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発明の名称 直接変換受信機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−28552(P2001−28552A)
公開日 平成13年1月30日(2001.1.30)
出願番号 特願平11−200555
出願日 平成11年7月14日(1999.7.14)
代理人 【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
【テーマコード(参考)】
5K004
5K052
【Fターム(参考)】
5K004 AA05 FA09 FH01 
5K052 AA01 AA11 BB02 DD04 EE02 EE13 GG13
発明者 川島 宗也 / 林 等 / 村口 正弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 受信した無線周波数の信号を増幅する第1の可変利得増幅器と、前記第1の可変利得増幅器の入力側で、受信された無線周波数の信号の全受信レベルを検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルに応じて、前記第1の可変利得増幅器の利得を制御する第1の制御回路と、前記第1の可変利得増幅器が出力する無線周波数の信号をベースバンド信号に周波数変換する周波数変換器と、前記周波数変換器が出力するベースバンド信号から不要成分を除去する低域通過フィルタと、前記低域通過フィルタが出力する信号を増幅する第2の可変利得増幅器と、前記第2の可変利得増幅器が出力する信号のレベルに応じて、該第2の可変利得増幅器の利得を制御する第2の制御回路とを設けたことを特徴とする直接変換受信機。
【請求項2】 請求項1の直接変換受信機において、入力信号レベルの対数に応じた信号を出力する対数増幅器を前記レベル検出回路に設けたことを特徴とする直接変換受信機。
【請求項3】 請求項1又は請求項2の直接変換受信機において、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルのアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルと前記第1の可変利得増幅器の利得との間の予め定めた相関に対応するデータを保持するとともに、前記アナログ/ディジタル変換器が出力するディジタル信号を入力するメモリとを前記第1の制御回路に設けたことを特徴とする直接変換受信機。
【請求項4】 請求項3の直接変換受信機において、前記メモリが出力するディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換器を前記第1の制御回路に設け、前記ディジタル/アナログ変換器が出力するアナログ信号を用いて前記第1の可変利得増幅器のバイアスレベルを制御することを特徴とする直接変換受信機。
【請求項5】 請求項3の直接変換受信機において、複数の抵抗器で構成される抵抗分圧回路を前記メモリの出力端子に接続し、前記抵抗分圧回路の出力端子を前記第1の可変利得増幅器のバイアスレベル制御端子に接続したことを特徴とする直接変換受信機。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば携帯電話やPHS(パーソナルハンディホンシステム)のような携帯用通信機器の受信部として用いるのに適する直接変換受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やPHSをはじめとする携帯用通信機器の目覚ましい普及に伴い、機器の小型化・軽量化や低消費電力化が求められている。このような携帯用通信機器の受信方式としては、現在はスーパーヘテロダイン方式が一般に用いられている。
【0003】スーパーヘテロダイン方式の受信機は、例えば図10に示すようにRF部70,IF部71及びベースバンド部72で構成されている。図10の例では、RF部70には帯域通過フィルタ51,低雑音増幅器52,帯域通過フィルタ53,周波数変換器54及び局部発振器55が備わっている。また、IF部71には帯域通過フィルタ56,周波数変換器57,局部発振器58,チャネル選択フィルタ59,中間周波増幅器60,分配器61,周波数変換器62,64及び90度移相器66が備わっている。ベースバンド部72には、低域通過フィルタ63,65,局部発振器67及びベースバンド信号処理回路68が備わっている。
