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発明の名称 カメラの測光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−305601(P2001−305601A)
公開日 平成13年11月2日(2001.11.2)
出願番号 特願2000−118034(P2000−118034)
出願日 平成12年4月19日(2000.4.19)
代理人 【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
【テーマコード(参考)】
2H002
5C022
【Fターム(参考)】
2H002 DB02 DB04 DB06 DB14 DB20 DB23 DB26 EB01 
5C022 AB01 AB12 AB24 AC42
発明者 義澤 昭弘 / 中村 敏行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】撮影する被写界の輝度に応じた第1の光電変換信号を出力する第1の光電変換素子と、前記第1の光電変換信号を用いて所定の露出演算を行う演算手段とを備えるカメラの測光装置において、前記被写界からの光束に応じた第2の光電変換信号を出力する第2の光電変換素子と、前記第1の光電変換信号と前記第2の光電変換信号との差が所定値以上か否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて所定のカメラ動作を行わせる制御手段とを備えることを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項2】請求項1に記載のカメラの測光装置において、前記被写界からの光束を受光して被写体までの距離に関する情報を演算する測距手段を備え、前記第2の光電変換素子は、前記測距手段に備えられていることを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項3】請求項1または2記載のカメラの測光装置において、前記制御手段は、前記判定手段で前記所定値以上と判定された場合に前記露出演算の一部を変更するように前記演算手段を制御することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項4】請求項3に記載のカメラの測光装置において、前記第1の光電変換素子は、前記撮影画面内に複数の受光領域を有し、前記判定手段は、前記複数の受光領域の中から前記第2の光電変換素子の受光領域と略等しい受光領域に対応する光電変換信号を前記第1の光電変換信号として、前記第2の光電変換信号との差を判定することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項5】請求項4に記載のカメラの測光装置において、前記判定手段は、撮影レンズの焦点距離および撮影距離の少なくとも一方に応じて判定に用いる前記受光領域を変更することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項6】請求項3〜5のいずれかに記載のカメラの測光装置において、前記制御手段は、前記第1の光電変換信号の値および前記第1の光電変換信号を用いて算出される前記露出演算に用いられる値のいずれか一方を元の値より小さな別の値に置換して露出演算を行うように前記演算手段を制御することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項7】請求項6に記載のカメラの測光装置において、前記制御手段は、前記第1の光電変換信号の値を露出演算可能な上限値に置換して前記所定の露出演算を行うように前記演算手段を制御することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項8】請求項6に記載のカメラの測光装置において、前記制御手段は、前記第1の光電変換信号の値を前記第2の光電変換信号の値に置換して前記所定の露出演算を行うように前記演算手段を制御することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項9】請求項6に記載のカメラの測光装置において、前記制御手段は、前記複数の受光領域で受光される複数の第1の光電変換信号をそれぞれ重み付け演算した値を露出演算可能な上限値に置換して前記所定の露出演算を行うように前記演算手段を制御することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載のカメラの測光装置において、前記第2の光電変換素子は、前記第1の光電変換素子の受光領域と略等しい受光領域に少なくとも2つ以上の受光領域を有し、前記判定手段は、前記2つ以上の受光領域に対応する2つ以上の光電変換信号の平均値を前記第2の光電変換信号として、前記第1の光電変換信号との差を判定することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載のカメラの測光装置において、前記第2の光電変換素子は、前記第1の光電変換素子の受光領域と略等しい受光領域に少なくとも2つ以上の受光領域を有し、前記判定手段は、前記2つ以上の受光領域に対応する2つ以上の光電変換信号の最大値を前記第2の光電変換信号として、前記第1の光電変換信号との差を判定することを特徴とするカメラの測光装置。
