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発明の名称 非接触伝達機構付ICカード
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−209772(P2001−209772A)
公開日 平成13年8月3日(2001.8.3)
出願番号 特願2000−15864(P2000−15864)
出願日 平成12年1月25日(2000.1.25)
代理人
発明者 中島 英実 / 加藤 裕 / 江森 晋
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】少なくとも、ICモジュール、非接触伝達機構としてのアンテナ又はコイル、そしてカード基体を備えており、該ICモジュールは、少なくとも、非接触型伝達機能を内蔵したICチップが支持体であるモジュール基板表面に搭載されているか、又は、ICチップ単独のいずれかであって、非接触伝達機構としてのアンテナ又はコイルで受信した信号を整流して電力を得るとともに、前記カード基体の表面に太陽電池が設けられ、その太陽電池からもICチップの駆動電力を供給すること;を特徴とする非接触伝達機構付ICカード。
【請求項2】前記ICチップが、アンテナ又はコイルの接続端子とは別に、外部電源として第2の接続端子を有し、アンテナ又はコイルで受信された信号を整流して得られた直流電力に第2の接続端子に接続された太陽電池の直流電力を重畳可能とする電力加算回路をICチップに内蔵していること;を特徴とする請求項1に記載の非接触伝達機構付ICカード。
【請求項3】前記支持体のICチップ搭載面と反対側の面に太陽電池が貼り合わされていること;を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の非接触伝達機構付ICカード。
【請求項4】前記太陽電池がカード基体の表面に設けられた透明なオーバーシート上に形成され、ICチップの支持体を兼ねていること;を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の非接触伝達機構付ICカード。
【請求項5】前記非接触伝達機構付ICカードが、接触型と非接触型の2つの伝達機構を有する複合ICカードであって、少なくとも、ICモジュール、非接触伝達機構としてのアンテナ又はコイル、そしてカード基体を備えており、該ICモジュールは、前記非接触型伝達機能の他に接触型伝達機能も内蔵したICチップが支持体であるモジュール基板の一方の表面に搭載されており、該ICチップを搭載した支持体の該ICチップ搭載面とは反対側の表面に接触型伝達機構としての外部端子を備えているものであって、該外部端子に隣接して太陽電池が形成されていること;を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非接触伝達機構付ICカード。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非接触型情報媒体に関し、詳しくは、オフィスオートメーション(いわゆるOA)、ファクトリーオートメーション(いわゆるFA)、あるいはいわゆるセキュリティー(Security)を必要とする分野等で使用されるICカード等に代表される情報記録媒体において、電源電力の受電あるいは信号の授受を少なくとも非接触状態で行うことが可能な非接触伝達機構を備えたICカード(非接触型)とか、あるいは接触型(電気的接点を備えた)と前記非接触型との双方の装備をもつICカード(複合型)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体メモリー等を内蔵するICカードの登場により、従来の磁気カード等に比べて記憶容量が飛躍的に増大するとともに、マイクロコンピュータ等の半導体集積回路装置を内蔵することによってICカード自体が演算処理機能を有することで情報媒体に高いセキュリティー性を付与することができるようになった。
【0003】ICカードは、いわゆるISOによって国際的に規格化されており、一般的に外部端子付きICカードはプラスチックなどを基材とするカード本体に半導体メモリー等のICが内蔵され、カード表面に外部読み書き装置との接続のために金属製の導電性端子が設けられており、そのICカードと外部読み書き装置とのデータの交信のためにICカードを外部読み書き装置のカードスロットに挿入して用いるものである。これは、大量データ交換や決済業務等交信の確実性と安全性が求められる用途、例えばクレジットや電子財布応用では好都合である。
