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発明の名称 定着方法および定着装置および画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−5319(P2001−5319A)
公開日 平成13年1月12日(2001.1.12)
出願番号 特願平11−175525
出願日 平成11年6月22日(1999.6.22)
代理人 【識別番号】100067873
【弁理士】
【氏名又は名称】樺山 亨 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2H033
3F048
3F053
3J103
【Fターム(参考)】
2H033 AA02 AA47 BA01 BA02 BA08 BB30 BB34 BE09 CA01 CA26 
3F048 AA02 AB01 AB05 BA28 BB02 BB10 CA02 DA06 DC14 DC16 EB39
3F053 EA02 EC01 ED12 ED17 LA02 LB03 LB05 LB06 LB08
3J103 AA02 AA28 BA02 FA01 FA20 FA30 GA02 GA33 GA58 GA60 GA66
発明者 谷川原 進二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】シート状記録媒体に担持されたトナー画像を上記シート状記録媒体に定着する定着装置において、シート状記録媒体に未定着のトナー画像を定着させるための第1定着装置と、該第1定着装置の後段に配備された第2定着装置と、上記第1定着装置と第2定着装置の間に配備され、シート状記録媒体の搬送経路を、排出経路と上記第2定着装置へ向かう経路との間で切り替える経路切り換え手段と、該経路切り換え手段の動作を制御する制御手段とを有し、上記第1定着装置は、内側に熱源を有する定着ローラと、該定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとを有し、トナー画像が上記定着ローラの側になるようにして上記シート状記録媒体を挾圧搬送しつつ上記トナー画像を加熱・加圧するものであり、第1定着装置による定着率が低いと、上記加圧ローラ側に配備されたセンサ手段と上記制御手段により、上記搬送経路を上記第2定着装置へ向かう経路とすることを特徴とする定着装置。
【請求項2】請求項1記載の定着装置において、第1定着装置における加圧ローラは、軸部材と、変形しやすい弾性体により構成されて上記軸部材を囲繞する表層部材と、これら軸部材と表層部材の間に空隙部を形成するための複数のスペーサ部材とを有し、上記空隙部に所定量の気体が封入され、上記表層部材と軸部材のうちの一方に、照明光を導光するための照明用光ファイバおよび他方により反射された光を導光する受光用光ファイバ束が、各ファイバ端面を上記空隙部に臨ませて埋設され、上記照明用光ファイバにより導光されるべき光を放射する光源と、上記受光用光ファイバ束により導光された反射光を受光する受光手段とを有し、該受光手段の出力により、上記表層部材と軸部材との近接距離を検知するセンサを有することを特徴とする定着装置。
【請求項3】請求項1または請求項2記載の定着装置において、第2定着装置は、加熱ローラと加圧用ローラとを有し、シート状記録媒体を挾圧搬送しつつトナー画像を加熱・加圧するように構成され、第1定着装置の加圧ローラにおける表層部材と軸部材との近接距離が所定の大きさ以下となったことが検知されたときに、上記加熱ローラを加熱する加熱手段を作動させる加熱制御手段を有することを特徴とする定着装置。
【請求項4】請求項1または2または3記載の定着装置において、第1定着装置の加圧ローラの空隙部に封入された気体が不活性ガスであることを特徴とする定着装置。
