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発明の名称 磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−84549(P2001−84549A)
公開日 平成13年3月30日(2001.3.30)
出願番号 特願平11−258011
出願日 平成11年9月10日(1999.9.10)
代理人 【識別番号】100100561
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 正広
【テーマコード(参考)】
4F006
4J038
5D006
【Fターム(参考)】
4F006 AA12 AA35 AA36 AA38 AA39 AB03 AB16 AB17 AB18 AB19 AB24 AB33 AB37 AB72 BA06 BA07 BA09 CA02 DA04 EA03 EA05 
4J038 CA021 CD031 CD061 CD071 CD081 CD091 CG141 CG161 DG111 DH001 HA066 HA216 HA316 HA436 HA446 HA476 KA07 KA20 NA22 PB11
5D006 BA04 BA05 BA06 BA19 CA01 CA04 FA09
発明者 松野 浩司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 支持体上に強磁性粉末及び結合剤を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であって、RLL2−7変調方式を採用したリニアサーペンタイン方式の磁気記録再生システムに供されるものであり、前記磁性層表面には非接触型表面粗さ計により測定された、50nm以上の深さを有する凹みが10個/46237.5μm2 以下であり、且つ最大深さRvが100nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布型の高記録密度の磁気記録媒体に関する。本発明は、特に磁性層と実質的に非磁性の下層を有し、最上層に強磁性金属粉末を含む、リニアサーペンタイン方式の記録再生システム用の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープの利用分野において、コンピュータ用の外部記憶媒体としてのバックアップテープが実用化されている。近年、コンピュータの情報処理量の増大により、バックアップテープへの大容量化、高密度化の要求が高まっている。
【0003】また、バックアップシステムの記録方式には大別して、回転ヘッドにて記録再生するヘリカル走査方式と、固定ヘッドにて記録再生するリニアサーペンタイン方式とがあり、各々に利点及び欠点があり各種方式が乱立している状況である。
【0004】一般にリニアサーペンタイン方式は、ヘリカル走査方式に比較して、ヘッドと磁気テープの接触条件が厳しく無いためヘッド及び磁気テープ寿命が長くなる特徴がある。一方、ヘリカル走査方式は、テープテンションは低いがヘッドチップが小さいため磁気テープとヘッドの接触は強くなる傾向がある。従って、各方式によってバックアップ磁気テープに対する要求も異なってきている。
【0005】一般に磁気記録媒体へのデジタル信号の記録には、各種変調方式が採用される。変調方式とは2値符号列と記録電流波形の関係で、変調方式の選択に当たっては、記録密度を大きくできること、そのときの信号の信頼性及び変調回路の複雑さが問題となる。一般に高密度記録では、磁化反転間隔が大きく、ピークシフトの影響を避ける変調方式が望ましいとされている。
【0006】近年のバックアップテープフォーマットでの変調方式を表1に示す。特に、RLL2−7変調方式については、符号変換規則を表2に示す。ここで、RLLとは、走長制限符号(run-length limited code) のことで、RLL2−7では0の連続個数つまりランレングス(run-length)が2〜7になるように変換されることを意味している。
【0007】
【表1】

【表2】

【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、RLL2−7変調方式を用いて磁気テープにブロック単位でデータが書き込まれる際に、致命的エラーが多発することがあった。この致命的エラーとは、書き込み直後の読み出し検査時に訂正不可能なエラーが発生し、別箇所に再書き込み(リライト)することを示すが、この場合当然記録再生システムとしては、記憶容量及び転送レートの悪化につながり実害となっていた。
