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フォトマスクの製造方法、及びデバイスの製造方法 - 株式会社ニコン
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発明の名称 フォトマスクの製造方法、及びデバイスの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−92104(P2001−92104A)
公開日 平成13年4月6日(2001.4.6)
出願番号 特願平9−360027
出願日 平成9年12月26日(1997.12.26)
代理人 【識別番号】100098165
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 聡
【テーマコード(参考)】
2H095
【Fターム(参考)】
2H095 BA02 BA05 BB10 BB12 BB28 
発明者 白石 直正
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 転写用のパターンの形成されたフォトマスクの製造方法において、前記転写用のパターン、又はこの拡大パターンをそれぞれN組(Nは2以上の整数)の複数枚の親マスクのパターンに分割し、前記フォトマスク用の基板の表面に前記N組の複数枚の親マスクのパターンの像を画面継ぎを行いながら順次重ねて転写することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項2】 前記N組の複数枚の親マスクのパターンは、前記転写用のパターン、又はこの拡大パターンを互いに同じ配列で分割した複数のパターンであることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項3】 前記N組の複数枚の親マスクのパターンの内の少なくとも1組の複数枚の親マスクのパターンは、他の所定の1組の複数枚の親マスクのパターンと分割方法が異なることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項4】 前記N組の複数枚の親マスクのパターンの内の少なくとも1組の複数枚の親マスクのパターンは、他の所定の1組の複数枚の親マスクのパターンの継ぎ合わせ領域を含むことを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項5】 デバイスパターンを有するフォトマスクの製造方法において、前記デバイスパターンの複数の分割パターンの一つをマスク基板上に転写し、その一つの分割パターンと少なくとも一部が同一の別の分割パターンを、その同一部分が重なるように前記マスク基板上に転写することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項6】 前記複数の分割パターンはそれぞれ光ビームで露光されると共に、その縮小像が前記マスク基板上につなぎ合わされて転写されることを特徴とする請求項5記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項7】 前記フォトマスクは更に縮小投影で使用されることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載のフォトマスクの製造方法。
【請求項8】 所定のパターンを基板上に形成するためのデバイスの製造方法において、前記所定のパターンを拡大した第1のパターンを更に拡大した第2のパターンをそれぞれN組(Nは2以上の整数)の複数枚の親マスクのパターンに分割し、前記N組の複数枚の親マスクのパターンを順次画面継ぎを行いながら所定の基板上に重ねて縮小投影することによって前記第1のパターンが形成された実露光用のフォトマスクを製造し、該実露光用のフォトマスクのパターンの縮小像を前記基板上に転写することを特徴とするデバイスの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ技術を用いて製造する際に原版パターンとして使用されるフォトマスクの製造方法に関する。更に本発明は、そのようなフォトマスクを使用したデバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路等のデバイスを製造する際に、形成すべき回路パターンを例えば4〜5倍程度に拡大した原版パターンが形成されたフォトマスクを使用して、このフォトマスクのパターンを縮小投影光学系を介してウエハ、又はガラスプレート等の被露光基板上に縮小投影する転写方式が用いられている。このようなフォトマスクのパターンの転写の際に使用されるのが露光装置であり、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置で使用されるフォトマスクは、レチクルとも呼ばれている。
【0003】従来、そのようなフォトマスクは、所定の基板(ブランクス)上に電子ビーム描画装置、又はレーザビーム描画装置を用いて原版パターンを描画することによって製造されていた。即ち、その基板上にマスク材料を形成してレジストを塗布した後、電子ビーム描画装置、又はレーザビーム描画装置を用いてその原版パターンが描画される。その後、そのレジストの現像を行って、エッチング処理等を行うことによって、そのマスク材料によってその原版パターンが形成されていた。この場合、そのフォトマスクを使用する縮小投影型の露光装置の縮小倍率を1/β倍とすると、そのフォトマスクに描画される原版パターンは、デバイスのパターンをβ倍に拡大したパターンでよいため、描画装置による描画誤差は、デバイス上ではほぼ1/β倍に縮小される。従って、実質的に描画装置による解像力のほぼ1/β倍の解像力でデバイスのパターンを形成できることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来は、フォトマスクの原版パターンは電子ビーム描画装置、又はレーザビーム描画装置によって描画されていた。これらの描画装置は、制御用のコンピュータからの描画データに基づいて直接その原版パターンを描画している。ところが、最近のLSI等のデバイスは大面積化すると共に、微細度及び集積度が益々向上しているため、その露光に必要なフォトマスクの原版パターンも大面積化し、かつ微細化している。更に、フォトマスクとしては、二重露光用で不要なパターンの転写を防ぐための補正パターンを設けたレチクル、及び隣接するパターン間に位相シフタを設けたいわゆる位相シフトレチクル等も使用されることがあるが、これらの特別なフォトマスクでは描画データの量が他のフォトマスクに比べて多くなる傾向がある。これらより、フォトマスクを製造するための描画装置で必要となる描画データは莫大な量となっている。
