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発明の名称 電子写真感光体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−133994(P2001−133994A)
公開日 平成13年5月18日(2001.5.18)
出願番号 特願平11−313046
出願日 平成11年11月2日(1999.11.2)
代理人 【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男 (外3名)
【テーマコード(参考)】
2H068
【Fターム(参考)】
2H068 AA20 AA34 AA35 BA12 BA13 BA14 BA60 FA13 FA19 
発明者 遠藤 浩幸 / 長谷川 悦雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 以下の一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を電荷輸送媒体として含有する感光層を備えていることを特徴とする電子写真感光体。
【化1】

(式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Ar1 〜Ar6上の置換基は、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、これらの置換基はフェニル基上に複数置換していてもよく、同一でも異なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を示し、同一であっても異なってもよい。R7〜R12,R15〜R20,R23〜R28は炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、同一でも異なっていてもよい。R13,R14,R21,R22,R29,R30は水素、炭素数が1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4の直鎖アルコキシ基を示し、同一でも異なっていても良い。)
【請求項2】 請求項1に記載の電子写真感光体において、感光層が以下の一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を電荷輸送媒体として含有していることを特徴とする電子写真感光体。
【化2】

(式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Ar1 〜Ar6上の置換基は、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、これらの置換基はフェニル基上に複数置換していてもよく、同一でも異なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を示し、同一であっても異なってもよい。R7〜R12,R15〜R20,R23〜R28は炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、同一でも異なっていてもよい。R13,R14,R21,R22,R29,R30は水素、炭素数が1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4の直鎖アルコキシ基を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
【請求項3】 請求項2に記載の電子写真感光体において、前記一般式(1)で示される化合物と前記一般式(2)で示される化合物との合計量に対する前記一般式(2)で示される化合物の割合が70重量%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体において、感光層中の電荷輸送媒体の含有量が30〜70重量%であることを特徴とする電子写真感光体。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体において、感光層が電荷輸送層と電荷発生層とを有し、該電荷輸送層が電荷輸送媒体を含有していることを特徴とする電子写真感光体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に関し、さらに詳しくは、電荷輸送媒体を含有する感光層を備えた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式で使用される感光体(電子写真感光体)の光導電材料としては、セレン(Se)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、および、アモルファスシリコン(a−Si)などの無機物質が知られている。これらの無機感光体は、多くの長所を持っているが、それと同時に、例えば有害であること、廃棄が簡単にできないこと、コスト高であることなどの欠点を有している。そのため、近年では、これらの欠点を解消した有機物質を用いた有機感光体が数多く提案され、実用化されている。
【0003】有機感光体の構造としては、電荷キャリアを発生する電荷発生媒体を含む材料(以下、電荷発生材料と称する。)からなる電荷発生層と、発生した電荷キャリアを受け入れ、これを輸送する電荷輸送媒体を含む材料(以下、電荷輸送材料と称する。)からなる電荷輸送層とを別々に形成した機能分離型感光体(積層型感光体)と、電荷発生と電荷輸送とをひとつの感光層内で行う単層型感光体とがある。そして、材料選択の幅が広く、かつ高感度化が可能なので、機能分離型感光体が多く採用されている。
【0004】これらの有機感光体を構成する電荷輸送機能を備えた層は、電荷輸送媒体であるポリビニルカルバゾールなどの高分子光導電性化合物を電子輸送材料として用いて形成される場合と、電荷輸送媒体である低分子光導電性化合物をバインダーポリマー中に分散溶解したものを電子輸送材料として用いる場合とがある。高分子高導電性化合物を用いる場合は、高分子光導電性化合物単独では製膜性、接着性が不十分であるため、可塑剤あるいはバインダーポリマーなどが添加されるが、その結果、感度の低下や残留電位の増加が生じる場合があり、実用化が困難である。低分子光導電性化合物を用いる場合は、バインダーポリマーを適当に選択することによって、容易に機械的特性の優れた感光体を得ることができるが、感度の点で充分なものとはいえない。
【0005】低分子光導電性化合物を用いた従来例を以下に示す。例えば、米国特許第3,820,989号に記載のジアリールアルカン誘導体は、バインダーポリマーに対する相溶性の問題は少ないが、光に対する安定性が悪い。このため、このジアリールアルカン誘導体を、低分子光導電性化合物として帯電および露光を繰り返す電子写真用の感光体の感光層に使用すると、感光体の感度が反復使用によって徐々に低下するという問題が生じる。また、特開昭58−65440号公報に記載されているスチルベン化合物は、電荷保持力および感度などは比較的良好であるが、反復使用時における安定性については満足し難い。
【0006】一方、特公昭63−019867号公報に記載されているモノスチリルトリフェニルアミン化合物、特公平05−042661号公報と特開昭62−120346号公報とに記載されているジスチリルトリフェニルアミン化合物、特公平06−093124号公報および特開昭63−163361号公報に記載されているトリスチリルトリフェニルアミン化合物は、電荷保持力、感度が良好で、反復使用時における安定性も良好である。しかし、電荷の移動度が未だ充分ではないため、高速電子写真感光体用の電荷輸送材料として満足できるものではない。
【0007】化学式(101)〜(103)は、これらの代表例であり、それぞれ特公昭63−019867号公報に記載の化合物例、特公平05−042661号公報に記載の化合物例、特公平06−093124号公報に記載の化合物例である。
【0008】
【化3】