【0004】一方、入退室等のゲート管理への適用に際しては、認証が主たる交信内容であって、交信データ量も少量の場合が多く、より簡略な処理が望まれる。この問題を解決するために考案された技術が非接触ICカードである。尚、本明細書では、非接触型伝達機構のみを備えたICカードのことを、非接触ICカードと称する。これは、空間に高周波電磁界や超音波、光等の振動エネルギーの場を設けて、そのエネルギーを吸収、整流してカードに内蔵された電子回路を駆動する直流電力源とし、この場の交流成分の周波数をそのまま用いるか、或いは逓倍や分周して識別信号とし、この識別信号をアンテナ又はコイルやコンデンサ等の結合器を介してデータを半導体素子の情報処理回路に伝送するものである。
【0005】特に、認証や単純な計数データ処理を目的とした非接触ICカードの多くは、電池とCPU(中央処理装置)を搭載しないハードロジックの無線認証(本明細書ではこれを単にRF−IDと呼ぶ;Radio Frequency IDentificationの略)であって、このRF−IDの出現によって、従来の単なる磁気カードに比較して偽造や改竄に対する安全性が高まるとともに、ゲート通過に際してカードの携帯者はゲート装置に取り付けられた読み書き装置のアンテナ部に接近させるか、携帯したカードを読み書き装置のアンテナ部に触れるだけでよく、カードをケースから取り出して読み書き装置のスロットに挿入するというデータ交信のための煩雑さは軽減された。加えて、非接触ICカードを使用する通信周波数帯において大別すると、100kHz近傍の長波帯と、10MHz近傍の短波帯、そして数GHz帯のマイクロ波帯の3帯域に分類される。そして、長波帯から短波帯におけるアンテナはコイルによって実現され、マイクロ波帯では主に、ストリップアンテナ等の平面型アンテナである。さらに、長波帯に於けるアンテナの感度は巻数に比例し、短波帯では断面積に大きく依存する。
【0006】さて、一般的に、非接触ICカードは以下のように製作される。導電性ペースト印刷、巻線溶着加工、銅箔エッチング加工などによって製作された非接触伝達用の金属箔のアンテナ又はコイルを持つフィルム状に形成されたアンテナ基板にICモジュールが実装され、オーバーシートと基材によって挟み込まれ、ラミネートされてカードが製作される。このとき、アンテナ又はコイルとICモジュールとの接続のための2つのアンテナ端子はアンテナ基板上に露出している。ICモジュールは、ICが実装され、アンテナとの接続のための端子が設けられている。アンテナ基板の接続端子には導電性接着フィルムが貼付される。ICモジュールの接続端子と端子に導電性接着フィルムが貼付されたアンテナ基板とが双方の接続端子が重なり合うようにICモジュールがアンテナ基板に据え付けられた後、熱と圧力を加えてICモジュールの端子とアンテナ端子とが結合されて実装を終了する。その他、最近では、ICモジュールを形成することなく、アンテナを形成したフィルムや基板上にICチップを直接導電性接着フィルムを用いて実装する方法が多く採用されている。
【0007】短波帯のRF−IDのアンテナは、通常、印刷配線板によってプリントコイルとして平面的に形成される。そのため、カードに収まるようにアンテナを形成した場合にアンテナの巻線はカードの内側に入り込むことになる。実用的なアンテナ又はコイルを形成する為に、巻線溶着法や銅箔エッチング法では、コイルの実装幅として2〜5mm、導電性ペースト印刷法では5mm以上の幅を必要とする。つまり、2次元的に形成されたアンテナ又はコイルは占有面積が多く必要であり、実効的なアンテナ又はコイルの断面積が制限され、小さくなることになる。さらに、エンボス加工を行うことを前提に設計された非接触ICカードのアンテナ又はコイルは、アンテナの実装にかなりの幅を要することから、例えば特開平8−187981号公報や特開平8−227447号公報に提案されているように、エンボス領域を避けアンテナ面積を小さくするることでアンテナを配置する手段が多く行われている。この実現手段ではアンテナの面積が大きく減少してしまい、十分な受信感度が得られないという欠点があった。
