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発明の名称 電子写真用カラートナー及び該トナーの製造方法並びに画像形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−22118(P2001−22118A)
公開日 平成13年1月26日(2001.1.26)
出願番号 特願平11−198838
出願日 平成11年7月13日(1999.7.13)
代理人 【識別番号】100074505
【弁理士】
【氏名又は名称】池浦 敏明
【テーマコード(参考)】
2H005
2H030
【Fターム(参考)】
2H005 AA01 AA06 AA08 AA21 AB10 CA08 CA15 CA21 CA25 CB07 CB13 DA02 DA04 EA03 EA05 EA07 EA10 FB01 FC01 
2H030 AD01 AD04 BB63
発明者 加藤 光輝 / 望月 賢 / 朝比奈 安雄 / 増田 稔 / 鈴木 智美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカとチタニアからなる2種の無機酸化物を添加した、重量平均径が4.0〜9.0μmである電子写真用カラートナーにおいて、転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6が1.2〜2.0であり、かつシリカの遊離率が0.5〜8%、チタニアの遊離率が0.5〜5%であることを特徴とする電子写真用カラートナー。
【請求項2】 前記2種の無機酸化物の添加量の総量が、母体トナー100重量部に対して1.2〜2.0重量部であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用カラートナー。
【請求項3】 前記チタニアの添加量が、前記シリカの添加量よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用カラートナー。
【請求項4】 前記結着樹脂の軟化点が、110〜130℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用カラートナー。
【請求項5】 前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂及び/又はポリオール樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用カラートナー。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用カラートナーにおいて、さらに、帯電制御剤として、サリチル酸誘導体金属塩を添加したことを特徴とする電子写真用カラートナー。
【請求項7】 前記電子写真用カラートナーが、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各トナーから構成されたフルカラートナーであり、かつ、ブラックトナーの転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6が、他のトナーの該D0.6より高いことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用カラートナー。
【請求項8】 前記電子写真用カラートナーが、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各トナーから構成されたフルカラートナーであり、かつ、ブラックトナーの転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の光沢度が、他のトナーの該光沢度より高いことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用カラートナー。
【請求項9】 母体トナーと添加剤の混合時における撹拌羽根周速が15〜35m/sec.であり、かつ、添加剤として加えるシリカとチタニアのいずれについて、混合攪拌時間が少なくとも50sec.以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用カラートナーの製造方法。
【請求項10】 潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーを用いて現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して転写材上に転写して記録画像を得る画像形成方法において、前記トナーとして請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用カラートナーを用いたことを特徴とする画像形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに適用される、白抜けや、地汚れ及びフィルミングの発生等が少ない電子写真用カラートナー及び該トナーの製造方法並びに該トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第227691号、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載されている。これらの方法は、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により光導電性支持体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像し、可視像を得るか、または必要に応じて紙などに粉像を転写した後加熱・加圧或は溶剤蒸気などにより定着して可視像を得るものである。
