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発明の名称 放射線像変換パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−324600(P2001−324600A)
公開日 平成13年11月22日(2001.11.22)
出願番号 特願2000−144341(P2000−144341)
出願日 平成12年5月17日(2000.5.17)
代理人 【識別番号】100074675
【弁理士】
【氏名又は名称】柳川 泰男
【テーマコード(参考)】
2G083
【Fターム(参考)】
2G083 AA02 AA03 BB01 CC10 DD01 DD12 DD20 EE08 
発明者 小川 博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 蛍光体層とその上に設けられた保護膜とを有する放射線像変換パネルにおいて、気相堆積法により形成された蛍光体層上に、低透湿度の保護膜が、該蛍光体層の形成時の空隙を70%以上保持した状態で設けられていることを特徴とする放射線像変換パネル。
【請求項2】 保護膜が、25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる請求項1に記載の放射線像変換パネル。
【請求項3】 保護膜が、25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明シートと、その上に形成された、透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる層とから構成されている請求項1に記載の放射線像変換パネル。
【請求項4】 膜形成性樹脂の25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下である請求項3に記載の放射線像変換パネル。
【請求項5】 保護膜が蛍光体層上にスリットコータ、カーテンコータまたは定盤型スロットダイコータにより塗布形成されている請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項6】 膜形成性樹脂が有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂である請求項2乃至5のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項7】 反応性シリコーンが、末端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有し、そして数平均分子量が約5000〜20000の範囲にある請求項2乃至6のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項8】 反応性シリコーンが膜形成性樹脂に対して0.5〜10重量%の範囲で含まれている請求項2乃至7のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項9】 架橋剤がポリイソシアネートまたはアミノ樹脂である請求項2乃至8のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項10】 保護膜に更に白色樹脂粉末が含まれている請求項2乃至9のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
【請求項11】 放射線像変換パネルの側面に縁貼りが設けられており、そして該縁貼りが25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂を含有している請求項1乃至10のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体の輝尽発光を利用する放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法として、輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得て、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。読み取りを終えた該パネルは、残存する画像の消去が行われた後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用される。
【0003】この放射線像記録再生方法では、放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる従来の放射線写真法の場合に比べて、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線像記録再生方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体とその上に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである。ただし、輝尽性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、輝尽性蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルも知られている。これらのいずれの蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものであるから、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより、放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0006】また、上記放射線像記録再生方法の別法として本出願人による特願平12−号明細書には、輝尽性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層(および放射線吸収性蛍光体層)を有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法、並びにそれらの組合せからなる放射線画像形成材料が記載されている。