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発明の名称 フィルムスキャナ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−56514(P2001−56514A)
公開日 平成13年2月27日(2001.2.27)
出願番号 特願平11−231655
出願日 平成11年8月18日(1999.8.18)
代理人 【識別番号】100081433
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
【テーマコード(参考)】
2H106
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2H106 BA11 BA55 BH00 
5C062 AA05 AB03 AB32 AD01 AD06 BA04
5C072 AA01 FB06 RA03 VA03 XA10
発明者 黒澤 裕一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 画像が顕像化されたフィルムを主走査して前記画像を読み取る撮像素子と、前記撮像素子に対して前記フィルムを前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する走査機構とを備えるフィルムスキャナにおいて、前記走査機構は、前記フィルムを支持して前記副走査方向に移動する移動テーブルを備え、前記移動テーブルには前記フィルムを前記移動テーブル上でフィルムの平面方向に回動可能な角度調整機構を設けていることを特徴とするフィルムスキャナ。
【請求項2】 前記フィルムはフィルムホルダに保持されており、前記角度調整機構は前記フィルムホルダを回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムスキャナ。
【請求項3】 前記移動テーブルには、前記フィルムホルダを前記副走査方向に移動するためのフィルム駒送り機構が設けられており、前記角度調整機構は前記フィルム駒送り機構の一部を含んで構成されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルムスキャナ。
【請求項4】 前記フィルム駒送り機構は、前記フィルムホルダの前記副走査方向に沿って前記フィルムホルダの幅方向の両側にそれぞれ設けられた2つのラックと、前記移動テーブルに設けられて前記各ラックにそれぞれ噛合される2つのピニオンと、前記各ピニオンを回転駆動する2つの駒送りモータとを備え、前記角度調整機構は前記2つのピニオンのうちの一方を回転駆動し、他方の回転を停止することが可能な構成とされる請求項3に記載のフィルムスキャナ。
【請求項5】 前記移動テーブルには、前記フィルムホルダを厚み方向に挟み、幅方向をほぼ規制するための一対のレールが設けられ、前記一方のピニオンが設けられた側のレールには前記フィルムホルダを他方の側のレールに向けてバネ力をもって付勢するための付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のフィルムスキャナ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銀塩フィルムに撮影された画像を光電変換素子により読み取って画像信号に変換するためのフィルムスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のパーソナルコンピュータ(パソコン)の普及に伴い、デジタルスチルカメラで撮影した画像や、スキャナ装置で走査した画像をパソコンに取り込んで画像処理を行い、あるいは記録することが行われている。このような時代の要求により、銀塩フィルム等の写真フィルムで撮影した画像をパソコンに取り込むことが考えられており、従来では印画した撮影画像をスキャナ装置により読み取ることが行われている。しかしながら、この種のスキャナ装置では印画に焼付けた上で読み取りを行う必要があるために、焼付けを行っていないネガ画像や、ポジフィルム上のポジ画像を読み取ることはできない。そのため、写真フィルム上のネガ画像あるいはポジ画像を直接に読み取るためのフィルムスキャナが提案されている。このようなフィルムスキャナは、基本的には従来のスキャナ装置と同じであり、フィルムの画像をCCD素子等の光電変換素子からなるラインセンサにより主走査するとともに、フィルム又はラインセンサを主走査方向と直交する副走査方向に移動させて副走査する構成がとられている。
