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走査露光方法および走査型露光装置並びにマスク - 株式会社ニコン
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発明の名称 走査露光方法および走査型露光装置並びにマスク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−296667(P2001−296667A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−113132(P2000−113132)
出願日 平成12年4月14日(2000.4.14)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
【テーマコード(参考)】
2H097
5F046
【Fターム(参考)】
2H097 AA03 KA03 KA12 KA13 LA12 
5F046 BA05 DA12 DB10 EB02 FC04 FC06
発明者 宮崎 聖二 / 篠崎 忠明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 マスクと基板とを投影光学系に対して相対的に同期移動させて、前記基板に前記マスクのパターンを投影露光する走査露光方法において、前記マスクには、前記同期移動方向に沿う第1の方向に前記パターンを挟むようにマークが複数形成されており、前記投影光学系を介して前記複数のマークの投影された像を計測して、その結果に基づいて前記投影光学系の結像特性が所定の結像特性になるように調整することを特徴とする走査露光方法。
【請求項2】 請求項1記載の走査露光方法において、前記複数のマークは、前記第1の方向と直交する第2の方向に前記複数のマークの各々が複数設けられて2次元的に配置され、前記2次元的に配置されたマークの像を計測して、前記結像特性を求めることを特徴とする走査露光方法。
【請求項3】 請求項1または2記載の走査露光方法において、前記計測された像の位置情報に基づいて、前記複数のマークの統計的位置と前記マスクの位置とを求め、前記マスクと前記同期移動方向との相対的位置合わせを行うことを特徴とする走査露光方法。
【請求項4】 請求項1、2または3記載の走査露光方法において、前記投影光学系は、複数の投影光学系ユニットからなり、前記第1の方向に沿った少なくとも1組の複数のマークの位置を前記投影光学系ユニットを介して計測し、前記投影光学系ユニットの結像特性を各々調整することを特徴とする走査露光方法。
【請求項5】 露光装置で転写する為のパターンを有するマスクにおいて、マークが特定の方向に沿った複数箇所に設けられ、該複数のマークは、前記パターンを挟んだ両側に配置されることを特徴とするマスク。
【請求項6】 請求項5記載のマスクにおいて、前記複数のマークは、前記マスクの位置計測用マークと前記露光装置の投影光学系の結像特性計測用マークとを兼用することを特徴とするマスク。
【請求項7】 マスクを保持するマスクステージと基板を保持する基板ステージとを同期移動して、投影光学系を介して前記マスクに形成されたパターンを前記基板上に露光する走査型露光装置において、前記マスクとして請求項5または6に記載されたマスクが用いられ、前記基板ステージ上に投影された前記マークの像の位置情報を計測する計測部と、計測された前記位置情報を統計処理することにより求められる前記マークの統計的位置に基づいて、前記投影光学系の結像特性を調整する調整部とを備えることを特徴とする走査型露光装置。
【請求項8】 請求項8記載の走査型露光装置において、前記投影光学系は、前記同期移動方向と直交する方向で互いに隣り合うもの同士が一部重複する複数の投影領域を有し、前記複数箇所のマークの像は、同一の前記投影領域内に投影されることを特徴とする走査型露光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターンを有するマスク、およびマスクと基板とを所定方向に同期移動して、マスクに形成されたパターンをガラス基板等の基板に露光する走査露光方法並びに走査型露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンやテレビ等の表示素子としては、薄型化を可能とする液晶表示パネルが多用されるようになっている。この種の液晶表示パネルは、平面視矩形状の感光基板上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングすることにより製造されている。そして、このフォトリソグラフィの装置として、マスク(レチクル)上に形成されたパターンを投影光学系を介して感光基板上のフォトレジスト層に露光する露光装置が用いられている。
【0003】ところで、上記の液晶表示パネルは、画面の見やすさから大面積化が進んでいる。この要請に応える露光装置としては、例えば、特開平7−57986号に開示されているように、マスクのパターンを正立像で基板上に投影する複数の投影光学系を組み合わせ、マスクとガラス基板とを所定方向に同期移動して、投影光学系に対して走査することによって、同期移動方向と直交する方向に大きな露光領域を有し、マスクに形成されたLCD(Liquid Crystal Display)等のパターンをガラス基板上の露光領域に順次転写する走査型露光装置が考案されている。
【0004】この際、投影領域が大きくても装置を大型化させず、且つ良好な結像特性を得る投影光学系として、複数の投影光学系を、隣り合う投影領域が走査方向で所定量変位するように、且つ隣り合う投影領域の端部同士が走査方向と直交する方向に重複するように配置されたものが使用されている。この場合、各投影光学系の視野絞りは台形形状で、走査方向の視野絞りの開口幅の合計は常に等しくなるように設定されている。そのため、上記のような走査型露光装置は、隣り合う投影光学系の継ぎ部が重複して露光され、投影光学系の光学収差や露光照度が滑らかに変化するという利点を持っている。