【0008】一方、近年になって、多目的な用途に1枚のカードで対応することを目的として前者の外部端子を持つ接触型の機能と後者の無線通信によってデータ交信する非接触型の機能の双方を有する複合型のICカードが考案されている。接触型のCPU処理という高いセキュリティー性と非接触型の利便性という双方の利点を結合したものである。尚、本明細書では、接触型と非接触型の双方の伝達機構を備えた複合型のICカードを複合ICカードと称する。
【0009】複合ICカードにおいてエンボス加工を前提とした従来の技術としては、例えば特開平7−239922号公報に示されるものがある。これによれば、ICカード用ICモジュールであって、該ICモジュールは、ICチップと、該ICチップと電気的に接続され外部機器との間で情報及び/またはエネルギーの伝達を行う伝達機構と、該ICチップ及び該伝達機構とを支持する支持体とからなり、前記伝達機構が、コイル又はアンテナからなる非接触型伝達機構と、前記支持体表面に設けられた導体をパターン化した複数の端子電極からなる接触型伝達機構と、を備えた構成とし、接触型と非接触型の両方の方式に対応可能な機能をモジュール化して、このICモジュールをプラスチックカード基体に嵌合固定するものである。
【0010】さらに、前記の実現手段として非接触伝達のためのアンテナまたはコイルを端子電極の周囲を囲むように設けるか、逆に、アンテナを中心に据え、その周囲に端子電極を設けるものであって、端子電極とアンテナとがモジュール基板に対して同じ側でしかもカード表面側に露出して配置されるものである。つまり、非接触伝達用のアンテナをICモジュール内に収納することで、最終工程であるICモジュールのカード基板への実装工程におけるアンテナ又はコイルとICモジュールとの接続を不要としたものである。
【0011】しかしながら、この提案で具体的に説明されているICモジュール基板の端子電極の周囲にプリントパターンでアンテナ又はコイルを設ける方法では、通常のICモジュールの寸法が12mm×12mm程度であるのでアンテナ又はコイルの大きさは上記の数値を超えることは許容されない。よって、ICモジュール内で端子電極の外周部にコイルを配置した場合には、プリントコイルを形成するとしても数巻きしかとれないことになり、コイルの面積が小さいことも影響して十分な電力を受信することができず、交信距離が短い(交信距離が数mm以下の)密着結合のみが許される。しかし、その結果これでは非接触伝達機構を付加する効果が小さい。
【0012】RF−IDのような非接触伝達機構を付与する効果は、数十mmから百mmを超える交信距離によって得られるものであり、この領域において、カードを外部読み書き装置のアンテナ部に「かざす」ことで交信が達成可能となる。そうするためには、コイルの面積を大きくすることが必要である。しかし、実用的な面積にするとエンボス領域にかかってしまうことになる。
【0013】また、後者のアンテナの周囲に端子電極を設ける配置は、エンボス領域への侵犯が明白であり、外部端子付きICカードの規格であるISO7816から大きく逸脱したものであって、市場に受け入れられる可能性は低い。結果として、外部端子と同一面にプリントコイルを設ける方法では、収容効率が低く実用的ではない為に、商業的には採用し難いところとなる。
【0014】一方、外部読みとり装置における磁界強度の変動に影響されることなく回路を安定動作させ、微弱な電波でも通信距離を確保することを目的として、太陽電池を備えたICカードも提案されている。この種のカードは、特開平11−134456号に詳しく記載されている。しかしながら、このような非接触ICカードにおいては、2次電池を必要とし、且つ、ICの主要回路であるマイクロコントローラを太陽電池によって充電された2次電池からの供給電力のみで動作させているので、2次電池が充電されていないと使用できないという欠点があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような従来の技術が持つ問題点に着目してなされたものであって、非接触伝達機構付ICカードにおいてエンボスによるシステムに適用可能であり、しかも外部読み書き装置からの電波が微弱であっても2次電池を搭載することなく十分な交信距離が得られる受信感度を有すこと。また、たとえ接触型と非接触型の双方の伝達機構を備えたICカードであっても、実用的に満足のいく動作状態を維持できるカードとすること。