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発明の名称 データ記憶媒体搬送ユニット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−6248(P2001−6248A)
公開日 平成13年1月12日(2001.1.12)
出願番号 特願平11−172617
出願日 平成11年6月18日(1999.6.18)
代理人 【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
【テーマコード(参考)】
5D072
【Fターム(参考)】
5D072 AB22 CA11 CC05 CC12 EB18 
発明者 成島 徹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数個のデータ記憶媒体を収納可能に構成されたデータ記憶媒体収納部とデータ記憶媒体に対してデータの読み書きを行うリード/ライト部との間をデータ記憶媒体を保持して往復移動するデータ記憶媒体受渡部と、該データ記憶媒体受渡部を駆動するためのモータと、前記データ記憶媒体受渡部と前記モータとの間に介在して前記モータの回転力を前記データ記憶媒体受渡部の移動方向の駆動力に変換する動力伝達機構とを備えたデータ記憶媒体搬送ユニットであって、前記モータをノンサーボモータにより構成し、該ノンサーボモータをPWM制御する速度制御部を設けると共に、前記動力伝達機構の回転部には、周方向に一定の間隔をおいて設けられた複数の検出用識別領域を有するディスクからなる回転位置検出体を一体的に取り付ける一方、前記データ記憶媒体搬送ユニットの無可動部には、前記回転位置検出体の検出用識別領域を認識する一対の光学センサを配備し、且つ、前記速度制御部には、予め設定された時間内に前記光学センサによって検出される前記検出用識別領域の数を計数する計数手段と、該計数手段により計数された値に基づいて前記データ記憶媒体受渡部の移動速度を算出する移動速度算出手段とを設けたことを特徴とするデータ記憶媒体搬送ユニット。
【請求項2】 前記移動速度算出手段によって算出された移動速度と予め設定された基準速度範囲とを比較し、前記移動速度算出手段によって算出された移動速度が前記基準速度範囲から外れると速度異常として検出する速度異常検出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のデータ記憶媒体搬送ユニット。
【請求項3】 前記移動速度検出手段は、前記予め設定された時間を一周期として繰り返し前記データ記憶媒体受渡部の移動速度を算出するものである請求項1または請求項2記載のデータ記憶媒体搬送ユニット。
【請求項4】 前記移動速度算出手段によって算出された移動速度と予め設定された目標速度との偏差を求め、この偏差に対応して前記PWM制御におけるデューティ比を調整する速度調整手段を備えたことを特徴とする請求項3記載のデータ記憶媒体搬送ユニット。
【請求項5】 前記検出用識別領域は前記ディスクの径方向に延びるスリットによって形成され、前記光学センサは、前記回転位置検出体を挟むようにしてその表裏に配備された発光部および受光部によって構成されていることを特徴とした請求項1ないし請求項4記載の何れか一項に記載のデータ記憶媒体搬送ユニット。
【請求項6】 前記動力伝達機構は、前記データ記憶媒体受渡部の移動方向を案内するガイド部材と、外周部に螺旋状の溝を有して前記ガイド部材の案内方向に沿って設けられた回転シャフトと、該回転シャフトの溝と係合するように前記データ記憶媒体受渡部に設けられた突起とによって構成され、前記回転シャフトの螺旋状の溝には螺旋のリードが零となる位置決め用平坦部が部分的に形成されていることを特徴とした請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載のデータ記憶媒体搬送ユニット。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集合型磁気テープ装置等のライブラリ装置において、データ記憶媒体収納部に格納された複数個のデータ記憶媒体から任意のデータ記憶媒体を選択してリード/ライト部に搬送したり、または、リード/ライト部から取り出したデータ記憶媒体をデータ記憶媒体収納部に戻したりするデータ記憶媒体搬送ユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】データ記憶媒体収納部とリード/ライト部との間でデータ記憶媒体の受け渡しを行うためのデータ記憶媒体搬送ユニットの構造に関しては既に公知であり、例えば、データ記憶媒体受渡部の移動方向をガイドレール等で案内しつつタイミングベルトやスクリュー式の送り機構で移動させるものが知られている。