【0003】ところで、この種のフィルムスキャナでは、フィルムをフィルムホルダに保持させ、フィルムホルダをフィルムスキャナに装填して読み取りを行う構成のものである。この場合、フィルムホルダをフィルムスキャナに装填した際に、フィルムホルダ自体は正しい方向に装填されても、フィルムホルダに対してフィルムが正しい方向に保持されていないと、フィルムがラインセンサの平面方向に対して傾いた状態となり、フィルム画像の左右方向、上下方向がスキャナの主走査方向、副走査方向に正確に一致しないで読み取りが行われてしまうことになる。このような、フィルム画像が傾いた状態での読み取りを行った場合でも、ラインセンサで読み取ったデータを信号処理手段において画像回転調整を行うことで、正立した画像として修正することは可能であるが、このような修正が好ましくないと考える利用者も存在しており、あくまでもフィルム画像を正しい方向に主走査、及び副走査して読み取りを行うフィルムスキャナが要求されている。
【0004】このような、フィルム画像を正しい方向に修正するための調整作業、ここではこの調整作業を角度調整と称するが、この角度調整を可能にするという要求に対する1つの手法として、フィルムホルダに回転機構を付設し、この回転機構によってフィルムホルダ内でフィルムの平面方向の角度調整を行う構成のフィルムスキャナが提案されている。このフィルムスキャナによれば、フィルムをフィルムホルダ内で回転してフィルムホルダに対するフィルムの角度調整を行うことで、前記したようなフィルム画像に対する主走査方向と副走査方向を正確に一致させることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような構成のフィルムスキャナでは、フィルムの角度調整を実行する際には、フィルムホルダ内の回転機構を操作する必要があるため、角度調整を行う度にフィルムホルダをフィルムスキャナから取り出す必要があり、作業性が悪いという問題がある。特に、高精度な角度調整を行う場合には、角度調整したフィルムホルダをフィルムスキャナに装填して読み取りを行ない、その読み取った画像を確認した上で、再度フィルムホルダをフィルムスキャナから取り出して再度の角度調整を行うという作業を繰り返し行う場合もあり、最終的に高精度な角度調整を実現するための作業が極めて煩雑なものになる。また、このような角度調整の作業を軽減するためには、フィルムホルダにフィルムを保持させる際にフィルムを正確な方向、あるいは所望の方向に向けてフィルムホルダに保持させるようにすればよいが、これではフィルムをフィルムホルダに保持させるための作業が煩雑になるという問題が生じる。
【0006】本発明の目的は、フィルムをフィルムスキャナに装填した状態でもフィルム画像の角度調整を容易に実行することを可能とし、また、フィルムホルダにフィルムを保持させるための作業を簡略化することが可能なフィルムスキャナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像が顕像化されたフィルムを主走査して前記画像を読み取る撮像素子と、前記撮像素子に対して前記フィルムを前記主走査方向と直交する副走査方向に移動する走査機構とを備えるフィルムスキャナにおいて、前記走査機構は、前記フィルムを支持して前記副走査方向に移動する移動テーブルを備えており、かつ前記移動テーブルには前記フィルムを前記移動テーブル上でフィルムの平面方向に回動可能な角度調整機構を設けていることを特徴としている。ここで、前記フィルムはフィルムホルダに保持されており、前記角度調整機構は前記フィルムホルダを回動可能に構成されることが好ましい。
【0008】本発明の好ましい形態として、前記移動テーブルには、前記フィルムホルダを前記副走査方向に移動するためのフィルム駒送り機構が設けられており、前記角度調整機構は前記フィルム駒送り機構の一部を含んだ構成とされることが好ましい。例えば、前記フィルム送り機構は、前記フィルムホルダの前記副走査方向に沿って前記フィルムホルダの幅方向の両側にそれぞれ設けられた2つのラックと、前記移動テーブルに設けられて前記各ラックにそれぞれ噛合される2つのピニオンと、前記各ピニオンを回転駆動する2つの駒送りモータとを備え、前記角度調整機構は前記2つのピニオンのうちの一方を回転駆動し、他方の回転を停止するように構成される。また、さらに好ましい形態として、前記移動テーブルには、前記フィルムホルダを厚み方向に挟み、幅方向をほぼ規制するためのレールが設けられ、前記一方のピニオンが設けられた側のレールには前記フィルムホルダを他方の側のレールに向けてバネ力をもって付勢するための一対の付勢手段が設けられる。