このような課題を解決出来る非接触伝達機構付ICカードを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明が提供する手段とは、まず請求項1に示すように、少なくとも、ICモジュール、非接触伝達機構としてのアンテナ又はコイル、そしてカード基体を備えており、該ICモジュールは、非接触型伝達機能を内蔵したICチップが支持体であるモジュール基板表面に搭載されているか、又は、ICチップ単独のいずれかであって、非接触伝達機構としてのアンテナ又はコイルで受信した信号を整流して電力を得るとともに、前記カード基体の表面に太陽電池が設けられ、その太陽電池からもICチップの駆動電力を供給すること、を特徴とする非接触伝達機構付ICカードである。
【0017】これによって、2次電池を搭載することなく、アンテナまたは、コイルから得られる受信電力に加えて太陽電池からの電力もICチップの駆動電力として使用できるので、受信感度の高い非接触伝達機構を実現する。また、エンボスを設けることによってアンテナ面積が小さくなっても、受信感度の低下を抑制できる。
【0018】また、請求項2に示すように、請求項1に記載の非接触伝達機構付ICカードを基本構成としており、前記ICチップが、アンテナ又はコイルの接続端子とは別に、外部電源として第2の接続端子を有し、アンテナ又はコイルで受信された信号を整流して得られた直流電力に第2の接続端子に接続された太陽電池の直流電力を重畳可能とする電力加算回路をICチップに内蔵していることを特徴とする。
【0019】これによって、太陽電池が動作していないときには、アンテナ又はコイルで受信された電力のみで動作しうる。
【0020】また、請求項3に示す発明は、請求項1に記載の非接触伝達機構付ICカードを基本構成としており、支持体のICチップ搭載面と反対側の面に太陽電池が貼り合わされていることを特徴とする。
【0021】これによって、ICチップと太陽電池とを、導電性接着剤などで接続することが無く、接続信頼性が高く、美観状も好ましい。
【0022】また、請求項4に示す発明は、請求項1に記載の非接触伝達機構付ICカードを基本構成としており、太陽電池がカード基体の表面に設けられた透明なオーバーシート上に形成され、ICチップの支持体を兼ねていることを特徴とする。
【0023】これによって、ICチップの支持体を特に設ける必要が無く、コストを低減できる。
【0024】また、請求項5に示す発明は、非接触伝達機構付ICカードが接触型と非接触型の2つの伝達機能を有する複合ICカードであって、少なくとも、ICモジュール、非接触伝達機構としてのアンテナ又はコイル、そしてカード基体を備えており、該ICモジュールは、前記非接触型伝達機構の他に接触型伝達機構も内蔵したICチップが支持体であるモジュール基板の一方の表面に搭載されており、該ICチップを搭載した支持体の該ICチップ搭載面とは反対側の表面に接触型伝達機構としての外部端子を備えているものであって、該外部端子に隣接して太陽電池が形成されていることを特徴とする。
【0025】これによって、複合ICカードにおいても十分に良好なアンテナ特性を実現できる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に関連する非接触伝達機構付ICカードの基本構成を以下に説明する。非接触伝達機構付ICカードシステムに用いられる非接触伝達は、(イ)非接触伝達用の送受信回路と、空間にエネルギーと情報を放出するためのアンテナ又はコイルを装備した外部読み書き装置と;
(ロ)エネルギーを受け取り回路の動作電力を受電する回路と、外部読み取り装置からの情報を受信するアンテナ又はコイルと、受信した情報をデータに復元する受信回路、受信情報に対する回答情報を送信する送信回路、及び、外部に情報を放出するためのアンテナ又はコイル、を有するカード;との間で行われる。現在では、外部読み取り装置と、前記カードのアンテナ又はコイルとしては、送信/受信兼用のアンテナ又はコイルを、それぞれ1つだけ持っているのが一般的である。
【0027】そして、外部読み書き装置の送受信回路で発生された高周波信号により、送受信用アンテナ又はコイルに高周波磁界が誘起される。この高周波信号は、電磁エネルギーとして空間に放射される。このとき、非接触伝達機構付ICカードがこの高周波磁界中に位置すると、外部読み書き装置の送受信アンテナ又はコイルにより発生された高周波磁界により、非接触伝達機構付ICカードのアンテナ又はコイルに電流を流す。このとき、受信感度は非接触伝達機構付ICカードのアンテナ又はコイルの特性と外部読み書き装置の送受信アンテナ又はコイルの特性に大きく依存する。