【0003】また、カラーの多色像を得るためのフルカラー電子写真方法としては、米国特許第2962374号等に記載されているように、少なくとも画像をイエロー・マゼンタ・シアンの3色の色信号に分解して露光し、上記の工程を少なくともイエロー・マゼンタ・シアン等のプロセスカラートナーを用いて複数回繰り返して現像し、トナー像を重ね合わせカラーの多色像を得るものである。
【0004】近年、電子写真方式を用いたハードコピーの技術は、白黒からフルカラーへの展開が急速になされつつあり、これまで以上に、高画質化、高再現性、高安定性の要求が高まっている。これらの要求に対して、トナーの粒径を小粒化することにより画質を改善することがしばしば実施されている。トナーの粒径を小径化することは、画質をより良くするために効果的ではあるものの、単位重量当りの帯電量が高くなるため、現像性が低下し、画像濃度の低下や耐久性の劣化が生じやすい。
【0005】また、トナーの非静電的付着力が強くなるため、感光体や中間転写体等の非画像部に非静電的に付着するトナーが多くなり、地汚れが増加する原因となっている。さらに、非静電的付着力が大きくなるほどトナーの凝集性も強くなり、これにより流動性が低下し、またベタ部の現像においてこの凝集したトナーが感光体や中間転写体等に存在する場合には、その凝集したトナーの周囲は転写されにくいため、転写ムラや白抜けの発生の原因となる。特に、カラートナーの場合には、従来のトナーと比べて複写に使用する原稿の画像面積が一般的に高く、また、原稿も写真、カタログ、地図、絵画等のようにベタ画像を多く有する場合が多いため、転写ムラや白抜けは画像の品質を大きく損う要因となる。
【0006】また、小粒径のトナーほど添加剤が付着しにくく、この添加剤が付着していないトナーや遊離添加剤が地汚れや感光体のフィルミングや機内汚染等の原因となる。さらに、トナーが小粒径になるほど、トナーの比表面積が増加するため添加剤量を増量させる必要があるが、これによっても、遊離添加剤が増えるため、感光体上のフィルミングや機内汚染等の原因となる。
【0007】ここで、トナーに使用される添加剤には、流動性や耐熱保存性を付与する目的で、シリカ、チタニア等の無機酸化物がしばしば用いられている。しかし、母体トナーとの付着力が弱い、あるいは未付着の遊離した添加剤は、感光体上に形成された電気的潜像をトナーにより現像する際に、トナーと共に感光体上に移行しやすく、トナー画像を感光体上から紙などの転写材に転写した後も感光体上にとどまり、クリーニングされずに感光体上に付着することがしばしば認められる。これらの添加剤が感光体上に蓄積されると、感光体上にフィルミングが生じ、転写材に転写されたトナー画像の画像欠陥や画像濃度の低下の原因となり、耐久性も劣るようになり、また感光体表面に傷をつけ感光体の寿命が低下する原因にもなっている。また、感光体上の電気的潜像をトナーにより現像する際に、これらの添加剤が現像器内からこぼれ落ちて複写機内などを汚染するという問題もある。また、このような添加剤の付着力が弱いトナーは、現像器内でストレスを受けた時、初期との付着状態の変化が大きく、現像器内にトナーが追加された際、追加トナーと帯電レベルが異なり、地汚れや画像濃度低下が発生しやすい。
【0008】一方、母体トナーとの付着力を強くし過ぎると、添加剤がトナーに埋め込まれて、有効に機能できる微粒子の割合が減少し、流動性も低下する。そのため所望のトナー特性を得るためにさらに添加量を増やさねばならなくなるが、過度の添加により、付着力の弱い、あるいは未付着の遊離した添加剤が増えるため、感光体に移行して付着する割合が増加し、画像欠陥が発生する恐れがある。
【0009】そこで、上記の問題点を解決するため、添加剤が埋め込まれないように、結着樹脂の分子量を大きくすることが考えられる。しかし、一般にカラートナーは白黒プリント用の黒トナーに対して、定着加熱時に、より熱溶融性を増し、低粘度化して、光沢や透明性を得る必要があるが、分子量の大きい樹脂は軟化温度が高く、定着温度を高く設定しても、粘度が低下せず、十分な光沢や透明が得られない。
【0010】ところで、トナーに添加剤を用いたものとして、例えば、特公平2-27664号公報、特開昭62-129866号公報、特開平2−43564号公報、特開平8−194335号公報及び特開平9−146293号公報等には、シリカとチタニアとを添加付着させたトナーが記載されている。しかしながら特公平2-27664号公報及び特開昭62−129866号公報には、これらの添加剤が母体トナーにどの程度付着したものかについては何ら記載がなく、これらトナーは帯電安定性、流動性等の向上を目的としたものであり、白抜けや、地汚れ、フィルミングの発生等を防止しうることは開示されていない。
【0011】また、特開平2−43564号公報、特開平8−194335号公報及び特開平9−146293号公報記載のトナーは、これら添加剤として、大きさの異なる微粒子を使用したものであるが、特開平2−43564号公報には、これら添加剤が母体トナーにどの程度付着したものかについては何ら記載がなく、該トナーはカブリ発生防止を目的としたものであり、特開平8−194335号公報及び特開平8−146293号公報記載のトナーは、遊離の添加剤の割合が高く、白抜けや、地汚れ、フィルミングの発生等を充分防止しうるものではない。