【0009】本発明の目的は、RLL2−7変調方式を採用したリニアサーペンタイン方式の記録再生システムにおいて、実害に結びつく致命的エラーを改良した塗布型磁気記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した結果、ヘッドと磁気テープの相対スピードが5m/s以下で、最短記録波長1μm以下のRLL2−7変調方式を採用したリニアサーペンタイン方式の磁気記録システムにおいて、RLL2−7変調後の特定データパターンにてエラーが多発する原因を、ヘッドと磁気テープ間のスペーシングについて鋭意検討した結果、磁性層の特定深さの凹みによる影響が顕著であることを見いだし、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明は、支持体上に強磁性粉末及び結合剤を主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体であって、RLL2−7変調方式を採用したリニアサーペンタイン方式の磁気記録再生システムに供されるものであり、前記磁性層表面には非接触型表面粗さ計により測定された、50nm以上の深さを有する凹みが10個/46237.5μm2 以下であり、且つ最大深さRvが100nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0012】本発明において、エラーの測定には以下のデータパターンを用いる。データパターンAとして、RLL2−7変調前は、[000]の繰り返しデータで表2の変換規則表より[000100]の繰り返しデータが入力される。この場合のランレングスは、5となり一定の周波数の信号パターンとなる。データパターンBについては、ランダム信号パターンを使用した。この場合のランレングスは、2〜7に変化する信号となる。データパターンCについては、RLL2−7変調後のデータパターンが[0001001001000]の繰り返しになるように設定した。この場合ピークシフトが発生し易い条件となる。
【0013】本発明では、前記のように磁性層表面粗さを制御することにより、特に実際の使用条件に近いデータパターンB、Cでの実害エラーを改善することが可能となる。
【0014】50nm以上の深さを有する凹みが10個/46237.5μm2 超えると、データパターンAでは比較的エラーは良くても、データパターンB、Cではエラーが悪化する。最大深さRvが100nmを超えると、データパターンAでもエラーが悪化し且つデータパターンB、Cでの悪化も顕著である。
【0015】本発明において、磁性層表面の凹みの深さ及び個数を評価する測定方法について述べる。本発明において、凹みの深さとは、WYKO製NT−2000を用いて3次元表面粗さを測定し、磁性層表面粗さの平均面から凹み最深部までの距離をいう。ここで、平均面とは測定面内の凹凸の体積が等しくなる面のことである。測定は246.6μm×187.5μm(46237.5μm2 )の範囲で行う。凹み数は、上記測定範囲で50nm以上の深さを有した凹み数を求める。Rvは上記測定範囲の凹みの中で、最大凹みの深さ[nm]である。
【0016】ヘッドと磁気テープの相対スピードが5m/s以下で、最短記録波長1μm以下のRLL2−7変調方式を採用したリニアサーペンタイン方式を採用した磁気記録システムにおいて、磁性層表面の凹みの深さが実害に結びつく要因としては、リニアサーペンタイン方式の特徴であるヘッドと磁気テープの接触条件の低下と、RLL2−7変調方式の組み合わせによると推測される。ヘッドと磁気テープの接触条件の低下により、ある深さ以上の凹みではスペーシングロスが増大して瞬間的な出力低下が発生する。一般の磁気テープでは磁性層表面はクリーニングや研磨などの表面処理により異物や突起はある程度除去されているが、凹みについては除去不可能である。更に、記録するデータパターンで顕著な差が見られることから、RLL2−7変調での影響が推測される。RLL2−7変調方式では8−10変換等に比較してランレングスの遷移が大きくなり、データパターンによってはピークシフトの影響が大きくなり、前述の瞬間的な出力低下と組み合わさることによってドロップアウトに至り、凹みがある個数以上になるとドロップアウトによるエラーの訂正が不可能となり、実害エラーに至ると予想される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に少なくとも2層の塗膜、すなわち、下層非磁性層と膜厚0.3μm以下の上層磁性層とがこの順で設けられており、非磁性支持体の下面側には、必要に応じてバックコート層が設けられる。なお、本発明では、上層磁性層上に潤滑剤塗膜や磁性層保護用の各種塗膜などを必要に応じて設けてもよい。また、非磁性支持体の磁性層が設けられる面には、塗膜と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、下塗り層(易接着層)を設けることもできる。
【0018】[下層非磁性層]下層非磁性層は、少なくともカーボンブラックと放射線硬化型結合剤樹脂とを含む。下層非磁性層にカーボンブラックを含ませることによって、潤滑剤を保持させることができるので、上層磁性層表面の潤滑剤量を所望の範囲に調整することが容易になる。上層磁性層の膜厚が0.3μm以下と薄い場合には、上層磁性層のみでは十分な潤滑剤量を含有することが困難であり、下層のカーボンブラックは重要成分である。また、下層非磁性層のカーボンブラックは、上層磁性層の表面電気抵抗を下げる効果もあり、光透過率を小さくする効果もある。
【0019】非磁性層に含まれるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。比表面積は5〜600m2 /g、DBP吸油量は30〜400ml/100g、粒子径は10〜100nmが好ましい。使用できるカーボンブラックは具体的には「カーボンブラック便覧」、カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