【0003】図7は、その一例を簡略化して示す概念図であり、この例では、磁気テープカートリッジをデータ記憶媒体として使用する集合型磁気テープ装置について示している。
【0004】図7に示される集合型磁気テープ装置100は、複数の磁気テープカートリッジ101を格納するためのデータ記憶媒体収納部102と、これらの磁気テープカートリッジ101に対するデータの読み書きを行うためのリード/ライト部103、および、データ記憶媒体搬送ユニット119を有する。
【0005】このうち、データ記憶媒体搬送ユニット119は、データ記憶媒体収納部102とリード/ライト部103との間で磁気テープカートリッジ101を保持して往復移動するデータ記憶媒体受渡部104と、このデータ記憶媒体受渡部104を上下方向に駆動するための動力伝達機構105、および、モータ106によって構成される。
【0006】動力伝達機構105は、データ記憶媒体受渡部104の移動方向を上下に案内するためのガイドロット107と、該ガイドロット107の上端部に回転自在に取り付けられた従動プーリ108、および、モータ106のシャフトに固着された駆動プーリ109と、これらのプーリ108と109との間に巻回されたタイミングベルト110によって構成され、タイミングベルト110の一部がデータ記憶媒体受渡部104に固着されている。
【0007】従って、モータ106を駆動すればタイミングベルト110が軌道に沿って回転し、このタイミングベルト110に固着されたデータ記憶媒体受渡部104が、モータ106の回転方向に応じ、ガイドロッド107に沿って上昇または下降して、データ記憶媒体収納部102とリード/ライト部103との間を行き来することになる。
【0008】データ記憶媒体受渡部104には、データ記憶媒体収納部102やリード/ライト部103から磁気テープカートリッジ101を取り出したり再装填したりするためのピックアップ機構(図示せず)が設けられており、データ記憶媒体収納部102およびリード/ライト部103とデータ記憶媒体受渡部104との間で磁気テープカートリッジ101の取り出し作業や再装填作業が行われるようになっている。
【0009】データ記憶媒体収納部102には上下方向に積層して複数のセル111が設けられており、これらのセル111とデータ記憶媒体受渡部104との間で水平に磁気テープカートリッジ101の受け渡しを行うためには、データ記憶媒体受渡部104の位置を各セル111の高さに合わせて精密に位置決め作業を行う必要がある。
【0010】このため、従来の集合型磁気テープ装置100では、データ記憶媒体受渡部104の駆動源となるモータ106を高価なサーボモータによって構成し、位置および速度等に関する各ループのフィードバック制御を複雑な制御装置によって行っていた。
【0011】一般的なサーボ制御の概念を図8に示す。符号112は制御装置から出力される回転移動指令であり、制御装置内部のマイクロプロセッサが、予め与えられた速度パターン113に基づいてパルス分配処理を行い、パルス分配周期毎の回転移動指令、即ち、実質的な回転速度指令を出力する。また、マイクロプロセッサは、回転移動指令を出力する度に、回転移動量の目標値を記憶した分配量記憶レジスタから今周期分の回転移動指令の値を減じ、最終的な回転移動量を規制する。つまり、分配量記憶レジスタの値が零になった時点でパルス分配処理が完了する。
【0012】制御装置から出力された回転移動指令112は処理周期毎に累積カウンタ114に加算され、また、モータ106のパルスエンコーダ115からの帰還パルス、即ち、モータ106の実際の回転移動量のフィードバック値が累積カウンタ114から減算され、累積カウンタ114の現在値が回転位置偏差に応じた回転速度指令としてD/A変換器116に与えられる。従って、回転移動指令112に対するモータ106の追従が遅れて回転位置偏差が増大すれば必然的に累積カウンタ114の現在値が増大して速度指令が増大し、また、回転位置偏差が零となれば速度指令も零となってモータ106の回転位置はそのまま保持される。
【0013】また、D/A変換器116から出力された回転速度指令からはモータ106のタコジェネレータ117の出力値、即ち、モータ106の実際の回転速度が減じられ、この値が回転速度偏差に応じたトルク指令としてサーボ制御回路118に与えられる。従って、回転速度指令に対するモータ106の追従が遅れて回転速度偏差が増大すれば必然的にサーボ制御回路118に与えられるトルク指令は増大し、また、回転速度偏差が零となればトルク指令も零となってモータ106の回転位置はそのまま保持される。