この方法は、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、もしくは被検体から放射された放射線をまず、蛍光スクリーンまたは放射線像変換パネルの放射線吸収性蛍光体層にて紫外乃至可視領域の光に変換した後、その光をパネルの蓄積性蛍光体層にて潜像として蓄積記録する。次いで、このパネルに励起光を照射して蓄積性蛍光体層からの輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号に変換し、そして画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を再構成するものである。本発明の放射線像変換パネルには、上記方法に用いられるような画像形成材料、すなわち輝尽性蛍光体と放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体の両方を含有するパネル、および蛍光スクリーンも包含される。
【0007】放射線像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれている。
【0008】感度および画質を高めることを目的として、例えば特開平2−58000号公報に記載されているように、輝尽性蛍光体層を気相堆積法により形成した放射線像変換パネルが提案されている。このパネルでは蛍光体層が輝尽性蛍光体の柱状結晶と空隙(クラック)とから構成されているため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を高めることができる。しかしながら、一般に気相堆積法により形成された蛍光体層は蛍光体の吸湿性が高く、吸湿により蛍光体の発光特性が変化(劣化)したり、吸湿が著しい場合には蛍光体自体が潮解してしまうことがある。よって、蛍光体層表面に透湿度の低い保護膜を設けることが望まれている。
【0009】気相堆積法により形成された蛍光体層上に保護膜を設ける方法としては一般に、別途形成した保護膜を蛍光体層に接着剤を用いて接合する方法と、蛍光体層上に直接塗布形成する方法とがある。前者の場合には、塗布法に比べてピンホール等が生じにくく防湿性が高いものの、接合界面で屈折率が異なるために得られた放射線画像にボケが生じやすいとの欠点がある。一方、後者の場合には比較的簡単な工程で付設できるものの、蛍光体層の空隙にまで塗布液が侵入して、その結果、空隙が充填されて鮮鋭度などの画質が低下しがちであるという問題がある。
【0010】また、これまでにも放射線像変換パネルの保護膜として防湿性の保護膜が提案されているが、防汚性や防傷性の点で充分とは言えなかった。すなわち、上記放射線像記録再生方法の実施において、放射線像変換パネルはベルトやローラー等の搬送手段を有する読取装置に掛けられて繰り返し使用されるため、パネルの表面は装置の各部材に接触して擦り傷が発生したり、汚れの付着が起こりやすい。パネルの保護膜表面に傷や汚れが発生すると、その表面から励起光の照射や輝尽発光光の取り出しが行われるために最終的に得られる放射線画像の画質の低下を引き起こす。場合によっては、蛍光体の吸湿による画質低下よりも、保護膜の汚れや傷による画質低下の方が大きいことがあり、そのようなパネルは数千乃至数万回に渡って繰り返し使用することができない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、高画質であってかつ防湿性の優れた放射線像変換パネルを提供することにある。また本発明は、防湿性、並びに防汚性と防傷性において優れた放射線像変換パネルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルの防湿性について検討した結果、蛍光体層表面に低透湿度の保護膜を蛍光体層の形成時の空隙を一定以上保持した状態で設けることにより、鮮鋭度などの画質を低下させずにパネルの防湿性を高められることを見い出した。また、保護膜を25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤から構成することにより、あるいは25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明シートと、透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる層とから構成することにより、防湿性とともに、防汚性および防傷性の高いパネルが得られることを見い出した。
【0013】本発明は、蛍光体層とその上に設けられた保護膜とを有する放射線像変換パネルにおいて、気相堆積法により形成された蛍光体層上に、低透湿度の保護膜が、該蛍光体層の形成時の空隙を70%以上保持した状態で設けられていることを特徴とする放射線像変換パネルにある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の放射線像変換パネルの好ましい態様を挙げる。
(1)保護膜が、25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる放射線像変換パネル。
(2)保護膜が、25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明シートと、その上に形成された、透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる層とから構成されている放射線像変換パネル。
(3)保護膜が蛍光体層上にスリットコーター、カーテンコーターまたは定盤型スロットダイコーターにより塗布形成されている放射線像変換パネル。
(4)膜形成性樹脂が有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含む樹脂組成物である放射線像変換パネル。
(5)反応性シリコーンが、末端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有し、そして数平均分子量が約5000〜20000の範囲にある放射線像変換パネル。
