米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> 株式会社ブリヂストン

発明の名称 中間転写部材およびこれを用いた中間転写装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−312151(P2001−312151A)
公開日 平成13年11月9日(2001.11.9)
出願番号 特願2000−130047(P2000−130047)
出願日 平成12年4月28日(2000.4.28)
代理人 【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
【テーマコード(参考)】
2H032
4F070
4F071
4J002
【Fターム(参考)】
2H032 AA05 BA07 BA09 
4F070 AA06 AA23 AB16 AC56 AE08 GA05 GC08
4F071 AA12 AA26 AC08 AE02 AF39 AH12 CA01 CA06 CD03 CD05 CD07
4J002 BD122 BD142 BD152 BL011 EK036 EK046 GM00 GS00
発明者 上野 哲一 / 赤羽 博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 画像形成体と記録媒体との間に配設され、該画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材において、弾性層と、1,2−ポリブタジエンを50重量%以上含有する樹脂材料からなる表層とを有し、該表層が上記弾性層表面に加硫接着されていることを特徴とする中間転写部材。
【請求項2】 上記表層の樹脂材料中の1,2−ポリブタジエンの含有量が80重量%以上であり、かつ、該1,2−ポリブタジエンのジエン結合が一部加硫結合している請求項1記載の中間転写部材。
【請求項3】 上記表層の厚みが10〜100μmである請求項1または2記載の中間転写部材。
【請求項4】 上記加硫接着の加硫剤としてパーオキサイド系加硫剤が用いられている請求項1〜3のうちいずれか一項記載の中間転写部材。
【請求項5】 上記表層の樹脂材料にフッ素系樹脂が含まれている請求項1〜4のうちいずれか一項記載の中間転写部材。
【請求項6】 画像形成体と記録媒体との間に配設され、該画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを該記録媒体へと転写する中間転写部材と、該中間転写部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備する中間転写装置において、前記中間転写部材として、請求項1〜5のうちいずれか一項記載の中間転写部材を用いたことを特徴とする中間転写装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LBP、カラーLBP、PPC等の電子写真装置や静電記録装置等における静電記録プロセスにおいて、表面に静電潜像を保持した潜像保持体等の画像形成体表面に現像剤を供給して形成されたトナー像を、紙等の記録媒体へと転写する前に一旦転写保持し、これを上記記録媒体へと転写する中間転写部材およびこれを用いた中間転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンター等における静電記録プロセスでは、まず、感光体(潜像保持体)の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリントする方法が採られている。
【0003】この場合、カラープリンターやカラー複写機においても、基本的には上記プロセスに従ってプリントが行われるが、カラー印刷の場合には、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを用いて色調を再現するもので、これらのトナーを所定割合で重ね合わせて必要な色調を得るための工程が必要であり、この工程を行うためにいくつかの方式が提案されている。
【0004】まず、第1には、モノクロ印刷を行う場合と同様に、感光体上にトナーを供給して静電潜像を可視化する際に、上記マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のトナーを順次重ねていくことにより現像を行い、感光体上にカラーのトナー像を形成する多重現像方式がある。この方式によれば比較的コンパクトに装置を構成することが可能であるが、この方式では階調の制御が非常に難しく、高画質が得られないという問題点がある。
【0005】第2に、4つの感光ドラムを設け、各ドラムの潜像を夫々マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのトナーで現像することにより、マゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像の4つのトナー像を形成し、これらトナー像が形成された感光ドラムを1列に並べて各トナー像を紙等の記録媒体に順次転写して記録媒体上に重ねることにより、カラー画像を再現するタンデム方式がある。この方式は、良好な画像が得られるものの、4つの感光ドラムと、各感光ドラムごとに設けられた帯電機構および現像機構が1列に並べられた状態となり、装置が大型化するとともに高価なものとなってしまう。
