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発明の名称 フォトマスク及び製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−27801(P2001−27801A)
公開日 平成13年1月30日(2001.1.30)
出願番号 特願2000−187730(P2000−187730)
出願日 平成2年12月26日(1990.12.26)
代理人
発明者 蛭川 茂 / 白石 直正
要約 目的
回路パターンのエッジ部と中央部とで光の透過率を異ならせる。

構成
マスク基板G上に透過率の異なる2つの層A,Bを成膜し、層Bのうち回路パターンのエッジ部2に相当する部分の層をエッチング等により除去して、回路パターンの中央部1のみを多層構造とする。この2つの層A,Bは、化学的性質の異なる材質で形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】照明光に対してほぼ透明な基板上に回路パターンを形成したフォトマスクにおいて、前記回路パターンの少なくとも一部は、前記照明光に対して透過率を有する第1の層で形成され、前記透明な基板上において前記第1の層で形成された前記回路パターンの周辺に設けられて前記回路パターンの形成領域を規定する遮光帯を、前記照明光に対する透過率がほぼ零となるように前記第1の層に第2の層を重ねることによって形成したことを特徴とするフォトマスク。
【請求項2】請求項1のフォトマスクにおいて、前記遮光帯を構成する第1の層及び第2の層は、前記回路パターンを形成する第1の層よりも広い幅を有することを特徴とするフォトマスク。
【請求項3】請求項2のフォトマスクにおいて、前記回路パターンを形成する前記第1の層は、複数層からなることを特徴とするフォトマスク。
【請求項4】請求項3に記載のフォトマスクにおいて、複数層からなる前記第1の層が、透過光の位相をシフトさせる位相シフト層を含むことを特徴とするフォトマスク。
【請求項5】請求項3又は4のフォトマスクにおいて、複数層からなる前記第1の層は、その最上層が反射防止膜、およびエッチングストッパーの少なくとも1つであることを特徴とするフォトマスク。
【請求項6】請求項3乃至5いずれか一項のフォトマスクにおいて、複数層からなる前記第1の層は、その最下層が反射防止膜であることを特徴とするフォトマスク。
【請求項7】請求項1乃至6いずれか一項に記載のフォトマスクに前記照明光を照明し、前記フォトマスクを介して前記照明光で感光基板を露光することを特徴とする露光方法。
【請求項8】照明光に対してほぼ透明な基板上に回路パターンが形成されるフォトマスクの製造方法において、前記照明光に対して透過率を有する第1の層を前記基板に形成するとともに、前記照明光に対する透過率がほぼ零となるように前記第1の層に重ねて第2の層を形成し、前記回路パターンの少なくとも一部が前記第1の層で構成され、かつ前記透明な基板上において前記第1の層の周辺に設けられて前記回路パターンの形成領域を規定する遮光帯が前記第1及び第2の層を含む多層構造となるように、前記第1及び第2の層をそれぞれ部分的に除去することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項9】請求項8のフォトマスクの製造方法において、前記遮光帯を構成する前記第1および第2の層が、前記回路パターンを形成する第1の層よりも広い幅を有するように構成することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項10】請求項9のフォトマスクにおいて、前記回路パターンを形成する前記第1の層が、複数層からなるように構成することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【請求項11】請求項10のフォトマスクにおいて、前記第1の層を形成し、前記第1の層を部分的に除去する前に、前記第1の層に重ねて前記第2の層を形成し、後に、前記第1および第2の層をそれぞれ部分的に除去することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子製造に用いる露光用のフォトマスク及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のフォトマスクは、i線、KrFエキシマレーザ等の照明光に対してほぼ透明な基板(石英等のガラス基板)に、遮光部により回路パターンが形成されたものである。