【0014】トルク指令を与えられたサーボ制御回路118は、電力増幅等の処理を行ってモータ106を制御し、動力伝達機構105を介して機械負荷であるデータ記憶媒体受渡部104を上下方向に駆動する。
【0015】このようなサーボ制御を行えば、データ記憶媒体受渡部104の駆動速度の安定性や位置決め精度は向上するが、累積カウンタ114やD/A変換器116およびサーボ制御回路118やタコジェネレータ117等の周辺装置が必要となるため、データ記憶媒体搬送ユニット119の製造コストが高くなるといった欠点があり、また、パルス分配処理等を実施するためにマイクロプロセッサの処理をマルチタスクで実施する必要が生じ、マイクロプロセッサ自体の負担が増大するといった弊害も生じる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人等は、これらの欠点を解消すべく、外周部に螺旋状の溝を刻設した回転シャフトとデータ記憶媒体受渡部の突起とを係合させ、回転シャフトの回転運動でデータ記憶媒体受渡部に対して軸方向の送りを掛けて移動させるようにしたデータキャリアローダを特願平10−366906号として提案した。
【0017】このデータキャリアローダは、回転シャフトに設けた螺旋状の溝の一部に螺旋のリードが零となる位置決め用平坦部を形成することにより、回転シャフトの回転位置が変化してもデータ記憶媒体受渡部の位置が変わらない区間を設け、回転シャフトの回転位置の制御を大まかにしてもデータ記憶媒体収納部やリード/ライト部に対するデータ記憶媒体受渡部の位置決めを正確に行えるようにしたものであり、制御の簡略化と位置決め精度の向上の面で十分な成果を収めた。
【0018】しかし、特願平10−366906号のデータキャリアローダは、回転シャフトの回転位置の制御がラフであってもデータ記憶媒体受渡部の最終的な位置決め精度が確実に保証されるといった構造上の特性から、回転シャフトの回転位置を精密に測定する必要がなく、位置の検出手段としては、回転シャフトの1回転毎の動作を検出する検出器しか備えていない。
【0019】このため、データ記憶媒体受渡部の移動速度や移動位置の検出、および、移動速度や移動位置を判定基準とする異常動作の検出、例えば、駆動系の異常による過負荷の検出等の点で不便な面があった。
【0020】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、複雑なサーボ制御を必要とせず廉価であって、しかも、データ記憶媒体受渡部の移動速度や移動位置の検出が可能なデータ記憶媒体搬送ユニットを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、データ記憶媒体収納部とリード/ライト部との間をデータ記憶媒体を保持して往復移動するデータ記憶媒体受渡部と、該データ記憶媒体受渡部を駆動するためのモータと、前記データ記憶媒体受渡部と前記モータとの間に介在して前記モータの回転力を前記データ記憶媒体受渡部の移動方向の駆動力に変換する動力伝達機構とを備えたデータ記憶媒体搬送ユニットであり、前記モータをノンサーボモータにより構成し、該ノンサーボモータをPWM制御する速度制御部を設けると共に、前記動力伝達機構の回転部には、周方向に一定の間隔をおいて設けられた複数の検出用識別領域を有するディスクからなる回転位置検出体を一体的に取り付ける一方、前記データ記憶媒体搬送ユニットの無可動部には、前記回転位置検出体の検出用識別領域を認識する一対の光学センサを配備し、且つ、前記速度制御部には、予め設定された時間内に前記光学センサによって検出される前記検出用識別領域の数を計数する計数手段と、該計数手段により計数された値に基づいて前記データ記憶媒体受渡部の移動速度を算出する移動速度算出手段とを設けたことを特徴とする構成を有する。ノンサーボモータに対するPWM制御によってデータ記憶媒体受渡部の移動速度を制御しているので、高価なサーボモータを使用する必要がなく、製造コストの軽減化が可能となる。また、動力伝達機構の回転部には複数の検出用識別領域を有するディスクからなる回転位置検出体と、その検出用識別領域を認識する光学センサとを設け、予め設定された時間内に前記光学センサによって検出される検出用識別領域の数を計数手段によって計数し、その計数値に基づいて移動速度算出手段がデータ記憶媒体受渡部の移動速度を算出するようにしているので、速度や位置のフィードバックに関する複雑なサーボ制御を適用しなくても、検出用識別領域の分解能に応じた移動速度や移動位置の検出が可能である。