(6)反応性シリコーンが膜形成性樹脂に対して0.5〜10重量%の範囲で含まれている放射線像変換パネル。
(7)架橋剤がポリイソシアネートまたはアミノ樹脂である放射線像変換パネル。
(8)保護膜に更に白色樹脂粉末が含まれている放射線像変換パネル。
(9)放射線像変換パネルの側面に縁貼りが設けられており、そして縁貼りが25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂を含有している放射線像変換パネル。
【0015】次に、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法について、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を有する場合を例にとって詳細に述べる。支持体は、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、特に好ましい支持体材料は石英ガラス、金属、アラミドである。公知の放射線像変換パネルにおいて、放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる支持体についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに特開昭58−200200号公報に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。なお、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を用いる必要はない。
【0016】この支持体の上には気相堆積法により蛍光体層が設けられる。輝尽性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。そのような輝尽性蛍光体の例は、特公平7−84588号、特開平2−193100号および特開平4−310900号の各公報に詳しく記載されている。好ましい輝尽性蛍光体としては、ユーロピウムまたはビスマスによって付活されているアルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体(例、CsBr:Eu、およびRbBr:Eu)、およびユーロピウムまたはセリウムによって付活されているアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体(例、BaFBr:Eu、およびBaF(Br,I):Eu)を挙げることができる。
【0017】これらのうちでも、基本組成式(I):IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属または二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素または三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素または金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0≦z<0.2の範囲内の数値を表す。
【0018】上記基本組成式(I)中のMIとしてはRb及び/又はCsであることが好ましい。XとしてはBrであることが好ましい。Aとしては、特にEu又はBiであることが好ましい。
【0019】また、基本組成式(II):IIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
【0020】上記基本組成式(II)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(II)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
【0021】なお、基本組成式(II)では省略されているが、必要に応じて下記のような添加物を基本組成式(II)に加えてもよい。
bA, wNI, xNII, yNIIIただし、AはAl23、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としては、特開昭59−75200号公報に記載のようなハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
【0022】また、b、w、x及びyはそれぞれ、MIIFXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけではない。また、上記化合物には最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、MIIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
【0023】その他、上記基本組成式(II)には更に必要に応じて、特開昭55−12145号公報に記載のZn及びCd化合物;特開昭55−160078号公報に記載の金属酸化物であるTiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y23、La23、In23、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25、ThO2;特開昭56−116777号公報に記載のZr及びSc化合物;特開昭57−23673号公報に記載のB化合物;特開昭57−23675号公報に記載のAs及びSi化合物;特開昭59−27980号公報に記載のテトラフルオロホウ酸化合物;特開昭59−47289号公報に記載のヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価もしくは2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;特開昭59−56480号公報に記載のV、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を有するものであれば如何なるものであってもよい。