【化4】

【化5】

【0009】化学式(101)〜(103)に示した化合物においては、電荷のホッピングサイトとなる以下に示すトリフェニルアミン構造(化学式(201))が、1分子内に1つしか含まれておらず、充分な電荷移動度が得られないため、大きな光感度が得られない。
【0010】
【化6】

【0011】これらの化合物が開示されている上述の公報には、これらの化合物に種々の置換基を導入しても良いことが記載されているが、複数個のトリフェニルアミン構造を導入することについては全く開示されていない。
【0012】また、特公平07−013741号公報には、前記トリフェニルアミン構造を一つ含む化合物を複数混合して用いる電子写真感光体が記載されているが、複数個のトリフェニルアミン構造を含有した化合物は示されておらず、大きな光感度は得られていない。
【0013】また、これらの問題点を解決するものとして、特許第2940502号に開示された化合物群があげられる。これは、後述する本発明の一般式(2)で示される化合物を単独で電子写真感光体に用いたものであり、優れた光感度特性を有し、残留電位も小さく、良好な繰り返し安定性を示す。しかしながら、ここで開示されている化合物群は、単独では溶媒への溶解性が不十分で、バインダーポリマーと混合して塗料を作製するにおいて、塗料濃度を高くできないという問題点を有している。塗料の高濃度化の要望は、溶媒使用量の削減などの観点から重要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、優れた光感度特性を有する電子写真感光体を提供することを課題とする。さらに、繰り返し使用時の電位安定性に優れた電子写真感光体を提供することを課題とする。また、さらに、電子写真感光体の製造に用いる塗料の溶媒に対して、電荷輸送媒体が良好な溶解性を有し、高い塗料濃度が得られる電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明においては、以下の一般式(1)で示される新規な有機光導電性物質を電荷輸送媒体として用いることを特徴とする。すなわち、本発明の電子写真感光体は、以下の一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む感光層(第1の発明)、あるいは、以下の一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物と以下の一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含有する感光層(第2の発明)を備えていることを特徴とする。
【0016】
【化7】

【0017】(式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Ar1 〜Ar6上の置換基は、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、これらの置換基はフェニル基上に複数置換していてもよく、同一でも異なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を示し、同一であっても異なってもよい。R7〜R12,R15〜R20,R23〜R28は炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、同一でも異なっていてもよい。R13,R14,R21,R22,R29,R30は水素、炭素数が1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4の直鎖アルコキシ基を示し、同一でも異なっていても良い。)
【0018】
【化8】