【0022】また、前記移動速度算出手段によって算出された移動速度と予め設定された基準速度範囲とを比較し、前記移動速度算出手段によって算出された移動速度が前記基準速度範囲から外れると速度異常として検出する速度異常検出手段を備えることにより、データ記憶媒体受渡部の移動速度の異常を自動的に検出できるようにした。
【0023】更に、前記予め設定された時間を一周期とし、繰り返してデータ記憶媒体受渡部の移動速度を算出するように移動速度検出手段を構成することにより、装置の稼動中、定常的に移動速度の異常を監視できるようにした。
【0024】また、移動速度算出手段によって算出された移動速度と予め設定された目標速度との偏差を求め、この偏差に対応して前記PWM制御におけるデューティ比を調整する速度調整手段を備えることにより、実質的にサーボモータと同等の移動速度のフィードバック制御が可能となった。
【0025】回転位置検出体の検出用識別領域はディスクの径方向に延びるスリットによって形成することができる。また、これに対応する光学センサは、回転位置検出体を挟むようにしてその表裏に配備された発光部および受光部によって構成することができる。
【0026】更に、前記データ記憶媒体受渡部の移動方向を案内するガイド部材と、外周部に螺旋状の溝を有して前記ガイド部材の案内方向に沿って設けられた回転シャフトと、該回転シャフトの溝と係合するように前記データ記憶媒体受渡部に設けられた突起とによって動力伝達機構を構成し、螺旋のリードが零となる位置決め用平坦部を前記螺旋状の溝に形成すれば、ラフな位置決め精度でモータを駆動した場合であっても、データ記憶媒体受渡部を目標位置に対して正確に位置決めすることができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は本発明を適用した一実施形態のデータ記憶媒体搬送ユニット1の機械的な構成を示す斜視図である。
【0028】このデータ記憶媒体搬送ユニット1は、従来と同様、集合型磁気テープ装置におけるデータ記憶媒体収納部とリード/ライト部との間で磁気テープカートリッジ等のデータ記憶媒体の搬送作業を行うためのもので、例えば、図7で示した従来型の集合型磁気テープ装置100におけるデータ記憶媒体搬送ユニット119に換装して用いることができる。
【0029】本実施形態のデータ記憶媒体搬送ユニット1は、図1に示す通り、概略において、データ記憶媒体受渡部104とモータ3および動力伝達機構4とで構成される。
【0030】このうち、データ記憶媒体受渡部104の基本的な構造に関しては従来と同様であり、集合型磁気テープ装置100のデータ記憶媒体収納部102やリード/ライト部103から磁気テープカートリッジ101を取り出したり再装填したりするためのピックアップ機構が設けられている。このピックアップ機構は、磁気テープカートリッジ101を挾持する爪120を備えたピッカ121と、このピッカ121を図1の左右方向に移動させて磁気テープカートリッジ101の取り出しや再装填を行うためのピッカ駆動機構(図示せず)によって構成される。
【0031】そして、動力伝達機構4の主要部は、図1に示す通り、ガイドロッド5と回転シャフト6および突起8によって構成される。
【0032】データ記憶媒体受渡部104の一側にはガイドロッド5を挿通するための孔12が設けられ、この孔12を貫通してデータ記憶媒体搬送ユニット1のベースプレート9とトッププレート10に両端を固着されたガイドロッド5がデータ記憶媒体受渡部104を上下方向摺動自在に案内している。
【0033】また、螺旋状の溝7を刻設した回転シャフト6は、外部部材となるガイドロッド5と僅かな間隔を空けて平行に配備され、その両端部が、データ記憶媒体搬送ユニット1のベースプレート9およびトッププレート10に穿設された孔によって回転自在に保持され、データ記憶媒体受渡部104の突出部11に固設された突起8が回転シャフト6の溝7に係合している。図1に示されるように、データ記憶媒体受渡部104の一側とデータ記憶媒体搬送ユニット1のサイドプレート13とが摺接するようになっているので、データ記憶媒体受渡部104がガイドロッド5を中心として不用意に回転することはない。
【0034】モータ3は回転シャフト6と僅かな間隔を空けて平行に配備され、その下端部がデータ記憶媒体搬送ユニット1のベースプレート9に固着されている。また、そのモータ軸の先端はベースプレート9を貫通して下方に突出し、モータ軸の先端に固着されたピニオンギァ、および、ベースプレート9を貫通して下方に突出した回転シャフト6の下端部に固着されたスパーギァを介し、回転シャフト6が回転駆動されるようになっている。モータ3は、ノンサーボモータ(サーボモータ以外のモータ)、例えば、通常のDCモータによって構成される。