【0028】外部読み書き装置の送受信コイルにより発生された電磁エネルギーは送受信アンテナ又はコイル近傍でコイル面と垂直方向に電磁エネルギーを放出する。一方、非接触伝達機構付ICカードのアンテナ又はコイルは、受信効率を最適化するようにインピーダンス整合される。このとき、結果として、非接触伝達機構付ICカードのアンテナ又はコイルは、その断面積が大きいほど外部読み書き装置の送受信コイルから放出されたエネルギーを多く受信できる。更に、外部読み書き装置の送受信コイルと非接触伝達機構付ICカードのアンテナ又はコイルの間の最大伝達効率は回路定数の選択によって決定される。
【0029】しかしながら、電波法の規制等により外部読み書き装置の送信電力が制限されたり、設計上、送信出力を大きくできない等の理由により、通信可能な距離が制限される。一般的なゲート応用では、10cm程の通信距離が要求されるが、実際には数ミリメートルの通信距離に留まることもある。
【0030】一方、非接触伝達機構付ICカードと外部読み書き装置との間の通信距離をより大きくするためには、コイルアンテナを用いる場合、可能な限りコイルの断面積を大きく取ることが重要であるが、エンボスや磁気ストライプの組み込みにより、アンテナ面積が制限される。更に、近年の暗号回路の増大とCPUを搭載する非接触伝達機構付ICカードの出現により、非接触伝達機構付ICカードに内蔵された電子回路の消費電力は、増加の傾向にある。それによって、非接触伝達機構付ICカードと外部読み書き装置との間の通信距離の減少を引き起こしている。特に、これらのすべての条件を満たす必要のある接触型と非接触型の双方の機能を持つ複合ICカードで十分な通信距離を実現することは困難である。
【0031】従来より、太陽電池を搭載し、非接触伝達機構付ICカードに内蔵された主要回路を駆動することも提案されているが、光が微弱であると非接触伝達機構付ICカードを使用できないという欠点を有していた。そこで、外部読み書き装置からの受信電力のみでも動作可能であり、多大な充電時間を必要とせず、外部読み書き装置の通信エリア近傍で瞬時に応答可能な補助電力供給手段が望まれていた。結果として、非接触伝達機構付ICカードの受信電力に加えて、簡単に利用可能な光エネルギーを取り込むことで非接触伝達機構付ICカードに内蔵された電子回路装置を駆動することが有効な手段である。
【0032】そのような技術的な実状を鑑みて、従来の非接触伝達機構付ICカードの利便性を保持しつつ、製造が容易で、カードの美観を損なうことなく且つ、十分な通信距離を実現しうる手段を考案するに至った。
【0033】
【実施例】<実施例1>図1は、本発明にかかる非接触伝達機構付ICカードの第1の実施例である非接触ICカードの機能ブロック図である。図2は、第1の実施例の非接触ICカードの概略構成図である。図1に示すように、本発明にかかる非接触ICカード1の機能ブロックは、非接触伝達機能としてのアンテナコイル3と太陽電池4と、それらに接続された非接触伝達機能を有するICチップ2からなる。ICチップ2は、アンテナコイル3で受信した高周波信号から直流電力を得るための整流器10、その直流電力と太陽電池4の発生電力の電力加算回路11、高周波信号の送信、受信を行う信号制御回路12、図示しない暗号回路や変・復調回路等を有する演算回路13、および、メモリー14で構成される。
【0034】図2に示すように、本発明にかかる非接触ICカード1は、非接触伝達機構を有するICチップ2とアンテナコイル3、太陽電池4、それらを実装するモジュール基板5、スペーサー6、オーバーシート7、および、カード基体8からなる。
【0035】この非接触ICカード1は以下の手順で作製される。
