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発明の名称 放射線固体センサー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−228298(P2001−228298A)
公開日 平成13年8月24日(2001.8.24)
出願番号 特願2000−42129(P2000−42129)
出願日 平成12年2月21日(2000.2.21)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2G083
4C093
【Fターム(参考)】
2G083 AA04 BB01 CC01 CC03 CC08 CC10 DD02 DD11 EE02 EE03 EE07 
4C093 AA01 AA22 CA01 EB12
発明者 阿賀野 俊孝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 照射された放射線を前記放射線の線量に応じた量の可視光に変換する蛍光体層からなる光変換部と、前記光変換部からの可視光により形成される電荷を蓄積し、放射線画像情報を電荷潜像として記録し、前記電荷潜像を画像情報読み取り装置によって読み取るセンサー部とから成る放射線固体センサーにおいて、前記蛍光体層が、前記センサー部に塗布された蛍光体からなることを特徴とする放射線固体センサー。
【請求項2】 前記蛍光体が前記センサー部に絶縁層を介して塗布されていることを特徴とする請求項1記載の放射線固体センサー。
【請求項3】 前記絶縁層が光を透過し、厚さが100μm以下のものであることを特徴とする請求項2記載の放射線固体センサー。
【請求項4】 前記センサー部の前記蛍光体側の上部に電磁シールド層が設けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線固体センサー。
【請求項5】 前記電磁シールド層が光を透過するものであることを特徴とする請求項4記載の放射線固体センサー。
【請求項6】 前記蛍光体のセンサー部側の最下層が接着性のバインダーであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の放射線固体センサー。
【請求項7】 前記蛍光体層の厚さが100μm以下であって、該蛍光体層の上に別途蛍光体層が設けられることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線固体センサー。
【請求項8】 前記別途蛍光体層が異方化蛍光体層であることを特徴とする請求項7記載の放射線固体センサー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被写体にX線などの放射線を照射することにより得られる被写体の画像情報を含んだ放射線を可視光に変換し、電荷潜像として記録して、読み取り装置によって読み取ることのできる放射線固体センサーにおいて、放射線を可視光に変換することを担持する蛍光体をセンサー部に塗布した蛍光体塗布型放射線固体センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、放射線固体センサーが広い範囲に利用されている。たとえば、医療用放射線撮像においては、被験者を透過した放射線を放射線固体センサーに照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を放射線固体センサー内の蓄電部に潜像電荷として蓄積させ、放射線画像情報を電荷潜像として記録すると共に、画像読取部によって、電荷潜像に応じた画像信号を蓄電部から読み出す放射線固体センサーが知られている。これらの放射線固体センサーについては種々のタイプのものが提案されている。
【0003】たとえば、前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じた画像信号を取得する電荷読み取りプロセスの面からは、TFT読出方式と直接読出方式とのものがある。
【0004】ここでTFT読出方式とは、TFT(薄膜トランジスタ)を走査駆動して、蓄電部に蓄積した潜像電荷を放射線画像信号に変換して出力するものであり、光読出方式とは、読取り用の電磁波(一般には可視光が用いられる)を照射して蓄電部に蓄積した潜像電荷を画像信号に変換して出力するものである(たとえば、本願出願人による特開平7-72256や、同特願平10-243379号など)。
【0005】一方、放射線固体センサー内で画像情報を担持する潜像電荷を発生させる電荷生成プロセスの面では、光変換方式のものや直接変換のもの、或いは直接変換方式の一つであって、読取光を走査して潜像電荷を読み出す改良型直接変換方式のものがある。
【0006】ここで直接変換方式および改良型直接方式の放射線固体センサーとは、放射線を光導電層照射して直接電荷を発生させるようにしたものである(たとえば、特開平1-216290号、本願出願人による特願平10-232824号や同10-271374号など)。中には、ボケ防止および画像の鮮鋭度が落ちないようにするため、異方化蛍光体を用いた放射線固体センサーも提案されている(本願出願人による特願平11-242874号など)。