【0035】また、回転シャフト6の下部には、ディスクからなる回転位置検出体14が一体的に取り付けられる一方、無可動部であるベースプレート9の側には回転位置検出体14を表裏から挟むようなかたちで一対の光学センサ15が配備されている。
【0036】従って、モータ3を駆動すれば前述のピニオンギァおよびスパーギァを介して回転シャフト6が回転駆動され、回転シャフト6の螺旋状の溝7が突起8に上下方向の送りを掛けて、データ記憶媒体受渡部104がガイドロッド5の案内方向に沿って上下に移動することになる。
【0037】図2(a)は回転シャフト6の外形を示した図である。回転シャフト6の螺旋状の溝7には、螺旋のリードが零となる部分、つまり、回転シャフト6が或る程度回転しても突起8、即ち、データ記憶媒体受渡部104の上下方向位置が変化しなくなる位置決め用平坦部7a,7b,7c,7dが4ヶ所に亘って設けられている。
【0038】このうち、位置決め用平坦部7aは、データ記憶媒体受渡部104を図7に示されるようなデータ記憶媒体収納部102の最下部のセル111に位置決めするときに利用され、位置決め用平坦部7bは、データ記憶媒体受渡部104をデータ記憶媒体収納部102の中央のセル111に位置決めするときに利用される。また、位置決め用平坦部7cは、データ記憶媒体受渡部104をデータ記憶媒体収納部102の最上部のセル111に位置決めするときに利用され、位置決め用平坦部7dは、データ記憶媒体受渡部104を図7に示されるようなリード/ライト部103に位置決めするときに利用される。
【0039】このような構成によれば、回転シャフト6の回転位置に多少のずれが生じてもデータ記憶媒体受渡部104を各セル111,111,111やリード/ライト部103に正確に位置決めすることができ、モータ3の回転位置制御を大まかにしても最終的なデータ記憶媒体受渡部104の位置決め精度を確保することができるといったメリットがある。
【0040】図2(b)は図2(a)の矢視A−Aを拡大して回転位置検出体14を示した図である。本実施形態の回転位置検出体14は、薄い金属板からなるディスク16に径方向に延びるスリットを一定の間隔で多数穿設して検出用識別領域17としており、この構成に対応させて、光学センサ15の方は一対の受光素子と発光素子とからなる透過光型の光学センサを用いている。無論、ディスク16上に濃淡の塗り分けを施して反射光型の光学センサを適用するといったことも可能である。図2(b)から明らかなように、この実施形態における回転位置検出体14の分解能は10°である。
【0041】図3はデータ記憶媒体搬送ユニット1の速度制御部2を簡略化して示すブロック図であり、その要部は、モータ3に供給する電力のON/OFFのデューティ比を変えることでモータ3の回転速度を調整するPWM制御回路18と、PWM制御回路18に対するON/OFF制御やデューティ比の設定等を行うためのマイクロプロセッサ(以下、単にMPUという)19によって構成される。
【0042】MPU18は、光学センサ15から設定時間内に出力されるパルスの数を数える計数手段としての機能、および、この計数値に基づいてデータ記憶媒体受渡部104の移動速度を算出する移動速度算出手段としての機能、ならびに、算出された移動速度と予め設定された基準速度範囲とを比較して移動速度や駆動系の異常を検出する速度異常検出手段としての機能を兼ね備える。
【0043】これらの機能を達成するためのプログラムはROM20に格納され、また、不揮発性メモリ22には移動速度や位置決めの制御に必要とされるパラメータ等が予め記憶されている。RAM21は演算処理の過程でデータの一時記憶等に利用されるものである。また、インターフェイス回路23はホストコンピュータ等の上位装置との接続に用いられる。
【0044】図4および図5はデータ記憶媒体受渡部104の速度制御に関連した処理の概略を示すフローチャートであり、データ記憶媒体受渡部104に対する動作指令がホストコンピュータ等の上位装置から入力される度、この処理が実行されるようになっている。
【0045】上位装置からの動作指令を検出したMPU19は、まず、データ記憶媒体受渡部104の現在位置(移動開始位置)と目標位置との関係に基づいて、この動作指令に対応するデータ記憶媒体受渡部104の移動量(インクリメンタル量)と移動速度を求める(ステップS1)。なお、ここで言う移動量とは、実際には、その移動量が達成される間に光学センサ15を介して検出されるべきパルス数の値(以下、移動指令パルスという)であり、また、移動速度とは、その移動速度に対応するPWM制御のデューティ比である。