STEP 1まず、両面銅貼りプラスチック基材を用いて回路形成されたモジュール基板5が準備される。そのモジュール基板5の片面にアンテナコイル3を形成し、ICチップ2との接続導体を形成してあり、スルーホールを介してもう一方の面に太陽電池4との接続用の端子が設けられている。アンテナコイル3を形成した面にICチップ2がベアチップ実装される。もう一方の面に太陽電池4が貼り付けられ、前記接続端子と電気的に結合される。太陽電池4としては、プラスチックフィルム表面に透明電極、PINダイオード構成で形成されたフィルム型太陽電池を用いた。ここで、モジュール基板5に替えて、ICチップ2の実装基板とアンテナコイル3の実装基板とは分離させてもよいし、アンテナコイル3を巻線で形成することも可能であり、いずれも本発明に適用できる。また、太陽電池4をモジュール基板5表面に直接形成してもよい。
【0036】STEP 2次に、ICチップ2のチップ実装穴9を明けられたスペーサー6がICチップ2の実装面でモジュール基板5と貼り合わされる。
STEP 3その後、透明なオーバーシート7が太陽電池4の実装面でモジュール基板5と貼り合わされる。
STEP 4最後に、STEP3の完成品のスペーサー6の面とカード基体8とが貼り合わされる。
【0037】<実施例2>図3は、本発明にかかる第2の実施例として複合ICカードを挙げたその概略機能ブロック図である。複合ICカード21は、アンテナコイル15、共振用コンデンサ16、第一結合コイル17、第二結合コイル18からなる非接触信号伝達機構と、接触型伝達機構としての外部端子19、太陽電池4および、複合ICチップ20からなる。第一結合コイル17、第二結合コイル18は、アンテナとICチップとの接続を電気的な接続に替えて、磁気的に結合させることで非接触に信号を伝達させる機構であり、以下、トランス結合と呼ぶ。
【0038】図4は、第2の実施例の複合ICカードの概略構成図である。本発明にかかる複合ICカード21は、複合ICモジュール22とカードベース23、および、オーバーシート30からなる。
【0039】カードベース23は、図4(a)及び、図4(b)に示すように、樹脂シート25に図示しない銅箔パターンで平面コイルの第一結合コイル17と図示しない共振用コンデンサ16とアンテナコイル15とが形成された結合コイル基板26とカード基体24からなる。
【0040】図4(a)に示すように、本発明に係る複合ICカード21の複合ICモジュール22は、モジュール基板29の一方の表面に図3に示す接触型伝達機構である端子電極19、他方の面に接触型インターフェースと非接触型インターフェースとの双方の機能を内蔵した複合ICチップ20を実装し、第二結合コイル18を複合ICチップ20と同一の面に隣接して銅箔にて形成してなる。
【0041】STEP 1まず、複合ICチップ20は、モジュール基板29の端子電極19の形成面とは反対側の面に実装される。複合ICチップ20の図示しない外部接続点と外部端子19の電極とは、図示しないスルーホールで結ばれた外部端子19の形成面とは反対の面に設けられた導体パターンで接続されている。複合ICチップ20と図示しない導体パターンの端子とは半田や導電性接着剤を用いて熱溶着されて回路が形成される。この接続は、複合ICチップ20の回路形成面とモジュール基板29の表面に設けられた導体パターンとをワイヤボンドすることによっても実現されうる。必要に応じて、複合ICチップ20には樹脂モールドが施される。第二結合コイル18は、銅箔パターンで10から20巻することでモジュール基板29の複合ICチップ20の搭載面に隣接して形成されている。
【0042】STEP 2次に、実施例1で説明したものと同様なフィルム型太陽電池4が外部端子19に隣接して実装される。太陽電池4の接続端子がモジュール基板29表面の図示しない導体パターンと回路接続されて複合ICモジュール22が完成する。
STEP 3続いて、カードベース23が、カード基体24、結合コイル基板26を順次積層して作られ、更に、カードベース23表面にオーバーシート30が積層されてラミネート法で製作される。
【0043】STEP 4次ぎに、オーバーシート30と結合コイル基板26に複合ICモジュール22のモジュール嵌合穴28が明けられる。
STEP 5最後に、図示しない接着シートを端子電極19形成面とは反対の面に貼り付けた複合ICモジュール22が、複合ICカード21のモジュール嵌合穴28に搭載され、複合ICカード21が完成する。
【0044】太陽電池4は、モジュール基板29の表面に直接形成してもよく、第2の実施例における太陽電池の構成と製作方法は第1の実施例と同等である。
【0045】オーバーシート7、30とカード基体8,24の基材としては塩化ビニルを用いたが、その他、PET、ポリカーボネート、合成紙など十分なカードの特性が得られるもので有ればすべて本発明に適用できる。