【0004】アンテナ50で受信された無線周波数(RF)の信号がRF部70に入力される。RF部70の帯域通過フィルタ51は、アンテナ50から入力される無線周波数の信号の中から必要な周波数帯域内の信号成分だけを抽出(不要な周波数成分を除去)する。帯域通過フィルタ51が抽出した無線周波数の信号は、低雑音増幅器52で増幅された後、帯域通過フィルタ53を通って周波数変換器54に入力される。
【0005】周波数変換器54は、帯域通過フィルタ53から入力される無線周波数の信号を、局部発振器55で発生する第1局部発振波(第1LO)信号を用いて周波数変換する。周波数変換器54から出力される変換後の信号の周波数は、無線周波数よりも低い第1中間周波数(第1IF)になる。周波数変換器54から出力される信号は、IF部71の帯域通過フィルタ56で不要波成分を除去された後、周波数変換器57に入力される。周波数変換器57は、帯域通過フィルタ56から入力される第1中間周波数の信号を、局部発振器58で発生する第2局部発振波(第2LO)信号を用いて周波数変換する。周波数変換器57から出力される変換後の信号の周波数は、第1中間周波数よりも低い第2中間周波数(第2IF)になる。
【0006】周波数変換器57から出力される信号は、帯域通過フィルタの一種であるチャネル選択フィルタ59を通り、所望のチャネルの信号成分だけが選択される。選択されたチャネルの信号成分は、中間周波増幅器60で増幅された後、分配器61で2系統に分配され、周波数変換器62及び周波数変換器64にそれぞれ入力される。
【0007】一方、局部発振器67で発生する信号から90度移相器66により互いに90度の位相差を有する2つの第3局部発信波(第3LO)信号が生成され、それぞれの第3局部発信波信号が2つの周波数変換器62及び64に入力される。周波数変換器62,64は、分配器61から入力される第2中間周波数の信号に対して第3局部発信波信号を用いて周波数変換を行い、ベースバンド信号を生成する。周波数変換器62から出力されるベースバンド信号(I成分)は、低域通過フィルタ63を通ってベースバンド信号処理回路68に入力され、周波数変換器64から出力されるベースバンド信号(Q成分)は、低域通過フィルタ65を通ってベースバンド信号処理回路68に入力される。
【0008】このようなスーパーヘテロダイン方式では、RF部70、IF部71の各回路でそれぞれフィルタリング及び増幅を行うため、高い感度と良好な周波数選択度を得ることができ、広いダイナミックレンジを確保できる。しかしながら、多くのフィルタを必要とするため、受信機が大型になるのは避けられない。一方、受信機の小型化に適した受信方式の1つとして、直接変換方式が知られている。直接変換方式の受信機は、例えば図9に示すようにRF部75及びベースバンド部76で構成される。
【0009】図9の例では、RF部75には低雑音増幅器140,分配器141,周波数変換器142,143,90度移相器144及び局部発振器145が備わっている。ベースバンド部76には、低域通過フィルタ146,147,増幅器148,149及びベースバンド信号処理回路150が備わっている。アンテナ50で受信された無線周波数の信号は、低雑音増幅器140で増幅された後、分配器141で2系統に分配される。分配器141から出力される2系統の信号は、それぞれ周波数変換器142及び143に入力される。
【0010】一方、局部発振器145で発生した信号は、90度移相器144を通って互いに90度の位相差を有する2つの局部発信波信号になり、それぞれの局部発信波信号が周波数変換器142及び143に入力される。周波数変換器142及び143は、分配器141から入力される無線周波数の信号を90度移相器144から入力される局部発信波信号を用いて周波数変換し、ベースバンド信号を生成する。ここで、局部発振器145が発生する局部発信波信号の周波数は、無線周波数の信号と同じ周波数に設定される。
【0011】周波数変換器142から出力されるベースバンド信号(I成分)は、低域通過フィルタ146で不要波成分を除去された後、増幅器148で増幅されベースバンド信号処理回路150に入力される。同様に、周波数変換器143から出力されるベースバンド信号(Q成分)は低域通過フィルタ147で不要波成分を除去された後、増幅器149で増幅されベースバンド信号処理回路150に入力される。
【0012】このような直接変換方式の受信機では、無線周波数の信号をべ一スバンド信号に直接周波数変換するため、IFフィルタを含むIF部の回路が不要である。また、無線周波数の信号と同じ周波数の局部発信波信号を用いて周波数変換を行うため、イメージ信号が原理的に存在せず、それを除去するための回路やフィルタも不要である。従って、直接変換方式の受信機を用いることにより端末を小型・軽量化することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現実の受信機では自動利得制御を行う必要がある。すなわち、受信レベルが過大な場合には増幅器の利得を下げることにより回路内の信号レベルの飽和を防止できる。また、受信レベルが小さすぎる場合には増幅器の利得を上げることにより受信感度を改善できる。
