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放射線像変換パネル - 富士写真フイルム株式会社
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発明の名称 放射線像変換パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−349995(P2001−349995A)
公開日 平成13年12月21日(2001.12.21)
出願番号 特願2000−168783(P2000−168783)
出願日 平成12年6月6日(2000.6.6)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2G083
2H013
【Fターム(参考)】
2G083 AA03 CC02 DD03 DD04 DD11 EE07 
2H013 AC01
発明者 鈴木 英幹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた蛍光体層とからなる放射線像変換パネルにおいて、前記蛍光体層が、アミン系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面活性剤およびタウリン酸ナトリウム油脂からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤と結合剤と蛍光体とを含むことを特徴とする放射線像変換パネル。
【請求項2】 前記結合剤が、ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体を利用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、非破壊で医療診断用放射線像および各種物体の放射線像を得、これを診断、探傷検査などに用いる手法として、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料とも称する)と放射線増感スクリーンの組合せである放射線写真法がある。この放射線写真法は、被写体を透過した、あるいは被写体から発せられた放射線をスクリーンの蛍光体に照射して励起することにより近紫外光乃至可視光に変換して感光材料に放射線画像を形成し、診断、検査するものである。これらの放射線画像は、支持体の両面または片面にハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料にスクリーンを両面または片面に密着させ、被写体を介して放射線を照射し、像を露光し、放射線画像を形成するものである。
【0003】この放射線写真法に代る方法として、たとえば特開昭 55−12145号等に記載されているような、放射線エネルギーを吸収した後、可視光や赤外線などの電磁波で励起することにより蓄積していた放射線エネルギーを蛍光の形で放出する輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも称する)を利用するもので、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線をこのパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。
【0004】この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。従って、この方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影時の直接医療用放射線撮影において利用価値の非常に高いものである。
【0005】放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としないが、基本構造としては、支持体とその片面に設けられた輝尽性蛍光体層からなるものである。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0006】輝尽性蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるものであり、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものである。従って、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0007】放射線像変換方法は上述のように非常に有利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感紙と同様に、高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれる。放射線像変換パネルの感度は、基本的にはパネルに含有されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に依存し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異なる。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に対する吸収も大きいことを意味するから、一層高い感度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。
【0008】一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体粒子を密に充填することによりその層厚を薄くすることができるから、散乱による励起光の広がりを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。
【0009】しかし、蛍光体粒子を密に充填するために蛍光体層を圧縮処理すると、鮮鋭度は向上するものの、圧縮処理により蛍光体の一部が破壊されるために粒状性という面ではむしろ劣化してしまう場合がある。このような問題を解決すべく、特開平2-278197号には、蛍光体層の結合剤として軟化温度または融点が 30〜150℃である熱可塑性エラストマーを用い、蛍光体層を軟化温度または融点以上の温度で圧縮することにより優れた鮮鋭度と粒状性を有する放射線像変換パネルが提案されている。
【0010】しかし、放射線像変換方法の実施において、放射線像変換パネルは、放射線の照射(放射線像の記録)・励起光の照射(記録された放射線像の読出し)・消去光の照射(残存する放射線像の消去)というサイクルで繰り返し使用され、放射線像変換パネルの撮影装置内での各ステップへの移行はベルト、ローラーなどの搬送手段により行なわれるため、上記のような熱圧縮により得られる放射線像変換パネルの場合、蛍光体層に亀裂が生じ易いという問題がある。このような蛍光体層に亀裂が入った放射線像変換パネルを用いて、放射線像の照射あるいは励起光の照射を行なった場合、亀裂部分で光の散乱が起こり、画質の低下をもたらす原因となる。
