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発明の名称 光学素子の製造方法及び露光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−296665(P2001−296665A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−109826(P2000−109826)
出願日 平成12年4月11日(2000.4.11)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
【テーマコード(参考)】
2H049
2H097
4G059
【Fターム(参考)】
2H049 AA03 AA04 AA18 AA33 AA37 AA45 AA48 AA55 AA64 
2H097 AB07 LA17
4G059 AA11 AA20 AB06 AB07 AB09 AC01 BB00
発明者 外山 潔
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 マスクに形成されたパターンの像を、回転するステージ上に載置された感光基板の転写面に転写し、所定の処理を行って製造される光学素子の製造方法であって、前記ステージの回転中心に対する前記感光基板の中心位置のずれ量を算出し、当該ずれ量に応じて前記感光基板と前記マスクに形成されたパターンの像との相対位置を変化させつつ前記パターンの像を前記感光基板の転写面に転写することを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】 マスクに形成されたパターンの像を、回転するステージ上に載置された感光基板の転写面に転写し、所定の処理を行って製造される光学素子の製造方法であって、前記感光基板の転写面に前記感光基板の位置情報を計測するためのマークの像を転写する工程と、前記マークの像が転写された感光基板に対して所定の処理を行って形成されたマークの位置情報を計測する工程と、計測された前記位置情報から、前記ステージの回転中心に対する前記感光基板の中心位置のずれ量を算出する工程と、算出された前記ずれ量に応じて、前記感光基板に対する前記マスクの位置を変化させつつ前記マスクに形成されたパターンの像を前記感光基板の転写面に転写する工程とを有することを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項3】 前記所定の処理は、現像処理及びエッチング処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】 前記マスクに形成されたパターンは、回折パターンの一部であることを特徴とする請求項3記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】 前記マークの像は、少なくとも前記感光基板の転写面上の異なる3点に形成されることを特徴とする請求項2記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】 マスクに形成されたパターンの像を、回転するステージ上に載置された感光基板の転写面に転写する露光装置において、前記ステージの回転中心に対する前記感光基板の中心位置のずれ量を算出するずれ量算出手段と、前記ずれ量算出手段の算出結果に応じて前記感光基板と前記マスクに形成されたパターンの像との相対位置を変化させる移動手段とを具備することを特徴とする露光装置。
【請求項7】 前記感光基板の転写面に形成されたマークの位置情報を計測する位置情報計測装置を備え、前記ずれ量算出手段は、前記位置情報計測装置の計測結果に基づいて前記ずれ量を算出することを特徴とする請求項6記載の露光装置。
【請求項8】 前記マスクには前記マークのパターンが形成され、前記ステージ及び移動手段を制御して前記マークのパターンの像を前記基板の転写面に転写する制御手段を具備することを特徴とする請求項7記載の露光装置。
【請求項9】 前記制御手段は、前記マークのパターンの像を、少なくとも前記感光基板の転写面上の異なる3点に形成することを特徴とする請求項7記載の露光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学機器の光路に配置されることにより、その透過光量又は回折光量を調節する光学素子の製造方法に係り、特に、断面が階段状の回折パターンが形成されてなる回折格子やゾーンプレート等のバイナリーオプティクス等の光学素子の製造方法に関し、更に当該光学素子を製造する工程の露光工程で用いられる露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、X線に対応した機器の研究開発が盛んになっており、それに相まってX線を集光するための光学素子の開発が進んでいる。特に、近年半導体素子の製造においては、CPU(中央処理装置)の製造を例に挙げると、0.18μm程度の極めて微細なパターンを形成することが行われている。これらの製造にあたっては、マスクに形成されたパターンの像を投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体基板上に転写して現像処理を行った後、エッチングやイオン注入その他の処理が繰り返し行われる。
【0003】このように、半導体基板上に塗布されたフォトレジストを感光するための光源としては従来から短波長の可視光を発生する光源が用いられていたが、微細パターン形成の要求から光源の波長が可視光域から紫外域に移行している。今後、更に微細化したパターンを形成することが要求されることは必至であり、そのためには紫外域よりも短い波長、つまりX線を用いて露光処理に相当する処理を行うことが必要になる。
【0004】このような背景の下、半導体素子の高集積化に伴って急速に進歩してきた超微細加工技術、超精密加工技術、超薄膜形成技術等を利用することで更に微細なパターンを形成することが可能となる。ところで、従来は光源から発せられる露光光の波長が紫外域であったため、マスクに形成されたパターンの像を縮小して半導体基板上に転写する場合、屈折型光学素子を用いてパターンの像を縮小して半導体基板上に転写するのが一般的であった。しかしながら、X線の場合にはかかる屈折型光学素子を用いて集光を行うのは困難であり、また平行光束化を行うことも困難である。そこで、例えばX線を光源波長とする露光装置等の装置に用いるため、X線光束の集光及び平行光束化を行うことができる透過型の光学素子であるゾーンプレートを製造する研究が進められている。
【0005】図12は、ゾーンプレートの一例を示す図である。図12に示したように、ゾーンプレートは、同心円状に配置された多数の輪帯により形成されている。ゾーンプレートの一部をなす各輪帯の半径は、中心から数えた番号nの平方根に比例しており、これら各輪帯をX線に対して交互に透明、不透明となるように設定された光学素子である。尚、各輪帯の中心軸方向から入射又は出射される。X線が図3に示したゾーンプレートに入射すると、X線は輪帯によって回折される。前述したように、各輪帯は、その半径が中心から数えた番号nの平方根に比例しているため、X線はゾーンプレート上の至る所で同様の条件で回折がなされる訳ではなく、ゾーンプレート上の位置に応じて異なる回折現象を起こす。この結果、かかるゾーンプレートは単色光に対して正又は負の焦点距離を有する結像素子として機能する。
【0006】上述の機能を有するゾーンプレートの製造方法は、以下に示す通り従来から種々の製造方法が案出されている。第1の方法は、ゾーンプレートの基板を直接単結晶ダイアモンドバイト等で精密に切削したり、又はゾーンプレートの基板を直接切削するのではなく、まず金型を単結晶ダイアモンドバイト等で精密に切削した後に、切削面にゾーンプレートの材料となる樹脂等を射出成型する方法である。第2の方法はフォトリソグラフィ技術を利用してゾーンプレートの基板に感光剤を塗布して電子ビーム(EB)又はレーザ光による描画装置によってパターンを1本1本直接描画する方法がある。第3の方法は、半導体の製造プロセスの一部を利用したものであり、電子ビーム(EB)又はレーザ光による描画装置によって作成した等倍マスクを用いて等倍率投影光学系によってパターンの像を基板上に等倍で転写したり、同様の描画装置によって作成した拡大マスクを用いて縮小投影光学系によってパターンの像を基板上に縮小して転写して製造する方法である。上述した第1〜第3の方法の内、第3の方法の縮小投影露光法を用いた製造方法は、高分解能で比較的大口径のゾーンプレートが製造可能であり、さらに制御性や再現性などの点においても優れていることから、ゾーンプレートの大量生産に適した方法として用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第3の方法によってゾーンプレートを製造する場合、ゾーンプレートの回折効率を高めるために、ゾーンプレートの周期構造を階段状に形成すると良いことが知られている。以下、周期構造を階段状に形成する方法について概説する。図13は、階段状の周期構造の形成方法を説明するための図である。図13において、図13(a)から図13(d)までが第1段目の周期構造を形成する工程を示す図であり、図13(e)から図13(h)までが第2段目の周期構造を形成する工程を示す図である。