【0014】自動利得制御を行う受信機は、例えば図11又は図12のように構成することができる。図11に示す受信機には、低雑音増幅器82,周波数変換器83,低域通過フィルタ84及び可変利得増幅部85が備わっている。可変利得増幅部85は、可変利得増幅器86及び利得制御回路87で構成されている。なお、周波数変換器83には図示しない局部発信器からの信号が入力される。
【0015】入力端子81から入力される無線周波数の信号は、低雑音増幅器82で増幅された後、周波数変換器83でベースバンド信号に周波数変換される。周波数変換器83が出力するベースバンド信号は、低域通過フィルタ84で不要波を除去された後、可変利得増幅部85に入力される。
【0016】可変利得増幅部85の利得制御回路87は、可変利得増幅器86の出力するベースバンド信号(希望波成分のみ)のレベル(振幅)を検出し、そのレベルが一定になるように可変利得増幅器86の利得を自動的に制御する。つまり、可変利得増幅器86の出力するベースバンド信号のレベルが過大であれば利得を下げ、レベルが小さすぎる場合には利得を上げる。従って、出力端子88に現れるベースバンド信号のレベルは一定に維持される。
【0017】図11に示すような受信機において、回路各部のレベルは例えば図15,図16に示すようになる。なお、図15,図16の中央部に示されるグラフは、信号に含まれる各周波数成分の分布(横軸fは周波数)を表している。無線周波数の希望波成分の周波数がfdであり、受信した信号には希望波以外の周波数成分も含まれている。周波数変換器83における周波数変換によって、希望波成分の周波数はDC(直流)に変換される。
【0018】また、図15,図16の下方に示すグラフは、各部の信号全体のレベル(振幅)とそれに含まれる各成分の割合を示している。図15は希望波が不要波に比べレベルが高い場合を示し、図16は希望波が不要波に比べレベルが低い場合を示している。図15の例では、低雑音増幅器82の出力における信号全体のレベルが飽和レベルLsよりも低く、可変利得増幅器86の出力における信号のレベルも飽和レベルよりも低いため特に問題は生じない。この場合、可変利得増幅器86の出力における信号のレベルが飽和レベルにならないように、利得制御回路87によって可変利得増幅器86の利得が制御される。
【0019】図16の例では、低雑音増幅器82に入力される信号全体の受信レベルが過大であるため、低雑音増幅器82の出力における信号レベルが飽和レベルLsに到達している。すなわち、低雑音増幅器82の内部で信号が飽和している。この場合も、利得制御回路87は可変利得増幅器86の出力レベルが飽和レベルにならないように可変利得増幅器86の利得を制御しているが、低雑音増幅器82における信号の飽和は制御できない。
【0020】図16において低雑音増幅器82での信号の飽和を避けるためには、入力端子81に入力される信号のレベルを下げるか又は低雑音増幅器82の利得を小さくする必要がある。このため、RF部で広いダイナミックレンジを確保することは困難である。一方、図12に示す受信機ではRF部に低雑音可変利得増幅器91が設けてある。また、可変利得増幅器86の出力の信号レベルを検出する利得制御回路92は、可変利得増幅器86の利得だけでなく低雑音可変利得増幅器91の利得も制御する。
【0021】すなわち、可変利得増幅部90の利得制御回路92は、可変利得増幅器86の出力における信号のレベルが過大な場合には低雑音可変利得増幅器91の利得及び可変利得増幅器86の利得の両方を下げ、信号レベルの飽和を防止する。また、可変利得増幅器86の出力における信号レベルが小さすぎる場合には、利得制御回路92は低雑音可変利得増幅器91の利得及び可変利得増幅器86の利得の両方を上げる。
【0022】図12に示すような受信機では、図11の受信機と比べて特性が多少改善されるが、回路各部のレベルには図15,図16と比べて大きな違いは現れない。図12の受信機における利得制御回路92は、可変利得増幅器86の出力に現れる希望波成分だけのレベルに従って低雑音可変利得増幅器91の利得を制御するので、図15に示すように受信した信号に含まれる希望波成分の比率が高い場合には、受信レベルに応じて低雑音可変利得増幅器91の利得を制御できる。
【0023】しかし、図16に示すように受信した信号に含まれる不要波成分の比率が高い場合には、受信レベルが過大になっても利得制御回路92の検出する希望波のレベルが小さいため、低雑音可変利得増幅器91の利得の低下は僅かであり、低雑音可変利得増幅器91の出力の信号レベルが飽和するのを防止できない。