【請求項5】請求項1〜4の任意の1に記載の定着装置を用いる定着方法であって、第1定着装置の加圧ローラにおける表層部材と軸部材との近接距離が所定の大きさより大きいときには、第1定着装置のみにより定着を行い、トナー画像を定着されたシート状記録媒体を排出経路により排出し、上記近接距離が所定の大きさ以下となったときは、経路切り換え手段により搬送経路を第2定着装置へ向かう経路に切り替え、第1定着装置を通過したシート状記録媒体を第2定着装置へ導き、補助定着を行うことを特徴とする定着方法。
【請求項6】像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体に定着して画像を得る画像形成装置において、シート状記録媒体にトナー画像を定着させるための定着装置として、請求項1または2または3または4記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】請求項6記載の画像形成装置において、静電潜像は光導電性の感光体に形成されて現像され、得られるトナー画像がシート状記録媒体に、直接もしくは中間転写媒体を介して転写されることを特徴とする画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、定着方法および定着装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体に定着して画像を得る画像形成装置は、デジタルやアナログ方式の複写装置、光プリンタ、レーザプロッタやファクシミリ装置等として広く知られている。トナー画像をシート状記録媒体に定着する方法として従来から、トナー画像を担持したシート状記録媒体を、定着ローラと加圧ローラとで挾圧搬送しつつ、両ローラのニップ部でトナー画像を加熱・加圧する方法が知られている。トナー画像の定着には100度C以上の高温が必要であるため、定着ローラと加圧ローラのニップ部に定着に必要な温度(定着温度)を、常温から立ち上げるのは時間がかかる。このため、定着ローラや加圧ローラの温度を定着温度より若干低い待機温度に常時保持し、定着が行われるとき、待機温度から定着温度へ短時間で立ち上げることが知られているが、定着ローラや加圧ローラを常時待機温度に維持するには「少なからざるエネルギ」を必要とするため省エネルギの観点から好ましくない。そこで、定着ローラを「薄肉構造」とし、熱容量を小さくすることにより短時間で定着温度に立ち上げることが提案されている。しかし、このようにすると、定着ローラ自体が保持できる熱量が少なくなるため、定着動作でトナー画像やシート状記録媒体に熱が奪われると定着ローラの温度が急速に低下し、例えば、シート状記録媒体の送り方向後半部に温度低下による定着不良が生じたり、定着動作が連続して行われるリピートモードにおいて、2枚目以降に定着不良が生じることがある。この定着不良を、定着ローラの設定温度を高めることによって防ごうとすると、定着開始時の温度が高すぎて、シート状記録媒体の送り方向前半部で所謂ホットオフセットを生じてしまうという不具合がある。上記不具合を回避する方法として、定着ローラの温度を検出し、定着途上における温度低下量を予測して定着ローラの加熱手段を制御することにより、定着動作中、定着ローラの温度の落ちこみを防止する方法(特開平6−75504号公報)や、定着ローラ内部に熱伝導ローラを設け、その外周面を定着ローラ内周面に接触させ、加圧ローラとのニップ部への熱供給量を増やすことにより、ニップ部の温度落ち込みを防止する方法(特開平6-130843号公報)、さらには、トナー画像を担持したシート状記録媒体の先端がニップ部に到達したときの温度と、後端がニップ部を抜けたときの定着ローラの温度を計測し、その温度差を標準制御温度に加算した値を設定温度とし、定着ローラの設定温度を変更する方法(特開平5-281875号公報)等が提案されている。上述の各方法のうち、第1のものは、定着動作に伴う定着ローラ温度の温度低下量が、シート状記録媒体の種類(サイズ・厚さ等)や状態(初期温度・含水分量等)により異なるため、上記温度低下量を適正に予測するのが難しい。熱伝導ローラによりニップ部への熱供給量を増やす上記第2の方法は、定着ローラと熱伝導ローラとの間の熱抵抗により熱供給量に限界があり、シート状記録媒体が厚い場合や高速定着の場合に十分な効果が得られるか疑問である。