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発明の名称 記憶装置のサーボリカバリー方法及び記憶装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−67827(P2001−67827A)
公開日 平成13年3月16日(2001.3.16)
出願番号 特願平11−242063
出願日 平成11年8月27日(1999.8.27)
代理人 【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳 (外1名)
【テーマコード(参考)】
5D096
5D117
【Fターム(参考)】
5D096 AA05 DD09 EE10 GG03 HH11 KK07 KK12 KK13 
5D117 AA02 BB02 BB05 CC01 CC04 EE05 EE28 EE29 FF16
発明者 望月 英志 / 池田 亨
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 記憶媒体のトラックからヘッドがオフトラックした時に、前記ヘッドをオントラック状態に復旧するためのサーボリカバリー処理を実行する記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記オフトラックの検出に応じて、復旧処理レベルが異なる複数のリカバリー処理を有するサーボリカバリー処理を呼び出すステップと、前記サーボリカバリー処理の呼び出し頻度を検出するステップと、前記検出した頻度に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択し、実行するステップとを有することを特徴とする記憶装置のサーボリカバリー方法。
【請求項2】 請求項1の記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記検出するステップは、前記呼び出し頻度が所定値より高いか否かを検出するステップから構成され、前記実行するステップは、前記呼び出し頻度が高いことを検出しない時に、前記リカバリー処理のリトライ回数に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択するステップと、前記呼び出し頻度が高いことを検出した時は、前記複数のリカバリー処理の内、比較的複雑な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択するステップと、前記選択されたリカバリー処理を実行するステップと、前記リカバリー処理による復旧の不成功の時に、前記リトライ回数を更新し、且つリトライ回数に応じて選択された前記リカバリー処理をリトライするステップと、前記リカバリー処理による復旧の成功時に、前記リトライ回数をリセットするステップとからなることを特徴とする記憶装置のサーボリカバリー方法。
【請求項3】 請求項1の記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記検出するステップは、所定期間内に、呼ばれた前記サーボリカバリー処理の呼び出し回数が、規定回数以上か否かを検出するステップからなることを特徴とする記憶装置のサーボリカバリー方法。
【請求項4】 請求項1の記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記検出するステップは、前記サーボリカバリー処理の呼び出し回数を計数するステップと、前記呼び出し回数が前記規定回数に到る頻度時間を測定するステップと、前記頻度時間が、規定時間以上か否かを検出するステップからなることを特徴とする記憶装置のサーボリカバリー方法。
【請求項5】 請求項2の記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記リトライ回数に応じて、前記リカバリー処理の一つを選択するステップは、前記リトライ回数が小さい時は、比較的簡単な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択するステップと、前記リトライ回数が大きい時は、比較的複雑な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択するステップとを有することを特徴とする記憶装置のサーボリカバリー方法。
【請求項6】 請求項1の記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記呼び出し頻度を検出するステップは、前記サーボリカバリー処理の第1の頻度を検出するステップと、前記サーボリカバリー処理の第2の頻度を検出するステップとを有し、前記実行するステップは、前記第1の頻度と前記第2の頻度に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択するステップを有することを特徴とする記憶装置のサーボリカバリー方法。
【請求項7】 請求項1の記憶装置のサーボリカバリー方法において、前記呼び出すステップは、前記ヘッドを位置決めするためのサーボループをオンする簡単な復旧レベルのリカバリー処理と、前記サーボループのキャリブレーションを実行する複雑な復旧レベルのリカバリー処理とを有するサーボリカバリー処理を呼び出すステップからなることを特徴とする記憶装置のサーホリカバリー方法。
【請求項8】 記憶媒体のトラックからデータを読みだすためのヘッドと、前記ヘッドを前記トラックに位置決めするアクチュエータと、前記アクチュエータを制御し、前記ヘッドから信号により前記ヘッドがオフトラックしたことを検出した時に、前記ヘッドをオントラック状態に復旧するためのサーボリカバリー処理を実行する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記オフトラックの検出に応じて、復旧処理レベルが異なる複数のリカバリー処理を有するサーボリカバリー処理を呼び出し、前記サーボリカバリー処理の呼び出し頻度を検出し、前記検出した頻度に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択し、実行することを特徴とする記憶装置。
【請求項9】 請求項8の記憶装置において、前記制御回路は、前記呼び出し頻度が高いか否かを検出し、前記呼び出し頻度が高いことを検出しない時に、前記リカバリー処理のリトライ回数に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択し、前記呼び出し頻度が高いことを検出した時は、前記複数のリカバリー処理の内、比較的複雑な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択し、前記リカバリー処理による復旧の不成功の時に、前記リトライ回数を更新し、且つリトライ回数に応じて選択された前記リカバリー処理をリトライし、前記リカバリー処理による復旧の成功時に、前記リトライ回数をリセットすることを特徴とする記憶装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記憶媒体のトラックのデータを、ヘッドが読み取る記憶装置及びそのサーボリカバリー方法に関し、特に、ヘッドがトラックから外れたことを検出して、ヘッドをトラックに復旧するための記憶装置及びそのサーボリカバリー方法に関する。