【0012】以上のような理由から、小粒径のトナーにおいて特に顕著であるベタ画像における白抜けや、地汚れ及びフィルミングの発生等が少ない満足しうる電子写真用カラートナーは未だ得られていないのが現状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的は、小粒径のトナーにおいて特に顕著であるベタ画像における白抜け(いわゆるホタル)の発生が少ない電子写真用カラートナーと該トナーの製造方法及び画像形成方法を提供することにある。本発明の第二の目的は、地汚れ及びフィルミングの発生が少ない電子写真用カラートナーと該トナーの製造方法及び画像形成方法を提供することにある。そして、本発明の第三の目的は、適度な光沢度で、転写チリ、トナー飛散の少ない電子写真用カラートナーと該トナーの製造方法及び画像形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なくとも結着樹脂、着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカとチタニアからなる2種の無機酸化物を添加した、重量平均径が4.0〜9.0μmである電子写真用カラートナーにおいて、転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6が1.2〜2.0であり、かつシリカの遊離率が0.5〜8%、チタニアの遊離率が0.5〜5%であることを特徴とする電子写真用カラートナーが提供される。また、本発明によれば、母体トナーと添加剤の混合時における撹拌羽根周速が15〜35m/sec.であり、かつ、添加剤として加えるシリカとチタニアのいずれについて、混合時間が少なくとも50sec.以上であることを特徴とする上記電子写真用カラートナーの製造方法が提供される。更に、本発明によれば、潜像担持体に記録画像に対応する静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーを用いて現像して上記潜像担持体にトナー画像を形成し、形成されたトナー画像を中間転写体を介して転写材上に転写して記録画像を得る画像形成方法において、前記トナーとして上記電子写真用カラートナーを用いたことを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0015】即ち、本発明の電子写真用カラートナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤からなる母体トナーに、添加剤として少なくともシリカとチタニアからなる2種の無機酸化物を添加してなり、重量平均径が4.0〜9.0μmであって、転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6が1.2〜2.0であり、しかもシリカの遊離率が0.5〜8%、チタニアの遊離率が0.5〜5%であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の電子写真用カラートナーは、その重量平均径が、4.0〜9.0μmであり、好ましくは5.0〜8.0μmである。該平均径が4.0μmより小さいと、現像性が低下し、耐久性も十分に得られない。また9.0μmより大きいと、階調性の低下が顕著になるため、ドット再現性が悪化する。本発明の電子写真用カラートナーの重量平均径は、例えばコールターマルチサイザー等により測定できる。
【0017】本発明のトナーの、転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6は1.2〜2.0である。該D0.6が1.2より低い時は、トナーの着色力が低く、ベタ部の画像濃度が低下する。これを解決するために転写材上のトナーの付着量を増すと、トナーの消費量が増えるため現像器内へのトナーの補給を頻繁に行う必要があり、現像器内でのトナーとキャリアの均一な撹拌ができにくく、地汚れが発生しやすくなり、又ベタ画像を出力した時に画像上にムラが生じやすくなり、均一なベタ画像が得られにくい。さらに、トナーの付着量を増やすと、転写チリと呼ばれる細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、カラー画像の細線部のように、2色以上のトナーを重ねて現像させる場合には、その傾向はより顕著になる。また、上記D0.6が2.0より高い時は、特にハーフトーン部の再現時において、非常に少ないトナー量で感光体上の微小な静電荷潜像を現像しなければならず、ハーフトーン部でのざらつきが目立ちやすく、加えて地汚れも目立ちやすくなる傾向がある。
【0018】ここで画像濃度D0.6とは、転写材上に1cm2当り0.60±0.05mgのトナーが付着されているベタ画像を形成し、定着後のベタ画像の光沢度が10%以上になるように定着させた後、測定した画像濃度である。ここで、光沢度は、日本電色工業株式会社製のグロスメーターを使用し、入射角60゜により計測した。また画像濃度は、例えばX−Rite 938などの測定計を用いて測定した。
【0019】本発明の電子写真用カラートナーは、更に少なくともシリカとチタニアからなる2種の無機酸化物を添加してなることが必要である。シリカとチタニアからなる2種の無機酸化物を併用することにより、適度な流動性を得ることができ、また、高温高湿下において、現像に必要なトナーの帯電量を維持しつつ、トナー粒子表面の電荷の均一性、トナー粒子間の電荷交換性を速めて、帯電の速度を改善し、電荷の分布をシャープにすることができ、結果として、トナー組成物の帯電量の環境依存性を大幅に改善することが可能となる。そして、シリカとチタニアは、シリカの遊離率が0.5〜8%、チタニアの遊離率が0.5〜5%であることが必要である。
【0020】シリカの遊離率が8%、または、チタニアの遊離率が5%より高いと、遊離したシリカ又はチタニアが、感光体、現像ローラー及びキャリアなどに付着して、感光体や現像ローラーのフィルミングなどの現像障害の原因となりやすく、又、現像剤の帯電不良による地汚れや現像性の低下を引き起こしやすくなる。また、シリカ及びチタニアの遊離率が0.5%より低いと、添加剤が母体トナーに強く付着し、母体トナー表面に埋め込まれているため、十分な流動性が得られない。本発明のトナーのように、シリカの遊離率が0.5〜8%、チタニアの遊離率が0.5〜5%の範囲であれば、感光体や現像ローラーのフィルミング及び、キャリアへの付着等による汚染が起こり難い。
【0021】ここで、シリカ及びチタニアの遊離率の測定には、横河電機(株)製PT1000を用い、それぞれ次式により求めた。
【数1】