【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載のカメラの測光装置において、前記測距手段が前記距離に関する情報を演算可能か否かを判定する第2の判定手段を有し、前記制御手段は、前記第2の判定手段が前記演算不可能と判定し、次に前記判定手段が前記第1の光電変換信号および前記第2の光電変換信号の差を前記所定値以上と判定した場合に前記露出演算の一部を変更するように前記演算手段を制御することを特徴とするカメラの測光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体の輝度を測定するカメラの測光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラの測光装置には、受光センサとしてシリコンフォトダイオード(以下、SPDとする)が広く使用されている。この受光センサは、SPDと周辺回路とが1パッケージに封入されてIC化されている。一般に、シリコン半導体に赤外光のような長波長の光が入射されると、入射される光の波長が長い程、半導体内部まで光が進入する。半導体内部に光が進入すると、回路のPN接合部がフォトダイオード化することにより、回路動作に誤差が生じるおそれがある。たとえば、受光センサが入射される光量に応じた出力レベルで検出信号を出力する場合に、受光センサの周辺回路部に強い赤外光が入射されると、受光センサから出力される検出信号レベルに誤差が発生することがある。上述したような赤外光による誤差の発生を防ぐために、受光センサの周辺回路部分をアルミ材などで遮光したり、赤外光遮断フィルタなどを設けて赤外光を減衰させることにより、シリコン半導体に赤外光が入射されないようにする対策が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、太陽光などの強い光が入射されると受光センサの周辺回路部へ赤外光が回り込み、受光センサの検出信号に誤差が発生するので正しく露出演算できないという問題があった。
【0004】本発明の目的は、測光用の光電変換素子に強い赤外光が入射されて検出信号に誤差が発生しても、露出演算可能なカメラの測光装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1、図3、図7に対応づけて本発明を説明する。
(1)請求項1に記載の発明は、撮影する被写界の輝度に応じた第1の光電変換信号を出力する第1の光電変換素子21と、第1の光電変換信号を用いて所定の露出演算を行う演算手段1とを備えるカメラの測光装置に適用される。そして、被写界からの光束に応じた第2の光電変換信号を出力する第2の光電変換素子31と、第1の光電変換信号と第2の光電変換信号との差が所定値以上か否かを判定する判定手段1と、判定手段1による判定結果に基づいて所定のカメラ動作を行わせる制御手段1とを備えることにより、上述した目的を達成する。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカメラの測光装置において、被写界からの光束を受光して被写体までの距離に関する情報を演算する測距手段3を備え、第2の光電変換素子31は、測距手段3に備えられていることを特徴とする。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載のカメラの測光装置において、制御手段1は、判定手段1で所定値以上と判定された場合に露出演算の一部を変更するように演算手段1を制御することを特徴とする。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のカメラの測光装置において、第1の光電変換素子は、撮影画面内に複数の受光領域320a,320b,320c,320d,320eを有し、判定手段は、複数の受光領域320a,320b,320c,320d,320eの中から第2の光電変換素子の受光領域330a,330b,330cと略等しい受光領域320a,320b,320cに対応する光電変換信号を第1の光電変換信号として、第2の光電変換信号との差を判定することを特徴とする。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のカメラの測光装置において、判定手段1は、撮影レンズの焦点距離および撮影距離の少なくとも一方に応じて判定に用いる受光領域を変更することを特徴とする。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載のカメラの測光装置において、制御手段1は、第1の光電変換信号の値および第1の光電変換信号を用いて算出される露出演算に用いられる値のいずれか一方を元の値より小さな別の値に置換して露出演算を行うように演算手段1を制御することを特徴とする。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のカメラの測光装置において、制御手段1は、第1の光電変換信号の値を露出演算可能な上限値に置換して所定の露出演算を行うように演算手段1を制御することを特徴とする。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項6に記載のカメラの測光装置において、制御手段1は、第1の光電変換信号の値を第2の光電変換信号の値に置換して所定の露出演算を行うように演算手段1を制御することを特徴とする。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のカメラの測光装置において、制御手段1は、複数の受光領域320a〜320eで受光される複数の第1の光電変換信号をそれぞれ重み付け演算した値を露出演算可能な上限値に置換して所定の露出演算を行うように演算手段1を制御することを特徴とする。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のカメラの測光装置において、第2の光電変換素子は、第1の光電変換素子の受光領域620bと略等しい受光領域に少なくとも2つ以上の受光領域S11〜S16を有し、判定手段は、2つ以上の受光領域S11〜S16に対応する2つ以上の光電変換信号の平均値を第2の光電変換信号として、第1の光電変換信号との差を判定することを特徴とする。