【0005】この種の走査型露光装置では、隣接する投影光学系の継ぎ部の像位置が一致するように、各投影光学系の像位置(像シフト、像倍率、像回転)を補正する必要がある。このため、例えば特開平10−335242号に示されるように、マスク上のマークを継ぎ部を介して基板上に投影して基板ステージ上の基準マークとの位置ずれ量を検出して、各投影光学系に設けられた像位置補正機構により補正することでマスクの描画誤差を含めて各投影光学系の像位置を調整する方法が提案されている。
【0006】上記の像位置補正方法では、基板ステージ上の基準マーク位置を精度よく形成するか、または予めその誤差量を測定しておき、これを補正することによって、マスクの描画誤差を補正した設計値通りの(または設計値により近い)転写像を基板上に形成することが可能であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来の走査露光方法および走査型露光装置並びにマスクには、以下のような問題が存在する。近年、更なるスループット向上や液晶表示パネル寸法の大型化に対する要求は強くなっているが、この対策の一つとしてマスク寸法、つまり有効露光領域を拡大する方法が提案されている。ところが、従来のマスク(描画)精度を維持したまま大型化すると、コストが膨大となり現実的ではないため、描画精度を緩和する必要が生じている。
【0008】この結果、マスクに形成されたパターンの像の長寸法精度は更に低下し、マスク内で描画誤差の傾向が異なる等、全体として不均一化の傾向が強まると考えられる。このようなマスクに対して、上記の像位置調整方法を適用した場合、像位置補正用マーク近傍では良好な像が得られるが、マークから離れた位置では逆に露光精度が悪化する懸念が生じる。例えば、マークがパターンに対して走査露光開始側に形成されているときは、走査露光終了側に位置するパターンの露光精度が悪化する可能性があり、逆にマークがパターンに対して走査露光終了側に形成されているときは、走査露光開始側に位置するパターンの露光精度が悪化する可能性がある。
【0009】本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、有効露光領域が大型化して描画誤差の傾向の異なる部分が存在しても、パターンの像を高精度に基板に投影露光可能なマスクおよび走査露光方法並びに走査型露光装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図14に対応付けした以下の構成を採用している。本発明の走査露光方法は、マスク(M)と基板(P)とを投影光学系(3、3a〜3e)に対して相対的に同期移動させて、基板(P)にマスク(M)のパターンを投影露光する走査露光方法において、マスク(M)には、前記同期移動方向に沿う第1の方向(X方向)にパターン(42)を挟むようにマーク(43a〜43f、44a〜44f)が複数形成されており、投影光学系(3、3a〜3e)を介して複数のマーク(43a〜43f、44a〜44f)の投影された像を計測して、その結果に基づいて投影光学系(3、3a〜3e)の結像特性が所定の結像特性になるように調整することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の走査型露光装置は、マスク(M)を保持するマスクステージ(4)と基板(P)を保持する基板ステージ(5)とを同期移動して、投影光学系(3、3a〜3e)を介してマスク(M)に形成されたパターンを基板(P)上に露光する走査型露光装置(1)において、マスクとして請求項5または6に記載されたマスク(M)が用いられ、基板ステージ(5)上に投影されたマーク(43a〜43f、44a〜44f)の像の位置情報を計測する計測部(46a〜46f)と、計測された前記位置情報を統計処理することにより求められるマーク(43a〜43f、44a〜44f)の統計的位置に基づいて、投影光学系(3、3a〜3e)の結像特性を調整する調整部(17)とを備えることを特徴とするものである。
【0012】従って、本発明の走査露光方法および走査型露光装置では、走査露光開始側および走査露光終了側に位置するマーク(43a〜43f、44a〜44f)の像を計測するので、不均一な描画誤差を有するマスク(M)を用いた場合でも、パターンを走査露光する際にこの描画誤差が補正されるように投影光学系(3、3a〜3e)の結像特性を調整することができ、同期移動方向全体に亙ってパターンの露光精度を維持することができる。
【0013】そして、本発明のマスクは、露光装置(1)で転写する為のパターンを有するマスク(M)において、マーク(43a〜43f、44a〜44f)が特定の方向に沿った複数箇所に設けられ、複数のマーク(43a〜43f、44a〜44f)は、パターン(42)を挟んだ両側に配置されることを特徴とするものである。
【0014】従って、本発明のマスクでは、パターン(42)の両側に配置されたマーク(43a〜43f、44a〜44f)を計測することで、パターンの描画誤差を特定方向に亙って補正することができる。そのため、この特定方向に沿ってマスク(M)と基板(P)とを同期移動させて走査露光を行うことで、同期移動方向全体に亙ってパターンの露光精度を維持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の走査露光方法および走査型露光装置並びにマスクの実施の形態を、図1ないし図14を参照して説明する。ここでは、基板として液晶表示パネル製造に用いられる角形のガラス基板を用い、マスクに形成された液晶表示デバイスの回路パターンをガラス基板上に転写する場合の例を用いて説明する。また、ここでは、投影光学系が五つの投影光学系モジュールからなる場合の例を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明による走査型露光装置1の概略的な構成を示す斜視図である。走査型露光装置1は、照明光学系2と、複数の投影光学系モジュール(投影光学系ユニット)3a〜3eからなる投影光学系3と、マスク(レチクル)Mを保持するマスクステージ4(図2参照)と、ガラス基板(基板)Pを保持する基板ステージ5と、位置合わせ検出系10a、10bとを主体として構成されている。なお、図1において、投影光学系3の光軸方向をZ方向とし、Z方向に垂直な方向でマスクMおよびガラス基板Pの同期移動方向(走査方向)をX方向(第1の方向)とし、Z方向およびX方向に直交する方向(非走査方向)をY方向(第2の方向)とする。