【0019】(式中、Ar1 〜Ar6 は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Ar1 〜Ar6上の置換基は、炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、これらの置換基はフェニル基上に複数置換していてもよく、同一でも異なっていてもよい。R1 〜R6 は水素またはメチル基を示し、同一であっても異なってもよい。R7〜R12,R15〜R20,R23〜R28は炭素数が1から4のアルキル基、炭素数が1から4のアルコキシ基、炭素数が1から4のジアルキルアミノ基、炭素数が1から4のアルキルチオ基、ハロゲン元素であり、同一でも異なっていてもよい。R13,R14,R21,R22,R29,R30は水素、炭素数が1から4の直鎖アルキル基、炭素数が1から4の直鎖アルコキシ基を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
【0020】第3の発明は、前記第2の発明において、前記一般式(1)で示される化合物と前記一般式(2)で示される化合物との合計量に対する前記一般式(2)で示される化合物の割合が70重量%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。第4の発明は、第1〜3のいずれかひとつの発明の電子写真感光体において、感光層中の電荷輸送媒体の含有量が30〜70重量%であることを特徴とする電子写真感光体である第5の発明は、第1〜4のいずれかひとつの発明の電子写真感光体において、感光層が電荷輸送層と電荷発生層とを有し、該電荷輸送層が電荷輸送媒体を含有していることを特徴とする電子写真感光体である。
【0021】
【発明の実施の形態】電荷輸送媒体は、その分子内に電荷のホッピングサイトを有しており、このホッピングサイトが電荷を輸送することにより、電子写真感光体としての特性を発現する。優れた電荷輸送特性を発現させるためには、いかにして電荷の輸送を効率良く行うかが重要である。
【0022】本発明において用いられる電荷輸送媒体としては、前記一般式(1)で表される化合物を単独で用いる場合と、この化合物と前記一般式(2)で示される化合物を混合した混合物を用いる場合とがある。混合して用いる場合において、前記一般式(1)で示される化合物と前記一般式(2)で示される化合物との合計量に対する前記一般式(2)で示される化合物の割合は70重量%以下、好ましくは50重量%以下とされる。この範囲をこえると塗料に用いる溶媒への溶解性が低下する場合がある。そして、電子写真感光体においては、いずれにおいても良好な塗料溶解性が得られ、かつ優れた電子写真特性が得られる。以下、単に電荷輸送媒体と示す場合は、これらふたつの形態(単独あるいは混合物)を包含するものとする。
【0023】この電荷輸送媒体は、1つの分子内に、電荷のホッピングサイトとなるトリフェニルアミン構造を3個または4個備えていることを特徴としており、その作用によって、電子写真感光体に非常に優れた電子写真特性を付与することができる。また、この電荷輸送媒体は、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびトルエンなどの溶媒に可溶であり、良好な塗料溶解性を示し、塗料の高濃度化を図ることができる。そして、これらの溶媒に、電荷輸送媒体をバインダーポリマーととともに溶解または分散させた液体(塗料)を、感光層形成面に塗工することによって、機械的な強度が大きい、硬い膜(感光層)を作製することができる。
【0024】本発明の電荷輸送媒体として好適な前記一般式(1)、(2)で示される化合物の例を表1〜6に示す。ただし、本発明において、電荷輸送媒体として用いることができる化合物はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【表1】