【0011】上記問題を解決すべく、既に本出願人は、蛍光体層の結合剤として軟化温度または融点が 30〜150℃であって、かつ0.3kg/mm2 以下の弾性率を有する熱可塑性エラストマーを用いた放射線像変換パネルを出願している(特開平8-036099号)。これは、比較的弾性率の低い結合剤を使用することにより、特開平2-278197号に記載の放射線像変換パネルの搬送耐久性の向上を図ったものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平8-036099号記載の放射線像変換パネルは、弾性率の低い結合剤の使用により搬送耐久性は向上しているものの、蛍光体層自体の弾性率も低下しているため、蛍光体層に押圧がかかった時に蛍光体層が変形を起こし、放射線画像のアーティファクトの原因となる場合がある。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、蛍光体層の弾性率を下げることなく蛍光体層の被膜強度を上げて、放射線像変換パネルの搬送耐久性を向上させた放射線像変換パネルを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線像変換パネルは、少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた蛍光体層とからなる放射線像変換パネルにおいて、前記蛍光体層が、アミン系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面活性剤およびタウリン酸ナトリウム油脂からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤と結合剤と蛍光体とを含むことを特徴とするものである。
【0015】アミン系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面活性剤およびタウリン酸ナトリウム油脂は、単独で用いてもよいし適宜混合して用いてもよい。前記結合剤は、ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
【0016】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体層にアミン系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面活性剤およびタウリン酸ナトリウム油脂からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤を含むので、この界面活性剤により蛍光体と結合剤との結合を強化することが可能となり、蛍光体層の弾性率を大きく下げることなく蛍光体層の被膜強度を上げることができ、放射線像変換パネルの搬送耐久性を向上させることが可能となる。また、蛍光体層自体の弾性率を下げることがないので、押圧による放射線像変換パネルの変形を抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の放射線像変換パネルについて詳細に説明する。まず、放射線像変換パネルの蛍光体層に含まれる界面活性剤について説明する。蛍光体層に含まれる界面活性剤は、アミン系界面活性剤、ポリカルボン酸型界面活性剤およびタウリン酸ナトリウム油脂からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤である。界面活性剤の色は、励起光や発光光に悪影響をおよぼす恐れがない無色から淡黄色のものであることが好ましい。
【0018】アミン系界面活性剤としては、アミン類と酸類から調整されるアミン系界面活性剤を適宜使用することができる。アミン類としては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン、メチルステアリルアミン、ジエチルオレイルアミンなどのアルキルアミン;シクロヘキシルアミン、シクロベンジルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、テルペンアミンなどの脂環式アミン;アニリン、トルイジン、キシリジン、ナフチルアミン、N−モノメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−エチルナフチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルジフェニルアミン、フェニレンジアミン、フェニルヒドロキシルアミンなどのアリールアミン;ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミンなどのアラルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンなどのアルカノールアミン;モノメチルモノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノブチルモノプロパノールアミン、モノメチルジプロパノールアミンなどのアルキルアルカノールアミン;カルボン酸とアルキルポリアミンとの部分縮合物であるアミドアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの脂肪族ポリアミン、アルキル基を有するポリアミン、芳香族ポリアミンなど種々のものを例示することができる。
【0019】これらアミン類を塩とするのに用いる酸としては、各種の無機、有機酸を使用することができる。無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸など、有機酸としては脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂環式カルボン酸、アラルキルカルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸などを好ましく用いることができる。
【0020】その他アミン系界面活性剤としては、ラウリルアミノプロピオン酸メチルのようなアミノ酸型やステアリルジメチルベタインのようなベタイン型などのカルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型の両性界面活性剤なども好ましく用いることができる。
【0021】具体的には、アーミン8D、アーミン18D(いずれもライオン(株)製)、アミンBB、アミンMB(いずれも日本油脂(株)製)などのアミン系界面活性剤が好ましい。
【0022】ポリカルボン酸型界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムなどの脂肪酸塩;オレオイルザルコシン、ラウロイルザルコシンなどのアルキルザルコシン塩;ポリカルボン酸型高分子界面活性剤(高分子としてはアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などがあげられる)などが好ましく、具体的にはポリティA-300、ポリティA-550(いずれもライオン(株)製)などを好ましく用いることができる。
【0023】タウリン酸ナトリウム油脂としては、ドデシルメチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシルメチルタウリン酸ナトリウム、ヘキサデシルメチルタウリン酸ナトリウム、オクタデシルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、あるいはヤシ蒸留、牛脂蒸留、大豆蒸留、オイル蒸留などのアルキル基を有するアルキルメチルタウリン酸ナトリウムなど、およびそれらに陰イオンを配合したものなどが好ましく、また、タウリン酸ナトリウム油脂に類似するアルカンスルホン酸塩、α−オレフィン酸スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩なども好ましく用いることができる。具体的にはダイヤポンS、ダイヤポンT(いずれも日本油脂(株)製)などを好ましく用いることができる。
