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発明の名称 光記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−67732(P2001−67732A)
公開日 平成13年3月16日(2001.3.16)
出願番号 特願平11−247997
出願日 平成11年9月1日(1999.9.1)
代理人 【識別番号】100082865
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 陽一
【テーマコード(参考)】
2H111
5D029
【Fターム(参考)】
2H111 FA12 FA23 FB42 FB43 
5D029 JA04 JB35 JC20 MA13 MA15
発明者 小須田 敦子 / 新海 正博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 有機色素を含有する記録層を有し、この記録層上に、反射層としてこの記録層に接して設けられた金属反射膜を有する光記録媒体において、前記記録層がシアニン色素を含有し、前記金属反射膜がAgを主成分とし、CuとPdとを含有する合金で形成され、CdおよびPdの含有量がそれぞれ2at%以下であることを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】 前記記録層が、シアニン色素および塩形成色素を含有し、このシアニン色素の含有量が記録層中の有機色素全体の50モル%未満である請求項1の光記録媒体。
【請求項3】 前記塩形成色素が、シアニン色素カチオンとアゾ金属錯体アニオンとの塩形成色素である請求項2の光記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素膜を記録層として有する光記録媒体に関し、特に短波長(600〜680nm)で記録再生ができる光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在実用化されている光記録媒体の記録方法は、照射レーザー光を熱源として記録層に蒸発・分解等を生じ光学的に検出可能な凹状のピット形成をするヒートモード記録方法である。
【0003】CD−R、CD−RWなどの記録再生波長は780nm付近であり、より高密度記録をするには記録再生波長を600〜680nmと短波長化することになる。このため記録層に含まれる有機色素の変更やグルーブ形状の変更が必要となる。トラックピッチは0.8μm 以下になり、それに伴いグルーブ幅も狭くなる。また、レーザー波長が短波長化し、開口数(NA)が大きくなるためレーザー光の焦点深度が浅くなる。このためCD−ROM、CD−R等のような1.2mm厚の透明基板は使用できなくなり、厚みが半分の0.6mm厚の透明基板が用いられる。
【0004】有機色素を記録層に含む光記録媒体の構成は透明基板上にスピンコート法または、スプレーコート法、ディップコート法などを用いて記録層を形成し、反射層として記録層に接して金属反射膜を形成する。金属反射膜上には保護層を設け、高密度記録用光記録媒体の場合は保護層上にホットメルト材、UV硬化剤または粘着シートなどを介して貼り合わせを行い媒体として完成する。
【0005】金属反射膜にはAu,Ag,Cu,Pt,Alなどが使用される。耐食性の面から以前はAuが良く使用されたが、高価であるためより安価なAg等の使用が増加している。
【0006】しかし、Agは耐食性が十分ではなく、これに対処するため、種々の合金膜が提案されている。
【0007】例えば、特開平6−131700号には、腐食、亀裂、剥離等が生じない、反射層の耐久性を向上させることを目的として、Au,Ag,Cu,Alからなる第1グループ、Mg,W,Pd,Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Moからなる第2グループ、B,Si,S,P,Cからなる第3グループの各グループに含まれる少なくとも1つの元素から構成される非晶質の反射層を有する光記録媒体が提案されている。ここに記載される光記録媒体は、780nmに対応するものであり、実際、実施例に示される反射層組成はAg−Cr−Co−B−P−W,Au−Ti−B−Si−Ni,Ag−Cu−Cr−B−W,Ag−Mg−W−Si−Sである。
【0008】また、特開平6−208732号には、銀−パラジウム合金、銀−銅合金または銀−パラジウム−銅合金の反射層を有するコンパクトディスクが提案されており、特に合金中のパラジウム成分を15at%未満に、また銅成分を30at%未満にすることにより、金反射層と同等の反射率が得られ、記録層の書込みに通常用いられる出力よりも高い照明出力レベルに対してジッタおよびNORP(最適記録電力におけるノイズ)レベルを低下させることができることが記載されている。ここに記載の光記録媒体は780nmに対応したものであり、また、上記の成分限定は記載されているものの、銀−パラジウム−銅合金についての具体的な組成は全く示されていない。