【0006】第3に、紙等の記録媒体を転写ドラムに巻き付けてこれを4回転させ、周回ごとに感光体上のマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックを順次記録媒体に転写してカラー画像を再現する転写ドラム方式もある。この方式によれば比較的高画質が得られるが、記録媒体が葉書等の厚紙である場合には、これを上記転写ドラムに巻き付けることが困難であり、記録媒体種が制限されるという問題点がある。
【0007】上記多重現像方式、タンデム方式および転写ドラム方式に対して、良好な画質が得られ、かつ装置が特に大型化するようなこともなく、しかも記録媒体種が特に制限されるようなこともない方式として、中間転写方式が提案されている。
【0008】即ち、この中間転写方式は、感光体上のトナー像を一旦転写保持するドラムやベルトからなる中間転写部材を設け、この中間転写部材の周囲にマゼンタによるトナー像、イエローによるトナー像、シアンによるトナー像およびブラックによるトナー像を形成した4つの感光体を配置して4色のトナー像を中間転写部材上に順次転写することにより、この中間転写部材上にカラー画像を形成し、このカラー画像を紙等の記録媒体上に転写するものである。従って、4色のトナー像を重ね合わせて階調を調整するものであるから、高画質を得ることが可能であり、かつタンデム方式のように感光体を1列に並べる必要がないので装置が特に大型化することもなく、しかも記録媒体をドラムに巻き付ける必要もないので記録媒体種が制限されることもないものである。
【0009】このような、中間転写方式によりカラー画像の形成を行う装置として、無端ベルト状の中間転写部材を用いた画像形成装置を図2に、ドラム状の中間転写部材を用いた画像形成装置を図3に、夫々例示する。
【0010】図2および3中、11はドラム状の感光体であり、図中矢印方向に回転するようになっている。この感光体11は、一次帯電器12によって帯電され、次いで画像露光13により露光部分の帯電が消去され、第1の色成分に対応した静電潜像がこの感光体11上に形成され、更に静電潜像が現像器41により第1色のマゼンタトナーMで現像され、第1色のマゼンタトナー画像が感光体11上に形成される。次いで、このトナー画像が、駆動ローラ(駆動部材)30により循環駆動されて感光体11と接触しながら回転する中間転写ベルト20a(図2)または中間転写ドラム20b(図2)(以下、これらを合わせて「中間転写部材20」と称する)に転写される。この場合、感光体11から中間転写部材20への転写は、感光体11と中間転写部材20とのニップ部において、中間転写部材20に電源61から印加される一次転写バイアスにより行われる。この中間転写部材20に第1色のマゼンタトナー画像が転写された後、上記感光体11はその表面がクリーニング装置14により清掃され、感光体11の1回転目の現像転写操作が完了する。以降、感光体が3回転し、各周回ごとに現像器42〜44を順次用いて第2色のシアントナー画像、第3色のイエロートナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次感光体11上に形成され、これが周回ごとに中間転写部材20に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が中間転写部材20上に形成される。なお、図2の装置にあっては、感光体11の周回ごとに現像器41〜44が順次入れ替わってマゼンタトナーM、シアントナーC、イエロートナーY、ブラックトナーBによる現像が順次行われるようになっている。
【0011】次に、上記合成カラートナー画像が形成された中間転写部材20に転写ローラ25が当接し、そのニップ部に給紙カセット19から紙等の記録媒体26が給送される。これと同時に二次転写バイアスが電源29から転写ローラ25に印加され、中間転写部材20から記録媒体26上に合成カラートナー画像が転写されて加熱定着され、最終画像となる。合成カラートナー画像を記録媒体26へと転写した後の中間転写部材20は、表面の転写残留トナーがクリーニング装置35により除去され、初期状態に戻り次の画像形成に備えるようになっている。
【0012】しかし、このような中間転写方式による画像形成では、感光体11から中間転写部材20へのトナー像の転写と、中間転写部材20から記録媒体26へのトナー像の転写との、二度のトナー像の転写を良好に行わなければならないため、特に、中間転写部材20から記録媒体26へのトナー像の転写時に支障が生ずる場合がある。これは、プリント枚数を重ねるうちに、中間転写部材20にトナーが付着、融着することにより、記録媒体26への転写効率が低下したり、あるいは付着したトナーのために感光体11から正確なトナー像が転写されにくくなるためであると考えられる。
【0013】このような問題に対し、中間転写部材へのトナーの付着を防止するために、中間転写部材の表面上に表層を設けることが行われている。この表層の形成方法としては、例えば、押し出しチューブを被覆する方法や(特開平6−95517号公報)、シュリンクチューブを用いる方法(特開平8−202063号公報)、または、塗装により形成する方法などが提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押し出しチューブやシュリンクチューブは共に接着性が弱いため、表層処理等を行わないと実用に供することができず、コスト的に問題があった。また、塗装により形成する方法では、表面の外観欠陥が発生しやすいことに加え、弾性層を事前処理しなければならないなど、設備が大掛かりになってしまうという難点もあった。