【0017】照明光学系2は、図2に示す超高圧水銀ランプ等の光源6から射出された光束(露光光)をマスクM上に照明するものであって、リレー光学系、ライトガイド9および投影光学系モジュール3a〜3eのそれぞれに対応して配設された照明系モジュール(ただし図2においては、便宜上投影光学系モジュール3aに対応するもののみを示している)から構成されている。なお、図2における投影光学系モジュール3a〜3eは、簡略化して図示されている。
【0018】そして、楕円鏡6aの第一焦点位置にある光源6から射出した光束は、楕円鏡6aで第二焦点位置に集光される。リレー光学系は、この第二焦点位置の光源像をライトガイド9の入射面に結像させるものであって、その光路中にはダイクロイックミラー7と波長選択フィルタ8と露光シャッタ12とが配置されている。このダイクロイックミラー7は、露光に必要な波長の光束を反射し、その他の波長の光束を透過させるものである。ダイクロイックミラー7で反射された光束は、波長選択フィルタ8に入射し、投影光学系3が露光を行うのに適した波長(通常は、g、h、i線の内、少なくとも1つの帯域を含む)の光束となる。
【0019】露光シャッタ12は、光束の光路に対して進退自在に配置され、非露光時には光路中に挿入されることにより光束のマスクMへの照明を遮断し、逆に露光時には光路から退避することで光束がマスクM上に照明されるようになっている。また露光シャッタ12には、該露光シャッタ12を光路に対して進退移動させるシャッタ駆動部16が付設されており、シャッタ駆動部16は制御装置(調整部)17によってその駆動を制御されている。ライトガイド9は、入射した光束を五本に分岐して反射ミラー11を介して各照明系モジュールに入射させるものである。
【0020】各照明系モジュールは、インプット光学系とコンデンサ光学系とから概略構成されている。なお、本実施の形態では、この照明系モジュールと同じ構成の照明系モジュールが、X方向とY方向とに一定の間隔をもって配置されている。そして、各照明系モジュールからの光束は、マスクM上の異なる照明領域を照明する構成になっている。
【0021】インプット光学系は、ライトガイド9の射出面からの光束により照度の均一な第二の光源像を形成する。インプット光学系中には、光量調整機構が設けられている。この光量調整機構は、例えば図3に示すようなガラス板上にCr等ですだれ状にパターニングされ透過率がY方向に沿ってある範囲で線形に漸次変化するフィルタ21を備えており、フィルタ駆動部22によりフィルタ21を光軸に垂直な方向に移動させることで、任意の透過率を得ることができる構成になっている。このフィルタ駆動部22は、制御装置17によってその駆動が制御されている。
【0022】光量調整機構を透過した光束は、リレーレンズ13を介してフライアイレンズ14に入射する。フライアイレンズ14は、照度を均一にするためのものであり、射出面側には二次光源が形成される。フライアイレンズ14を透過した光束は、コンデンサ光学系のコンデンサレンズ15によりマスクMの照明領域を均一な照度で照明する。また、コンデンサ光学系中には、光量モニタ機構が配設されている。
【0023】この光量モニタ機構は、光路中に配置されたハーフミラー19が光束の一部を反射してディテクタ20に入射させ、その光量を検出することで、光路中の照度をモニタするものである。検出した照度信号は制御装置17に出力される。制御装置17は、光量モニタ機構および光量調整機構を制御することにより、光束の光量を所定値に調整可能になっている。
【0024】マスクMを透過した光束は、投影光学系モジュール3a〜3eにそれぞれ入射する。そして、照明領域のマスクMのパターンは、所定の結像特性をもって、レジストが塗布されたガラス基板P上に正立像で露光される。各投影光学系モジュール3a〜3eは、図4に示すように、二組の反射屈折型光学系23、24と像シフト機構25と像倍率機構26と像回転機構(不図示)と視野絞り27とから構成されている。
【0025】マスクMを透過した光束は、まず像シフト機構25に入射する。像シフト機構25は、例えば、二枚の平行平面板ガラスがそれぞれY軸周りもしくはX軸周りに回転することで、マスク像をX方向もしくはY方向にシフトさせるものである。像シフト機構25を透過した光束は、一組目の反射屈折型光学系23に入射する。この反射屈折型光学系23は、マスク像の中間像を形成するものであって、直角プリズム28、レンズ29および凹面鏡30等から構成される。中間像位置には、視野絞り27が配置されており、ガラス基板P上での露光領域が設定される。視野絞り27を透過した光束は、二組目の反射屈折型光学系24に入射する。
【0026】反射屈折型光学系24は、直角プリズム31、レンズ32および凹面鏡33等から構成され、ここでは凹面鏡30で反射された光束の光路中の、レンズ32と直角プリズム31との間に像倍率機構26が配置されている。この像倍率機構26によりマスク像の倍率を任意に変化させることができる。像回転機構は、直角プリズム31をZ軸周りに回転させることでマスク像に任意の回転を与えることができる。これら像シフト機構25、像倍率機構26および像回転機構の駆動部(不図示)は、制御装置17によりその駆動を制御され、各投影光学系モジュール3a〜3e毎に、マスクMの像位置を調整可能になっている。