【0009】特開平7−105575号には、銀を主成分としロジウム、パラジウム、白金、チタン、モリブデン、タンタル、ジルコニウム、バナジウムおよびタングステンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1〜5at%含有する光反射層を有する光記録媒体が提案されており、これにより耐高温・高湿性に優れた高信頼性光記録媒体が低コストで製造可能となることが記載されている。また、ここで光反射層として実施例で使用されているのは、銀−ロジウム合金、銀−チタン−モリブデン合金、銀−パラジウム−タングステン合金、銀−白金−モリブデン合金、銀−チタン合金、銀−タンタル合金、銀−ロジウム−タンタル合金、銀−パラジウム−ジルコニウム合金、銀−チタン−バナジウム合金である。
【0010】また、特開平10−188341号、特開平10−208303号には、光記録媒体の金属反射膜として、耐候性の向上のために、また熱伝導度の微調整のために、Ti,Rh,Cu,Ta,Pd,Ni,V,Co,Cr、Si,C,B,Sn,P、Zn,Moからなる群より選ばれる添加元素を0〜3at%含有する銀を用いることが好ましいことが記載されている。しかし、金属反射膜として実施例に使用されているのは金または銀である。
【0011】前述のように、高密度記録を行う場合には、記録再生波長の短波長化に伴い、従来の媒体に比べ、トラックピッチ、グルーブ幅、基板厚みの変更を余儀なくされるが、記録されるビット自体の大きさも小さくなる。記録ピットは記録層に含まれる有機色素がレーザー光を吸収し分解・蒸発などを生じることで形成される。記録ピットを効率よく形成させるためには記録層での効率よいレーザー光吸収と迅速な熱放出が必要となる。余分な熱はピット形状を変化させジッターやエラーの悪化を起こす。レーザー光吸収によって上昇した記録層の温度を素早く逃がすのは金属反射膜のもう一つの大きな役割である。
【0012】こうした観点もふまえて、高密度記録の実状に即した金属反射膜が要求されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機色素を記録層に含む光記録媒体において、特に記録再生波長が600〜680nmである場合に、優れたジッターおよびエラー特性を示す光記録媒体を提供することである。さらには、耐候性に優れた光記録媒体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記の本発明によって達成される。
【0015】(1) 有機色素を含有する記録層を有し、この記録層上に、反射層としてこの記録層に接して設けられた金属反射膜を有する光記録媒体において、前記記録層がシアニン色素を含有し、前記金属反射膜がAgを主成分とし、CuとPdとを含有する合金で形成され、CdおよびPdの含有量がそれぞれ2at%以下であることを特徴とする光記録媒体。
(2) 前記記録層が、シアニン色素および塩形成色素を含有し、このシアニン色素の含有量が記録層中の有機色素全体の50モル%未満である上記(1)の光記録媒体。
(3) 前記塩形成色素が、シアニン色素カチオンとアゾ金属錯体アニオンとの塩形成色素である上記(2)の光記録媒体。
【0016】なお、特開平6−208732号には、銀−パラジウム−銅合金をコンパクトディスクの反射層に用いる旨が開示されている。しかし、合金中のパラジウム量を15at%未満とし、銅濃度を30at%未満とする旨の記載はあるが、本発明のような合金組成を選択して用いることについては全く示されていない。また、ここに開示のコンパクトディスクの動作波長は、本発明の好ましい態様と異なり、780nmである。
【0017】また、特開平10−188341号、特開平10−208303号には600〜700nmの記録再生波長を用いた光記録媒体が開示されており、その反射層として、耐候性の向上のために、また、熱伝導度の微調整のために、銀に、Ti,Rh、Cu、Ta,Pd,Ni,V,Co,Cr,Si,C,B,Sn,P,Zn,Sb,Moの添加元素を3at%以下の範囲で加えると好ましいことが開示されている。しかし、実施例で実際使用されているのは、金あるいは銀であり、本発明の組成の銀−銅−パラジウム合金を使用することについては全く示されていない。また、実施例で使用されている色素は複素環を有するアゾ金属錯体色素であり、本発明と異なり、シアニン色素を用いるものではない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明の光記録媒体は、有機色素を含む記録層を有し、その好ましい態様は、トラックピッチが0.8μm 以下であり、記録再生波長が600〜680nmと短波長であり、高密度記録に対応したものである。