【0015】そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、中間転写部材表面へのトナーの付着を防止して、画像不良のない高画質の画像を確実に得ることを可能にするとともに、使用時における表層の剥離を防止して、長期使用に良好に対応することのできる中間転写部材およびこれを用いた中間転写装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、中間転写部材の弾性層上に形成する表層を、特定の材料系を用いて、加硫接着により化学的に結合させて形成することにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記に示す通りである。
【0017】(1)画像形成体と記録媒体との間に配設され、該画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを記録媒体へと転写する中間転写部材において、弾性層と、1,2−ポリブタジエンを50重量%以上含有する樹脂材料からなる表層とを有し、該表層が上記弾性層表面に加硫接着されていることを特徴とする中間転写部材である。
【0018】(2)上記(1)の中間転写部材において、上記表層の樹脂材料中の1,2−ポリブタジエンの含有量が80重量%以上であり、かつ、該1,2−ポリブタジエンのジエン結合が一部加硫結合している中間転写部材である。
【0019】(3)上記(1)または(2)の中間転写部材において、上記表層の厚みが10〜100μmである中間転写部材である。
【0020】(4)上記(1)〜(3)のうちいずれかの中間転写部材において、上記加硫接着の加硫剤としてパーオキサイド系加硫剤が用いられている中間転写部材である。
【0021】(5)上記(1)〜(4)のうちいずれかの中間転写部材において、上記表層の樹脂材料にフッ素系樹脂が含まれている中間転写部材である。
【0022】(6)画像形成体と記録媒体との間に配設され、該画像形成体表面に形成されたトナー像を一旦自己の表面に転写保持し、これを該記録媒体へと転写する中間転写部材と、該中間転写部材に電圧を印加する電圧印加手段とを具備する中間転写装置において、前記中間転写部材として、上記(1)〜(5)のいずれかの中間転写部材を用いたことを特徴とする中間転写装置である。
【0023】上記本発明の中間転写部材は、表層を弾性層表面に対して加硫接着により化学的に結合することが可能であるため、接着性に優れ、従来の押し出しチューブやシュリンクチューブの場合のような弾性層の事前処理を必要としないため、生産設備の効率化も図ることができる。また、この表層によりトナーの付着を良好に防止することができるため、画像不良のない良好な転写性を維持することが可能である。さらに、かかる本発明の中間転写部材を用いた本発明の中間転写装置においては、歪みや乱れのない良好な画像を確実にかつ長期にわたり得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき説明する。本発明の中間転写部材は、例えば、図2中に参照符号20で示した中間転写ベルトのように無端ベルト状に形成して、感光体ドラム(潜像保持体)11と紙等の記録媒体26との間に配設し、上記感光ドラム11の表面に形成されたトナー像を一旦転写保持して、これを記録媒体26へと転写するものとすることができる。また、図3に示す中間転写ドラム20bのように、慣用の基体を用いてドラム状に形成することもでき、感光体等の画像形成体に安定的に接触または近接させることができるものであれば形状等には特に制限はなく、図示した以外でも所望の形態で使用することが可能である。尚、図2および3の装置は、上述したように、中間転写方式によりカラー印刷を行うものである。
【0025】本発明の中間転写部材は、図1に示すように、弾性層1上に表層2を形成した構造を有するものであり、表層2が、1,2−ポリブタジエンを50重量%以上含有する樹脂材料からなり、この表層2が弾性層1の表面に加硫接着されていることが重要である。
【0026】弾性層1は、硫黄やパーオキサイド等の加硫剤により加硫が可能なエラストマー、ゴムからなる。具体的には、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリルゴム(ACR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)等の一般的なゴムまたはスチレン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)あるいはその水添加物(SEBS)等の熱可塑性ゴムおよびこれらの発泡体を用いることができ、特に制限されるものではないが、弾性層1の加工性や硬度の点から、NBRまたはECOに粘度の低いNBR、BR、IRを添加したゴム組成物が好ましく用いられる。尚、その場合の好ましい配合比は、弾性層1のゴム材料全体を100とした場合にその重量%で(NBRまたはECO):(NBR+BR+IR)=10〜90:90〜10である。