【0024】従って、図12に示す構成を用いる場合であってもRF部で広いダイナミックレンジを確保することは困難である。例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を用いたデジタル無線通信システムでは、無線通信端末および基地局は、時間的に連続ではないバースト的な信号を送受信する。この場合、時間軸上で見て端末および基地局が出力しない状態(休止期間)から、1つのバースト期間内で信号を受信する状態への高速な移行が必要になる。このような2つの状態の間の移行が短時間に行われないと、通信に活用出来ない時間領域が増加するため、情報伝達効率が低下する。
【0025】従って、高速な無線通信システムでは、信号受信時に通信に活用できない時間領域をできるだけ小さくし、情報伝達効率を向上することが重要である。ところで、フィードバック型の自動利得制御増幅回路は、一般に図13に示すように構成される。図13を参照すると、この回路には可変利得増幅器103,整流回路104,ローパスフィルタ105,誤差増幅回路106及び基準電圧発生回路107が備わっている。
【0026】図13の回路においては、可変利得増幅器103の出力に現れる信号のレベルが変動すると、ローパスフィルタ105の出力に現れる直流電圧Vfが変動する。基準電圧発生回路107が出力する基準電圧Vrefは一定なので、直流電圧Vfが変動するとそれと基準電圧Vrefとの差分を誤差として増幅する誤差増幅回路106の出力には大きなレベル変化が生じる。
【0027】誤差増幅回路106が出力する信号は可変利得増幅器103にバイアス電圧Vbとして印加され、可変利得増幅器103の利得は印加されるバイアス電圧Vbに応じて変化する。その結果、入力端子101の信号レベルが変動しても可変利得増幅器103の出力に現れる信号のレベルが変動しないように自動的に制御される。
【0028】図13に示すような自動利得制御増幅回路を用いる場合、信号の変化に対する利得の追従が遅いため、バースト信号の高速化に対応するためには、フィードバックループのループ時定数を小さくして応答速度を改善する必要があった。しかしながら、回路の応答速度と収束時間との間にはトレードオフの関係があるため、応答速度を早くするとバースト毎の正確な振幅変動情報を得ることができないという問題点が生じる。
【0029】また、一般的な増幅器の入出力特性は図14に示すようになる。この例では、入力レベルがPin(min)からPin(max)の範囲で変化する場合に出力レベルはPout(min)からPout(max)の範囲になる。図14の例では、飽和レベルがPsatであり、入力レベルがPin(a)以上の場合に増幅器が飽和して出力レベルが一定になる。すなわち、入力のダイナミックレンジはPd(in)であり、出力のダイナミックレンジはPd(out)なので、出力のダイナミックレンジは入力のダイナミックレンジに比べて(Pin(max)−Pin(a))だけ狭くなる。
【0030】仮に、図14に示す増幅器を図13の自動利得制御増幅回路における可変利得増幅器103として用いる場合、可変利得増幅器103の出力側で信号のレベルを検出しているので、検出可能な信号レベルの範囲はPd(out)になる。従って、可変利得増幅器103の入力側の実際のダイナミックレンジに比べて狭い範囲の信号レベルしか検出できない。
【0031】また、例えば携帯電話やPHSに用いられる受信機の場合には、受信レベルの検出が必要であるため自動利得制御増幅回路の入力側にも受信レベルを検出するための回路を設ける必要がある。このため、受信機の構成が複雑になり回路規模も大きくなる。前述のように、従来の直接変換受信機では様々な問題があった。特に、希望波の受信レベルが不要波に比べて低い場合に、RF部の増幅器が飽和して十分なダイナミックレンジが得られないことは大きな問題である。
【0032】本発明は、上記のような直接変換受信機において希望波の受信レベルが不要波に比べて低い場合のダイナミックレンジを改善することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1の直接変換受信機は、受信した無線周波数の信号を増幅する第1の可変利得増幅器と、前記第1の可変利得増幅器の入力側で受信された無線周波数の信号の全受信レベルを検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルに応じて、前記第1の可変利得増幅器の利得を制御する第1の制御回路と、前記第1の可変利得増幅器が出力する無線周波数の信号をベースバンド信号に周波数変換する周波数変換器と、前記周波数変換器が出力するベースバンド信号から不要成分を除去する低域通過フィルタと、前記低域通過フィルタが出力する信号を増幅する第2の可変利得増幅器と、前記第2の可変利得増幅器が出力する信号のレベルに応じて、該第2の可変利得増幅器の利得を制御する第2の制御回路とを設けたことを特徴とする。