【0019】このような光記録媒体の構成例を図1に示す。図1に示されるように、光記録媒体である光記録ディスクは、同様な構造のディスク2枚の保護層14同士を貼り合わせて形成する。接着層15の厚さは、10〜200μm 程度である。この場合の基板(通常、ポリカーボネート)は透明基板であり、トラッキングサーボ用のグルーブを有する。基板一枚当たりの厚さは0.6mmであり、グルーブを有する基板11上に記録層12、反射層13、保護層14を順次形成し、一方同様にグルーブを有する基板11上に同様に記録層12、反射層13、保護層14を形成し、上述のように貼り合わされて得られるものである。なお、貼り合わされる一方のディスクは記録層をもたない、いわゆるダミー基板であってもよい。貼り合わせの方法としては、ホットメルト接着剤、遅効性UV接着剤、粘着シート等を利用できる。なお、図1ではグルーブは省略している。
【0020】本発明における反射層13は金属反射膜からなり、金属反射膜はAgを主成分とし、CuおよびPdをそれぞれ2at%以下含有する合金膜である。そして、好ましくはAgとCuとPdの3成分からなる合金膜であり、CuおよびPdの含有量はそれぞれ1at%以下であることが好ましい。また、CuおよびPdの合計含有量は4at%以下が好ましく、さらには3at%以下、特には2at%以下であることが好ましい。その下限に特に制限はないが、CuおよびPdの含有量はそれぞれ0.25at%であることが好ましく、CuおよびPdの合計含有量は0.5at%であることが好ましい。
【0021】高反射率と高い熱伝導率を示すAgに、ほぼ同様の高反射率とAuよりも高い熱伝導率を示すCuと、耐食性の高いPdを添加し合金としたことで、高反射率で高い熱伝導性を有する合金膜を実現できる。これに対し、Cuの含有量が2at%をこえても、Pdの含有量が2at%をこえても、また、特にCuおよびPdの合計含有量が4at%をこえると必要とする反射率が得にくくなり、熱伝導率においても純金属から合金となることで急激に熱伝導率が低下するためこれ以上の含有量では記録層の熱放出が理想的に行われず、ジッターおよびエラー特性を悪化させる。一方、Cuが含有されないものでは、合金膜の強度が低下してしまい、良好な金属反射膜となり得ない。また、Pdが含有されないものでは、十分な耐食性が得られにくくなる。
【0022】このような合金組成を選択したのは以下の理由による。本発明の好ましい態様である高密度記録を行うには記録再生波長を600〜680nmと短波長化し、光記録媒体のトラックピッチを0.8μm 以下にする必要がある。それに伴いグルーブ幅も狭くなる。また、レーザー波長が短波長化し、開口数(NA)が大きくなるためレーザー光の焦点深度が浅くなりCD−ROM,CD−R等のような1.2mm厚の透明基板は使用できなくなり、厚みが半分の0.6mm厚の透明基板が用いられる。また、記録されるピット自体の大きさも小さくなる。記録ピットは記録層に含まれる有機色素がレーザー光を吸収し分解・蒸発などを生じることで形成される。記録ピットを効率よく形成させるためには記録層での効率よいレーザー光吸収と迅速な熱放出が必要となる。余分な熱はピット形状を変化させジッターやエラーの悪化を起こす。レーザー光吸収によって上昇した記録層の温度を素早く逃がすのは金属反射膜のもう一つの大きな役割である。従って、このような金属反射膜の特性上のバランスを考えて選択されたのが、上記組成である。
【0023】反射層13の厚さは50nm以上であることが好ましく、蒸着、スパッタ等により設層すればよい。また、厚さの上限に特に制限はないが、コスト、生産作業時間等を考慮すると、120nm程度以下であることが好ましい。これにより、反射層13単独での反射率は、89%以上となり、媒体の未記録部の基板を通しての反射率は十分である。
【0024】このような金属反射膜である反射層と組み合わせるのが好ましい記録層13中の有機色素としてはシアニン色素が好ましい。これは必要な光学特性を得やすく、また十分な変調度が得られるためである。シアニン色素はインドレニン系のトリメチンシアニン色素が好ましい。本発明にいうシアニン色素は、通常の対イオン(一般的にはアニオン)を有するシアニン色素(分子内塩も含む。)を指し、金属錯体クエンチャーイオンや色素イオンを構成イオンとするものは除く。一方、本発明にいう塩形成色素は、シアニン色素イオン(一般的にはカチオン)を構成イオンとし、金属錯体クエンチャーイオンや色素イオンを対イオンとして有するものを指す。この場合、シアニン色素の含有量は記録層中の有機色素全体の50モル%以下、さらには50モル%未満、特には48モル%以下であることが好ましい。この含有量の下限には特に制限はないが、上記の塩形成色素と併用されるのが好ましいので、通常10モル%程度である。一方、塩形成色素の含有量は記録層中の有機色素全体の50モル%以上、さらには50モル%以上90モル%以下の割合であることが好ましい。