【0005】そのため、その描画装置によって1枚のフォトマスクの原版パターンを描画するのに要する描画時間は、最近では10時間から24時間位いにもなって来ている。このような描画時間の長時間化は、フォトマスクの製造コスト上昇の一因となっている。これに関して、電子ビーム描画装置では、電子ビーム特有の後方散乱の影響による近接効果の補正を行う必要があり、更に基板の表面の帯電による基板の周辺での電界むらの補正を行う必要もある。そのため、設計通りの原版パターンを描画するためには、予め描画位置の誤差等の測定を種々の条件で行っておき、描画時に複雑な補正を高精度に、かつ安定に行う必要がある。しかしながら、上記のように非常に長い描画時間中にそのような複雑な補正を高精度に、かつ安定に継続して行うのは困難であり、描画中に描画位置のドリフトが生じたりするという不都合があった。また、描画を中断してキャリブレーションを行うことも可能であるが、これによって全体の描画時間が更に長くなるという不都合もある。
【0006】そのため、今後半導体素子等のパターンルールが更に微細化して来ると、1枚のフォトマスクの原版パターンの描画時間が長くなり過ぎて、位置精度がばらついて、必要な描画精度が得られなくなる恐れがある。また、制御用のコンピュータにおける描画データの量も、1回の描画で使用するのは困難である程莫大になりつつある。
【0007】一方、レーザビーム描画装置は、紫外域のレーザビームを用いて原版パターンを描画するものであり、電子ビーム描画装置と比べて高い解像力の得られるレジストを使用できると共に、後方散乱による近接効果が無いという利点がある。しかしながら、レーザビーム描画装置の解像力は、電子ビーム描画装置に比べると劣っている。また、レーザビーム描画装置においても、原版パターンを直接描画する方式であるため、描画データの量は莫大となってデータ処理が困難になりつつあると共に、描画時間が極めて長時間になるため、描画位置のドリフト等によって必要な描画精度が得られなくなる恐れがある。
【0008】また、フォトマスクの原版パターンを製造する際に、光学式の投影露光装置を使用して所定のパターンをそのフォトマスク用の基板上に転写することも考えられているが、その転写を行う際に使用される投影光学系にディストーションや転写線幅均一性のばらつき等があると、その原版パターンの精度が低下してしまう。
【0009】本発明は斯かる点に鑑み、原版パターンを高精度に、かつ短時間に形成できるフォトマスクの製造方法を提供することを第1の目的とする。更に本発明は、フォトマスクを製造する際に投影露光装置を使用する場合に、そこで使用される投影光学系の所定の結像特性が劣化している場合に、その結像特性を実質的に補正できるようなフォトマスクの製造方法を提供することを第2の目的とする。
【0010】また、本発明は、そのようなフォトマスクの製造方法を使用してデバイスのパターンをより高精度に形成できるデバイスの製造方法を提供することを第3の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のフォトマスクの製造方法は、転写用のパターンの形成されたフォトマスク(34)の製造方法において、その転写用のパターン(27)、又はこの拡大パターン(36)をそれぞれN組(Nは2以上の整数)の複数枚の親マスク(R1〜RN,Q1〜QN)のパターンに分割し、そのフォトマスク用の基板(4)の表面にそれらN組の複数枚の親マスクのパターンの像を画面継ぎを行いながら順次重ねて転写するものである。
【0012】斯かる本発明によれば、そのフォトマスクを製造する際には、一例として、そのフォトマスクの基板(4)上にマスク材料の薄膜が形成され、この上にフォトレジスト等の感光材料が塗布される。その後、その感光材料上に例えば光学式で縮小投影型の露光装置を用いて、ステップ・アンド・リピート方式、又はステップ・アンド・スキャン方式でN組の複数枚の親マスクのパターンの像(又は縮小像)が重ねて転写された後、その感光材料の現像が行われる。それから、残された感光材料のパターンをマスクとしてエッチング等を行うことによって、所望の転写用のパターン(原版パターン)が形成される。
【0013】この際に、N組の親マスクのパターンの多重露光によって、親マスクのパターンの描画誤差が、その多重露光の回数分で平均化されるため、そのフォトマスク上の転写用のパターン(原版パターン)の線幅誤差や位置誤差等を大きく低減できる。更に、一度それらの親マスクを製造した後は、それらの親マスクのパターンをステップ・アンド・リピート方式等でそのフォトマスクの基板上に高速に転写できるため、特にそのフォトマスクを複数枚製造する場合の製造時間を、従来のように個々に描画装置で描画する方式に比べて大幅に短縮できる。
【0014】また、そのフォトマスク製造用の例えば光学式の露光装置が1/α倍(αは1より大きい整数、半整数等)の縮小投影とすると、その転写用のパターン(27)、即ち原版パターンはα倍に拡大され、この拡大された親パターン(36)が縦横に例えばα×α枚の1組の親マスクのパターンに分割される。縮小倍率が1/5倍(α=5)であれば、5×5倍で25枚の親マスクが用意される。同様に、他の組の親マスクのパターンも、その拡大された親パターン(36)を分割したパターンである。この結果、各親マスクに形成されるパターンは、原版パターンをα倍に拡大した親パターンの一部となるため、各親マスクのパターンの描画データ量は従来の1/α2 程度に減少し、最小線幅は従来のα倍となる。従って、各親マスクのパターンはそれぞれ例えば従来の電子ビーム描画装置、又はレーザビーム描画装置を用いて短時間に、少ないドリフトで高精度に描画できる。また、描画装置による描画誤差は、そのフォトマスク上では1/αに減少するため、原版パターンの精度はより向上する。
【0015】この場合、そのN組の複数枚の親マスクのパターンの一例は、その転写用のパターン、又はこの拡大パターンを互いに同じ配列で分割した複数のパターンである。このように同じ配列で分割した親マスクのパターン像を多重露光することで、それらの親マスクの描画装置の描画誤差が平均化されて小さくなる。また、そのN組の複数枚の親マスクのパターンの内の少なくとも1組の複数枚の親マスクのパターン(BI1〜BI26)を、他の所定の1組の複数枚の親マスクのパターン(PI1〜PI26)と分割方法を異ならしめることが望ましい。このように分割方法を変えておくと、そのフォトマスクの基板上に多重露光されるパターン像は、それらの親マスクのパターン像を投影する投影光学系の露光エリア内の異なる位置で多重露光される。従って、その投影光学系のディストーションや、露光エリア内の位置による転写線幅均一性の誤差が平均化されて、そのフォトマスクのパターンの精度が向上する。