【0024】本発明の放射線像変換パネルの蛍光体層には通常、上記界面活性剤が、蛍光体粒子100重量部に対して通常0.001〜10重量部の範囲内の含有量で含まれていることが好ましい。特にその含有量を0.01〜1重量部の範囲内に設定することにより、蛍光体層表面の光沢度が高くなるなど蛍光体粒子の分散状態をより良好にすることができる。さらにその含有量を 0.05〜0.5重量部の範囲内に設定することにより発光特性が著しく改善される。含有量が 0.001重量部より少ない場合には、配合の効果が有効に現われないことがあり、また10重量部より多く配合しても蛍光体粒子の分散状態がそれ以上向上することは期待できない。
【0025】次に放射線像変換パネルにおいて使用することができる蛍光体について述べる。
【0026】蛍光体として輝尽性蛍光体を用いる場合は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、特開昭48-80487号に記載されているBaSO4 :AXおよび特開昭48-80489号に記載されているSrSO:AXで表される蛍光体、特開昭53-39277号に記載されているLi2B4O7:Cu,Ag、特開昭54-47883号に記載されているLi2O(B2O2)x:CuおよびLi2O(B2O2)x:Cu,Ag、米国特許第 3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:Eu,Sm、特開昭55-12142号に記載されている ZnS:Cu,Pb、BaOxAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、MIIOxSiO2 :A(ただし、MII はMg、Ca、Sr、Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、BiまたはMnであり、xは0.5≦x≦2.5である)、特開昭55-12143号に記載されている(Ba1-X-y ,MgX ,Cay )FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少なくとも一種であり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10-6≦a≦5×10-2である)、特開昭55-12144号に記載されている LnOX :xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一種、XはClおよびBrのうちの少なくとも一種、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一種、そして、xは、0<x<0.1である)、特開昭55-12145号に記載されている(Ba1-X,M2+X)FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一種、そしてxは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である)、特開昭55-843897号に記載されているBaFX:xCe・yAで表される蛍光体特開昭55-160078号に記載されているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、およびThO2のうちの少なくとも一種、LnはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ 5×10-5≦x≦0.5、および0<y≦0.2 である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭56-116777号に記載されている(Ba1-X,MIIX)F2aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57-23673号に記載されている(Ba1-X,MIIX)F2 aBaX2:yEu,zB(ただし、MII はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57-23675号に記載されている(Ba1-X,MIIX)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58-69281号に記載されている MIIIOX:xCe(ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58-206678号に記載されているBa1-XMX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;X は、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-27980号に記載されているBaFXxA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり; Aは、テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-38278号に記載されているxM3(PO4)2NX2:yA、M3(PO4)2:yAおよびnReX3mAX′2:xEu、nReX3mAX′2:xEu,ySm、MIXaMIIX′2bMIIIX″3:cAで表される蛍光体、特開昭59-47289号に記載されている BaFXxA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56479号に記載されているBaFXxNaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56480号に記載されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X およびX′は、それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-75200号に記載されている MIIFX・aMIX′bM′IIX″2cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′II はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl、Ga、InおよびTl からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′、X″および Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c≧10-6 であり;x は0<x≦0.5、yは0<y≦0.2 である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60-84381号に記載されているMIIX2aMIIX′2 :xEu2+(ただし、MII はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭60-101173号に記載されている MIIFX・aMI X′:xEu2+(ただし、MIIBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaおよびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62-25189号に記載されている MI X:xBi(ただし、MI はRbおよびCsからな群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦ 0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、などをあげることができる。
