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発明の名称 放射線像変換パネル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−255400(P2001−255400A)
公開日 平成13年9月21日(2001.9.21)
出願番号 特願2000−64749(P2000−64749)
出願日 平成12年3月9日(2000.3.9)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2G083
【Fターム(参考)】
2G083 AA03 BB01 CC02 DD01 DD03 DD04 DD12 DD14 EE02 EE03 
発明者 小川 博 / 福井 真一郎 / 岩渕 康夫 / 平野 茂夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた蛍光体層とからなる放射線像変換パネルにおいて、前記蛍光体層が、結合剤と蛍光体と一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含むことを特徴とする放射線像変換パネル。
【請求項2】 前記結合剤が、30℃から150℃の軟化温度または融点を有する熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
【請求項3】 前記結合剤が、ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2記載の放射線像変換パネル。
【請求項4】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた、結合剤と蛍光体と一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含む蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記蛍光体層を、前記蛍光体と前記アラルキルホスホン酸と前記結合剤とを分散塗工して形成することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
【請求項5】 少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた、結合剤と蛍光体と一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含む蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記蛍光体層を、前記蛍光体の粒子を前記アラルキルホスホン酸で表面処理し、該表面処理された蛍光体粒子を前記結合剤に分散塗工して形成することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
【請求項6】 分散塗工して形成された前記蛍光体層を、前記支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度または融点以上の温度で前記蛍光体層を圧縮して該蛍光体層と前記支持体を接着させることを特徴とする請求項4または5記載の放射線像変換パネルの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体を利用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、非破壊で医療診断用放射線像および各種物体の放射線像を得、これを診断、探傷検査などに用いる手法として、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料とも称する)と放射線増感スクリーンの組合せである放射線写真法がある。この放射線写真法は、被写体を透過した、あるいは被写体から発せられた放射線をスクリーンの蛍光体に照射して励起することにより近紫外光乃至可視光に変換して感光材料に放射線画像を形成し、診断、検査するものである。これらの放射線画像は、支持体の両面または片面にハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料にスクリーンを両面または片面に密着させ、被写体を介して放射線を照射し、像を露光し、放射線画像を形成するものである。
【0003】この放射線写真法に代る方法として、たとえば特開昭 55−12145号等に記載されているような、放射線エネルギーを吸収した後、可視光や赤外線などの電磁波で励起することにより蓄積していた放射線エネルギーを蛍光の形で放出する輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも称する)を利用するもので、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線をこのパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。
【0004】この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。従って、この方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影時の直接医療用放射線撮影において利用価値の非常に高いものである。
【0005】放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体とその片面に設けられた輝尽性蛍光体層からなるものである。なお、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0006】輝尽性蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるものであり、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものである。従って、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0007】放射線像変換方法は上記のように非常に有利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感紙と同様に、高感度であってかつ良好な画質(鮮鋭度、粒状性など)を与えるものであることが望まれる。
【0008】放射線像変換パネルの感度は、基本的にはパネルに含有されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に依存し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異なる。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚を薄くすることができるから、散乱による励起光の広がりを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。
【0009】本出願人は、蛍光体が密に充填された蛍光体層を持つ放射線像変換パネルの一つとして、蛍光体層を圧縮処理することにより蛍光体層の空隙率を低下せしめた放射線像変換パネルおよびその製造方法をすでに出願している(特開昭59−126299号、特開昭59−126300号参照)。