【0026】
【表2】

【0027】
【表3】

【0028】
【表4】

【0029】
【表5】

【0030】
【表6】

【0031】前記一般式(1)、(2)で示される化合物は、いずれも公知の製造方法によって合成することができる。例えば、以下の化学式【0032】
【化9】

【0033】で表されるアルデヒド誘導体もしくはケトン誘導体と、以下の化学式【0034】
【化10】

【0035】で表される亜リン酸エステル誘導体とをWittig反応で縮合させることによって得ることができる。
【0036】本発明の電子写真感光体においては、公知の種々の形態を採用し得る。図1〜6は、本発明の電子写真感光体の実施形態例を示した断面図である。図1においては、導電性支持体1上に、電荷発生媒体を主成分とする電荷発生層2と、この上に設けられた上述の電荷輸送媒体を主成分とする電荷輸送層3とからなる感光層4が設けられて、積層型の電子写真感光体が構成されている。電荷発生層2、電荷輸送層3は、例えばバインダーポリマーからなるマトリックス中に、それぞれ、電荷発生媒体または上述の電荷輸送媒体を、混合、もしくは分散してなるものである。
【0037】電荷発生層2の膜厚は、帯電性の保持、安定性の確保の観点から、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.1〜1μmとされる。下限値未満の場合は必要な電荷の発生が困難となり、上限値をこえると光導電性が低下する。電荷輸送層3の膜厚は好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μmとされる。下限値未満の場合は暗減衰が大きくなり電荷の保持が困難となる。また上限値をこえると光感度が低下する。
【0038】図2に示した電子写真感光体においては、図1に示した電子写真感光体と異なり、導電性支持体1側に電荷輸送層3が設けられ、この上に電荷発生層2が設けらおり、このアンダーコート層5を含む感光層4が構成されている。
【0039】図3に示した電子写真感光体においては、図1に示した構造において、導電性支持体1と電荷発生層2との間にアンダーコート層5が設けられることにより、このアンダーコート層5を含む感光層4が構成されている。図4に示した電子写真感光体においては、図2に示した構造において、導電性支持体1と電荷輸送層3との間にアンダーコート層5が設けられている。さらに電荷発生層2の上には、最外層として保護層(オーバーコート層)8が設けられて、アンダーコート層5、電荷輸送層3、電荷発生層2、保護層8からなる感光層4が構成されている。
【0040】アンダーコート層5、保護層8は、例えばポリマーから構成されている。また、アンダーコート層5と保護層8の膜厚は、好ましくはそれぞれ0.01〜20μm、さらに好ましくは0.2〜10μmとされる。それぞれ上限値をこえると光感度が低下する。
【0041】これら図1〜図4に示したように、電荷発生層2と電荷輸送層3とを備えた感光層4を構成すると、光感度特性、繰り返し使用時の電位安定性の観点から最も望ましく、最も優れた電子写真特性が得られる。
【0042】また、図5に示したように、導電性支持体1の上に、電荷輸送媒体と電子発生媒体とを含み、これらの両方の特性を付与した複合層6からなる感光層4を設けた構成とすることもできる。複合層6は例えばバインダーポリマーからなるマトリックス中に、電荷輸送媒体と電荷発生媒体を混合、もしくは分散してなるものである。あるいは、図6に示したように、導電性支持体1と複合層6との間にアンダーコート層5を設け、アンダーコート層5と複合層6とからなる感光層4を構成することもできる。なお、本発明の電子写真感光体において、アンダーコート層5、保護層8は必須ではなく、これらを設けるか否かは用途、設計条件などによって適宜選択可能である。
【0043】導電性支持体1としては、例えばアルミニウム基板などが用いられる。電荷発生媒体としては、公知の光導電性材料、例えばCdS、Se、ZnOおよびa−Siなどの無機材料、Si、Ge、Co、Cu、Al、In、Ti、PbおよびVなどの金属原子を有するフタロシアニン類、無金属のフタロシアニン、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、多環キノン系顔料およびペリノン系顔料、シアニン系色素およびスクアリリュウム系色素などの有機材料を、単独または混合して用いることができる。
【0044】電荷輸送層3、電荷発生層2、複合層6に用いるバインダーポリマーは、通常使用されている絶縁性樹脂から選択することができる。また、例えば、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルアントラセン樹脂、ポリビニルピレン樹脂などの有機光導電性ポリマーなどを用いることができる。具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリケトン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリシラン樹脂などの絶縁性樹脂などを例示することができる。これらのバインダーポリマーは、1種あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0045】バインダポリマーの配合量は、電荷輸送層3、電荷発生層2、複合層6中において、それぞれ99〜0重量%、好ましくは70〜30重量%とされる。バインダーポリマーの配合量は、電荷輸送媒体、電子発生媒体などの種類、組み合わせ、配合量などによって適宜調整される。よって、電荷輸送層3、電荷発生層2、複合層6中の電荷輸送媒体、電荷発生媒体のそれぞれの配合量は、それぞれ30〜70重量% とされる。下限値未満の場合は電荷輸送媒体、あるいは電荷発生媒体の作用を有効に発揮させることができず、上限値をこえるとバインダポリマーがバインダーとしての機能を有さず、成膜性が著しく損なわれる。
