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発明の名称 正帯電トナーを用いての反転現像システムにおけるトナー像の転写方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−42667(P2001−42667A)
公開日 平成13年2月16日(2001.2.16)
出願番号 特願平11−216906
出願日 平成11年7月30日(1999.7.30)
代理人 【識別番号】100067183
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 郁男
【テーマコード(参考)】
2H032
【Fターム(参考)】
2H032 AA05 BA01 BA05 BA11 BA19 BA23 BA26 
発明者 大久保 旨宣 / 濱川 博幸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 反転現像法により、感光体ドラム表面に形成された静電潜像を正帯電トナーを用いて現像し、感光体ドラム表面のトナー像を転写紙表面に転写する方法において、前記感光体ドラムに対面させて転写ローラを配置し、且つ該転写ローラの転写紙導入側近傍に、少なくともガイド面が転写紙に対しての摩擦帯電系列が負極性の絶縁体層から形成されている絶縁性ガイド板を設け、前記転写ローラを負極性の電位に保持しながら、転写紙を前記ガイド板によって転写ローラと感光体ドラムとの間に導入することにより、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を転写紙の表面に転写する方法。
【請求項2】 前記絶縁性ガイド板表面の絶縁体層がフッ素樹脂から成る請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンである請求項2に記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真装置で使用される転写ローラを用いての転写方法に関するものであり、より詳細には、正帯電トナーを用いての反転現像システムに適用されるトナー像の転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機に代表される電子写真装置においては、感光体ドラム表面を一様に帯電し、画像露光により感光体ドラム表面に原稿像に対応する静電潜像を形成し、次いで該静電潜像を現像して感光体ドラム表面にトナー像を形成し、このトナー像を感光体ドラム表面から転写紙上に転写し、転写されたトナー像を熱、圧力等により定着させることによって、画像の形成が行われる。
【0003】このような電子写真装置において、感光体ドラム表面に形成されたトナー像の転写材上への転写手段としては、コロナ帯電器(転写チャージャ)や転写ローラを用いた方法が広く採用されている。コロナ帯電器を用いる方法は、転写材の裏面をコロナ放電によりトナー像とは逆極性に帯電させ、この帯電電荷によってトナー像を転写紙表面に転写させるというものである。また転写ローラを用いる方法は、該ローラがトナー像とは逆極性の電位に保持される様に、該ローラに電圧を印加し、この状態で感光体ドラムと転写ローラとの間に転写紙を通し、該転写ローラとトナー像との間に形成される電界によってトナー像を転写紙表面に転写するというものである。
【0004】しかるに、コロナ帯電器を用いた転写方法では、転写紙が感光体ドラム表面に静電吸着してしまうため、トナー像が転写された転写材を感光体ドラム表面から分離するために、ACチャージャを併用しなければならず、転写機構が複雑になるという問題がある。また、コロナ帯電によるオゾンの発生という問題もある。これに対して、転写ローラを用いた転写方法では、転写紙の感光体ドラム表面からの分離が比較的容易であり、例えばACチャージャのようなコロナ帯電器を用いることなく転写紙の分離を行うことができ、またオゾンの発生という問題もないため、最近では、転写ローラが採用される傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の電子写真装置では、デジタル方式の複写機、レーザプリンタ、ファクシミリなどの普及に伴って、反転現像システムが広く採用されている。反転現像システムは、画像露光に形成された静電潜像の光照射部、即ち主帯電電位が光減衰した低電位部に、該電位と同極性に帯電されたトナーを付着させることにより、上記静電潜像が可視像化されたトナー像を形成するものであり、像のバックグラウンド部(光が照射されていない部分)はトナーと同極性の高電位に保持されているため、この部分にはトナーが付着しないというものである。