【0009】本発明によれば、画像の読み取りを行うフィルムをフィルムスキャナに装填した状態においても、フィルムを移動テーブル上でフィルム平面方向に回動することが可能であるため、この回動によってフィルムの角度調整が可能となり、フィルムを走査方向に対して正しい方向に調整することが可能となる。特に、フィルムを保持しているフィルムホルダを角度調整することが可能であり、フィルムをフィルムホルダに対して正しい方向に保持させる必要もなく、フィルムをフィルムホルタに保持させるための作業も簡略化できる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のフィルムスキャナの概略構成を示す斜視図であり、図2はその部分分解斜視図である。図外の装置筐体内には、副走査方向に沿って水平に2本の平行なガイドバー102が架設されており、前記ガイドバー102に沿って詳細を後述する移動テーブル101が移動可能に載架されている。前記移動テーブル101には、読み取りを行うフィルムを保持したフィルムホルダ201が保持される。また、前記2本のガイドバー102間の長さ方向の一部領域に読み取り部110が構成されている。前記読み取り部110は、前記ガイドレール102の上方位置に配置されて発光面を下方に向けた拡散光源111と、前記拡散光源111の直下で前記ガイドレール102の下方位置に配置された撮像レンズ112と、前記撮影レンズ112によって結像されるフィルム画像を光電変換するCCD素子からなるRGB(赤・緑・青)の各ラインセンサからなるラインセンサ113とで構成されている。前記ラインセンサ113は、そのライン方向が前記ガイドバー102の長手方向と直交する方向に向けられており、そのライン方向に読み取りを行うことで、フィルムの主走査を行うことになる。
【0011】一方、前記移動テーブル101は、矩形の板状に形成されており、その幅方向の両側部において前記カイドバー102が貫通され、この貫通部において慴動されながら前記ガイドバー102に沿って往復移動可能とされている。また、移動テーブル101のほぼ中心位置には、その長さ方向に沿って細長く形成された読み取り窓103が板厚方向に貫通されており、この読み取り窓103を通して前記ラインセンサ113によるフィルム画像の読み取りが行われる。さらに、前記移動テーブル101の上面には前記読み取り窓103の両側に沿って両側部がL字型のレール105A,105Bとして曲げ形成されたホルダ保持レール部材104が固定されている。前記レール105A,105B間には前記フィルムホルダ201が保持され、かつ当該フィルムホルダ201を前記レール105A,105Bの延長方向に沿って移動可能としている。
【0012】さらに、前記ホルダ保持レール部材104には、図3にその平面構成を示すように、幅方向に対向されている前記各レール105A,105Bの側面でかつ長手方向のほぼ中央位置にそれぞれレール105A,105Bの内外を連通する窓105a,105bが開口されるとともに、前記各窓105a,105bの上部には第1、第2の各駒送りステップモータ106A,106Bが支持されており、前記各駒送りステップモータ106A,106Bの回転軸にはピニオン107A,107Bが取着され、これらピニオン107A,107Bはその一部が前記窓105a,105bを通して前記レール105A,105Bの内部に臨ませられている。また、前記窓105aが開口されている側の前記一方のレール105Aには、前記窓105aの長手方向の両端部にそれぞれレール内外を連通する開口溝105c,105dが設けられ、これら一対の開口溝105c,105d間にわたって板バネ108が配設されている。前記板バネ108はその長手方向の中間部において前記一方のレール105Aに固定されるとともに、その両端部には内方に向けて突出状態に曲げ形成された当接部108a,108bを備えており、これらの当接部108a,108bは前記開口溝105c,105dを通して前記レール105Aの内方に突出位置されている。なお、前記各当接部108a,108bの各先端は前記レール105Aと平行に位置するように、対称な形状に形成されており、後述するようにレール105A,105B間に挿入される前記フィルムホルダ201の一方の側面に弾性的に当接されるようになっている。なお、後述の説明から判るように、前記各ステップモータ106A,106B、ピニオン107A,107Bは、後述するフィルムホルダ201のラック204A,204Bとでフィルムホルダ201の角度調整機構を構成することになる。