【0034】受信された無線周波数の信号は、第1の可変利得増幅器で増幅された後、周波数変換器によってベースバンド信号に周波数変換される。このベースバンド信号に含まれる不要波成分は、低域通過フィルタで除去される。不要波成分が除去されたベースバンド信号は、第2の可変利得増幅器で増幅される。レベル検出回路は、第1の可変利得増幅器の入力側で受信された無線周波数の信号の全受信レベルを検出する。第1の制御回路は、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルに応じて、前記第1の可変利得増幅器の利得を制御する。第2の制御回路は、前記第2の可変利得増幅器が出力する信号のレベルに応じて、該第2の可変利得増幅器の利得を制御する。
【0035】請求項1によれば、レベル検出回路は第1の可変利得増幅器が増幅する前の無線周波数の信号のレベルを検出するので、検出可能なレベルの範囲が広い。しかも、希望波及び不要波の両方を含む全受信レベルをレベル検出回路が検出するので、希望波に比べて不要波の受信レベルが大きい場合であっても、全受信レベルが過大な場合に第1の可変利得増幅器の利得を下げて飽和を防止することができる。このため、ダイナミックレンジが広くなる。
【0036】請求項2は、請求項1の直接変換受信機において、入力信号レベルの対数に応じた信号を出力する対数増幅器を前記レベル検出回路に設けたことを特徴とする。請求項2では、対数増幅器を備えるので、全受信レベルが小さい場合にはその微妙な変化を大きな変化として検出することが可能である。しかも、全受信レベルが非常に大きい場合でも対数増幅器が飽和しにくいため、大きなレベルの変化も容易に検出できる。従って、広い範囲の全受信レベルに対して第1の可変利得増幅器の出力レベルを一定に維持できる。
【0037】請求項3は、請求項1又は請求項2の直接変換受信機において、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルのアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器と、前記レベル検出回路が検出した全受信レベルと前記第1の可変利得増幅器の利得との間の予め定めた相関に対応するデータを保持するとともに、前記アナログ/ディジタル変換器が出力するディジタル信号を入力するメモリとを前記第1の制御回路に設けたことを特徴とする。
【0038】請求項3では、検出した全受信レベルがアナログ/ディジタル変換器でディジタル信号に変換され、前記メモリに印加される。このメモリの出力するディジタル信号に応じて、前記第1の可変利得増幅器の利得が定まる。つまり、検出された全受信レベルと第1の可変利得増幅器の利得との相関は、前記メモリに保持するデータの内容に応じて定まる。
【0039】従って、例えば検出される全受信レベルが対数変換されている場合や、第1の可変利得増幅器の利得制御入力と利得との関係が線形でない場合であっても、前記メモリに保持するデータの変更だけで簡単に対応できる。
【0040】請求項4は、請求項3の直接変換受信機において、前記メモリが出力するディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換器を前記第1の制御回路に設け、前記ディジタル/アナログ変換器が出力するアナログ信号を用いて前記第1の可変利得増幅器のバイアスレベルを制御することを特徴とする。請求項4では、第1の可変利得増幅器のバイアスレベルを制御することにより、増幅器の動作点を変更し利得を制御する場合を想定している。前記ディジタル/アナログ変換器は、前記メモリが出力するディジタル信号をアナログ信号に変換して第1の可変利得増幅器にバイアスレベルとして印加する。
【0041】請求項5は、請求項3の直接変換受信機において、複数の抵抗器で構成される抵抗分圧回路を前記メモリの出力端子に接続し、前記抵抗分圧回路の出力端子を前記第1の可変利得増幅器のバイアスレベル制御端子に接続したことを特徴とする。請求項5では、第1の可変利得増幅器のバイアスレベルを制御することにより、増幅器の動作点を変更し利得を制御する場合を想定している。前記抵抗分圧回路は、前記メモリが出力するディジタル信号をその値に応じて変化するアナログ電圧に変換することができる。前記抵抗分圧回路が出力するアナログ電圧は、第1の可変利得増幅器にバイアスレベルとして印加される。