【0024】ただし、本発明において蛍光体は輝尽性蛍光体に限定されるものではなく、X線などの放射線を吸収して紫外乃至可視領域に(瞬時)発光を示す蛍光体であってもよい。その例としては、LnTaO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、CsX系(Xはハロゲンである)、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd3Ga512:Cr,Ce、HfO2等を挙げることができる。
【0025】本発明において蛍光体層は、気相堆積法により以下のようにして支持体上に形成することができる。第一の蒸着法による場合には、まず支持体を蒸着装置内に設置し、装置内を排気して10-6Torr程度の真空度とする。次いで、輝尽性蛍光体を抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて、支持体表面に蛍光体を所望の厚みで堆積させる。蒸着は、複数回に分けて行ってもよいし、あるいは複数の抵抗加熱器またはエレクトロンビームを用いて異なる蛍光体を共蒸着させてもよい。また、輝尽性蛍光体の原料を用いて支持体上で蛍光体を合成すると同時に蛍光体層を形成することも可能である。さらに、蒸着の際に必要に応じて被蒸着物(支持体または保護膜)を冷却または加熱してもよいし、あるいは蒸着終了後に蛍光体層を加熱処理(アニール処理)してもよい。
【0026】第二のスパッタ法による場合には、まず支持体をスパッタ装置内に設置し、装置内を一旦排気して10-6Torr程度の真空度にした後、スパッタ用の気体としてArガス、Neガスなどの不活性ガスを導入して10-3Torr程度のガス圧とする。次いで、輝尽性蛍光体をターゲットとして放電し、イオン化した気体の衝撃により蛍光体を飛散させて支持体表面に蛍光体を所望の厚みで堆積させる。スパッタリングは、複数回に分けて行ってもよいし、あるいはそれぞれ異なる蛍光体からなる複数のターゲットを用いて、同時にまたは順次スパッタリングして蛍光体層を形成してもよい。また、複数の輝尽性蛍光体原料を用いて同時にまたは順次スパッタリングして、支持体上で蛍光体を合成すると同時に蛍光体層を形成することも可能である。必要に応じて、装置内にO2ガス、H2ガスを導入して反応性スパッタリングを行ってもよい。さらに、スパッタリングの際に必要に応じて被蒸着物(支持体または保護膜)を冷却または加熱してもよいし、あるいはスパッタリング終了後に蛍光体層を加熱処理(アニール処理)してもよい。
【0027】このようにして、輝尽性蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。蛍光体層は、結着剤を含有せず、輝尽性蛍光体のみからなり、輝尽性蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。蛍光体層の空隙率は、気相堆積の手段や条件や輝尽性蛍光体の種類などによっても異なるが、一般には0.5〜10%(容積%)にある。蛍光体層の層厚は、通常は100μm〜5mmの範囲であり、好ましくは200μm〜2mmの範囲である。なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に直接蛍光体を気相成長させて形成する必要はなく、例えば、別にガラス板、金属板、プラスチックシートなどの仮支持体上に蛍光体を気相成長させて蛍光体層を形成した後、接着剤を用いるなどして支持体上に蛍光体層を接合する方法を利用してもよい。
【0028】この蛍光体層の上には、本発明の放射線像変換パネルの特徴的な要件である低透湿度の保護膜が設けられる。保護膜を低透湿度とするには、25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂が用いられる。本発明において25℃における換算透湿度とは、JIS−Z0208で示される透湿度を厚み1μm当たりに換算し直した値である。防湿性に加えて防汚性および防傷性を高めるためには、保護膜は上記の膜形成性樹脂と反応性シリコーンおよび架橋剤とからなることが望ましい。反応性シリコーンと架橋剤とが反応することにより、膜形成性樹脂のの強度が増して保護膜の防汚性や防傷性など耐久性を向上させることができる。
【0029】25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂として好ましいのは、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂である。フッ素系樹脂は、フッ素を含むオレフィン(フロオロオレフィン)の重合体もしくはフロオロオレフィンを共重合体成分として含む共重合体であり、その例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロルトリフロオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体およびフロオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体を挙げることができる。
【0030】フッ素系樹脂は一般に有機溶媒に不溶性であるが、特にフルオロオレフィンを共重合体成分として含む共重合体は、共重合する他の(フルオロオレフィン以外の)構成単位によっては有機溶媒に可溶性となるため、そのような有機溶媒可溶性の樹脂を選んで、適当な溶媒に溶解させて調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布し、乾燥することにより、容易に保護膜を形成することができる。このような有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂の代表例としては、フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体を挙げることができる。また、ポリテトラフルオロエチレンおよびその変成体も、パーフルオロ溶媒のようなフッ素系有機溶媒には可溶性であるので、同様にして溶液として調製して用いることができる。さらに、放射線硬化型のフッ素系樹脂を用いて放射線で架橋することも可能である。これらのフッ素系樹脂は、上記換算透湿度を示す他の膜形成性樹脂と組み合わせて用いてもよく、その場合に保護膜中にフッ素系樹脂は一般に30重量%以上含まれ、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上含まれる。
