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発明の名称 放射線像変換パネルの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−59898(P2001−59898A)
公開日 平成13年3月6日(2001.3.6)
出願番号 特願平11−236574
出願日 平成11年8月24日(1999.8.24)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2G083
【Fターム(参考)】
2G083 AA03 BB01 CC02 CC07 DD16 EE01 EE02 
発明者 高須 厚徳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも支持体と該支持体に積層される蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記支持体に前記蛍光体層を積層する前に、該蛍光体層の前記支持体に接触する側の表面を平滑化処理することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
【請求項2】 少なくとも支持体と、複数枚の蛍光体シートを積層してなる蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記蛍光体シートを積層する前に、前記蛍光体シート同士の貼り合わせ面のうち少なくとも片方の蛍光体シートの貼り合わせ表面を平滑化処理することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
【請求項3】 前記平滑化処理をカレンダーロールにより行うことを特徴とする請求項1または2記載の放射線像変換パネルの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体の輝尽特性を利用した放射線像変換パネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代る方法として、たとえば特開昭55-12145号などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が利用されている。放射線像記録再生方法は、輝尽性蛍光体を有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)を利用するもので、被写体を透過した放射線、あるいは被検体から発せられた放射線をパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得たのち、この電気信号を画像化するものである。
【0003】この放射線像記録再生方法によれば、従来の放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。従って、この放射線像記録再生方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影等の直接医療用放射線撮影において利用価値が非常に高いものである。
【0004】上記放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルは、一般に支持体とその片面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなる基本構造を持ち、通常長方形あるいは正方形のシート状の形状を有する。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側の表面(即ち、支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は、輝尽性蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持するバインダ(結合剤あるいは結着剤ともいう)とからなるものであり、この輝尽性蛍光体は、X線などの放射線を吸収したのち可視光線あるいは赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると発光(輝尽発光)を示す性質を有するものである。従って、被写体を透過した、あるいは被検体から発した放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、放射線像変換パネル上に被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像(潜像)として形成される。この蓄積像は、電磁波でパネルを時系列的に励起することにより輝尽発光として放射させることができ、この輝尽発光を光電的に読み取って電気信号に変換し、放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0006】放射線像変換方法は上述のように非常に有利な画像形成方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルも従来の放射線写真法に用いられる増感紙と同様に、高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれる。蛍光体層内の蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚を薄くすることができるから、散乱による励起光の広がりを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。このような蛍光体が密に充填された蛍光体層を持つ放射線像変換パネルの製造方法の一つとして、蛍光体層をカレンダー処理することにより蛍光体の充填密度を上げて画質を向上させる放射線像変換パネルの製造方法(特開平2-278197号)が知られている。