【0016】また、そのN組の複数枚の親マスクのパターンの内の少なくとも1組の複数枚の親マスクのパターンは、他の所定の1組の複数枚の親マスクのパターンの継ぎ合わせ領域を含むことが望ましい。これによって、画面継ぎしながら露光する際の継ぎ誤差も平均化されて低減する。次に、本発明による第2のフォトマスクの製造方法は、デバイスパターンを有するフォトマスクの製造方法において、そのデバイスパターンの複数の分割パターンの一つ(P1〜PN)をマスク基板(4)上に転写し、その一つの分割パターンと少なくとも一部が同一の別の分割パターン(A1〜AN)を、その同一部分が重なるようにそのマスク基板(4)上に転写するものである。
【0017】斯かる本発明によれば、それらの分割パターンを電子ビーム描画装置等で描画するものとすると、2つの分割パターンを重ねて露光することによって、2つの分割パターンの描画誤差が平均化されるため、デバイスパターンの精度が向上する。更に、それらの分割パターンはステップ・アンド・リピート方式等で繰り返して使用できるため、多数のフォトマスクを高速に製造できる。
【0018】この場合、それら複数の分割パターンはそれぞれ光ビームで露光されると共に、その縮小像が所定のマスク基板(4)上につなぎ合わされて転写されることが望ましい。この縮小投影によって、それらの分割パターンの描画誤差がそのフォトマスク上で小さくなるため、デバイスパターンの精度が向上する。次に、そのフォトマスクは更に縮小投影で使用されることが望ましい。そのフォトマスクは、例えば1/β倍(βは1より大きい整数、又は半整数等)の縮小投影で使用されるものとして、そのフォトマスクを製造するための露光装置の縮小倍率を1/α倍(αはβと同様に1より大きい整数、又は半整数等)であるとすると、各親マスクのパターンの描画誤差は、最終的に露光されるデバイスパターン上で1/(α・β)倍に縮小される。従って、デバイスパターンの最小線幅を仮に現在の1/2にするような場合にも、各親マスクのパターン(分割パターン)を電子ビーム描画装置、又はレーザビーム描画装置等を用いて必要な精度で容易に、かつ短時間に描画できる。従って、パターンルールが更に微細化しても、必要な精度で所望のデバイスパターンを露光できる。
【0019】また、その基板(4)の表面に複数枚の親マスク(分割パターン)のパターンを順次重ねて転写する際に、そのフォトマスクを使用する投影露光装置の投影光学系(42)の非回転対称収差とディストーション特性との少なくとも一方に応じてその親マスクのパターンの縮小像の結像特性(転写位置、倍率、ディストーション等)をそれぞれ補正することが望ましい。これによって、最終的にそのフォトマスクを用いて露光されるデバイスパターンの歪等が小さくなり、重ね合わせ精度等が向上する。
【0020】これに関して、そのフォトマスクを多数枚製造して、これらのフォトマスクをミックス・アンド・マッチ方式等で複数台の投影露光装置で使用する場合もある。この場合に、それぞれの投影露光装置で良好な重ね合わせ精度が得られるように、それらのフォトレジストを使用する予定の少なくとも2台の投影露光装置の投影像のディストーション特性等の平均的な特性に応じて、各親マスクのパターンをつなぎ合わせて転写する際の転写位置や像特性等を調整することが望ましい。
【0021】また、それら親マスク(分割パターン)の一部を位相シフトレチクル等としてもよく、更に親マスク毎に結像特性を最適化することが望ましい。次に、本発明によるデバイスの製造方法は、所定のパターンを基板(W)上に形成するためのデバイスの製造方法において、その所定のパターンを拡大した第1のパターン(27)を更に拡大した第2のパターン(36)をそれぞれN組(Nは2以上の整数)の複数枚の親マスクのパターン(P1〜PN,Q1〜QN)に分割し、それらN組の複数枚の親マスクのパターンを順次画面継ぎを行いながら所定の基板(4)上に重ねて縮小投影することによってその第1のパターン(27)が形成された実露光用のフォトマスク(34)を製造し、この実露光用のフォトマスクのパターンの縮小像をその基板(W)上に転写するものである。
【0022】斯かる本発明によれば、その基板(W)上に形成されるデバイスのパターンからその第1のパターン(27)への倍率をβ倍(βは1より大きい整数、半整数等)、その第1のパターンからその第2のパターン(36)への倍率をα倍(αはβと同様に1より大きい整数、半整数等)とすると、それら親マスクのパターンの線幅はそのデバイスのパターンの線幅のα・β倍となる。従って、それら親マスクのパターンを電子ビーム描画装置等で描画する際の線幅の描画誤差をΔdとすると、そのデバイスのパターンの線幅の誤差はほぼΔd/(α・β)に低減するため、そのデバイスのパターンを極めて高精度に形成できる。
【0023】また、N組の親マスクのパターンの縮小像を重ねて転写しているため、平均化効果によってその描画装置の描画誤差、及び親マスクのパターンを縮小転写するための投影光学系のディストーション等の影響も軽減される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例につき図面を参照して説明する。図1は、本例のフォトマスクの製造工程を示す図であり、図1において、本例で製造対象とするフォトマスクは、実際に半導体デバイスを製造する際に使用されるワーキングレチクル34である。このワーキングレチクル34は、石英ガラス等からなる光透過性の基板の一面に、クロム(Cr)、ケイ化モリブデン(MoSi2 等)、又はその他のマスク材料より転写用の原版パターン27を形成したものである。また、その原版パターン27を挟むように2つのアライメントマーク24A,24Bが形成されている。
【0025】更に、ワーキングレチクル34は、光学式の投影露光装置の投影光学系を介して、1/β倍(βは1より大きい整数、又は半整数等であり、一例として4,5,又は6等)の縮小投影で使用されるものである。即ち、図1において、ワーキングレチクル34の原版パターン27の1/β倍の縮小像27Wを、フォトレジストが塗布されたウエハW上の各ショット領域48に露光した後、現像やエッチング等を行うことによって、その各ショット領域48に所定の回路パターン35が形成される。また、本例ではその投影露光装置の投影像の非回転対称収差、及びディストーション特性等の結像特性は予め計測されており、この計測結果が後述のようにそのワーキングレチクル34の製造時に利用される。以下、本例のフォトマスクとしてのワーキングレチクル34の製造方法の一例につき説明する。
【0026】図1において、まず最終的に製造される半導体デバイスの或るレイヤの回路パターン35が設計される。回路パターン35は直交する辺の幅がdX,dYの矩形の領域内に種々のライン・アンド・スペースパターン等を形成したものである。本例では、その回路パターン35をβ倍して、直交する辺の幅がβ・dX,β・dYの矩形の領域よりなる原版パターン27をコンピュータの画像データ上で作成する。β倍は、ワーキングレチクル34が使用される投影露光装置の縮小倍率(1/β)の逆数である。なお、反転投影されるときは、反転して拡大している。