【0046】次いで、MPU19は、目標位置までの移動量、要するに、移動指令パルスの値をレジスタR1にセットし、また、目標とする移動速度、要するに、デューティ比の値をPWM制御回路18にセットする(ステップS2)。
【0047】図6(a)および図6(b)にデータ記憶媒体受渡部104の実際の移動量とモータ3に対する電力の供給状態との関係、および、光学センサ15からの帰還パルスとPWM制御回路18の出力信号との関係を概念的に示す。
【0048】本実施形態のデータ記憶媒体搬送ユニット1においては、データ記憶媒体受渡部104の駆動源としてDCモータ等のノンサーボモータからなるモータ3を利用しているため、モータ3に対する電力の供給を停止しても直ちにデータ記憶媒体受渡部104の動作が停止することはなく、モータ3のロータや回転シャフト6のイナーシャ等によってデータ記憶媒体受渡部104の停止位置にある程度のオーバーランが発生する。
【0049】そこで、本実施形態においては、オーバーランによるデータ記憶媒体受渡部104の行き過ぎを防止するため、ステップS2の処理でレジスタR1にセットする移動指令パルスの値としては、図6(b)に示すように、オーバーランによる移動量を差し引いた移動指令パルスの値を用いるようにしている。
【0050】そして、以下に示す処理では、PWM制御回路18によってモータ3の駆動を開始した後、光学センサ15が検出するパルス数の値が図6(b)に示すレジスタR1の設定値に達した時点でPWM制御回路18の作動を停止し、モータ3に対する電力の供給を停止するようにする。前述した通り、この後もロータや回転シャフト6等のイナーシャの影響によってモータ3は暫く回転し、データ記憶媒体受渡部104は図6(a)に示されるように移動を続けることになるが、モータ3に対する駆動電力の供給は図6(a)および図6(b)に示されるとおり、データ記憶媒体受渡部104が目標位置に到達する以前の時点で停止されているので、前述したオーバーランを利用してデータ記憶媒体受渡部104の最終的な停止位置を所期の目標位置に一致させることができる。
【0051】また、実際のオーバーランの量は動力伝達機構4の汚れや磨耗およびその他の経年変化等によって多少の変動を生じるが、前述した通り、本実施形態における回転シャフト6の螺旋状の溝7には位置決め用平坦部7a,7b,7c,7dが設けられており、データ記憶媒体受渡部104を正確に位置決めするためには、図6(a)に示すように、回転シャフト6の最終的な回転停止位置をこの範囲内に収めればよく、経年変化等によるオーバーランの変動が実際の問題となることは殆どない。従って、位置に関する格別のフィードバック制御を行う必要はない。
【0052】移動指令パルスとデューティ比の設定を終えたMPU19は、次いで、移動距離を積算的に計測するカウンタCの値を0に初期化し(ステップS3)、光学センサ15からの入力がONとなっているか否か、つまり、光学センサ15が回転位置検出体14の検出用識別領域17を検出しているか否かを判別し(ステップS4)、光学センサ15が検出用識別領域17を検出していなければ状態記憶フラグFに0を(ステップS5)、また、検出していれば状態記憶フラグFに1をセットする(ステップS6)。
【0053】次いで、MPU19は、PWM制御回路18を作動させてモータ3の駆動を開始すると共に(ステップS7)、経過時間計測タイマTを初期化して再スタートさせ(ステップS8)、設定時間内の移動距離を計測するカウンタΔCの値を0に初期化する(ステップS9)。
【0054】次いで、MPU19は、状態記憶フラグFの値が0となっているか否か、要するに、前回の検出周期で光学センサ15が回転位置検出体14の検出用識別領域17を検出していたか否かを判別する(ステップS10)。
【0055】そして、ステップS10の判別結果が真となった場合、つまり、光学センサ15が検出用識別領域17を検出しておらず、状態記憶フラグFの値が0となっていた場合には、計数手段としてのMPU19は、光学センサ15が検出用識別領域17を検出するまで待機し(ステップS11)、移動距離を積算的に計測するカウンタCの値、および、設定時間内の移動距離を計測するカウンタΔCの値を共にカウントアップして(ステップS12,ステップS13)、状態記憶フラグFに1をセットし、回転位置検出体14の検出用識別領域17が検出されたことを記憶する(ステップS14)。
【0056】次いで、MPU19は、カウンタCの現在値がレジスタR1に設定された移動指令パルスの値に達しているか否か、即ち、与えられた動作指令に対応する分の移動が完了しているか否かを判別し(ステップS15)、完了していない場合には、更に、経過時間計測タイマTの計測時間が設定時間Δtに達しているか否かを判別する(ステップS18)。そして、ステップS18の判別結果が偽となった場合、つまり、経過時間計測タイマTの計測時間が設定時間Δtに達していないことが判明した場合には、再びステップS10の処理に復帰して、前記と同様の処理を繰り返し実行する。