【0002】データ記憶装置として、記憶媒体とヘッドを利用した記憶装置が広く利用されている。磁気記憶装置は、記憶媒体に磁気記録媒体を使用する。光学記憶装置は、記憶媒体に光学記憶媒体を使用する。このようなデータ記憶装置では、ヘッドが記憶媒体のトラックに位置決めされた後に、トラックのデータを読み出し、書き込む。この書き込み/読み出しを行うためには、ヘッドがトラックを追従するすることが必要である。
【0003】
【従来の技術】ヘッドをトラックに追従するため、サーボ制御部が設けられている。このサーボ制御部は、ヘッドから読み取った信号により、ヘッドの位置を検出して、トラックに追従させる制御を行う。このトラック追従制御を、コンピュータの外部記憶装置として利用されている光磁気記録装置を例に説明する。
【0004】光磁気記録装置では、データ蓄積部として、光磁気媒体を使用する。この媒体は、基板と、基板上に形成された磁性体からなる記録層を有している。この媒体は、光による加熱と磁界の変化を利用して、情報を記録する。この媒体には、データを記録再生するためのデータトラックが設けられている。一般に、媒体の基板上には、グルーブ(トラッキング案内溝)がスパイラル状に設けられている。このグルーブとグルーブに挟まれたランドに、データの記録再生トラックが設けられている。
【0005】このトラックに、光学ヘッドの光ビームをトラッキングする。そして、記録時には、光による加熱と磁界の変化を利用して、情報を記録する。又、情報を再生する時は、磁気光学効果を利用して、光ビームの反射光から情報を再生する。記録再生を行うためには、レーザーダイオードのレーザー光を、光学ヘッドの対物レンズを通して、媒体面(記録面)に集光する。この集光状態を保持し、且つ常にジャストフォーカス(合焦点)状態に保つ必要がある。このための制御は、フォーカスサーボと呼ばれている。
【0006】又、上記したデータトラックにデータを記録/再生するには、上記ジャストフォーカス状態のレーザービームを、データトラックに追従させる必要がある。この追従制御は、トラックサーボと呼ばれている。光学ヘッドは、反射光からトラック位置ずれ量を示すトラックエラー信号(TES)を発生する。トラックサーボ制御は、このトラックエラー信号から、トラック位置ずれ量がなくなるようなトラック駆動信号を生成する。このトラック駆動信号により、光学ヘッドの対物レンズを移動するトラックアクチュエータを駆動して、光ビームをトラックに追従させる。
【0007】このような光ビームの追従制御により、通常、光ビームが正確にトラックに追従するが、検出されたトラックエラー信号には、各種誤差要因を含む場合がある。この誤差要因としては、外乱(振動)、媒体の欠陥、サーボ回路のパラメータの変動等が上げられる。このため、光ビームがトラックから外れるオフトラック状態を生じることがある。
【0008】この光ビームがトラックから外れたオフトラック状態になった時は、記録/再生が困難となる。このため、オフトラックが検出された場合には、光ビームをトラックに復旧させるためのサーボリカバリー処理を早急に行う必要がある。通常、トラック位置ずれ量は、トラックエラー信号の振幅に現れるから、トラックエラー信号がオフトラックスライスレベルを越えたことを検出して、サーボエラー(オフトラック)を検出する。サーボエラーが検出された(オフトラックが検出された)場合には、トラックサーボループを開放して、暴走を防止し、且つサーボリカバリー処理を起動する。
【0009】このサーボリカバリー処理として、複数のリカバリー処理が用意されている。例えば、簡単な復旧処理で、オントラックの状態へ最短時間で復旧するための第1のリカバリー処理と、キャリブレーション等の複雑な復旧処理を行い、オントラックの状態へ復旧する第2のリカバリー処理を用意する。
【0010】そして、リカバリー処理の選択方法として、リカバリー処理の試行されたリトライ回数による選択が行われている。即ち、最初に第1のリカバリー処理を実行する。この第1のリカバリー処理により復旧できない時は、第2のリカバリー処理を実行する。この方法は、軽度な誤差要因(例えば、振動、媒体欠陥)によるオフトラックである時には、第1のリカバリー処理により最短時間で復旧できる。一方、重度な誤差要因(例えば、回路オフセットの変動等)によるオフトラックの場合には、第2のリカバリー処理により復旧できる。
【0011】即ち、オフトラックの誤差要因が判らないので、初めは、簡単な第1のリカバリー処理を行い、復旧が成功しない場合に、複雑な第2のリカバリー処理をリトライするという方法である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術では、次の問題があった。
【0013】どのような状態であれ、正常状態(オントラック状態)でエラーが発生し、サーボリカバリー処理が呼ばれた場合には、リカバリー回数により、常に、簡単な第1のリカバリー処理が行われる。そして、第1のリカバリー処理により復旧が成功すると、リカバリー回数(リカバリーカウンタ)は、クリア(「0」)される。従って、第1のリカバリー処理で復旧が失敗しない限り、第2のリカバリー処理は実行されないことになる。
【0014】このため、エラー発生して、第1のリカバリー処理によりリカバリー成功した後、再びエラー発生、第1のリカバリー処理によりリカバリー成功というプロセスを延々と繰り返す事態が生じる可能性がある。
【0015】この原因として、キャリブレーションパラメータがずれている可能性がある。通常、キャリブレーションパラメータは、媒体のロード時に、又は温度変化発生時等にキャリブレーション処理が行われ、適正な値に調整される。キャリブレーション処理した後、次のキャリブレーションの前の時期に、この現象が生じやすい。
【0016】例えば、図17に示すように、本来トラックTRKの中央をビームB1が追従するように制御するが、トラックエラー信号(TES)のオフセットがずれている場合には、トラックTRKの端をビームB2が追従するように制御される。このような場合には、不安定な追従状態となり、少しの外乱でオフトラックが発生しやすい。
【0017】そして、第1のリカバリー処理により復旧が成功すると、不安定な状態でのオントラック状態を繰り返すことになる。このため、外乱、偏心、面触れ等に追従できなくなり、オフトラックを繰り返し、第1のリカバリー処理を何度も繰り返すという前述したプロセスが生じてしまう場合がある。このような場合には、第2のリカバリー処理を実行すべきであるが、この第2のリカバリー処理が有効に使用されないという問題があった。