【数2】

【0022】また、このときの測定条件を以下にそれぞれ示す。
分析波長:Si元素:288.160nmTi元素:334.900nmC元素:247.860nm使用分光器:Si元素:No.1又はNo.2(ブレーズ波長:250nm)
Ti元素:No.1又はNo.2(ブレーズ波長:250nm)
C元素:No.3又はNo.4(ブレーズ波長:400nm)
測定ガス:O2 0.1%Heガス1スキャンのC元素検出数:500〜1500ノイズカットレベル:1.5以下ソート時間:20digitsここで、C元素の主成分は、母体トナーであり、又、添加剤としてシランカップリング剤等で表面処理したシリカとチタニアを用いる場合でも、実質的な添加量は多くても数重量部程度であり、シランカップリング剤によるC元素の検出量は、母体トナーと比較してほとんどわずかであるため、上記の式により、添加剤として用いたシリカ並びにチタニアの遊離率を求めることができる。
【0023】本発明において、シリカとチタニアの2種の無機酸化物の添加量の総量は、母体トナー100重量部に対して1.2〜2.0重量部であることが好ましく、特に好ましくは、1.4〜1.8重量部である。添加量が1.2重量部未満であると、トナーの流動性及び帯電量が十分でなく、又、ベタ画像を出力した時に画像上にムラが生じやすくなり、均一なベタ画像が得られにくい。また2.0重量部より多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体上へのフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレードや感光体の耐久性が低下する。さらに、転写チリと呼ばれる細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、特に、カラーの細線のように、2色以上のトナーを重ねて現像させる場合には、その傾向はより顕著になる。
【0024】ここで、シリカとチタニアの添加量は、種々の方法で測定できるが、蛍光X線分析法で求めるのが一般的である。すなわち、シリカ又はチタニアの添加量既知のトナーについて、蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用いて、シリカ又はチタニアの添加量を求める。
【0025】又、本発明の電子写真用カラートナーは、チタニアの添加量がシリカの添加量よりも多い方が好ましい。これは、トナーを小粒径化すると、単位重量当たりの表面積が増大し、摺擦による過剰帯電を生じやすくなる。これに対し、シリカの添加量がチタニアの添加量よりも多いと、シリカ自身の帯電付与能力も高いため、さらに帯電が上昇するが、チタニアを添加し、さらに、チタニアの添加量をシリカの添加量より多くすることにより、適度な帯電に制御することができ、さらに、環境による帯電の依存性を抑えることができる。
【0026】さらに、本発明に用いられるシリカとチタニアは、疎水化処理剤等により表面処理を施されていることが好ましい。この表面処理によりトナーに十分な流動性を付与することが可能となる。ここで疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。
【0027】ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチルトリクロルシラン、デシルトリクロルシラン、ノニルトリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)トリクロルシラン、ジベンチルジクロルシラン、ジヘキシルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジノニルジクロルシラン、ジデシルジクロルシラン、ジドデシルジクロルシラン、ジヘキサデシルジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)オクチルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジデセニルジクロルシラン、ジノネニルジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチルジクロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリオクチルクロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメチルクロルシラン、オクチルジメチルクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)ジエチルクロルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニューム系カップリング剤も使用可能である。
【0028】本発明において用いるシリカの平均一次粒径は、0.005〜0.05μm程度のものが好ましく、0.01〜0.03μmのものがより好ましい。また、チタニアの平均一次粒径は、0.005〜0.2μm程度のものが好ましく、0.01〜0.05μmのものがより好ましい。シリカの平均一次粒径が0.05μmより大きいと、またはチタニアの平均一次粒径が0.2μmより大きいと、流動性不良によりトナーの帯電が不均一となり、結果として地汚れやトナー飛散等が生じるようになる。一方シリカ又はチタニアの平均一次粒径が0.005μmより小さいと、母体トナー表面に添加剤が埋め込まれやすくなり、耐久性が低下するようになる。この傾向は、シャープメルト性を有するカラートナーに用いた場合、より顕著である。
【0029】また、本発明のトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤;又、逆極性の白色微粒子、及び黒色微粒子等を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0030】本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、通常電子写真用トナーに用いられるものはいずれのものでも用いられるが、その軟化点は、110〜130℃であることが好ましい。結着樹脂の軟化点が110℃より低いと、オフセットが発生しやすくなり、更にトナーの保存時にブロッキングが発生しやすくなり、又、ベタ画像を出力した時に画像上にムラが生じやすくなり、均一なべタ画像が得られにくい。逆に、130℃よりも高い場合には、十分な光沢や透明性が得られない。なお、結着樹脂の軟化点は、次のようにして測定した。即ち、高架式フローテスター(CFT−500)(島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。
【0031】また、本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂、又はポリオール樹脂、又はポリエステル樹脂とポリオール樹脂の混合物からなることが、光沢、透明性、耐オフセット性に優れているため、特に好ましい。また、異なる2種以上の結着樹脂を用いる場合には、これらの樹脂が互いに混練時に相溶する必要があり、相溶せずに樹脂間に界面が存在する場合には、光の屈折が界面で発生し、透明性が悪化する場合が多い。ここで、結着樹脂同士の相溶状態の判断は、透過型電子顕微鏡を用いた倍率10万倍での拡大写真により行った。
【0032】本発明において結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、本発明に用いられるものとして以下のものが特に好ましい。
(イ)下記の一般式(I)
【化1】

(式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基であり、x,yは正の整数であり、その和の平均値は2〜16である。)で示されるジオール成分と、(ロ)2価以上の多価カルボン酸、その無水物及びその低級アルキルエステルからなる群から選ばれる成分とを縮合重合して得られるポリエステル樹脂である。
【0033】前記(イ)の一般式(I)で示されるジオールの例としては、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(16)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。なお、ジオール成分に下記のような2官能以上のポリヒドロキシ化合物を、約5モル%以下使用することもできる。エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのエーテル化ポリヒドロキシル化合物等。
【0034】前記(ロ)の具体的な例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸及びそれらの無水物、及びそれらの低級アルキルエステル、トリメリット酸若しくはその無水物を含有する酸、n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ブチルコハク酸、イソ−ドデセニルコハク酸、イソ−オクチルコハク酸等のコハク酸誘導体が挙げられる。これらのコハク酸誘導体を導入することによりトナーとしての低温時の定着性が十分となり、更に光沢性も向上する。
【0035】上記ポリエステル樹脂は、通常ポリオール成分と多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中で180〜250℃の温度で縮重合することによって製造することができる。
【0036】また、ポリオール樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、本発明に用いられるものとして、以下のものが特に好ましい。特にポリオール樹脂として、■エポキシ樹脂と、■2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物若しくはそのグリシジルエーテルと、■エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、■エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるポリオールを用いることが好ましい。
【0037】さらにまた、■のエポキシ樹脂は、数平均分子量の相違する少なくとも2種以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂であることが特に好ましい。このポリオール樹脂は、良好な光沢、透明性を付与し、耐オフセット性に効果がある。本発明に用いられるエポキシ樹脂は、好ましくはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとエピクロロヒドリンを結合して得られたものである。エポキシ樹脂は、安定した定着特性や光沢を得るために数平均分子量の相違する少なくとも2種類以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂で、低分子量成分の数平均分子量が360〜2000であり、高分子量成分の数平均分子量が3000〜10000であることが好ましい。さらに低分子量成分が20〜50wt%、高分子量成分が5〜40wt%であることが好ましい。低分子量成分が多すぎたり、分子量が360よりさらに低分子の場合は、光沢が出すぎたり、さらには保存性の悪化の可能性がある。また、高分子量成分が多すぎたり、分子量10000よりさらに高分子の場合は、光沢が不足したり、さらには定着性の悪化の可能性がある。
【0038】本発明で用いられる■の化合物としての、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物としては、以下のものが例示される。即ち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド及びこれらの混合物とビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノールとの反応生成物が挙げられる。得られた付加物をエピクロロヒドリンやβ−メチルエピクロロヒドリンでグリシジル化して用いてもよい。特に下記一般式(II)で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルが好ましい。
【化2】