【0008】図13(a)に示したように、フォトレジスト101が塗布された基板100上にマスク102を基板100に対して位置決めして配置する。そして、露光光105をマスク102上に露光し、マスク102に形成されたパターン103a,103bの像を基板100上に転写する。この際、マスク102に形成されたパターン103a,103bは図12に示した周期構造の一部であり、基板100を回転ステージ(図示省略)に載置して、基板100を回転させつつパターン103a,103bの像を転写することにより図12に示した同心円状の周期構造を形成するのが一般的である。
【0009】次に、図13(b)に示したように、露光光104によって露光された箇所のフォトレジスト101を現像処理を施して除去し、図13(c)に示したように、エッチング工程を行い、例えば反応性イオンエッチング(RIE)により基板100をエッチングして溝105を形成する。そして、図13(d)に示したように残存するフォトレジスト101を除去することにより、第1段目の周期構造が形成される。
【0010】図13(e)から図13(h)に示す第2段目の周期構造を形成する工程は、基本的に第1段目の周期構造を形成する工程と同じ工程を経て形成されるが、図13(e)に示した通り、図13(a)に示したマスク102に形成されたパターン103a,103bのピッチよりも狭く設定されたパターン107a〜107dが形成されたマスク106を用いる点が異なる。露光に先立って、基板100の上面にフォトレジスト108を塗布する。基板100には溝105,105が形成されているため、溝105,105の底部にもフォトレジスト108が塗布される。フォトレジスト108が塗布されると、上述した狭いピッチで形成されたパターン107a〜107dの像が基板100上に転写される。
【0011】次に、図13(f)に示したように、露光光104によって露光された箇所のフォトレジスト108を現像処理を施して除去し、図13(g)に示したように、エッチング工程を行って基板100をエッチングする。このとき、溝105の一部の底部及び基板100の最上面の一部のフォトレジスト108が除去されているため、この部分がエッチング工程によって除去される。最後に、図13(h)に示したとおり、残存のフォトレジストを除去すると、第2段目の周期構造が形成される。尚、説明の便宜上、図13(a)〜図13(d)の工程を第1段目の周期構造を形成する工程と称し、図13(e)〜図13(h)の工程を第2段目の周期構造を形成する工程と称している。露光工程から残存レジストを除去する工程までをn回行うと、基板100上の段数は2n段となる。
【0012】ところで、図13に示した工程を繰り返し行うことにより回折効率が高く、高分解能で比較的大口径のゾーンプレートを効率よく製造することができる訳であるが、かかるゾーンプレートを製造する場合、図13(a)や図13(e)に示した露光工程が終了する度に、基板100のエッチングを行うため、露光装置から基板100を搬出し、処理を終えた後再び基板100を露光装置に搬入する必要がある。基板100を露光装置内に搬入した後、基板100が載置される回転ステージの回転中心と既に基板100上に形成された同心円状の周期構造の中心とを精度良く位置合わせする必要がある。
【0013】仮に、基板100上に形成されている同心円状の周期構造と回転ステージの回転中心とが偏心していたとすると、回転ステージの回転に伴い基板100上に形成された周期構造の中心が円を描くように移動するため、マスク106のパターン107a〜107dの像が転写されて形成される周期構造は、既に基板100上に形成されている周期構造に対して偏心した状態で形成されることになる。このようにして形成された光学素子は、本来設計された通りの光学特性を全く発揮しないか又は光学特性が悪化したものとなってしまう。
【0014】よって、設計通りの高い光学特性を発揮するゾーンプレートの製造においては、上述の位置合わせが極めて重要である。従来は、回転ステージ上に例えば2本の位置決め用ピンを設け、かかる位置決めピンに基板100を押しつけることにより基板100の位置合わせを行っていたため、基板100の位置調整のための構成は極めて簡単で低コストであった。基板100の位置合わせの精度を高めるための専用の装置を設けて、位置合わせ精度を高めることも考えられるが、かかる装置を備えると構成が複雑化するとともに、コストが上昇してしまうという問題がある。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、回転ステージに対して高い精度で基板の位置合わせを行わずとも、設計された光学特性を高い精度で発揮する光学素子を製造することができる光学素子の製造方法及び当該光学素子の製造工程中の露光工程で用いられる露光装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の光学素子の製造方法は、マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)の像(Im1、Im2、Im3)を、回転するステージ(8)上に載置された感光基板(W)の転写面に転写し、所定の処理を行って製造される光学素子の製造方法であって、前記ステージ(8)の回転中心(C1)に対する前記感光基板(W)の中心位置(C2)のずれ量を算出し、当該ずれ量に応じて前記感光基板(W)と前記マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)の像との相対位置を変化させつつ前記パターン(P1、P2、P3)の像(Im1、Im2、Im3)を前記感光基板(W)の転写面に転写することを特徴としている。この発明によれば、ステージを回転させたときの感光基板の中心位置の移動に合わせて感光基板に対するパターンの像の相対位置を変化させつつ転写するようにしている。よって、感光基板の中心位置がステージの回転中心からずれて配置されている場合であっても、感光基板の中心を中心とする同心円状のパターンを感光基板上に形成する場合や、感光基板上に既に形成されている同心円状のパターンに合わせて像を転写して同心円状のパターンを形成する場合にも、ステージの回転中心に対して基板の中心位置を高精度に位置合わせすることなく感光基板の中心を中心とした形状のパターンを形成することができる。また、本発明の光学素子の製造方法は、マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)の像(Im1、Im2、Im3)を、回転するステージ(8)上に載置された感光基板(W)の転写面に転写し、所定の処理を行って製造される光学素子の製造方法であって、前記感光基板(W)の転写面に前記感光基板(W)の位置情報を計測するためのマークの像(Im4)を転写する工程(S18)と、前記マークの像(Im4)が転写された感光基板(W)に対して所定の処理を行って形成されたマーク(AM1,AM2,AM3,AM4)の位置情報を計測する工程(S28)と、計測された前記位置情報から、前記ステージ(8)の回転中心(C1)に対する前記感光基板(W)の中心位置(C2)のずれ量を算出する工程(S28)と、算出された前記ずれ量に応じて、前記感光基板(W)に対する前記マスク(R)の位置を変化させつつ前記マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)の像(Im1、Im2、Im3)を前記感光基板(W)の転写面に転写する工程(S32)とを有することを特徴とする光学素子の製造方法。この発明によれば、ステージを回転させたときの感光基板の中心位置の移動に合わせて感光基板に対するパターンの像の相対位置を変化させつつ転写するようにしている。