【0018】従って、本発明の目的は、同一のリカバリー処理によるリトライの繰り返しを防止するための記憶装置のサーボリカバリー方法及び記憶装置を提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、サーボ系の不安定な状態を検出することにより、適正なリカバリー処理を実行するための記憶装置のサーボリカバリー方法及び記憶装置を提供することにある。
【0020】本発明の更に他の目的は、サーボ系の状態に応じて、適正なリカバリー処理を実行するための記憶装置のサーボリカバリー方法及び記憶装置を提供することにある。
【0021】本発明の更に他の目的は、発生したエラーの状態に応じて、適正なリカバリー処理を実行するための記憶装置のサーボリカバリー方法及び記憶装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、記憶媒体と、ヘッドと、アクチュエータと、ヘッドが記憶媒体のトラックからオフトラックした時に、ヘッドをオントラック状態に復旧するためのサーボリカバリー処理を実行する制御回路を有する。
【0023】そして、そのサーボリカバリー方法は、前記オフトラックの検出に応じて、復旧処理レベルが異なる複数のリカバリー処理を有するサーボリカバリー処理を呼び出すステップと、前記サーボリカバリー処理の呼び出し頻度を検出するステップと、前記検出した頻度に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択し、実行するステップとを有する。
【0024】本発明は、サーボリカバリー処理しても、オフトラックが頻繁に発生する状態は、サーボリカバリー処理の呼び出し頻度により検出することができる。そこで、サーボリカバリー処理の呼び出し頻度を検出し、頻度に応じたリカバリー処理を実行することにより、同一のリカバリー処理が短期間に繰り返し行われることを防止できる。
【0025】本発明の他の形態は、前記検出するステップは、前記呼び出し頻度が所定値より高いか否かを検出するステップから構成され、前記実行するステップは、前記呼び出し頻度が高いことを検出しない時に、前記リカバリー処理のリトライ回数に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択するステップと、前記呼び出し頻度が高いことを検出した時は、前記複数のリカバリー処理の内、比較的複雑な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択するステップと、前記選択されたリカバリー処理を実行するステップと、前記リカバリー処理による復旧の不成功の時に、前記リトライ回数を更新し、且つリトライ回数に応じて選択された前記リカバリー処理をリトライするステップと、前記リカバリー処理による復旧の成功時に、前記リトライ回数をリセットするステップとからなる。
【0026】この他の形態では、サーボリカバリー処理の呼び出し頻度が低い時は、リトライ回数に応じて、リカバリー処理を選択するので、リトライによる最適なリカバリー処理を選択できる。
【0027】本発明の他の形態は、前記検出するステップは、所定期間内に、呼ばれた前記サーボリカバリー処理の呼び出し回数が、規定回数以上か否かを検出するステップからなる。
【0028】この形態では、頻度を検出するのに、所定期間内の呼び出し回数を用いるため、容易に頻度を検出できる。
【0029】本発明の他の形態では、前記検出するステップは、前記サーボリカバリー処理の呼び出し回数を計数するステップと、前記呼び出し回数が前記規定回数に到る頻度時間を測定するステップと、前記頻度時間が、規定時間以上か否かを検出するステップからなる。
【0030】この形態では、呼び出し回数が規定回数に到る頻度時間を測定しているので、容易に頻度を検出できる。
【0031】又、前記頻度回数が前記規定回数に到った時に、前記サーボリカバリー処理の呼び出し回数を計数する頻度カウンタを、クリアするステップを更に有することもできる。
【0032】この形態では、頻度カウンタをクリアするので、連続して頻度検出を行うことができる。
【0033】更に、前記頻度時間を測定するステップは、前記頻度カウンタがゼロの時に、前記サーボリカバリー処理が呼ばれた第1の時刻を格納するステップと、前記頻度カウンタの値が、前記規定回数に到った時に、前記サーボリカバリー処理が呼ばれた第2の時刻を格納するステップと、前記第1の時刻と、前記第2の時刻から前記頻度時間を測定するステップとを有することもできる。
【0034】この形態では、簡易な処理により頻度時間を測定することができる。
【0035】更に、前記リトライ回数に応じて、前記リカバリー処理の一つを選択するステップは、前記リトライ回数が小さい時は、比較的簡単な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択するステップと、前記リトライ回数が大きい時は、比較的複雑な復旧処理レベルのリカバリー処理を選択するステップとを有することもできる。
【0036】この形態では、リトライ回数に応じて、復旧処理レベルが次第に複雑になっていくため、リトライ回数に応じた最適なリカバリー処理を選択できる。
【0037】本発明の他の形態では、前記呼び出し頻度を検出するステップは、前記サーボリカバリー処理の第1の頻度を検出するステップと、前記サーボリカバリー処理の第2の頻度を検出するステップとを有し、前記実行するステップは、前記第1の頻度と前記第2の頻度に応じて、前記複数のリカバリー処理の一つを選択するステップを有する。
【0038】この形態では、呼び出し頻度を複数の検出モードで検出するため、多様な呼び出し頻度に応じて、最適なリカバリー処理を選択できる。
【0039】本発明の他の形態では、前記呼び出すステップは、前記ヘッドを位置決めするためのサーボループをオンする簡単な復旧レベルのリカバリー処理と、前記サーボループのキャリブレーションを実行する複雑な復旧レベルのリカバリー処理とを有するサーボリカバリー処理を呼び出すステップからなる。
【0040】この形態では、サーボループのリカバリー処理を複数設けたので、サーボループの制御により、最適なリカバリー処理により、オントラック状態に復旧できる。
【0041】この形態では、前記呼び出すステップは、前記ヘッドを位置決めするためのサーボループをオンする簡単な復旧レベルのリカバリー処理と、前記ヘッドを所定の位置に位置付けした後、前記サーボループをオンする中度の復旧レベルのリカバリー処理と、前記サーボループのキャリブレーションを実行する複雑な復旧レベルのリカバリー処理とを有するサーボリカバリー処理を呼び出すステップとすることができる。
【0042】この形態では、簡単、中度、複雑のリカバリー処理を設けたため、エラー状況に応じて、最適なリカバリー処理が可能となる。