この回路パターンを成す遮光部は1層の遮光材(クロム膜等)で形成されており、その遮光材の層は光が透過しないような膜厚で作られていた。また、最近では回路パターンの一部に光の位相をシフトさせるための位相シフター(誘電体薄膜)の層を形成した、所謂位相シフト用マスクも作られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の如き従来の技術においては、露光装置の投影レンズの解像力に比べてパターンが粗いものである場合、パターン像の暗部(上記遮光部に対応)の中央部付近に僅かながら光の強度があるという分布になっていた。このため、被投影体にポジレジストを用いると、特に露光量を大きくした場合に、レジストに露光されたパターンの中央部が感光して凹んでしまうことがあった。
【0004】さらに、図11に示すようなマスク基板G上の遮光層Bの一部に光の位相をシフトさせる位相シフターDを設けたマスクにおいては、位相シフターDを被着した部分と被着していない部分の夫々の透過光の強度を制御する必要が生じることがあった。このため、特にエッジ強調型(補助パターンを持つもの)、及び遮光効果強調型の位相シフト用マスクにおいて遮光層Bの開口部(位相シフター被着部)からの透過光量を制限するためには、図12に示すように、図11に示すマスクに比べて遮光層Bの開口線幅を狭くしなければならなくなる。しかし、遮光層Bの開口線幅を狭くし過ぎると、マスク製造時にこの開口部が所定の線幅にならない、若しくはこの開口部が分離しない等の問題が起き、実用に適するマスクが得られないという問題があった。
【0005】さらには、一般に回路パターンの描画されたフォトマスクには、その回路パターンの描画された領域の周辺に遮光帯が設けられている。この回路パターンが所定の透過率を有するものである場合、所定の透過率を有する部材の層(透過層)のみでパターンが形成されていると、この遮光帯も透過率を有する層で構成されていることになる。その結果、ウエハ上の投影像の遮光帯に相当する部分にもその透過率に相当する光束が達してしまい、レジストが感光してしまうという不具合が生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点解決のため本願発明では、照明光に対してほぼ透明な基板上(G)に回路パターンを形成したフォトマスクにおいて、前記回路パターンの少なくとも一部(3)は、前記照明光に対して透過率を有する第1の層(A)で形成され、前記透明な基板上において前記第1の層で形成された前記回路パターンの周辺に設けられて前記回路パターンの形成領域を規定する遮光帯(4)を、前記照明光に対する透過率がほぼ零となるように前記第1の層(A)に第2の層(B)を重ねることによって形成する。
【0007】また、照明光に対してほぼ透明な基板上に回路パターン(3)が形成されるフォトマスクの製造方法において、前記照明光に対して透過率を有する第1の層(A)を前記基板に形成するとともに、前記照明光に対する透過率がほぼ零となるように前記第1の層に重ねて第2の層(B)を形成し、前記回路パターンの少なくとも一部(3)が前記第1の層(A)で構成され、かつ前記透明な基板上において前記第1の層の周辺に設けられて前記回路パターンの形成領域を規定する遮光帯(4)が前記第1及び第2の層を含む多層構造となるように、前記第1及び第2の層をそれぞれ部分的に除去する。
【0008】
【作用】本発明の、特に請求項1に記載したフォトマスクでは、遮光帯(4)が、前記照明光に対する透過率がほぼ零となるように前記第1の層(A)に第2の層(B)を重ねることによって形成されるため、所定の透過率を有する部材で遮光帯を構成した場合のように、ウエハ上の投影像の遮光帯に相当する部分にもその透過率に相当する光束が達してしまうという不都合は生じない。
【0009】
【実施例】まず、本発明と関係のある技術について説明する。半導体素子製造用のフォトマスクにおける回路パターンは、結像状態(回路パターンの像のコントラスト)に影響を与えない部分(回路パターンの中央部付近)と、光透過部(ガラス基板部)に隣接した、結像状態に影響を与える部分(回路パターンのエッジ付近)とに分けられる。この回路パターンの像の結像状態(コントラスト)を向上させるためには、回路パターンのエッジ付近に所定の光透過率を持たせれば良い。因みにこの光透過率は、遮光材の吸光度と膜厚とにより決まるものである。