【0007】また、光変換方式の放射線固体センサーとは、被写体を透過した放射線を一旦蛍光体からなる光変換部によって可視光に変換した後に、この可視光により電荷を発生させるようにしたものである。
【0008】また、直接変換方式の放射線固体センサーにおいても、X線などの放射線を一旦可視光に変換した後に、この変換された可視光を記録用の光導電層に照射して電荷潜像を記録し得るようにすれば、可視光により記録用光導電層で発生させられる電荷の発生効率を高めることができ、ひいては放射線量を少なくでき、もって被写体の被爆量を低く抑えることができるため、直接変換方式の放射線固体センサーにも、蛍光体層からなる光変換部を設けて、放射線を可視光に変換してから光導電層に照射するようにすることがある(たとえば、本願出願人による特願平10-232824号や同11-87923号など)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来より、上記光変換方式の放射線固体センサーおよび光変換部を設けた直接変換方式の放射線固体センサーにおいて、蛍光体はセンサー部の上に圧をかけて固定されるのが普通である。この場合、蛍光体を直接センサー部の上に置くため、設置する時にセンサー部を破壊する恐れがある上に、振動などにより蛍光体が動くと、蛍光体自体が傷ついて破壊する可能性もある。結果として、画像信号の質が劣化し、放射線固体センサーが完全に使えなくなる可能性がある。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、放射線固体センサーを保護し、良質な画像信号の読取りを可能にする放射線固体センサーを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による放射線固体センサーは、照射された放射線を前記放射線の線量に応じた量の可視光に変換する蛍光体層からなる光変換部と、前記光変換部からの可視光により形成される電荷を蓄積し、放射線画像情報を電荷潜像として記録し、前記電荷潜像を画像情報読み取り装置によって読み取るセンサー部とから成る放射線固体センサーであって、前記蛍光体層が、前記センサー部に塗布された蛍光体からなることを特徴とするものである。
【0012】ここで「塗布」とは、前記蛍光体を放射線固体センサーのセンサー部に塗布することを意味し、該蛍光体を直接センサー部に塗布することのみならず、絶縁層および/または電磁シールド層を介して塗布することも含む。
【0013】「光変換部」とは、放射線を可視光に変換する部分を意味し、主として蛍光体層があるが、絶縁層および/または電磁シールド層を含んでもよい。
【0014】本発明による放射線固体センサーは、前記光変換部に帯電される電荷の前記センサー部への注入を阻止するため、前記蛍光体が前記センサー部に絶縁層を介して塗布されているものであるのが好ましい。この場合、ボケ防止のため、前記絶縁層は光を透過する物質であって、厚さが100μm以下であることが好ましい。
【0015】本発明による放射線固体センサーは、前記蛍光体が何らかの原因により静電気を帯びることがあるため、前記センサー部の前記蛍光体側の上部に電磁シールド層を設けて、静電気を逃がせるようにしたものであるのが好ましい。この場合、前記電磁シールド層は光を透過する物質であることが好ましい。
【0016】また、前記蛍光体のセンサー部側の最下層は接着性のバインダーであることが好ましい。
【0017】また、本発明による放射線固体センサーは前記蛍光体層の厚さが100μm以下であって、該蛍光体層の上に別途蛍光体層が設けられるものであってもよい。この場合、前記別途蛍光体層は異方化蛍光体層であることが好ましい。
【0018】ここで、「異方化蛍光体層」とは、層の厚さ方向に延びる蛍光反射性隔壁部材により蛍光体充填領域が多数の微小房に細分区画された構造を有するものである。
【0019】「隔壁部材により蛍光体充填領域が多数の微小房に細分区画された構造」とあるが、隔壁部材と蛍光体充填領域とがストライプ状に相互に多数配列された1次元配置のものであってもよいし、隔壁部材を市松模様状に配設させた2次元配置のものであってもよい。後者の場合には、蛍光体充填領域の平面形状はどのようなものであってもよく、たとえば、方形であってもよいし、円形であってもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明による放射線固体センサーによれば、蛍光体をセンサー部に塗布し、センサー部と一体にして作るようにしたので、蛍光体設置時にセンサー部を破壊することや、振動などによる蛍光体自身の傷つくことを防ぐことができ、もって放射線固体センサーを保護することができ、良質な画像信号を得ることができる。
【0021】また、光変換部に絶縁層と電磁シールド層を設けるようにしたため、光変換部の導電性および静電気放電による影響を防ぐことができる。