【0007】また、放射線像変換パネルの蛍光体量によるのではなく、検出器を変えることによっても感度の向上が図られている。たとえば、検出器を複数備えることによって輝尽発光光の検出効率を上げることにより画質を向上させる放射線像変換パネルの読取方法として、両面集光による読取方法(特開昭55-087970号)が知られている。この両面集光読取方法は放射線像変換パネルの表面だけではなく裏面からもより多くの発光量を検出することができるので高画質な画像を得ることができる優れた読取方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蛍光体層と支持体との接触面(界面)が乱れていると高画質が望めなくなることがある。これは、蛍光体層と支持体の界面の乱れにより、励起光が不均一に散乱し、粒状が悪化するためであるが、特に蛍光体シートを何枚も積層して蛍光体層が作製されている放射線像変換パネルでは、蛍光体シート同士の貼り合わせ界面が多数存在するので、界面の乱れが励起光の散乱に与える影響は大きくなる。また、高画質の画像を得ることができる両面集光読取方法においては、放射線像変換パネルの裏面からも発光量を検出するので、放射線像変換パネルの片面から読み取る場合よりも界面の乱れが得られる画像の質に与える影響は大きくなる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、蛍光体層と支持体あるいは蛍光体シート同士などの貼り合わされた(重ね合わされた)界面の乱れに起因する励起光の散乱を軽減し、高画質の画像を得ることができる放射線像変換パネルの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、少なくとも支持体と該支持体に積層される蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記支持体に前記蛍光体層を積層する前に、該蛍光体層の前記支持体に接触する側の表面を平滑化処理することを特徴とするものである。
【0011】上記蛍光体層は1枚の蛍光体シートからなるものであっても、また、複数枚の蛍光体シートを積層してなるものであってもよく、従って支持体に接触する側の表面が平滑化処理されているとは、蛍光体層が一枚の蛍光体シートであれば、その蛍光体シートが支持体に接触する側の面が平滑化処理されていることを、蛍光体層が複数枚の蛍光体シートからなる場合には、蛍光体層を構成する蛍光体シートのうち支持体と接触する蛍光体シートの接触する側の面が平滑化処理されていることを意味する。
【0012】本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、少なくとも支持体と、複数枚の蛍光体シートを積層してなる蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記蛍光体シートを積層する前に、前記蛍光体シート同士の貼り合わせ面のうち少なくとも片方の蛍光体シートの貼り合わせ表面を平滑化処理することを特徴とするものである。
【0013】たとえば、2枚の蛍光体シートが積層されている場合には、その2枚の蛍光体シートのうちより支持体に近い側の蛍光体シート、またはもう一方の蛍光体シートの貼り合わせ表面の少なくともいずれかが平滑化処理されていることを意味する。3枚の蛍光体シートが積層されている場合には、積層される蛍光体シートのうちより支持体に近い側の2枚の蛍光体シートの貼り合わせ面、または支持体からより遠い2枚の蛍光体シートの貼り合わせ面と2ヶ所の貼り合わせ面が存在するが、それぞれの貼り合わせ面において、いずれか片方の蛍光体シートの貼り合わせ表面が平滑化処理されていることを意味する。但し、貼り合わせられた一方の蛍光体シートのみではなく両方の蛍光体シート、すなわち貼り合わされる両面が平滑化処理されていてもよい。
【0014】前記平滑化処理は、カレンダーロールにより行うことが好ましい。
【0015】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、少なくとも支持体と該支持体に積層される蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記支持体に前記蛍光体層を積層する前に、該蛍光体層の前記支持体に接触する側の表面を平滑化処理するので、支持体と蛍光体層の接触する界面を平滑化することができ、貼り合わせ界面における微妙な凹凸に起因すると考えられる画像ノイズを効果的に抑制し、画質の向上を図ることができる。
【0016】また、本発明の放射線像変換パネルの製造方法は、少なくとも支持体と、複数枚の蛍光体シートを積層してなる蛍光体層とからなる放射線像変換パネルの製造方法において、前記蛍光体シートを積層する前に、前記蛍光体シート同士の貼り合わせ面のうち少なくとも片方の蛍光体シートの貼り合わせ表面を平滑化処理するので、積層される蛍光体シートと同士の界面を平滑化することができ、蛍光体シート同士の貼り合わせ界面における微妙な凹凸に起因すると考えられる画像ノイズを効果的に抑制し、画質の向上を図ることができる。
【0017】なお、保護層側から励起光を照射して保護層側表面、支持体側裏面の両面から輝尽発光光を検出する両面集光方式による読取装置に、本発明の製造方法により製造された放射線像変換パネルを用いると、界面の乱れが抑制されるので画質を顕著に向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。たとえば、以下のような輝尽性蛍光体が挙げられる。