【0027】次に、その原版パターン27をα倍(αは1より大きい整数、又は半整数等であり、一例として4,5,又は6等)して、直交する辺の幅がα・β・dX,α・β・dYの矩形の領域よりなる親パターン36を画像データ上で作成し、その親パターン36を縦横にそれぞれα個に分割して、α×α個の親パターンP1,P2,P3,…,PN(N=α2 )を画像データ上で作成する。図1では、α=5の場合が示されている。なお、この親パターン36の分割数αは、必ずしも原版パターン27から親パターン36への倍率αに合致させる必要は無い。その後、それらの親パターンPi(i=1〜N)よりそれぞれ電子ビーム描画装置(又はレーザビーム描画装置等も使用できる)用の描画データを生成し、その親パターンPiをそれぞれ等倍で、第1組のN枚の親マスクとしてのマスターレチクルRi上に転写する。
【0028】例えば1枚目のマスターレチクルR1を製造する際には、石英ガラス等の光透過性の基板上にクロム、又はケイ化モリブデン等のマスク材料の薄膜を形成し、この上に電子線レジストを塗布した後、電子ビーム描画装置を用いてその電子線レジスト上に1番目の親パターンP1の等倍像を描画する。その後、電子線レジストの現像を行ってから、エッチング、及びレジスト剥離等を施すことによって、マスターレチクルR1上のパターン領域20に親パターンP1が形成される。この際に、マスターレチクルR1上には、親パターンP1に対して所定の位置関係で2つの2次元マークよりなるアライメントマーク21A,21Bを形成しておく。同様に他のマスターレチクルRiにも、電子ビーム描画装置等を用いてそれぞれ親パターンPi、及びアライメントマーク21A,21Bが形成される。このアライメントマーク21A,21Bは、後に画面継ぎを行う際の位置合わせ用に使用される。
【0029】次に、その親パターン36を分割した親パターンP1,P2,…,PNの描画データを再び使用して、その親パターンPiをそれぞれ等倍で、第2組のN枚の親マスクとしてのマスターレチクルQi上に転写する。第2組のマスターレチクルQ1〜QN上の親パターンP1〜PNを、以下では区別するために親パターンA1〜ANと呼ぶ。
【0030】このように本例では、電子ビーム描画装置(又はレーザビーム描画装置)で描画する各親パターンPi及びAiは、原版パターン27をα倍に拡大したパターンであるため、各描画データの量は、原版パターン27を直接描画する場合に比べて1/α2 程度に減少している。更に、親パターンPi,Aiの最小線幅は、原版パターン27の最小線幅に比べてα倍(例えば5倍、又は4倍等)であるため、各親パターンPi,Aiは、それぞれ従来の電子線レジストを用いて電子ビーム描画装置によって短時間に、かつ高精度に描画できる。また、一度2組のN枚のマスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNを製造すれば、後は後述のようにそれらを繰り返し使用することによって、必要な枚数のワーキングレチクル34を製造できるため、マスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNを製造するための時間は、大きな負担ではない。
【0031】即ち、N枚の第1組のマスターレチクルRiの親パターンPiの1/α倍の縮小像PIi(i=1〜N)を、それぞれ画面継ぎを行いながら基板4上に転写した後、N枚の第2組のマスターレチクルQiの親パターンAiの1/α倍の縮小像AIi(i=1〜N)を、それぞれ画面継ぎを行いながら基板4上に重ねて転写することによってワーキングレチクル34が製造される。
【0032】図2は、そのワーキングレチクル34を製造する際に使用される光学式の縮小投影型露光装置を示し、この図2において露光時には、露光光源、照度分布均一化用のフライアイレンズ、照明系開口絞り、レチクルブラインド(可変視野絞り)、及びコンデンサレンズ系等からなる照明光学系1より、露光光ILがレチクルステージ2上のレチクルに照射される。本例のレチクルステージ2上には、第1組のi番目(i=1〜N)のマスターレチクルRiが載置されている。なお、露光光としては、水銀ランプのi線(波長365nm)等の輝線、又はKrF(波長248nm)、ArF(波長193nm)、若しくはF2 (波長157nm)等のエキシマレーザ光等が使用できる。
【0033】マスターレチクルRiの照明領域内のパターンの像は、投影光学系3を介して縮小倍率1/α(αは例えば5、又は4等)で、ワーキングレチクル34用の基板4の表面に投影される。基板4は、石英ガラスのような光透過性の基板であり、その表面のパターン領域25(図4参照)にクロム、又はケイ化モリブデン等のマスク材料の薄膜が形成され、このパターン領域25を挟むように位置合わせ用の2つの2次元マークよりなるアライメントマーク24A,24Bが形成されている。また、基板4の表面にマスク材料を覆うようにフォトレジストが塗布されている。以下、投影光学系3の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図2の紙面に平行にX軸を、図2の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0034】まず、レチクルステージ2は、この上のマスターレチクルRiをXY平面内で位置決めする。レチクルステージ2の位置は不図示のレーザ干渉計によって計測され、この計測値、及び主制御系9からの制御情報によってレチクルステージ2の動作が制御される。一方、基板4は、不図示の基板ホルダ上に真空吸着によって保持され、この基板ホルダは試料台5上に固定され、試料台5はXYステージ6上に固定されている。試料台5は、オートフォーカス方式で基板4のフォーカス位置(光軸AX方向の位置)、及び傾斜角を制御することによって、基板4の表面を投影光学系3の像面に合わせ込む。また、XYステージ6は、ベース7上で例えばリニアモータ方式でX方向、Y方向に試料台5(基板4)を位置決めする。
【0035】試料台5の上部に固定された移動鏡8m、及び対向して配置されたレーザ干渉計8によって試料台5のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値がステージ制御系10、及び主制御系9に供給されている。移動鏡8mは、図3に示すように、X軸の移動鏡8mX、及びY軸の移動鏡8mYを総称するものである。ステージ制御系10は、その計測値、及び主制御系9からの制御情報に基づいて、XYステージ6のリニアモータ等の動作を制御する。