【0042】抵抗分圧回路は受動素子である抵抗器だけで構成でき、特別な電力をそれに供給する必要がないため、一般のD/A変換器を用いる場合と比べて受信機の電力消費を低減できる。
【0043】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明の直接変換受信機の1つの実施の形態について、図1〜図4を参照して説明する。この形態は請求項1に対応する。
【0044】図1はこの形態の受信機の構成を示すブロック図である。図2は可変利得増幅器11の特性例を示すグラフである。図3は実施の形態で希望波が不要波に比べレベルが高い場合の各部のレベルを示すレベルダイヤグラムである。図4は実施の形態で希望波が不要波に比べレベルが低い場合の各部のレベルを示すレベルダイヤグラムである。
【0045】この形態では、請求項1の第1の可変利得増幅器,レベル検出回路,第1の制御回路及び第2の制御回路は、それぞれ可変利得増幅器11,レベル検出回路12,利得制御回路13及びレベル制御回路23に対応する。また、請求項1の周波数変換器は周波数変換器142,143に対応し、請求項1の低域通過フィルタは低域通過フィルタ146,147に対応し、請求項1の第2の可変利得増幅器は可変利得増幅器21,22に対応する。
【0046】図1に示す受信機(直接変換受信機)は、RF利得制御部10,分配器141,周波数変換器142,143,90度移相器144,局部発振器145,低域通過フィルタ146,147,ベースバンド利得制御部20及びベースバンド信号処理回路150を備えている。また、RF利得制御部10は可変利得増幅器11,レベル検出回路12及び利得制御回路13を備え、ベースバンド利得制御部20は可変利得増幅器21,22及びレベル制御回路23を備えている。
【0047】アンテナ50から入力される無線周波数の信号は、可変利得増幅器11で増幅された後、分配器141を通って2系統に分配される。分配された各系統の信号は、周波数変換器142及び143に入力される。局部発振器145は、受信した信号と同じ無線周波数の局部発信波信号を出力する。局部発振器145が出力する局部発信波信号は、90度移相器144を介して周波数変換器142及び143に印加される。90度移相器144は、周波数変換器142に印加される局部発信波信号と周波数変換器143に印加される局部発信波信号との間に90度の位相差を与える。
【0048】受信した無線周波数の信号は、周波数変換器142,143によってベースバンド信号の周波数に変換される。周波数変換器142が出力する信号は複素数信号の中の実数成分(I信号)であり、周波数変換器143が出力する信号は虚数成分(Q信号)である。低域通過フィルタ146及び147は、それぞれ周波数変換器142及び143が出力するベースバンド信号の低周波成分だけを通過してベースバンド信号から不要波成分を除去する。すなわち、不要波成分の周波数は受信した無線周波数から多少ずれているのでベースバンド信号上の不要波の周波数は希望波よりも高く、低域通過フィルタ146,147を通過できない。
【0049】低域通過フィルタ146から出力されるベースバンド信号は、可変利得増幅器21で増幅されベースバンド信号処理回路150に入力される。また、低域通過フィルタ147から出力されるベースバンド信号は、可変利得増幅器22で増幅されベースバンド信号処理回路150に入力される。RF利得制御部10に含まれているレベル検出回路12は、可変利得増幅器11の入力側における無線周波数の信号のレベル(全受信レベル:振幅の大きさ)を検出する。例えば、整流回路をレベル検出回路12に内蔵することにより、高周波信号の振幅の大きさを検出できる。
【0050】アンテナ50が受信する信号には、受信対象の信号成分である希望波と受信対象でない成分である不要波とが混在して現れるが、レベル検出回路12は希望波及び不要波の両方を含む全体の受信レベル、すなわち全受信レベルを検出する。利得制御回路13は、レベル検出回路12が検出した無線周波数の全受信レベルに応じて可変利得増幅器11の利得を制御する。実際には、利得制御回路13は可変利得増幅器11の入力側のレベルとは無関係に可変利得増幅器11が出力する無線周波数の信号の振幅が一定になるように利得を制御する。
【0051】例えば、可変利得増幅器11の入力側の全受信レベルが過大である場合には、利得制御回路13は可変利得増幅器11の利得を下げ、可変利得増幅器11の入力側の全受信レベルが小さすぎる場合には、利得制御回路13は可変利得増幅器11の利得を上げる。利得制御回路13はアナログ電気回路で構成することができる。