【0019】米国特許第 3,859,527号明細書記載のSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2 :Er、およびLa22S:Eu,Sm、特開昭55-12142号記載のZnS:Cu,Pb、BaO・xAl23:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、及びMIIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはMg、Ca、Sr、Zn、CdまたはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦2.5である)、特開昭55-12143号記載の(Ba1-x-y,Mgx ,Cay )FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つであり、xおよびyは、0<x+y≦0.6かつxy≠0であり、aは10-6≦a≦5×10-2である)、特開昭55-12144号記載のLnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)、特開昭55-12145号記載の(Ba1-x ,M2+x )FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)、特開昭 55-160078号記載のMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al23、Y23 、La23、In23 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、GeO2、SnO2、Nb25 、Ta25、およびThO2 のうちの少なくとも一種、Lnは、Eu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ5×10-5≦x≦0.5および0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭 56-116777号記載の(Ba1-x ,MIIx )F2 ・aBaX2 :yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭 57-23673号記載の(Ba1-x ,MIIx )F2 ・aBaX2:yEu,zB(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzは、それぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦2×10-1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭 57-23675号記載の(Ba1-x ,MIIx )F2 ・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なくとも一種、Aはヒ素およびケイ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭 58-69281号記載のMIII OX:xCe(ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭 58-206678号記載のBa1-xx/2x/2 FX:yEu2+(ただし、MはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-27980号記載のBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aはテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-47289号記載のBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56479号記載のBaFX・xNaX':aEu2+(ただし、XおよびX’は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56480号記載のMIIFX・xNaX':yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX’は、それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-75200号記載のMIIFX・aMI X’・bM’IIX”2・cMIII X"'3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M’IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’、X”およびX"'は、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c≧10-6であり;xは0<x≦0.5、yは0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60-84381号記載のMII2 ・aMIIX’2 :xEu2+(ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX’はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで、かつX≠X’であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭 60-101173号記載のMIIFX・aMI X’:xEu2+(ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aおよびxは、それぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62-25189号記載のMI X:xBi(ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、そして特開平2-229882号記載のLnOX:xCe(但し、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦0.998であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λが550nm<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体。
【0020】なお、前記特開昭60-84381号記載のMII2・aMIIX’2:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物がMII2・aMIIX’21モル当り以下の割合で含まれていてもよい。特開昭60-166379号に記載のbMI X”(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X”はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭 60-221483号記載のbKX”・cMgX"'2・dMIII X""3 (ただし、MIIIはSc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X”、X"'およびX""はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c+dである);特開昭 60-228592号記載のyB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭 60-228593号公報に記載のbA(ただし、AはSiO2 およびP25からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10-4≦b≦2×10-1である);特開昭 61-120883号記載のbSiO(ただし、bは0<b≦3×10-2である);特開昭61-120885号記載のbSnX”2(ただし、X”はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10-3である);特開昭 61-235486号記載のbCsX” ・cSnX"'2(ただし、X”およびX"'はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcは、それぞれ、0<b≦10.0および10-6≦c≦2×10-2である);および特開昭 61-235487号記載されているbCsX”・yLn3+(ただし、X”はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10-6≦y≦1.8×10-1である)。
【0021】また、特願平4-276540号明細書に記載の、下記組成式(I):BaFX・aNaX'・dCsX"・eCaX'"2・fSrX""2・gCaO・hSrO: bCe3+ …(I)
(ただし、XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はBr及び/又はIであり;X”、X '”及びX””はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;a、d、e、f、g及びhは、10-4≦a+d+e+f+g+h≦10-1の条件を満足する数値であり;そしてbは10-5≦b≦10-2の範囲の数値である。)で表わされるセリウム賦活フッ化ハロゲン化バリウム系蛍光体、特に、下記組成式(II):BaFX・aNaX':bCe3+ …(II)
(ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はBrおよび/またはIであり;そしてaおよびbはそれぞれ0<a≦10-1および10-5≦b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム賦活フッ化ハロゲン化バリウム系蛍光体も有利に使用することもできる。
【0022】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活またはセリウム賦活のアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、およびセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体等の希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に、輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0023】輝尽性蛍光体層のバインダとしては、例えばゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライドのような天然高分子物質;およびポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂などのような合成高分子物質などにより代表されるポリマーを挙げることができる。このような結合剤は、その分子構造、分子量の違い等によって柔軟性が変化するため、その中で適度な柔軟性をもつものを選ぶことが好ましい。特に好ましいものは、輝尽性蛍光体層に適度な柔軟性を与えるポリウレタン、エポキシ樹脂、あるいはこれらの樹脂と他のポリマーとの混合物である。なお、これらのバインダは架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