【0010】上記のような考えを利用して、所定の光透過率を持たせたい部分は、図4に示すように、遮光材の膜厚を他の部分より薄い所定の値にエッチング等によって調整するという方法が考えられる。しかし、エッチング等によって所定の膜厚を得るためには、光学式膜厚測定器等によって膜厚を計測しながらエッチングを行なわなければならず、所定の膜厚を得ることは困難である。
【0011】そこで、照明光に対する透過率が異なる複数の層で回路パターンを形成するようにすれば、回路パターンの中央部とエッジ部とで照明光に対する透過率を異ならせることが可能となる。また、回路パターンを形成する複数の層の化学的性質(耐エッチング性など)を異ならせるため、膜厚を調整するために化学的な処理を行っても不要な層のみが除去され、必要な層の膜厚は成膜時のまま変化することはない。
【0012】図1は、以上のような考えによるフォトマスクの回路パターン部の概略的な構成を示す図である。これは化学的性質(耐エッチング性など)が夫々異なる複数の材質の層で回路パターンを形成した例であり、ガラス基板G上には、照明光に対して所定の透過率を有する第1の層(透光層)Aとして例えばクロムの層が、また照明光に対する透過率がほぼ零である第2の層(遮光層)Bとして例えばタングステン・シリサイド(WSi)の層が形成されている。遮光層であるタングステン・シリサイドの層Bを透光層であるクロムの層A上の中央部1付近に形成することにより、エッジ部2で光の透過率を有し、中央部で光の透過率がほぼ零であるパターンを得ることができる。
【0013】図8(a)は、図1のフォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。このフォトマスクを作成するには、先ず、クロムの層Aを所定の透過率が得られる厚さだけスパッタし(ステップ101)、その上にタングステン・シリサイドの層Bを、上記層Aの透過率(膜厚)に応じて層A,B全体での透過率がほぼ零になるような厚さだけCVD(Chemical Vaper Deposition )によって成膜する(ステップ102)。その上で、このマスクにフォトレジスト(ポジ型レジスト)を塗布し(ステップ103)、パターンの中央部1に対応した部分以外のフォトレジストを感光、除去する(ステップ104)。次に六弗化硫黄(SF6)ガスを用いてタングステン・シリサイドの層Bを除去し(ステップ105)、残ったレジストを剥離する(ステップ106)。この結果、パターンの中央部1が形成されることになる。さらに、再度レジストを塗布し(ステップ107)、パターンに対応した部分以外のレジストを感光、除去する(ステップ108)。その後、四塩化炭素と酸素との混合ガスを用いてRIE(Reactive Ion Etching)によりクロムの層Aのエッチングを行い(ステップ109)、残ったレジストを剥離して完成とする。これによって回路パターンのエッジ部2が形成される。
【0014】或いは、図8(b)に示すように、クロムの層Aを所定の透過率が得られる厚さだけスパッタし(ステップ111)、その上にタングステン・シリサイドの層Bを、上記層Aの透過率(膜厚)に応じて層A,B全体での透過率がほぼ零になるような厚さだけCVDによって成膜する(ステップ112)。その上で、このマスクにフォトレジストを塗布し(ステップ113)、パターンに対応した部分以外のフォトレジストを感光、除去する(ステップ114)。次にSF6ガスを用いたタングステン・シリサイドの層Bのエッチング(ステップ115)、及び四塩化炭素と酸素との混合ガスを用いたクロムの層Aのエッチング(ステップ116)を行なってガラス基板Gの表面を露出させる。その後、先の工程で残ったレジストを剥離して(ステップ117)、再度マスク上にフォトレジストを塗布し(ステップ118)、パターンの中央部1に対応した部分以外のフォトレジストを感光、除去する(ステップ119)。さらに、タングステン・シリサイドの層Bをエッチングにより除去し(ステップ120)、残ったレジストを剥離して(ステップ121)完成とするという方法を採っても構わない。
【0015】また、パターンを形成する層に用いられる物質、エッチング剤、及びそれらの組合せは上記のものに限定する必要はなく、遮光層B(第2の層)を除去するためのエッチング剤に対して、透光層A(第1の層)の物質が遮光層Bの物質より耐エッチング性が高いものとなるような物質どうしの組合せであればよい。