【0027】図5は、ガラス基板P上で投影光学系モジュール3a〜3eの露光領域(投影領域)34a〜34eを示す平面図である。この図に示すように、各露光領域34a〜34eは、台形形状を呈している。また、露光領域34a、34c、34eと露光領域34b、34dとは、X方向に互いに間隔をあけて対向配置されている。さらに、露光領域34a〜34eは、隣り合う露光領域の端部同士が二点鎖線で示すように、Y方向で重複するように並列配置され、X方向の露光領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。すなわち、X方向に走査露光したときの露光量が等しくなるように設定されている。
【0028】このように、各投影光学系モジュール3a〜3eによる露光領域34a〜34eが重複する継ぎ部を設けることにより、継ぎ部におけるY方向の光学収差の変化や照度変化を滑らかにすることができるようになっている。なお、本実施の形態の露光領域34a〜34eの形状は台形であるが、六角形や菱形、平行四辺形等であっても構わない。
【0029】マスクステージ4は、マスクMを保持するものであって、一次元の走査露光を行うべくX方向に長い移動量を有し、またY方向およびZ軸周りの方向に微小の移動量を有している。このマスクステージ4には、該マスクステージ4を上記方向にそれぞれ駆動するマスクステージ駆動部37が設けられている。このマスクステージ駆動部37は、制御装置17によって制御される。また、マスクステージ4の位置は、不図示のレーザ干渉系により検出され、検出結果は制御装置17に出力される。制御装置17は、レーザ干渉計の出力に基づいてマスクステージ4の位置をモニタし、マスクステージ駆動部37を制御することで、マスクステージ4(ひいてはマスクM)を所望の位置に高精度に移動させることが可能になっている。
【0030】基板ステージ5は、ガラス基板Pを保持するものであって、ガラス基板Pより小さいマスクMのパターンをX方向およびY方向に移動して走査露光するために、X方向およびY方向に長い移動量を有している。また、基板ステージ5には、該基板ステージ5をX方向およびY方向に駆動する基板ステージ駆動部40が備えられている。この基板ステージ駆動部40は、制御装置17によって制御される。基板ステージ5の位置は、不図示のレーザ干渉系により検出され、検出結果は制御装置17に出力される。制御装置17は、レーザ干渉計の出力に基づいて基板ステージ5の位置をモニタし、基板ステージ駆動部40を制御することで、基板ステージ5(ひいてはガラス基板P)を所望の位置に高精度に移動させることが可能になっている。すなわち、制御装置17は、マスクステージ4および基板ステージ5の位置をモニタしながら両駆動部37,40を制御することにより、マスクMとガラス基板Pとを投影光学系モジュール3a〜3eに対して、任意の走査速度(同期移動速度)でX方向に同期移動させるようになっている。
【0031】さらに、基板ステージ5は、Z方向にも移動自在になっている。そして、基板ステージ5は、マスクMのパターン面とガラス基板Pの露光面のZ方向の相対位置を計測する計測手段(不図示)を備えており、マスクMのパターン面とガラス基板Pの露光面とが常に所定の間隔になるように位置制御される。また、基板ステージ5上には、ガラス基板Pの露光面とほぼ同等の高さに照度をモニタするディテクタ41が配設されている。ディテクタ41は、ガラス基板P上の光束の照度を検出し、検出した照度信号を制御装置17へ出力する。そして、走査露光前に、各露光領域34a〜34eにおける照度を検出し、各領域の照度が均一になるように各照明系モジュールの光量調整機構が制御装置17により駆動制御される。
【0032】また、図1に示すように、基板ステージ5上には、Y方向に沿って延びる基準マーク部材36が設けられている。図6に示すように、基準マーク部材36上には、Y方向に関して各投影光学系モジュール3a〜3eの露光領域34a〜34eとの継ぎ部と一致する位置に4個の基準マーク38b〜38eと、投影光学系モジュール3aおよび3eの像シフト、像倍率、像回転の補正を行うために、基準マーク38b〜38eの両外側に設けられた2個の基準マーク38a、38fとがY方向に沿った直線上に配置されている。これら基準マーク38a〜38fは、十字状の空白を有する挟み込みマークである。
【0033】マスクMには、パターン領域42を挟むX方向(特定の方向)両側に位置して、投影光学系モジュールの像シフト、像倍率、像回転の補正に関して使用する各々6個のマスク像位置補正マーク(マーク)43a〜43f、44a〜44fとが配置されている。マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fは、それぞれY方向に関して、基準マーク部材36の基準マーク38a〜38fと一致する位置にY方向に沿った直線上に配置されている。これらマスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fは、X方向およびY方向のそれぞれに延びるラインが十字形状に交叉する二次元マークから構成されている。
【0034】なお、通常マスクMには、マスク像位置補正マーク以外に、マスクMをプリアライメント(位置計測)するためのマスクマークが形成されるが、本実施の形態ではマスク像位置補正マークをマスクマークとして兼用している。
【0035】そして、基板ステージ5には、図7に示すように、基準マーク部材36の下方(−Z方向)に位置して、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fと基準マーク38a〜38fとの位置ずれ量(位置情報)を検出するための位置検出系39が設置されている。位置検出系39は、基準マーク38a〜38fにそれぞれ対応して配置され、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fと基準マーク38a〜38fとが重なった像を結像させる結像レンズ45a〜45fと、この結像位置に配置されたディテクタ(計測部)46a〜46dとから構成される。ディテクタ46a〜46fは、例えば二次元CCDで構成され、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fと基準マーク38a〜38fとが重なった像を画像処理することで、X方向およびY方向の位置ずれ量を検出し、図2に示すように、制御装置17に出力する。