【0057】一方、ステップS10の判別結果が偽となった場合、つまり、光学センサ15が検出用識別領域17を検出していた場合には、MPU19は、光学センサ15が検出用識別領域17を検出しなくなるまで待機し(ステップS16)、状態記憶フラグFに0をセットして、回転位置検出体14の検出用識別領域17が検出されなくなったことを記憶する(ステップS17)。
【0058】次いで、MPU19は、前記と同様にして経過時間計測タイマTの計測時間が設定時間Δtに達しているか否かを判別し(ステップS18)、経過時間計測タイマTの計測時間が設定時間Δtに達していなければ、再びステップS10の処理に復帰する。
【0059】つまり、ステップS10〜ステップS14およびステップS16〜ステップS17の処理は、光学センサ15が検出用識別領域17を検出するときの明転を検出してカウンタCおよびカウンタΔCの値をカウントアップするための処理であり、この実施形態では、回転シャフト6が10°回転する度にカウンタCおよびカウンタΔCの値がカウントアップされることになる。
【0060】このようにしてカウンタCおよびカウンタΔCの値がカウントアップされる間に、経過時間計測タイマTの計測時間が設定時間Δtに達したことがステップS18の判別処理で検出されると、速度異常検出手段としてのMPU19は、カウンタΔCの現在値を読み込み、その値が予め設定された基準速度範囲の下限値に対応する検出パルス数C1よりも大きく、かつ、予め設定された基準速度範囲の上限値に対応する検出パルス数C2よりも小さくなっているか否かを判別する(ステップS19)。
【0061】そして、カウンタΔCの現在値が下限値C1と上限値C2の範囲内にあれば、MPU19は、PWM制御回路18のデューティ比によって適正な移動速度制御が達成されているものと見做し、経過時間計測タイマTおよびカウンタΔCの値を再びリセットして(ステップS8,ステップS9)、前記と同様の処理を繰り返し実行する。
【0062】なお、本実施形態においては、設定時間Δtあたりの検出パルス数ΔCの値をデータ記憶媒体受渡部104の移動速度の代替値として利用しているが、実際のデータ記憶媒体受渡部104の移動速度を知りたい場合には、[(ΔC/Δt)/(10°/360°)]の値(1秒間あたりの回転シャフト6の回転数)に螺旋状の溝7のリード(回転シャフト6の1回転あたりの送り量)を乗ずればよい。データ記憶媒体受渡部104の実際の移動速度と検出パルス数ΔCとの相違は係数の有無だけであるから、ΔCの値それ自体を移動速度と同様に扱っても何ら問題はない。つまり、設定時間Δtあたりのパルス数を計数する計数手段としてのカウンタΔCは移動速度算出手段としての機能も兼ねているということである。
【0063】また、ステップS19の判別処理は、カウンタCの現在値がレジスタR1に設定された移動指令パルスの値に達するまでの間(ステップS15参照)、設定時間Δtが経過する度に繰り返し実行されるので(ステップS18参照)、データ記憶媒体受渡部104が移動する間は移動速度の異常の有無を定常的に監視することができる。
【0064】また、回転シャフト6の螺旋状の溝7には回転シャフト6が回転してもデータ記憶媒体受渡部104の上下方向位置が変化しなくなる位置決め用平坦部7a,7b,7c,7dが4ヶ所に亘って設けられているが、カウンタΔCによって検出される移動速度は実際には回転シャフト6の回転速度であってデータ記憶媒体受渡部104の上下動の速度ではないので、突起8が位置決め用平坦部7a,7b,7c,7dと係合してデータ記憶媒体受渡部104の上下動が停止した場合であっても、これが移動速度の異常として検出されることはない。
【0065】このようにしてモータ3のPWM制御を続ける間に、総移動量を計測するカウンタCの現在値がレジスタR1に設定された移動指令パルスの値に達し、与えられた動作指令に対応する分の移動が完了したことがステップS15の判別処理で検出されると、MPU19は、PWM制御回路18の作動を停止させてデータ記憶媒体受渡部104の上下動を停止させ(ステップS20)、1回の動作指令に対応した全ての処理を終える。
【0066】また、モータ3のPWM制御を続ける間に、ステップS19の判別結果が偽となった場合、つまり、移動速度の異常が検出された場合には、MPU19は、PWM制御回路18の作動を停止させて異常検出信号を出力したり、または、データ記憶媒体受渡部104をホームポジションに復帰させる等の異常検出処理を実行して(ステップS21)、今回の動作指令に関する処理を終了する。無論、ホームポジションへの復帰動作を行ってからリトライ動作を行わせるように設計することも可能である。