よって、感光基板の中心位置がステージの回転中心からずれて配置されている場合であっても、感光基板の中心を中心とする同心円状のパターンを感光基板上に形成する場合や、感光基板上に既に形成されている同心円状のパターンに合わせて像を転写して同心円状のパターンを形成する場合にも、ステージの回転中心に対して基板の中心位置を高精度に位置合わせすることなく感光基板の中心を中心とした形状のパターンを形成することができる。また、感光基板の位置情報を計測するためのマークを感光基板上に形成し、このマークの位置情報からステージの回転中心に対する感光基板の中心位置のずれ量を算出しており、感光基板の位置情報を計測するための特殊な装置を必要とせず、従来の装置を用いて容易に計測することができる。また、本発明の光学素子の製造方法は、前記所定の処理が、現像処理及びエッチング処理であり、この場合において前記マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)が、回折パターンの一部であることを特徴としている。また、前記マークの像(Im4)は、少なくとも前記感光基板の転写面上の異なる3点に形成される。本発明の露光装置は、マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)の像(Im1、Im2、Im3)を、回転するステージ(8)上に載置された感光基板(W)の転写面に転写する露光装置において、前記ステージ(8)の回転中心(C1)に対する前記感光基板(W)の中心位置(C1)のずれ量を算出するずれ量算出手段(15)と、前記ずれ量算出手段(15)の算出結果に応じて前記感光基板(W)と前記マスク(R)に形成されたパターン(P1、P2、P3)の像(Im1、Im2、Im3)との相対位置を変化させる移動手段(2、11、14、15、19)とを具備することを特徴としている。この発明によれば、ステージを回転させたときの感光基板の中心位置の移動に合わせて感光基板に対するパターンの像の相対位置を変化させつつ転写するようにしている。よって、感光基板の中心位置がステージの回転中心からずれて配置されている場合であっても、感光基板の中心を中心とする同心円状のパターンを感光基板上に形成する場合や、感光基板上に既に形成されている同心円状のパターンに合わせて像を転写して同心円状のパターンを形成する場合にも、ステージの回転中心に対して基板の中心位置を高精度に位置合わせすることなく感光基板の中心を中心とした形状のパターンを形成することができる。また、本発明の露光装置は、前記感光基板(W)の転写面に形成されたマーク(AM1、AM2、AM3、AM4)の位置情報を計測する位置情報計測装置(18)を備え、前記ずれ量算出手段(15)は、前記位置情報計測装置(18)の計測結果に基づいて前記ずれ量を算出することを特徴としている。この場合において、前記マスク(R)には前記マーク(AM1、AM2、AM3、AM4)のパターン(P4)が形成され、前記ステージ(8)及び移動手段(2、11、14、15、19)を制御して前記マーク(AM1、AM2、AM3、AM4)のパターン(P4)の像(Im4)を前記基板(W)の転写面に転写する制御手段(15)を具備することを特徴とし、また、前記制御手段(15)は、前記マーク(AM1、AM2、AM3、AM4)のパターン(P4)の像(Im4)を、少なくとも前記感光基板(W)の転写面上の異なる3点に形成することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態による光学素子の製造方法及び露光装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法において用いられる本発明の一実施形態による露光装置の概略構成を示す斜視図である。尚、以下の説明においては、図1中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、Y軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、X軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
【0018】図1において、照明光学系1は後述する主制御系15から露光光出射を指示する制御信号が出力された場合に、ほぼ均一の照度を有する露光光ILを出射してレチクルRを照射する。この照明光学系1は、図示は省略しているが、KrF(波長248nm)、又はArF(波長193nm)等のエキシマレーザ光源を備えている。また、エキシマレーザ光源から出射されたレーザ光を整形するためのシリンダレンズやビームエキスパンダ等で構成されるビーム整形光学系、照度が均一の照明光ILを生成するためのフライアイレンズ、複数のNDフィルタを備え、照明光ILのエネルギーを調整するエネルギー粗調器、及びレチクルR上の照明領域を制限するためのレチクルブラインド等が設けられている。つまり、照明光学系1がこれらの光学素子を備えることにより、照明光学系1から出射される照明光ILはレチクルRの所定領域をほぼ均一な照度分布で照明する。
【0019】照明光学系1の光軸AXはZ軸方向に対して平行に設定されており、上記照明光学系1が備える光源としては、上述のKrFエキシマレーザ(波長248nm)、又はArFエキシマレーザ(波長193nm)等のエキシマレーザ光源以外に、例えばg線(436nm)若しくはi線(365nm)又は、F2レーザ(波長157nm)等のレーザ光源、金属蒸気レーザ光源やYAGレーザの高調波発生装置等のパルス光源、更には軟X線のような極端紫外光(EUV光)のビーム発生装置を用いることもできる。
【0020】レチクルRは、フォトレジストが塗布された基板W上に転写するための微細なパターンを有し、レチクルホルダ3上に保持される。このレチクルホルダ3は図示せぬベース上のXY平面内で移動及び微小回転ができるように支持されている。2はレチクルホルダ3を駆動してレチクルRのXY平面内における位置を調整するレチクル駆動系であり、後述する主制御系15の下でレチクルRの位置の制御を行う。
【0021】上記の微細なパターンはレチクルRに設けられたパターン領域内に形成される。パターンをレチクルRのパターン領域に形成する場合、まず石英ガラス等の光透過性の基板上にクロム、又はケイ化モリブデン等のマスク材料の薄膜を形成し、この上に電子線レジストを塗布した後、電子ビーム描画装置を用いてその電子線レジスト上にパターンP1〜P4の潜像を描画する。その後、電子線レジストの現像を行ってから、エッチング、及びレジスト剥離等を施すことによって、レチクルR上のパターン領域にパターンP1〜P4を形成する。
【0022】本実施形態において、レチクルRのパターン領域には、ゾーンプレートを作成するためのパターンP1〜P3と、基板Wの位置情報を計測するために基板W上に作成するアライメントマークのパターンP4が形成されている。本実施形態においては、基板Wに形成するソーンプレートをその中心から複数箇所に分割して形成する場合を想定している。つまり、基板W上に形成するソーンプレートの中心位置からパターンP1の像Im1を基板Wが1周回転するまで転写した後、パターンP1の像Im1が転写された領域の外周にパターンP2の像Im2を転写し、更にパターンP2の像Im2が転写された領域の外周にパターンP3の像Im3を転写してゾーンプレートを作成している。尚、これらのパターンP1〜P4を露光光ILで露光する際には、図示せぬレチクルブラインドでパターンP1〜P4の何れか1つのみが露光されるように制御される。
【0023】また、レチクルRには、基板Wの基準位置に対するレチクルRの位置合わせを行うためのアライメントマー4A,4Bが形成されている。このアライメントマーク4A,4Bは、アライメントマーク4A,4Bによってパターン領域を挟む位置に形成されている。また、5A,5Bは、投影光学系PLを介してアライメントマーク4A,4Bを透過した光を反射するミラーであり、6A,6Bはミラー5A,5Bで反射された光を計測する受光して基板Wの基準位置に対するレチクルRの位置情報の計測を行うアライメントセンサである。このアライメントセンサ6A,6Bは、レチクルRを透過した光を受光して位置計測を行ういわゆるTTR(スルー・ザ・レチクル)方式のアライメントセンサの一部をなす。アライメントセンサ6A,6Bはそれぞれ結像系と、CCDカメラ等の2次元の撮像素子とを備え、撮像素子で撮像された画像情報が後述する主制御系15へ出力され、基板Wの基準位置に対するレチクルRの位置情報が計測される。