【0027】また、上記特開昭60-84381号に記載されている MIIX2aMIIX′2 :xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物が MIIX2aMIIX′2 1モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
【0028】特開昭60-166379号に記載されている bMIX″(ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60-221483号に記載されている bKX″cMgX2dMIII X′3(ただし、MIII は Sc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X″、X およびX′はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c+dである);特開昭60-228592号に記載されているyB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60−228593号に記載されているbA(ただし、AはSiO2およびP2O5 からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10-4≦b≦2×10-1である);特開昭61-120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b≦3×10-2である);特開昭61-120885号に記載されているbSnX″2(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦ 10-3である);特開昭61-235486号に記載されているbCsX″cSnX2(ただし、X″およびX はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞれ、0<b≦10.0 および10-6≦c≦2×10-2である);および特開昭61-235487号に記載されているbCsX″yLn3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10-6≦y≦1.8×10-1である)。
【0029】また、基本組成式 :(Ba1-a,MIIa)FX:zLn ・・・(I)で表される希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を用いてもよい。(ただし、MIIはSr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、Ln は Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及び Ybからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a は0≦a<1、zは0<z≦0.2 の範囲内の数値を表す。)上記基本組成式(I)中のaは 0.5以下の数値であることが好ましい。Lnとしては、特にEuまたはCeであることが好ましい。また、基本組成式(I)はその組成物が化学量論的に F:X=1:1であることを示しているのではなく、(Ba1-a ,MIIa )FXで表わされる PbFCl型結晶構造の化合物であることを示している。一般に、BaFX結晶においてX−イオンの空格子点である F+(X-)中心が多く生成された状態が600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このときFはXよりもやや過剰にあることが多い。
【0030】なお、基本組成式(I)では省略しているが、必要に応じて下記のような添加物を(I)に加えても良い。
【0031】bA,wNI,xNII,yNIII(ただし、NIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属化合物を表し、NII はMg及びBeからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属化合物を表し、NIII はAl、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属化合物を表す。これらの金属化合物としては特開昭59-75200号に記載のようなハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。Aは Al2O3、SiO2、ZrO2などの金属酸化物を表わす。BaFX粒子同士の焼結を防止する上では一次粒子の平均粒径が0.1μm 以下の超微粒子で(Ba1-a,MIIa)FXとの反応性が低いものが好ましく、特にAl2O3 が好ましい。なお、b、w、x及びyは(Ba1-a ,MIIa)FX のモル数を1としたときの仕込添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3 の各範囲内の数値をそれぞれ表す。これらの数値は焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては、最終的な組成物に含まれる元素比を表わしているわけではない。また、最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、BaFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
【0032】その他、必要に応じて特開昭55-12145号に記載のZn及びCd化合物、特開昭55-160078号に記載の金属酸化物であるTiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y2O3、La2O3、In2O3、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、ThO2、特開昭56-116777号に記載のZr及びSc化合物、特開昭57-23673号に記載のB化合物、特開昭57-23675号に記載のAs及びSi化合物、特開昭59- 27980号に記載のテトラフルオロホウ酸化合物、特開昭59−47289号に記載のヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価もしくは2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物、特開昭59-56480号に記載の V、Cr、Mn、Fe、Co、及びNiなどの遷移金属化合物などをさらに添加しても良い。ただし、本発明の対象となるのは上述の添加物を含む蛍光体に限られるものではなく、希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を基本的に含むものであればいかなる物であっても良い。