【0067】移動速度の異常の原因は、動力伝達機構4の構成要素の磨耗等による動作の高速化、または、汚れの付着や機械要素の干渉で生じる負荷の増大等に伴う動作の低速化であるから、実際には、速度異常の検出によって駆動系の異常等を検出することも可能である。従って、例えば、電源投入の度にイニシャライズ処理の段階でデータ記憶媒体受渡部104を下降限度から上昇限度まで移動させるような動作指令を与えるようにすれば、駆動系の異常を定期的に検査することもできる。
【0068】以上、一実施形態として、データ記憶媒体受渡部104の移動速度をオープンループで制御し、移動速度の異常のみを検出するものについて述べたが、図4および図5で示した処理に多少の変更を加えることにより、簡易的に移動速度のフィードバック制御を行うことも可能である。
【0069】例えば、基準となる目標速度を設定時間Δt間の検出パルスの値C0として予め速度制御部2に記憶させておき、ステップS18の判別結果が真となったときに、ステップS19およびステップS21の処理に代えて、カウンタΔCの現在値と基準値C0との偏差[C0−ΔC]を求め、この偏差に応じてPWM制御回路18のデューティ比を調整してからステップS8の処理に戻るようなアルゴリズムを実行すればよい。
【0070】具体的には、偏差[C0−ΔC]の値に対応させて速度調整用のデューティ比を記憶したファイルを速度調整手段として不揮発性メモリ22等に記憶させておき、[C0−ΔC]の値に応じてこの速度調整手段から適切なデューティ比を選択してPWM制御回路18に再設定する等の方法がある。[C0−ΔC]>0であって目標速度よりも現在速度の方が遅い場合にはモータ3に供給する電力を増大させるために相対的にON時間の長いデューティ比がPWM制御回路18にセットされ、これとは逆に[C0−ΔC]<0であって目標速度よりも現在速度の方が速い場合には、モータ3に供給する電力を減少させるために相対的にON時間の短いデューティ比がPWM制御回路18にセットされることになる。
【0071】また、速度調整手段となるファイルを不揮発性メモリ22等に記憶させる代わりに、プログラム上で演算式を実行して速度偏差に応じたデューティ比を算出するようにし、その値をPWM制御回路18にセットするといった方法を適用することも可能である。
【0072】
【発明の効果】本発明のデータ記憶媒体搬送ユニットは、ノンサーボモータに対するPWM制御によってデータ記憶媒体受渡部の移動速度を制御しているので、高価なサーボモータを使用する必要がなくなり、装置の製造コストが軽減化される。しかも、動力伝達機構の回転部には複数の検出用識別領域を有する回転位置検出体と光学センサとを設け、予め設定された時間内に光学センサによって検出される検出用識別領域の数を計数手段で計数することによってデータ記憶媒体受渡部の移動速度を算出するようにしているので、速度や位置のフィードバックに関する複雑なサーボ制御を適用しなくても、検出用識別領域の分解能に応じてデータ記憶媒体受渡部の移動速度を検出することができる。
【0073】また、移動速度算出手段によって算出されたデータ記憶媒体受渡部の移動速度と予め設定された基準速度範囲とを比較し、データ記憶媒体受渡部の移動速度が基準速度範囲から外れると速度異常として検出するようにしているので、装置の運転中に、データ記憶媒体受渡部の移動速度の異常を自動的に検出することができる。
【0074】更に、移動速度算出手段によって算出された移動速度と予め設定された目標速度との偏差を求め、この偏差に対応してPWM制御におけるデューティ比を調整することが可能であり、実質的に、サーボモータを利用したものと同等の移動速度のフィードバック制御が実現される。
【0075】また、データ記憶媒体受渡部に突起を設け、この突起に回転シャフトの螺旋状の溝を係合させて回転シャフトの回転で突起に送りを掛けてデータ記憶媒体受渡部を移動させるように構成し、更に、螺旋状の溝の一部に螺旋のリードが零となる位置決め用平坦部を形成することにより回転シャフトの位置制御を大まかに行ってもデータ記憶媒体受渡部の位置決めを正確に行えるように構成しているので、位置決めに関連する格別なフィードバック制御は行っていないにも関わらず、速度および位置の双方に関して、通常のサーボ制御式の装置と同等の精度を達成することができる。




 

 


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