上記第3の方法では、シート状記録媒体の先端や後端がニップ部に到達したことを検知する検知手段が必要となる等、機構が複雑となる問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、用紙の種類や状態に拘らず、上記の定着不良の問題を有効に解消することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の定着装置は「シート状記録媒体に担持されたトナー画像をシート状記録媒体に定着する定着装置」であって、第1定着装置と、第2定着装置と、経路切り換え手段と、制御手段とを有する。シート状記録媒体は、各種の転写紙やOHPシート(オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート)等であり、トナー画像を定着すべきシート状の媒体である。このシート状記録媒体には、酸化亜鉛紙のように「それ自体に静電潜像を形成できるもの」が含まれる。以下、シート状記録媒体を「用紙」と称する。
【0005】「第1定着装置」は、用紙に未定着のトナー画像を定着させる装置である。「第2定着装置」は、第1定着装置の後段に配備され、必要に応じて補助定着を行う装置である。「経路切り換え手段」は、第1定着装置と第2定着装置の間に配備され、用紙の搬送経路を、排出経路と上記第2定着装置へ向かう経路との間で切り替える手段である。「制御手段」は、経路切り換え手段の動作を制御する手段である。上記の第1定着装置は、内側に熱源を有する定着ローラと、この定着ローラに圧接して回転する加圧ローラとを有し、トナー画像が定着ローラの側になるようにして用紙を挾圧搬送しつつトナー画像を加熱・加圧するものである。そして、請求項1記載の定着装置は、第1定着装置による定着率が低いと、加圧ローラ側に配備されたセンサ手段と制御手段により、搬送経路を第2定着装置へ向かう経路とすることを特徴とする。
【0006】請求項2記載の定着装置は、以下の如き特徴を有する。即ち、請求項1記載の定着装置の、第1定着装置における「加圧ローラ」は、軸部材と、変形しやすい弾性体により構成されて軸部材を囲繞する表層部材と、これら軸部材と表層部材の間に空隙部を形成するための複数のスペーサ部材とを有し、空隙部には所定量の気体が封入される。封入された気体は、その圧力により上記空隙を維持する。加圧ローラの表層部材と軸部材のうちの一方には、照明光を導光するための照明用光ファイバおよび他方により反射された光を導光する受光用光ファイバ束が「各ファイバ端面を空隙部に臨ませ」て埋設される。そして、照明用光ファイバにより導光されるべき光を放射する光源と、受光用光ファイバ束により導光された反射光を受光する受光手段とを有し、受光手段の出力により「表層部材と軸部材との近接距離」を検知するセンサを有する。即ち、上記照明用光ファイバと受光用光ファイバ束と、光源および受光手段とセンサとは上述の請求項1記載の定着装置における「加圧ローラ側に配備されたセンサ手段」の1例を構成する。
【0007】上記請求項1または2記載の定着装置における「第2定着装置」はこれを、加熱ローラと加圧用ローラとを有し、用紙を挾圧搬送しつつトナー画像を加熱・加圧するように構成し、第1定着装置の加圧ローラにおける表層部材と軸部材との近接距離が所定の大きさ以下となったことが検知されたときに、加熱ローラを加熱する加熱手段を作動させる加熱制御手段を有することができる(請求項3)。加熱ローラを加熱する手段は、加熱ローラの内部に配備された熱源でも良いし、加熱ローラを外部から加熱する熱源(ハロゲンランプや赤外線ランプ、熱伝導ローラ等)でもよい。上記請求項1または2または3記載の定着装置において、第1定着装置の加圧ローラの空隙部に封入された気体を、アルゴンガスやヘリウムガス等の「不活性ガス」とすることができる(請求項4)。加圧ローラ内の空隙部に封入される気体は、定着温度に応じて高温になるから、この気体が活性ガスであると、加圧ローラの空隙部の内壁(表層部材の内周面、軸部材の外周面、スペーサ部材や、光ファイバ等)に化学変化による経時的な変質が生じる虞れがあるが、上記の如く不活性ガスを用いることにより、このような問題を有効に回避できる。