【0052】この例では、可変利得増幅器11として図2に示すような特性の増幅回路を用いる場合を想定している。可変利得増幅器11としては様々な構成の回路を利用できるが、例えば可変利得増幅器11に内蔵される増幅素子の動作点を定めるバイアス電圧を変更することにより、その利得を変更することができる。その場合には、可変利得増幅器11のバイアス電圧を利得制御回路13の出力する信号で制御すればよい。
【0053】ベースバンド利得制御部20においては、レベル制御回路23が可変利得増幅器21の出力するベースバンド信号の信号レベル(振幅)及び可変利得増幅器22の出力するベースバンド信号の信号レベル(振幅)に基づいて、可変利得増幅器21及び22の利得を制御する。可変利得増幅器21及び22には、レベル制御回路23が出力する制御信号のレベルに応じて利得が変化する増幅回路を用いればよい。レベル制御回路23は、可変利得増幅器21の出力するベースバンド信号の振幅及び可変利得増幅器22の出力するベースバンド信号の振幅が一定になるように制御する。
【0054】すなわち、レベル制御回路23は可変利得増幅器21又は22の出力レベルが過大になると可変利得増幅器21及び22の利得を下げ、可変利得増幅器21又は22の出力レベルが小さすぎる場合には可変利得増幅器21及び22の利得を上げる。図1の受信機の回路各部のレベルは、例えば図3,図4に示すようになる。なお、図3,図4の中央部に示されるグラフは、信号に含まれる各周波数成分の分布(横軸fは周波数)を表している。無線周波数の希望波成分の周波数がfdであり、受信した信号には希望波以外の周波数成分も含まれている。周波数変換器142,143における周波数変換によって、希望波成分の周波数はDC(直流)に変換される。
【0055】また、図3,図4の下方に示すグラフは各部の信号全体のレベル(振幅)とそれに含まれる各成分の割合を示している。図3は希望波が不要波に比べレベルが高い場合を示し、図4は希望波が不要波に比べレベルが低い場合を示している。図4の例では、希望波が不要波に比べレベルが低いため、従来の受信機の場合には信号の飽和が生じる可能性が高い。しかし、この例ではRF利得制御部10の入力側の全受信レベルに応じて可変利得増幅器11の利得を制御しているので、RF利得制御部10の出力レベルは一定であり飽和レベルLsに到達しない。また、RF利得制御部10の内部でも信号の飽和は生じない。
【0056】また、ベースバンド利得制御部20では、その出力に現れる希望波のベースバンド信号レベルに基づいてそれが一定になるように制御しているので、ベースバンド利得制御部20の内部信号及びベースバンド利得制御部20から出力されるベースバンド信号にも飽和は生じない。従って、従来の受信機と比べて広いダイナミックレンジを確保できる。
【0057】(第2の実施の形態)本発明の直接変換受信機のもう1つの実施の形態について、図5,図6を参照して説明する。この形態は請求項2に対応する。図5はこの形態のRF利得制御部の構成を示すブロック図である。図6は対数増幅器14の特性を示すグラフである。この形態は、第1の実施の形態の変形例であり、受信機全体の構成は図1と同一であるが、RF利得制御部10の構成が図5に示すように変更されている。
【0058】図5に示すように、この例ではRF利得制御部10に可変利得増幅器11,対数増幅器14及び利得制御回路15が備わっている。この例では、対数増幅器14は図6に示す特性を有している。すなわち、対数増幅器14においては入力信号レベルの対数にほぼ比例する出力レベル(RSSI)が得られる。
【0059】利得制御回路15は、対数増幅器14が出力するRSSIに応じて可変利得増幅器11の利得を制御し、可変利得増幅器11が出力する無線周波数の信号の振幅を一定にする。すなわち、利得制御回路15は可変利得増幅器11が出力する信号の振幅が過大であると可変利得増幅器11の利得を下げ、可変利得増幅器11が出力する信号の振幅が小さいと可変利得増幅器11の利得を上げるような信号レベルを可変利得増幅器11の制御入力端子に印加する。利得制御回路15は、アナログ回路を用いて構成することができる。
【0060】この形態の受信機の場合にも、回路各部の信号レベルは図3,図4と同様になる。また、対数増幅器14を用いているため、可変利得増幅器11の入力側のレベルが非常に小さい場合であってもその微妙な変化を高感度で検出でき、可変利得増幅器11の入力側のレベルが非常に大きい場合であっても飽和が生じにくいので、広い範囲の入力レベル変化に対して可変利得増幅器11の出力レベルを一定に維持できる。つまり、広いダイナミックレンジが得られる。
【0061】なお、対数増幅器14以外の非線形増幅器を用いる場合にも上記と同様な効果を得ることが可能である。
(第3の実施の形態)本発明の直接変換受信機のもう1つの実施の形態について、図7を参照して説明する。この形態は請求項3,請求項4に対応する。