【0006】而して、特に正帯電トナーを用いて反転現像により画像形成を行う場合において、転写ローラを用いて転写紙上にトナー像の転写を行う方法を採用すると、画像形成を繰り返し行っていく内、次第に、転写紙の裏面のトナー汚れが生じるようになることが認められた。従って本発明の目的は、正帯電トナーをもちいての反転現像システムにおいて、転写紙裏面のトナー汚れを生じることなく、転写ローラを用いて感光体ドラム表面から転写紙表面にトナー像を転写することが可能な転写方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、反転現像法により、感光体ドラム表面に形成された静電潜像を正帯電トナーを用いて現像し、感光体ドラム表面のトナー像を転写紙表面に転写する方法において、前記感光体ドラムに対面させて転写ローラを配置し、且つ該転写ローラの転写紙導入側近傍に、少なくともガイド面が転写紙に対しての摩擦帯電系列が負極性の絶縁体層から形成されている絶縁性ガイド板を設け、前記転写ローラを負極性の電位に保持しながら、転写紙を前記ガイド板によって転写ローラと感光体ドラムとの間に導入することにより、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を転写紙の表面に転写する方法が提供される。
【0008】概説すると、本発明の転写方法は、転写ローラの近傍に配置されている絶縁性ガイド板の表面、特にガイド面に転写紙に対しての摩擦帯電系列が負極性の絶縁体層を設けたことが顕著な特徴である。転写ローラを用いてトナー像の転写を行う場合、転写ローラの転写紙導入側近傍には、転写紙を転写ローラと感光体ドラム表面との間にスムーズに導入し且つ転写紙と感光体ドラム表面との密着度合いを高めるためのガイド板を設けることが必須であるが、本発明者等は、前述した反転現像システムにおける転写紙裏面のトナー汚れは、このガイド板によって生じることを見出した。
【0009】即ち、上記のガイド板は、感光体ドラム表面の近傍に位置するものであるため、電荷のリーク等を防止するために、絶縁性材料で形成されており、特に成形性やコストなどの点からABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂などの機械的強度に優れた絶縁性樹脂から形成されている。このような絶縁性樹脂は、一般に転写紙に対する摩擦帯電系列が正極性であるため、画像形成サイクル毎に生じる転写紙とガイド板(特にガイド面)との接触により、このガイド板は正極性に帯電される。一方、現像剤として使用される正帯電トナー中には、必ず一定の割合で(通常数%程度)逆帯電トナーが含まれており、画像形成を繰り返すと、現像器中の逆帯電トナーの割合が増加する。この逆帯電トナー(負帯電トナー)は、転写紙と転写紙とを通過させる間などの非画像域において感光体ドラム表面に付着し、付着した逆帯電トナーが上記ガイド板を汚す。従って、ガイド板に付着したトナーは、このガイド板を通過する転写紙の裏面に接触し、この結果、転写紙裏面のトナー汚れが生じることになる。
【0010】しかるに本発明によれば、ガイド板の少なくともガイド面に転写紙に対しての摩擦帯電系列が負極性の絶縁体層を設けることにより、上記のような逆帯電トナーによる転写紙裏面汚れを有効に防止することが可能となる。即ち、転写紙との接触により、上記ガイド面は負極性に摩擦帯電される。このため、このガイド面に逆帯電トナー(負帯電トナー)が付着することがなく、逆帯電トナーが感光体ドラム表面に付着することにより生じる画像不良が有効に防止されるのである。この場合、正帯電トナーは上記ガイド面に付着し易くなるが、このような正帯電トナーがガイド板を通過する転写紙の裏面に付着したとしても、転写紙の裏面汚れは生じない。即ち、転写紙が感光体ドラムと転写ローラとの間を通過する際に、転写紙裏面に付着した正帯電トナーは転写ローラ側に電気的に引っ張られ、転写紙の裏面から分離してしまうからである。しかも、転写ローラに付着した正帯電トナーは、転写ローラに逆バイアス電圧を印加することで、感光体ドラム側に回収することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1は、電子写真装置の全体配置の概要を示す図であり、図2は、本発明の転写方法を好適に実施し得る転写紙の搬送経路の配置を示す図である。