【0031】有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂の具体例としては、JSR(株)製のオプスターJN7212、JN7205、JN7220;ダイキン工業(株)製のゼッフルLC−930、GK510;住友3M(株)製のダイオニンTHV220;旭硝子(株)製のルミフロンLF100、LF200、LF216T、LF400、LF504X、LF600、LF810、LF916、LF924、LF946、LF976、LF9010を挙げることができる。
【0032】本発明において反応性シリコーンとしては一般に、ジメチルポリシロキサン骨格を有し、少なくとも1つ以上の官能基(例、水酸基、アミノ基)を有し、そしてその数平均分子量が約5000〜50000の範囲にあるものが用いられる。好ましくは、水酸基またはアミノ基を両末端に1つ以上有するか、あるいは片末端に2つ以上有するものであり、より好ましくは片末端に水酸基またはアミノ基を2つ以上有するものであり、そして特に好ましくは片末端に水酸基を2つ以上有するものである。また、数平均分子量が約10000〜25000の範囲にあるシリコーンが特に好ましい。反応性シリコーンは更に、パーフルオロアルキル基(例、トリフルオロプロピル基)を含んでいてもよい。
【0033】反応性シリコーンの具体例としては、以下に示すようなチッソ(株)よりサイラプレン・シリーズとして市販されているシリコーンマクロモノマーを挙げることができる。下記化学式中、nは数平均分子量(Mn)が5000〜20000になるような整数である。
(1)FM−04シリーズ:FM−0421(Mn=5,000)
FM−0425(Mn=10,000)
【0034】
【化1】

【0035】
(2)FM−44シリーズ:FM−4421(Mn=5,000)
FM−4425(Mn=10,000)
【0036】
【化2】

【0037】
(3)FM−33シリーズ:FM−3321(Mn=5,000)
FM−3325(Mn=10,000)
【0038】
【化3】

【0039】
(4)FM−DAシリーズ:FM−DA21(Mn=5,000)
FM−DA25(Mn=10,000)
FM−DA26(Mn=15,000)
【0040】
【化4】

【0041】放射線硬化型のフッ素系樹脂を使用する場合には、以下に示すような片末端に1つ以上のメタクリロキシ基を有する反応性シリコーンが用いられる。
(5)FM−07シリーズ:FM−0721(Mn=5,000)
FM−0725(Mn=10,000)
【0042】
【化5】

【0043】反応性シリコーンは、一般に保護膜中に膜形成性樹脂に対して0.1〜20重量%の範囲で含有され、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で含有される。
【0044】本発明に使用される架橋剤は、ポリイソシアネートまたはアミノ樹脂であることが好ましい。ポリイソシアネートとしては、公知のポリイソシアネート類を用いることができるが、特に好ましくは経時によって黄変しにくい無黄変型ポリイソシアネートである。無黄変型ポリイソシアネートの例としては、日本ポリウレタン(株)製のコロネートHL、コロネートHX;住友バイエルウレタン(株)製のスミジュールN75、N3200、N3300、HT、デスモジュールZ4470、E3265、E4280を挙げることができる。
【0045】アミノ樹脂としては、ヘキサメトキシメチロールメラミンなどのメラミンおよびベンゾグアナミンが用いられる。その例としては、三井サイテック(株)製のサイメル303等の300シリーズ、サイメル200シリーズ、サイメル700シリーズ、サイメル1100シリーズ、マイコート100シリーズ、マイコート500シリーズを挙げることができる。
【0046】架橋剤は、一般に保護膜中に膜形成性樹脂に対して5〜40重量%の範囲で含有され、好ましくは10〜30重量%の範囲で含有される。
【0047】保護膜は、上記の膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製した塗布液を蛍光体層の表面に塗布し、乾燥、硬化させることにより形成する。ただし、本発明においては、蛍光体層中の空隙が70%(容積%)以上保持されるように塗布形成する。すなわち、蛍光体層の空隙率が0.35〜7%(容積%)の範囲にあるように保護膜を形成する。そのためには、塗布液の塗布はスリットコータ、カーテンコータ、定盤型スロットダイコータ、スプレーコータ、スピンコータなどの塗布手段を用いて行うことが望ましい。塗布液中には更に、分散剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含有されていてもよい。このようにして形成される保護膜の膜厚は一般に約0.1〜20μmの範囲にある。
【0048】また保護膜中には、干渉むらを低減させて放射線画像の画質を向上させる目的で、有機または無機の白色微粉末が含まれていてもよい。白色微粉末としては、例えばベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粉末、硬化アクリル樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、フッ素樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末を挙げることができる。これらの白色微粉末は、平均粒径が0.1〜5μmの範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは0.3〜1μmの範囲である。白色微粉末の具体例としては、日本触媒(株)製のエポスターシリーズのMS、M30、S、S6、S12、エポスターMAシリーズ;総研化学(株)製のMR−2G、MR−7G、MPシリーズ;ダイキン工業(株)製のルブロンL−2、L−5、LD−1、LD−100;東芝シリコーン(株)製のトスパールXC99−A8808、トスパール120、130、145、240;および東洋紡(株)製のPETBEADSシリーズを挙げることができる。白色微粉末は、一般に保護膜中に膜形成性樹脂に対して0.5〜120重量%の範囲で含まれる。好ましくは、有機微粉末の場合には膜形成性樹脂に対して5〜40重量%の範囲で含まれ、無機微粉末の場合には10〜100重量%の範囲で含まれる。