【0013】また、前記移動テーブル101の一方の側面には、長手方向に沿ってラック121が一体的に設けられており、前記ラック121には前記一方のガイドバー102に近接して装置筐体に固定されたスキャン用ステップモータ122の回転軸に取着されたピニオン123が噛合されている。前記ラック121及びピニオン123による機構と前記ステップモータ122は前記移動テーブル101を副走査方向に移動するための副走査機構としてのテーブル駆動機構120を構成しており、このテーブル駆動機構120では、ステップモータ122を回転駆動してピニオン123を回動することで、これに噛合するラック121、すなわち移動テーブル101を副走査方向に移動することが可能である。なお、前記スキャン用ステップモータ122、及び前記した第1及び第2の各駒送りステップモータ106A,106Bはそれぞれパルス信号によって回転駆動されるパルスモータにより構成される。
【0014】また、前記フィルムホルダ201で保持するフィルム200は、ここではブローニフィルムを例えば3駒毎に切断したフィルムストリップとして構成されており、このフィルム200を保持する前記フィルムホルダ201はフィルム200よりも若干大きな寸法のストリップ状に形成され、その板厚方向のほぼ中央には長手方向に向けて前記フィルム200を貫通するためのスリット202が全長にわたって形成されている。また、前記スリット202に対応して3個の矩形をした駒窓203がフィルムホルダ201の長さ方向に沿って配列され、かつフィルムホルダ201の厚さ方向に開口されている。さらに、前記フィルムホルダ201の両側面には上面側の領域に長手方向にわたってラック204A,204Bが形成されており、前記ラック204A,204Bは前記移動テーブル101のレール105間に挿入された状態では、各レール105A,105Bにそれぞれ開口された窓105a,105bを通して前記駒送りステップモータ106A,106Bのピニオン107A,107Bに噛合され、両駒送りステップモータ106A,106Bの回転によりラック・ピニオン機構によって移動テーブル101上で副走査方向に往復移動されるように構成される。なお、前記フィルムホルダ201の駒窓203は前記フィルム200に撮影されている画像の駒に対応した寸法及び間隔寸法に形成されていることは言うまでもない。
【0015】ここで、前記フィルムスキャナの電気回路構成を図4に示す。なお、図1,図2に示された部分には同一符号を付してある。前記ラインセンサ113は、システムコントロール140によって制御されるラインセンサ駆動回路141によって駆動される。また、前記ラインセンサ113から出力されるフィルムの読み取り信号は、アンプ142で増幅され、A/D変換器143でデジタル信号に変換された後、画像処理回路144において所要の画像処理が行われ、所要の画像信号が生成される。メモリ145は画像処理された画像信号を記録するもので、例えばICカードで構成される。また、前記画像信号はインターフェース回路146を介して入出力端子147に出力され、図外のパソコン等に接続される。また、前記拡散光源111は前記システムコントロール140によって制御される光源駆動回路148により発光が制御される。また、前記スキャン用ステップモータ122、及び第1及び第2の駒送りステップモータ106A,106Bはそれぞれ前記システムコントロール140によって独立して回転が制御可能とされている。