【0043】更に、前記呼び出すステップは、光学ヘッドの光ビームが、光記憶媒体のトラックから外れたことを検出して、前記サーボリカバリー処理を呼び出すステップであり、前記サーボリカバリー処理は、前記光学ヘッドをトラック位置決めするためのトラックサーボループをオンする簡単な復旧レベルのリカバリー処理と、前記サーボループのキャリブレーションを実行する複雑な復旧レベルのリカバリー処理とを有することもできる。
【0044】この実施の形態では、光学記憶装置に適用したため、光ビームをトラックに復旧できる。
【0045】更に、前記比較的複雑な復旧レベルのリカバリー処理が実行された後、所定時間、前記複雑な復旧レベルのリカバリー処理の選択を禁止するステップを更に有することもできる。
【0046】この形態では、複雑な復旧レベルのリカバリー処理が頻繁に行われることを防止できる。
【0047】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態の光磁気ディスク装置のブロック図、図2は図1の光ディスクドライブの構成図である。
【0048】図1に示すように、光磁気ディスク装置は、コントロールユニット10とディスクドライブ11とを備える。MPU(マイクロプロセッサ)12は、光磁気ディスク装置の全体的制御を行う。インターフェース17は、ホスト装置(図示せず)との間でコマンド及びデータのやり取りを行う。光ディスクコントローラ(ODC)14は、光磁気ディスク(MO)のリード/ライトに必要な処理を行う。DSP(デジタルシグナルプロセッサ)16は、MPU12の指示に基づいて、後述する各機構部を制御する。バッファメモリ18は、MPU12、ODC14、インターフェース17で共用され、ライトデータの格納、リードデータの格納を行う。
【0049】ODC14には、フォーマッタ14ー1と誤り訂正符号(ECC)処理部14ー2が設けられている。フォーマッタ14ー1は、ライトアクセス時には、NRZライトデータを、光ディスクのセクタ単位に分割し、記録フォーマットを生成する。ECC処理部14ー2は、セクターデータ単位に、ECCを生成し、セクターデータに付加する。又、ECC処理部14ー2は、必要に応じて、巡回冗長検査(CRC)符号を生成して、付加する。更に、ECC処理部14ー2は、ECCの付加されたセクターデータを、1ー7ランレングスリミテッド符号(RLL)に変換する。
【0050】リードアクセス時には、ECC処理部14ー2は、リードされたセクターデータを1ー7RLL逆変換した後、CRC検査を行う。そして、ECC処理部14ー2は、ECCによる誤り検出及び誤り訂正を行う。更に、フォーマッタ14ー1は、セクタ単位のNRZデータを連結して、NRZリードデータのストリームを作成する。このデータストリームは、バッファメモリ18を経由して、インターフェース17からホスト装置に転送される。
【0051】ライトLSI回路20は、ライト変調部21とレーザーダイオード制御回路22とを有する。ライト変調部21は、光磁気ディスクの種類に応じて、ライトデータを、ピットポジションモジュレーション(PPM)記録(マーク記録ともいう)又はパルスウィドスモジュレーション(PWM)記録(エッジ記録ともいう)のデータ形式のデータに変調する。レーザーダイオード制御回路22は、この変調されたデータにより、ドライブ11の光学ユニットのレーザーダイオードユニット30を制御する。このレーザーダイオードユニット30は、光磁気ディスクにレーザー光を照射するレーザーダイオード30ー1と、モニタ用ディテクタ30ー2とを有する。
【0052】リードLSI回路24は、AGC(自動ゲイン制御)回路、フィルタ、セクターマーク検出回路を備えるリード復調部25、周波数シンセサイザ26を備える。リード復調部25は、入力されたID信号又はMO信号からリードクロック及びリードデータを生成した後、PPMデータ又はPWMデータを元のNRZデータに復調する。ドライブ11の光学ヘッドのID/MO用ディテクタ32は、光磁気ディスクの戻り光を検出し、ID信号/MO信号が、ヘッドアンプ34を介してリードLSI回路24に入力される。周波数シンセサイザ26は、光磁気ディスクのゾーンに対応した周波数のクロックを、リードクロックとして発生する。
【0053】ドライブ11に設けられた温度センサ36は、ドライブの温度を検出する。検出された温度は、DSP16を介してMPU12に与えられ、MPU12は、検出温度に基づき、レーザーダイオード制御回路22のリード、ライト及びイレーズの各発光パワーを最適値に制御する。
【0054】スピンドルモータ40は、光磁気ディスクを回転する。DSP16は、MPU12の指示に応じて、スピンドルモータ40を、ドライバ38を介して制御する。電磁石44は、記録時及び消去時に、ロードされた光磁気ディスクに外部磁界を供給する。DSP16は、MPU12の指示に応じて、電磁石44を、ドライバ42を介して制御する。4分割ディテクタ45は、光磁気ディスクから戻り光を検出する。FES検出回路46は、4分割ディテクタ45の出力からフォーカスエラー信号(FES)を生成して、DSP16に入力する。DSP16は、フォーカスサーボループを用いて、フォーカス駆動信号を生成し、ドライバ58を介してフォーカスアクチュエータ60を制御する。フォーカスアクチュエータ60は、光学ヘッドの対物レンズをフォーカス方向に駆動する。これにより、フォーカスオン制御が行われる。
【0055】TES検出回路48は、4分割ディテクタ45の出力からトラックエラー信号(TES)を生成して、DSP16に入力する。TESは、トラックゼロクロス(TZC)検出回路50にも入力される。TZC検出回路50は、TZCパルスを生成し、DSP16に入力する。
【0056】DSP16は、このTESを基に、トラックサーボループを用いて、トラック駆動信号を生成し、ドライバ62を介してトラック(レンズ)アクチュエータ64を制御する。トラックアクチュエータ64は、光学ヘッドの対物レンズをトラック方向に駆動する。これにより、トラックオン制御が行われる。
【0057】又、DSP16は、TZCを基に、シーク制御を行い、ドライバ66を介してボイスコイルモータ(VCM)68を制御する。VCM68は、光学ヘッドを移動する。
【0058】図2は、図1の光磁気ディスクドライブ11の構成図である。図2に示すように、ハウジング67内に、前述したスピンドルモータ40が設けられている。光磁気ディスクカートリッジ70は、インレット69から挿入される。カートリッジ70内の光磁気ディスク72は、スピンドルモータ40により回転される。
【0059】光学ヘッドは、キャリッジ76と固定光学系78で構成される。キャリッジ76は、レール84に沿って、VCM68(図1参照)により、光磁気ディスク72のトラック横断方向に移動する。キャリッジ76は、対物レンズ80、方向変換プリズム82、フォーカスアクチュエータ60、トラックアクチュエータ64等を備える。固定光学系78は、前述したレーザーダイオードユニット30、ID/MO用ディテクタ32、4分割ディテクタ45(図1参照)を備える。
【0060】図3は、図1のTES検出回路48、TZC検出回路50及びDSP16のブロック図である。