【0033】上記基本組成式(I)で表される希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、通常は、アスペクト比が1.0〜5.0の範囲にある。本発明における希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽蛍光体は、粒子アスペクト比が1.0〜2.0(さらに好ましくは、1.0〜1.5)の範囲、粒子サイズのメジアン径(Dm)が1〜10μm(さらに好ましくは、2〜7μm)の範囲、かつ、粒子サイズ分布の標準偏差をσとしたときの σ/Dmが50%以下 (さらに好ましくは、40%以下)の範囲にあるものである。また、粒子の形状としては、直方体型、正六面体型、正八面体型、これらの中間多面体型、14面体型等があり、14面体型が好ましいが、前記粒子アスペクト比、粒子サイズおよび粒子サイズ分布を満たすものであれば、必ずしも14面体型に限られるものではない。
【0034】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およびセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0035】上記蛍光体のうち焼成工程の途中または最終段階で、弱酸化性雰囲気で焼成または冷却を行い粒子表面を一部酸化させた蛍光体粒子は消去特性が良好で特に好ましい。
【0036】本発明の放射線像変換パネルを放射線増感スクリーンとして用いる場合に使用される蛍光体としては、タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Pbなど)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体(Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,Gd)O2S:Tb,Tmなど)、テルビウム賦活希土類リン酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tbなど)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tbなど)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなど)、硫酸バリウム系蛍光体(BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+など)、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体(Ba3(PO4)2:Eu2+ 、Ba3(PO4)2:Eu2+など)、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体(BaFCl:EU2+、BaFBr:Eu2+,BaFCl:EU2+,Tb、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2BaCl2KCl:Eu2+、(BaMg)F2BaCl2KCl:Eu2+など)、ヨウ化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tlなど)、硫化物系蛍光体(ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Alなど)、リン酸ハフニウム系蛍光体(HfP2O7:Cuなど)、タンタル酸塩系蛍光体(YTaO4、YTaO4:Tm、YTaO4:Nb、(Y,Sr)TaO4-x:Nb、LuTaO4、LuTaO4:Nb、(Lu,Sr)TaO4-x :Nb、GdTaO4 :Tm、Gd2O3Ta2O5B2O3:Tbなど)を好ましく用いることができる。但し本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射によって可視または近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用することができる。
【0037】本発明の放射線像変換パネルは、例えば、以下に述べる方法によって製造することができる。なお、ここでは、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネルの製造方法について説明するが、放射線写真法に用いられる放射線増感スクリーンも公知の方法により同様に製造することができる。
【0038】本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、蛍光体粒子を本発明の界面活性剤および結合剤等と分散塗工して蛍光体シートを形成する工程、および、蛍光体シートを支持体上に載せて結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧縮しながら蛍光体シートを支持体上に接着する工程によって行うことができる。
【0039】本発明に用いられる結合剤としては、常温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持つようになる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリウレタン、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル系共重合体、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、ブタジエン系共重合体、シリコーンゴムなどをあげることができる。
【0040】上記の熱可塑性樹脂の内、エラストマーが特に好ましく、そのうち、軟化温度または融点が30℃〜300℃であるものが一般的に用いられるが、30℃〜150℃のものを用いるのがさらに好ましい。
【0041】特にポリウレタン樹脂が好ましく、さらにはスルホン酸基、カルボン酸基やリン酸基などの官能基を含むポリウレタン樹脂がより好ましい。
【0042】上記結合剤を蛍光体、溶剤とともに充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液を調製する。
【0043】溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;そして、それらの混合物をあげることができる。