【0036】位置合わせ検出系10a、10bは、Y方向両端に位置する投影光学系モジュール3a、3eの照明領域に対応するマスクMの上方にそれぞれ配置されている。図8に、これら位置合わせ検出系10a、10bの概略構成を示す。ライトガイド48は、ハロゲンランプ等の光源から射出された照明光の光束を位置合わせ検出系10a、10bに導くものである。照明光は、ガラス基板P上に塗布されたレジスト(感光剤)に非感光な波長を有しており、コンデンサレンズ49、ハーフプリズム50、第一対物レンズ51、反射ミラー52を介してマスクM上に形成されたマスク像位置補正マーク43a、43f(または44a、44f)を照明する。また、マスクMを透過した光束は、投影光学系モジュール3a、3eを介してガラス基板P上の基板マーク(不図示)を照明する。マスク像位置補正マーク43a、43fおよび基板マークからの反射光は、それぞれ位置合わせ検出系10a、10bに入射する。
【0037】位置合わせ検出系10a、10bに入射した光束は、反射ミラー52、第一対物レンズ51、ハーフプリズム50、第二対物レンズ53を介してディテクタ54に入射する。このディテクタ54は、例えば二次元CCDで構成され、画像処理により、マスク像位置補正マーク43a、43fと基板マークとの位置ずれ量を検出する。この検出結果は、制御装置17に出力される。制御装置17では、この位置ずれ量に基づいて、走査露光前にマスクステージ4と基板ステージ5とを移動させて、マスクMとガラス基板Pとの位置合わせを行う。
【0038】この位置合わせ検出系10a、10bは、各マークのY方向の位置の自由度を広げるために、全体がY方向に移動する駆動機構を有し、投影光学系モジュール3a〜3eの露光領域34a〜34e内を移動可能になっている。また、位置合わせ検出系10a、10bは、反射ミラー52および第一対物レンズ51がX方向に移動する駆動機構を有しており、投影光学系モジュール3a〜3eの露光領域34a〜34e内への進退移動が自在に行えるようになっている。つまり、マスクMとガラス基板Pとの位置合わせ時には、露光領域内に進入し、位置合わせ終了後には露光領域内から退避するようになっている。
【0039】上記の構成の走査型露光装置1の投影光学系3は、複数の投影光学系モジュール3a〜3eから構成されているため、隣り合う露光領域34aと34b、34bと34c、34cと34d、34dと34eにおいて、ガラス基板P上でマスクMの像位置が一致するように、各投影系モジュール3a〜3eの像シフト、像倍率、像回転を補正する必要がある。以下に、本実施の形態における投影光学系3の像位置補正方法について説明する。
【0040】まず、位置合わせ検出系10a、10bによりマスク像位置補正マーク43a、43fの位置を検出し、この結果に基づいてマスクステージ4を移動させることで、マスクMのプリアライメント(位置合わせ)を行う。なお、マスク像位置補正マーク44a、44fも併せて計測し、これら4箇所のマークの位置ずれ量に基づいてプリアライメントを実行してもよい。また、マスクステージ4、基板ステージ5の移動は、マスクステージ駆動部37、基板ステージ駆動部40をそれぞれ介して制御装置17の制御に基づいて行われるものとする(以下、同様)。なお、位置合わせ検出系10a、10bと基盤ステージ5に設けられた基準マーク部材36の基準マーク38a、38fとの位置関係については、測定などに基づいて予め求められている。
【0041】次に、図9に示すように、マスク像位置補正マーク44a〜44fと基準マーク38a〜38fとが投影光学系モジュール3a、3c、3eの露光領域継ぎ部に位置するように、マスクステージ4と基板ステージ5とを移動させる。この状態で露光シャッタ12が開放され、照明光学系2からの照明光によりマスクM上の投影光学系モジュール3a、3c、3eの露光領域34a、34c、34eに対応する3つの台形状の領域が照明されると、位置検出系39のディテクタ46a〜46fにより、同一の添字を有するマスク像位置補正マーク44a〜44fと基準マーク38a〜38fとのX方向の位置ずれ量XR1〜XR6、およびY方向の位置ずれ量YR1〜YR6をそれぞれ検出する。ここで、位置ずれ量XR1〜XR6、YR1〜YR6の添字Rと1〜6は、それぞれマスク像位置補正マーク44とa〜fとに対応する。
【0042】続いて、図10に示すように、マスク像位置補正マーク43a〜43fと基準マーク38a〜38fとが投影光学系モジュール3a、3c、3eの露光領域継ぎ部に位置するように、マスクステージ4と基板ステージ5とを移動させる。そして、位置検出系39のディテクタ46a〜46fにより、同一の添字を有するマスク像位置補正マーク43a〜43fと基準マーク38a〜38fとのX方向の位置ずれ量XL1〜XL6、およびY方向の位置ずれ量YL1〜YL6をそれぞれ検出する。ここで、位置ずれ量XL1〜XL6、YL1〜YL6の添字Lと1〜6は、それぞれマスク像位置補正マーク43とa〜fとに対応する。
【0043】これらの検出結果のうち、マスク像位置補正マーク43a〜43fと44a〜44fとのX方向の間隔(距離)Xspanと、Y方向の位置ずれ量とから次式(1)によりマスクステージ4のX軸に対するマスクMの回転補正量θmを算出し、回転が補正されるようにマスクステージ4をZ軸周りの方向に駆動して、マスクMとX方向との相対的位置合わせを行う。
【数1】

【0044】この時のマスクステージ4の回転補正により、各マーク位置は次式のように移動する。なお、ここでは、回転補正量θmを微少量として扱っている。
X=x×cosθm−y×sinθm=x−y×θmY=x×sinθm+y×cosθm=x×θm+yなお、X、Yは、マスクステージ4の回転中心からみた回転補正後のマーク座標であり、同様に、x、yは各マークの設計座標である。