【0061】図3において、TES検出回路48は、4分割ディテクタ45の出力からトラックエラー信号TESiを作成する。このトラックエラー信号TESiは、後述する図10、図11に示される。AGC(自動ゲイン制御回路)481は、このトラックエラー信号TESiのゲインを調整する。ノード482は、AGC出力とTESオフセット補正信号S2とを加算する。TESオフセット補正信号S2は、トラックエラー信号TESのオフセットを調整するものであり、後述するMPU12のODD(Optical Disk driver)の振幅/オフセット計算部130から与えられる。
【0062】ゲイン調整回路483は、トラックエラー信号の信号感度を調整する。ゲイン調整回路483は、並列に配置された4つの増幅回路AMPと、それぞれを導通するためのスイッチSWとを備える。そして、後述するように、DSP16に入力されるトラックエラー信号TESの振幅が、DSP16のADコンバータ(ADC)のレンジを越えないように、4つの増幅回路の1つが選択される。前記した振幅/オフセット計算部130は、ゲイン調整回路483のスイッチSWを制御するためのゲイン選択信号S1を出力する。
【0063】ゲイン調整回路483から出力されたトラックエラー信号TESiは、ノッチ回路484及び低域フィルタ(LPF)485を通過し、ノイズ除去及び波形整形されたトラックエラー信号TESが出力される。更に、ゲイン調整回路483の出力は、TZC検出回路50に入力される。TZC検出回路50では、コンパレータ502が、低域フィルタ(LPF)501を通過したトラックエラー信号TESiと、所定のスライスレベルとを比較して、トラックゼロクロス(TZC)パルスを出力する。
【0064】DSP16に設けられたアナログ/デジタルコンバータ(ADC)160は、前述のTES検出回路48のTESをデジタル値に変換する。ADC160の出力は、サンプリング周波数毎に、DSP16に読み込まれる。DSP16のトラックサーボループでは、ノード163は、リードされたTESに、TES入力段オフセットS3を加算する。利得制御部164は、ノード163からのTESに利得G1を乗算して、入力感度(回路定数、信号感度等)のバラツキを吸収する。
【0065】利得制御部164の出力は、オフトラック判定部172に入力される。オフトラック判定部172は、入力されたTESの絶対値と、オフトラックスライスレベルSLとを比較して、オフトラックの判定を行う。例えば、TESの絶対値が、スライスレベルより大きい時には、オフトラックと判定される。オフトラックと判定されると、オフトラックフラグがセットされる。このオフトラックスライスレベルは、リード処理時とライト/イレーズ処理時とで切り替えられる。通常、ライト/イレーズ処理時のオフトラックスライスレベルは、リード処理時のそれよりも小さいレベルに設定される。
【0066】このオフトラックフラグがセットされていると、DSP16の主制御部173は、後述するスイッチ167をオフにして、トラックサーボをオフする。又、MPU12にサーボエラー割り込みが、通知される。
【0067】利得制御部164の出力は、PID演算部165に入力される。PID演算部165は、周知の位相補償処理を行う。スイッチ167がオンである時には、PID演算部165の出力は、利得制御部169に入力される。利得制御部169は、その出力に利得G2を乗算し、出力感度(ドライバの駆動感度、アクチュエータの加速度等)のバラツキを吸収する。ノード170は、利得調整部169の出力に、出力段オフセットS4を加算する。このノード170の出力は、リミッタ171を介して、デジタル/アナログコンバータ(DAC)168に与えられる。DAC168は、リミッタ171のデジタル値をアナログトラック電流に変換して、ドライバ62に入力し、トラックアクチュエータ64を駆動する。
【0068】DSP16の速度制御部162は、シーク処理時に、目標位置と現在位置との差がセットされ、この差に応じた速度信号をVCM68のドライバ66に出力する。速度制御部162には、TZCが入力され、前述の差を更新する。
【0069】DSP16の振幅測定部161は、ADC160のTESの振幅値を測定する。MPU12に設けられたODD(ファームウェア)の振幅/オフセット計算部130は、TESの振幅からTESのゲイン及びオフセットを計算する。この計算されたゲインS1、オフセットS2、S3は、MPU12のメモリに格納される。
【0070】図4は、MPU12のファーム構成図である。図5にて後述するサーボリカバリー処理1は、前述のオフトラックの検出によるエラー割り込みに応じて、MPU12のODD(Optical Disk Driver) が呼び出す。サーボリカバリー処理1には、リトライ回数を計数するためのリカバリカウンタN1と、サーボリカバリー処理が呼ばれた回数を計数するための頻度カウンタN2と、サーボリカバリ処理が呼ばれた時間を格納するカウンタT1とを有する。
【0071】このサーボリカバリー処理1は、3種類のリカバリー処理を有する。即ち、軽度のリカバリー処理(Go Home level 0)2と、中度のリカバリー処理(Go Homelevel 1)3と、重度のリカバリー処理(Go Home level 2)4とである。軽度のリカバリー処理2は、図6にて後述するように、オントラック状態に最短時間で復旧するための簡単な復旧処理である。中度のリカバリー処理3は、図7にて後述するように、中程度の復旧処理である。重度のリカバリー処理4は、図8にて後述するように、キャリブレーションを含む複雑な復旧処理である。サーボリカバリー処理1は、図5にて後述するように、いずれか一つのリカバリー処理を選択する。
【0072】次に、図6により、軽度リカバリー処理(Go Home level 0)を説明する。
【0073】(S20)MPU12は、オントラック状態かを調べる。前述のように、DSP16は、オフトラックを検出すると、直ちに、エラー割り込みをMPU12に通知する。この時、DSP16は、オフトラック発生時に、直ちにトラックサーボループをオフ(スイッチ167をオフ)する訳ではない。DSP16は、所定回数オフトラックが連続して発生した時に、トラックサーボループをオフする。軽度な原因で一時的にオフトラックが発生する場合には、1回オフトラックが発生しても、トラックサーボループをオンにしておくことにより、オントラック状態に復旧する場合がある。このため、MPU12は、DSP16にオントラック状態を問い合わせる。オントラック状態であれば、リカバリー処理は必要ないため、正常終了する。
【0074】(S21)一方、オントラック状態でないと、MPU12は、TES信号の振幅がでているかを判定する。これは、DSP16の振幅測定部161の出力を読み取ることにより、判定できる。TES信号の振幅が出ていない場合には、光ビームが光ディスクの鏡面位置に外れた可能性があり、この処理では復旧できないため、エラー終了する。