【0008】この発明の定着方法は、上記請求項1または2または3または4記載の定着装置を用いる定着方法であって「第1定着装置の加圧ローラにおける表層部材と軸部材との近接距離が所定の大きさより大きいときには、第1定着装置のみにより定着を行い、トナー画像を定着された用紙を排出経路により画像形成装置外へ排出し、上記近接距離が所定の大きさ以下となったときは、経路切り換え手段により搬送経路を第2定着装置へ向かう経路に切り替え、第1定着装置を通過した用紙を第2定着装置へ導いて補助定着を行う」ことを特徴とする(請求項5)。この発明の画像形成装置は「像担持体に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して得られるトナー画像を用紙に定着して画像を得る画像形成装置」であり、用紙にトナー画像を定着させるための定着装置として、上記請求項1または2または3または4記載の定着装置を用いることを特徴とする(請求項6)。この画像形成装置は、具体的には、デジタルやアナログ方式の複写装置やレーザプリンタ等の各種光プリンタ、ファクシミリ装置等として実施することができる。この場合、静電潜像を光導電性の感光体に形成して現像し、感光体上に得られるトナー画像を用紙(シート状記録媒体)に、直接もしくは中間転写ベルト等の中間転写媒体を介して転写するように構成することができる(請求項6)。
【0009】
【発明の実施の形態】図1(a)は、この発明の定着装置の実施の1形態を略示している。この図において、符号2は定着ローラ、符号3は加圧ローラ、符号31は加熱ローラ、符号32は加圧用ローラ、符号33A,33Bは搬送経路、符号35はバネ等の弾性手段、符号36はソレノイド、符号40は制御部をそれぞれ示している。定着ローラ2は、中空シリンダ状のローラ20と、その内空間に配備された熱源1とを有し、図示されない駆動手段により駆動されて時計回りに回転する。薄肉の中空シリンダ状のローラ20は「熱伝導率が高く、軸方向に変形しないだけの硬度を持つ材料」例えばアルミニウムにより形成され、トナーが付着しないように、外周部をテフロン(登録商標)等の離型性の良い材料で被覆されている。熱源1は、例えばハロゲンランプであってローラ20の長手方向にわたって配設され、主として輻射熱によりローラ20を内周面側から加熱するようになっている。加圧ローラ3は図示されない加圧機構により、長手方向にわたって定着ローラ2の外周面と圧接し、定着ローラ2の回転に従動して反時計回りに回転する。勿論、加圧ローラ3を独立した回転駆動機構で回転させるようにしてもよい。搬送経路33A,33Bは、それぞれ、第1定着部(定着ローラ2と加圧ローラ3のニップ部)に入り口A,Bを近接して臨ませている。搬送経路33Aは、第1定着部を通過した用紙を第2定着部へ導くための経路である。搬送経路33Bは「排出経路」であって、排出ローラ34を有している。加熱ローラ31と加圧用ローラ32とは「第2定着装置」を構成する。加熱ローラ31は定着ローラ2と同様の構成であり、内部に熱源を配備されて内側から加熱されるようになっており、図示されない駆動手段により、時計回りに回転駆動される。加圧用ローラ32は、金属軸の外周面を耐熱性で熱伝導率の低い弾性材で被覆してなり、加熱ローラ31に従動して反時計回りに回転する。
【0010】搬送経路33A,33Bは、通常は排出経路33Bの入り口Bが第1定着部に対向するようになっているが、制御部40によりソレノイド36が作動すると、ソレノイド36が弾性手段35の弾性力に抗して、搬送経路33A,33Bの入り口部を一体として図の下方へ変位させ、図1(a)に示すように、搬送経路33Aの入り口Aを第1定着部へ対向させる。この実施の形態において、弾性手段35とソレノイド36とは「経路切り換え手段」、制御部40は「制御手段」をそれぞれ構成する。制御部40はマイクロコンピュータとドライバ回路とにより構成することができる。図1(b)を参照すると、この図は、第1定着装置の定着ローラ2と加圧ローラ3を示している。