【0010】上記の放射線像変換パネルは、蛍光体層を圧縮処理することで、蛍光体層中の蛍光体の密度をそれまでの放射線像変換パネルよりも高くしたものであった。その結果、この放射線像変換パネルは優れた鮮鋭度を持つものとなったが、その反面、圧縮処理により蛍光体が一部破壊されるために感度の低下が生じるという問題があった。このため、輝尽性蛍光体粒子の分散性を改善し、圧縮処理前に蛍光体の空隙率をできるだけ低下させておくことが検討されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】こうした輝尽性蛍光体の分散状態を改善するために、輝尽性塗料を調製する際の分散を長時間行なう方法もあるが、分散時には輝尽性蛍光体に相当の剪断力が作用するので、輝尽性蛍光体の特性が損なわれることがあり、さらに放射線像変換パネルの製造に長時間を要することになるため作業効率上も好ましくない。
【0012】そこで、通常の放射線像変換パネルの製造方法に、大きな変更を加えることなく、上記のような輝尽性蛍光体を有効に分散させる方法が検討されており、このような方法としては、輝尽性蛍光体をシランカップリング剤のような表面処理剤により表面処理して用いる方法(特公平 6-31908号)、蛍光体をチタネート系カップリング剤で処理する方法(特公平8-540363号)が知られている。しかし、これら公知の方法でも、蛍光体の分散性を高めかつ蛍光体の充填率を高くして感度の高い放射線像変換パネルを得る方法としては不充分である。これは、上記のカップリング剤を用いて表面処理した輝尽性蛍光体粒子の分散の安定性は、通常、塗液状態では向上するが、樹脂成分に対する相溶性は逆に低下する場合があることに起因するもので、蛍光体層における最終的な蛍光体の分散状態が充分には改善されないことがあるためである。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、蛍光体粒子の分散性が改善された、感度が高くノイズの低い放射線像変換パネルを提供することを目的とするものである。
【0014】また、本発明は、蛍光体の圧縮処理による感度低下を抑制しつつ蛍光体充填率を高めることができる放射線像変換パネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線像変換パネルは、少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた蛍光体層とからなる放射線像変換パネルにおいて、前記蛍光体層が、結合剤と蛍光体と一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含むことを特徴とするものである。
【0016】本発明の放射線像変換パネルとは、輝尽性蛍光体を使用した放射線画像変換法に用いる輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換パネルはもちろん、従来の放射線写真法に用いられる放射線増感スクリーンの双方を含むものである。
【0017】前記結合剤は、30℃から150℃の軟化温度または融点を有する熱可塑性エラストマーであることが好ましく、特に、ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
【0018】本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、少なくとも、支持体と、該支持体上に設けられた、結合剤と蛍光体と一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸とを含む蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記蛍光体層を、前記蛍光体と前記アラルキルホスホン酸と前記結合剤とを分散塗工して形成することを特徴とするものである。
【0019】前記蛍光体層は、前記蛍光体の粒子を前記アラルキルホスホン酸で表面処理し、該表面処理された蛍光体粒子を前記結合剤に分散塗工して形成することがより好ましい。
【0020】分散塗工して形成された前記蛍光体層は、前記支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度または融点以上の温度で前記蛍光体層を圧縮して該蛍光体層と前記支持体を接着させることが好ましい。(なお、蛍光体層を形成する際には、蛍光体層がシート状となったものを支持体上に載せて接着させるので、本発明においては、蛍光体層を蛍光体シートともいう場合がある。)
【0021】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体層に一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸を含んでいるので、カップリング剤を蛍光体粒子の表面処理剤として用いたものと異なり、アラルキルホスホン酸が蛍光体粒子表面に強固に吸着し、有機質の単分子膜を形成することができるので、蛍光体粒子間の凝集をほどいて、蛍光体粒子の均一分散化をおこなうことができ、無機質の蛍光体粒子と有機質の結合剤間の接着を良好なものとすることができる。
【0022】また、本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体粒子表面がアラルキルホスホン酸によって表面処理されているので、蛍光体粒子が蛍光体層に均一に分散し、蛍光体粒子表面と結合剤樹脂との親和性が向上し、蛍光体の充填率が高められた状態とすることができる。従って、放射線像変換パネルの製造工程の圧縮によって、蛍光体粒子同士が互いに破壊し合うといったことを抑制することができる。
【0023】さらに、蛍光体層に用いられるアラルキルホスホン酸は強い相互作用を持つので、蛍光体層が形成されたのちにおいても、蛍光体粒子の表面からの脱着が起こらなくなり、走行耐久性を顕著に向上させることができる。また、アラルキルホスホン酸は、スルホン酸等の他の有機酸化合物に比較して吸水性が低いため、耐水性および耐久性も良好な放射線像変換パネルとすることができる。
【0024】また、本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、蛍光体層を、蛍光体とアラルキルホスホン酸と結合剤とを分散塗工して、または蛍光体粒子をアラルキルホスホン酸で表面処理し、この表面処理された蛍光体粒子を結合剤に分散塗工して形成するので、蛍光体粒子間の凝集をほどいて、アラルキルホスホン酸を蛍光体粒子表面に強固に吸着させることができ、蛍光体粒子の均一分散化をおこなうことができる。
【0025】なお、本発明の放射線像変換パネルの製造方法において、分散塗工して形成された蛍光体層を、支持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で蛍光体層を圧縮して蛍光体層と支持体を接着させる場合には、より蛍光体の破損を防ぐことができる。
【0026】すなわち、圧縮の際、軟化温度もしくは融点以上の温度にされた結合剤中に分散された蛍光体粒子は、ある程度の自由度を持った状態で圧力を受けるために、加わる圧力によって蛍光体粒子は無理なく配向することができる。しかも蛍光体シートを支持体に固定しない状態で載せ、ここに圧力を加え、圧縮しながら支持体に接着させるので、支持体に固定されていれば蛍光体粒子を破壊してしまうような圧力で蛍光体シートに圧力を加えても、蛍光体粒子を配向させるように働かせることが可能となり、蛍光体シートを薄く延ばし広げることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の放射線像変換パネルについて詳細に説明する。まず放射線像変換パネルにおいて使用することができる蛍光体について述べる。