【0016】図2は、別のフォトマスクの回路パターン部の概略的な構成を示す図である。これは夫々化学的性質(耐エッチング性など)が同じ材質から成る第1,第2の層の間に、これらの層とは化学的性質の異なる材質から成る中間層(第3の層)を設けた例である。即ち中間層Cは、これを挟む第1,第2の層の化学的性質が同じ場合に、遮光層B(第2の層)をエッチングすることによって透光層A(第1の層)までエッチングされ、その膜厚が変化するのを防ぐために設けたものである。ガラス基板G上には、透光層Aとして例えば所定の透過率を有する程度に薄くした膜厚のクロムの層が、また中間層Cとして例えば二酸化珪素(SiO2)の層が、さらに遮光層Bとして例えばクロムの層が形成されている。図1のフォトマスクと同様に、遮光層であるクロムの層Bを透光層であるクロムの層A上の中央部1付近に形成することにより、エッジ部で光の透過率を有し、中央部で光の透過率がほぼ零であるパターンを得ることができる。
【0017】図9(a)は、図2のフォトマスクの製造方法を示すフローチャートである。このフォトマスクを作成するには、先ず、ガラス基板G上にクロムの層A、二酸化珪素の層C、クロムの層Bの順で各層を夫々所定の膜厚で成膜する(ステップ131〜133)。その上で、このマスクにフォトレジストを塗布し(ステップ134)、パターンの中央部1に対応した部分以外のフォトレジストを感光、除去する(ステップ135)。次にエッチングによりクロムの層B、二酸化珪素の層Cの順に除去し(ステップ136,137)、残ったレジストを剥離する(ステップ138)。この結果、パターンの中央部1が形成されることになる。さらに、再度レジストを塗布し(ステップ139)、パターンに対応した部分以外のレジストを感光、除去する(ステップ140)。その後、クロムの層Aをエッチングにより除去し(ステップ141)、残ったレジストを剥離して(ステップ142)完成とする。これによって回路パターンのエッジ部2が形成される。
【0018】或いは、図9(b)に示すように、ガラス基板G上にクロムの層A、二酸化珪素の層C、クロムの層Bの順で各層を夫々所定の膜厚で成膜する(ステップ151〜153)。その上で、このマスクにフォトレジストを塗布し(ステップ154)、パターンに対応した部分以外のフォトレジストを感光、除去する(ステップ155)。次にエッチングにより層A〜層Cの各層を除去して(ステップ156〜158)ガラス基板Gの面を露出させる。その後、先の工程で残ったレジストを剥離してから(ステップ159)、再度マスク上にフォトレジストを塗布し(ステップ160)、パターンの中央部1に対応した部分以外のレジストを感光、除去する(ステップ161)。さらに、クロムの層B、及び二酸化珪素の層Cを夫々エッチングにより除去し(ステップ162,163)、残ったレジストを剥離して完成とするという方法を採っても構わない。
【0019】図2のフォトマスクにおいては、中間層Cのうちパターンのエッジ部2に相当する部分をエッチングにより除去するようにしたが、この部分は特に除去する必要はなく、図3に示すように、残しておいて透光層Aと共に所定の透過率を有する1つの透光層を構成しても良い。さらに、この残した中間層Cを光の位相をシフトさせる位相シフト部材で形成しておけば、位相シフト用マスク(特に、エッジ強調型、若しくは遮光効果強調型)としても用いることが可能である。
【0020】また、透光層A及び遮光層Bはともに化学的性質が同じ材質である場合の例を述べたが、化学的性質の異なる材質である場合でも中間層が必要な場合がある。例えば図1に示したフォトマスクの組み合わせ、即ちタングステン・シリサイドとクロムとの組み合わせの場合、反対に透光層をタングステン・シリサイドで形成し、遮光層をクロムで形成するようにすると、これらの層の間に中間層を設ける必要がある。これはエッチング剤(四塩化炭素と酸素との混合ガス)に対するタングステン・シリサイドの耐性がクロムに比べて低いためである。つまり、上層のクロムをエッチングする際に、下層のタングステン・シリサイドもエッチングされてしまうことになる。これを防ぐためには、パターンを形成する複数の層の材質が化学的に異なる場合でも、図2に示したフォトマスクと同様に中間層を設ければよい。この場合は、透光層A,遮光層Bの夫々の材質及びエッチング剤を任意に決定することができるという効果がある。
【0021】図1、及び図2に示すフォトマスクはいずれも、遮光層B、若しくは中間層Cのエッチングを行っても透光層Aの膜厚が成膜時のものから変化することはなく、層Aの膜厚、即ち光透過率の制御を成膜時において制御できる。