【0024】レチクルホルダ3には図示せぬL字型の移動鏡が取り付けられ、移動鏡の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計7が配置されている。尚、移動鏡はX軸に垂直な鏡面を有する移動鏡及びY軸に垂直な鏡面を有する移動鏡から構成されている。また、レーザ干渉計7は、X軸に沿って移動鏡にレーザビームを照射するX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡にレーザビームを照射する2個のY軸用のレーザ干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、レチクルホルダ3のX座標及びY座標が計測される。また、Y軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、レチクルホルダ3のXY平面内における回転角が計測される。レーザ干渉計7により計測されたX座標、Y座標、及び回転角の情報はレチクル駆動系2を介して位置情報として主制御系15に供給される。主制御系15は、供給された位置情報をモニターしつつレチクル駆動系2を介して、レチクルホルダ3の位置決め動作を制御する。
【0025】露光光ILが照明光学系1から出射された場合には、レチクルRのパターン像が投影光学系PLを介して基板W上に転写される。投影光学系PLは複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ILの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択される。尚、本実施形態においては、投影光学系PLは縮小投影光学系を想定している。つまり、レチクルRを露光光ILで露光して形成される像の縮小像が基板W上に転写される場合を想定している。
【0026】基板Wは回転ステージ8上に載置されている。回転ステージ8は回転軸C1を中心として回転し、その回転速度は回転駆動装置9により制御される。この回転駆動装置9には角度センサ10が設けられ、回転ステージ8の回転角度が検出されている。角度センサ10の検出信号は主制御系15へ出力されており、主制御系15は角度センサ10から出力される検出信号に基づいて、回転ステージ9の動作を制御する制御信号を回転駆動装置9へ出力する。
【0027】回転ステージ8はXYステージ11上に載置されている。XYステージ11は、XY平面内に基板Wを移動させるステージである。尚、図示は省略しているが、基板WのZ軸方向の位置を微調整させるZステージ及びZ軸に対する角度を変化させてXY平面に対する基板Wの傾きを調整するステージを設けることが好ましい。
【0028】XYステージ11の上面の一端にはL字型の移動鏡12X,12Yが取り付けられ、移動鏡12X,12Yの鏡面に対向した位置にレーザ干渉計13が配置されている。尚、図1に示したように移動鏡12Xに対面した位置に設けられたレーザ干渉計13と、図示は省略しているが移動鏡12Yに対面した位置に設けられたレーザ干渉計とが備えられている。これらのレーザ干渉計13によりXYステージ7のX座標及びY座標が計測される。レーザ干渉計13により計測されたX座標、Y座標及び回転角の情報はステージ駆動系14に供給される。これらの情報は位置情報としてステージ駆動系14から主制御系15へ出力される、主制御系15は、供給された位置情報をモニターしつつステージ駆動系14を介して、XYステージ11の位置決め動作を制御する。
【0029】また、XYステージ11であって回転ステージ8の近傍に光透過性の基準マーク部材16が固定され、基準マーク部材16上にX方向に所定間隔で例えば十字型の1対の基準マーク17A,17Bが形成されている。また、図示は省略しているが、基準マーク17A,17Bの底部には、露光光ILから分岐された照明光で投影光学系PL側に基準マーク17A,17Bを照明する照明系が設置されている。この基準マーク部材16は前述した基板Wの基準位置を定めるものである。
【0030】投影光学系PLの側方にはオフ・アクシスのアライメントセンサ18が設けられている。このアライメントセンサ18は、レチクルRのパターン領域3に形成されたパターンP4を基板W上に転写して形成したアライメントマークAMの位置情報を計測するためのものであり、アライメントマークAMの像を撮像して画像処理を施すことにより、アライメントマークAMの位置情報を計測するいわゆるFIA(Field Image Alignment)方式アライメントセンサである。
【0031】このアライメントセンサ18は、図示せぬハロゲンランプを光源として用い、光源から出射された照明光によって基板W上面を照射する。アライメントセンサ18は、基板W上面の反射光を取り入れ、CCD等の撮像素子により画像信号に変換して主制御系15へ出力する。主制御系15はアライメントセンサ18から出力される画像信号に対して画像処理を施して、アライメントマークAMの位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて、ステージ駆動系14又は回転駆動装置9へ制御信号を出力してXYステージ11及び回転ステージ8を制御する。尚、アライメントセンサ18において、照明光の光源としてハロゲンランプ15を用いるのは、ハロゲンランプの出射光の波長域は500〜800nmであり、基板W上面に塗布されたフォトレジストを感光しない波長域であるため、及び波長帯域が広く、基板W表面における反射率の波長特性の影響を軽減することができるためである。
【0032】更に、図1において、19は投影光学系PLの結像特性を変化させる結像特性制御装置であり、主制御系15の制御の下、投影光学系PLの結像特性を変化させる。詳細は後述するが、本実施形態においては、レチクルRに対して露光光ILを照明して得られるパターンの像Im1〜Im3を基板Wに対して相対的に移動させて転写している。結像特性制御装置19は、レチクルRの位置及び基板WのXY面内における位置を変えることなく、投影光学系PLの結像特性を変えて像Im1〜Im3のXY面内の結像位置を変えることによって像Im1〜Im3の位置と基板Wの相対位置を変化させる場合に用いられる。主制御系15は、ステージ駆動系14から出力される位置情報及びアライメント駆動系2から出力される位置情報並びにアライメントセンサ18から出力される画像信号に基づいて露光装置の全体動作を制御する。
【0033】次に、上記構成における本発明の一実施形態による露光装置を用いて光学素子を製造する方法について説明する。光学素子を製造するにあたって、まずレチクルホルダ3上にレチクルRを載置し、レチクルRと基板Wの基準位置との位置合わせを行う。前述のように、基板Wの基準位置はXYステージ11上に設けられた基準マーク部材16であるので、主制御系15はステージ駆動系14に対して制御信号を出力し、基準マーク部材16が投影光学系PLの下方に位置するように駆動させる。図2は基準マーク部材16とレチクルRとの位置合わせを行う様子を示す図である。図2に示したように、主制御系15から出力された制御信号に基づいてステージ駆動系14がXYステージ11を駆動すると、基準マーク部材16上の基準マーク17A,17Bの中心がほぼ投影光学系PLの光軸AXに合致するように、基準マーク17A,17Bが位置決めされる。
【0034】また、レチクルRのパターンが形成されたパターン領域をX方向に挟むように、十字型の2つのアライメントマーク4A,4Bが形成されており、基準マーク17A,17Bの間隔は、アライメントマーク4A,4Bの投影光学系PLによる縮小像の間隔とほぼ等しく設定されている。よって、上記のように基準マーク17A,17Bの中心をほぼ光軸AXに合致させた状態で、基準マーク部材16の底面側から露光光ILと同じ波長の照明光で照明すると、基準マーク17A,17Bの投影光学系PLによる拡大像がそれぞれレチクルRのアライメントマーク4A,4Bの近傍に形成される。
【0035】投影光学系PLを介してレチクルRのアライメントマーク4A,4B近傍に形成された拡大像は、アライメントマーク4A,4Bの像とともにミラー5A,5Bによってぞれぞれ±X方向に反射され、アライメントセンサ6A,6B内にそれぞれ入射し、アライメントセンサ6A,6Bが備えるCCDカメラによって撮像され、その撮像信号が主制御系15へ出力される。主制御系15は、アライメントセンサ6A,6Bから出力される撮像信号を画像処理して、基準マーク17A,17Bの像に対するアライメントマーク4A,4BのX方向、Y方向への位置ずれ量を求め、この2組の位置ずれ量が互いに対称に、かつそれぞれ所定範囲内に収まるようにレチクルホルダ3の位置決めを行う。これによって、基準マーク17A,17Bに対して、アライメントマーク4A,4B、ひいてはレチクルRの位置決めがなされる。