【0028】蛍光体として輝尽性蛍光体を用いる場合は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、特開昭48−80487号に記載されているBaSO:AXおよび特開昭48−80489号に記載されているSrSO:AXで表される蛍光体、特開昭53−39277号に記載されているLiBO:Cu,Ag、特開昭54−47883号に記載されているLiO・(BO:CuおよびLiO・(BO:Cu,Ag、米国特許第3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO:Er、およびLaOS:Eu,Sm、特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb、BaO・xAlO:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、MIIO・xSiO:A(ただし、MIIはMg、Ca、Sr、Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦2.5である)、特開昭55−12143号に記載されている(Ba1−X−y,Mg,Ca)FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つであり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10−6≦a≦5×10−2である)、特開昭55−12144号に記載されているLnO:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)、特開昭55−12145号に記載されている(Ba1−X,M2+)FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)、特開昭55−843897号に記載されているBaFX:xCe・yAで表される蛍光体特開昭55−160078号に記載されているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、AlO、YO、LaO、InO、SiO、TiO、ZrO、GeO、SnO、NbO、TaO、およびThOのうちの少なくとも一種、LnはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ5×10−5≦x≦0.5、および0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭56−116777号に記載されている(Ba1−X,MII)F・aBaX:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57−23673号に記載されている(Ba1−X,MII)F・aBaX:yEu,zB(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57−23675号に記載されている(Ba1−X,MII)F・aBaX:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10−6≦y≦2×10−1、および0<z≦5×10−1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58−69281号に記載されているMIIIOX:xCe(ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58−206678号に記載されているBa1−XMX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10−2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59−27980号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10−6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59−38278号に記載されているxM(PO・NX:yA、M(PO:yAおよびnReX・mAX′:xEu、nReX・mAX′:xEu,ySm、MX・aMIIX′・bMIIIX″:cAで表される蛍光体、特開昭59−47289号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10−6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59−56479号に記載されているBaFX・xNaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59−56480号に記載されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一種の繊維金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10−2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59−75200号に記載されているMIIFX・aMX′・bM′IIX″・cMIIX・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIIIはAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′、X″および Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10−2、cは0≦c≦10−2、かつa+b+c≧10−6であり;xは0<x≦0.5、yは0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60−84381号に記載されているMIIX・aMIIX′:xEu2+(ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭60−101173号に記載されているMIIFX・aMX′:xEu2+(ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaおよびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62−25189号に記載されているMX:xBi(ただし、MはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、などをあげることができる。
【0029】また、上記特開昭60−84381号に記載されているMIIX・aMIIX′:xEu輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物がMIIX・aMIIX′ 1モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