【0045】ここで、マスク回転補正によるマーク位置のシフトを像シフト機構25により調整する必要が生じるが、像シフト機構25の駆動範囲が補正量に対して充分に大きい場合は問題とならないが、そうでない場合には、像シフト機構25の調整限度を超えるという不都合が生じる可能性がある。このため、マスクステージ4のXY座標も併せて補正する必要がある。
【0046】ここで、図10に示すマスクステージ4の回転中心からのマスク像位置補正マーク43a〜43fの座標をそれぞれ(DXL1、DYL1)〜(DXL6、DYL6)、同様に、マーク44a〜44fの座標を(DXR1、DYR1)〜(DXR6、DYR6)とすると、マーク位置の変位量の平均値ΔX、ΔYは次式のように表される。
【数2】

【数3】

従って、マスクステージ4のXY座標は、上記ΔX、ΔYを相殺する位置に設定されることになる。かくして、マスクMに対するアライメントが完了する。
【0047】この時点での各投影光学系モジュール3a〜3eにおける像シフト機構25、像倍率機構26および像回転機構の設定位置は不定であるが、これらの影響で発生する誤差は同一のY座標にあるマークに対して等しく加算されるため、同一Y座標の各点の位置ずれ量の差が等しければ、マスクステージ4に対してマスクMを座標系に対してマスクMを並行に設置することができる。仮に、マスク描画誤差により異なる傾斜量が計測されても、平均化することにより局所的な誤差の影響を受け難くすることが期待できる。
【0048】ここで、このような一例として、図11に示すマスクMのように、マスク像位置補正マーク43a〜43fが−θ、また、マスク像位置補正マーク44a〜44fが+θの角度誤差をそれぞれ有して描画された場合の補正方法について検証する。このような場合、双方の角度誤差が逆の極性(非線形)を示していることから、投影光学系モジュール3a〜3eの像シフト、像倍率、像回転のみによりガラス基板Pの設計位置に転写像を投影することは不可能であるが、従来技術では、マスク像位置補正マーク43a〜43fの位置ずれ量XL1〜XL6、YL1〜YL6のみを使用して投影光学系モジュール3a〜3eの像シフト、像倍率、像回転の補正を行うことになる。
【0049】そのため、図12に示すように、マスク像位置補正マーク44a〜44f側の転写像の位置は、+θ分過補正されることになり、結果的には転写像の位置誤差が拡大されてしまう。このとき、マスク像位置補正マーク44a〜44fの角度誤差+θを検出し、マスク像位置補正マーク43a〜43fとの平均値で補正することにより、転写像の位置誤差を最小に抑えることが可能となる。
【0050】実際には、各投影光学系モジュール3a〜3eの像シフト機構25、像倍率機構26および像回転機構の設定位置が不定であることやマスクMの回転誤差の影響で、個々のマークに対して描画誤差の絶対値を測定することは困難である。そこで、この位置ずれ量XR1〜XR6、YR1〜YR6と、XL1〜XL6、YL1〜YL6とからマスク像位置補正マーク間の相対的な描画誤差を求める方法について以下に説明する。
【0051】位置ずれ量XR1〜XR6、YR1〜YR6と、XL1〜XL6、YL1〜YL6には、描画誤差の他、マスクMの設置誤差(X、Y、θ)と、各投影光学系モジュール3a〜3eの像シフト機構25、像倍率機構26および像回転機構の設定位置が含まれている。このうち、マーク描画誤差と回転方向のマスク設置位置誤差以外は、同一Y座標のマスク像位置補正マーク間で共通であることから、回転方向のマスク設置位置誤差を補正した後の位置ずれ量の差を用いることにより、同一Y座標におけるマスク像位置補正マーク43a〜43fと44a〜44fとの描画誤差の相対誤差を求めることができる。
【0052】マスク像位置補正マークの基板ステージ5上での投影位置(Rx、Ry)は、次式(2)で表される。
【数4】

ここで、Dx、Dyは、マスクMの外形中心を原点としたマスク像位置補正マークの設計座標、θmは式(1)で求めたマスクMの回転方向の設置位置誤差、Px、Pyは像回転機構による回転中心を相対原点としたマスク像位置補正マークの座標、Sx、Syは像シフト機構25のXYの設置位置誤差、Mlは像倍率機構26の設置位置誤差、θlは像回転機構の設置位置誤差をそれぞれ示す。そして、εx、εyは、マスク像位置補正マークの描画誤差である。
【0053】二次の項を無視して式(2)を整理すると、以下の式になる。
Rx=−Dy×θm+Px×Ml−Py×θl+Sx+εx Ry=Dx×θm+Px×θl+Py×Ml+Sy+εy …(3)
【0054】一方、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fの同一Y座標のマークの位置ずれ量XR1〜XR6、YR1〜YR6と、XL1〜XL6、YL1〜YL6との差分(δxn、δyn)は、各位置ずれ量が同一の投影光学系モジュールを用いて検出されることから下式で表される。
δxn=Rx(XRn)−Rx(XLn)
=−DRy×θm+Px×Ml−Py×θl+Sx+εRx−(−DLy ×θm+Px×Ml−Py×θl+Sx+εLx)
=εRx−εLxδyn=Ry(YRn)−Ry(YLn)
=DRx×θm+Px×θl+Py×Ml+Sy+εRy−(DLx× θm+Px×θl+Py×Ml+Sy+εLy)
=(DRx−DLx)×θm+εRy−εLy …(4)
【0055】式(4)より、マスク回転補正量θmにて計測結果を補正することにより、投影光学系モジュール3a〜3eの像シフト機構25、像倍率機構26、像回転機構の設定位置に依存することなく、マスク像位置補正マークの製造誤差(描画誤差)の相対値が推定可能であることを判断できる。そして、各投影光学系モジュール3a〜3eの結像特性の調整のために像シフト機構25、像倍率機構26、像回転機構の設定目標を算定する際には、製造誤差相対値の半値だけオフセットさせた位置にマスク像位置補正マーク43a〜43fが観察できるようにすればよいことになる。