【0020】非磁性層にはカーボンブラック以外にも各種無機質粉末を用いることができ、例えば針状の非磁性酸化鉄(α−Fe2 3 )などを用いることができる。ただし、球状の超微粒子酸化鉄を用いることにより高分散性が得られ、非磁性層における粒子の充填率を大きくすることができる。このため、非磁性層自体の表面性が良化し、ひいては磁性層の表面性が良好となり、電磁変換特性が向上する。他にはCaCO3 、酸化チタン、硫酸バリウム、α−Al2 3 等の各種非磁性粉末を用いてもよい。
【0021】カーボンブラックと無機質粉末の配合比率は、重量比で100/0〜75/25が好ましい。無機質粉末の配合比率が25重量部を上回ると、表面電気抵抗で問題が生じる。
【0022】カーボンブラックの配合量は、下層非磁性層において35〜90重量%、好ましくは40〜85重量%である。35重量%未満では、所望量の潤滑剤を保持できない。一方、90重量%用いれば、十分な量の潤滑剤を保持でき、これを超える量を用いると、下層非磁性層における結合剤樹脂の比率が低下し、十分な塗膜強度が得られない。
【0023】非磁性層に使用できる結合剤樹脂は、放射線硬化型結合剤樹脂が好ましい。従来から使用されてきた熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂では十分な塗膜物性を得るために、非磁性層塗布済み原反ロールをオーブン中に長時間(例えば70℃、2〜48時間)入れて硬化する必要がある。これは製造工程上の手間もさることながら、巻き締まりによる非磁性層塗膜の変形や非磁性層表面の平滑性の低下が問題となる。
【0024】この様な欠点をなくすため、下層非磁性層の結合剤樹脂として放射線硬化型結合剤樹脂を用い、下層非磁性層塗料を塗布し、乾燥、平滑化処理後、放射線照射を施し、放射線による三次元架橋を生ぜしめ、その後、その上に上層磁性層塗料を塗布することにより、好適な結果を得ることができた。この方法によれば、下層非磁性層は、上層磁性層が設けられる時点において既に三次元架橋がなされているので、有機溶剤による膨潤を受けることはない。従って、下層非磁性層形成後、そのまま直ちに磁性塗料を下層非磁性層上に塗布できるので、工程の連続化、簡略化が図れる。
【0025】本発明で用いる放射線硬化型結合剤樹脂とは、放射線によりラジカルを発生し、架橋あるいは重合することにより硬化するような、分子鎖中に不飽和二重結合を1個以上含む樹脂をいう。
【0026】放射線硬化型結合剤樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ樹脂、繊維系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等の多数のものが挙げられる。これらの中でも、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂が代表的であり、両者を混合して使用することが好ましい。
【0027】下層非磁性層における放射線硬化型結合剤の含有量は、カーボンブラックと無機質粉末の合計100重量部に対して、10〜100重量部が好ましく、12.5〜70重量部がより好ましい。結合剤の含有量が少なすぎると、下層非磁性層における結合剤樹脂の比率が低下し、十分な塗膜強度が得られない。結合剤の含有量が多すぎると、下層非磁性層塗料作成時に分散不良を起こし、平滑な下層非磁性層面を形成することができなくなる。
【0028】本発明で使用する放射線としては、電子線、γ線、β線、紫外線などであるが、好ましくは電子線である。またその照射量は、1〜10Mradがよく、3〜7Mradがより好ましい。またその照射エネルギー(加速電圧)は100Kv以上とすることが良い。また放射線の照射は、塗布・乾燥後に巻き取る以前に行うのが望ましいが、巻き取り後に行ってもよい。
【0029】本発明の下層非磁性層には、必要に応じて潤滑剤が含有されることが好ましい。潤滑剤は、飽和、不飽和に関わらず、脂肪酸あるいはエステル、糖類など公知のものを単体で、あるいは2種以上混合して用いてもよく、融点の異なる脂肪酸やエステルを2種以上混合し用いることが好ましい。これは、磁気記録媒体の使用される、あらゆる温度環境に応じた潤滑剤を、媒体表面に持続して供給する必要があるからである。
【0030】具体的には、脂肪酸として、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、エルカ酸などの飽和直鎖脂肪酸や、イソセチル酸、イソステアリン酸などの飽和で側鎖を有する脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸などを適宜使用することができる。エステルとしては、ブチルステアレート、ブチルパルミテートなどの直鎖の飽和脂肪酸エステル、イソセチルステアレート、イソステアリルステアレートなどの側鎖を有する飽和脂肪酸エステル、イソステアリルオレエートなどの不飽和脂肪酸エステル、オレイルステアレートなどの不飽和アルコールの脂肪酸エステル、オレイルオレエートなどの不飽和脂肪酸と不飽和アルコールのエステル、エチレングリコールジステアレートなどの2価アルコールのエステル、エチレングリコールモノオレエート、エチレングリコールジオレエート、ネオペンチルグリコールジオレエートなどの2価アルコールと不飽和脂肪酸のエステル、またソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエートなどの糖類と飽和又は不飽和脂肪酸とのエステルなどがある。下層非磁性層の潤滑剤の含有量は、目的に応じ適宜調整すればよいが、カーボンブラックと無機質粉末を加えた合計重量部に対し、1〜20重量%が好ましい。