【0075】(S22)TES信号の振幅が出ている場合には、MPU12は、DSP16に対し、トラックサーボオンコマンドを発行する。これにより、DSP16は、トラックサーボループのスイッチ167をオンする。振動や媒体欠陥等の軽度の原因でオフトラックした場合には、このトラックサーボオンによるトラックサーボループにより、オントラック状態に復旧できることがある。
【0076】(S23)MPU12は、DSP16にオントラックしたかを問い合わせる。DSP16は、トラックサーボオン後に、TESの振幅が収束したことを検出して、オントラック状態を検出する。オントラックしていない時は、エラー終了とする。一方、オントラックしたら、正常終了する。
【0077】このように、軽度のリカバリー処理は、最短時間でオントラック状態に復帰するための、トラックサーボオンコマンドを発行する。
【0078】次に、図7により、中度リカバリー処理(Go Home level 1)を説明する。
【0079】(S30)MPU12は、DSP16に、フォーカスサーボオフコマンドを発行する。これにより、DSP16は、フォーカスサーボループ(図示せず)をオフする。この処理では、後述するように、キャリッジを、トラックのない最インナー側に押しつけるため、フォーカスサーボが外れるおそれがある。このため、処理に先立ち、フォーカスサーボをオフする。フォーカスサーボオフが正常終了しない時は、エラー終了する。
【0080】(S31)フォーカスサーボオフが正常終了すると、MPU12は、PushIn処理を行う。即ち、サーボ状態にかかわらず、キャリッジ76を、ホームセンサ(図示せず)がオンする位置に位置付ける。このホームポジションセンサは、磁気センサ又は光センサで構成され、光磁気ディスクの最インナー側に設けられている。このため、MPU12は、DSP16を介してVCM68に電流を流す。又、ホームポジションセンサを設けていないドライブでは、徐々にVCMの押しつけ電流を増やして、キャリッジ76をインナー側に押しつける。このプッシュイン処理が正常終了しない時は、エラー終了する。
【0081】(S32)プッシュイン処理が正常終了した時は、MPU12は、ステップアウト処理を行う。即ち、プッシュイン状態の解除を行い、キャリッジ76をグルーブのある位置に位置付ける。このため、MPU12は、DSP16を介してVCM68に電流を流し、キャリッジ76を、ホームポジションセンサがオフとなる位置まで移動する。又、ホームポジションセンサを設けていないドライブでは、DSP16が、TZCを計数するトラックカウンタを位置センサとして用いて、目標位置に移動することもできる。このステップアウト処理が正常終了しない時は、エラー終了する。
【0082】(S33)ステップアウト処理が正常終了した時は、MPU12は、DSP16に、フォーカスサーボオンコマンドを発行する。これにより、DSP16は、フォーカスサーボループ(図示せず)をオンする。これにより、ジャストフォーカス状態に復帰する。フォーカスサーボオンが正常終了しない時は、エラー終了する。
【0083】(S34)フォーカスサーボオンが正常終了した場合には、MPU12は、DSP16に対し、トラックサーボオンコマンドを発行する。これにより、DSP16は、トラックサーボループのスイッチ167をオンする。MPU12は、DSP16にオントラックしたかを問い合わせる。オントラックしていない時は、エラー終了とする。一方、オントラックしたら、正常終了する。
【0084】このように、中度のリカバリー処理は、オントラックできない位置(例えば、鏡面部等)に、光ビームが外れた場合を想定して、インナー側の基準位置に位置付けした後、トラックのある位置に位置付けを行う。これにより、オントラックできない位置に、光ビームが外れた場合でも、トラックのある位置に位置出しするので、サーボオンコマンドによりオントラック状態に復旧できる。
【0085】この中度のリカバリー処理において、VCMの調整処理を行うこともできる。即ち、レンズアクチュエータとVCMの両方を制御するダブルサーボ方式では、1回転のダブルサーボ時のVCM電流の平均値から、VCMドライブのオフセット調整を行う。又、レンズアクチュエータを設けず、VCMのみによって移動する装置では、オントラック時のトラックドライブのオフセット調整を行う。
【0086】次に、図8により、重度リカバリー処理(Go Home level 2)を説明する。
【0087】(S40)MPU12は、DSP16に、フォーカスサーボオフコマンドを発行する。これにより、DSP16は、フォーカスサーボループ(図示せず)をオフする。この処理でも、後述するように、キャリッジを、トラックのない最インナー側に押しつけるため、フォーカスサーボが外れるおそれがある。このため、処理に先立ち、フォーカスサーボをオフする。フォーカスサーボオフが正常終了しない時は、エラー終了する。
【0088】(S41)フォーカスサーボオフが正常終了すると、MPU12は、PushIn処理を行う。即ち、サーボ状態にかかわらず、キャリッジ76を、ホームセンサ(図示せず)がオンする位置に位置付ける。このホームポジションセンサは、光磁気ディスクの最インナー側に設けられている。このため、MPU12は、DSP16を介してVCM68に電流を流す。又、ホームポジションセンサを設けていないドライブでは、徐々にVCMの押しつけ電流を増やして、キャリッジ76をインナー側に押しつける。このプッシュイン処理が正常終了しない時は、エラー終了する。
【0089】(S42)プッシュイン処理が正常終了した時は、MPU12は、ステップアウト処理を行う。即ち、プッシュイン状態の解除を行い、キャリッジ76をグルーブのある位置に位置付ける。このため、MPU12は、DSP16を介してVCM68に電流を流し、キャリッジ76を、ホームポジションセンサがオフとなる位置まで移動する。又、ホームポジションセンサを設けていないドライブでは、DSP16が、TZCを計数するトラックカウンタを位置センサとして用いて、目標位置に移動することもできる。このステップアウト処理が正常終了しない時は、エラー終了する。
【0090】(S43)ステップアウト処理が正常終了した時は、MPU12は、DSP16に、フォーカスサーボオンコマンドを発行する。これにより、DSP16は、フォーカスサーボループ(図示せず)をオンする。これにより、ジャストフォーカス状態に復帰する。フォーカスサーボオンが正常終了しない時は、エラー終了する。
【0091】(S44)フォーカスサーボオンが正常終了した場合には、MPU12は、TESキャリブレーション処理を行う。図9、図10、図11にて、後述するように、MPU12の振幅/オフセット計算部130により、TESの振幅及びオフセットの調整を行う。このキャリブレーション処理が正常終了しない時は、エラー終了する。
【0092】(S45)このキャリブレーション処理が正常終了した時は、MPU12は、DSP16に対し、トラックサーボオンコマンドを発行する。これにより、DSP16は、トラックサーボループのスイッチ167をオンする。MPU12は、DSP16にオントラックしたかを問い合わせる。オントラックしていない時は、エラー終了とする。一方、オントラックしたら、正常終了する。