【0036】また、本例では、レチクルステージ2の側方に棚状のレチクルライブラリ16が配置され、レチクルライブラリ16内にZ方向に順次配列された2・N個の支持板17上に第1組のマスターレチクルR1〜RN、及び第2組のマスターレチクルQ1〜QNが載置されている。マスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNは、それぞれ図1の親パターン36を分割した親パターンP1〜PN,A1〜ANが形成されたレチクル(親マスク)である。レチクルライブラリ16は、スライド装置18によってZ方向に移動自在に支持されており、レチクルステージ2とレチクルライブラリ16との間に、回転自在でZ方向に所定範囲で移動できるアームを備えたレチクルローダ19が配置されている。主制御系9がスライド装置18を介してレチクルライブラリ16のZ方向の位置を調整した後、レチクルローダ19の動作を制御して、レチクルライブラリ16中の所望の支持板17とレチクルステージ2との間で、所望のマスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNを受け渡しできるように構成されている。図2では、レチクルライブラリ16中のマスターレチクルRiが、レチクルステージ2上に載置されている。
【0037】また、主制御系9には、磁気ディスク装置等の記憶装置11が接続され、記憶装置11に露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、マスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNの相互の位置関係やアライメント情報、及び本例で製造されるワーキングレチクルを使用する投影露光装置の投影像(投影光学系)の結像特性のデータ等が記録されている。
【0038】本例の基板4に対する露光時には、基板4上の1番目のショット領域への1番目のマスターレチクルR1の縮小像の露光が終了すると、XYステージ6のステップ移動によって基板4上の次のショット領域が投影光学系3の露光領域に移動する。これと並行して、レチクルステージ2上のマスターレチクルR1がレチクルローダ19を介してレチクルライブラリ16に戻され、次の転写対象のマスターレチクルR2がレチクルライブラリ16からレチクルローダ19を介してレチクルステージ2上に載置される。そして、アライメントが行われた後、そのマスターレチクルR2の縮小像が投影光学系3を介して基板4上の当該ショット領域に投影露光され、以下ステップ・アンド・リピート方式で基板4上の残りのショット領域に、順次対応するマスターレチクルR2〜RNの縮小像の露光が行われる。その後、基板4上には第2組のマスターレチクルQ1〜QNの縮小像が重ねて露光される。
【0039】なお、図2の投影露光装置は一括露光型であるが、その代わりにステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の縮小投影型露光装置を使用してもよい。走査露光型では、露光時にマスターレチクルと基板4とが投影光学系3に対して縮小倍率比で同期走査される。走査露光型の露光装置を用いることによって、一括露光型では補正が難しい誤差(スキュー誤差等)も補正できる場合がある。
【0040】さて、このようにマスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNの縮小像を基板4上に露光する際には、隣接する縮小像間の画面継ぎ(つなぎ合わせ)を高精度に行う必要がある。このためには、各マスターレチクルRi,Qi(i=1〜N)と、基板4上の対応するショット領域(Siとする)とのアライメントを高精度に行う必要がある。このアライメントのために、本例の投影露光装置にはレチクル及び基板用のアライメント機構が備えられている。
【0041】図3は、本例のレチクルのアライメント機構を示し、この図3において、試料台5上で基板4の近傍に光透過性の基準マーク部材12が固定され、基準マーク部材12上にX方向に所定間隔で例えば十字型の1対の基準マーク13A,13Bが形成されている。また、基準マーク13A,13Bの底部には、露光光ILから分岐された照明光で投影光学系3側に基準マーク13A,13Bを照明する照明系が設置されている。マスターレチクルRiのアライメント時には、図2のXYステージ6を駆動することによって、図3に示すように、基準マーク部材12上の基準マーク13A,13Bの中心がほぼ投影光学系13の光軸AXに合致するように、基準マーク13A,13Bが位置決めされる。
【0042】また、マスターレチクルRiのパターン面(下面)のパターン領域20をX方向に挟むように、一例として十字型の2つのアライメントマーク21A,21Bが形成されている。基準マーク13A,13Bの間隔は、アライメントマーク21A,21Bの投影光学系3による縮小像の間隔とほぼ等しく設定されており、上記のように基準マーク13A,13Bの中心をほぼ光軸AXに合致させた状態で、基準マーク部材12の底面側から露光光ILと同じ波長の照明光で照明することによって、基準マーク13A,13Bの投影光学系3による拡大像がそれぞれマスターレチクルRiのアライメントマーク21A,21Bの近傍に形成される。
【0043】これらのアライメントマーク21A,21Bの上方に投影光学系3側からの照明光を±X方向に反射するためのミラー22A,22Bが配置され、ミラー22A,22Bで反射された照明光を受光するようにTTR(スルー・ザ・レチクル)方式で、画像処理方式のアライメントセンサ14A,14Bが備えられている。アライメントセンサ14A,14Bはそれぞれ結像系と、CCDカメラ等の2次元の撮像素子とを備え、その撮像素子がアライメントマーク21A,21B、及び対応する基準マーク13A,13Bの像を撮像し、その撮像信号が図2のアライメント信号処理系15に供給されている。
【0044】アライメント信号処理系15は、その撮像信号を画像処理して、基準マーク13A,13Bの像に対するアライメントマーク21A,21BのX方向、Y方向への位置ずれ量を求め、これら2組の位置ずれ量を主制御系9に供給する。主制御系37は、その2組の位置ずれ量が互いに対称に、かつそれぞれ所定範囲内に収まるようにレチクルステージ2の位置決めを行う。これによって、基準マーク13A,13Bに対して、アライメントマーク21A,21B、ひいてはマスターレチクルRiのパターン領域20内の親パターンPi(図1参照)が位置決めされる。