【0049】本発明において保護膜はまた、25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明シートと、その上に形成された、透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる層とから構成されていてもよい。上記換算透湿度を示す透明シートの例としては、フッ素系共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体からなる樹脂シート;および各種のガラスシートを挙げることができる。透明シートの厚みは、放射線画像のボケ防止のためには薄い方が好ましいが、あまり薄いと透湿度が高くなるので好ましくない。一般に透明シートの厚みは約2μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは約4μm〜500μmの範囲にある。
【0050】この二層構成の場合にも、透明な膜形成性樹脂は、前記の有機溶媒可溶性フッ素系樹脂など25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の膜形成性樹脂であることが好ましい。反応性シリコーンおよび架橋剤もそれぞれ、前記材料の中から選ばれる。透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤からなる層は、これらの材料を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製した塗布液を透明シートの表面に塗布し、乾燥、硬化させることにより形成する。透明シートが樹脂シートのように可撓性である場合には、ドクターブレード、ディップコータ、スライドコータ、エクストルージョンコータなどの塗布手段を用いて塗布する。透明シートがガラスシートのように剛直な場合には、前記の塗布手段を用いて塗布する。膜形成性樹脂等からなる層の厚みは通常は0.1〜20μmの範囲にある。得られた二層構成のシートを、透明シート側に接着剤層を設けた後、蛍光体層表面に接着剤層を介して接合することにより保護膜を形成する。あるいは、透明シートが樹脂シートである場合には、各塗布液を順次塗布、乾燥して蛍光体層上に保護膜を形成してもよい。
【0051】上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。たとえば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい(特公昭59−23400号公報参照)。
【0052】
【実施例】[実施例1]
(1)蛍光体層の形成支持体としてアルミ蒸着された5mm厚の石英ガラス板を、蒸着装置内に設置した。装置の白金ボート中にアルカリハライド輝尽性蛍光体(CsBr:0.01Eu)を入れた後、装置内を排気して2×10-6Torrの真空度とした。次いで、白金ボート中の輝尽性蛍光体に電子銃で加速電圧2.3kVの電子線を30分間照射して、石英ガラス板上に蛍光体を30μm/分の速度で堆積させた。その後、電子線の照射を止め、装置内を大気圧に戻し、装置から石英ガラス板を取り出した。得られた石英ガラス板上には、幅約20μm、長さ約900μmの柱状形状の蛍光体が垂直方向に密に林立した構造の蛍光体層(空隙率:2%)が形成されていた。
【0053】
(2)保護膜の形成 膜形成性樹脂:フッ素系共重合体樹脂(ルミフロンLF504X [30%キシレン溶液]、旭硝子(株)製) 40g 有機白色微粉末:メラミン−ホルムアルデヒド樹脂粉末 (エポスターS6、(株)日本触媒製) 28.4g 分散剤:アルミカップリング剤(プレンアクトAL-M、 味の素(株)製) 0.5g メチルエチルケトン 200g【0054】上記材料を3mm径のジルコニアボールを使用したボールミルで20時間分散混合した後、 膜形成性樹脂:ルミフロンLF504X[30%キシレン溶液] 360gを追加して、更に4時間分散混合した。その後、 反応性シリコーン:シリコーンマクロモノマー (サイラプレンFM-DA26、チッソ(株)製) 5.6g 架橋剤:ポリイソシアネート(スミジュールN3300[固形分100%]、 住友バイエルウレタン(株)製) 22.2g 触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260、共同薬品(株)製) 1.4mg メチルエチルケトン 800gを追加して更に混合し、塗布液を調製した。
【0055】この塗布液を蛍光体層の表面にスリットコータを用いて塗布した後、120℃で20分間熱処理して乾燥するとともに熱硬化させて、蛍光体層上に保護膜(厚み:6μm)を形成した。保護膜形成後の蛍光体層の空隙率は1.5%であり、蛍光体層形成時の空隙の75%が保持されていた。
【0056】
(3)縁貼りの形成 フッ素系共重合体樹脂(ルミフロンLF504X[30%キシレン溶液]、 旭硝子(株)製) 40g 架橋剤:ポリイソシアネート(コロネートHX、 日本ポリウレタン(株)製) 22.2g 触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260、共同薬品(株)製) 1.4mg 黄変防止剤:エポキシ樹脂 (エピコート#1001[固形]、油化シェルエポキシ(株)製) 0.6g 滑り剤:反応性シリコーン(サイラプレンFM-DA26、チッソ(株)製)
0.2g メチルエチルケトン 15g【0057】上記材料を溶解混合して、塗布液を調製した。この塗布液を、支持体、蛍光体層および保護膜からなるシートの各側面に塗布し、室温で充分に乾燥して、厚み約25μmの縁貼りを形成した。以上のようにして、支持体、蛍光体層、保護膜および縁貼りから構成された本発明の放射線像変換パネルを製造した。