【0036】換言すると、レチクルRに形成されたパターンP1〜P4の投影光学系PLによる縮小像の中心は、実質的に基準マーク17A,17Bの中心に位置決めされ、レチクルRの直交する辺はそれぞれX軸、及びY軸に平行に設定される。この状態で主制御系15は、レーザ干渉計13によって計測されるXYステージ11のX方向、Y方向の座標を記憶するとともに、レーザ干渉計7によって計測されるレチクルホルダ3のX方向、Y方向の座標を記憶することで、レチクルRのアライメントが終了する。この後は、記憶したレチクルホルダ3のX方向の座標及びY軸の座標と、実際にレーザ干渉計7で計測されるX方向の座標及びY軸の座標とを比較することでレチクルホルダ3の位置が分かり、記憶したXYステージ11のX方向の座標及びY軸の座標と、実際にレーザ干渉計13で計測されるX方向の座標及びY軸の座標とを比較することでXYステージ11の位置が分かる。このようにして、レチクルホルダ3とXYステージ11との相対位置を自由に移動させることができる。
【0037】以上の処理によって位置合わせが終了すると、露光動作が開始される。図3及び図4は、本発明の一実施形態による露光装置を用いて光学素子を製造する方法を示すフローチャートである。処理が開始すると、まず基板Wが回転ステージ8上に搬入される(ステップS10)。搬入された基板Wは、回転ステージ8上において位置決めがなされる。図5は、基板Wを回転ステージ8に対して基板Wの位置決めを行う様子を示す図である。図5に示したように、回転ステージ8上には搬入された基板Wの位置決めを行うための2本のピン20A,20Bが設けられており、これらのピン20A,20Bに搬入した基板Wを当接させることにより回転テーブル8に対して基板Wの位置決めを行う。尚、回転テーブル8に対する位置決めは単に基板Wを単にピン20A,20Bに当接させているだけであるので、位置決め精度はさほど高くない。尚、ピン20A、20Bを用いる代わりに、回転テーブル8の上方でロードアーム(不図示)によって保持された基板Wの外周部を複数箇所で光学的に検出し、その検出結果に基づいて基板Wと回転テーブル8との位置関係を調整してから基板Wをロードアームから回転テーブル8に受け渡すようにしてもよい。このとき、基板Wの外周部の検出に用いる発光部又は受光部を回転テーブル8に設けることが好ましい。
【0038】次に、主制御系15はレチクル駆動系2に対して制御信号を出力し、パターンP1の像Im1が投影光学系PLに入射した場合に、その像Im1が投影光学系PLの露光中心に至る位置となるようにレチクルホルダ3をXY平面内で移動させ、レチクルRの位置決めを行う。また、主制御系15はステージ駆動系14に対して制御信号を出力し、パターンP1の像Im1が図1に示した位置、つまり回転ステージ8の回転中心C1の近傍に位置するようXYステージ11を移動させる(ステップS12)。また、主制御系15は照明光学系1に対して、パターンP1以外の部分に露光光ILが照明されないようレチクルブラインドの形状を設定させる。つまり、露光時においてパターンP1の像Im1だけが投影光学系PLを介して基板W上に転写されるように設定する。
【0039】以上の処理が終了すると、主制御系15は回転駆動装置9へ制御信号を出力し、回転ステージ8を駆動して基板Wの回転を開始させるとともに、照明光学系1に対して制御信号を出力して露光光ILを出射させる。露光光ILはレチクルRに形成されたパターンP1のみを露光し、露光によって形成されるパターンP1の像Im1が投影光学系に入射して所定の縮小率で縮小され、回転する基板W上に転写される。
【0040】回転ステージ8が回転している間、角度センサ10の検出信号は常時主制御系15へ出力されているため、主制御系15は基板Wの回転角度及び回転速度を常時把握し、フォトレジストに適正露光量が与えられるように回転テーブル8の速度制御を行っている。パターンP1の像Im1を基板W上に転写させてから基板Wが1回転すると、主制御系15は、照明光学系1に対して制御信号を出力して露光光ILの出射を停止させる。次に、基板W上に形成するゾーンプレートの1段目のパターンの転写が終了したか否かが判断される(ステップS16)。本実施形態においては、図1に示したように基板Wに形成するソーンプレートをその中心から複数箇所に分割して形成する場合を想定している。よって、ステップS16ではパターンP1〜パターンP3の像Im1〜Im3全てを基板W上に転写したか否かが判断される。尚、本実施形態においては、パターンP1〜パターンP3からなる3つのパターンを転写して基板W上に形成されるパターンを1段のパターンとしている。
【0041】パターンP1を転写した段階では、ステップS16の判断結果は「NO」となり、処理はステップS12へ戻る。ステップS12においては、主制御系15がレチクル駆動系2に対して制御信号を出力し、パターンP2の像Im2が投影光学系PLに入射した場合に、その像Im2が投影光学系PLの露光中心に至る位置となるようにレチクルホルダ3をXY平面内で移動させ、レチクルRの位置決めを行う。このときも、主制御系15は照明光学系1に対して、パターンP2以外の部分に露光光ILが照明されないようレチクルブラインドの形状を設定させる。また、主制御系15はステージ駆動系14に対して制御信号を出力し、パターンP2の像Im2が基板W上に既に転写されているパターンP1の像Im1の外周位置に配置されるようXYステージ11を駆動する。このとき、図1に示したように、レチクルRに形成されたパターンP1〜P3は法線方向がY軸に平行に設定されているので、主制御系15はXYステージ11をY軸に沿って負の方向へ移動させることにより、パターンP2の像Im2が基板W上に既に転写されているパターンP1の像Im1の外周位置に配置される。
【0042】以上の処理が終了すると、ステップS14へ進み、主制御系15は照明光学系1に対して制御信号を出力して露光光ILを出射させ、露光光ILがレチクルR上に露光されて形成されるパターンP2の像Im2を基板W上に転写する。像Im2が基板W上に転写されている場合も、基板Wは回転しているため、パターンP2の像Im2が基板W上において同心円状に転写される。ステップS14の処理が終了すると、再びステップS16の判断処理が行われる訳であるが、まだパターンP3の像Im3の転写が終了していないため、判断結果は「NO」となり、ステップS12へ戻る。
【0043】ステップS12においては、主制御系15がレチクル駆動系2に対して制御信号を出力し、パターンP3の像Im3が投影光学系PLに入射した場合に、その像Im3が投影光学系PLの露光中心に至る位置となるようにレチクルホルダ3をXY平面内で移動させ、レチクルRの位置決めを行う。このときも、主制御系15は照明光学系1に対して、パターンP3以外の部分に露光光ILが照明されないようレチクルブラインドの形状を設定させる。また、主制御系15はステージ駆動系14に対して制御信号を出力し、パターンP3の像Im3が基板W上に既に転写されているパターンP2の像Im2の外周位置に配置されるようXYステージ11をY軸に沿って負の方向へ移動させる。以上の処理を行って、ステップS14におけるパターンP3の像Im3の転写が終了すると、主制御系15は照明光学系1に対して制御信号を出力して露光光ILの出射を停止させる。以上の処理によって1段目のパターンの転写が終了したためステップS16の判断結果が「YES」となる。
【0044】パターンP1〜P3の像Im1〜Im3の転写が終了すると、レチクルRに形成されたパターンP4の像Im4を基板W上に転写する処理が行われる(ステップS18)。パターンP4の像Im4を転写するにあたって主制御系15は、レチクル駆動系2に対して制御信号を出力し、パターンP4の像Im4が投影光学系PLに入射した場合に、その像Im4が投影光学系PLの露光中心に至る位置となるようにレチクルホルダ3をXY平面内で移動させ、レチクルRの位置決めを行う。尚、この場合においても、主制御系15はパターンP4以外の部分に露光光ILが露光されないようレチクルブラインドを制御する。また、主制御系15はステージ駆動系14に対して制御信号を出力してXYステージ11をY軸に沿って負の方向へ移動させることにより、投影光学系PLの露光中心が、基板W上に転写されたパターンP3の像Im3の位置よりも外周に位置するように設定する。
【0045】以上の処理が終了すると、主制御系15は照明光学系1に対して制御信号を出力して露光光ILを出射させ、レチクルR上に形成されたパターンP4の位置に露光光ILを露光することによって形成されるパターンP4の像Im4を基板W上に転写する。次に、主制御系15は照明光学系1に対して制御信号を出力し、露光光ILの出射を停止させている状態で回転駆動装置9に対して制御信号を出力し、回転ステージ8を90度回転させて再び照明光学系1から露光光ILを出射させパターンP4の像Im4を基板W上に転写する。かかる動作を更に2回繰り返し、基板Wの異なる4箇所にパターンP4の像Im4を転写する。このように本実施形態においては、基板W上において互いに90度の角度をもって像Im4を4回転写する場合を例に挙げているが、転写する像Im4の数は最低限3つあればよい。また、像Im4を転写する位置は、レチクルRに形成されたパターンP1〜P3の像Im1〜Im3が転写された所以外であればどの位置であってもよい。