【0025】本発明では、上述のように、通常の対イオンを有するシアニン色素と、シアニン色素イオンを構成イオンとする塩形成色素との併用が好ましい。
【0026】このような割合とすることで、未記録特性に優れ、変調度が大きく、耐光性が良好となる。これに対し、通常の対イオンを有するシアニン色素の割合が大きくなると十分な耐光性が得られなくなり、塩形成色素の割合が大きくなると未記録特性を満足しにくく、変調度も小さくなりやすいため好ましくない。
【0027】通常のアニオンを対イオンとして有するシアニン色素としては、下記式(1)、(2)で表されるものが好ましい。
【0028】式(1)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基などを表す。式(1)、(2)中、R1およびR2は、それぞれ、総炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、具体的にはアルキル基(特に直鎖)が好ましく、置換基を有していてもよい。置換基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基などが好ましい。また、R1とR2とは同一であっても異なっていてもよい。Y-はClO4-、BF4-、I-などのアニオンを表す。
【0029】式(1)、(2)の具体例を、式(1)、(2)の構造式とともに、R1、R2等の組合せとして下記に示す。なお、Y-についてはいずれにもなりうるので特記しない。
【0030】
【化1】

【0031】
【化2】

【0032】
【化3】

【0033】
【化4】

【0034】これらの色素は1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
【0035】塩形成色素としては、式(1)、(2)中の対アニオンY-をアゾ金属錯体イオンとした下記式(3)、(4)で表されるものが好ましい。
【0036】式(3)中のX、式(3)、(4)中のR1、R2は式(1)、(2)中のものと同義のものである。式(3)、(4)中、R3およびR4は総炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、具体的にはアルキル基(特に直鎖)が好ましく、置換基を有していてもよいが、無置換であることが好ましい。また、R3とR4とは同一である方が好ましいが、場合によっては異なっていてもよい。R3同士、R4同士は同一である方が好ましいが、場合によっては異なっていてもよい。
【0037】式(3)、(4)の具体例をR1〜R4等の組合せとして下記に示す。
【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】これらの色素は1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
【0043】本発明において、記録層に用いる有機色素は、上記のシアニン色素と塩形成色素のみであることが好ましいが、さらに他の色素を用いてもよい。
【0044】記録再生波長における記録層の光学定数として、nは2.0以上3.0以下であり、好ましくは2.2以上2.8以下である。kは0.25以下であり、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.18以下である。
【0045】記録層が上記の光学特性を示すために、レーザー光を効率良く吸収しピット形成を行う。従って、良好な記録再生が行える。また、記録の際に発生した熱は反射層によって記録層から逃がされる。反射層の熱伝導率が高ければ余分な熱を速やかに逃がすためピット形状を崩さず良好な特性を得ることができる。
【0046】これに対し、kが0.25を超えると、十分な反射率が得られない。nが2.0未満では信号の変調度が小さすぎる。
【0047】なお、記録層のnおよびkは、所定の透明基板上に記録層を例えば40〜100nm程度の厚さに実際の条件にて設層して、測定用サンプルを作製し、次いで、この測定用サンプルの基板を通しての反射率あるいは記録層側からの反射率を測定することによって求める。この場合、反射率は、記録再生光波長(好ましくは635〜650nm)を用いて鏡面反射(5°程度)にて測定する。また、サンプルの透過率を測定する。そして、これらの測定値から、例えば、共立全書「光学」石黒浩三P168〜178に準じ、n、kを算出すればよい。
【0048】記録層の厚さは、通常、50〜400nmであることが好ましい。
【0049】基板11上に設層される記録層12は、有機色素を含有するものであり、有機色素含有塗布液を用い、好ましくはスピンコート法により形成されたものである。スピンコートは通常の条件に従い、内周から外周にかけて、回転数を500〜5000rpm の間で調整するなどして行えばよい。