【0024】輝尽性蛍光体層は、たとえば、次の方法により形成することができる。まず上記の輝尽性蛍光体およびバインダを適当な溶剤に添加し、これを充分に混合して、バインダ溶液中に蛍光体粒子が均一に分散もしくは溶解塗布液を調製する。塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;そしてそれらの混合物を挙げることができる。
【0025】塗布液におけるバインダと輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般にはバインダと蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれる。そして1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶことが好ましく、特に1:8乃至1:30(重量比)の範囲から選ぶことが好ましい。
【0026】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体粒子の分散性を向上させるための分散剤、および形成後の蛍光体層(蛍光体シート)中におけるバインダと蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤など種々の添加剤が混合されていてもよい。
【0027】上記のようにして調製された蛍光体粒子とバインダを含有する塗布液を、プラスチックシート、ガラス板、金属板などのような平面を有する仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いることにより行なうことができる。ついで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥し、蛍光体シートの形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、バインダと蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm〜1mmとする。ただし、この層厚は50〜500μmとするのが好ましく、特に100〜400μmとするのが好ましい。従って、蛍光体シートの厚みは、蛍光体層の厚みと積層する蛍光体シートの枚数に応じて調整される。
【0028】上記のようにして塗布液から形成された塗膜中では、比重の大きい蛍光体粒子がより多く下側に沈み、従って、蛍光体粒子/バインダ重量比は底面(仮支持体に接触している側)付近で最大となり、上表面付近で最小となる。なお、塗布液中に着色剤を使用した場合には、着色剤粒子は蛍光体粒子に比べて比重が小さく塗布層内でバインダと一緒に移動し易いため、相対的に上側に多く集まる。また、着色剤として塗布液に溶解する染料を用いた場合にも、バインダと共に上層側に多く分布するようになる。これらの蛍光体粒子、バインダ、そして着色剤の偏りは、塗膜から溶媒を除去する乾燥過程において更に助長される。従って、乾燥して得られた蛍光体シートにおける蛍光体粒子/バインダ重量比は底面付近で最大となり、また着色剤は上表面側により多く分布するようになる。
【0029】複数の蛍光体シートを積層した蛍光体層を有する放射線像変換パネルを製造するには、上記の特徴的な成分分布を有する蛍光体シートを所望のバインダー分布となるように重ね合わせる。重ね合わせ方は、形成した蛍光体シートの厚み、用いたバインダの種類、蛍光体粒子との混合比、放射線像変換パネルの用途などに応じて調整することができるが、たとえば、両面集光読取方法に用いる放射線像変換パネルにおいて、蛍光体シートを2枚積層する場合には、仮支持体に塗布されていた際に仮支持体に接合していた面(裏面)同士を重ねあわせて接合することが好ましい。また、蛍光体シートを3枚以上積層する場合には、少なくとも支持体に直接接合する蛍光体シートは裏面を支持体に接合させることが好ましい。
【0030】本発明の放射線像変換パネルは、通常は繰り返し使用されるため、蛍光体層の一方の側の表面(励起光が入射する側の表面)、好ましくは両側面に、厚さ30μm以下の薄い透明プラスチックフィルム層を備えていることが好ましい。透明プラスチックフィルム層は、例えば酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、フルオロオレフィン・ビニルエ−テルコポリマーなどの合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体の表面に塗布する方法により形成することができる。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリアミドなどから別途形成した透明な薄膜を蛍光体シートの表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成することができる。なお、上記の薄い透明プラスチックフィルムを設けなかった面には、通常の放射線像変換パネル用の支持体で透明なものを付設してもよい。