【0046】ステップS20の処理が終了すると、次に回転ステージ8上に載置された基板Wを露光装置から搬出する処理が行われ(ステップS20)、基板W上に塗布されたフォトレジストを現像して、例えば反応性イオンエッチング(RIE)等のエッチング処理を施し(ステップS22)、基板W上にゾーンプレートの一部をなす溝を形成する。
【0047】図6は、ステップS22までの処理が終了した基板Wを示す図であり、(a)が上面図であり、(b)が図6(a)中のA−A線の断面図である。図6において、C2は基板Wに形成されたパターン中心を示している。このパターン中心C2は基板W上に形成されたゾーンプレートの一部をなす同心円状の溝G1〜G4の中心である。尚、図3中のステップS10〜ステップS18の処理において、基板Wの中心が回転ステージ8の回転中心C1と一致するように基板Wが配置されている場合には、基板中心はパターン中心C2と一致する。尚、本実施形態においては、理解の容易のため基板中心がパターン中心C2と一致している場合を例に挙げて説明している。また、基板W上に形成される溝G1〜G5の本数及び位置は、図6に示したものに制限されず、設計するゾーンプレートに応じて設定される。
【0048】また、図6(a)に示したようにパターンP4の像Im4が転写された箇所には基板Wの位置情報を計測するためのアライメントマークAM1〜AM4が形成される。かかるアライメントマークAM1〜AM4は、パターンP4の像Im4の転写を行うにあたって、回転ステージ8のみを回転させて転写しており、XYステージ11及びレチクルホルダ3の移動はさせていない。よって、アライメントマークAM1〜AM4はパターン中心C2から等距離の位置に形成されている。
【0049】図6に示した溝G1〜G5及びアライメントマークAM1〜AM4の形成が行われると、図4に示したステップS24において露光装置内に図6に示した基板Wの搬入が行われる(ステップS24)。基板Wの搬入の際に図3中のステップS10と同様に図5に示したピン20a,20bを用いて回転ステージ8上における基板W上の位置決めがなされるが、本発明の理解を容易にするため、この位置決めにおいて、回転ステージ8の回転中心C1と基板Wのパターン中心C2とが図7に示すように一致せずに偏心して位置決めが行われたとする。図7は、基板Wが回転ステージ8に対して偏心して載置された状態を示す上面図である。尚、図7においては、理解を容易にするため、偏心量を誇張して図示している。
【0050】基板Wの位置決めが終了すると、レチクルホルダ3上に載置されたレチクルRを、第2段目のパターンを基板W上に形成するためのレチクルRに交換する処理が行われる(ステップS26)。尚、ここで交換されるレチクルRに形成されているパターンP1〜P3は、通常前工程で用いられていたレチクルRに形成されていたパターンP1〜P3のピッチよりも狭く形成されている。尚、前述したステップS22(図3)と並行してステップS26を実行して実質的にその処理時間を零にしてもよい。また、ステップS26では第2段目のパターンを有するレチクルに設けられたアライメントマーク4A、4Bと基準マーク17A、17Bとをアライメントセンサ6A、6Bで検出して、両マークの位置ずれ量が零又は所定値になるときのレチクルホルダ3及びXYステージ11のX、Y座標を計測する、即ちレチクルのアライメントが行われる。この計測された座標は後述のステップS30などで用いられることになる。
【0051】以上の処理が終了すると、主制御系15は、ステージ駆動系14に対して制御信号を出力し、アライメントセンサ18の視野が回転ステージ8の縁部付近に位置するようXYステージ11を移動させる。つまり、回転ステージ8を回転させたときに基板W上に形成されたアライメントマークAM1〜AM4がアライメントセンサ18の視野内に配置される位置にXYステージ11を移動させる。尚、本実施形態においては、アライメントマークAM1〜AM4として図6に示したライン・アンド・スペースのアライメントマークを想定しており、回転ステージ8の回転中心C1に対するずれ量を計測するようにしている。
【0052】XYステージ11の移動が完了すると、主制御系15はXYステージ11の位置が固定された状態で回転駆動装置9に対して制御信号を出力し、回転ステージ8を回転し、アライメントマークAM1〜AM4の各々の位置情報を計測する。位置情報の計測に先だって、XYステージ11の移動が完了した後、回転ステージ8を回転させて予めアライメントマークAM1〜AM4の何れかが形成されている位置を検出しておくことが好ましい。つまり、かかる動作を行うことによって例えばアライメントマークAM1が形成されている位置が検出された場合、検出された時点において角度センサ10から出力される検出信号の値を基準値とする。そして、この基準値に対して90度、180度、及び270度回転させることによってアライメントマークAM2〜AM4をアライメントセンサ18の視野内に配置させることができることになり、以後の処理が容易になるためである。
【0053】基板Wを回転させつつアライメントセンサ18から出力される画像信号に対して画像処理を施すことによって基板Wの回転角度と、アライメントマークAM1〜AM4の位置情報との関係が求まる。アライメントマークAM1〜AM4の位置情報はアライメントセンサ18から出力される画像信号を処理し、例えばその中心位置を求めることによって得られる。
【0054】いま、例えば図8に示した関係が得られたとする。図8は、基板Wの回転角度とアライメントマークAM1〜AM4の位置情報との関係の一例を示す図である。図8に示したように、回転ステージ8の回転角度、即ち基板Wの回転角度に応じてアライメントマークAM1〜AM4の計測値d1〜d4が異なる。回転ステージ8の回転中心C1に対するアライメントセンサ18の位置は固定されているので、仮に基板Wのパターン中心C2が回転ステージ8の回転中心C1と一致しており基板Wが偏心していなければ、アライメントマークAM1〜AM4の位置情報の計測値は同じ値となる。図8に示したように、回転ステージ8の回転角度に対してアライメントマークAM1〜AM4の位置情報の計測値d1〜d4のバラツキがある場合には、回転ステージ8の回転中心C1に対して基板Wのパターン中心C2が偏心していることを意味する。
【0055】次に、基板Wの回転角度とアライメントマークAM1〜AM4の位置情報との関係から、回転ステージ8の回転中心C1に対する基板Wのパターン中心C2のずれ量を計測する処理が行われる(ステップS28)。以下、回転ステージ8の回転中心C1に対する基板Wのパターン中心C2のずれ量を計測する処理について詳細に説明する。図9は、回転ステージ8の回転中心C1に対する基板Wのパターン中心C2のずれ量を計測する処理手順を説明するための図である。図8に示した計測値d1〜d4を各々の角度に対応させて配置すると、図9に示した通りに配置される。
【0056】前述した通り、回転ステージ8の回転中心C1に対してアライメントセンサ18の位置は固定されており、主制御系15はXYステージ11の動作を制御しているため、主制御系15は回転ステージ8の回転中心C1の位置は既知である。図9において、主制御系15が把握している回転ステージ8の回転中心C1の位置に符号P1を付している。尚、図9中において、符号a1が付された円は、回転中心C1の位置P1を中心とする補助円であり、理解を容易にするために図示したものである。
【0057】回転ステージ8の回転中心C1に対する基板Wのパターン中心C2のずれ量を計測するために、主制御系15は、まず図9に示したように配置された計測値d1〜d4から図中符号a2を付した円を得る。本実施形態においては、計測値d1〜d4はアライメントマークAM1〜AM4の中心を示す値であるので、計測値d1〜d4から得られる円a2は、アライメントマークAM1〜AM4の中心位置を通る円である。この円a2を求めると、次に円a2の中心P2の位置情報を求める。この中心P2の位置情報は、基板Wのパターン中心C2の位置情報を示している。よって、主制御系15は、予め把握している回転ステージ8の回転中心C1の位置情報P1と基板Wのパターン中心C2の位置情報P2とが得られたことになり、回転ステージ8の回転中心C1の位置情報P1から位置情報P1と基板Wのパターン中心C2の位置情報P2を減算することで回転ステージ8の回転中心C1に対する基板Wのパターン中心C2のずれ量を計測することができる。