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のカメラの測光装置において、第2の光電変換素子は、第1の光電変換素子の受光領域620bと略等しい受光領域に少なくとも2つ以上の受光領域S11〜S16を有し、判定手段は、2つ以上の受光領域S11〜S16に対応する2つ以上の光電変換信号の最大値を第2の光電変換信号として、第1の光電変換信号との差を判定することを特徴とする。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のカメラの測光装置において、測距手段3が距離に関する情報を演算可能か否かを判定する第2の判定手段1を有し、制御手段1は、第2の判定手段1が演算不可能と判定し、次に判定手段1が第1の光電変換信号および第2の光電変換信号の差を所定値以上と判定した場合に露出演算の一部を変更するように演算手段1を制御することを特徴とする。
【0006】なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明をわかりやすく説明するために実施の形態の図と対応づけたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
−第一の実施の形態−図1は、本発明の第一の実施の形態によるカメラの測光制御部の概要を表すブロック図である。図1において、カメラの測光制御部は、マイクロコンピュータ(以下、MCUとする)1と、測光装置2と、測距装置3と、スイッチ4と、メモリ5とを有する。MCU1には、カメラを制御するプログラムが内蔵されており、本実施の形態で説明する測光制御を含めたカメラの全シーケンスをMCU1が制御する。
【0008】測光装置2は、不図示の透明モールドパッケージに封入されたSPD21および周辺回路22と、対数圧縮アンプ23と、アンプ24とを有し、撮影領域の被写体輝度(被写界輝度)を測定する測光装置である。MCU1から測光装置2に起動信号が入力されると、SPD21が入射光量に応じて光電流を発生し、光電流が周辺回路22で電圧信号に変換される。電圧信号はさらに、対数圧縮アンプ23により入射光量に対してリニアな特性を有する電圧信号に変換され、アンプ24で所定倍のゲインで増幅されたのち測光出力としてMCU1に送出される。
【0009】図2は、測光装置2からMCU1に出力される出力電圧と被写体輝度との関係を表す図である。図2において、横軸は輝度、縦軸は出力電圧であり、被写体輝度が大きくなるにつれて出力電圧がリニアに変化する。MCU1は、測光装置2から送出される出力電圧を用いて輝度を算出する。図2において、被写体輝度が所定値を超える場合、すなわち、SPD21の周辺回路22に太陽光が直接入射したり、非常に強い赤外光が入射する場合には、測光装置2の出力電圧が大きくなり、被写体輝度が極めて低い場合と同様の出力電圧になる。図2の29で示す状態は、測光装置2の出力に誤差が生じた状態である。
【0010】測距装置3は、CCDなどの撮像素子31と、処理回路32と、メモリ34とを有し、カメラから被写体までの距離を検出する測距装置である。MCU1から測距装置3に起動信号が入力されると、撮像素子31が入射光量に応じて電荷を蓄積し、蓄積された電荷が処理回路32へ取り出される。処理回路32は、画像信号を不図示のアンプで所定倍のゲインに増幅して出力する。画像データは、撮像素子31の画素位置に対応してメモリ34に格納される。メモリ34に格納された画像データは、不図示のCPUにより読み出されて測距処理に使用される。この画像データは、測光装置2によるデータほど測定可能な輝度範囲および精度を持ち合わせていないが、MCU1の指令により読み出されて輝度情報としてMCU1にも送出される。なお、測距装置3は、撮像素子31に上述したような強い赤外光が入射される場合でも、輝度情報に誤差が生じないようになされている。
【0011】スイッチ4は、カメラの不図示のレリーズボタンが操作されると、操作信号をMCU1へ出力する。メモリ5は、MCU1で行われる露出演算に必要な情報が記憶されている。
【0012】上述したカメラで行われる測光処理について説明する。図3は、第一の実施の形態によるカメラの撮影画面において、測光装置2が被写体光を検出する領域と、測距装置3が測距用の被写体光による画像信号を入力する領域とを表す図である。図3において、測光装置2が被写体光を検出する領域、すなわち測光領域は、撮影画面の中央左寄りに位置するA部320aと、中央に位置するB部320bと、中央右寄りに位置するC部320cと、上部に位置するD部320dと、下部に位置するE部320eの5つの領域である。また、測距装置3が被写体光による画像信号を入力する領域、すなわち撮像領域は、撮影画面の中央部に一点鎖線で示される領域330のうち、左寄りに位置する領域330aと、中央に位置する領域330bと、中央右寄りに位置する領域330cの3つの領域である。このうち、測光装置2による測光領域320a〜320cの撮影画面における位置およびサイズは、測距装置3による撮像領域330a〜330cとほぼ等しい。すなわち、第一の実施の形態は、測光装置2の測光領域および測距装置3の撮像領域において、両者に共通する領域の位置およびサイズが略同一である。
【0013】測光装置2は、上記の測光領域320a〜320eの各領域に対応してSPD21(図1)を有し、それぞれの領域に対応する測光出力をMCU1に送出する。MCU1は、測光装置2から入力される測光領域320a〜320eに対応する5つの測光結果を用いて次のように露出演算を行う。MCU1は、MCU1に内蔵される不図示のA/D変換器を用いて、測光装置2から入力される各々の測光領域の電圧信号の電圧値を検出し、検出した電圧値から輝度を求める。電圧値と輝度との関係は、対数圧縮アンプの働きにより図2に示すような線形関係にあるので、電圧値が検出されると一義的に輝度値が求められる。複数の測光領域320a〜320eに対応して求められた複数の輝度値は、それぞれBV1(a),BV1(b),BV1(c),BV1(d),BV1(e)としてMCU1内のメモリに記憶される。