【0050】本発明に用いられる塗布溶媒として、具体的には、アルコール系(ケトアルコール系、エチレングリコールモノアルキルエーテル系等のアルコキシアルコール系を含む。)、脂肪族炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、芳香族系、ハロゲン化アルキル系等から適宜選択すればよい。なお、塗布液における色素含有量は、通常0.05〜10wt% とするのがよい。また、塗布液には適宜バインダー、分散剤、安定剤などを含有させてもよい。
【0051】図1に示されるように、基板11は、ディスク状のものであり、基板11の裏面側からの記録および再生を可能とするために、記録光および再生光(好ましくは波長600〜680nm程度、さらには波長630〜680nm程度、なかでも波長635〜680nm程度のレーザー光、特に635nm〜650nm)に対し、実質的に透明(好ましくは透過率88%以上)な樹脂あるいはガラスを用いて形成するのがよい。また、大きさは、直径120mm程度、厚さ0.6mm程度のものとする。
【0052】基板11の記録層12の形成面には、トラッキング・サーボ用のグルーブ(図示せず)が形成される。グルーブは、スパイラル状の連続型グルーブであることが好ましく、深さは0.12〜0.2μm 、幅は0.25〜0.35μm 、トラックピッチ(グルーブピッチ)は0.80μm 以下であり、具体的には0.65〜0.80μm であることが好ましい。グルーブをこのような構成とすることにより、グルーブの反射レベルを下げることなく、良好なトラッキング信号を得ることができる。これに対し、グルーブ深さが0.12μm よりも浅くなると変調度が十分にとれにくくなる。また0.2μm を超えるのは基板成形が技術的に難しく機械精度を悪化させるため現実的ではない。グルーブ幅は0.35μm を超えるとクロストークの要因が大きくなりジッターが悪くなりやすい。グルーブ幅を0.25μm 未満とすると、十分な大きさのトラッキング信号が得られにくく、記録時のトラッキングのわずかなオフセットによって、ジッターが大きくなりやすい。また十分な変調度が得られない。
【0053】基板11は、材質的には、樹脂を用いることが好ましく、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、アモルファスポリオレフィン、TPX、ポリスチレン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂が好適である。そして、このような樹脂を用いて射出成形等の公知の方法に従って製造することができる。グルーブは、基板11の成形時に形成することが好ましい。なお、基板11の製造後に2P法等によりグルーブを有する樹脂層を形成してもよい。また、場合によってはガラス基板を用いてもよい。
【0054】図1に示されるように、記録層12上に設けられる反射層13上には、保護層14が設層される。保護層14は、例えば紫外線硬化樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.5〜100μm 程度の厚さに設層すればよい。保護層14は、層状であってもシート状であってもよい。保護層14は、スピンコート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等の通常の方法により形成すればよい。
【0055】このような構成の光記録ディスクに記録ないし追記を行うには、例えば635nm〜650nmの記録光を、基板11を通してパルス状に照射し、照射部の光反射率を変化させる。なお、記録光を照射すると、記録層12が光を吸収して発熱し、同時に基板11も加熱される。この結果、基板11と記録層12との界面近傍において、有機色素等の記録層材質の融解や分解が生じ、記録層12と基板11との界面に圧力が加わり、グルーブの底面や側壁を変形させることがある。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0057】実施例1グルーブ(深さ0.17μm 、幅0.30μm 、グルーブピッチ0.74μm)を有する直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板上に、有機色素を含有する1.0wt% の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を用い、スピンコート法により100nm厚の有機色素膜を記録層として設けた。この有機色素膜には通常のアニオン(ClO4-)を有するシアニン色素(例示の色素1−8)が33.4mol%、塩形成色素(例示の色素3−5)が66.6mol%含まれ、有機色素膜の635nmでの光学定数はn=2.50、k=0.09であった。この有機色素膜上に反射層としてAg−Cu−Pdの合金膜をスパッタ法で100nmの厚さに成膜した。このときの合金膜の成分比はAg98.47at%,Cu0.85at%,Pd0.68at%であった。また、この合金膜の650nmでの反射率は94.4%であった。さらに紫外線硬化型のアクリル樹脂の透明な保護層(膜厚5μm )を形成した。同様にして形成したディスク2枚の保護層を内側にして接着剤で貼り合わせを行いディスクを作製した(図1参照)。これをサンプルNo.1とする。