【0093】このように、重度のリカバリー処理は、図17に示したように、光ビームがトラックの端部に追従し、不安定な状態にある場合を想定して、TESのオフセット及びゲインを調整して、光ビームをトラックの中央に追従させるものである。又、中度のリカバリー処理と同様に、インナー側の基準位置に位置付けした後、トラックのある位置に位置付けを行う。これにより、オントラックできない位置に、光ビームが外れた場合でも、トラックのある位置に位置出しするので、サーボオンコマンドによりオントラック状態に復旧できる。
【0094】この重度リカバリー処理において、レンズポジションセンサを設けた装置では、レンズポジション調整処理を行うことができる。即ち、レンズポジション信号LPOSが「0」となるように、トラックドライブのオフセット調整を行い、LPOSの中点を決定する。
【0095】図9により、TESキャリブレーション処理を、説明する。
【0096】(S50)MPU12は、DSP16に対し、フォーカスオンコマンドを発行する。これにより、前述したフォーカスサーボをオンする。
【0097】(S51)MPU12は、DSP16に、TES測定コマンドを発行する。これにより、DSP16の振幅測定部161(図3参照)は、TESを一定間隔でサンプリングする。そして、1回転の間、サンプリング割り込み毎に、TESの振幅値を前のサンプル値と比較して、TESの上下のピーク値(A値、B値という)を求める(図10、図11参照)。
【0098】(S52)MPU12の振幅/オフセット計算部130(図3参照)は、A値、B値を読み取り、TESの振幅W、TESのオフセットS、TESゲインGを下記式により、計算する。
【0099】W=絶対値(AーB)
S=(A+B)/2G=(TT/(AーB))×G0尚、TTは、TES振幅目標値、G0は、初期TESゲインである。
【0100】(S53)図10に示すように、MPU12の振幅/オフセット計算部130(図3参照)は、この算出したゲインGを基に、TES振幅がDSP16のADC160のレンジに入るように、回路ゲインS1(図3参照)を設定する。又、DSP16の内部のTES振幅が一定となるように、ゲインG2を設定する。同様に、図11に示すように、MPU12の計算部130は、計算したオフセットSを基に、TESオフセットS2を設定する。更に、回路で取りきれない残留オフセットを、オフセットS3(図3参照)として、設定する。
【0101】(S54)MPU12の計算部130は、TES振幅が、ADC160のレンジに入ったかを判定する。入っていない場合には、ステップS52に戻り、TES振幅/オフセット測定を繰り返す。一方、TES振幅が、ADCレンジに入ったと判定すると、調整を終了する。これにより、これらのパラメータは、メモリに格納される。
【0102】次に、図5のサーボリカバリー処理を、説明する。
【0103】(S10)MPU12は、リトライカウンタN1が「0」かを判定する。リトライカウンタN1が「0」でないと、リトライ中のため、ステップS17に進む。
【0104】(S11)リトライカウンタN1が「0」であると、サーボリカバリー処理が呼ばれたと判定して、頻度カウンタN2を調べる。頻度カウンタN2は、サーボリカバリー処理の頻度を数えるためのカウンタである。頻度カウンタN2が「0」であれば、初めてサーボリカバリー処理が呼ばれたと判断して、開始時刻T1に、現在時刻Tnを格納する。そして、ステップS12に進む。又、頻度カウンタN2が「0」でないと、過去にサーボリカバリー処理が呼ばれたと判断して、ステップS12に進む。
【0105】(S12)サーボリカバリー処理の頻度を確認する制限回数として「I2」を使用する。頻度カウンタN2と制限値I2(例えば、20回)との比較を行う。N2≧I2なら、サーボリカバリー処理の呼び出し回数N2が、制限値I2に到ったと判断する。このため、現時点でサーボリカバリー処理が呼ばれた時刻T2とT1との差tを計算する。
【0106】(S13)頻度数を確認するための制限周期を(TO)とする。時間tと周期T0とを比較する。
【0107】(S14)時間tが、周期T0より小さい場合には、図13(B)に示すように、制限周期内で、サーボリカバリー処理の呼び出し回数が多い。即ち呼び出し頻度は高いと判定する。このように連続的なサーボリカバリー処理が生じている場合には、頻度リカバリー処理にて指定されている重度のリカバリー処理を実行する。即ち、呼び出し回数N2を「0」にクリアした後、ステップS17の重度のリカバリー処理(Go Home Level 2)に進む。
【0108】(S15)時間tが、周期T0より大きい場合には、図13(B)に示すように、制限周期内で、サーボリカバリー処理の呼び出し回数が少ない。即ち、サーボリカバリー処理の呼び出し頻度は低いと判定する。呼び出し回数N2を「0」にクリアした後、ステップS17に進む。
【0109】(S16)ステップS12で、N2≧I2でないなら、サーボリカバリー処理の呼び出し回数N2が、制限値I2に到らないと判断する。従って、呼び出し回数N2を「1」インクリメントして、ステップS17に進む。
【0110】(S17)リトライカウンタN1の値を調べる。リトライカウンタN1の値が軽度リカバリー処理に割りつけられている時は、この軽度リカバリー処理(Go Home Level 0)を実行する。又、リトライカウンタN1の値が、中度リカバリー処理に割りつけられている時は、この中度リカバリー処理(Go Home Level 1)を実行する。又、リトライカウンタN1の値が、重度リカバリー処理に割りつけられている時は、この重度リカバリー処理(Go Home Level 2)を実行する。
【0111】例えば、リトライ(リカバリー)カウンタN1とリカバリーレベル(軽度/中度/重度)の対応関係は、図12に示すように割りつけてある。この例では、N1が「0」〜「2」、「4」〜「6」、「8」〜「A」、「C」〜「E」の時は、軽度リカバリー処理(レベル0)が選択される。同様に、N1が「3」、「B」の時は、中度リカバリー処理(レベル1)が選択される。同様に、N1が「7」、「F」の時は、重度リカバリー処理(レベル2)が選択される。
【0112】更に、リトライカウンタN1の値が、重度リカバリー処理にも割りつけられていない時は、リトライの制限回数I1を越えたと判定して、エラー終了する。
【0113】(S18)リカバリー処理が正常終了したかを判定する。リカバリー処理が正常終了した時は、リトライカウンタN1を「0」にクリアして、終了する。逆に、リカバリー処理が正常終了しない時は、リトライが必要である。このため、リトライカウンタN1を「1」インクリメントして、ステップS17に戻る。
【0114】このように、サーボリカバリー処理の呼び出し頻度により、リカバリー処理を選択するため、サーボエラーと軽度のリカバリー処理が繰り返して行われる事態を検出して、強制的にレベルの高いリカバリー処理を実行できる。このため、サーボエラーと軽度のリカバリー処理が繰り返して行われる事態を防止できる。