【0014】測距装置3は、上記の撮像領域330a〜330cの各領域に対応してメモリ34に格納されている画像データを、それぞれの領域に対応する輝度情報としてMCU1に送出する。MCU1は、画像データから輝度を求める。画像データと輝度との関係は、あらかじめMCU1内のメモリに記憶されている。MCU1は、測距装置3から入力される領域330a〜330cの画像データに対応する3つの輝度値をそれぞれBV2(a),BV2(b),BV2(c)としてMCU1内のメモリに記憶する。
【0015】MCU1は、測光装置2の測光領域と測距装置3の撮像領域について、両者間の位置およびサイズが略同一の領域における輝度値の差分D(a)〜D(c)を次式(1)〜(3)を用いて算出する。
【数1】
D(a)=|BV1(a)−BV2(a)| (1)D(b)=|BV1(b)−BV2(b)| (2)D(c)=|BV1(c)−BV2(c)| (3)算出された差分D(a)〜D(c)の全てが所定値K未満である場合は、測光装置2および測距装置3により得られる輝度値がほぼ一致するので、測光装置2において上述したような強い赤外光に起因する誤差が生じていないと考えられる。この場合には、MCU1は、測光装置2により得られた複数の輝度値BV1(a),BV1(b),BV1(c),BV1(d),BV1(e)を用いて、各々の測光領域320a〜320eごとに関連づけられた所定の重み付けを行うことにより、次式(4)を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出する。
【数2】
BV(M)=BV1(a)×K1+BV1(b)×K2+BV1(c)×K3+BV1(d)×K4+BV1(e)×K5 (4)ただし、BV1(a)〜BV1(e)は測光領域320a〜320eに対応する輝度値、K1〜K5は重み付け係数、K1+K2+K3+K4+K5=1である。
【0016】一方、測光装置2による輝度値と測距装置3による輝度値とで算出された差分D(a)〜D(c)のうち少なくとも1つが所定値K以上である場合は、測光装置2および測距装置3により得られる輝度値が異なるので、測光装置2において上述したような強い赤外光に起因する誤差が生じていると考えられる。たとえば、差分D(b)が所定値K以上である場合を例にとれば、撮影画面の中央に位置する測光領域320b(図3)による輝度値に誤差が生じているとみなされる。MCU1は、測光装置2による輝度値BV1(b)を測距装置3による輝度値BV2(b)と置換して、次式(5)を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出する。
【数3】
BV(M)=BV1(a)×K1+BV2(b)×K2+BV1(c)×K3+BV1(d)×K4+BV1(e)×K5 (5)ただし、BV1(a),BV1(c)〜BV(e)は測光領域320a〜320eに対応する輝度値、BV2(b)は撮像領域330bに対応する輝度値、K1〜K5は重み付け係数、K1+K2+K3+K4+K5=1である。
【0017】つまり、測光装置2において強い赤外光による誤差が生じていると考えられる場合は、該当する領域の測光装置2による輝度値を無効とし、この輝度値に代えて該当する領域の測距装置3による輝度値を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出する。
【0018】MCU1は、以上のように算出した露出制御輝度値BV(M)と、使用するフィルムの感度値SVとを用いて所定の演算を行い、撮影時の制御絞り値AVと制御シャッター時間(速度)TVを算出する。
【0019】図4および図5は、第一の実施の形態によるカメラのスイッチ4が操作されることにより起動する露出決定処理の流れを説明するフローチャートである。図4のステップS101において、MCU1は測光装置2に測光処理を開始させる制御信号を送出する。続くステップS102では、測光装置2が各測光領域320a〜320eに対応して測光を行ない、各々の領域ごとの電圧信号をMCU1に送出する。ステップS103において、MCU1は、測光装置2から送出された各領域ごとの電圧信号から輝度値を求め、それぞれBV1(a),BV1(b),BV1(c),BV1(d),BV1(e)としてMCU1内のメモリに記憶する。
【0020】ステップS104では、MCU1は測距装置3に測距処理を開始させる制御信号を送出する。続くステップS105では、測距装置3が測距処理を行う。測距処理で撮像素子31(図1)により撮像された画像データは、測距装置3内のメモリ34に格納される。続くステップS106において、MCU1は,メモリ34に格納されている画像データのうち、領域330a〜330cに対応するデータを輝度情報として読み出し、輝度情報から求めた輝度値をそれぞれ、BV2(a),BV2(b),BV2(c)としてMCU1内のメモリに記憶する。
【0021】ステップS107において、各領域における測光装置2および測距装置3により得られる輝度値の差分D(a)〜D(c)を上式(1)〜(3)により算出し、算出された差分がそれぞれ所定値Kより小であるか否かを判定する。輝度値の差分D(a)〜D(c)が全て所定値Kより小と判定される(ステップS107のY)とステップS108へ進み、輝度値の差分D(a)〜D(c)の少なくとも1つが所定値K以上と判定される(ステップS107のN)とステップS109へ進む。
【0022】ステップS108では、上式(4)を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出し、この露出制御輝度値BV(M)を用いて所定の演算を行うことにより、撮影時の制御絞り値AVと制御シャッター時間(速度)TVを決定して図4の処理を終了する。