【0031】下層非磁性層形成用の塗料は、上記成分に有機溶剤を加えて調整する。用いる有機溶剤は特に制限はなく、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤や、トルエン等の芳香族系溶剤などの各種溶媒の1種又は2種以上を、適宜選択して用いればよい。有機溶剤の添加量は、固形分(カーボンブラックや各種無機粒子等)と結合剤の合計量100重量部に対し、100〜900重量部程度とすればよい。
【0032】下層非磁性層の厚さは、通常、0.1〜2.5μm、好ましくは0.3〜2.3μmである。非磁性層が薄すぎると、非磁性支持体の表面性の影響を受けやすくなり、その結果、非磁性層の表面性が悪化して磁性層の表面性も悪化しやすくなり、電磁変換特性が低下する傾向にある。また、光透過率が高くなるので、テープ端を光透過率の変化により検出する場合に問題となる。一方、非磁性層をある程度以上厚くしても性能は向上しない。
【0033】[上層磁性層]上層磁性層は、少なくとも強磁性粉末、結合剤樹脂及び研磨材を含有する。本発明においては、強磁性粉末として、金属合金微粉末又は六方晶形板状微粉末を用いることが好ましい。金属合金微粉末としては、保持力Hcが1500〜3000Oe、飽和磁化σsが120〜160emu/g、平均長軸径が0.05〜0.2μm、平均短軸径が10〜20nm、アスペクト比が1. 2〜20であることが好ましい。また、作製した媒体のHcは1500〜3000Oeが好ましい。添加元素としては、目的に応じて、Ni、Zn、Co、Al、Si、Y、その他希土類などを添加してもよい。六方晶形板状微粉末としては、保持力Hcが1000〜2000Oe、飽和磁化σsが50〜70emu/g、平均板粒径が30〜80nm、板比が3〜7であることが好ましい。また、作製した媒体のHcは1200〜2200Oeが好ましい。添加元素としては、目的に応じて、Ni、Co、Ti、Zn、Sn、その他希土類などを添加してもよい。その他、材料については公知の材料を、特に制限なく目的に応じて使用することができる。
【0034】このような強磁性粉末は、磁性層組成中の70〜90重量部程度含まれていればよい。強磁性粉末の含有量が多すぎると、結合剤の含有量が減少するためカレンダ加工による表面平滑性が悪化しやすくなり、一方、少なすぎると、高い再生出力が得られない。
【0035】結合剤樹脂としては、通常用いられているものであれば特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、放射線硬化型結合剤樹脂のいずれをも用いることができる。
【0036】例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、塩化ビニル系共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル系共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル系共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン系共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン系共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン系共重合体、ポリ弗化ビニル−塩化ビニリデン−アクリロニトリル系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリエステル樹脂−クロロビニルエーテルアクリル酸エステル系共重合体、アミノ樹脂および合成ゴム系の熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
【0037】磁性層に用いられるこれらの結合剤の含有量は、強磁性粉末100重量部に対して5〜40重量部、特に10〜30重量部が好ましい。結合剤の含有量が少なすぎると、磁性層の強度が低下するため、走行耐久性が悪化しやすくなる。一方、多すぎると、強磁性粉末の含有量が低下するため、電磁変換特性が低下してくる。
【0038】これらの結合剤を硬化する架橋剤としては、各種ポリイソシアナート、特にジイソシアナートを用いることができ、特に、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジイソシアナートの1種以上を用いることが好ましい。これらの架橋剤は、トリメチロールプロパン等の水酸基を複数有するものに変性した架橋剤又はジイソシアネート化合物3分子が結合したイソシアヌレート型の架橋剤として用いることが特に好ましく、結合剤樹脂に含有される官能基等と結合して樹脂を架橋する。架橋剤の含有量は、結合剤100重量部に対し、10〜30重量部とすることが好ましい。このような熱硬化性樹脂を硬化するには、一般に加熱オーブン中で50〜70℃にて12〜48時間加熱すればよい。