【0045】言い換えると、マスターレチクルRiの親パターンPiの投影光学系3による縮小像の中心(露光中心)は、実質的に基準マーク13A,13Bの中心(ほぼ光軸AX)に位置決めされ、親パターンPiの輪郭(パターン領域20の輪郭)の直交する辺はそれぞれX軸、及びY軸に平行に設定される。この状態で図2の主制御系9は、レーザ干渉計8によって計測される試料台5のX方向、Y方向の座標(XF0 ,YF0 )を記憶することで、マスターレチクルRiのアライメントが終了する。この後は、親パターンPiの露光中心に、試料台5上の任意の点を移動することができる。
【0046】また、図2において、投影光学系PLの側面に、基板4上のマークの位置検出を行うために、オフ・アクシス方式で、画像処理方式のアライメントセンサ23も備えられている。アライメントセンサ23は、フォトレジストに対して非感光性で広帯域の照明光で被検マークを照明し、被検マークの像をCCDカメラ等の2次元の撮像素子で撮像し、撮像信号をアライメント信号処理系15に供給する。なお、アライメントセンサ23の検出中心とマスターレチクルRiのパターンの投影像の中心(露光中心)との間隔(ベースライン量)は、基準マーク部材12上の所定の基準マークを用いて予め求められて、主制御系9内に記憶されている。
【0047】図3に示すように、基板4上のX方向の端部に例えば十字型の2つのアライメントマーク24A,24Bが形成されている。そして、マスターレチクルRiのアライメントが終了した後、XYステージ6を駆動することによって、図2のアライメントセンサ23の検出領域に順次、図3の基準マーク13A,13B、及び基板4上のアライメントマーク24A,24Bを移動して、それぞれ基準マーク13A,13B、及びアライメントマーク24A,24Bのアライメントセンサ23の検出中心に対する位置ずれ量を計測する。これらの計測結果は主制御系9に供給され、これらの計測結果を用いて主制御系9は、基準マーク13A,13Bの中心がアライメントセンサ23の検出中心に合致するときの試料台5の座標(XP0 ,YP0 )、及びアライメントマーク24A,24Bの中心がアライメントセンサ23の検出中心に合致するときの試料台5の座標(XP1 ,YP1)を求める。これによって、基板4のアライメントが終了する。
【0048】この結果、基準マーク13A,13Bの中心とアライメントマーク24A,24Bの中心とのX方向、Y方向の間隔は(XP0 −XP1 ,YP0 −YP1 )となる。そこで、マスターレチクルRiのアライメント時の試料台5の座標(XF0 ,YF0 )に対して、その間隔(XP0 −XP1 ,YP0 −YP1 )分だけ図2のXYステージ6を駆動することによって、図4に示すように、マスターレチクルRiのアライメントマーク21A,21Bの投影像の中心(露光中心)に、基板4のアライメントマーク24A,24Bの中心(基板4の中心)を高精度に合致させることができる。この状態から、図2のXYステージ6を駆動して試料台5をX方向、Y方向に移動することによって、基板4上の中心に対して所望の位置にマスターレチクルRiの親パターンPiの縮小像PIiを露光できる。
【0049】即ち、図4は、i番目のマスターレチクルRiの親パターンPiを投影光学系3を介して基板4上に縮小転写する状態を示し、この図4において、基板4の表面のアライメントマーク24A,24Bの中心を中心として、X軸及びY軸に平行な辺で囲まれた矩形のパターン領域25が、主制御系9内で仮想的に設定される。パターン領域25の大きさは、図1の親パターン36を1/α倍に縮小した大きさであり、パターン領域25が、X方向、Y方向にそれぞれα個に均等に分割されてショット領域S1,S2,S3,…,SN(N=α2 )が仮想的に設定される。ショット領域Si(i=1〜N)の位置は、図1の親パターン36を仮に図4の投影光学系3を介して縮小投影した場合の、i番目の親パターンPiの縮小像PIiの位置に設定されている。
【0050】そして、本例のワーキングレチクル34を使用する投影露光装置の投影像の結像特性が理想的である場合、主制御系9は図2のXYステージ6を駆動することによって、図4において、基板4上のi番目のショット領域Siの中心を、上記のアライメントによって求められているマスターレチクルRiの親パターンPiの縮小像PIiの露光中心に合わせ込む。その後、主制御系9は図2の照明光学系1内の露光光源の発光を開始させて、その親パターンPiの縮小像を基板4上のショット領域Siに露光する。図4においては、基板4のパターン領域25内で既に露光された親パターンの縮小像は実線で示され、未露光の縮小像は点線で示されている。
【0051】このようにして、図2の第1組のN個のマスターレチクルR1〜RNの親パターンP1〜PNの縮小像を、順次基板4上の対応するショット領域S1〜SNに露光することで、図5(A)に示すように、各親パターンP1〜PN(図5(A)ではN=25)の縮小像PI1〜PINは、それぞれ隣接する親パターンの縮小像と画面継ぎを行いながら露光されたことになる。図5(A)において、縮小像PI1〜PINをつなぎ合わせた像は、図1の親パターン36を1/α倍で縮小した投影像26Pである。
【0052】その後、同様にアライメントを行うことによって、図1の第2組のN個のマスターレチクルQ1〜QNの親パターンA1〜ANの縮小像AI1〜AINが、図5(B)に示すように、図5(A)の縮小像PI1〜PIN上に重ねて露光される。図5(B)において、縮小像AI1〜AINをつなぎ合わせた像も、図1の親パターン36を1/α倍で縮小した投影像26Aである。その後、基板4上のフォトレジストを現像して、エッチング、及び残っているレジストパターンの剥離等を施すことによって、基板4上の投影像26P,26Aは、図9に示すような原版パターン27となって、ワーキングレチクル34が完成する。
【0053】ところで、1枚の基板4の露光に際しては、マスターレチクルRiの交換に関わらず、基板4は試料台5上に固接されており、その位置は、レーザ干渉計8により正確に計測されている。従って、1枚の基板4の露光中に、基準マーク13A,13Bと基板4との位置関係が変化することはないので、マスターレチクルRiの交換時には、マスターレチクルRiを基準マーク13A,13Bに対して位置合わせすればよく、必ずしも1枚のマスターレチクルRi毎に、基板4上のアライメントマーク24A,24Bの位置を検出する必要はない。この場合にも、各マスターレチクルRi上の親パターンPiは、それぞれと基準マーク13A,13Bとの位置合わせと、レーザ干渉計8によりモニタされたステージ制御系10によるXYステージ6の位置制御により、相互に正確な位置関係を保って露光される。従って、その各パターン間の継ぎ精度も、高精度となることはいうまでもない。
【0054】なお、基板4上には必ずしも予めアライメントマーク24A,24Bを設けておく必要はない。この場合に、上記のようにマスターレチクルRi,Qiの親パターンを基板4上につなぎ合わせて縮小転写する際には、各マスターレチクルRi,Qi上の所定のマーク(例えばアライメントマーク21A,21B)も縮小転写し、隣接するマスターレチクルの親パターンの縮小像を転写する際にそのマークの潜像の位置を検出し、この検出結果よりその隣接するマスターレチクルの親パターンの縮小像の転写位置の補正を行うようにしてもよい。