【0023】ステップS109において行われる置換処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。図5のステップS151において、輝度値の差分D(a)〜D(c)のうち所定値K以上と判定された測光装置2による輝度値BV1(a)〜BV1(c)のいずれかを、対応する領域で得られた測距装置3による輝度値BV2(a)〜BV2(c)で置き換える。たとえば、全ての差分D(a)〜D(c)が所定値K以上と判定される場合には、輝度値BV1(a)〜BV1(c)の全てを輝度値BV2(a)〜BV2(c)でそれぞれ置き換える。
【0024】そして、置換された輝度値を用いて露出制御演算値BV(M)を算出する。なお、上式(5)は、測光装置2による輝度値BV1(b)を測距装置3による輝度値BV2(b)と置換して露出制御輝度値BV(M)を算出する場合を例にした算出式であるから、実際の処理時には該当する項を測距装置3による輝度値とおく。続くステップS152において、MCU1は露出制御輝度値BV(M)を用いて所定の演算を行い、撮影時の制御絞り値AVと制御シャッター時間(速度)TVを決定して図5の処理を終了する。
【0025】以上説明した第一の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)測光装置2の測光領域320a〜320eでそれぞれ被写体光を検出し、各測光領域に対応する輝度値BV1(a)〜BV1(e)を求める。測距装置3の撮像領域330a〜330cでそれぞれ被写体像を撮像し、各撮像領域に対応する輝度値BV2(a)〜BV2(c)を求める。測光装置2の測光領域、および測距装置3の撮像領域の両者に共通する領域、すなわち、位置およびサイズが略同一の領域に関して、対応する測光領域および撮像領域で得られた輝度値の差分が所定値K以上と判定される場合に、該当する領域の測光装置2による輝度値を無効とする。そして、無効とする輝度値に代えて、該当する領域の測距装置3による輝度値を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出するようにした。したがって、測光装置2において強い赤外光に起因する誤差が生じても、該当する領域の測光装置2による輝度値を用いないから、適正露出を大きくはずして撮影を失敗することが防止される。
(2)測距装置3で撮像された測距用の画像データから輝度値を求め、この輝度値を用いて測光装置2により得られる輝度値との差分を求めるようにしたので、測光装置2の他に輝度値を求める新たな測光装置を設けなくてよいから、カメラの大型化やコストの上昇を抑えることが可能になる。
【0026】−第二の実施の形態−第二の実施の形態は、測光装置2が測光する測光領域に対応して、測距装置3が複数の撮像領域を有する。図6は、第二の実施の形態のカメラの撮影画面において、測光装置2が測光を行う領域と測距装置3が測距用の画像データを撮像する領域とを表す図である。図6において、測光装置2が測光を行う領域は、撮影画面の中央左寄りに位置するA部620aと、中央に位置するB部620bと、中央右寄りに位置するC部620cの3つの領域である。また、測距装置3が撮像する撮像領域は、撮影画面の中央部に点線で示される長方形領域630である。この撮像領域630は、後述するように複数の領域に細分化されており、細分化された各々の領域ごとに画像データが撮像される。
【0027】図7(a)は、図6の測光装置2による測光領域と測距装置3による撮像領域とが重複する部分の拡大図であり、図7(b)は、測光領域620bを中心とする部分をさらに拡大した図である。図7(a)において、撮像領域630は領域s1〜領域s26に等分されている。このうち、撮像領域s3〜撮像領域s8が測光領域620aに対応し、撮像領域s11〜撮像領域s16が測光領域620bに対応し、撮像領域s19〜撮像領域s24が測光領域620cに対応する。図7(b)の測光領域620bを例にとれば、撮像領域630のうち領域s11,s12,s13,s14,s15,s16の6つの領域が測光領域620bに対応する。したがって、測光装置2の測光領域620bで測光される輝度値BV1(b)に対応して、測距装置3の撮像領域s11〜s16によりそれぞれBV2(s11),BV2(s12),BV2(s13),BV2(s14),BV2(s15),BV2(s16)の6つの輝度値が得られる。
【0028】第二の実施の形態では、測光装置2による1つの輝度値に対応して測距装置3で複数の輝度値が得られる場合に、複数の輝度値の中から最大値をとって輝度値の差分を算出する。
【0029】図8は、第二の実施の形態によるカメラで、スイッチ4が操作されることにより起動する露出決定処理の流れを説明するフローチャートである。図8のステップS201において、MCU1は測光装置2に測光処理を開始させる制御信号を送出する。続くステップS202では、測光装置2が各測光領域620a〜620cに対応して測光を行ない、各々の領域ごとの電圧信号をMCU1に送出する。ステップS203において、MCU1は、測光装置2から送出された各領域ごとの電圧信号から輝度値を求め、それぞれBV1(a),BV1(b),BV1(c)としてMCU1内のメモリに記憶する。
【0030】ステップS204では、MCU1は測距装置3に測距処理を開始させる制御信号を送出する。続くステップS205では、測距装置3が測距処理を行う。測距処理で測距装置3により撮像された画像データは、測距装置3内のメモリ34に格納される。続くステップS206では、MCU1が,メモリ34に格納されている画像データのうち、撮像領域s3〜s8、撮像領域s11〜s16、撮像領域s19〜s24に対応するデータを読み出す。読み出したデータから輝度値を求め、輝度値BV2(s3)〜BV2(s8)の最大値をBV2(a)max、輝度値BV2(s11)〜BV2(s16)の最大値をBV2(b)max、輝度値BV2(s19)〜BV2(s24)の最大値をBV2(c)maxとおいて、BV2(a)max、BV2(b)max、BV2(c)maxをそれぞれMCU1内のメモリに記憶する。