(式中、Rは−CH2−CH2−、−CH2−CH(CH3)−又は−CH2−CH2−CH2−基であり、またn、mは繰り返し単位の数であり、各々1以上であって、n+m=2〜6である。)
また、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物若しくはグリシジルエーテルが、ポリオール樹脂に対して10〜40wt%含まれていることが好ましい。ここで、これより量が少ないと、カールが増すなどの不具合が生じ、また、n+mが7以上であったり、これより量が多すぎると、光沢が出すぎたり、更には保存性の悪化の可能性がある。
【0039】本発明で用いられる■のエポキシ基と反応する活性水素を分子中に1個有する化合物としては、1価フェノール類、2級アミン類、カルボン酸類がある。1価フェノール類としては以下のものが例示される。即ち、フェノール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレノール、p−クミルフェノール等が挙げられる。2級アミン類としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチル(エチル)ピペラジン、ピペリジン等が挙げられる。また、カルボン酸類としては、プロピオン酸、カプロン酸などが挙げられる。
【0040】本発明で用いられる前記■のエポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物としては、2価フェノール類、多価フェノール類、多価カルボン酸類が挙げられる。2価フェノールとしては、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類が挙げられる。また、多価フェノール類としては、オルソクレゾールノボラック類、フェノールノボラック類、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンが例示される。多価カルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸が例示される。
【0041】本発明の主鎖にエポキシ樹脂部とアルキレンオキサイド部を有するポリオール樹脂を得るためには、種々の原材料の組み合わせが可能である。例えば、両末端グリシジル基のエポキシ樹脂と両末端グリシジル基の2価のフェノールのアルキレンオキサイド付加物を、ジハライドやジイソシアネート、ジアミン、ジオチール、多価フェノール、ジカルボン酸と反応させることにより得ることができる。このうち、2価のフェノールを反応させるのが反応安定性の点で最も好ましい。また、ゲル化しない範囲で多価フェノール類や多価カルボン酸類を、2価フェノールと併用するのも好ましい。ここで、多価フェノール類、多価カルボン酸類の量は、全量に対し15%以下、好ましくは10%以下である。
【0042】また、これらのポリエステル樹脂やポリオール樹脂は、高い架橋密度を持たせると、透明性や光沢度が得られにくくなり、好ましくは非架橋若しくは弱い架橋(THF不溶分5%以下)とすることが好ましい。
【0043】また、結着樹脂として、本発明の特性からなる結着樹脂に加えて、必要に応じて以下の樹脂を使用することもできる。ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂等。
【0044】次に、本発明のトナーに用いられる着色剤としては、通常電子写真用カラートナーに用いられるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック色のトナーを得ることが可能な染顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、等の染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独或いは混合して使用し得る。これらの着色剤の含有量は結着樹脂に対して、通常1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%である。
【0045】本発明のトナーにおいては、トナーに適切な帯電を付与するために帯電制御剤を含有させることが好ましい。この場合の帯電制御剤としては、カラートナーの色調を損なうことのない透明色から白色系の物質を添加し、負極性若しくは正極性にトナー帯電性を安定化付与することができるものが好ましい。その中でも特にサリチル酸誘導体の金属塩を添加することが、負極性にトナー帯電性を安定化付与する点で効果的である。
【0046】ここで使用されるサリチル酸誘導体の金属塩としては、下記一般式(III)で示される化合物が挙げられる。
【化3】