【0030】特開昭60−166379号に記載されているbMX″(ただし、MはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60−221483号に記載されているbKX″・cMgX・dMIIIX′(ただし、MIIIはSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X″、XおよびX′はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10−5≦b+c+dである);特開昭60−228592号に記載されているyB(ただし、yは2×10−4≦y≦2×10−1である);特開昭60−228593号に記載されているbA(ただし、AはSiOおよびPOからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10−4≦b≦2×10−1である);特開昭61−120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b≦3×10−2である);特開昭61−120885号に記載されているbSnX″(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10−3である);特開昭61−235486号に記載されているbCsX″・cSnX(ただし、X″およびXはそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞれ、0<b≦10.0および10−6≦c≦2×10−2である);および特開昭61−235487号に記載されているbCsX″・yLn3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10−6≦y≦1.8×10−1である)。
【0031】また、基本組成式 :(Ba1−a,MII)FX:zLn ・・・(I)
で表される希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を用いてもよい。(ただし、MIIは Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、Ln は Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及び Ybからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表し、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a は0≦a<1、zは0<z≦0.2 の範囲内の数値を表す。)上記基本組成式(I)中のaは 0.5以下の数値であることが好ましい。Lnとしては、特にEuまたはCeであることが好ましい。また、基本組成式(I)はその組成物が化学量論的に F:X=1:1であることを示しているのではなく、(Ba1−a,MII)FXで表わされる PbFCl型結晶構造の化合物であることを示している。一般に、BaFX結晶においてX−イオンの空格子点であるF(X)中心が多く生成された状態が600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このときFはXよりもやや過剰にあることが多い。
【0032】なお、基本組成式(I)では省略しているが、必要に応じて下記のような添加物を(I)に加えても良い。
【0033】bA,wN,xNII,yNIII(ただし、NはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属化合物を表し、NIIはMg及びBeからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属化合物を表し、NIIIはAl、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属化合物を表す。これらの金属化合物としては特開昭59-75200号に記載のようなハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。AはAlO、SiO、ZrOなどの金属酸化物を表わす。BaFX粒子同士の焼結を防止する上では一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子で(Ba1−a,MII)FXとの反応性が低いものが好ましく、特にAlOが好ましい。なお、b、w、x及びyは(Ba1−a,MII)FXのモル数を1としたときの仕込添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値をそれぞれ表す。これらの数値は焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては、最終的な組成物に含まれる元素比を表わしているわけではない。また、最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、BaFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
【0034】その他、必要に応じて特開昭55-12145号に記載のZn及びCd化合物、特開昭55-160078号に記載の金属酸化物であるTiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、YO、LaO、InO、GeO、SnO、NbO、TaO、ThO、特開昭56-116777号に記載のZr及びSc化合物、特開昭57-23673号に記載のB化合物、特開昭57-23675号に記載のAs及びSi化合物、特開昭59- 27980号に記載のテトラフルオロホウ酸化合物、特開昭59-47289号に記載のヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価もしくは2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物、特開昭59-56480号に記載のV、Cr、Mn、Fe、Co、及びNiなどの遷移金属化合物などをさらに添加しても良い。ただし、本発明の対象となるのは上述の添加物を含む蛍光体に限られるものではなく、希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を基本的に含むものであればいかなる物であっても良い。
【0035】上記基本組成式(I)で表される希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、通常は、アスペクト比が1.0〜5.0の範囲にある。本発明における希土類賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系輝尽蛍光体は、粒子アスペクト比が1.0〜2.0(さらに好ましくは、1.0〜1.5)の範囲、粒子サイズのメジアン径(Dm)が1〜10μm(さらに好ましくは、2〜7μm)の範囲、かつ、粒子サイズ分布の標準偏差をσとしたときのσ/Dmが50%以下 (さらに好ましくは、40%以下)の範囲にあるものである。また、粒子の形状としては、直方体型、正六面体型、正八面体型、これらの中間多面体型、14面体型等があり、14面体型が好ましいが、前記粒子アスペクト比、粒子サイズおよび粒子サイズ分布を満たすものであれば、必ずしも14面体型に限られるものではない。