【0031】ステップS207において、各領域における測光装置2および測距装置3により得られる輝度値の差分D(a)〜D(c)を次式(6)〜(8)により算出し、算出された差分がそれぞれ所定値Kより小であるか否かを判定する。
【数4】
D(a)=|BV1(a)−BV2(a)max| (6)D(b)=|BV1(b)−BV2(b)max| (7)D(c)=|BV1(c)−BV2(c)max| (8)【0032】輝度値の差分D(a)〜D(c)が全て所定値Kより小と判定される(ステップS207のY)とステップS208へ進み、輝度値の差分D(a)〜D(c)の少なくとも1つが所定値K以上と判定される(ステップS207のN)とステップS209へ進む。
【0033】ステップS208では、上式(4)を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出し、この露出制御輝度値BV(M)を用いて所定の演算を行うことにより、撮影時の制御絞り値AVと制御シャッター時間(速度)TVを決定して図8の処理を終了する。なお、第二の実施の形態では測光装置2により測光される領域が3つなので、上式(4)において重み付け係数K4およびK5を0とおく。
【0034】ステップS209において行われる置換処理は、上述した第一の実施の形態による図5のフローチャートと同様に行われる。ただし、図5の「測距装置3による輝度値BV2(a)〜BV2(c)」を「測距装置3による輝度値BV2(a)max〜BV2(c)max」にそれぞれ読み替える。したがって、たとえば、上式(8)により輝度値の差分D(c)が所定値K以上と判定される場合に、測光装置2による輝度値BV1(c)が測距装置3による輝度値BV2(c)maxに置換される。
【0035】以上説明した第二の実施の形態によれば、測光装置2の測光領域および測距装置3の撮像領域に共通する領域で、測光装置2の測光領域に対応して測距装置3が複数の撮像領域を有するようにした。したがって、測光装置2により得られる輝度値に対応して、測距装置3で複数の輝度値が得られる。また、対応する測光領域および撮像領域で得られる輝度値の差分を算出する場合に、測距装置3による複数の輝度値の中から最大値をとって輝度値の差分を算出するようにした。上述したように、測距装置3は、強い赤外光が入射される場合でも、輝度情報に誤差が生じないようになされている。この結果、測光装置2において強い赤外光に起因する誤差が生じても、該当する領域の測距装置3による最大輝度値を用いて露出演算を行うから、たとえば、コントラストが大きいシーンなどで適正露出を大きくはずして撮影を失敗することが防止される。
【0036】−第三の実施の形態−第三の実施の形態では、測光装置2による1つの輝度値に対応して測距装置3で複数の輝度値が得られる場合に、複数の輝度値の平均値をとって輝度値の差分を算出する。
【0037】図9は、第三の実施の形態によるカメラで、スイッチ4が操作されることにより起動する露出決定処理の流れを説明するフローチャートである。第二の実施の形態に比べてステップS206aおよびS207aが異なるので、両ステップの処理を中心に説明する。
【0038】ステップS206aでは、MCU1が,メモリ34に格納されている画像データのうち、撮像領域s3〜s8、撮像領域s11〜s16、撮像領域s19〜s24に対応するデータを読み出す。読み出したデータから輝度値を求め、輝度値BV2(s3)〜BV2(s8)の平均値をBV2(a)ave、輝度値BV2(s11)〜BV2(s16)の平均値をBV2(b)ave、輝度値BV2(s19)〜BV2(s24)の平均値をBV2(c)aveとおいて、BV2(a)ave、BV2(b)ave、BV2(c)aveをそれぞれMCU1内のメモリに記憶する。
【0039】ステップS207aにおいて、各領域における測光装置2および測距装置3により得られる輝度値の差分D(a)〜D(c)を次式(9)〜(11)により算出し、算出された差分がそれぞれ所定値Kより小であるか否かを判定する。
【数5】
D(a)=|BV1(a)−BV2(a)ave| (9)D(b)=|BV1(b)−BV2(b)ave| (10)D(c)=|BV1(c)−BV2(c)ave| (11)【0040】輝度値の差分D(a)〜D(c)が全て所定値Kより小と判定される(ステップS207aのY)とステップS208へ進み、輝度値の差分D(a)〜D(c)の少なくとも1つが所定値K以上と判定される(ステップS207aのN)とステップS209へ進む。
【0041】ステップS209において行われる置換処理は、上述した第一の実施の形態による図5のフローチャートと同様に行われる。ただし、図5の「測距装置3による輝度値BV2(a)〜BV2(c)」を「測距装置3による輝度値BV2(a)ave〜BV2(c)ave」にそれぞれ読み替える。したがって、たとえば、上式(7)により輝度値の差分D(b)が所定値K以上と判定される場合に、測光装置2による輝度値BV1(b)が測距装置3による輝度値BV2(b)aveに置換される。
【0042】以上説明した第三の実施の形態によれば、第二の実施の形態と異なり、対応する測光装置2の測光領域および測距装置3の撮像領域で得られる輝度値の差分を算出する場合に、測距装置3による複数の輝度値の平均値をとって輝度値の差分を算出するようにした。この結果、測光装置2において強い赤外光による誤差が生じても、該当する領域の測距装置3による平均輝度値を用いて露出演算を行うから、たとえば、逆光のシーンなどで適正露出を大きくはずして撮影を失敗することが防止される。
【0043】−第四の実施の形態−図10は、第四の実施の形態によるカメラで、スイッチ4が操作されることにより起動する露出決定処理の流れを説明するフローチャートである。第四の実施の形態では、第一の実施の形態による図4のフローチャートに対して、ステップS106とステップS107との間に新たなステップS106bが追加される。