【0055】また、図1の原版パターン27に例えば密集パターンと孤立パターンとが形成されている場合、マスターレチクルR1〜RN,Q1〜QN中の1枚のマスターレチクルRaには密集パターンのみが形成され、別の1枚のマスターレチクルRbには孤立パターンのみが形成されることがある。このとき、密集パターンと孤立パターンとでは最良の照明条件や結像条件等の露光条件が異なるため、マスターレチクルRiの露光毎に、その親パターンPiに応じて、露光条件、即ち照明光学系1内の開口絞りの形状や大きさ、コヒーレンスファクタ(σ値)、及び投影光学系3の開口数等を最適化するようにしてもよい。また、その露光条件を最適化するために、投影光学系3の瞳面付近に所定の光学フィルタ(いわゆる瞳フィルタ)を挿脱したり、又は投影光学系3の像面と基板4の表面とを所定範囲内で相対的に振動させるいわゆる累進焦点法(フレックス法)を併用したりしてもよい。
【0056】また、親マスクパターンがコンタクトホールなどの孤立パターンのみを含むときは、そのパターンでマスク基板を露光している間にそのマスク基板を露光光学系の光軸に沿った方向に移動する、いわゆる累進焦点法を採用するとよい。あるいは、この累進焦点法と、投影光学系の瞳面に配置される、その光軸を中心とする円形領域を通過する照明光を遮光する光学フィルタとを併用してもよい。または、親マスクを位相シフトマスクとし、照明光学系のσ値を例えば0.1〜0.4程度に設定するとともに、前述の累進焦点法を採用してもよい。
【0057】また、フォトマスクはクロムなどの遮光層のみからなるマスクに限られるものではなく、空間周波数変調型(渋谷−レベンソン型)、エッジ強調型、及びハーフトーン型などの位相シフトマスクであってもよい。特に空間周波数変調型やエッジ強調型では、マスク基板上の遮光パターンに重ね合わせて位相シフターをパターニングするため、例えばその位置シフター用の親マスクを別途用意しておくことになる。
【0058】上記のように、本例のワーキングレチクル34の原版パターン27は、2組のマスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNの親パターンの縮小像を重ね合わせ露光して形成されている。この場合、これらのマスターレチクルの親パターンの描画の際に生じたパターン位置誤差や、線幅ばらつき等は、それら2組のマスターレチクル間でも異なっている。そのため、これら2組のマスターレチクルの親パターンの縮小像を二重露光することで、各親パターンの縮小像において、マスターレチクルの描画装置のパターン位置誤差や線幅ばらつき等は平均化されて低減される。従って、ワーキングレチクル34の原版パターン27を高精度に形成できる。
【0059】次に、ワーキングレチクル34を使用する投影露光装置の投影像の結像特性が理想状態から外れている場合について説明する。ワーキングレチクル34を使用する投影露光装置が、一括露光型であるとすると、その投影光学系の結像特性には、或る程度の非回転対称収差、又はディストーション等が残存している場合も有り得る。このような場合には、図4に示すように、基板4上にマスターレチクルRi(Qiについても同様)の親パターンPiの縮小像を投影する際に、そのディストーション等を相殺するように、露光位置を本来のショット領域SiからX方向、Y方向に横ずれさせておく。更に、投影倍率やディストーション特性等も補正しておく。これによって、そのワーキングレチクル34を使用する際に、理想像に近い像が露光されるため、重ね合わせ精度等が向上する。
【0060】また、ワーキングレチクル34を使用する投影露光装置が、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型である場合には、投影像が平行四辺形状に歪む誤差(いわゆるスキュー誤差)が生じることもある。このような場合には、ワーキングレチクル34を製造するための図2の投影露光装置もステップ・アンド・スキャン方式として、基板4上に各マスターレチクルのパターン像を露光する際に、そのスキュー誤差を相殺するように、各マスターレチクルのパターン像を歪ませておくようにしてもよい。
【0061】また、上記の実施の形態において、2組のマスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNの内で周期的な密集パターン等が形成されたマスターレチクルを、例えば位相シフトレチクルとしてもよい。なお、上記の実施の形態では、2組のマスターレチクルR1〜RN,Q1〜QNには互いに同一の親パターンが形成されており、これら2組のマスターレチクルの親パターンの像が基板4上の同一のショット領域に重ねて露光されていたが、別の例として、図1の親パターン36を互いに異なる配列(分割境界)で2組の親パターンに分割し、これら2組の親パターンの縮小像を基板4上に重ねて露光するようにしてもよい。この場合、それら2組の内の第1組の親パターンは、図1のN個の親パターンP1〜PNであるとすると、これらの親パターンP1〜PNの縮小像PI1〜PINは、図6(A)に示すように、基板4上のパターン領域25内につなぎ合わせながら投影像26Pとして露光される。ただし、図6(a)では、N=25の場合が示されている。
【0062】これに対して、第2組の複数個の親パターンは、図1の親パターン36を親パターンP1〜PNのY方向の中央の位置で分割したパターンであるとすると、図6(B)に示すように、第2組の複数個の親パターンの縮小像BI1〜BI30は、図6(A)の縮小像PI1〜PI25をY方向に跨ぐように投影像26Bとして重ねて露光される。このとき、図6(A)の縮小像PI1の上には、図6(C)に示すように、パターン面積が縮小像PI1の半分で、縮小像PI1の左半分と同一のパターンを有する縮小像BI1と、縮小像PI1及びPI10の領域に跨り、従って縮小像PI1,PI10のそれぞれの領域のパターンを半分ずつ有する縮小像BI10の左半分とが露光される。このとき、縮小像BI10の右半分は、縮小像PI10の左半分と同一のパターンであり、これらのパターンも重ねて露光される。
【0063】このような露光を行うと、多重露光するマスターレチクル間の描画誤差が平均化されるだけでなく、多重露光に際しての図2の投影光学系3の露光エリア内の位置も変化するために、投影光学系3のディストーションや、露光エリア内の転写線幅のばらつきについても平均化される。そのため、より一層高い精度で、基板4への親パターンの縮小像の転写を行うことができる。