【0027】また、弾性層1には、導電性材料を添加して導電性を付与または調整することができる。この場合、導電性材料としては特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(臭化ベルジル塩、塩化ベンジル塩等)等の第4級アンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;脂肪族スルホン酸、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸塩、高級アルコール燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤;高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、LiCF2SO2、NaClO4、LiBF4、NaCl等の周期律表第1族の金属塩;Ca(ClO42等の周期律表第2族の金属塩:およびこれらの帯電防止剤がイソシアネートと反応する活性水素を有する基(水素基、カルボキシル基、一級乃至二級アミン基等)を1個以上有するものなどが挙げられる。更に、これらと多価アルコール(1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)またはその誘導体との錯体、或いはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等との錯体などのイオン導電剤;ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラーインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト等;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅等の金属および金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどを例示することができる。
【0028】これら導電性材料の弾性層1への添加量は、樹脂またはゴム成分100重量部に対して0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜30重量部とすることができ、これにより弾性層1の抵抗値を102〜1013Ω・cmに調整することができる。
【0029】弾性層1の厚みは、好ましくは0.2〜0.8mm、より好ましくは0.4〜0.7mmである。
【0030】本発明の中間転写部材においては、かかる弾性層1上に、表層2を積層して形成する。表層2は、弾性層1の加硫を行う際、同時に加硫させ、接着させる。このようにして表層2を弾性層1に対し化学的に強固に結合させることで、従来の物理的な被覆方法では得られなかった強い接着性を実現することができ、使用時の剥離を防止して、長期使用に耐え得る良好な中間転写部材とすることができる。
【0031】表層2は、かかる加硫接着を可能ならしめるためにその樹脂材料中に1,2−ポリブタジエンを50重量%以上、好ましくは80重量%以上含有させる。1,2−ポリブタジエンの含有量が50重量%未満であると、加硫接着が十分に行われず、本発明の効果を得ることができない。また、本発明においては、1,2−ポリブタジエンのジエン結合が一部加硫結合される。
【0032】表層2の他の樹脂材料としては、特に制限はないが、好ましくはフッ素系樹脂を用いる。具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−テトラフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を挙げることができ、これにより、トナーの付着や融着をより効果的に防止することができる。なお、加硫剤としては、硫黄系およびパーオキサイド系のいずれでもよいが、好ましくはパーオキサイド系の加硫剤を用いる。加硫剤の好適例としては、ビス−t−ブチルパーオキシトリメチルシクロヘキサン、ビス−t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、ジメチルビス−t−ブチルパーオキシベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等を挙げることができる。
【0033】さらに、この表層2には、特に制限されるものではないが、適度の導電性を付与するため、上記の弾性層1と同様の導電性材料を配合することができる。この場合、導電性材料の配合量は、特に制限されず、所望の抵抗値に応じて適宜選定することができる。本発明の中間転写部材の適当な表層抵抗は、体積抵抗が102〜1018Ω・cm、特には105〜1018Ω・cmであり、このような抵抗値が得られるように導電性材料の配合量を選定することができる。通常、樹脂成分100重量部に対して0.001〜80重量部程度である。
【0034】表層2の厚みは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは30〜80μmである。この厚みが10μm未満では表面平滑性および滑り性に劣り、一方、100μmを超えると、ベルトの弾性が損なわれ、ベルト走行性が悪くなる。