【0044】測距装置3がパッシブ方式オートフォーカスの場合、一般に次の条件では測距できない。■コントラスト差(光量に差)が無い場合、■測距用の光束がカメラ側に戻ってきても光量が少ない場合、■極端に高輝度の被写体を撮影しようとする場合である。測距用の受光素子に入射される光量が大きすぎても小さすぎても測距ができないことがある。第四の実施の形態は、輝度の情報が得られても、測距装置3が撮像した測距処理用の画像データを用いて測距できるか否かを判定し、測距できないと判定された場合に上述した測光装置2による輝度値と測距装置3による輝度値との差分を算出する。
【0045】図10のステップS106bにおいて、測距装置3で測距できたか否かが判定される。測距できたと判定される(ステップS106bのY)と、ステップS108へ進んで露出演算を行う。一方、測距できなかったと判定される(ステップS106bのN)とステップS107へ進み、上述したように測光装置2および測距装置3により得られる各領域ごとの輝度値の差分D(a)〜D(c)の算出、および算出された差分が所定値Kより小であるか否かを判定する。
【0046】以上説明した第四の実施の形態によれば、測距装置3で測距できたか否かを判定(ステップS106b)し、測距できなかった場合にステップS107へ進んで測光装置2による輝度値と測距装置3による輝度値の差分を算出するようにした。測距用の入射光量が極端に大きすぎて測距装置3で測距できないとき、測光装置2による輝度値にも誤差が生じる可能性が高くなる。したがって、測距装置3で測距できなかった場合にのみステップS107の処理を行うようにすることで、無条件にステップS107の処理を行う場合に比べて演算量を少なくすることができるから、処理速時間を短縮することが可能になる。
【0047】−第五、第六の実施の形態−上述したステップS106bの処理を第二の実施の形態、第三の実施の形態によるフローチャートにもそれぞれ追加して、図11に示す第五の実施の形態による露出決定処理のフローチャート、および図12に示す第六の実施の形態による露出決定処理のフローチャートが得られる。ステップS106bが追加されている以外の処理は、それぞれ、図8および図9の処理と同様である。
【0048】第五、第六の実施の形態によれば、第四の実施の形態と同様に、無条件にステップS107の処理を行う場合に比べて演算量を少なくすることができるから、処理時間を短縮することができる。
【0049】−第七の実施の形態−第一の実施の形態では、図4のステップS107で否定判定された場合に、図5のフローチャートで示される置換処理を行ったが、図13のフローチャートで示される置換処理を行うこともできる。図13のステップS251において、輝度値の差分D(a)〜D(c)のうち所定値K以上と判定された測光装置2による輝度値BV1(a)〜BV1(c)のいずれかを、あらかじめメモリ5(図1)に記憶されている所定値BV'で置き換える。たとえば、差分D(a)が所定値K以上と判定される場合には、輝度値BV1(a)をBV'で置換する。なお、所定値BV'は、太陽光などの強い光を測光した場合に得られる輝度値に相当する。
【0050】置換された所定値BV'を用いて上式(5)と同様に露出制御演算値BV(M)を算出する。なお、上式(5)は、測光装置2による輝度値BV1(b)を測距装置3による輝度値BV2(b)と置換して露出制御輝度値BV(M)を算出する場合を例にした算出式であるから、実際の処理時には、該当する項を所定値BV'にする。続くステップS252では、MCU1が露出制御輝度値BV(M)を用いて所定の演算を行うことにより、撮影時の制御絞り値AVと制御シャッター時間(速度)TVを決定して図13の処理を終了する。
【0051】以上説明した第七の実施の形態によれば、測光装置2の測光領域および測距装置3の撮像領域に共通する領域で、対応する測光領域および撮像領域で得られた輝度値の差分が所定値K以上と判定される場合に、該当する領域の測光装置2による輝度値に代えて、あらかじめ定めた所定値BV'を用いて算出される露出制御輝度値BV(M)を用いて露出演算するようにした。したがって、測光装置2において強い赤外光に起因する誤差が生じても、誤差を有する測光装置2による輝度値を用いないから、適正露出を大きくはずして撮影を失敗することが防止される。
【0052】上述した所定値BV'は、測距装置3で検出されるカメラから被写体までの距離、および撮影レンズの焦点距離に応じて複数の値を有するようにしてもよい。たとえば、測光装置2に被写体光を導く光学系と、測距装置3に被写体光を導く光学系との間にパララックスが存在する場合、パララックスの影響により被写体距離、および焦点距離に応じて測光装置2および測距装置3による輝度値の差分が変化するおそれがある。被写体距離および焦点距離に応じて所定値BV'が複数の値を有することで、パララックスの影響による誤差を抑えることが可能になる。
【0053】また、所定値BV'は、測光領域によって異なる値を有するようにしてもよい。上述した測光装置2および測距装置3の光学系の間にパララックスが存在する場合、パララックスの影響により測光領域に応じて測光装置2および測距装置3による輝度値の差分が変化するおそれがある。測光領域に応じて所定値BV'が異なる値を有することで、パララックスの影響による誤差を抑えることが可能になる。
【0054】−第八の実施の形態−置換処理を図14のフローチャートのように行うこともできる。図14のステップS351において、上式(5)を用いて露出制御輝度値BV(M)を算出する代わりに、露出制御輝度値を所定値BVcとおく。所定値BVcは、太陽光などの強い光を測光した場合に得られる露出制御輝度値に相当する。続くステップS352では、MCU1が所定値BVcを用いて所定の演算を行うことにより、撮影時の制御絞り値AVと制御シャッター時間(速度)TVを決定して図14の処理を終了する。