【0058】回転ステージ8の回転中心C1に対する基板Wのパターン中心C2のずれ量の計測が終了すると、主制御系15はステージ駆動系14に対して制御信号を出力し、ステップS12においてXYステージ11を移動させた位置にXYステージ11を移動させる。また、主制御系15はレチクル駆動系2に対して制御信号を出力し、新たにレチクルホルダ3に載置されたパターンP1の像Im1が投影光学系PLに入射した場合に、その像Im1が基板Wに既に形成された位置にかさなるよう、ステップS28で計測したずれ量を考慮してレチクルホルダ3をXY平面内で移動させ、レチクルRの位置決めを行う(ステップS30)。
【0059】基板W及びレチクルRの位置決めが終了すると、主制御系15は回転駆動装置9に対して制御信号を出力して回転ステージ8の回転を開始させるとともに、照明光学系1に対して制御信号を出力して露光光ILを出射させ、露光光ILがレチクルR上に露光されて形成されるパターンP1の像Im1を基板W上に転写する。このとき、基板Wのパターン中心C2が回転ステージ8の回転中心C1に対してずれているため、回転ステージ8が回転すると基板Wのパターン中心C2は回転ステージ8の回転中心C1を中心として円運動をする。基板Wのパターン中心C2が円運動とすると、基板Wに既に形成されているパターンと、基板W上面に転写されるパターンR1の像が回転が進むにつれてずれる。このようなずれが生ずると、基板Wに形成されるゾーンプレートが設計通りの光学性能を果たさなくなる。
【0060】そこで、本実施形態においてはかかるずれを防止するため、基板Wのパターン中心C2の円運動に同期してレチクルホルダ3を移動させる。図10(a)〜図10(d)はレチクルホルダ3の動かし方を説明する図であり、理解の容易のため回転ステージ8の回転中心C1、基板Wのパターン中心C2、及びレチクルRに形成されたパターンP1の像Im1のみを図示している。尚、パターンP1の像Im1はその外形のみを図示している。図10(a)〜図10(d)に示したように、回転ステージ8の回転中心C1に対して基板Wのパターン中心C2がずれているため、回転ステージ8の回転に伴い基板Wのパターン中心C2が符号TR1を付した軌跡に沿って回転運動をする。
【0061】いま、図10(a)に示した状態でパターンP1の像Im1の基板W上への転写が開始されたとする。図10(a)に示したように、像Im1の先端部Qが基板Wのパターン中心C2の位置に配置され、像Im1の長手方向がD1方向に設定された状態で転写が開始される。回転ステージ8の回転が進み、基板Wのパターン中心C2が図10(b)に示した位置に達しても、像Im1の長手方向がD1方向に設定され、先端部Qが基板Wのパターン中心C2に配置されている。同様に、図10(c)に示した状態、図10(d)に示した状態に像Im1が移動されるようにレチクルホルダ3を移動させる。このようにレチクルRを移動させて基板Wに対する像Im1の位置を移動させることにより、基板Wに既に形成されているパターンと転写される像とを設計通りに重ね合わせることができる。これは、パターンP2の像Im2及びパターンP3の像Im3を転写する場合も同様である。
【0062】尚、基板Wは、回転ステージ8の回転軸C1を中心として全体が回転しているため、一度像Im1が転写された箇所がレチクルRの移動により再び像Im1によって転写されることはない。以上の処理によって、基板Wの回転に同期してレチクルRを移動させ、レチクルRに形成されたパターンP1の像を、基板Wを回転させつつ基板W上に転写する処理が行われる(ステップS32)。この処理は基板W上へ像Im1の転写を開始させてから基板Wを1回転すると終了する。
【0063】次に、基板W上に形成するゾーンプレートのn(nは自然数)段目のパターンの転写が終了したか否かが判断される(ステップS16)。パターンP1の像Im1の転写が終了した時点においては、まだパターンP2の像Im2及びパターンP3の像Im3の像の転写が終了していないので、ステップS16の判断結果は「NO」となる。その後、パターンP3の像Im3の転写が終了するまでステップS30及びステップS32の処理が繰り返される。パターンP3の像Im3の転写が終了すると、ステップS34の判断結果が「YES」となり、処理はステップS36へ進む。
【0064】ステップS36では、パターンP1の像Im1〜パターンP3の像Im3の転写が終了した回転ステージ8上に載置された基板Wを露光装置から搬出する処理が行われ(ステップS36)、基板W上に塗布されたフォトレジストを現像して、例えば反応性イオンエッチング(RIE)等のエッチング処理を施し(ステップS38)、基板W上にゾーンプレートの一部をなす溝を、既に形成されている溝に合わせて形成する。かかる処理が終了すると、基板Wに形成する全ての段についてのパターン形成が終了したか否かが判断され(ステップS40)、判断結果が「NO」の場合には処理はステップS24へ戻る。一方、ステップS40の判断結果が「YES」の場合には、処理は終了する。
【0065】以上、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法及び露光装置について説明してきたが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、回転ステージ8の回転軸C1からずれた状態で配置されて回転する基板Wに既に形成されているパターンと、パターンP1〜P3の像Im1〜Im3とをレチクルRを移動させることにより位置合わせを行って転写していたが、本発明はこれに限られない。例えばレチクルRの位置は固定した状態で、基板Wに形成されたパターンのパターン中心C1の円運動に同期してXYステージ11を移動させる場合であっても本発明を適用することができる。また、レチクルRの位置及び基板WのXY面内における位置を変えることなく、主制御系15が結像特性制御装置19を介して投影光学系PLの結像特性を変えて基板Wに形成されたパターンのパターン中心C2の回転動作に同期させて像Im1〜Im3のXY面内の結像位置を変える場合も本発明を適用することができる。
【0066】また、上述の実施形態においては、基板Wにパターンが既に形成されており、このパターンに重ねてレチクルRに形成されたパターンP1〜P3の像Im1〜Im3を転写する場合にレチクルRを移動させて基板Wに対する像Im1〜Im3の相対位置を移動させる場合について例を挙げて説明した。しかしながら、本発明はこれに制限されず、基板Wにパターンが形成されていない状態であっても基板Wと像Im1〜Im3との相対位置を移動させる場合についても適用することができる。この場合は、例えば基板Wが円形形状をしており、この基板Wの中心を中心とする同心円状のパターンを形成する必要がある場合に本発明を用いると好適である。
【0067】以上の説明において、発明の本質的部分についての実施形態について説明したが、次に上述の実施形態を用いて光学素子の1つであるフレネル・ゾーン・プレートの製造方法について説明する。図11は、フレネル・ゾーン・プレート製造方法を説明するための断面図である。図11においては、波長λ=632.8nmのHe−Neレーザを光源とし、+1次回折光もしくは−1次回折光の理論上の最大回折効率が95%となるような、8段階層構造を有するフレネル・ゾーン・プレートを製造する場合を例に挙げて説明する。
【0068】まず、図11(a)に示すように外径60mm、厚さ10mmの光学研磨された高純度合成石英の光透過性基板「0」上に、屈折率nS=1.67のAl23膜からなる第一のエッチングストッパ層「A」を設け、更に屈折率n=1.461のSiO2膜からなる第一の透明層「1」をそれぞれイオンビームアシスト蒸着を施し、更に連続して第一の透明層「1」上に電子ビーム蒸着法でCr膜を50nmで形成したものを用意する。これが基板Wとなる。
【0069】次に、上記第一のストッパ層「A」と第一の透明層「1」上にCr膜が形成された基板W上にフォトレジストをスピンコーティングなどの塗布法で塗布し、加熱乾燥処理を施し、厚さ0.5μm程度のレジスト層を形成する。続いて、かかる基板Wを露光装置内に搬入し、設計するフレネル・ゾーン・プレートに応じて8段階層構造のうちの2段構造に対応するパターンの施されているレチクルRをレチクルウェハ3上に載置し、このレチクルRと基板Wの位置合わせを行った後、図2中のステップS14の処理を行い、基板Wを回転しつつ、レチクルRに形成されたパターンの像を基板W上に転写する。また、図6(a)に示すアライメントマークAM1〜AM4を形成するための像も転写する。