【0046】アンダーコート層5、保護層8の材料のポリマーとしては、通常用いられる樹脂材料が使用可能である。具体的には、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン610、共重合ナイロンおよびアルコキシメチル化ナイロンなどのアルコール可溶性ポリアミド樹脂、並びに、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合樹脂、エポキシ樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース樹脂などを例示することができる。これらは1種、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0047】なお、感光層4を構成する各層には、必要に応じて通常用いられる各種添加剤を添加することができる。添加剤は、一般に後述する塗料調整時に添加される。電荷輸送媒体を含む層には、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、電子吸引性化合物、および、可塑材などを添加することができる。電荷発生媒体を含む層には、例えば可塑材、電子受容性化合物、電子供与性化合物などを添加することもできる。アンダーコート層5、保護層8には、例えば電子受容性化合物、電子供与性化合物などを添加することもできる。
【0048】電荷輸送媒体を含む電荷輸送層3、電荷発生媒体を含む電荷発生層2、これらの両方を含む複合層6は、例えば、電荷輸送媒体もしくは電荷発生媒体、または電荷輸送媒体と電荷発生媒体の両方を、バインダーポリマーとともに溶媒中に溶解、あるいは分散した塗料を、各層の形成面に塗工、乾燥することによって得ることができる。また、アンダーコート層5、保護層8も同様に、溶媒中に材料であるポリマーを分散、あるいは溶解させて塗料とし、この塗料を各層の形成面に塗工、乾燥することによって得ることができる。
【0049】電荷輸送媒を溶解、分散させる溶剤は、電荷輸送媒体とともに分散、溶解させるバインダーポリマーなどの種類によって適宜選択されるが、その塗工時に、すでに形成されている電荷発生層やアンダーコート層に影響を与えないものが好ましい。また、電荷発生媒体を溶解、分散させる溶剤としては、電子発生媒体とともに分散、溶解させるバインダーポリマーなどの種類によって適宜選択されるが、その塗工時に、すでに形成されている電荷輸送層やアンダーコート層に対して影響を与えないものから選択することが好ましい。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、モノクロロベンゼン、および、ジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、および、シクロヘキサノンなどのケトン類;メタノール、エタノール、および、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;酢酸エチルおよびメチルセロソルブなどのエステル類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、および、トリクロロエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。アンダーコート層5、保護層8を形成する塗料の溶媒は特に限定しないが、例えばこれらの溶媒から選択して用いることができる。
【0050】また、電荷輸送媒体、あるいは電荷輸送媒体と電荷発生媒体とを含む塗料において、電荷輸送媒体の濃度は10〜30重量%とされる。また、電子輸送媒体とバインダーポリマーの合計濃度は20〜60重量%とされる。下限値未満の場合は電荷輸送媒体が十分に溶媒に溶解しない場合があり、上限値をこえると乾燥工程に必要なエネルギーが大きくなるからである。電荷発生媒体、あるいは電荷発生媒体と電荷輸送媒体とを含む塗料において、電荷発生媒体の塗料中の濃度は、例えば10〜30重量%、電荷発生媒体とバインダーポリマーの合計濃度は20〜60重量%とされる。アンダーコート層5、保護層8を形成する塗料の材料の濃度は、特に限定しないが例えば20〜50重量%とされる。
【0051】感光層4を構成する各層を形成する塗工は、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、浸漬コーター、ドクターブレード、ローラーコーター、カーテンコーター、ビードコーター、スライドホッパーなどの通常の塗工装置を用いて行うことができる。乾燥は加熱乾燥が好ましく、温度条件は40〜300℃程度、好ましくは60〜200℃程度、乾燥時間は2分〜10時間程度、好ましくは10分〜6時間程度で、静止または送風条件下で行うことができる。
【0052】このようにして得られる本発明の電子写真感光体の好適な用途としては、複写機、プリンター、ファクシミリなどのみならず、電子写真製版、太陽電池および電解発光素子などの光電変換素子、光変換素子、並びに、光ディスク用材料などがあげられる。
【0053】
【実施例】以下、本発明について、各実施例において詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)アルミニウム基板上に、メトキシメチル化ナイロン(ユニチカ(株)製、T−8)からなるアンダーコート層(0.1μm厚)を形成し、このアンダーコート層上に、n型チタニルフタロシアニンとポリビニルブチラール(積水化学(株)製、BX−1)とを含む電荷発生層(0.1μm厚)を形成した。電荷発生層中のn型チタニルフタロシアニンの含有量は45重量%であった。さらに、その上に、表1に例示した化合物1と、ポリカーボネート((三菱瓦斯化学(株)製のユーピロンZ−200)とを、0.8:1の重量比で含有する40重量%のジクロロエタン溶液を作製し、この溶液(塗料)を塗布し、90℃で60分間乾燥させて20μm厚の電荷輸送層を形成した。この膜の塗工性は良好で、塗膜強度も充分であった。
【0054】電子写真特性の評価においては、川口電機社製の静電記録試験装置(EPA-8100)を用いて−6kVのコロナ放電で帯電させた後に、3秒間暗減衰させ、5ルックスの白色光を5秒間照射し、その表面電位が1/2になるまでの時間(秒)を求め、半減露光量(E1/2,ルックス・秒)を測定した。また、白色光5秒照射後の残留表面電位(-Vr,ボルト)を測定した。これらの結果を表7に示した。
【0055】
【表7】