【0056】具体的な各投影光学系モジュール3a〜3eの結像特性調整方法を説明する。まず、上記と同様の手順により、図9に示すように、マスク像位置補正マーク44a〜44fと基準マーク38a〜38fとが投影光学系モジュール3a、3b、3cの露光領域継ぎ部に位置するようにマスクMと基板ステージ5の基準マーク部材36とを移動させた後に、再度各マークの位置ずれ量XR1〜XR6、およびYR1〜YR6をそれぞれ検出する。このときの位置ずれ量XR1〜XR6、およびYR1〜YR6は、アライメント処理によりマスクMが駆動されているため、アライメント前に検出された値とは異なるものとなる。なお、これら位置ずれ量XR1〜XR6、およびYR1〜YR6については再度検出することなく、アライメント前に検出した値とアライメントに伴う補正量とから算出したものを用いることもできる。
【0057】続いて、マスクMと基板ステージ5の基準マーク部材36とを移動させて、マスク像位置補正マーク44a〜44fと基準マーク38a〜38fとを投影光学系モジュール3b、3dの露光領域継ぎ部に位置させる。そして、照明光学系2からの照明光により露光領域34b、34dに対応する2つの台形状の領域が照明されると、位置検出系39のディテクタ46b〜46eにより、同一の添字を有するマスク像位置補正マーク44b〜44eと基準マーク38b〜38eとのX方向の位置ずれ量XC2〜XC5、およびY方向の位置ずれ量YC2〜YC5をそれぞれ検出する。
【0058】これらの検出結果に基づいて制御装置17では、例えば投影光学系モジュール3aの結像特性に関する補正値を次の(5)〜(8)式に基づいて演算(統計処理)する。
X方向の像シフト量の補正値=−(XR1+XR2)/2 …(5)
Y方向の像シフト量の補正値=−(YR1+YR2)/2 …(6)
像倍率の補正値=−(YR2−YR1)/L …(7)
像回転の補正値=−(XR1−XR2)/L …(8)
上記(5)〜(8)式における右辺の負号(−)は、補正値であることから付されるものであり、また(7)式、(8)式中のLは計測点間距離(基準マーク38aと38bとの距離)である。
【0059】ただし、これら(5)〜(8)式で得られる補正値には、上述したマスクMの相対描画誤差が反映されていない。従って、投影光学系モジュール3aに関しては、相対描画誤差δx1、δy1およびδx2、δy2の半値だけオフセットした位置にマスク像位置補正マーク43a、43bが観察されるように上記補正値を調整する。そして、求められたシフト量、倍率、回転に基づいて、像シフト機構25、像倍率機構26、像回転機構に目標値を設定することで、投影光学系モジュール3aの結像特性調整が完了する。続いて、投影光学系モジュール3b〜3eについても同様の手順で結像特性調整を実施する。これにより、マスクMの描画誤差や各投影光学系モジュールのディストーション等も補正されるように、各投影光学系モジュール3a〜3eの結像特性が較正される。
【0060】本実施の形態の走査露光方法および走査型露光装置並びにマスクでは、走査方向でパターン領域を挟んだ両側に形成されたマスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fの像を計測することでマスクMの相対描画誤差を求め、この相対描画誤差を加味して投影光学系モジュール3a〜3eの結像特性を調整しているので、描画誤差が緩和された結果、傾向の異なる部分が存在する大型のマスクを用いても、ガラス基板P上での転写像位置の誤差を最小に抑えて、マスクのパターンを高精度に走査露光することができる。
【0061】また、本実施の形態では、Y方向の位置が同じマーク同士から相対描画誤差を求めているが、これらマスク像位置補正マーク43a〜43f、および44a〜44fが非走査方向であるY方向に沿って各々複数設けられているので、平均化効果により、描画誤差の影響を一層抑制することが可能になる。
【0062】さらに、本実施の形態では、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fの像を計測した結果に基づいて、走査方向に対するマスクMの位置を求めることで、マスクMのアライメントも実施することが可能になっている。また、マスクMをプリアライメントする際に検出するマークと、相対描画誤差を求める際に検出するマークとを個別に設ける構成としてもよいが、本実施の形態のように、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fを兼用とすることで、マスクMのコスト削減およびパターン領域の有効活用を実現することができる。
【0063】さらに、本実施の形態では、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fの像を検出するセンサとして、投影光学系モジュール3a〜3eの結像特性調整に用いられる位置検出系39を兼用しているので、別途、相対描画誤差を計測するための専用のセンサを設ける必要がなく、装置の小型化および低価格化に寄与することができる。
【0064】なお、上記実施の形態において、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fを十字形状の二次元マークとする構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばL字形状やX、Y方向にそれぞれ複数のラインを有する二次元マークであってもよい。また、マスク像位置補正マーク43a〜43f、44a〜44fをパターン領域42を挟んだX方向両側のみに配置する構成としたが、これに限られず、例えば図13に示すように、パターン領域42を挟んだY方向両側にX方向に沿った複数のマスク像位置補正マーク55a〜58a、および55f〜58fを、それぞれ43a、44aおよび43f、44fとY方向で同一の位置に形成してもよい。
【0065】この場合、計測箇所が複数になることでX方向でも平均化効果が得られることに加えて、回転補正精度を向上させることが可能になる。さらに、マスクMに形成されたパターンの非走査方向に関する誤差を走査方向に沿って高精度に求めることができるため、走査露光時に、走査方向の位置に応じて倍率を調整する等、より高精度の補正を実行することができ、より高精度の転写を実現できる。