【0031】平滑化処理は、たとえばカレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは、通常一対のロール(金属ロールと金属ロールとの組合せ、金属ロールとゴムロールとの組合せ、ゴムロールとゴムロールとの組合せなど)からなる。カレンダーロールによる平滑化処理について、まず図1(a)を参照して説明する。図1(a)は支持体に蛍光体層が積層された放射線像変換パネルである。この場合には、支持体10と蛍光体層11を積層する前に、蛍光体層11が支持体10に接触する側の表面11a をカレンダーロールにより平滑化処理し、平滑化処理した蛍光体層11を支持体10に積層しカレンダーロールにより再び圧縮処理する。従ってこの場合には、蛍光体層11の両面11a、11bが平滑化処理されたことになる。
【0032】続いて、蛍光体シートが2枚積層された放射線像変換パネルの場合を図1(b)を参照して説明する。図1(b)に示す放射線像変換パネルは、支持体10と、2枚の蛍光体シート11、12を積層してなる蛍光体層13とからなるパネルである。この場合には、支持体10と蛍光体シート11、蛍光体シート12を積層する前に、蛍光体シート11、12同士の貼り合わせ面11b、12aのうち少なくともいずれかの蛍光体シートの貼り合わせ表面をカレンダーロールにより平滑化処理する。蛍光体シート11の上側表面11b を平滑化する場合には、支持体10に蛍光体シート11を積層し、次いでカレンダーロールにより平滑化処理を行い、続いて蛍光体シート11の上に蛍光体シート12を積層してカレンダーロールにより平滑化処理を行う。この場合には、蛍光体シート11の上側表面11bと、蛍光体シート12の上側表面12bが平滑化されることになる。
【0033】一方、蛍光体シート12の下側表面12a を平滑化する場合には、蛍光体シート12を積層する前に、蛍光体シート12の下側表面12a をカレンダーロールにより平滑化処理し、平滑化処理した蛍光体層12を蛍光体シート11に積層し、カレンダーロールにより圧縮処理する。この場合には、蛍光体シート12の両面12a、12bが平滑化されることになる。もちろん、平滑化は、全ての面すなわち、蛍光体シート11の両面蛍光体シート12の両面において行ってもよい。なお、ここでは2枚の蛍光体シートから蛍光体層が形成されている放射線像変換パネルについて説明したが、積層される蛍光体シート数がさらに増えた場合にも同様の方法により積層することができる。
【0034】カレンダーロールによる平滑化処理は通常、50〜2000kg/cm2の圧力で実施される。蛍光体層となる蛍光体シートの圧縮はバインダの軟化温度または融点以下の温度で行う。具体的には、30〜200℃ の温度で行うことが好ましい。以下に実施例を示す。
【0035】(実施例1)蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体:14面体形状蛍光体(BaFBr0.850.15:Eu2+)1000g、結合剤としてポリウレタンエラストマー 32g(大日本インキ化学工業(株)、ハ゜ンテ゛ックスT-5265H )をメチルエチルケトンに溶解して固形分濃度=13wt%としたもの、架橋剤 3g(ポリイソシアネート;日本ホ゜リウレタン工業(株)、コロネートHX)、黄変防止剤 15g(エポキシ樹脂;油化シェルエホ゜キシ(株)、エヒ゜コート#1001(固形))を、溶剤メチルエチルケトン120gに加えて、プロペラミキサーを用いて溶解分散させ粘度が25ps(25℃)の塗布液を調整した(結合剤/蛍光体 重量比=1/20)。この塗布液を、仮支持体(シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート(厚み:180μm))上にドクターブレードを用いて均一に塗布し、塗膜を乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シート(膜厚=200μm、塗布幅400mm)を2枚作製した。
【0036】次に、裏面保護層及び導電性下塗層付き支持体の準備を行った。フッ素系樹脂93g(フルオロオレフィン=ビニルエーテル共重合体;旭硝子(株)、ルミフロンLF-504X(30%キシレン溶液))、架橋剤 5g(ポリイソシアネート;住友ハ゛イエルウレタン(株)、スミシ゛ュールN3500(固形分100%))、滑り剤 1g(アルコール変成シリコーン;信越化学(株)X-22-2809(66%キシレン含有ヘ゜ースト))、光散乱剤 6g(メラミン=ホルムアルデヒド縮合物;(株)日本触媒、エホ゜スターS6 )、カップリング剤 0.1g(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート;味の素(株)、フ゜レンアクAL-M)、触媒 0.3mg(ジブチルチンジラウレート;共同薬品(株)、KS1260)をメチルエチルケトン67gに添加し、分散、溶解させて粘度が約3cpsの裏面保護層塗布液を調整した。この塗布液を厚さ250μm のPETシート(ルミラーS-10;東レ(株)製)の片側表面に塗布し、120℃で20分間加熱し、乾燥させるとともに熱硬化させ、厚さ2μm の裏面保護層を設けた。さらにバイロン300(不飽和ポリエステル樹脂;東洋紡(株)製)15gに FSS-10P MEK分散体(石原産業(株)製 SnO2(Sbト゛ーフ゜)針状微粒子(長軸=0.2〜2μm、短軸=0.01〜0.02μm);固形分=30wt% )56g、及びメチルエチルケトン48gを加え、調液し、粘度約30cps程度の液とし、この塗布液を上記裏面保護層付き支持体の裏面保護層とは反対側の面に塗布し、80℃〜120℃ の温度で段階的に加熱、乾燥させ、厚さ3μmの導電層(全固形分に対する導電性材料の含有率:70wt% )を形成した。このようにして裏面保護層及び導電性下塗層付き透明支持体を作製した。
