶液相から交換体相に移行する。この場合、Pu(IV)はPu(NO35-、Pu(NO362-などの陰イオン錯体として吸着される。
【0015】一方、処理液中にはPuのほかに、種々の金属イオンが共存する場合がある。とりわけ使用済み核燃料の硝酸溶解液中には、プルトニウム(Pu)、ウラン(U)、ネプツニウム(Np)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)等のアクチノイド元素、セシウム(Cs)等のアルカリ金属元素、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属元素、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、セリウム(Ce)等の希土類金属元素、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)等の白金族元素、さらにモリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、テルル(Te)等の多種多様な核分裂生成物が共存している。
【0016】硝酸イオン濃度0.5mol/l〜10.0mol/lの硝酸および硝酸塩溶液において上記種々の金属イオンの存在形態およびこれらの金属イオンに対する陰イオン交換体の吸着挙動を調べた結果、Am(III)、Cm(III)等のアクチノイド元素、Cs(I)等のアルカリ金属元素、Ba(II)、Sr(III)等のアルカリ土類金属元素、Y(III)、Nd(III)、Ce(III)等の希土類金属元素およびMo(VI)、Rh(III)等の元素は陰イオン硝酸錯体を形成せず何れもカチオンの形で存在するため、陰イオン交換体には全くもしくは僅かにしか吸着されないことが判明した。これらの共存金属イオンは吸着工程およびこれに続く洗浄工程において供給液とともに全量流出することが確認された。なお、吸着工程および洗浄工程においてPu(IV)はイオン交換体層に保持されているため、これらの金属イオンと完全に分離される。一方、U(VI)、Np(V)、Np(VI)、Ru(III)、Zr(IV)は硝酸イオン濃度約2.0mol/l以上になると陰イオン硝酸錯体を形成し、陰イオン交換体への吸着分配係数が3〜60程度で、ある程度の吸着性を示している。吸着工程においてこれらの金属イオンの一部または全部がPu(IV)とともにイオン交換体層に吸着される。
【0017】上記において使用する陰イオン交換体の種類や構造は特に限定するものではなく、通常市販の4級アンモニウム基、1〜3級アミン基を交換基とするイオン交換樹脂やベンズイミダゾール基、ジピリジン基、ジピロリル基等を交換基とする陰イオン交換体の何れも使用できる。また、陰イオン交換体の粒径や形状も特に限定することなく、工業的によく利用される粒径20〜500μm 程度のマクロポア型、ゲル型または無機担体担持型の球状樹脂粒が好ましく用いられる。また、上記各工程の温度も特に限定することなく、通常工業的に容易に実現する室温から80℃(通常15〜80℃)程度の範囲で良い。なお、温度を上げることによって吸着速度をある程度促進することができる。
【0018】(3)洗浄工程前記吸着工程に続いて濃度約0.8〜10.0mol/l、好ましくは1.0〜6.0mol/lの硝酸溶液を洗浄液としてカラムに通液し交換体に吸着したPu(IV)以外の上記共存金属イオンおよび交換体層の隙間やカラムの管壁に付着した共存金属イオンを溶出させる。前述したように、吸着工程で交換体に吸着したU(VI)、Np(V)、Np(VI)、Ru(III)、Zr(IV)等の元素の吸着性はPu(IV)に比べ何れも遥かに弱く、処理液の1〜1.5倍量の上記濃度の硝酸溶液を供給すると、これらの共存金属イオンが全量洗い出される。この洗浄工程においてPu(IV)は依然として交換体に吸着されるため、これらの金属イオンから分離される。なお、共存金属イオンは前記吸着工程で全量流出した場合、洗浄工程を省略することができる。
【0019】(4)溶離回収工程上記吸着工程を経て陰オン交換体に吸着されたPu(IV)を効率よく、高い回収率で溶離回収するために、ギ酸(HCOOH)、酢酸(CH3COOH)、過塩素酸(HClO4)またはHxMOy酸(M=クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、バナジウム、砒素、セレン、テルルのうちの少なくとも一元素、x=1〜3、y=2〜4、以下これらを金属酸とも言う)溶液を溶離剤として用いることが好ましい。これらの酸を構成する酸イオンはPu(IV)との錯形成能力は極めて弱いため、Pu(IV)とは陰イオン錯体を作らない。また、これらの酸は何れも解離定数が10-4.6(25℃の値)以上の比較的強い酸であり、水溶液中では水素イオンを解離して溶液の酸性度を保つ役割を果たす。したがって溶離時におけるPu(IV)の加水分解や多核化による沈殿生成を防げる。なお、前記金属酸は水溶液中において何れも1〜3価の陰イオンである金属酸根として存在するため、陰イオン交換体への吸着性が極めて強い。このため、溶離工程においてイオン交換体に吸着し、Puの溶出液には混入しない。
【0020】溶離剤として使用するこれらの酸溶液の濃度は0.35〜2.0mol/l、好ましくは0.5〜1.0mol/l程度である。前述したように、酸濃度が低くなるとPu(IV)は加水分解等により沈殿を生成する恐れがある。酸濃度が高くなると、試薬の使用量が多くなり、また溶液のハンドリングにも好ましくない。好ましい濃度域である0.5〜1.0mol/lのこれらの酸溶液をカラムに通液することによりPu(IV)は十分効果的に溶離される。