【0039】さらに磁性層中には、磁性層の機械的強度を高めるためと、磁気ヘッドの目詰まりを防ぐために、研磨材を含有する。研磨材としては、例えば、α−アルミナ(モース硬度9)、酸化クロム(モース硬度9)、炭化珪素(モース硬度9.5)、酸化珪素(モース硬度7)、窒化アルミニウム(モース硬度9)、窒化硼素(モース硬度9.5)等のモース硬度6以上、好ましくはモース硬度9以上の研磨材を少なくとも1種含有させることが好ましい。これらは通常、不定形状であり、磁気ヘッドの目詰まりを防ぎ、塗膜の強度を向上させる。
【0040】研磨材の平均粒径は、例えば0.01〜0.2μmであり、0.05〜0.2μmであることが好ましい。平均粒径が大きすぎると、磁性層表面からの突出量が大きくなって、電磁変換特性の低下、ドロップアウトの増加、ヘッド摩耗量の増大等を招く。平均粒径が小さすぎると、磁性層表面からの突出量が小さくなって、ヘッド目詰まりの防止効果が不十分となる。平均粒径は、通常、透過型電子顕微鏡により測定する。研磨材の含有量は、強磁性粉末100重量部に対し、3〜25重量部、好ましくは5〜20重量部含有すればよい。
【0041】また、磁性層中には、必要に応じ、界面活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。
【0042】磁性層形成用の塗料は、上記各成分に有機溶剤を加えて調整する。用いる有機溶剤は特に制限はなく、下層非磁性層に使用するものと同様のものが使用可能である。
【0043】上層磁性層の厚さは、0.30μm以下、好ましくは0.05〜0.30μm、更に好ましくは0.10〜0.25μmとする。例えば0.15μmといった0.20μm未満の厚さも好適である。磁性層が厚すぎると、自己減磁損失や厚み損失が大きくなる。
【0044】[バックコート層]バックコート層は、走行安定性の改善や磁性層の帯電防止等のために設けられる。バックコート層は、30〜80重量%のカーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの含有量が少なすぎると、帯電防止効果が低下する傾向があり、さらに走行安定性が低下しやすくなる。また、光透過率が高くなりやすいので、テープ端を光透過率の変化で検出する方式では問題となる。一方、カーボンブラックの含有量が多すぎると、バックコート層の強度が低下し、走行耐久性が悪化しやすくなる。カーボンブラックは、通常使用されるものであればどのようなものであってもよく、その平均粒径は、5〜500nm程度が好ましい。平均粒径は、通常、透過型電子顕微鏡により測定する。
【0045】バックコート層には、前記カーボンブラック以外に、機械的強度を高めるために、磁性層の説明において挙げた各種研磨材等の非磁性無機粉末を含有させてもよい。非磁性無機粉末の含有量は、カーボンブラック100重量部に対し、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。非磁性無機粉末の平均粒径は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。このような非磁性無機粉末の含有量が少なすぎると、バックコート層の機械的強度が不十分となりやすく、多すぎるとテープ摺接経路のガイド等の摩耗量が多くなりやすい。
【0046】この他、必要に応じ、界面活性剤等の分散剤、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコンオイル等の潤滑剤、その他の各種添加物を添加してもよい。
【0047】バックコート層に用いる結合剤、架橋剤、溶剤等は、前述した磁性層用塗料に用いるものと同様のものでよい。結合剤の含有量は、固形分の合計100重量部に対し、好ましくは15〜200重量部、より好ましくは50〜180重量部である。バインダーの含有量が多すぎると、媒体摺接経路との摩擦が大きくなりすぎて走行安定性が低下し、走行事故を起こしやすくなる。また、磁性層とのブロッキング等の問題が発生する。結合剤の含有量が少なすぎると、バックコート層の強度が低下して走行耐久性が低下しやすくなる。
【0048】バックコート層の厚さ(カレンダー加工後)は、1.0μm以下、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。バックコート層が厚すぎると、媒体摺接経路との間の摩擦が大きくなりすぎて、走行安定性が低下する傾向にある。一方、薄すぎると、非磁性支持体の表面性の影響でバックコート層の表面性が低下する。このため、バックコートを熱硬化する際にバックコート層表面の粗さが磁性層表面に転写され、高域出力、S/N、C/Nの低下を招く。また、バックコート層が薄すぎると、媒体の走行時にバックコート層の削れが発生する。
【0049】[非磁性支持体]非磁性支持体として用いる材料には特に制限はなく、目的に応じて各種可撓性材料、各種剛性材料から選択し、各種規格に応じてテープ状などの所定形状および寸法とすればよい。例えば、可撓性材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどの各種樹脂が挙げられる。これら非磁性支持体の厚さは3.0〜20.0μmであることが好ましい。