【0058】[実施例2]実施例1において、保護膜を下記のようにして形成したこと以外は実施例1と同様にして本発明の放射線像変換パネルを製造した:実施例1の保護膜形成用の塗布液を、耐熱再剥離フィルム(CT38、PANAC(株)製)で裏打ちされた厚み9μmの透明なポリエチレンテレフタレートシート(ルミラー9-F53、東レ(株)製)の表面にロールコータを用いて塗布した後、120℃で20分間熱処理して乾燥するとともに熱硬化させて、透明シート上にフッ素系樹脂層を形成した。透明シートから耐熱再剥離フィルムを剥ぎ取った後、シートのフッ素系樹脂層とは反対側の表面にポリエステル樹脂溶液(バイロン30SS、東洋紡績(株)製)を塗布、乾燥して、接着剤層(塗布量2g/m2)を設けた。得られたシートを蛍光体層の表面に接着剤層を介して接合して二層構成の保護膜を形成した。保護膜形成後の蛍光体層の空隙率は1.9%であり、蛍光体層形成時の空隙の95%が保持されていた。
【0059】[実施例3]実施例2において、ポリエチレンテレフタレートシートの代わりに厚み500μmのガラスシート(D263、デザーク社製)を用いて、ガラスシート表面に塗布液をスリットコータで塗布したこと以外は実施例2と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。保護膜形成後の蛍光体層の空隙率は1.9%であり、蛍光体層形成時の空隙の95%が保持されていた。
【0060】[比較例1]実施例2において、塗布液を塗布しないで、ポリエチレンテレフタレートシートのみからなる保護膜を蛍光体層表面に付設したこと以外は実施例2と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0061】[比較例2]実施例1において、塗布液に反応性シリコーンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、フッ素系樹脂からなる保護膜を有する比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0062】[比較例3]実施例2において塗布液に反応性シリコーンを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、二層構成の保護膜を有する比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0063】[放射線像変換パネルの性能評価]得られた各放射線像変換パネルについて、防湿性、防汚性および防傷性の各試験を行い、その性能を評価した。
【0064】(1)防湿性試験放射線像変換パネルを40℃、80%RHの高温高湿室に1週間放置した後、放置前後におけるパネルからの輝尽発光の発光量の変化を測定し、以下の基準にて評価した。
A:5%未満の発光量低下。
B:5%以上10%未満の発光量低下。
C:10%以上の発光量低下。
【0065】(2)防汚性試験放射線像変換パネルの保護膜表面に黒マジック(登録商標)ペンで線を描き、乾燥後、工業用ティッシュペーパー(キムワイプ)で乾拭きして、黒線の消去の程度を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
AA:黒線は容易に拭き取られ、完全に消去された。
A:黒線は完全に消去された。
B:黒線が半分程度残った。
C:黒線が全体的に残った。
【0066】(3)摺動後の防汚性試験放射線像変換パネルの保護膜上で、3cm×4cmの大きさの(EPDM)ゴム板を0.98Nの荷重を掛けて20万回往復摺動させた。摺動後、保護膜表面に黒マジックペンで線を描き、乾燥後キムワイプで乾拭きして、黒線の消去の程度を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
AA:黒線は容易に拭き取られ、完全に消去された。
A:黒線は完全に消去された。
B:黒線が半分程度残った。
C:黒線が全体的に残った。
【0067】(4)防傷性試験上記と同様にして放射線像変換パネルの保護膜上でゴム板を摺動させた後、保護膜表面を目視により観察し、以下の基準にて評価した。
A:擦り傷は殆ど発生しなかった。
B:擦り傷は多少発生したが、実用上問題はなかった。
C:擦り傷が非常に多く発生した。得られた結果をまとめて表1に示す。
【0068】
【表1】
表1 ──────────────────────────────── 防湿性 防汚性 防傷性 摺動前 摺動後 ──────────────────────────────── 実施例1 A AA AA A 実施例2 A AA AA A 実施例3 A AA AA A ──────────────────────────────── 比較例1 C C C C 比較例2 B C C B 比較例3 B C C C ────────────────────────────────【0069】表1の結果から明らかなように、本発明の低透湿度の保護膜が設けられた放射線像変換パネル(実施例1〜3)はいずれも、公知の保護膜が設けられた放射線像変換パネル(比較例1)と比較して防湿性に優れ、かつ防汚性および防傷性においても優れていた。特に、塗布により保護膜が設けられた実施例1のパネルは、高画質の放射線画像を与えた。また、本発明の放射線像変換パネルは、反応性シリコーンを含まない保護膜が設けられた放射線像変換パネル(比較例2、3)と比較しても、防湿性が高く、防汚性、防傷性ともに優れていた。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、気相堆積法により形成された蛍光体層の表面に低透湿度の保護膜を蛍光体層の形成時の空隙を一定以上残した状態で設けることにより、パネルの防湿性を高めながら、より一層高画質の放射線画像を得ることができる。特に、保護膜を25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明な膜形成性樹脂、反応性シリコーンおよび架橋剤から構成することにより、あるいは25℃における換算透湿度が300g/m2・24hr・μm以下の透明シートと、上記材料からなる層との二層構成とすることにより、防湿性とともに、防汚性および防傷性の高いパネルを得ることができる。




 

 


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