【0016】以上の構成のフィルムスキャナにおけるスキャナ動作を図5のフローチャートを参照して説明する。先ず、スキャン用ステップモータ122を駆動し、移動テーブル101を初期位置に設定する(S101)。移動テーブル101が初期位置であることが確認されると(S102)、スキャン用ステップモータ122を停止する(S103)。次いで、移動テーブル101にフィルムホルダ201が挿入されているか否かを判定し(S104)、挿入されている場合にはフィルムホルダ引抜警告を発生する(S105)。作業者は、このフィルムホルダ引抜警告を認識したときにはフィルムホルダ201を移動テーブル101から引き抜く。移動テーブル101にフィルムホルダ201が挿入されていないことを確認すると、拡散光源111を発光し(S106)、かつこれをラインセンサ113で受光し、この受光に基づいて画像処理回路144においてシェーディング補正を行う(S107)。
【0017】次いで、作業者は読み取りを行うフィルム200をフィルムホルダ201のスリット202に挿入し、そのフィルムホルダ201を移動テーブル101のレール105間に挿通する。このとき、図3に示したように、フィルムホルダ201の一側面は、ホルダ保持レール部材104の一方のレール105Aに設けられた板バネ108の両端の当接部108a,108bにより他方のレール105B側に向けて付勢されるため、フィルムホルダ201はレール105A,105Bに平行な状態に保たれることになる。そして、フィルムホルダ201が移動テーブル101に挿入されていることを判定すると(S108)、システムコントローラ140は、第1及び第2の駒送りステップモータ106A,106Bを同時に回転駆動する。例えば、図3に示した状態では、第1駒送りステップモータ106Aを反時計方向に、第2駒送りステップモータ106Bを時計方向にそれぞれ同期して回転駆動する。これより、各駒送りステップモータ106A,106Bの各ピニオン107A,107Bが回転され、フィルムホルダ201の両側面の各ラック204A,204Bとの噛合により、フィルムホルダ204は移動テーブル101上で副走査方向に移動され、読み取りを行うフィルムの駒の先端部をラインセンサ113上に位置させる(S110)。そして、ラインセンサ113の出力により、CCD蓄積時間を決定する(S111)。なお、ステップS108でフィルムホルダ201が移動テーブル101に挿入されていないことを判定したときには、処理を終了するか否かを判定し(S109 )、処理を継続する場合にはフィルムホルダ201が挿入されるまで待機状態となる。
【0018】次いで、プリスキャンを行うか否かを判定し(S112)、プリスキャンを実行する場合には、スキャン用ステップモータ122を回転駆動してピニオン123を回転し、これに噛合するラック121、すなわち移動テーブル101を副走査方向に移動することで、フィルム画像のスキャンが行われ、プリスキャンが実行される(S113)。そして、このプリスキャンにより得られた読み取り画像に基づいて、フィルムが正しい方向に向けられているか否かを判定し、フィルムの角度調整が必要であるか否かを判定する(S114)。フィルムの角度調整が必要とされた場合には、第1の駒送りステップモータ106Aを時計方向、あるいは反時計方向に微小角度回動する。ここでは、図6に示すように、第1駒送りステップモータ106Aを時計方向に微小回動したものとする。この第1駒送りステップモータ106Aの回転により、当該第1駒送りステップモータ106Aのピニオン107Aとフィルムホルダ201の一側面のラック204Aとの噛合によりフィルムホルダ201は同図の右方向に移動しようとするが、回転されない第2駒送りステップモータ106Bのピニオン107Bに噛合しているフィルムホルダ201の他側面のラック204Bはその移動が阻止されることになり、結果としてフィルムホルダ201は第2駒送りステップモータ106Bのピニオン107Bの軸心を中心として移動テーブル101上で微小角度だけ回動される。したがって、第1駒送りステップモータ106Aの回転量を制御してフィルムホルダ201の回動角度を調整することで、移動テーブル101に対するフィルムホルダ201の角度調整が可能となる(S115)。
【0019】なお、第1駒送りステップモータ106Aを前記とは逆方向に回動することで、フィルムホルダ201を逆方向に向けて角度調整することが可能である。このとき、板バネ108は前記フィルムホルダ201の前記ラック204Aの下側の側面領域に当接しており、各ピニオン107A,107Bとラック204A,204Bとの間に生じるガタを吸収し、フィルムホルダ201を角度調整した状態に保持するために機能する。このような角度調整を、ステップS111のプリスキャン工程と合わせて1回以上行うことで、フィルムホルダ201内でフィルム200が傾いた状態で保持されている場合でも、フィルム200を主走査方向及び副走査方向に対して正しい方向に角度調整することが可能となる。このとき、フィルム200をフィルムホルダ201内で角度調整する必要がないことは言うまでもない。