【0050】本発明で使用される非磁性支持体の表面粗さは、中心線平均表面粗さRaで20nm以下、好ましくは15nm以下である。非磁性支持体の表面粗さは、必要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由に制御される。これらフィラーの例としては、Ca、Si、Ti、Alなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末が挙げられ、好ましくは、Al2 3と有機樹脂微粉末の組み合わせである。
【0051】[製造方法]本発明の磁気記録媒体は、上記材料を用いて下層非磁性層用塗料及び上層磁性層用塗料をそれぞれ調製し、前記非磁性支持体上に、この順に塗布することにより製造することができる。
【0052】前記下層非磁性層用及び上層磁性層用の各塗料は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて、混合工程、粘度調整工程及び濾過工程を行うことにより製造される。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていても構わない。本発明に使用する強磁性粉末、非磁性無機粉末、結合剤、研磨材、カーボンブラック、潤滑剤、溶剤などすべての材料は、どの工程の最初又は途中で、または、個々の材料を2つ以上の工程で分割して添加しても構わないが、研磨材、カーボンブラック等の添加時期によって凹みが変化するので、これらを制御するように用いることが好ましい。
【0053】塗料の混練・分散には、従来公知の製造技術を一部又は全部の工程に用いることができることはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加圧ニーダなど強い混練力を持つものを使用することが好ましい。連続ニーダ又は加圧ニーダを用いる場合は、強磁性粉末あるいは非磁性無機粉末と結合剤のすべて又はその一部(ただし全結合剤の10重量%以上が好ましい)で混練処理される。混練時のスラリー温度は,50℃〜110℃が好ましい。
【0054】また、塗料の分散には、高比重の分散メディアを用いることが望ましく、ジルコニア、チタニア等のセラミック系メディアが好適である。従来より用いられているガラスビーズ、金属ビーズ、アルミナビーズ等なども組成配合によっては選択使用可能である。
【0055】磁気記録媒体の製造に際して、非磁性支持体上に前記下層非磁性層用塗料を塗布、乾燥、平滑化処理及び放射線照射を施し硬化させた後、この下層非磁性層上に前記上層磁性層用塗料を塗布することが好ましい。バックコート層の塗布は、下層非磁性層及び上層磁性層の塗設前であっても塗設後であってもよく、同時であってもよい。
【0056】塗布手段は、例えばグラビアコート、リバースコート、エクストルージョンノズル等のいずれを用いても良いが、操作性や生産性の点で、ダイノズルコーターを用いる方法が好ましい。
【0057】本発明では、磁性層を設層した後、磁場を印加して、層中の磁性粒子を配向させることが好ましい。配向方向は、目的に応じて、媒体の走行方向に対して、平行方向であっても、垂直方向であっても、斜め方向であってもよい。所定方向へ向けるため、フェライト磁石や希土類磁石等の永久磁石、電磁石、ソレノイド等で1000G以上の磁界を印可したり、これらの磁界発生手段を複数併用することが好ましい。さらには乾燥後の配向性が最も高くなるように、配向前に予め適度の乾燥工程を設けたり、配向と同時に乾燥を行うなどして配向を行ってもよい。
【0058】このようにして磁性層塗設後、配向処理の行われた塗膜は、通常、乾燥炉の内部に設けられた熱風、遠赤外線、電気ヒーター、真空装置等の公知の乾燥及び蒸発手段によって乾燥・固定される。乾燥温度は、室温から300℃程度までの範囲で、非磁性支持体の耐熱性や溶剤種、濃度等によって適宜選定すればよく、また乾燥炉内に温度勾配をもたせてもよい。さらに乾燥炉内のガス雰囲気は、一般の空気又は不活性ガスなどを用いればよい。
【0059】このようにして磁性層を乾燥した後に、必要に応じて表面平滑化処理としてカレンダ処理を行う。カレンダ処理ロールとしては、エポキシ、ポリエステル、ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロール(カーボン、金属やその他の無機化合物が練り込まれているものでもよい)と金属ロールとの組合わせ(3ないし7段の組合わせ)を使用するとよい。また、金属ロール同士で処理することもできる。処理温度は、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は、好ましくは200kg/cm以上、さらに好ましくは250kg/cm以上、処理速度は、20m/分〜900m/分の範囲である。本発明では、100℃以上の温度で250kg/cm以上の線圧で、より一層効果を上げることができる。
【0060】なお、磁気テープの磁性層表面の凹みについては、バックコート層への粗大粒子の種類と添加量の制御によって形成させることができる。磁気テープは巻回された状態で製品となるため、磁性層とバックコート層の表面同士が接触し、平滑な磁性層表面に粗いバックコート表面の形状が転写して凹みとなるためである。