【0037】次にカレンダー機を用いて熱圧縮処理を行った(図2を参照)。まず、第一の蛍光体シートを仮支持体から剥離し、裏面保護層24及び導電性下塗層23付きの透明支持体20の導電性下塗層表面23a に、この第一蛍光体シート21の仮支持体に接していた面21bとは反対側の面21a が導電性下塗層表面23aと接するように重ね合わせ、200mmφ の金属ロール対を有するカレンダー機を用いて、総荷重2ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度1m/minで加熱圧縮した。この際、熱圧縮処理と同時に、第一蛍光体シート21のカレンダーロールに接触した面21b が平滑化処理された。次に第二の蛍光体シート22を仮支持体から剥離し、上記第一蛍光体シート21上に、第二蛍光体シート22の仮支持体に接していた面22aが第一蛍光体シート表面21b と接するように重ね合わせ、第二蛍光体シート22を裏面保護層及び導電性下塗層付き透明支持体に同じ装置、条件で加熱圧縮して第一蛍光体シートと第二蛍光体シートからなる蛍光体層を形成した。以上の工程により、第一蛍光体シート21の上面21b、及び第二蛍光体シート22の上面22bが平滑化処理された。
【0038】次に、支持体の裏面保護層と同じ組成の塗布液を6μm厚PETフィルム(東レ(株)、ルミラー6c-F53)上片側表面に同様に塗布し、厚さ2μm の滑り層を設けた。さらに塗布層と反対側に不飽和ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績(株),ハ゛イロン30SS)を塗布し、50〜100℃の温度で段階的に加熱乾燥して接着層(接着剤塗布重量2g/m2)を設けた。このPETフィルムを、ラミネートロールを用いて、先に作製した蛍光体層上に接着層を介して接着して保護層を形成し、パネルを完成させた。
【0039】(実施例2)熱圧縮処理において(図2参照)、第二蛍光体シート22の表面22b だけでなく、第一蛍光体シート21と接する面22a にも平滑化処理を行った以外は実施例1と同様に行った(従って、平滑化処理された面は、第一蛍光体シート11の上面11b、第二蛍光体シート12の両面12a、12b)。
【0040】第二蛍光体シートを仮支持体から剥離し、新しい仮支持体の上に、仮支持体に接していた面とは反対側の面が接するように重ね合わせ、同じカレンダー機を用いて総荷重1ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度1m/minで平滑化処理を行った。この第二蛍光体シートを再度仮支持体から剥離し、上記第一蛍光体シート上に新しい仮支持体に接していた面とは反対側の面(平滑化処理時にカレンダーロールに接触していた面)が第一蛍光体シート表面と接するように重ね合わせ、第一蛍光体シートを形成したのと同じ装置、条件で加熱圧縮して、第一蛍光体シート及び第二蛍光体シートからなる蛍光体層を形成した。
【0041】(比較例1)第一蛍光体シート及び第二蛍光体シートを共に仮支持体から剥離し、仮支持体に接していた側の面が互いに接するように重ね合わせ、この重ね合わせた蛍光体シートを、裏面保護層及び導電性下塗層付き透明支持体の導電性下塗層表面に重ね合わせ、200mmφ の金属ロール対を有するカレンダー機を用いて、総荷重2ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度1m/minで加熱圧縮して蛍光体層を作製し、パネルを完成した。
【0042】(実施例3)蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体:14面体形状蛍光体(BaFBr0.850.15:Eu2+)500g、結合剤19g(ポリウレタンエラストマー;大日本インキ化学工業(株)、ハ゜ンテ゛ックスT-5265H )をメチルエチルケトンに溶解して固形分濃度=13wt% としたもの、架橋剤 1g(ポリイソシアネート;日本ホ゜リウレタン工業(株),コロネートHX)、黄変防止剤 5g(エポキシ樹脂;油化ェルエホ゜キシ(株)、エヒ゜コート#1001(固形))、着色剤100mg(群青 SM-1;第一化成工業(株)製)を、溶剤メチルエチルケトン48gに加えて、プロペラミキサーを用いて溶解分散させ粘度が20ps(25℃)の塗布液を調整した(結合剤/蛍光体 重量比=1/20 )。この塗布液を、仮支持体(シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート(厚み:180μm))上にドクターブレードを用いて均一に塗布し、塗膜を乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シート(膜厚=200μm、塗布幅400mm)を作製した。