【0036】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およびセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0037】上記蛍光体のうち焼成工程の途中または最終段階で、弱酸化性雰囲気で焼成または冷却を行い粒子表面を一部酸化させた蛍光体粒子は消去特性が良好で特に好ましい。
【0038】また、本発明の放射線像変換パネルを放射線増感スクリーンとして用いる場合に使用される蛍光体としては、タングステン酸塩系蛍光体(CaWO、MgWO、CaWO:Pbなど)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体(YOS:Tb、GdOS:Tb、LaOS:Tb、(Y,Gd)OS:Tb、(Y,Gd)OS:Tb,Tmなど)、テルビウム賦活希土類リン酸塩系蛍光体(YPO:Tb、GdPO:Tb、LaPO:Tbなど)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tbなど)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなど)、硫酸バリウム系蛍光体(BaSO:Pb、BaSO:Eu2+、(Ba,Sr)SO:Eu2+など)、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体(Ba(PO):Eu2+、Ba(PO):Eu2+など)、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体(BaFCl:EU2+、BaFBr:Eu2+,BaFCl:EU2+,Tb、BaFBr:Eu2+,Tb、BaFBaClKCl:Eu2+、(BaMg)FBaClKCl:Eu2+など)、ヨウ化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tlなど)、硫化物系蛍光体(ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Alなど)、リン酸ハフニウム系蛍光体(HfPO:Cuなど)、タンタル酸塩系蛍光体(YTaO、YTaO:Tm、YTaO:Nb、(Y,Sr)TaO4−x:Nb、LuTaO、LuTaO:Nb、(Lu,Sr)TaO4−x:Nb、GdTaO:Tm、GdOTaOBO:Tbなど)を好ましく用いることができる。但し本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射によって可視または近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用することができる。
【0039】本発明の放射線像変換パネルは、蛍光体層が上記輝尽性蛍光体または蛍光体と結合剤と一般式(1)
((Ar)-R-)PO(OM)3−m (1)
{式中、Arはアリール基を表し、Rは炭素数1〜6個を有する脂肪族基を表し、nは1以上の整数、mは1または2の整数、Mは水素、アルカリ金属、−N(R(R は炭素数2以下のアルキル)を表わす}で表される少なくとも一種のアラルキルホスホン酸を少なくとも一種含むことを特徴とする。
【0040】本発明に使用するのに好ましいアラルキルホスホン酸は一般式(1)において、Arはフェニルまたは置換フェニル、Rは炭素数1または2の脂肪族基であって、nは1または2であることが好ましい。
【0041】上記表面改質剤は、少なくとも1種の芳香族環およびホスホン酸基を含有しなければならないが、一般式(1)から明らかなように、上記ホスホン酸基は少なくとも1つの炭素原子により芳香族環から分離されている。本発明において好ましく用いることができるアラルキルホスホン酸としては、フェネチルホスホン酸、ベンズヒドリルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、およびそれらの置換誘導体、例えば4-ニトロベンジルホスホン酸、3-メトキシベンジルホスホン酸、4-メトキシベンジルホスホン酸、4-t-ブチルベンジルホスホン酸、4-メチルチオベンジルホスホン酸、4-メタンスルホニルベンジルホスホン酸、4-トリフルオロメチルベンジルホスホン酸、2,3-ジフルオロベンジルホスホン酸および2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンジルホスホン酸があげられる。これらアラルキルホスホン酸の合成の詳細は特開平10-70022号に記載されている。
【0042】このようなアラルキルホスホン酸は、金属表面に上記の極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、本発明の蛍光体層においても、アラルキルホスホン酸は主に蛍光体粒子の表面に上記の極性基で吸着もしくは結合した状態で存在しているものと推察される。アラルキルホスホン酸の金属表面への吸着力は、カルボン酸やスルホン酸等のほかの有機酸化合物に比較して、金属表面から脱着し難い。従って、本発明の蛍光体粒子の表面には、アラルキルホスホン酸が強く吸着し、且つ芳香族環等で被覆されたような状態になるので、蛍光体粒子の樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに蛍光体粒子の分散安定性も改善されるものと推察される。
【0043】また、蛍光体粉末と結合剤とがアラルキルホスホン酸の上記作用により強い相互作用を持つようになるため、蛍光体層が形成されても、蛍光体粒子の表面からの脱着が起こらなくなり、走行耐久性が顕著に向上すると考えられる。さらに、本発明に用いられるアラルキルホスホン酸は、スルホン酸等の他の有機酸化合物に比較して吸水性が低いため耐水性および耐久性も良好である。
【0044】本発明の放射線像変換パネルの蛍光体層には通常、上記アラルキルホスホン酸が、蛍光体粒子100重量部に対して通常0.001〜5重量部の範囲内の含有量で含まれていることが好ましい。特にその含有量を0.005〜2重量部の範囲内に設定することにより、蛍光体層表面の光沢度が高くなるなど蛍光体粒子の分散状態をより良好にすることができる。さらにその含有量を0.01〜1重量部の範囲内に設定することにより発光特性が著しく改善される。含有量が0.001重量部より少ない場合には、配合の効果が有効に現われないことがあり、また5重量部より多く配合しても蛍光体粒子の分散状態がそれ以上向上することは期待できない。
【0045】本発明の放射線像変換パネルは、例えば、以下に述べる方法によって製造することができる。なお、ここでは、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネルの製造方法について説明するが、放射線写真法に用いられる放射線増感スクリーンも同様に公知の方法で製造することができる。