【0058】サンプルNo.1において、記録層および反射層の各組成等を次のようにかえてサンプルNo.2〜No.4を得た。
【0059】サンプルNo.2記録層としての有機色素膜には通常のアニオン(ClO4-)を有するシアニン色素(例示の色素1−8と2−1とをモル比で2:1で含む)が45.8mol%、塩形成色素(例示の色素3−5)が54.2mol%含まれ、有機色素膜の635nmでの光学定数はn=2.55、k=0.12であった。
【0060】反射層としての合金膜の成分比はAg98.10at%,Cu0.95at%,Pd0.95at%であった。また、この合金膜の650nmでの反射率は93.5%であった。
【0061】サンプルNo.3記録層としての有機色素膜には通常のアニオン(ClO4-)を有するシアニン色素(例示の色素1−8)が33.4mol%、塩形成色素(例示の色素3−5)が66.6mol%含まれ、有機色素膜の635nmでの光学定数はn=2.50、k=0.09であった。
【0062】反射層としての合金膜の成分比はAg96.42at%,Cu1.80at%,Pd1.78at%であった。また、この合金膜の650nmでの反射率は89.7%であった。
【0063】サンプルNo.4記録層としての有機色素膜には通常のアニオン(ClO4-)を有するシアニン色素(例示の色素1−8)が33.4mol%、塩形成色素(例示の色素3−5)が66.6mol%含まれ、有機色素膜の635nmでの光学定数はn=2.50、k=0.09であった。
【0064】反射層としての合金膜の成分比はAg94.95at%,Cu2.55at%,Pd2.50at%であった。また、この合金膜の650nmでの反射率は86.5%であった。
【0065】なお、合金膜のCuおよびPdの含有量はICP発光分光分析法により測定した。
【0066】これらのサンプルNo.1〜No.4について記録再生特性を評価した。記録波長は636nm、再生波長は650nmのレーザー光を使用し、記録、再生ともに線速CLV3.5m/sで行った。レンズ開口数NAは0.6であった。特性は650nmでの変調度Mod(%)、反射率Rtop(%)、ジッターJitter(%)、エラーPIError(/8ECC)について評価した。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】実施例2実施例1のサンプルNo.1において、記録層および反射層の各組成等を次のようにかえてサンプルNo.21を得た。
【0069】記録層としての有機色素膜には通常のアニオン(ClO4-)を有するシアニン色素(例示の色素1−8)が46.2mol%、塩形成色素(例示の色素3−5)が53.8mol%含まれ、有機色素膜の635nmでの光学定数はn=2.42、k=0.05であった。
【0070】反射層としての合金膜の成分比はAg98.10at%,Cu0.95at%,Pd0.95at%であった。また、この合金膜の650nmでの反射率は93.5%であった。
【0071】さらに、サンプルNo.21において、反射層をAg膜とするほかは同様にしてサンプルNo.22を得た。Ag膜の650nmでの反射率は98.1%であった。
【0072】これらのサンプルNo.21、No.22の高温高湿(80℃80%RH)条件で50時間経時させる前後(高温高湿試験前後)でのエラーPIError(/8ECC)についての特性を評価した。結果を表2に示す。
【0073】
【表2】

【0074】なお、実施例2のサンプルNo.21において、反射層をAg−Cu合金膜(Cu含有量2at%)にかえたサンプルNo.31、Ag−Pd合金膜(Pd含有量2at%)にかえたサンプルNo.32を得た。これらのサンプルNo.31、No.32について特性を調べた。サンプルNo.31は、高温高湿(80℃80%RH)条件で50時間経過させるとエラーPIError(/8ECC)の増加が大きくなり耐食性が劣ることがわかった。また、サンプルNo.32は初期のジッターおよびエラーPIError(/8ECC)において特性が劣ることがわかった。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、反射率、変調度のバランスが良く、良好なジッター特性とエラー特性を示す光記録媒体を得ることができる。




 

 


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