【0064】即ち、図7(A)に誇張して示す通り、図2の投影光学系3の露光エリア内では、矢印DRLで示すようなディストーションが生じているものとしても、その右半分FRを使用して転写した像と、左半分FLを使用して転写した像とが、図7(B)の像SAのように合成(多重露光)されると、平均化効果により、総合的なディストーションは矢印DTで示すように減少するわけである。更に、図6において、第2組の縮小像BI6〜BI25は、第1組の縮小像PI1〜PI25のY方向の境界を跨いでいるため、Y方向の継ぎ誤差も平均化効果で低減される。
【0065】また、上記の例では、第2組の親パターンは、第1組の親パターンのY方向の中央部で区切られているが、第2組の親パターンを、第1組の親パターンのX方向の間で区切るようにしてもよい。更には、第2組の親パターンを、第1組の親パターンのX方向、Y方向の間で分割するようにしてもよい。この場合、図1において、第1組の親パターンは親パターン36を縦横に例えば4分割するものとすると、第1組の16個(=4×4個)の親パターンの縮小像PI1〜PI16は、図8(A)に示すように、基板4のパターン領域25につなぎ合わせながら投影像26Pとして露光される。その後、第2組の25個の親パターンの縮小像CI1〜CI25は、図8(B)に示すように、基板4のパターン領域25につなぎ合わせながら投影像26Cとして重ねて露光される。このように、第2組の親パターンの分割区分をX方向、Y方向にずらすことによって、最終的な投影像のX方向、Y方向への継ぎ誤差が平均化効果で低減される。
【0066】また、何れの例においても、多重露光の回数も2回に限定されるわけではなく、3組以上のマスターレチクル群を用いて、3回以上の多重露光を行ってもよい。次に、上記のように製造された図1のワーキングレチクル34を用いて露光を行う場合の動作の一例につき説明する。
【0067】図9は、そのワーキングレチクル34を装着した縮小投影型露光装置の要部を示し、この図9において、不図示のレチクルステージ上に保持されたワーキングレチクル34の下面に、縮小倍率1/β(βは5、又は4等)の投影光学系42を介してウエハWが配置されている。ウエハWの表面にはフォトレジストが塗布され、その表面は投影光学系42の像面に合致するように保持されている。ウエハWは、不図示のウエハホルダを介して試料台43上に保持され、試料台43はXYステージ44上に固定されている。試料台43上の移動鏡45mX,45mY及び対応するレーザ干渉計によって計測される座標に基づいて、XYステージ44を駆動することによって、ウエハWの位置決めが行われる。
【0068】また、試料台43上に基準マーク47A,47Bが形成された基準マーク部材46が固定され、ワーキングレチクル34のパターン領域25をX方向に挟むように形成されたアライメントマーク24A,24Bの上方に、レチクルのアライメント用のアライメントセンサ41A,41Bが配置されている。この場合にも、基準マーク47A,47B、アライメントマーク24A,24B、及びアライメントセンサ41A,41Bを用いて、試料台43に対してワーキングレチクル34のアライメントが行われる。その後、重ね合わせ露光を行う場合には、不図示のウエハ用のアライメントセンサを用いて、ウエハW上の各ショット領域48のアライメントが行われる。そして、ウエハW上の露光対象のショット領域48を順次露光位置に位置決めした後、ワーキングレチクル34のパターン領域25に対して、不図示の照明光学系よりエキシマレーザ光等の露光光IL1を照射することで、パターン領域25内の原版パターン27を縮小倍率1/βで縮小した像27Wがショット領域48に露光される。このようにしてウエハW上の各ショット領域に原版パターン27の縮小像を露光した後、ウエハWの現像を行って、エッチング等のプロセスを実行することによって、ウエハW上の各ショット領域に半導体デバイスの或るレイヤの回路パターンが形成される。
【0069】なお、ワーキングレチクル34の露光用の投影露光装置としては、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の縮小投影型露光装置を使用してもよい。なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0070】
【発明の効果】本発明の第1、又は第2のフォトマスクの製造方法によれば、複数の親マスクのパターン(又は分割パターン)はそれぞれ転写用のパターン、又はこの拡大パターンの一部であるため、例えば電子ビーム描画装置やレーザビーム描画装置等を用いてそれぞれ少ない描画データで、ひいては短時間に小さいドリフト量で描画できる。また、多重露光によって、親マスクのパターンの描画誤差を、多重露光の回数分平均化できるため、最終的に形成されるフォトマスクのパターン(原版パターン)の位置誤差や線幅誤差等を大きく低減して、精度を向上できる利点がある。更に、それらの親マスク等は一度製造すれば繰り返して使用できるため、そのフォトマスクを多数枚製造する場合にも、個々の原版パターンを高精度に、かつ短時間に形成できる利点がある。
【0071】また、親マスクのパターン(又は分割パターン)の縮小像をフォトマスクの基板上につなぎ合わせて露光する際には、親マスクのパターン等の描画誤差も縮小されるため、より高精度にその原版パターンを形成できる。また、N組の複数枚の親マスクのパターンの内の少なくとも1組の複数枚の親マスクのパターンは、他の所定の1組の複数枚の親マスクのパターンと分割方法が異なる場合、又はN組の複数枚の親マスクのパターンの内の少なくとも1組の複数枚の親マスクのパターンは、他の所定の1組の複数枚の親マスクのパターンの継ぎ合わせ領域を含む場合には、その親マスクのパターン像を露光する投影光学系の露光エリア内の異なる位置の像がそのフォトマスクの基板上の同じ位置に露光されるため、その投影光学系のディストーションや、露光エリア内の位置による転写線幅均一性の誤差が、平均化効果で低減される。従って、そのフォトマスクを製造する場合に使用される投影露光装置の結像特性が実質的に補正されることになる。更に、継ぎ誤差も平均化効果で低減される。
【0072】また、そのフォトマスクは更に縮小投影で使用される場合には、最終的に製造されるデバイスのパターンに比べて、その親マスクのパターン(又は分割パターン)の倍率が更に大きくなるため、その親マスクのパターンを描画する電子ビーム描画装置等の描画誤差の影響が更に小さくなって、より高精度にそのデバイスのパターンを形成できる。
【0073】また、本発明のデバイスの製造方法によれば、本発明のフォトマスクの製造方法を使用しているため、デバイスのパターンをより高精度に形成できる。




 

 


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