【0043】次に、裏面保護層、導電層及び接着層付き支持体の準備を行った。フッ素系樹脂 93g(フルオロオレフィン=ビニルエーテル共重合体;旭硝子(株)、ルミフロンLF-504X (30%キシレン溶液))、架橋剤 5g(ポリイソシアネート;住友ハ゛イエルウレタン(株)、スミシ゛ュールN3500(固形分100%))、滑り剤 1g(アルコール変成シリコーン;信越化学(株)X-22-2809(66%キシレン含有ヘ゜ースト))、光散乱剤 6g(メラミン=ホルムアルデヒド縮合物;(株)日本触媒、ホ゜スターS6 )、カップリング剤 0.1g(アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート;味の素(株)、フ゜レンアクAL-M)、触媒 0.3mg(ジブチルチンジラウレート;共同薬品(株)、KS1260 )をメチルエチルケトン67gに添加し、分散、溶解させて粘度が約3cpsの裏面保護層塗布液を調整した。この塗布液を厚さ250μm のPETシート(ルミラーS-10;東レ(株)製)の片側表面に塗布し、120℃ で20分間加熱し、乾燥させるとともに熱硬化させ、厚さ2μmの裏面保護層を設けた。さらに、 FSS-10P MEK分散体(石原産業(株)製 SnO2(Sbト゛ーフ゜)針状微粒子(長軸=0.2〜2μm、短軸=0.01〜0.02μm);固形分=30wt% )20g、結合剤としてアクリル樹脂 19g(クリスコート P-1018GS;大日本インキ化学工業(株)製、20wt%キシレン溶液)、架橋剤としてポリイソシアネート0.2g(コロネートHX;日本ホ゜リウレタン工業(株)製)をメチルエチルケトン161gに加えて調液し、粘度約30cps程度の液とし、この塗布液を上記裏面保護層付き支持体の裏面保護層とは反対側の面に塗布し、100℃〜140℃ の温度で段階的に加熱、乾燥させ、厚さ2μm の導電層(全固形分に対する導電性材料の含有率:70wt%)を形成した。さらに、アクリル樹脂120g(クリスコートP-1018GS;大日本インキ化学工業(株)製、20wt%トルエン溶液)、アクリル樹脂5.4g(゜ラロイト゛B-66;ローム&ローム社製)、フタル酸エステル(#10;大八化学(株)製)をメチルエチルケトン174gに溶解し、粘度が3psの接着層塗布液を調整した。この塗布液を先に作製した裏面保護層及び導電層付き支持体の導電層上に塗布し、塗膜を100℃の温度で乾燥させて厚さ20μmの接着層を形成した。
【0044】次にカレンダー機を用いて熱圧縮処理を行った(図3参照)。まず、蛍光体シートを仮支持体から剥離し、新しい仮支持体の上に、仮支持体に接していた面とは反対側の面が接するように重ね合わせ、200mmφ の金属ロール対を有するカレンダー機を用いて、総荷重1ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度1m/minで平滑化処理を行った。この蛍光体シートを再度仮支持体から剥離し、裏面保護層34、導電層33及び接着層35が形成された透明支持体30の接着層35表面に、新しい仮支持体に接していた面とは反対側の面31a(平滑化処理時にカレンダーロールに接触していた側の面)が接着層表面35a と接するように重ね合わせ、同じカレンダー機を用いて総荷重2ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度1m/minで加熱圧縮した。以上の工程により、蛍光体シート31の両面31a、31bが平滑化処理された。
【0045】次に、フッ素型樹脂50g(フルオロオレフィン=ビニルエーテル共重合体;旭硝子(株)、ルミフロンLF-504X(40%キシレン溶液))、架橋剤としてポリイソシアネート9g(オレスターNP38-70S;三井東圧化学(株)製、70wt%酢酸エチル溶液)、滑り剤としてアルコール変成シリコーン(X-22-2809;信越化学(株)製、66wt%キシレン含有ペースト)、触媒 0.3mg(ジブチルチンジラウレート;共同薬品(株)、KS1260)をメチルエチルケトン/シクロヘキサン=3/10混合溶剤120gに溶解し、粘度が約20cpsの保護層塗布液を調整した。この塗布液を先に形成した蛍光体層上に塗布し、100〜120℃の温度で20分間熱処理して乾燥させると共に熱硬化させ、厚さ3μmの保護層を形成し、パネルを完成させた。
【0046】(比較例2)蛍光体シートを仮支持体から剥離し、裏面保護層、導電性層及び接着層が形成された透明支持体の接着層表面に、蛍光体シートの仮支持体に接していた面が接着層表面と接するように重ね合わせ、200mmφ の金属ロール対を有するカレンダー機を用いて、総荷重2ton、上側ロール温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度1m/minで加熱圧縮して蛍光体層を作製し、パネルを完成した。
【0047】(評価方法)画質は放射線像変換パネルの表面からタングステン管球、管電圧80kVp のX線を照射した後(10mR相当)、波長633nm の波長を有するHe−Neレーザ光をパネル表面に照射して、発せられた輝尽発光光をパネルの表面(保護層側)と裏面(支持体側)それぞれから受光器(分光感度S−5の光電子増倍管)を用いて受光した。この受光した光をそれぞれ電気信号に変換して表画像と裏画像を得た。これらについて粒状値を測定した。測定結果を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】表1から、本発明の放射線像変換パネルの製造方法により、平滑化処理を行った放射線像変換パネルの方が粒状値が良いことがわかりまた、蛍光体シートの片面のみではなく両面を平滑化処理したものの方(実施例2)が、蛍光体シートの片面のみを平滑化処理したもの(実施例1)よりもより粒状値が良くなっていることがわかる。従って、本発明の放射線像変換パネルの製造方法によれば、支持体と蛍光体層、あるいは蛍光体シート同士の界面の乱れに起因する輝尽発光光の散乱が軽減され、高画質の画像が得ることができる放射線像変換パネルを得ることができる。




 

 


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