(式中、R1、R2及びR3は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基或いはアリル基を示し、特に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基或いはアリル基が望ましい。ここでR1、R2、R3は同時に同じであっても異なっていてもよい。また、Meは亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、クロムから選ばれるいずれかの金属を示す。)
【0047】上記サリチル酸誘導体の金属塩は、CLARK,J.L.Kao,H(1948)J.Amer.Chem.Soc.70,2151に記載された方法によって容易に合成することができる。例えば、溶媒中に2モルのサリチル酸ナトリウム塩(サリチル酸誘導体のナトリウム塩を含む)と、1モルの塩化亜鉛とを添加し混合し、加温して撹拌することにより亜鉛塩として得ることができる。この金属塩は白色を呈する結晶であり、トナーバインダー中に分散させた場合にも着色を示さないものである。金属塩が亜鉛塩以外のものについても、上記の方法に準じて製造することができる。上記サリチル酸誘導体の金属塩中、特に好ましい化合物の具体例を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】上記サリチル酸誘導体の金属塩は、バインダー樹脂に対する分散性が良好であり、現像ローラー等にフィルミングしにくい。上記サリチル酸誘導体の金属塩の含有量は0.5〜8重量%が好ましい。
【0050】また、本発明のトナーにおいては、定着時における定着部材からのトナーの離型性を向上させ、またトナーの定着性を向上させるために、離型剤を含有させることも可能である。この場合の離型剤としては、結着樹脂に対して非相溶性であれば、いかなる材料も使用可能であるが、特にエステル系又はオレフィン系のワックスが離型剤として好ましい。これらの離型剤は、結着樹脂中により均一に分散されることから、優れた耐オフセット性を示し、特にポリエステル樹脂やポリオール樹脂を結着樹脂に用いた場合にその効果が高い。ここでエステル系のワックスとしては、エステル結合を有するワックスを意味し、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス等が挙げられ、オレフィン系のワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー−トロプシュワックス等が挙げられる。これらの離型剤の含有量は結着樹脂に対して、通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0051】更に、本発明のトナーは、磁性材料を含有させ、磁性トナーとしても使用することも出来る。具体的な磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金、およびその混合物などがあげられる。これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μ程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対して20〜200重量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対して40〜150重量部である。
【0052】デジタル方式のフルカラー電子写真方法では、得られた光学情報について演算処理を行い、マスキング処理やUCR処理を行っており、特にUCR処理では、従来イエロー、マゼンタ、シアンの3原色のトナーを重ねて黒色を表現した部分を黒色トナーで置き換えることができるため、画像のグレイバランスが改善され、またトナー層の厚みも薄くすることができる。しかし、一般に付着量が少なくなるほど、画像濃度や光沢が低くなるため、黒部のトナー層の厚みが薄いと、その部分だけ画像の画像濃度や光沢が低くなり、画像全体の品位を損なう大きな原因となる。
【0053】本発明の電子写真用カラートナーは、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各トナーから構成されるフルカラートナーとしてデジタル方式のフルカラー電子写真方法を用いたフルカラー複写機やプリンター等に使用される場合には、ブラックトナーの転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6が他のトナーより高いことが好ましく、また、ブラックトナーの光沢度が他のトナーより高いことが好ましい。
【0054】本発明のトナーは、一般に次のようにして製造される。
■前述した結着樹脂、着色剤としての顔料又は染料、又は必要に応じて帯電制御剤、滑剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合する。
■バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コニーダ等の熱混練機を用いて構成材料を良く混練する。
■混練物を冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジエット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級し、母体トナーを得る。
【0055】また、本発明のトナーは、その他の製造方法として、重合法、カプセル法等を用いることも可能である。これらの製造法の概略を以下に述べる。
(重合法トナー)
■重合性モノマー、必要に応じて重合開始剤、着色剤等を水性分散媒中で造粒する。
■造粒されたモノマー組成物粒子を適当な粒子径に分級する。
■上記分級により得た規定内粒径のモノマー組成物粒子を重合させる。
■適当な処理をして分散剤を取り除いた後、上記により得た重合生成物をろ過、水洗、乾燥して母体トナーを得る。
【0056】(カプセルトナー)
■樹脂、必要に応じて磁性粉等を混練機等で混練し、溶融状態のトナー芯材を得る。
■トナー芯材を水中に入れて強く攪拌し、微粒子状の芯材を作成する。
■シェル材溶液中に上記芯材微粒子を入れ、攪拌しながら、貧溶媒を滴下し、心材表面をシェル材で覆うことによりカプセル化する。
■上記により得たカプセルをろ過後、乾燥して母体トナーを得る。
【0057】ついで、該母体トナーと無機酸化物等の添加剤をヘンシェルミキサー(三井三池社製)、メカノフュージョンシステム(細川ミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等の混合機により充分混合し、必要に応じて、100μm程度以下の目開きの篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子等の除去を行う。
【0058】ここで、本発明の電子写真用カラートナーの製造方法においては、母体トナーと添加剤の混合時における撹拌羽根周速が15〜35m/sec.であり、かつ、添加剤として加えるシリカとチタニアのいずれについて、混合攪拌時間が少なくとも50sec.以上であることが好ましい。母体トナーと添加剤の混合時における撹拌羽根周速が15m/sec.より低い場合、又は、添加剤として加えるシリカとチタニアのいずれかの混合攪拌時間が50sec.より短い場合には、十分な混合が行われないため、添加剤が均一に混合されず、遊離した添加剤が、感光体、現像ローラー及びキャリアなどに付着して、感光体や現像ローラーのフィルミング等の現像障害の原因となりやすく、又、現像剤の帯電不良による地汚れや現像性の低下を引き起こしやすくなる。逆に、母体トナーと添加剤の混合時における撹拌羽根周速が35m/sec.より高い場合には、添加剤が母体トナーに強く付着し、母体トナー表面に埋め込まれやすくなるため、十分な流動性が得られない。又、混合時の発熱により、トナーが溶融する可能性があり、特に、カラートナーの場合には、低分子量成分の多い低軟化の結着樹脂が使用されることが一般的であるため、その傾向がより顕著である。