【0046】本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、蛍光体粒子を本発明のアラルキルホスホン酸および結合剤等と分散塗工して蛍光体シートを形成する工程、および、蛍光体シートを支持体上に載せて結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧縮しながら蛍光体シートを支持体上に接着する工程、または、蛍光体粒子をアラルキルホスホン酸によって表面処理する工程、および表面処理済みの蛍光体と結合剤を分散塗工し蛍光体シートを形成する工程、および蛍光体シートを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度または融点以上の温度で圧縮しながら蛍光体シートを支持体上に接着する工程のいずれによっても行うことができる。
【0047】アラルキルホスホン酸を含有させて蛍光体粒子の分散性を向上させる方法としては、このアラルキルホスホン酸を低沸点の有機溶媒中に溶解もしくは分散状態にし、この溶液中に蛍光体粒子を投入して混合したのち、有機溶剤を除去して表面処理した蛍光体粒子を調製し、この蛍光体粒子を用いて蛍光体層を作製し、放射線像変換パネルを製造する方法、または蛍光体塗料を調製する際にアラルキルホスホン酸を、好ましくは蛍光体塗料調製用溶剤の一部に溶解もしくは分散した状態で投入して混練分散する方法などにより行うことができる。
【0048】本発明に用いられる結合剤としては、常温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持つようになる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリウレタン、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル系共重合体、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、ブタジエン系共重合体、シリコーンゴムなどをあげることができる。
【0049】上記の熱可塑性樹脂の内、エラストマーが特に好ましく、そのうち、軟化温度または融点が30℃〜300℃であるものが一般的に用いられるが、30℃〜150℃のものを用いることがさらに好ましい。特にポリウレタン樹脂であることが好ましく、さらにはスルホン酸基、カルボン酸基やリン酸基などの官能基を含むポリウレタン樹脂がより好ましい。
【0050】上記結合剤を蛍光体、溶剤とともに充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液を調製する。
【0051】溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;そして、それらの混合物をあげることができる。
【0052】塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0053】なお、塗布液には、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような目的に用いられる可塑剤の例としては、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニルなどのリン酸エステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどをあげることができる。
【0054】上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、シート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、エクストルージョンコーター、スライドコーター、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。
【0055】仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、あるいは従来の放射線写真法における増感紙(または増感用スクリーン)の支持体として用いられている各種の材料、あるいは放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例としては、セルローストリアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂フィルム、アルミニウム合金箔、ステンレス箔などの金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するビグメント紙、ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミックスの板あるいはシートなどをあげることができる。
【0056】仮支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥したのち、仮支持体からはがして放射線像変換パネルの蛍光体層となる蛍光体シートとする。従って、仮支持体の表面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートが仮支持体からはがし易くなるようにしておくことが好ましい。
【0057】次に、上記のように形成した蛍光体シートとは別に、放射線像変換パネルの支持体を用意する。この支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支持体と同様の材料から任意に選ぶことができる。
【0058】公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にポリエステル共重合体、アクリル樹脂共重合体などの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層等を設けることが知られている。本発明において用いられる支持体についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。
【0059】さらに、特開昭59−200200号に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層あるいは光吸収層などが設けられている場合には、その表面を意味する)には微小の凹凸が形成されていてもよい。
【0060】分散塗工によって得られた蛍光体シートは、支持体上に載せて結合剤の軟化温度または融点以上の温度で、圧縮しながら支持体上に接着する。
【0061】本発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の例としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般に知られているものをあげることができる。たとえば、カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に分散塗工によって得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温度または融点以上に加熱したローラーの間を一定の速度で通過させることにより行なわれる。ただし、本発明に用いられる圧縮装置はこれらのものに限られるものではなく、上記のようなシートを加熱しながら圧縮することのできるものであればいかなるものであってもよい。圧縮の際の圧力は、5MPa以上であることが好ましい。
【0062】通常の放射線像変換パネルにおいては、前述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための透明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜は、本発明による放射線像変換パネルについても設置することが好ましい。