【0046】本発明において、カード基体の製作をラミネート方式としたが、カード特性を維持する方法であればいずれも本発明に適用可能であって、例えば、射出成形によってカードベースを製作してもよい。
【0047】第2の実施例の複合ICカード21の非接触伝達機構は、アンテナコイル15と複合ICモジュール22間を、第一結合コイル17と第二結合コイル18とによるトランス結合とした。この利点は、カード製造の最終工程で、複合ICモジュール22の接続端子とアンテナコイル15の導線端子とをカード内部で接続するという問題を解決したことにある。
【0048】<電力加算の実施例>図5は、本発明に係る電力加算回路方式の概略図である。電力加算回路11は、スイッチ素子31とそのバイアスを供給する受動素子32、整流素子33、および、2つのコンデンサ34a、34bで構成される。
【0049】受信コイルであるアンテナコイル3の両端子は高周波信号の整流回路10に接続される。整流回路10の高電圧側は図1に於ける演算回路13に対応するマイクロコントローラ35の電源端子に導かれる。太陽電池4の高電圧側は整流回路10の低電圧側に導かれるとともに、整流素子33を介して2つのコンデンサ34a、34bの直列接続の中点に接続される。スイッチ素子31は、一方が受動素子32と太陽電池の高電圧側に、もう一方の端子が太陽電池の低電圧側とマイクロコントローラ35の接地端子に接続される。
【0050】太陽電池4が動作していないときには、スイッチ素子31は、オン状態であり低抵抗値を示す。結果として、整流回路10の端子電圧がマイクロコントローラ35に供給される。太陽電池4が動作しているときには、スイッチ素子31は、オフ状態となり太陽電池4で発生した電荷は、整流素子を介してコンデンサ34bに蓄積される。コンデンサ34aと34bは直列接続されており、整流素子33で逆流は防止されているので、2つのコンデンサの中点の電圧は、太陽電池の出力電圧Vs近傍まで上昇する。この状態で、アンテナコイル3に高周波信号が入力され、高周波整流電圧Vhを発生すると整流回路10の高電圧側は、Vh+Vsとなる。
【0051】斯様にして、アンテナコイル3にて受信した高周波信号の整流出力電圧と太陽電池4の出力電圧の和Vh+Vsがマイクロコントローラ35の電源端子に導かれる。しかし、アンテナコイル3の受信信号強度と太陽電池4の起電力は、それぞれ、磁界強度と光強度の変化によって変動するため、Vh+Vsは安定していない。そこで、マイクロコントローラ35は、図示しない電源安定化回路を内蔵し、内部回路の動作電圧を制御している。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明における非接触伝達機構付ICカードは、アンテナ又はコイル等の非接触結合素子を持つ非接触型の方式に対応可能な機能を有しており、接触型伝達機構と非接触型伝達機構とを併せ持つ複合ICモジュールを組み込んだ複合ICカードは、接触型ICカード構成と同等性を持つようにように構成した。
【0053】本発明の非接触伝達機構付ICカードのように構成することによって、従来の非接触ICカードに比較して大きな直流電力を供給できる。また、2次電池を搭載することなく、アンテナまたはコイルから得られる受信電力に加えて太陽電池からの電力もICチップの駆動電力として使用できるので、受信感度の高い非接触伝達機構を実現する。また、エンボスを設けることによってアンテナ面積が小さくなっても、受信感度の低下を抑制できる。消費電力の比較的大きな複合型ICカードにおいても十分に良好なアンテナ特性を実現できる。更に、太陽電池が動作していないときには、アンテナ又はコイルで受信された電力のみで動作しうるという効果がある。加えて、ICチップと太陽電池とを、導電性接着剤などで接続することが無く、接続信頼性が高く、美観状も好ましい。
【0054】総じて、本発明によれば、非接触伝達機構付ICカードにおいてエンボスによるシステムに適用可能であり、十分な交信距離が得られる受信感度を有し、たとえ接触型と非接触型の双方の伝達機構を備えた複合ICカードであっても、実用的な動作状態を維持できる非接触伝達機構付ICカードを提供することが出来た。




 

 


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