【0055】以上説明した第八の実施の形態によれば、測光装置2の測光領域および測距装置3の撮像領域に共通する領域で、対応する測光領域および撮像領域で得られた輝度値の差分が所定値K以上と判定される場合に、所定値BVcを用いて露出演算を行うようにした。したがって、露出制御輝度値BV(M)を算出する上式(5)の重み付け演算を不要にできるから処理時間を短縮することができる。
【0056】以上の説明では、第一の実施の形態による測光装置2が測光領域320a〜320eの5つの領域で測光し、第二および第三の実施の形態による測光装置2が測光領域320a〜320cの3つの領域で測光するようにしたが、測光領域数は説明した通りでなくてもよい。また、以上の説明では、測距装置3が撮像領域330a〜330cの3つの領域で画像データを撮像するように説明したが、撮像領域数は説明した通りでなくてもよい。
【0057】測光装置2による測光領域および測距装置3による撮像領域の形状は、上述した方形でなくてもよく、多角形や円形、楕円形であってもよい。また、測光領域と撮像領域とが互いに一部を重複するものであれば、両領域の形状および大きさは同一でなくてもよい。
【0058】上述した第二および第三の実施の形態では、測光装置2が測光する測光領域に対応して測距装置3が複数の撮像領域を有するように説明した。反対に、測距装置3が撮像する撮像領域に対応して測光装置2が複数の測光領域を有するようにしてもよい。
【0059】以上説明した測光装置2および測距装置3で得られた輝度値の差分を求めるとき、測光装置2が測光する測光領域に対応する測距装置3の撮像領域は、測距装置3で検出されるカメラから被写体までの距離、および撮影レンズの焦点距離に関係なく一定として説明した。しかしながら、上述したように、測光装置2および測距装置3の光学系の間にパララックスが存在する場合、パララックスの影響により被写体距離および焦点距離に応じて測光領域および撮像領域の位置関係が変化するおそれがある。この場合には、被写体距離および焦点距離に応じて異なる撮像領域による輝度値の差分を求めることで、パララックスの影響による誤差を抑えることが可能になる。なお、被写体距離および焦点距離に応じた測光領域および撮像領域の位置関係は、メモリ5およびMCU1内のメモリのいずれかに記憶させておく。
【0060】上記の説明では、複数の測光領域で得られた輝度値を用いて上式(5)の重み付け演算を行うことにより、複数の測光領域による輝度値を加味した露出制御輝度値BV(M)を算出するようにしたが、複数の輝度値を用いずにあらかじめ選択された1つの測光領域で得られた輝度値を露出制御輝度値とする場合にも本発明を適用することができる。
【0061】以上の説明では、測光装置2による測光領域の輝度値、および測距装置3による撮像領域の輝度値の差が所定値K以上の場合に、露出演算の中で置換処理S109(S209)を行うようにした。置換処理を行う代わりに、警告灯を点灯して撮影者に報知したり、レリーズを禁止するようにしてもよい。すなわち、測光装置2および測距装置3による輝度値の差を判定して、カメラに所定の処理を行わせればよい。
【0062】また、以上説明したカメラの測距装置は、2系統の受光センサを有して、各々の受光センサに結像される被写体像の相対的な位置関係からデフォーカス量を測るものも含まれる。すなわち、一眼レフカメラ、電子スチルカメラ、レンズシャッターカメラ、工業用カメラに対して本発明を適用することができる。
【0063】特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明すると、SPD21が第1の光電変換素子に、MCU1が演算手段、判定手段、制御手段および第2の判定手段に、撮像素子31が第2の光電変換素子に、測距装置3が測距手段に、測光領域320a〜320eおよび620a〜620cが第1の光電変換素子の受光領域に、撮像領域330a〜330cおよびS1〜S26が第2の光電変換素子の受光領域に、輝度値BV1(a)〜BV1(e)が第1の光電変換信号の値に、露出制御輝度値BV(M)が重み付け演算した値に、それぞれ対応する。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1〜12に記載の発明によるカメラの測光装置では、第1の光電変換素子による被写界輝度に応じた第1の光電変換信号と、第2の光電変換素子による被写界からの光束に応じた第2の光電変換信号との差が所定値以上の場合に、所定のカメラ動作を行うようにした。第1および第2の光電変換素子は同じ被写界からの光を受けるので、通常は被写界輝度が変化しても第1および第2の光電変換信号が同じように変化し、両信号間の差はほとんど変わらない。したがって、両信号間の差が所定値以上になる場合を判定することで、たとえば、第1の光電変換信号が被写界輝度に応じて変化しないことを検出することができる。
(2)とくに、請求項2に記載の発明では、測距手段に備えられている第2の光電変換素子を用いる構成にしたので、新たに第2の光電変換素子を新たに設ける場合に比べて、大型化とコストの上昇とを抑える効果が得られる。
(3)とくに、請求項3〜9に記載の発明では、第1および第2の光電変換信号の差が所定値以上の場合に露出演算の一部を変更するようにした。したがって、たとえば、第1の光電変換信号が被写界輝度に応じて出力されないことに起因して露出演算が正しく行われない場合でも、正しく行われるように露出演算を変更できるから、撮影の失敗を防止する効果が得られる。
(4)とくに、請求項12に記載の発明では、測距手段により被写体距離に関する情報を演算することが不可能と判定された場合にのみ、第1および第2の光電変換信号の差を判定するようにした。したがって、常に判定する場合に比べて演算量を少なくできるから処理時間を短縮することが可能になる。




 

 


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