【0063】透明保護膜は、たとえば、フッ素樹脂共重合体、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの透明な合成樹脂を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成することができる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなるプラスチックシート;および透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成することができる。保護膜の膜厚は、一般に約0.1乃至20μmの範囲であることが好ましい。
【0064】さらに、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、上記の少なくともいずれかの層に励起光を吸収し、輝尽発光光は吸収しないような着色層を加えてもよい(特公昭59−23400号参照)。
【0065】以下に本発明の実施例を記載する。ただし、これらの各実施例は本発明を制限するものではない。
【0066】
【実施例】まず、アラルキルホスホン酸を対応するジエチルまたはジメチルエステルから調製した。ベンジルホスホン酸ジエチルは、市販のもの(和光純薬(株)製)を用い、他のジエチルまたはジメチルエステルは、それぞれ亜リン酸トリエチルまたは亜リン酸トリメチルとの反応(アルブゾフ(Arbuzov)反応) による対応するハロゲン化アラルキルから調製した。合成例を以下に説明する。
【0067】(合成1:ベンジルホスホン酸の合成)ベンジルホスホン酸を以下の通り調製した。ベンジルホスホン酸ジエチル200.40g(878ミリモル)を蒸留水350mlおよび濃塩酸(〜12モル)と混合した。得られた懸濁液を加熱して窒素下で20時間還流し、無色透明の溶液を得た。この溶液から、水性蒸留物を130ml除去した後、残渣を氷浴を用いて冷却し、濃厚な白色スラリーを得た。上記スラリーを蒸留水で洗浄して残留塩酸を除去し、室温で乾燥した後、120℃で一晩減圧乾燥し、ベンジルホスホン酸を得た。
【0068】(合成2:ベンズヒドリルホスホン酸の合成)ベンズヒドリルホスホン酸を以下の通り調製した。ブロモジフェニルメタン308.93g(1.45モル)および亜リン酸トリエチル240.93g(1.45モル)を窒素下で混合し、徐々に加熱して 160℃に維持しながら蒸留により、4時間以上、ブロモエタン副生成物を除去した。室温に冷却後、濃塩酸(〜12モル)750mlおよび蒸留水250mlを上記粗生成物に加え、上記混合物を窒素下で2日間(約40時間)還流した。上記泡状混合物を冷却し、次いで濾過した。得られた固形物を次いで、水洗して残留塩酸を除去し、n-ヘキサンで洗浄して炭化水素副生成物を除去した。上記固形物を次いで減圧乾燥機中で120℃で一晩乾燥し、ベンズヒドリルホスホン酸250.06g(収率81%)を得た。
【0069】(合成3:4-t-ブチルベンジルホスホン酸の合成)4-t-ブチルベンジルブロミド(19.16g、84ミリモル)および亜リン酸トリメチル(10.46g、84ミリモル)をアルゴン下で 120℃で6時間加熱し、亜リン酸トリメチル10.46gを加え、更に16時間加熱を続けた。メチルホスホン酸ジメチル副生成物を蒸留して除き、4-t-ブチルベンジルホスホン酸ジメチルが淡黄色オイル(20.6g、80ミリモル)として残った。
【0070】この生成物の乾燥アセトニトリル溶液(220ml)に窒素下でヨウ化ナトリウム(25.6g、170ミリモル)および塩化トリメチルシリル(22ml、170ミリモル)を加えた。直ちに沈殿物を形成し、室温で30分間撹拌後、エタノール10mlを加え、更に30分間撹拌を続けた。溶剤を蒸発後、残渣を酢酸エチルおよび水の間で分配し、水性相を捨てた。上記有機層を2MのNaOHで抽出し、アルカリ性抽出物をエーテルで洗浄し、10MのHClでpH1に酸性化し、次いで酢酸エチルで抽出した(3×100ml)。上記乾燥抽出物の蒸発により、所望の酸を淡黄色固形物(12.6g)として得た。
【0071】(実施例1)まず、蛍光体層となる蛍光体シートを以下のように作製した。蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体( BaFBr0.850.15:Eu2+)1000g、結合剤としてポリウレタンエラストマー(大日本インキ化学工業(株)、ハ゜ンテ゛ックスT-5265H(固形))35.5g、架橋剤としてポリイソシアネート(日本ホ゜リウレタン工業(株)、コロネートHX(固形分100%))4.5g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シェルエホ゜キシ(株)、エヒ゜コート#1001(固形))10g、着色剤として群青(第一化成工業(株)SM-1)0.02g、アラルキルホスホン酸としてベンジルホスホン酸 0.2gを、メチルエチルケトン/トルエン=7/3 の混合溶剤に加え、ディスパーで3時間分散させて、粘度3Pas(25℃)の塗布液を調整した。この塗布液を仮支持体(シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート、厚み:180μm)上にエクストルージョンコーターで塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シート(シート厚:300μm)を作製した。
【0072】次に、酸化ガドリニウム(GdO)の微細粒子(全粒子中の 90重量%の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの)350g、結合剤として軟質アクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)、クリスコートP-1018GS(20%トルエン溶液))1800g、可塑剤としてフタル酸エステル(大八化学(株)#10)40g、導電剤としてZnOウィスカー(松下アムテック(株)、ハ゜ナテトラA-1-1)120g、着色剤として群青(第一化成工業(株)SM-1)2gを、メチルエチルケトンに加え、ディスパーを用いて分散、溶解して、反射材料層形成用分散液(粘度 0.5Pas:20℃)を調整した。この反射材料層形成用分散液を、支持体(ポリエチレンテレフタレートシート(東レ製ルミラーS−10 250μm;ヘイス゛度(typical)=20)片側にカーボンブラック,シリカ,結合剤からなる遮光層(約 18μm)が設けられているもの)の上に、エクストルージョンコーターを用いて、遮光層とは反対側に均一に塗布した後、塗膜を乾燥した。このようにして層厚が20μmの反射材料層を形成した。
【0073】続いて、蛍光体シートと反射材料層付き支持体を重ね合わせ、カレンダーロールを用い、圧力49MPa、上側ロール温度75℃、下側ロール温度75℃、送り速度1.0m/min で連続的に圧縮操作を行った。この加熱圧縮により蛍光体シートは支持体に反射材料層を介して完全に融着した蛍光体層(層厚:210μm)となった。