【0022】さらに、本発明による放射線固体センサーは前記蛍光体層の厚さが100μm以下であって、該蛍光体層の上に別途蛍光体層が設けられるものであってもよいため、前記別途蛍光体層に異方化蛍光体層を使用すれば、放射線固体センサーを保護すると共に、光のボケを防ぐことができ、鮮明なる画像を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】本発明による放射線固体センサーは、蛍光体をセンサー部に塗布し、センサー部と一体にして作るようにしたもので、様々な構成が異なる放射線固体センサーに応用し、蛍光体塗布型放射線固体センサーを作ることができる。図1は本発明の実施形態を特願平10-232824号の放射線固体センサーに応用した蛍光体塗布型放射線固体センサーの断面図を示したものである。
【0025】図1に示したように、本発明の実施形態による本例の放射線固体センサーAは、光変換部1とセンサー部2から成り、後述するX線など記録用の放射線(以下「記録光」と称す。)L1を後述する可視光L3に変換する蛍光体層3、接着性バインダー4、導電性を防ぐ絶縁層5、静電防止の電磁シールド層、可視光L3に対して透過性を有する第1の導電体層7、この導電体層7を透過した可視光L3の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層8、導電体層7に帯電される電荷(潜像極性電荷;たとえば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該電荷と逆極性の電荷(輸送極性電荷;上記の例においては正電荷)に対して略導電体として作用する電荷輸送層9、後述する読み取り用の電磁波(以下「読取光」と称す。)L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層10、読取光L2に対して透過性を有する第2の導電体層11を、この順に積層してなるものである。
【0026】蛍光体層3は記録光L1を可視光L3に変換する蛍光体からなるものであって、たとえばヨウ化セシウム(CsI)などを用いるのが好適である。
【0027】絶縁層5は導電性が無く、可視光L3に対して透過性を有するものであって、厚さが100μm以下である必要があり、SiO2などを用いるのがよい。
【0028】電磁シールド層6は静電気を逃がすためにあって、可視光L3に対して透過性を有するものである必要があり、ITOなどを用いるのがよい。
【0029】第1の導電体層7は可視光L3に対して透過性を有するものであり、たとえば、透明ガラス板の上に導電性物質を一様に塗布したもの(ネサ皮膜など)が適当である。
【0030】記録用光導電層8は可視光L3の照射を受けることにより導電性を呈するものであり、たとえば、アモルファスセレン(a−Se)、PbO,PbIなどの酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(Ge,Si)O20,Bi/有機ポリマーナノコンポジットなどのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が適当である。
【0031】電荷輸送層9としては、導電層7に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きいほど良いものであって、特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶など)は光不感性を有するため好ましい。ここで、「光不感性を有する」とは、記録光L1や、可視光L3や、読取光L2の照射を受けても殆ど導電性を呈するものでないことを意味する。
【0032】読取用光導電層10としては、読取光L2の照射を受けることにより導電性を呈するものであり、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPC(PhaseII of vanadyl phtalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分としする光導電性物質が適当である。図2は放射線固体センサーAを用いた記録読取システム(電荷潜像記録装置と電荷潜像読取装置を一体にしたもの)の概略構成図を示したものである。この読取システムは、放射線照射手段12、放射線固体センサーA、電源15、電流検出手段16、読取用露光手段14並びに接続手段S1、S2からとなる。
【0033】放射線固体センサーAの第1導電体層7は接続手段S1を介して電源15の負極に接続されると共に、接続手段S2の一端にも接続されている。接続手段S2の他端の一方は電流検出手段16に接続され、放射線固体センサーAの第2導電体層11、電源15の正極並びに接続手段S2の他端の他方は接地されている。電流検出手段16はオペアンプからなる検出アンプ16aと帰還抵抗16bとからなり、いわゆる電流電圧交換回路を構成している。