【0012】図1において、この電子写真装置においては、図の矢線方向に回転可能に設けられている感光体ドラム1の周囲に、主帯電装置2、露光機構3、現像装置4、転写ローラ5、除電装置6、クリーニング装置7が、感光体ドラム1の回転方向に沿って、この順に配置されており、感光体ドラム1と転写ローラ5との間に、転写紙10が通され、転写紙10の排出経路上には、定着装置11が設けられている。
【0013】感光体ドラム1としては、アルミ等の導電性基体ローラ上に、セレン、非晶質シリコンなどの感光層を設けた無機感光体ドラムや、バインダー樹脂中に電荷発生剤や電荷輸送剤を分散させた有機感光層を設けた有機感光体ドラムなどが使用されるが、特に正帯電型感光層を備えたものが使用される。主帯電装置2としては、ローラ型の接触帯電装置もあるが、一般には、コロナ帯電器が使用され、この主帯電装置2により、感光体ドラム1の表面(感光層)が、正極性に一様に帯電される。この時の感光体表面の主帯電電位は、通常、+200〜1000V程度である。次いで画像露光機構3により、原稿の反射光或いはコンピュータなどからの電気信号により原稿に対応するレーザビームなどのドット光が感光体ドラム表面に照射され、光照射部分の電位が光減衰し、静電潜像が形成される。現像装置4においては、感光体ドラム1に対面するように現像剤搬送スリーブが配置されており、この現像スリーブによって現像剤が感光体ドラム1と該スリーブとの間の現像域に供給され、上記静電潜像の現像が行われる。現像剤としては、磁性キャリヤと絶縁性トナーとから成る二成分系現像剤や磁性トナーから成る一成分系現像剤が一般に使用され、正電荷制御剤などの配合により正極性に摩擦帯電したトナーが一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送され、この正帯電トナーが、光減衰により低電位となっている部分に付着することにより静電潜像の現像が行われる。
【0014】この転写ローラ5は、金属粉、カーボン粉末等の導電性粉末やイオンの添加により導電性が付与されたゴム、樹脂、或いはこれらの発泡体から形成されており、直流電源20によって転写電圧が印加され、一般に、−100〜−3000Vの転写電位に保持され、転写時のローラへの流れ込み電流が−2〜−30μAとなるように設定されており、この状態で、転写ローラ5と感光体ドラム1との間を通過する転写紙10上にトナー像15が転写され、転写トナー像16が形成される。転写ローラ5は、感光体ドラム1の回転に従動するように配置されているが、その表面と感光体ドラム1の表面とは接触していてもよいが、通常、両者の間隔が0.1乃至0.5mmとなる様に設定されていることが好ましい。この間隔が0.1mmよりも小さいと、両者の間を通過する転写紙10の表面にトナー像15が圧接され、転写トナー像16に中抜け等を生じ易くなり、この間隔が0.5mmよりも大きいと、転写を有効に行うことが困難となる傾向がある。
【0015】転写トナー像16を有する転写紙10は、定着装置11に搬送され、熱、圧力等により、転写トナー像16が転写紙10の表面に定着される。一方、トナー像15が転写紙10上に転写された後、除電装置6による光照射により、感光体ドラム1の表面電荷が除去される。更に、必要により、クリーニングブレード等を備えたクリーニング装置7により、感光体ドラム1の表面に残存するトナーが掻き取られて回収され、次の画像形成プロセスが行われる。尚、クリーニング装置7に回収されたトナーは、必要により、現像装置4にリサイクルされて再使用に供される。
【0016】本発明の転写方法を好適に実施するための転写紙搬送経路の配置を示す図2において、転写ローラ5の軸は、所定のフレーム30に回転可能に保持されていると同時に、このフレーム30には、絶縁性のガイド板31が装着されている。このガイド板31は、転写ローラ5の近傍に位置しており、転写ローラ5と感光体ドラム1との間に前述した間隔が保持されるようになっていると共に、転写紙を転写ローラ5と感光体ドラム1の表面との間の小間隙にスムーズに導入し得るように且つ転写紙10と感光体ドラム表面との密着の度合いが高くなる様に、ガイド面31a(転写紙10と接触する面)を有している。尚、このガイド板31は、感光体ドラムの近傍に配置されるものであることから、電荷リークなどを防止するために、電気絶縁性であることが必須である。