【0061】磁性層表面に本発明の凹みを設けるその他の方法としては、例えば磁性層塗料を作成する工程において研磨材を別分散とし、これの分散度を調整してから磁性塗料に加えて塗布液とする方法、非磁性下層の硬化度を調整して上層磁性層中の研磨材や凝集体をカレンダー処理により、適度に非磁性下層に埋没させる方法などがある。
【0062】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[上層磁性層用塗料の調製]
(バインダー溶液調製)
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製:MR-110) 10重量部ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR-8300 ) 7重量部MEK 21重量部トルエン 21重量部シクロヘキサノン 21重量部上記組成物をハイパーミキサーに投入し、混合・撹拌し、バインダー溶液とした。
【0063】
(混練)
下記組成物を加圧ニーダーに投入し、2時間混練を行った。
α- Fe磁性粉 100重量部(Hc=1850Oe 、σs=130emu/g、 BET=57m2/g 、長軸長=0.10 μm) α−Al2 3 2重量部(住友化学工業社製:HIT-60A、平均粒径=0.20 μm)
α−Al2 3 10重量部(住友化学工業社製:HIT-82 、平均粒径=0.13 μm)
バインダー溶液 40重量部混練後のスラリーに下記組成物を投入して、分散処理に最適な粘性に調整した。
バインダー溶液 40重量部MEK 15重量部トルエン 15重量部シクロヘキサノン 15重量部【0064】(分散)上記スラリーをサンドミルにて分散処理を行った。
【0065】(粘度調整液)下記組成物をハイパーミキサーに投入し、1時間混合・撹拌し、粘度調整液とした。上記粘度調整液を95%カット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。
ステアリン酸 0.5重量部ミリスチン酸 0.5重量部ステアリン酸ブチル 0.5重量部MEK 65重量部トルエン 65重量部シクロヘキサノン 65重量部【0066】(粘度調整)分散後のスラリーに上記溶液を混合撹拌した後、サンドミルにて再度分散処理を行い、塗料とした。上記塗料を95%カット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。
【0067】(最終塗料)濾過後の塗料100重量部にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製、コロネートL)0.8重量部を加え撹拌・混合し、95%カット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行い、磁性層用の最終塗料とした。
【0068】
[下層非磁性層用塗料の調製]
(バインダー溶液調製)
電子線硬化型塩化ビニル系樹脂 10重量部(塩化ビニル−エポキシ含有モノマー共重合体、平均重合度=310、エポキシ含有量=3wt%、S含有量=0.6wt%、アクリル含有量=6個/1分子、Tg=60℃)
電子線硬化型ポリエステルポリウレタン樹脂 7重量部(リン化合物−ヒドロキシ含有ポリエステルポリウレタン、数平均分子量=13000、アクリル含有量=6個/1分子、Tg=10℃)
MEK 21重量部トルエン 21重量部シクロヘキサノン 21重量部上記組成物をハイパーミキサーに投入、撹拌し、バインダー溶液とした。
【0069】(混練)下記組成物を加圧ニーダーに投入し、2時間混練を行った。
針状α−Fe2 3 75重量部 (戸田工業社製:DPN-250BW 、長軸長=0.15 μm、比表面積=53m2/g )
カーボンブラック 25重量部 (コロンビアカーボン社製:Raven760B 、平均粒径=30nm 、比表面積=70m2/g 、DPB吸油量=48ml/100g)
バインダー溶液 40重量部混練後のスラリーに下記組成物を投入して、分散処理に最適な粘性に調整した。
バインダー溶液 40重量部MEK 15重量部トルエン 15重量部シクロヘキサノン 15重量部【0070】(分散)上記スラリーをサンドミルにて分散処理を行った。
【0071】(粘度調整液)下記組成物をハイパーミキサーに投入、撹拌し、粘度調整液とした。
ステアリン酸 0.5重量部ミリスチン酸 0.5重量部ステアリン酸ブチル 0.5重量部MEK 65重量部トルエン 65重量部シクロヘキサノン 65重量部【0072】(粘度調整及び最終塗料)分散後のスラリーに上記溶液を混合撹拌した後、サンドミルにて再度分散処理を行い、塗料とした。上記塗料を95%カット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行い、下層非磁性層用の最終塗料とした。
【0073】
[バックコート層用塗料の調製]
(バインダー溶液調整)
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 65重量部(モノマー重量比=92:3:5 、平均重合度=420)
ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR-8300 ) 35重量部MEK 260重量部トルエン 260重量部シクロヘキサノン 260重量部上記組成物をハイパーミキサーに投入、撹拌し、バインダー溶液とした。上記バインダー溶液を95%カット濾過精度=5.0μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。
【0074】
(分散)
下記組成物をボールミルに投入し、24時間分散を行った。
カーボンブラック 80重量部(コロンビアカーボン社製: Conductex SC、平均粒径=20nm、BET=220m2/g )
カーボンブラック (表3に示す)X重量部(コロンビアカーボン社製:Sevacarb MT、平均粒径=350nm、BET=8m2/g)
カーボンブラック (表3に示す)Y重量部 (キャボット社製:Black Pearls 130 、平均粒径=75nm 、BET=25m2/g)
α−Fe2 3 (戸田工業社製:TF100、平均粒径=0.1μm) 1重量部バインダー溶液 880重量部【0075】(粘度調整液)下記組成物をハイパーミキサーに投入、撹拌し、粘度調整液とした。上記粘度調整液を95%カット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。
ステアリン酸 1重量部ミリスチン酸 1重量部ステアリン酸ブチル 2重量部MEK 210重量部トルエン 210重量部シクロヘキサノン 210重量部【0076】(粘度調整)分散後のスラリーに上記溶液を混合撹拌した後、再度ボールミルにて分散処理を3時間行った。上記塗料を95%カット濾過精度=1.2μmのデプスフィルターを用いて循環濾過を行った。
【0077】(最終塗料)濾過後の塗料100重量部にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート−L)1重量部を加え、撹拌・混合し、バックコート塗料とした。
【0078】[磁気テープの作成]
(実施例1〜4、比較例1〜3)実施例1〜4、比較例1〜3において、表3に示すカーボンブラックの配合のバックコート塗料を使用した。非磁性支持体(厚さ6.2μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)表面に下層非磁性層用塗料を塗布、乾燥、カレンダー加工を行い、窒素ガス雰囲気中で電子線を照射し硬化させた。この下層非磁性層上に上層磁性層用塗料を塗布、配向、乾燥、カレンダー加工を施した。カレンダー加工後の上層磁性層/下層非磁性層の膜厚は全サンプル0.25μm/2.0μmであった。さらに、非磁性支持体の裏面にはバックコート層用塗料を塗布した。乾燥後、カレンダー加工を行った。カレンダー加工後のバックコート層の膜厚は全サンプル0.5μmであった。このロールを24時間常温にて放置後、60℃の加熱オーブン中にて24時間硬化した後、ロールを1/2インチ幅に切断してDLTカートリッジに組み込み、磁気テープサンプルとした。
【0079】
【表3】

【0080】<磁性層表面の凹み測定方法>磁性層表面の凹みの深さ及び個数を評価する測定方法について述べる。本発明において、凹みの深さとは、WYKO製NT−2000を用いて3次元表面粗さを測定し、磁性層表面粗さの平均面から凹み最深部までの距離をいう。ここで、平均面とは測定面内の凹凸の体積が等しくなる面のことである。測定は246.6μm×187.5μm(46237.5μm2 )の範囲で行った。凹み数として、上記測定範囲で50nm以上の深さを有した凹み数を求めた。Rvは上記測定範囲の凹みの中で、最大凹みの深さ[nm]とした。測定条件は、使用レンズ倍率:50倍、干渉計形式:ミラウとした。
【0081】<エラー測定方法>磁気テープサンプル上に、各種データパターンの信号をテープ全長にわたって書き込み、書き込み直後の読み出し検査時に訂正不可能なエラーが発生し、別箇所に再書き込み(リライト)した回数を測定した。全書き込み容量を測定して、1MB当たりのエラー値として算出した。
使用ドライブ:Quantum社製DLT−7000(DLT5モード)
RLL2−7変調後のデータパターンが以下になるような信号を記録した。
入力データパターンA:000100の繰り返し入力データパターンB:ランダム信号
入力データパターンC:0001001001000の繰り返し各磁気テープサンプルの評価結果を表4に示す。
【0082】
【表4】

【0083】表4より、磁性層表面粗さが本発明の範囲内の実施例1〜4の各磁気テープサンプルでは、データパターンA、B、Cのいずれにおいてもエラー数が非常に少なかった。これに対して、比較例3では、Rvが100nm未満であり、データパターンAでは、比較的エラー数が少ないが、実際の使用条件に近いデータパターンB、Cではエラー数が多くなった。比較例1、2では、Rvが100nmを超え、データパターンAでもエラー数が多くなり、データパターンB、Cでの悪化も顕著であった。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、リニアサーペンタイン方式の記録再生システム用に適する、エラー数の非常に少ない磁気記録媒体が提供される。




 

 


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