【0034】蛍光体層3の上面には被写体13が配設されており、被写体13が記録光L1に対して透過性を有する部分13aと透過性を有しない遮断部(遮光部)13bが存在する。放射線照射手段12は記録光L1を被写体13に一様に爆射するものであり、読取用露光手段14は赤外線レーザー光などの読取光L2を図2中の矢印方向へ走査露光するものであり、読取光L2は細径に収束されたビーム形状をしていることが望ましい。
【0035】記録光L1は被写体13の透過部13aを透過し、光変換部1に入射する。光変換部1の蛍光体層3は、記録光L1を可視光(例えば、青色光)L3に変換するものであり、この変換効率が高いものが望ましい(たとえばヨウ化セシウム(CsI)は、この変換率が高い)。可視光L3は接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6、第1の導電体層7を透過し、記録用光導電層8を照射する。導電性物質(たとえば、アモルファスセレン)を用いた光導電層8は記録光L1に対しても導電性を呈するものではあるが、可視光(たとえば、青色光)L3に対して極めて効率よく導電性を呈するものである。したがって、放射線固体センサーAの場合は、記録光L1直接ではなく変換された可視光(たとえば、青色光)L3により極めて効率よく光導電層8において正負の電荷対を発生させることができる。また、上述のようにヨウ化セシウム(CsI)を用いた場合、記録光L1を青色可視光L3に変換する変換率も高いので、記録光L1の照射量を少なくしても十分に多く電荷を蓄積させることができるようになり、もって被写体に対しての被爆線量を低く抑えることができるようになる。
【0036】また、蛍光体層3として、記録光L1をほかの波長領域の可視光(たとえば、赤色光)にも変換するものを使用し(たとえば、Y:Eu、YVO:Euなどの赤色光に発光する蛍光体とCsIなど青色光に発光する蛍光体を混合したシンチレータ)、読取用光導電層10がこの赤色光によっても光導電性を呈するもの(たとえば、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンなど)を使用すれば、アモルファスセレンを用いた光導電層8は赤色光に対しては光導電性を呈さず光導電層8および電荷輸送層9を透過するから、赤色光に一部には光導電体10を照射するものが存在し、この赤色光により光導電層10は導電性を呈するようになる。このため、記録光L1が大量に照射された場合においても、過度に蓄積電荷量が増えるのを防ぐことができる。
【0037】上記のように光導電層8は被写体13の透過部13aを透過し、蛍光体層3によって変換され、接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6、および第1導電体層7を透過した可視光L3を受け導電性を呈すようになる。結果として、光導電層8の中に負電荷(−)およに正電荷(+)が生じる。図2では、これらの電荷を−または+を○囲んで表すものとする。
【0038】光導電層8に生じた正電荷は光導電層8中を導電体層7に向かって高速移動し、導電体層7と光導電層8との界面で導電体層7に帯電している負電荷と電荷を再結合して、消滅する(図3、図4を参照)。一方、光導電層8に生じた負電荷は光導電層8の中を電荷輸送層9に向かって移動する。電荷輸送層9は導電体層7に帯電した電荷と同じ極性の電荷(本例では負電荷)に対して絶縁体として作用するものであるから、光導電層8中を移動してきた負電荷は光導電層8と電荷輸送層9との界面で停止し、この界面に蓄積されることになる(図3、図4を参照)。蓄積される電荷量は光導電層8中に生じる負電荷の量、即ち、記録光L1の被写体13を透過した光量によって定まるものである。
【0039】一方、記録光L1は被写体13の遮光部13bを透過しないから、放射線固体センサーの下部にあたる部分は何ら変化を生じない。
【0040】このようにして、被写体13に記録光を爆射することにより、被写体像に応じた電荷を光導電層8と電荷輸送層9との界面に蓄積することができる。この蓄積させられた電荷による被写体像を電荷潜像という。この電荷潜像は読取装置によって読み出される。本例の放射線固体センサーAでは、電荷潜像読取装置部分は放射線固体センサー本体A、読取用露光手段14、電流検出手段16、接続手段S2とからなるが、ここで詳細を説明するのを省く。
【0041】本発明による蛍光体塗布型放射線固体センサーは上述の例に限らず、蛍光体をセンサー部に塗布するようにすれば、種々の材料の変更、機能の向上処理を施した放射線固体センサーに応用することができる。
【0042】たとえば、上述の蛍光体塗布型放射線固体センサーAには、読取用光導電層10が読取光L2の照射を受けることによって導電性を呈する材質のものとするが、図5に示した蛍光体塗布型放射線固体センサーBのように、基本的な構造がセンサーAと同じであるが、変換された記録光L3の照射を受けることによっても導電性を呈する材質のものを用いて、読取用光導電層10aを構成してもよい。