【0017】転写紙10は、所定のカセット(図示せず)などから搬送経路(図2中、Aで示す)に沿って転写域(転写ローラ5と感光体ドラム1との間)に搬送され、転写終了後に排出されるが、この搬送経路Aには、一般に紙粉除去装置40が配置されており、転写紙10は、紙粉除去装置40を通り、前記ガイド板31を経て転写域(感光体ドラム1と転写ローラ5との間隙)に導入されるようになっている。
【0018】紙粉除去装置40は、互いに対面して配置された一対の絶縁性ローラ41,41から形成されており、一方が駆動ローラ、他方が従動ローラとなっており、両者の間を通過する転写紙10を転写域方向に送り出す様に回転する。尚、この絶縁性ローラは、その表面が絶縁性であればよく、例えば金属ローラ等の導電性ローラの表面を絶縁性の樹脂やエラストマーで被覆したものであってもよい。また絶縁性ローラの代わりに導電性ローラを用いることも可能であるが、この場合には、接地しないことが必要である。接地すると、紙粉の除去を有効に行うことが困難となる。また、上記の絶縁性ローラ41,41の表面には、転写紙10から掻き取った紙粉を除去するための掻き取り部材42が圧接されている。掻き取り部材42は、通常、スポンジ、フェルト、ブラシなどのクッション性の絶縁部材で形成されていることが好ましい。
【0019】本発明においては、上述したガイド板31の少なくともガイド面31aには、転写紙10に対しての摩擦帯電系列が負極性の絶縁体から形成された層50が設けられる。即ち、この絶縁体層50は、転写域に導入されてくる転写紙10との摩擦接触により負極性に帯電する。従って、前述した現像に使用される正帯電トナー中に含まれる逆帯電トナーがガイド板31のガイド面31aに付着することはなく、かかる逆帯電トナーによる転写紙10の裏面のトナー汚れを有効に防止することができる。
【0020】本発明において、前述した絶縁体層50を形成する絶縁体としては、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニル/フッ化ビニリデン共重合体、四フッ化エチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体などを使用することができ、特にPTFEが好適に使用される。また、このような絶縁体層50は、耐久性の点で少なくとも10μm以上の厚みを有していることが好ましく、例えば、かかる絶縁体層50を形成する絶縁体によって、ガイド板31の全体が形成されていてもよい。ただ、一般的には、コストや成形性などの点から、ABS樹脂などの絶縁性樹脂の表面に、上述した絶縁体の塗工液を塗布し、乾燥させることによって絶縁体層50を形成するのがよい。
【0021】
【実施例】(実験例1)三田工業株式会社製デジタルプリンタ Antico 80を改造し、転写ローラの近傍に設けられているガイド板のガイド面に、フッ素樹脂の塗工機を噴霧,乾燥して絶縁体層を形成し、この改造機を用いて画像形成を行った。改造機の仕様及び現像条件等は、以下の通りである。
【0022】
感光体ドラム:φ30mm径正帯電有機感光体ドラム 主帯電電位:+700V 現像装置: 二成分系磁性現像剤(正帯電トナー4重量%)
スリーブ−ドラム間距離 0.8mm 磁気ブラシ穂長 0.8mm 現像方式 反転現像 現像バイアス +400V 転写ローラ:φ16mm径イオン導電発泡ウレタンローラ ローラ−ドラム間距離 0.3mm ローラ電位 −1200(ローラ流れ込み電流−12μA)
ガイド板:ABS樹脂製 絶縁体層 30μm厚みPTFE樹脂【0023】以上の条件で連続して6万枚の画像形成を行ったが、画像不良は全く生じなかった。また、画像形成終了後、上記ガイド板の絶縁体層表面には、逆帯電トナーは全く付着していないことを確認した。また比較のために、ガイド板に上記絶縁体層を形成せずに同様の実験を行ったところ、1000枚程度の画像形成を行った時点で頻繁に画像不良が生じるようになり、ガイド板表面には、逆帯電トナーが付着していることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明の転写方法によれば、正帯電トナーを用いての反転現像により画像形成を行う場合において、転写ローラ近傍に設けられているガイド板に逆帯電トナー(負帯電トナー)の付着が有効に防止されるため、逆帯電トナーによる転写紙裏面のトナー汚れを有効に防止することができる。




 

 


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