【0021】溶離剤は、通常、上記酸溶液を1種のみ用いるが、2種以上併用してもよく、場合によっては2種以上の上記酸を含有する溶液を用いてもよい。
【0022】(5)交換体再生工程Puを溶離させた後のイオン交換カラムに、次いで硝酸溶液を供給してイオン交換体に吸着した上記Pu(IV)溶離剤の酸イオンを溶出させて回収する。なお、溶離剤の酸イオンの溶離完了とともに交換体がNO3-を吸着した型となり、即ち、交換体が再生されて次の吸着工程に供することができる。本発明による回収率は99%(重量)以上が可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
実施例11)処理液調整プルトニウム含有廃液の模擬液として、Pu(IV)含有量2.74g/l、241Am(III)含有量1.42×l08Bq/l(ベクレル/リットル)、HNO3濃度6.0mol/lの溶液を作成した。なお、以下の分離試験でカラムに導入した処理液の総量は30mlである。
【0024】2)カラム準備プルトニウムの吸着および溶離・回収はカラム法により行った。カラムとしては内径1cm、長さ25cmのパイレックスガラスカラムを用い、このカラム中に、陰イオン交換体として交換容量3.4meq/g-resinのシリカ担持型ベンズイミダゾール基陰イオン交換体を高さ24cmまで充填し、温水循環ジャケットによりカラム全体を60℃の一定温度に保温した。
【0025】このカラム内のイオン交換体のベッド体積は18.8mlである。このカラムの上端より、6.0mol/lの硝酸溶液150mlを送液ポンプにより5ml/minの流速で供給して、陰イオン交換体をNO3-吸着型にした。
【0026】3)吸着上記カラムの上端より、上記処理液を送液ポンプにより5ml/minの流速で供給して、陰イオン交換樹脂へのプルトニウムの吸着を行った(吸着工程)。
【0027】4)カラム洗浄続いて、上記カラムに濃度1.0mol/lの硝酸水溶液50mlを上記と同様な操作により通液して、陰イオン交換体の隙間およびカラム内壁の洗浄を行った(洗浄工程)。
【0028】5)溶離・回収次いで、1.0mol/lのギ酸水溶液50mlを上記と同様な操作によりカラムに供給した(溶離回収工程)。
【0029】6)交換体再生次いで、0.1mol/lの硝酸水溶液50mlを上記と同様な操作によりカラムに供給して、カラム内に残存したギ酸イオンの溶離およびイオン交換体の再生を行った。
【0030】7)採取・分析上記工程3〜6工程のカラムに通液した期間にカラム下端から流出した溶液を、フラクションコレクタにより10mlずつ採取してゆき、各フラクション採取液中のPu、Am濃度を、α線スペクトルメトリーにより定量分析し、流出液量と流出液中のPu、Am濃度との関係を求めた。その結果を図1に示す。
【0031】図1に示したように、処理液中のアメリシウムは交換体にほとんど吸着されず、供給された処理液およびそれに続く洗浄液とともに流出し、一方、プルトニウムは吸着工程において陰イオン交換体に強く吸着され、溶離・回収工程において供給されたギ酸溶離剤により有効に溶離され、Amと良好に分離された。この結果より、ギ酸溶離剤によるPuの溶離速度は極めて速く、吸着したPu量の97.7%は単一フラクション(液量10ml)の採取液中に濃縮されて溶出した。すなわち、イオン交換体のベッド体積の0.53倍量のギ酸溶液により吸着したPuの97.7%が溶離回収できた。なお、この実施例における工程全体のプルトニウム回収率は99.7%、アメリシウム回収率は99.4%であった。
【0032】実施例21)〜4)の工程は上記実施例1と同様な操作を行った。
5)溶離・回収次いで、1.0mol/lの過塩素酸水溶液50mlをカラムの上端より、送液ポンプにより5ml/minの流速で供給した(溶離回収工程)。
6)と7)の工程は上記実施例1と同様な操作を行った。
【0033】その結果を図2に示す。図2に示したように、処理液中のアメリシウムは交換体にほとんど吸着されず、供給された処理液およびそれに続く洗浄液とともに流出し、一方、プルトニウムは吸着工程において陰イオン交換体に強く吸着され、溶離・回収工程において供給された過塩素酸溶離剤により有効に溶離され、Amと良好に分離された。この結果より、過塩素酸溶離剤によるPuの溶離速度は非常に速く、吸着したPu量の89.8%は二つのフラクション(液量20ml)の採取液中に濃縮されて溶出した。すなわち、イオン交換体のベッド体積の1.06倍量の過塩素酸溶液により吸着したPuの89.8%が溶離回収できた。
【0034】なお、この実施例における工程全体のプルトニウム回収率は96.8%、アメリシウム回収率は98.7%であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、使用済み核燃料の硝酸溶解液、原子力関連施設で発生する廃液および核物質の生産または解体工程で発生するプルトニウムを含有する廃棄物や廃液から、プルトニウムを効率よく分離回収することができる。これによって将来の原子力エネルギー発電体系における核燃料物質の確保と供給に大いに寄与することができる。さらに、プルトニウムを含有廃液や廃棄物の放射能レベルが低減化され、処理処分上の安全性、経済性向上に大きな効果をもたらす。
【0036】本発明の方法は、比較的簡単な装置と容易な操作で行われる信頼性の高いプロセスであり、工業的に実施することは経済的かつ合理的である。




 

 


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