【0070】各種パターンの転写が終了すると、第一のレジストパターンが形成された基板を反応性イオンエッチング装置に入れて、Crを第一のレジストパターンに応じてエッチングし、Crエッチングの後基板W上に設けられたレジストを除去する。以上の操作によってCr膜にレジストパターンが転写されたことになる。続いて、このCrパターンをマスクと、空気面に接した第一の透明層「1」をエッチングする。エッチング終了後、マスクであるCrを除去し、純水リンスと乾燥工程を経て完成する。以上の工程により、一部第一のエッチングストッパ層「A」が露出した状態で、第一の透明層パターン「1a」が形成される(図11(b)参照)。
【0071】このように、形成された第一の透明層パターン「1a」の上部のみにAl23膜を蒸着し、第二のエッチングストッパ層「B」を形成する(図11(c))。これは、例えば露出した第一のストッパ層「A」上にはレジストを塗布しておき、このレジストごとその上のAl23を除去するなどの方法によって第一の透明層パターン「1a」上部のみに第二のエッチングストッパ層「B」を形成する。この時点で、2段階層構造のパターンが形成されている。
【0072】さらに、図1(a)に示した場合と同様の手法により、露出している第一のストッパ層「A」と、第二のストッパ層「B」との表面上に、第二の透明層「2」を形成する(図11(d)参照)。更に連続して第二の透明層「2」上に電子ビーム蒸着法でCr膜を50nmで作製し、このCr膜上にレジストをスピンコーティング塗布し、加熱乾燥処理を施し、厚さ0.5μm程度のレジスト層を形成する。続いて、形成するパターンの形状に応じて8段階層構造のうちの4段構造に対応するパターンの施されているレチクルを使用して、第二の透明層「2」上のレジストを露光する処理が行われる。かかる場合には、図11(c)に示した基板W上に既に形成されているパターンと露光処理によって転写が行われる像との位置合わせの際に、図4中のステップS32の処理が行われる。そして、露光したレジストを現像することにより第二のレジストパターンを作製する。
【0073】この第二のレジストパターンをマスクとして、第二の透明層「2」上のCr膜をエッチングすることによってパターンを転写した後、第二のレジストパターンを取り除いた。次に、このCrパターンをマスクとして、第一の透明層「1」のエッチング工程と同様の条件で、第二の透明層「2」の反応性イオンエッチングを行ない、第二の透明層パターン2aを形成する(図11(e)参照)。
【0074】次に、第二の透明層パターン2a上部のみに、Al23膜を蒸着し、第三のエッチングストッパ層Cを形成する(図11(f)参照)。この時点で、4段階層構造のパターンが形成されている。さらに、上記の4段階層構造を形成するまでと同様の工程を繰返して8段階層構造のパターンを形成する。つまり、露出している第一のストッパ層「A」、第二のストッパ層「B」、及び第三のストッパ層Cの表面上全面に第三の透過層3を形成した(図11(g)参照)た。これら第三の透過層3上にCr膜、レジスト層を形成した後、8段階層構造の回折パターンに対応するレチクルパターンを用いて、パターンの像をレジスト、更にCr膜に順次転写する。この場合にも図11(c)に示した基板W上に既に形成されているパターンと露光処理によって転写が行われる像との位置合わせの際に、図4中のステップS32の処理が行われる。これによって形成されたCrパターンをマスクとして第三の透明層3に反応性イオンエッチングを行ない、第三の透明層パターン3aを形成する(図11(h)参照)。以上の工程を経ることにより、最終的に図11(i)に示すフレネル・ゾーン・プレートが形成される。尚、以上説明した光学素子の製造方法においては、光透過性基板、透明層、エッチングストッパ層、また反射防止膜は、用いた光源の波長が、632.8nmであることから選択されたものであり、これらの各層(膜)に用いる材質や特性は、使用する光の波長に応じてそれぞれ各層の作用を発揮し得るものを適宜選択してやれば良い。
【0075】以上、本発明の一実施形態による光学素子の製造方法及び露光装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に設計の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、FIA方式のアライメントセンサ18を用いて撮像したアライメントマークAM1〜AM4の画像信号に対して画像処理を施してアライメントマークAM1〜AM4の位置情報を計測する場合を例に挙げて説明したがこれに限られず、LSA方式のアライメントセンサ及びLIA方式のアライメントセンサについても本発明を適用することができる。
【0076】尚、前述した本発明の一実施形態による露光装置(図1)は、基板Wを精度よく高速に位置制御することができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光が可能となるように、照明光学系1、レチクルホルダ3、レチクル駆動系2、及びレーザ干渉計7を含むマスクアライメント系、回転ステージ8、XYステージ11、移動鏡12X,12Y、及びレーザ干渉計13、及びステージ駆動系14を含むウェハアライメント系、投影光学系PL等の図1に示された各要素が電気的、機械的、又は光学的に連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。尚、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0077】投影光学系PLは縮小系のみならず等倍系及び拡大系のいずれでも良い。更に、投影光学系PLは屈折系のみならず反射系及び反射屈折系のいずれでもよい。また、露光用照明光ILは遠紫外光又は真空紫外光などに限られるものではなく、軟X線領域(波長5〜50nm程度)のEUV光、又は硬X線を用いてもよいし、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などを用いてもよい。投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればいい。なお、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0078】ウェハホルダをステージ上に載置する場合、ステージとしてリニアモータ(USP5、623,853又はUSP5、528、118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもいい。ステージの駆動装置としては、2次元に磁石を配置した磁石ユニットと、2次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力によりステージを駆動する平面モ−タを用いてもいい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージの移動面側に設ければよい。
【0079】ウェハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報(USP5、528、118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもいい。マスクステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、ステージを回転させたときの感光基板の中心位置の移動に合わせて感光基板に対するパターンの像の相対位置を変化させつつ転写するようにしている。よって、感光基板の中心位置がステージの回転中心からずれて配置されている場合であっても、感光基板の中心を中心とする同心円状のパターンを感光基板上に形成する場合や、感光基板上に既に形成されている同心円状のパターンに合わせて像を転写して同心円状のパターンを形成する場合にも、ステージの回転中心に対して基板の中心位置を高精度に位置合わせすることなく感光基板の中心を中心とした形状のパターンを形成することができるという効果がある。また、本発明によれば、感光基板の位置情報を計測するためのマークを感光基板上に形成し、このマークの位置情報からステージの回転中心に対する感光基板の中心位置のずれ量を算出しており、感光基板の位置情報を計測するための特殊な装置を必要とせず、従来の装置を用いて容易に計測することができるという効果がある。




 

 


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