【0074】次に、フッ素系樹脂としてフルオロオレフィン=ビニルエーテル共重合体(旭硝子(株)、ルミフロンLF-504X( 30%キシレン溶液))185g、架橋剤としてポリイソシアネート(住友ハ゛イエルウレタン(株)、スミシ゛ュールN3500(固形分100%))10g、滑り剤としてアルコール変成シリコーン(信越化学(株)、X-22-2809(66%キシレン含有ヘ゜ースト))1g、有機フィラーとしてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂粉末((株)日本触媒、エホ゜スターS6)13g、カップリング剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(味の素(株)、フ゜レンアクトAL-M)0.2g、触媒としてジブチルチンジラウレート(共同薬品(株)KS1260)0.7mgを、メチルエチルケトン133gに添加し、粘度3mPasの塗布液を調整した。この塗布液を、9μm厚PETフィルム(東レ(株)、ルミラー9-F53)と、耐熱再剥離フィルム(PANAC(株)CT38)を貼り合わせたものの上に塗布した後、120℃で20分間熱処理して熱硬化させるとともに乾燥して、厚さ2μmの塗布層を設けた。続いて、塗布層を設けた9μm厚 PETフィルムから、耐熱再剥離フィルムを剥離し、塗布層と反対側に、ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績(株)、ハ゛イロン30SS)を塗布乾燥して接着層(接着剤塗布重量 2g/m)を設けた。このPETフィルムを、ラミネートロールを用いて、蛍光体層上に接着層を介して接着して保護層を形成した。さらに、エンボス機にて保護層の上に粗さがRaで0.4μmのエンボスを付けた。
【0075】次に、20μm厚のOPPフィルム(東レ(株)、トレファンYM-11#20)に、ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績(株)、ハ゛イロン30SS)を塗布乾燥して接着層(接着剤塗布重量9g/m)を設けた。このOPPフィルムを、ラミネートロールを用いて、支持体の蛍光体層が設けられている側とは反対側(遮光層側)に、接着層を介して接着してBack保護層を形成した。
【0076】最後に、シリコーン系ポリマーとしてポリジメチルシロキサン単位を有するポリウレタン(大日精化(株)、タ゛イアロマーSP-3023(15%メチルエチルケトン/トルエン溶液))70g、架橋剤としてポリイソシアネート(大日精化(株)、クロスネートD-70(50%溶液))3g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シェルエホ゜キシ(株)、エヒ゜コート#1001(固形))0.6g、滑り剤としてアルコール変性シリコーン(信越化学(株)X-22-2809(66%キシレン含有ヘ゜ースト))0.2gをメチルエチルケトン15gに溶解させ、塗布液を調整した。この塗布液を、先に製造した保護層が付設された蛍光体シートの各側面に塗布した。以上のようにして、上面及び側面が保護された保護層付き放射線像変換パネルを製造した。
【0077】(実施例2)実施例1において、蛍光体シートの作製に用いたベンジルホスホン酸の量を0.5gとした以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0078】(実施例3)実施例1において、蛍光体シートの作製に用いたベンジルホスホン酸の量を1gとした以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0079】(実施例4)実施例1において、蛍光体シートの作製に用いたベンジルホスホン酸の量を5gとした以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0080】(実施例5)メチルエチルケトン199.5gに対して0.5gのベンジルホスホン酸を添加して溶解し、この溶液に、実施例1で用いた輝尽性蛍光体粒子を1000gの割合で投入して混合した後、加熱してメチルエチルケトンを除去してフェニルホスホン酸処理した輝尽性蛍光体粒子を得た。
【0081】上記のようにして調製したベンジルホスホン酸処理した輝尽性蛍光体粒子を用い、混練分散時にベンジルホスホン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0082】(実施例6)実施例1において、ベンジルホスホン酸の代わりにベンズヒドリルホスホン酸を使用した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0083】(実施例7)実施例1において、ベンジルホスホン酸の代わりに4-t-ブチルベンジルホスホン酸を使用した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0084】(比較例1)実施例1において、ベンジルホスホン酸を除いた以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0085】(放射線像変換パネルの評価)上記のようにして製造した、実施例および比較例の各放射線像変換パネルの蛍光体層における蛍光体充填率を下記の式によって求めた。ただし、蛍光体の密度は、5.1g/cmとし、結合剤の密度は、1.14g/cmとした。
【0086】(空隙率の測定・計算)3cm角の蛍光体層の厚み(d、単位:cm)と重量(W、単位:g)を測定し、以下の計算式1で密度の理論値と実際の値の差から空隙率を求めた。
【0087】
【数1】

Wp:蛍光体の単位当たり重量 (g)
Wb:バインダの単位当たり重量(g)
ρp:蛍光体の密度(約 5.0)
ρb:バインダーの密度(約 1.2)
(画質の評価)放射線像変換パネルの画質は以下のように評価した。放射線像変換パネルに、管電圧 80kVpのX線を照射したのち、He-Neレ−ザ−光(632.8nm)で走査して蛍光体を励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生して表示装置上に画像を得た。得られた蛍光体層から輝尽発光光量測定し、また、10mRの線量におけるノイズ(RM)を測定した。測定器は富士写真フイルム(株)製 FCR9000を使用した。
【0088】(走行性の評価)走行評価は、FCR9000のメカニズムを模した走行機を使用して、10℃90%RHの温湿度で1万回走行させた。走行後、画像を再生して画像に異常が無いか否かを確認し、異常が無かった場合を○、僅かに異常があった場合を△、異常があった場合を×と評価した。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】

なお、輝尽発光量は比較例1のパネルの輝尽発光量を100とした相対値で表わした。
【0090】表1から明らかなように、アラルキルホスホン酸を用いないで放射線像変換パネルを製造した場合(比較例1)に比較して、本発明の放射線像変換パネルは蛍光体充填率が高いため輝尽発光量が高く、しかも粒状性ノイズが低かった。また、走行耐久性にも優れていた。
【0091】以上のように、本発明の放射線像変換パネルは蛍光体層にアラルキルホスホン酸を含有させたので、輝尽性蛍光体の分散性が向上し、圧縮処理による感度低下を抑制しつつ蛍光体充填率を高めることができ、ノイズの低い良好な画像を形成することが可能となった。また、防湿性に優れ、走行耐久性の向上した放射線像変換パネルとすることができた。




 

 


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