【0044】塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至 1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0045】なお、塗布液には、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる可塑剤の例としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニルなどのリン酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどをあげることができる。
【0046】上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、シート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、エクストルージョンコーター、スライドコーター、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。
【0047】仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、あるいは従来の放射線写真法における増感紙(または増感用スクリーン)の支持体として用いられている各種の材料、あるいは放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例としては、セルローストリアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂フィルム、アルミニウム合金箔、ステンレス箔などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミックスの板あるいはシートなどをあげることができる。
【0048】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥したのち、仮支持体からはがして放射線像変換パネルの蛍光体層となる蛍光体シートとする。従って、仮支持体の表面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートが仮支持体からはがし易くなるようにしておくことが好ましい。
【0049】次に、上記のように形成した蛍光体シートとは別に、放射線像変換パネルの支持体を用意する。この支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支持体と同様の材料から任意に選ぶことができる。
【0050】公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にポリエステル共重合体、アクリル樹脂共重合体などの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層等を設けることが知られている。本発明において用いられる支持体についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。
【0051】さらに、特開昭59−200200号に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが設けられている場合には、その表面を意味する)には微小の凹凸が形成されていてもよい。
【0052】分散塗工によって得られた蛍光体シートを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で、圧縮しながら支持体上に接着する。
【0053】本発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の例としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知られているものをあげることができる。たとえば、カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に分散塗工によって得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度または融点以上に加熱したローラーの間を一定の速度で通過させることにより行なわれる。ただし、本発明に用いられる圧縮装置はこれらのものに限られるものではなく、上記のようなシートを加熱しながら圧縮することのできるものであればいかなるものであってもよい。圧縮の際の圧力は、5MPa以上であることが好ましい。
【0054】通常の放射線像変換パネルにおいては、前述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための透明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜は、本発明による放射線像変換パネルについても設置することが好ましい。
【0055】透明保護膜は、たとえば、フッ素樹脂共重合体、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの透明な合成樹脂を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成することができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート;および透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成することができる。保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至20μmの範囲であることが好ましい。
【0056】さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、上記の少なくともいずれかの層に励起光を吸収し、輝尽発光光は吸収しないような着色層を加えてもよい(特公昭59−23400号参照)。以下に本発明の実施例を記載する。ただし、これらの各実施例は本発明を制限するものではない。
【0057】
【実施例】(実施例1)まず、蛍光体層となる蛍光体シートを以下のように作製した。蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体( BaFBr0.850.15 :Eu2+ ;平均粒子系(Dm)=7μmのものと平均粒子系(Dm)=3μmのものとを7:3の重量比でブレンドしたもの)1000g、結合剤としてポリウレタンエラストマー(大日本インキ化学工業(株)、パンデックスT-5265H(固形)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し固形分濃度13wt% としたもの、このときの溶解液粘度は9.3Ps)307.7g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)エピコート#1001(固形))10g、界面活性剤としてアルキルアミン(ライオン製;アーミン8D)1g、MEK 160gに加え、プロペラミキサを用いて10000rpmで60分間分散させて、粘度40Pas(25℃)の塗布液を調整した。この塗布液を仮支持体(シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート、厚み:190μm)上にドクターブレード300mm幅で塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シート(シート厚:300μm、蛍光体充填率:56vol%)を作製した。