【0115】この例では、結局、軽度リカバリー処理の頻度回数に応じて、重度リカバリー処理を実行する例で説明したが、中度リカバリー処理を実行するようにしても良い。要するに、あるリカバリー処理の頻度回数により、それよりレベルの重いリカバリー処理を実行すれば良い。
【0116】又、頻度を測定するためのタイマとカウンタを、プログラム上追加することにより簡単に実現可能である。
【0117】図14は、本発明の他の実施の態様のサーボリカバリー処理フロー図である。
【0118】この実施の態様では、頻度処理に移行するまでの頻度タイマと頻度カウンタの制限値又は頻度カウンタを複数設けることにより、それぞれの頻度状況にあったリカバリー処理を行うものである。
【0119】即ち、頻度処理1を確認するカウンタをN2、頻度処理2を確認するためのカウンタをN3とする。頻度処理1の回数制限値をI2、頻度処理2の回数制限値をI3とする。更に、リトライカウンタN1、リトライ制限値I1を使用する。頻度処理1の制限周期をT01、頻度処理2の制限周期をT02とし、頻度処理1の基準時間(開始時間)をT2、頻度処理2の基準時間(開始時間)をT3とする。
【0120】(S60)頻度処理1を確認するカウンタをN2が、頻度処理1の回数制限値をI2に到った時に、現在時刻Tnと基準時刻T2との差t2を計算する。そして、差t2が、頻度処理1の制限周期をT01より小さい場合には、カウンタN2を「0」クリアして、頻度リカバリー処理1(例えば、レベル2の重度リカバリー処理)を実行する。
【0121】(S61)頻度処理2を確認するカウンタをN3が、頻度処理2の回数制限値をI3に到った時に、現在時刻Tnと基準時刻T3との差t3を計算する。そして、差t3が、頻度処理2の制限周期をT02より小さい場合には、カウンタN3を「0」クリアして、頻度リカバリー処理2(例えば、レベル2の重度リカバリー処理)を実行する。
【0122】(S62)前述と同様にして、頻度タイマ及び頻度カウンタを初期化するかを調べる。初期化する場合には、その頻度タイマ及び頻度カウンタを初期化する。
【0123】(S63)頻度カウンタN2、N3を「1」インクリメントする。
【0124】(S64)リトライカウンタN1が、リトライ制限値I1を越えているかを判定する。リトライカウンタN1が、リトライ制限値I1を越えている時は、リカバリー不可のためエラー終了する。
【0125】(S65)リトライカウンタN1が、リトライ制限値I1を越えていない時は、前述したステップS17と同様に、リトライカウンタN1の値に応じて、リカバリー処理を選択して、実行する。リカバリー処理が正常終了した時は、終了する。一方、リカバリー処理が正常終了しない時は、ステップS67に進む。
【0126】(S66)前述の頻度リカバリー処理が正常終了したかを判定する。頻度リカバリー処理が正常終了した時は、終了する。
【0127】(S67)頻度リカバリー処理が正常終了しない時は、リトライカウンタN1を「1」インクリメントして、ステップS64に戻る。
【0128】このように、頻度処理に移行するまでの頻度タイマと頻度カウンタの制限値又は頻度カウンタを複数設けることにより、それぞれの頻度状況にあったリカバリー処理を行うことができる。
【0129】図15は、本発明の別の実施の態様のサーボリカバリー処理フロー図である。
【0130】この実施の態様は、媒体の傷、埃等により、オフトラックが頻発し、頻度リカバリー処理(重度リカバリー処理)が多発することを防止する。図16に示すように、このため、頻度リカバリー処理(重度リカバリー処理)が実行された後は、一定時間Tsだけ頻度検出を行うことを禁止する。これにより、頻度リカバリー処理(重度リカバリー処理)が多発することを防止するものである。
【0131】図15において、ステップS10〜S18は、図5の実施の態様とほぼ同一であり、図5の実施の態様にステップS19が加えられたものである。ここで、重度リカバリー処理(Go Home Level 2)が実行された時間をTpとし、重度エカバリー処理(Go Home Level 2)の実行制限時間Tsとする。
【0132】(S19)ステップS10において、リトライカウンタN1が「0」である時は、サーボリカバリー処理が呼ばれたと判定して、時間Tpが「0」かを判定する。時間Tpが「0」であれば、未だ、重度リカバリー処理(Go Home Level 2)が実行されていないため、ステップS11の頻度検出に進む。一方、時間Tpが「0」でなければ、過去に、重度リカバリー処理(Go Home Level 2)が実行されたことになる。このため、このサーボリカバリー処理が呼ばれた時刻T2と時刻Tpとの差が、実行制限時間Tsを越えたかを判定する。越えていれば、重度リカバリー処理(Go Home Level 2)が実行されてから、制限時間Tsを経過してしまったため、ステップS11の頻度検出に進む。一方、越えていない場合には、重度リカバリー処理(Go Home Level 2)が実行されてから、制限時間Tsを経過していないため、頻度検出処理をスキップし、ステップS17に進む。
【0133】尚、ステップS17において、重度リカバリー処理(Go Home Level 2)を実行した時は、前述の時刻Tpに、現在時刻をセットする。
【0134】このようにして、頻度リカバリー処理(重度リカバリー処理)が実行された後は、一定時間頻度検出を行うことを禁止する。媒体の傷、埃等により、オフトラックが頻発しても、頻度リカバリー処理(重度リカバリー処理)が多発することを防止できる。
【0135】上述の実施の態様の他に、本発明は、次のような変形が可能である。
【0136】(1) 前述の実施の態様では、記憶装置として、光磁気ディスク装置を例に説明したが、磁気ディスク装置、光ディスク装置、磁気カード装置、光カード装置等の他の記憶装置に適用できる。
【0137】(2) リカバリー処理として、3種類のリカバリー処理で説明したが、2種類以上であれば、良い。
【0138】(3) 頻度リカバリー処理を、重度リカバリー処理で説明したが、中度リカバリー処理であっても良い。
【0139】以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、次の効果を奏する。
【0141】(1) サーボリカバリー処理しても、オフトラックが頻繁に発生する状態を、サーボリカバリー処理の呼び出し頻度により検出して、頻度に応じたリカバリー処理を実行することにより、同一のリカバリー処理が短期間に繰り返し行われることを防止できる。
【0142】(2) 頻度の検出もプログラム上で簡単に実現できる。
【0143】(3) オフトラックの発生頻度が少なくなるため、記憶装置のリード/ライト性能が向上する。


 

 


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