【0022】尚、以上ではパターンを形成する透光層(第1の層)と遮光層(第2の層)を夫々単層構造としたが、各層を夫々複数層で構成してもよい。例えば透光層を複数の層で形成すれば、パターンの複数のエッジにおいて、構成する層の数を夫々変えることにより透過率を変化させることが可能となる。また、パターンのエッジ内で部分的に構成する層の数を変えれば、エッジ内の位置によって光の透過率を変化させることも可能である。特に第1の実施例においては、透光層を形成する複数の層のうち少なくとも1層を光の位相をシフトさせる位相シフト部材で形成すれば、図2のフォトマスクと同様に位相シフト用マスクとして用いることができる。この位相シフト部材の層は、透光層とマスクのガラス基板とが接する部分であっても、透光層を形成する複数の層の間であっても、何処でも構わない。さらに、複数の層で形成するのは透光層に限らず遮光層であってもよい。
【0023】また、前記のように複数の層で構成された遮光層のうちの表面の層、若しくは透光層のうちのガラス基板に接する層の少なくとも一方を酸化クロム等の反射防止材で形成すれば、パターンでの不要な反射光を減少する所謂反射防止膜として使用することが可能となる。但し、遮光層のうちの表面の層を反射防止膜の層とした場合は、パターンのエッジ部に相当する部分の遮光層をエッチングする際にこの反射防止膜の層のエッジ部に相当する部分も除去されてしまう。このため特に図2、3のフォトマスクにおいては、遮光層のうちの表面の層のみならず、中間層(第3の層)をも反射防止膜で形成すればパターンの全面に反射防止膜を形成することができ、さらに効果的である。中間層は、光を透過し且つエッチング剤に対する性質がクロムとは異なる材料で形成されなければならず、例えば二酸化珪素を反射防止効果の生じる程度の厚さだけ成膜しておけばよい。
【0024】次に、従来のフォトマスクと図1〜3いずれかのフォトマスクとを夫々照明し、その透過光の強度を夫々検出した結果を図5、及び図10を用いて説明する。図5は、図1〜3いずれかのフォトマスクを照明してその回路パターンの投影像の光強度を検出した結果を示す図である。この場合、エッジ部の光透過率は1.0%に定めている。また、図10は、従来の技術によるフォトマスクを照明してその回路パターンの投影像の光強度を検出した結果を示す図である。即ち、フォトマスクのパターン部の光の透過率が零の場合である。各フォトマスク共、パターン部の幅は0.6μmであり、デューティー比は1:1になっている。図中においては、0≦X≦0.6、及び1.2≦X≦1.8の範囲がフォトマスクのパターン部に対応している。尚、使用した露光装置は、投影レンズの開口数NA=0.6、コヒーレンス・ファクターσ=0.3、露光波長λ=365nmである。
【0025】これらの図から分かるように、従来の技術によるフォトマスク(パターン部の光透過率が零)を用いた場合に比べて、図1〜3いずれかのフォトマスク(パターン部の光透過率が1%程度)を用いた場合の方がパターン部の像には光強度が殆ど無い。
【0026】尚、結像に寄与する部分(パターン部のエッジ部分)が所定の光透過率を有するようにすると、結像した像のコントラストが向上することは計算によっても導かれる。
【0027】次に、本発明の実施例によるフォトマスクについて説明する。一般に回路パターンの描画されたフォトマスクには、図14(a)に示すように、その回路パターン3の描画された領域の周辺に遮光帯4が設けられている。この回路パターン3が所定の透過率を有するものである場合、所定の透過率を有する部材の層(透光層)のみでパターンが形成されているとすると、この遮光帯4も透過率を有する層で構成されていることになる。その結果、ウェハ上の投影像の遮光帯に相当する部分にもその透過率に相当する光束が達してしまい、レジストが感光してしまうという不都合が生じる。これを防ぐためには、遮光帯4の透過率は零であることが望ましい。従って、図14(b)に示すように、フォトマスクの回路パターン、及び遮光帯を、照明光に対する透過率がほぼ零である遮光層と所定の透過率を有する透光層とで構成するようにする。即ち、ガラス基板G上にほぼ1%の透過率を有する透光層Aで回路パターンを形成し、遮光帯に相当する部分にはさらに遮光層Bを形成する。このフォトマスクの製造方法は、透光層Aと遮光層Bとを夫々所定の透過率が得られる膜厚に成膜した上で、遮光層Bのうち遮光帯4に相当する部分を残してエッチングにより除去し、透光層Aのうち回路パターン3に相当する部分を残して同様に除去する。