【0020】また、ステップS112でプリスキャンを行わない場合には、前記ステップS113からS115までの処理は行わない。しかる後、本スキャンを実行するか否かを判定し、本スキャンを行うことを確認した上で(S116)、スキャン用ステップモータ122を回転駆動して移動テーブル101を副走査方向に移動して本スキャンを行い、フィルム画像を正しい走査方向で読み取ることが可能となる(S117)。なお、本スキャン後、あるいは本スキャンを行わないときには、読み取り処理を終了するか否かを判定し、終了しない場合には前記ステップS110に戻る(S118)。また、読み取りを終了するときには、スキャン用ステップモータ122を駆動し(S119)、移動テーブル101を初期位置にまで移動させ(S120)、その後、スキャン用ステップモータ122を停止する(S121)。その後、作業者はフィルムホルタ201を移動テーブルから引き抜き、読み取りを終了させることが可能となる。1画面の読み取りが完了した後は、角度調整時に回動した第1駒送りステップモータを元の回動位置に戻すことで、フィルムホルダは図3に示したように、レール105A,105Bと平行な状態に復帰されるため、以降における移動テーブル101上でのフィルムホルダ201の副走査方向の駒送り動作が可能となる。
【0021】このように、前記実施形態のフィルムスキャナでは、移動テーブル101上に装填されているフィルムホルダ201を角度調整してフィルム画像の角度調整を行っているので、フィルム200をフィルムホルダ201内で角度調整する必要がなく、フィルムホルダ201をフィルムスキャナに装填した状態で角度調整が可能となる。これにより、フィルムホルダ201をフィルムスキャナから取り出してフィルム200の角度調整を行う必要がなく、角度調整の度に、図5に示したフローのステップS101からS113までの全ての工程を繰り返し行う必要がなく、僅かにステップS113からS115までの工程を行うのみでよく、角度調整を簡単にしかも迅速に行うことが可能となる。また、角度調整に際しては、全くフィルム200に触れる必要がないため、フィルム面を汚す心配もない。さらに、作画上の効果を狙うために、フィルム画像の1駒毎に異なる走査方向での読み張りを行うような場合でも、フィルムホルダ201をフィルムスキャナから取り出すことなく対応でき、フィルムスキャナの幅広い利用が可能になる。
【0022】なお、前記実施形態では、フィルムをフィルムホルダに保持してフィルム画像の読み取りを行う構成のフィルムスキャナに適用した例であるが、例えば、マウントしたフィルムをそのままフィルムスキャナに装填してフィルム画像の読み取りを行うような構成のフィルムスキャナにおいても、フィルムが搭載される移動テーブルに当該フィルムを平面方向に回動することが可能な本発明にかかる角度調整機構を備えておくことにより、前記実施形態と同様にフィルムの角度調整を適切に行うことが可能なフィルムスキャナを実現することも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、画像の読み取りを行うフィルムを移動テーブルにより副走査方向に走査して前記画像を読み取る構成のフィルムスキャナにおいて、移動テーブルにはフィルムをその平面方向に回動可能な角度調整機構を設けているので、フィルムをフィルムスキャナに装填した状態においてフィルムを移動テーブル上でフィルム平面方向に回動することにより、フィルムを走査方向に対して正しい方向に調整するための角度調整を簡単に行うことが可能になる。また、フィルムをフィルムホルダに保持して読み取りを行うフィルムスキャナにおいてフィルムを保持しているフィルムホルダを角度調整することが可能となり、フィルムをフィルムホルダに対して正しい方向に保持させる必要もなく、フィルムをフィルムホルタに保持させるための作業も簡略化できる。




 

 


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