【0059】本発明の電子写真用カラートナーは、一成分トナー及び二成分トナーの双方に適用可能である。二成分トナーとして用いる場合にはキャリアと混合して用いられる。本発明に使用し得るキャリアとしては、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等、公知のものがすべて使用可能であるが、特に、これらの表面を樹脂などで被覆することが好ましい。この場合、被覆に使用される樹脂としては、ポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。この樹脂被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリアの表面に噴霧法、浸漬法等の手段で樹脂を塗布すればよい。ここで、これらキャリアの平均粒径は通常10〜100μm、好ましくは30〜60μmである。なお、樹脂の使用量としては、通常キャリア100重量部に対して1〜10重量%である。さらに、トナーとキャリアとの混合割合は、一般にキャリア100重量部に対しトナー0.5〜7.0重量部程度が適当である。
【0060】次に、本発明の画像形成方法を、電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した一実施形態について説明する。まず、本発明の実施形態にかかる複写機の構成、動作につき、複写機201の概略構成図である図1を用いて説明する。複写機201は、大きくは、画像読み取り手段としてのスキャナ101と画像出力手段としてのプリンタ112とからなる。上記スキャナ101は、原稿画像を光学的に読み取るためのものであり、原稿載置台としてのコンタクトガラス209、露光ランプ210、反射ミラー211、結像レンズ212、及びCCDイメージセンサ213等からなる。上記露光ランプ210としては、ハロゲンランプが使用されるのが一般的である。このスキャナ101による原稿画像の読み取りは次のようにして行われる。
【0061】上記コンタクトガラス209上に載置された原稿を露光ランプ210によって光照射し、原稿からの反射光を反射ミラー211等により結像レンズ212に導く。この結像レンズ212にて上記反射光をCCDイメージセンサ213上に結像させる。該CCDイメージセンサ213は、上記反射光を原稿画像に対応したデジタル電気信号に変換する。このCCDイメージセンサ213は、フルカラーイメージセンサであり、与えられた光信号を、例えば、R(レッド)、G(グリーン)及びB(ブルー)の各色に色分解し、各色に対応したデジタル電気信号を出力する。また、上記CCDイメージセンサ213は、図面に対して垂直方向(この方向を主走査方向ともいう。)に列状に配置されている。上記CCDイメージセンサ213の出力であるデジタル電気信号は、後述する画像処理部にて、色変換処理等の画像処理がなされ、シアン(Cyan:以下、Cという)、マゼンタ(Magenta:以下、Mという)、イエロー(Yellow:以下、Yという)及び黒(以下、BKという)のカラー画像データとなる。これらカラー画像データに基づき、次に述べるプリンタ112にて、C、M、Y、BKのトナーにより顕像化を行い、得られたトナー像を重ねあわせてフルカラーの画像を形成する。
【0062】上記プリンタ112の略中央部には、像担持体としての感光体215が配置されている。該感光体215は、有機感光体(OPC)ドラムであり、その外径は、120mm程度である。上記感光体の周囲には、感光体表面を一様に帯電する帯電装置207、BK現像ユニット202、C現像ユニット203、M現像ユニット204、Y現像ユニット205、中間転写ベルト206、及びクリーニング装置214等が配置されている。また、上記感光体の上方であって、上記スキャナ101の下方には、前述したカラー画像データに基づいて光ビームを発生して、一様に帯電された上記感光体215表面を光走査するレーザ光学系208が設けられている。このレーザ光学系208は、光ビームを発生するレーザダイオード、該光ビームを偏向するポリゴンミラー等からなる。
【0063】かかる構成によって行われるプリンタ112における画像形成動作を、BK画像データに基づく場合を例にして説明すれば次のとおりである。上記レーザ光学系208からのBK画像データに基づく光ビームにより感光体215表面上に形成された潜像は、これに対するBK現像ユニット202によって現像され、BKトナー像となる。このトナー像は、上記中間転写ベルト206に転写される(以下、この感光体215から中間転写ベルト206へのトナー像の転写をベルト転写という)。以上のような、潜像の形成、現像、及びベルト転写という一連の動作が、C、M、Y、BKの4色について行われ、中間転写ベルト206上には4色重ねトナー像が形成される。この4色重ねトナー像を、給紙ユニット216から給送されてきた記録媒体、例えば記録紙上に、転写バイアスローラ217によって、一括して転写する。上記4色重ねトナー像が形成された記録媒体は、搬送ベルト218によって定着装置219に搬送される。上記定着装置219は、加熱及び加圧によって4色重ねのトナー像を溶融し、記録媒体上に定着する。定着が完了した記録媒体は、排紙トレイ220上に排出される。
【0064】一方、感光体215の表面に残留したトナーは、クリーニング装置214によって回収され、感光体215表面のクリーニングが行われる。クリーニング後の感光体215表面は、除電装置によって除電される。また、4色重ね画像を中間転写ベルト206から記録媒体上に転写した後に、上記中間転写ベルト206上に残留したトナーは、ベルトクリーニング装置222によって回収され、中間転写ベルト206表面のクリーニングが行われる。
【0065】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部を表わす。
【0066】
実施例1トナーの製造<結着樹脂> ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、 テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル樹脂、 軟化点:103℃) 60部 スチレン−アクリル系樹脂(スチレン/n−ブチルメタクリレート共重合体、 軟化点94℃) 40部<着色剤> イエロートナー用顔料(非ベンジン系ジスアゾイエロー顔料: C.I.Pigment Yellow180) 4.0部 マゼンタトナー用顔料(キナクリドン系マゼンタ顔料: C.I.Pigment Red122) 3.5部 シアントナー用顔料(銅フタロシアニンブルー顔料: C.I.Pigment Blue 15:3) 1.7部 ブラックトナー用顔料(カーボンブラック: C.I.Pigment Black7) 3.0部上記材料を、各色毎にヘンシェルミキサーにて混合したのち、140℃に加熱した2軸混練機にて溶融混練した。混練物を水冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて、表2に示した重量平均径の各色の母体トナーを得た。
【0067】
【表2】