【0028】尚、この回路パターン3は透光層Aのみで形成されると限定されるものではなく、図1〜3のフォトマスクと同様に遮光層Bで形成された中央部を有していても構わない。
【0029】次に、例えば図3に示すようなフォトマスクの遮光部の構成を位相シフト用マスクに応用した場合の例について、図6を参照して説明する。因みに従来の技術によるエッジ強調型、若しくは遮光効果強調型の位相シフト用マスクは、図11に示すようにガラス基板G上に光透過率が零である遮光層Bが形成されている。この層Bは幅0.5μmの開口部を有し、この開口部には位相シフターの層Dが形成されている。
【0030】図6は、位相シフト用マスクのパターン部の概略的な構成を示す図である。これは、図2のフォトマスクの製造時において、クロム層Bのエッチング後に位相シフターである中間層Cのエッチングを行なわないものである。この位相シフト用マスクはエッジ強調型、若しくは遮光効果強調型のマスクであり、基板G上には所定の光透過率(この場合40%)を有する透光層Aと、中間層としての位相シフターの層Dとが形成され、さらにその上に幅0.5μmの開口部を有する光透過率が零の遮光層Bが形成されている。
【0031】このような断面構造の回路パターンを有するマスクと従来法によるマスクとを夫々照明し、その透過光が形成する回路パターンの投影像の光強度分布について、図7、及び図13を用いて説明する。露光装置は、前述のものと同様、投影レンズの開口数NA=0.6、コヒーレンス・ファクターσ=0.3、露光波長λ=365nmのものを使用した。
【0032】図7は、図6の位相シフト用マスク(エッジ強調型、若しくは遮光効果強調型)を照明し、その透過光が形成する回路パターンの投影像の光強度分布を示す図である。このマスクの位相シフター部の光透過率は、図11に示す従来の位相シフト用マスクの位相シフター部の透過率に対して約40%である。
【0033】図13は、従来の技術による位相シフト用マスク(エッジ強調型、若しくは遮光効果強調型)を照明し、その透過光が形成する回路パターンの投影像の光強度分布を示す図である。このマスクの位相シフター部の光透過率は100%とする。
【0034】図7、及び図13に示すように、従来のマスクを使用した場合に比べ、図6のマスクを使用した場合の方が像のコントラストが0.898から0.938へ向上した。因みに位相シフターを設けていない場合のコントラストは0.826である。
【0035】以上のように、パターンの中央部とエッジ部とで光の透過率を変化させることにより、パターンの像の暗部に生じる光の強度を減少させることができる。またパターンの中央部とエッジ部とで光の透過率が異なるようなフォトマスクにおいて、パターンを化学的性質の異なる複数の層で形成することによりエッチングの際には上層の部材のみ除去され、透過率を有する下層の部材の膜厚は成膜時のまま残るのでエッチング時の膜厚変化(透過率変化)が生じることはない。
【0036】さらに、透光部の層を1層だけでなく、さらに多くの層を重ねることにより、透光部の光透過率を位置により変化させることも可能である。また、複数の層の一部を位相シフト材料の薄膜に変えることにより、位相シフト用マスク(エッジ強調型、若しくは遮光効果強調型)の効果を持たせることも可能である。特に、中間層を位相シフターとして用いるようにすると、位相シフター等の膜厚管理を成膜時に行なうことができ、好都合である。またこのとき、所定の光透過率を有する透光部との組み合わせにより位相シフターの部分の透過光の強度を減少させることができるため、パターンの像のコントラストを強めることが可能である。さらに、従来の技術による位相シフト用マスクと同様の効果を得るための位相シフター部分の面積、乃至は線幅を大きくすることができるので、マスクパターンの製造時における欠陥が発生する可能性が小さくなるという利点もある。
【0037】
【発明の効果】本発明の、特に請求項1に記載したフォトマスクでは、遮光帯が、前記照明光に対する透過率がほぼ零となるように前記第1の層に第2の層を重ねることによって形成されるため、所定の透過率を有する部材で遮光帯を構成した場合のように、ウエハ上の投影像の遮光帯に相当する部分にもその透過率に相当する光束が達してしまうという不都合は生じない。




 

 


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