【0058】次に反射材料層を作製した。酸化ガドリニウム(Gd2O3)の微細粒子(全粒子中の90重量%の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの)30g、結合剤として軟質アクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)クリスコートP-1018GS(20%トルエン溶液))30g、可塑剤としてフタル酸エステル(大八化学(株)#10)3.5g、導電剤としてZnOウィスカー(松下アムテック(株)、パナテトラA-1-1)10g、着色剤として群青(第一化成工業(株)SM-1)0.05gを、MEKに加え、プロペラミキサーを用いて分散、溶解して、反射材料層形成用分散液(粘度約10Ps)を調整した。この反射材料層形成用分散液を、支持体(硫酸バリウム練り込みポリエチレンテレフタレートシート( Dupon製 メリネックス#992))の上に、エクストルージョンコーターを用いて、層厚が 20μmとなるように反射材料層を形成した。
【0059】続いて、蛍光体シートと反射材料層付き支持体を重ね合わせ、カレンダーロール(φ200mm;金属ロール)を用い、総層荷 2.3ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度0.3m/minで連続的に圧縮操作を行った。この加熱圧縮により、蛍光体シートは支持体に反射材料層を介して完全に融着した蛍光体層となった(蛍光体の充填密度は3.39g/cm3であった)。
【0060】次に、保護層を作製した。フッ素系樹脂としてフルオロオレフィン=ビニルエーテル共重合体(旭硝子(株)ルミフロンLF-504X(30%キシレン溶液))92.5g、架橋剤としてポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)スミジュールN3500(固形分100%))5g、滑り剤としてアルコール変成シリコーン(信越化学(株)、X-22-2809(66%キシレン含有ペースト))0.5g、有機フィラーとしてメラミン−ホルムアルデヒド((株)日本触媒、エポスターS6)6.5g、カップリング剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(味の素(株)、プレンアクトAL-M)0.1g、触媒としてジブチルチンジラウレート(共同薬品(株)KS1260)0.35mgを、MEK 66.5gに添加して塗布液を調整した。この塗布液を、9μm厚 PETフィルム(東レ(株)ルミラー9-F53)と、耐熱再剥離フィルム(PANAC(株)CT38)を貼り合わせたものの上に塗布した後、120℃で30分間熱処理して熱硬化させるとともに乾燥して、厚さ 3μmの塗布層を設けた。続いて、塗布層を設けた9μm厚PETフィルムから、耐熱再剥離フィルムを剥離し、塗布層と反対側に、ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績(株)、バイロン30SS)を塗布乾燥して接着層(接着剤塗布重量 2g/m2 )を設けた。このPETフィルムを、ラミネートロールを用いて、蛍光体層上に接着層を介して接着して保護層を形成し放射線像変換パネルを製造した。
【0061】(実施例2)実施例1において、蛍光体シートの作製に用いた界面活性剤をポリカルボン酸型高分子(ライオン製;ポリティA-550 )とした以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0062】(実施例3)実施例1において、蛍光体シートの作製に用いた界面活性剤をアシルメチルタウリン酸ナトリウム(日本油脂(株);ダイヤポンT(有効成分=27wt%))としこれを3.7g用いた以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0063】(比較例1)実施例1において蛍光体シートを、結合剤としてポリウレタンエラストマー(クラレ(株);クラミロンU-8165NをMEKとジメチルホルムアミド 1:1に溶解して固形分濃度=13wt%としたもの)307.7g、溶剤としてMEKとジメチルホルムアミド 1:1の混合溶剤160gを用いて作製した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0064】(比較例2)結合剤としてポリウレタンエラストマー(大日本インキ化学工業(株)、パンデックスT-5265H(固形)をMEKに溶解し固形分濃度13wt% としたもの、このときの溶解液粘度は 9.3Ps)273.1g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)エピコート#1001(固形))10g、架橋剤としてポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株);コロネートHX(不揮発分=100%))4.5gを用い、界面活性剤を用いないで蛍光体シートを作製した以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0065】(評価方法)上記のようにして製造した、実施例および比較例の各放射線像変換パネルの蛍光体シートを高湿度下(25℃、80%RH条件)で4日放置し、万能型引張試験機 MODEL UTM-ll-20((株)東洋ポールドウィン製)を用いて被膜強度を以下のように評価した。
【0066】蛍光体シートを幅×長さ=10mm×70mmに切り出し、両端の15mm長ずつをクランプし、L=40mmを引っ張った。このようにして強伸度曲線の最初の直線部分で零荷重に近いところで接線を引き、その接線と伸びの軸の交点からΔlの長さ(mm)をとり、その点から伸び軸に垂線を引き、先の接線との交点の荷重W(kg)を読み、弾性率を下記式により求めた。
【0067】
【数1】

ここで、W、Δl、Lは上記の定義に従い、tは蛍光体シートの膜厚(mm)、C.Sはチャート紙の送り速度(mm/分)、H.Sは試験片の引張速度(mm/分、本発明の評価では40mm/分)である。
【0068】さらに、初期の長さが40mmの蛍光体シートを引っ張って、切断したときの長さをL2として下記式により伸度を測定した。
【0069】
【数2】

測定結果を表1に示す。
【表1】

表1から明らかなように、実施例1〜実施例3の蛍光体シートは、比較的弾性率の高いポリウレタンを結合剤として用いたが、いずれも弾性率が充分に保たれた状態で被膜強度が向上しており、弾性率を低下させることなく伸度(切断伸度)が向上した。一方、界面活性剤を使用しないで、実施例1と同様にして形成した比較例2の蛍光体シートは、伸度が大きく低下した。また、比較例1のように結合剤として低弾性率のポリウレタン(特開平8-036099号に記載)を用いた場合には、伸度は向上するものの弾性率が著しく低下した。
【0070】以上のように、本発明の放射線像変換パネルは、弾性率が充分に保たれているので、押圧による変形などの障害を発生させることがなく、放射線像変換パネルの搬送耐久性を充分に向上させることができた。




 

 


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