【0035】本発明の中間転写部材は、特に制限されるものではないが、表面粗さをJIS10点平均粗さRzで10μm以下、特に6μm以下、更には3μm以下とすることが好ましい。
【0036】本発明の中間転写部材を無端ベルト状に形成した場合には、図2の画像形成装置における駆動ローラ30などの駆動部材と接触する側の面に、該駆動部材(例えば駆動ローラ30)に形成した嵌合部(図示せず)と嵌合する嵌合部を形成してもよく、これにより、実機に搭載して走行させる場合に、2以上の軸に張架した中間転写部材が回転に伴い幅方向にずれて行く現象を防止することができる。
【0037】この場合、上記嵌合部は、特に制限されるものではないが、例えば、ベルト20の周方向(回転方向)に沿って連続する凸条とし、これを上記駆動ローラ30等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した溝に嵌合させるようにすることが一般的である。
【0038】上記嵌合部は、弾性層1と同一の材料により一体的に形成することができ、この場合嵌合部を弾性層1よりも耐摩耗性に優れた補強材料によって補強してもよく、例えば、この嵌合部を形成するゴムや樹脂中にガラス、カーボン、グラファイト、アラミド、綿、人絹、ナイロン、ポリエチレン、セラミック(SiC,Al23等)、金属(ボロン、ステンレススチール等)等の短繊維および/または長繊維を練り込んだり、不織布や織布を埋設したり、嵌合部の表面を織布で被覆して補強することができる。また、この嵌合部自体をゴムベルトよりも耐摩耗性に優れた材料で形成してもよい。
【0039】なお、図1では、1本の連続する凸条を嵌合部2として設けた例を示したが、この嵌合部2は多数の凸部をベルトの周方向(回転方向)に沿って一列に並べて突設してもよく、また嵌合部2を2本以上設けたり、ベルトの幅方向中央部に設けてもよい。更に、嵌合部2として図1に示した凸条ではなく、ベルトの周方向(回転方向)に沿った溝を設け、これを上記駆動ローラ30等の駆動部材の周面に周方向に沿って形成した凸条と嵌合させるようにしてもよい。
【0040】また、かかる本発明の中間転写部材を用いた本発明の中間転写装置としては、図2および3に示す画像形成装置の中間転写部を例示することができるが、これに制限されるものではない。この場合、図2の装置のように、本発明の中間転写部材20を回転させる駆動ローラまたは駆動ギアには適宜な電源61から電圧を印加することができ、この場合の電圧は直流のみの印加または直流に交流を重量する印加など、印加条件は適時選択することができる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づき説明する。下記の配合内容に従い、弾性層および表層の材料を調製し、無端ベルト状に成形して、160℃にて30分間加硫を行い、各中間転写部材を得た。尚、ベルトの寸法は、内径160mm、幅250mmである。
【0042】
実施例1弾性層:NBR 50重量部 エピクロルヒドリン 50重量部 カーボンブラック 20重量部 パーオキサイド系加硫剤 (P.O.) 5重量部(厚み0.7mm、体積抵抗値109Ω・cm)
表層:1,2−ポリブタジエン 100重量部 P.O. 0.1重量部(厚み30μm、体積抵抗値1015Ω・cm)
【0043】実施例2
(厚み0.7mm、体積抵抗値109Ω・cm)

(厚み50μm、体積抵抗値1014Ω・cm)
【0044】比較例1
(厚み0.7mm、体積抵抗値109Ω・cm)

(厚み50μm、体積抵抗値1013Ω・cm)
【0045】比較例2
(厚み0.7mm、体積抵抗値109Ω・cm)

(厚み50μm、体積抵抗値1013Ω・cm)
【0046】上記実施例および比較例において得られた各ベルトの表層接着性、トナー離型性、転写性の評価を、以下に示す評価方法にて行った。これらの結果を下記表1にまとめて示す。
(1)表層接着性ベルト表面から弾性層1の厚み半分くらいまで約1cm角の切れ目を入れた後、粘着テープをその上から貼り付け、これをはがした際にベルトと表層との界面において剥離が生じないかについて評価を行った。
(2)トナー離型性Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の位置のトナーをベルト表面に少量ふりかけ、これをコットンの布を用いて2〜3回拭き取った際にベルト表面にトナーが残らないかどうかを目視にて確認した。
(3)転写性中間転写装置を用いて、任意の画像を中間転写部材から転写体へ転写し、得られた画像の状態について、転写ムラおよび転写飛び散りの有無、転写効率等の点につき、目視および拡大鏡にて評価を行った。
【0047】
【表1】

【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の中間転写部材においては、弾性層上に、特定の材料配合からなる表層を加硫接着にて形成したことにより、表面上へのトナーの付着、融着を防止して高画質の画像を確実に得ることができるとともに、高い表層接着性を備えていることにより、使用時における表層の剥離を良好に防止することができる。また、かかる本発明の中間転写部材を用いた本発明の中間転写装置によれば、中間転写部材に起因する画像不良を生ずることのない安定な画像を長期にわたり安定して得ることができるものである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013