【0043】また、図6に示した蛍光体塗布型放射線固体センサーCのように、基本的な構造もセンサーAと同じであるが、導電体層7に帯電した電荷(本例においては負電荷であり、記録光L1、直接には、記録光L1から変換された可視光L3の照射により発生したものではないため、ノイズ成分となる)が光導電層8に注入されることと、導電体層11に帯電した電荷(本例においては正電荷であり、ノイズ成分となる)が光導電層10に注入されることとを防ぐため、導電体層7と光導電層8との間、および/または導電体層11と光導電層10との間に、それぞれ電荷ブロッキング層17a、17bを設けるように構成してもよい。
【0044】図7、図8、図9は本発明による実施形態を特願平11-87923号の放射線固体センサーに応用した蛍光体塗布型放射線固体センサーを示す図であり、図7は斜視図、図8はP矢指部のXY断面図、図9はQ矢指部のXZ断面図である。
【0045】図7、図8、図9に示したように、本発明の実施形態による本例の蛍光体塗布型放射線固体センサーDは、蛍光体層3、接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6からなる光変換部と、多数の平板状のエレメント(線状電極)19aをストライプ状に配列してなる第1ストライプ電極19が形成された第1電極層18、蛍光体層3によって変換された可視光を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層20、前露光光の照射を受けることにより導電性を呈する前露光用光導電体層21、多数の平板状のエレメント23aを第1のストライプ電極19に対して交差するようにストライプ状に配列してなる第2ストライプ電極23が形成された第2電極層22からなるセンサー部とを、この順に積層してなるものである。記録用光導電層20と前露光用光導電層21との間に潜像電荷を蓄積する蓄電部24が形成される。
【0046】ここで、「前露光光」とは、記録用の放射線が照射される前に固体センサーDに照射される、該固体センサーDの蓄電部24に略一様に電荷を蓄積させることができる波長および強度の電磁波を意味し、必ずしも可視光に限定されたものではない。
【0047】「線状電極」とは、全体として細長い形状の電極を意味し、細長い形状を有している限り、円柱状のものや、角柱状のものなどのようなものであってもよいが、特に、平板電極とするのが好ましい。
【0048】被写体13の透過部13aを透過した放射線L1は蛍光体層3によって可視光L3に変換され、接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6、第1電極層18を透過し、記録用光導電層20に入射し、電荷を発生させ、蓄電部24に電荷を蓄積させる。この蓄積された電荷潜像は読取装置によって読み出される。
【0049】本例の放射線固体センサーDの読取装置部の説明をここで省くが、該センサーDの特徴としては、TFTも、レーザー走査系も使用することがなく、簡易な画像情報の記録および読取ができることであって、蛍光体3が絶縁層5、電磁シールド層6を介してセンサー部に塗布されているので、蛍光体3およびセンサー部を保護でき、もって放射線固体センサーDそのものを保護できて、画像の質を守ることができる。
【0050】図10、図11、図12も本発明による実施形態を特願平11-87923号の放射線固体センサーに応用した蛍光体塗布型放射線固体センサーを示す図であり、図11は斜視図、図11はP矢指部のXY断面図、図12はQ矢指部のXZ断面図である。
【0051】図10、図11、図12に示したように、本発明の実施形態による本例の蛍光体塗布型放射線固体センサーEは、放射線固体センサーDの記録用光導電層20を記録用光導電層28に置き換え、前露光用光導電層21を誘電体層29に置き換えたものである。すなわち、蛍光体塗布型放射線固体センサーEは、蛍光体層3、接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6からなる光変換部と、多数の平板状のエレメント(線状電極)27aをストライプ状に配列してなる第1ストライプ電極27が形成された第1電極層26、前露光光の照射を受けることにより導電性を呈すると共に記録光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層28、誘電体層29、多数の平板状のエレメント31aをストライプ状に配列してなる第2ストライプ電極31が形成された第2電極層30からなるセンサー部とを、この順に積層してなるものである。記録用光導電層28と誘電体層29の間に潜像電荷を蓄積する蓄電部32が形成される。
【0052】被写体13の透過部13aを透過した放射線L1は蛍光体層3によって可視光L3に変換され、接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6、第1電極層26を透過し、記録用光導電層28に入射し、電荷を発生させ、蓄電部32に電荷を蓄積させる。この蓄積された電荷潜像は読取装置によって読み出される。