【0066】また、上記実施の形態では、マスクMのパターン領域が1箇所である場合の例を用いて説明したが、パターン領域が間隔をおいて複数形成される場合は、各パターン領域を挟んだ走査方向両側にマスク像位置補正マークを設けることにより、各パターン領域毎の転写像位置を最適に補正することが可能になる。
【0067】さらに、上記実施の形態では、求めた相対描画誤差を用いて投影光学系モジュール3a〜3eの結像特性の目標値を補正する手順としたが、予めしきい値を設定しておいて、相対描画誤差の発生方向や大きさに応じて、結像特性の目標値を補正するかどうかを判断するシーケンスを含むものであってもよい。
【0068】なお、本実施の形態の基板としては、液晶表示デバイス用のガラス基板Pのみならず、半導体デバイス用の半導体ウエハや、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0069】走査型露光装置1の種類としては、ガラス基板Pに液晶表示デバイスパターンを露光する液晶表示デバイス製造用の露光装置に限られず、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0070】また、光源6として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)のみならず、X線を用いることができる。
【0071】投影系モジュール3a〜3eの倍率は、等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。また、投影系モジュール3a〜3eとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする(マスクMも反射型タイプのものを用いる)。
【0072】以上のように、本願実施形態の基板処理装置である走査型露光装置1は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0073】液晶表示デバイスや半導体デバイス等のデバイスは、図14に示すように、液晶表示デバイス等の機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクM(レチクル)を製作するステップ202、石英等からガラス基板P、またはシリコン材料からウエハを製作するステップ203、前述した実施の形態の走査型露光装置1によりマスクMのパターンをガラス基板P(またはウエハ)に露光するステップ204、液晶表示デバイス等を組み立てるステップ(ウエハの場合、ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る走査露光方法は、同期移動方向に沿って形成された複数のマークの像を投影光学系を介して計測し、その結果に基づいて投影光学系の結像特性が所定の結像特性になるように調整する手順となっている。これにより、この走査露光方法では、描画誤差が緩和された結果、傾向の異なる部分が存在する大型のマスクを用いても、基板上での転写像位置の誤差を最小に抑えて、マスクのパターンを高精度に露光できるという効果が得られる。
【0075】請求項2に係る走査露光方法は、互いに直交する第1の方向と第2の方向に2次元的に配置されたマークの像を計測して、結像特性を求める手順となっている。これにより、この走査露光方法では、平均化効果により描画誤差の影響を一層抑制できるという効果が得られる。
【0076】請求項3に係る走査露光方法は、計測された像の位置情報に基づいて、複数のマークの統計的位置とマスクの位置とを求め、マスクと同期移動方向との相対的位置合わせを行う手順となっている。これにより、この走査露光方法では、複数のマークの統計的位置から、複数のマークの描画誤差を除いた位置情報を用いてマスクのアライメントを実施できるという効果が得られる。
【0077】請求項4に係る走査露光方法は、第1の方向に沿った少なくとも1組のマークの位置を投影光学系ユニットを介して計測して、投影光学系ユニットの結像特性を各々調整する手順となっている。これにより、この走査露光方法では、投影光学系が複数の投影光学系ユニットから構成される場合でも、各投影光学系毎に結像特性を調整できるという効果が得られる。
【0078】請求項5に係るマスクは、マークが特定の方向に沿って、且つパターンを挟んだ両側に複数箇所に配置される構成となっている。これにより、このマスクでは、パターンの描画精度を特定の方向に亙って補正することができ、走査露光を行う際にこの特定の方向に沿ってマスクと基板とを同期移動させることで、同期移動方向に亙ってパターンの露光精度を維持できるという効果が得られる。
【0079】請求項6に係るマスクは、複数のマークがマスクの位置計測用マークと投影光学系の結像特性計測用マークとを兼用する構成となっている。これにより、このマスクでは、マスクの製造コスト削減およびパターン領域の有効活用を実現できるという効果が得られる。
【0080】請求項7に係る走査型露光装置は、請求項5または6に記載のマスクを用いて、計測部により基板ステージ上に投影されたマークの像の位置情報を計測し、調整部により、計測された位置情報を統計処理することで求められるマークの統計的位置に基づいて投影光学系の結像特性を調整する構成となっている。これにより、この走査型露光装置では、描画誤差が緩和された結果、傾向の異なる部分が存在する大型のマスクを用いても、基板上での転写像位置の誤差を最小に抑えて、マスクのパターンを高精度に露光できるという効果が得られる。
【0081】請求項8に係る走査型露光装置は、互いに隣り合うもの同士が一部重複する投影領域の中、同一の投影領域内に複数箇所のマークの像を投影する構成となっている。これにより、この走査型露光装置では、投影光学系が複数の投影領域を有する場合でも、各投影領域毎に結像特性を調整できるという効果が得られる。




 

 


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