【0062】図7はこの形態のRF利得制御部の構成を示すブロック図である。この形態は、第1の実施の形態の変形例であり、受信機全体の構成は図1と同一であるが、RF利得制御部10の構成が図7に示すように変更されている。この形態では、請求項3のアナログ/ディジタル変換器及びメモリはそれぞれA/D変換器16及びROM17に対応し、請求項4のディジタル/アナログ変換器はD/A変換器18に対応する。
【0063】図7に示すRF利得制御部10には、可変利得増幅器11,対数増幅器14,A/D変換器16,ROM17及びD/A変換器18が備わっている。この例では、対数増幅器14は図6に示す特性を有している。すなわち、対数増幅器14においては入力信号レベルの対数にほぼ比例する出力レベル(RSSI)が得られる。
【0064】A/D変換器16は、対数増幅器14が出力するアナログ信号レベル(RSSI)をディジタル信号に変換する。ROM17は、それぞれのアドレスに予め定めたデータを保持している。A/D変換器16の出力するディジタル信号は、ROM17のアドレス入力端子に印加される。ROM17のデータ出力端子には、D/A変換器18が接続されている。D/A変換器18はROM17が出力するディジタル信号に対応するアナログ信号レベルを生成する。D/A変換器18の生成したアナログ信号レベルは、可変利得増幅器11の制御入力に印加される。
【0065】従って、この例においても、可変利得増幅器11の入力側で検出された全受信レベルに従って可変利得増幅器11の利得が自動的に制御される。実際には、ROM17の各アドレスに保持されたデータの内容に応じて、可変利得増幅器11の入力側の全受信レベルと可変利得増幅器11の制御入力のレベルとの相関が決定される。
【0066】対数増幅器14における入出力特性や、可変利得増幅器11の制御入力−利得特性には理想特性とのずれが生じる場合が多い。しかし、そのような場合であってもこの例ではROM17に保持するデータの内容を修正するだけで理想的な制御特性を得ることができる。これにより、可変利得増幅器11が出力する無線周波数の信号の振幅を一定に維持できる。
【0067】(第4の実施の形態)本発明の直接変換受信機のもう1つの実施の形態について、図8を参照して説明する。この形態は請求項5に対応する。図8はこの形態のRF利得制御部の構成を示すブロック図である。この形態は、第3の実施の形態の変形例であり、受信機全体の構成は図1と同一であるが、RF利得制御部10の構成が図8に示すように変更されている。
【0068】この形態では、請求項5の抵抗分圧回路は抵抗分圧回路19に対応する。図8に示すRF利得制御部10の動作は、図7とほとんど同じである。すなわち、ROM17のデータ出力端子に接続された抵抗分圧回路19はD/A変換器18と同様の機能を果たす。ROM17が各データ出力端子に出力する電圧は、例えばデータビットが「1」の場合には+5Vの一定電圧になり、データビットが「0」の場合には0Vの一定電圧になる。従って、抵抗分圧回路19の5組の分圧回路を構成する抵抗器R1,R2の比率に応じて各分圧回路から出力される電圧が定まる。
【0069】この例では、データビットが「1」の時に各分圧回路が出力する電圧V1,V2,V3,V4,V5の関係が次の条件を満たすように各抵抗値を定めてある。V1=2・V2,V2=2・V3,V3=2・V4,V4=2・V5抵抗分圧回路19から出力される5つの電圧V1〜V5は、加算回路30で加算されて可変利得増幅器11の制御入力端子に印加される。抵抗分圧回路19から出力される5つの電圧V1〜V5を加算することによって、32種類の電圧をROM17の出力データから生成することができる。
【0070】抵抗分圧回路19及び加算回路30は特別な電源を必要としない受動回路であるため、一般的なD/A変換器を用いる場合と比べて受信機の消費電力が小さくなる。
【0071】
【発明の効果】本発明の直接変換受信機においては、受信した無線周波数の信号に含まれる不要波のレベルが希望波よりも大きい場合であっても、第1の可変利得増幅器の内部及び出力側で信号の飽和が生じるのを防止できるので、受信機のダイナミックレンジが改善される。
【0072】また、対数増幅器を用いてレベルを検出することにより、ダイナミックレンジを更に改善できる。更に、検出したレベルをディジタル信号に変換してディジタル処理を行う場合には、検出した全受信レベルと第1の可変利得増幅器に与える制御レベルとの相関をメモリに保持するデータの変更で容易に変更できる。また、抵抗分圧回路を用いてメモリの出力信号から制御レベルを生成する場合には、受信機の消費電力を低減できる。




 

 


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