【0053】本例の放射線固体センサーEの読取装置部の説明もここで省くが、放射線固体センサーDと同じように、本例の固体センサーEは、蛍光体3が絶縁層5、電磁シールド層6を介してセンサー部に塗布されているので、蛍光体3およびセンサー部を保護でき、もって放射線固体センサーEそのものを保護できて、画像の質を守ることができる。
【0054】上記の説明にあった放射線固体センサーが読取プロセスにおいては、TFTを使用していないが、本発明による実施形態は読取プロセスにTFTを使用した放射線固体センサーにも応用できる。
【0055】図13、図14は本発明による実施形態を特開平7-72256の放射線固体センサーに応用した蛍光体放射線固体センサーを示す図であり、図13は本例の放射線固体センサーFの断面を示す概略図で、図14は放射線固体センサーFに使用される固体光検出素子の詳細を示す図である。
【0056】特開平7-72256の放射線固体センサーは、多数の固体光検出素子からなる放射線固体センサーに設けられている信号アンプ容量の誤差、固体光検出素子の感度のばらつきなどにより生じる画像のノイズを除去するように、放射線固体センサーから読み出された画像信号に対してゲイン補正および/またはオフセット補正を行い、高画質の放射線画像を得るためのものである。
【0057】ここで、「ゲイン補正」とは、一様な放射線を照射した時の画像信号がすべての固体光検出素子または素子群について略一同となるように補正することを意味し、「オフセット補正」とは、固体光検出素子ごとまたは素子群毎に放射線を照射しない時の画像信号の値が0となるように補正することを意味する。
【0058】本例による放射線固体センサーFのセンサー部は固体光検出素子37を2次元に複数配置するように構成されている。図14に示したように、固体光検出素子37は、樹脂シートからなる基盤40の上にパターン成形した導電膜からなる信号線41があり、主として光変換部としてのフォトダイオード38と、転送部としてのTFT39とならなる。
【0059】被写体13の透過部13aを透過した放射線L1は蛍光体層3によって可視光L3に変換され、接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6を透過し、センサー部に入射し、固体光検出素子37の光変換部となるフォトダイオード38により電荷を発生させ、一時的に転送部となるTFT39に蓄電させる。蓄積された潜像電荷は不図示の検出回路へ転送され、画像信号補正装置35によりゲイン補正および/またはオフセット補正処理を施されて、画像再生装置36に出力される。
【0060】図15は本発明による実施形態をTFTを使用する特願平10-243379の放射線固体センサーに応用した蛍光体放射線固体センサーGを示す概略断面図である。
【0061】特開平7-72256の放射線固体センサーは直接変換方式の放射線固体センサーにおいて、高周波成分減衰手段として蛍光体を設置し、折返ノイズを減少させ、高質な画像を得ることを目的とするものである。
【0062】図15に示したように、本例の放射線固体センサーGの画像読取部44は、たとえば厚さ3mmの石英ガラスからなる絶縁基板上に所定のピッチでマトリクス上に配列されたそれぞれが画素に対応する複数個の電荷収集電極44aと、各電荷収集電極44aで収集された電荷を潜像電荷としてそれぞれ蓄積するコンデンサ44bおよび該コンデンサ44bに蓄積された潜像電荷を不図示の検出回路側へ転送するTFTなどのスイッチング素子44cとならなる。
【0063】被写体13の透過部13aを透過した放射線L1の一部は蛍光体層3によって可視光L3に変換され、変換された可視光L3と残りの放射線L1とが接着性バインダー4、絶縁層5、電磁シールド層6、第1の電極42を透過し、放射線導電体43に入射する。放射線導電体43としては、可視光および放射線の何れの照射を受けても電荷を発生するものを使用しているので、可視光L3と残りの放射線L1が放射線導電体43に入射すると、それぞれが担持する画像情報に応じた電荷が放射線導電体43に発生し、画像読取部44により読み取られる。上記のように、光変換方式、直接変換方式、TFTを使用したものなどさまざまな蛍光体塗布型放射線固体センサーについて説明したが、上記の実施例に限らず、蛍光体を使用する放射線固体センサーであれば、図16に示したように、上記説明と同様に、蛍光体塗布型放射線固体センサーを実現することができる。絶縁層5、電磁シールド層6は実際の放射線固体センサーの構成によっては、設けなくてもいい場合がある。
【0064】上記説明においては、蛍光体をセンサー部に塗布するように説明したが、図17に示したように、画像の鮮鋭度の向上を図るため、該塗布された蛍光体の厚さが100μm以下とし、その上に異方化蛍光体層を設けるようにすることもできる。この場合、異方化蛍光体を塗布する必要がなく、塗布された蛍光体の上に設置するだけでよい。




 

 


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