【0056】(実施例2〜10)実施例1で使用した化合物1にかえて、表8に示した化合物を用いて実施例1と同様に感光体を作製し、その特性を測定した。結果をあわせて表8に示した。表8に示した化合物の番号は、表1〜6に例示した化合物の番号に対応している。なお、実施例7〜実施例10は、前記一般式(1)、(2)で示される化合物を混合して用いたものである。例えば実施例7の1/51=50:1とは、化合物1と化合物51とを50:1の重量比で用いたことを示してる。
【0057】
【表8】

【0058】(比較例1)実施例1で用いた化合物1にかえて、表1に例示した化合物51のみを用いて、実施例1と同様の手順で感光体を作製しようと試みたが、化合物51単独では、実施例1と同様の40重量%濃度では完全に溶媒に溶解せず、塗料を調整できなかった。
(比較例2〜4)電荷輸送媒体として、実施例1で用いた化合物1にかえて、以下の化学式(101)〜(103)で表される化合物を用いて、実施例1と同様にして感光体を作製し、その特性を測定した。結果を表9に示した。
【0059】
【化11】

【0060】
【化12】

【0061】
【化13】

【0062】
【表9】

【0063】表7〜9に示した結果より、本発明に係る実施例1〜10においては、前記一般式(1)で示される化合物を単独で用いた場合、あるいは前記一般式(1)、(2)で示される化合物を混合して用いた場合のいずれにおいても、電荷輸送媒体以外は同様の構成からなる比較例1〜4とくらべて光感度(E1/2)が小さく、優れた光感度が得られた。また、1000回後の測定値も初期測定値とほぼ同程度であって、優れた繰り返し安定性を示した。なお、いずれの実施例においても塗料調整時の電荷輸送媒体の溶媒への溶解性は良好であった。
【0064】(実施例11)ポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着させた導電性支持体上に、ポリアミド樹脂(東レ(株)製、A−70)からなるアンダーコート層(0.1μm厚)を形成し、このアンダーコート層上に、τ型無金属フタロシアニンと、ブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、デンカブチラール#3000)を含む電荷発生層(0.1μm厚)を形成した。電荷発生層中のτ型無金属フタロシアニンの含有量は50重量%であった。
【0065】また、電荷輸送媒体として表1に例示した化合物1を用い、酸化防止剤(日本チバガイギー(株)製、IRGANOX1010)を、電荷輸送媒体に対して1.5重量%加えて実施例1と同様にして感光体を作製した。この感光体について実施例1と同様の測定を行った結果を表10に示した。
【0066】
【表10】

【0067】(実施例12〜20)実施例11で使用した化合物1にかえて、表11に示した化合物を用いて実施例11と同様に感光体を作製し、その特性について測定した。表11に示した化合物の番号は、表1〜6に例示した化合物の番号に対応している。なお、実施例17〜実施例20は、前記一般式(1)、(2)で示される化合物を混合して用いたものである。例えば実施例17の2/52=50/5は、化合物2と化合物52とを50:5の重量比で用いたことを示している。
【0068】
【表11】

【0069】(比較例5)電荷輸送媒体として、以下の化学式(104)で示される化合物(6)を用いて、実施例11と同様にして感光体を作製した。この感光体の測定結果を、表12に示した。
【0070】
【化14】

【0071】
【表12】

【0072】表10〜12に示した結果より、本発明に係る実施例11〜20においては、前記一般式(1)で示される化合物を単独で用いた場合、あるいは前記一般式(1)、(2)で示される化合物を混合して用いた場合のいずれにおいても、電荷輸送媒体以外は同様の構成からなる比較例5と比べて、優れた光感度および繰り返し安定性を示した。なお、いずれの実施例においても塗料調整時の電荷輸送媒体の溶媒への溶解性は良好であった。
【0073】以上の結果より、本発明に係る実施例においては、初期の半減露光量の値から、優れた光感度特性を有することが確認され、かつ、初期の半減露光量の値と1000回後の値との差が小さいことから、残留電位とともに暗減衰が小さく、また光疲労が少ないため良好な繰り返し安定性を有することが確認できた。また、いずれの実施例においても、電荷輸送媒体は溶媒に対して良好な溶解性を示したので、高濃度の塗料を調整でき、溶媒使用量の削減を実現できることが明らかとなった。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子写真感光体は、前記一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を電荷輸送媒体として含む感光層、あるいは、前記一般式(1)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物と前記一般式(2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物とを電荷輸送媒体として含有する感光層を備えているため、優れた光感度特性を有し、残留電位とともに暗減衰が小さく、また光疲労が少ないため良好な繰り返し安定性を有する。また、本発明において用いる電荷輸送媒体は溶媒に対して良好な溶解性を示すため、塗料濃度を高くすることができ、溶媒使用量を削減することができる。




 

 


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