【0068】ここで、トナーの粒度分布は種々の方法で測定可能であるが、実施例1においてはコールターマルチサイザーを用いて行った。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIIe型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIe型によりアパーチャーとして100μmアパチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。
【0069】次に、各色の母体トナーをヘンシェルミキサーに投入し、撹拌羽根周速が25m/sec.になるように設定して、120秒間混合し、次いで、下記組成の添加剤<添加剤> シリカ(ヘキサメチルジシラザン表面処理品、 平均一次粒子径:0.01μm) 0.6部 チタニア(イソブチルトリメトキシシラン表面処理品、 平均一次粒子径:0.015μm) 0.4部を、母体トナー100部に対してそれぞれ加え、ヘンシェルミキサーにて、撹拌羽根周速が25m/sec.になるように設定して100秒間混合を行い、その後、更に目開き75μmの篩により風篩を行い、各色のトナーを得た。
【0070】実施例2〜9及び比較例1〜7実施例1と同様にして、電子写真用カラートナーをそれぞれ得た。ここで、各実施例及び比較例の母体トナー及び添加剤の処方、粒径、添加剤混合時の混合条件について、表3〜15にまとめて示した。尚、比較例5については、チタニアのみを先に加え、80秒間混合後、更にシリカを加え、20秒間の混合を行った。また、比較例6については、シリカのみを先に加え、80秒間混合後、更にチタニアを加え、20秒間の混合を行った。
【0071】
キャリアの製造 芯材料 Cu−Znフェライト(平均粒子径45μm) 100部 コート材料 シリコーン樹脂(SR−2411、固形分20重量%、 東レダウコーニング・シリコーン社製) 1.2部芯材料100部に対し、コート材料を流動床を用いて1.2部コーティングし、更に210℃で2時間焼成を行い、上記樹脂で被覆されたキャリアを得た。
【0072】現像剤の製造実施例1〜9及び比較例1〜7で得られたトナー各5部と、上記キャリア95部をターブラーミキサーで混合し、電子写真用現像剤を得た。
【0073】これらの実施例及び比較例の電子写真用カラートナーについて、転写材上のトナー付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6及び、シリカとチタニアの遊離率をそれぞれ求めた。結果を表12〜15に示す。また、これらの実施例及び比較例の電子写真用カラートナー及び電子写真用現像剤をフルカラー複写機(PRETER550 リコー社製)(図1)にセットし、以下の各種評価を行った。このときの結果を表12〜15に示した。ここで、表4内の◎、○、△、×は、各評価項目を4段階評価したもので、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用上は問題のないレベル、×は実用上問題があるレベルをそれぞれ示している。また、この一連の評価において、特記事項がある場合には、表12〜15の備考欄にそれらの内容を記載した。
【0074】評価1:白抜け(ホタル)
ホタルの評価は、A3サイズで全面ベタのシアン画像を連続10枚出力した後の、画像中のホタルの発生の程度を、目視にて4段階で評価した。この時の結果を表12〜15に示した。
【0075】評価2:地汚れ地汚れの評価は、非画像部における地汚れの発生の程度を目視にて4段階で評価した。この時の結果を表12〜15に示した。
【0076】評価3:フィルミングフィルミングの評価は、1万枚連続複写機の感光体フィルミングの程度を目視にて4段階で評価した。この時の結果を表12〜15に示した。
【0077】評価4:光沢度フルカラー複写機(PRETER550 リコー社製)(図1)を用いて、複写機(タイプ6000−70W、リコー社製)に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの単色からなる付着量が1.0±0.1mg/cm2のベタ画像を作成し、定着ローラー表面温度が160℃の時におけるこの単色ベタ画像の光沢度を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターにより入射角60゜で計測した。この光沢は、値の高い程光沢感が出る。フルカラーのコピー画像としては適度な光沢が好まれ、15〜40%程度が好ましい。この結果を表12〜15に示した。
【0078】評価5:転写チリ転写チリの評価は、1ドット青ラインを出力した時の画像を200倍レンズ(VH−200)を搭載したマイクロスコープVH−5910(キーエンス社製)にて観察し、その視野中における1ラインのチリトナーの程度を4段階で評価した。この時の結果を表12〜15に示した。
【0079】評価6:トナー飛散トナー飛散の評価は、1万枚連続複写後の複写機内のトナー飛散の程度を目視にて4段階で評価した。この時の結果を表12〜15に示した。
【0080】
【表3】

【0081】
【表4】

【0082】
【表5】

【0083】
【表6】

【0084】
【表7】

【0085】
【表8】

【0086】
【表9】

【0087】
【表10】

【0088】
【表11】

【0089】
【表12】

【0090】
【表13】

【0091】
【表14】

【0092】
【表15】

【0093】
【発明の効果】本発明によれば、小粒径のトナーにおいて特に顕著であるベタ画像における白抜けや、地汚れ及びフィルミングの発生等が極めて少なく、また転写チリ、トナー飛散のない電子写真用カラートナー、及び該トナーの製造方法、並びに該トナーを用いた画像形成方法が提供される。




 

 


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