この図に示すように、加圧ローラ3は、軸部材7と、変形しやすい弾性体により構成されて軸部材7を囲繞する表層部材4と、これら軸部材7と表層部材4の間に空隙6を形成するための複数のスペーサ部材8とを有し、空隙部6に所定量の気体が封入されている。この実施の形態において、封入された気体は「不活性ガス(例えばアルゴンガス等)」である。表層部材4は弾性体で構成された円筒状であるが、材料の弾性体としては「シリコンゴム」等が好ましい。軸部材7は金属や耐熱プラスチック等、必要な剛性と耐熱性とを有する材料でローラ状に形成されたものである。スペーサ部材8は、軸部材7と表層部材との間の空隙部6を形成・維持するためのもので「細円柱状」であり、加圧ローラ3の長手方向にわたって設けられる。図では4本のスペーサ部材が示されているが、スペーサ部材は3本でも良いし、5本以上を適宜に用いてもよい。なお、スペーサ部材の材質は、柔らかく弾性があるスポンジ等が望ましい。図1(c)を参照すると、符号5は照明用光ファイバ、符号9は受光用光ファイバ束を示している。これら照明用光ファイバ5と受光用光ファイバ束9とは、表層部材4に「各ファイバ端面を空隙部6に臨ませ」て埋設されている。照明用光ファイバ5の他の端面は、図示されない照明用の光源に臨んでいる。また、受光用ファイバ束9の他の端面群は受光手段9Aに臨んでいる。上記光源用光源としては半導体レーザやLEDが好適である。照明用光源を点灯すると照明光は照明用光ファイバ5により導光され、空隙部6に臨んだファイバ端面から射出し、軸部材7の周面を照射する。軸部材7の、少なくとも上記照明光で照射される周面部分は反射性(光吸収性でなければよい)とされており、照明光を反射する。この反射光は受光用光ファイバ束9に入射し、同ファイバ束9により受光手段9Aへ導光される。受光手段9Aの出力に基づき、空隙部6の大きさを検出する。
【0011】図2を参照すると、この図は、上記空隙部検出の原理を説明するための図であり、図示の簡単のために、表層部材4の内周面と軸部材7の外周面の曲率を無視して、これらを平面として描いてあるが、検出原理の一般性は失われない。空隙部6には所定量の不活性ガスが封入されているが、封入ガスの圧力は、空隙部の温度により変化し、温度が高いほど圧力が高い。図2(a)は不活性ガスの圧力が十分に高い状態を示している。このとき、表層部材4と軸部材7の間の空隙(加圧ローラ3が定着ローラ2と圧接するニップ部に於ける空隙部)において、表層部材4の内周面と軸部材7の外周面との距離(ニップ部では両者が近接するので「近接距離」と称する)は大きい。この状態で、照明用光ファイバ5から照明光束を放射させると、放射された光束は軸部材7の外周面で反射され、図の如くに受光用光ファイバ束9の受光端面群を照射する。受光用光ファイバ束9の個々の光ファイバは、これに入射する光を受光手段9Aに導光する。受光手段9Aは、受光用光ファイバ束の「各光ファイバに対応した受光部」を持ち、各光ファイバが導光する光量を受光することにより、受光端面群位置における「反射光の光強度分布」を検出できるようになっている。図2(a)のように、空隙部6の近接距離が大きいときに検出される反射光の光強度分布は、ピークが受光端面群の中心に対し、図で左よりに偏った分布となり、ピーク値もさほど大きくない。空隙部6の温度が低下すると、空隙部6に封入された不活性ガスの圧力が低下するので、前記ニップ部における空隙部6の近接距離が減少する。図2(b)はこの状態を示している。このように近接距離が小さい状態では、受光用光ファイバ束の受光端面群位置における反射光の光強度分布は、受光端面群の右側にピークが偏ったものとなり、ピーク値も大きくなる。
【0012】このように、空隙部6の近接距離に応じ、受光素子9Aが検出する光強度分布が異なり、上記近接距離は空隙部6の温度、即ち加圧ローラ3の温度に対応するから、上記光強度パターンと第1定着部の温度とを対応づけることができる。第1定着部の温度が下がるに従い、不活性ガスの圧力も下がり、近接距離が小さくなるから、第1定着部における温度が「第1定着装置で適正な定着が行われなくなる虞れのある臨界温度」となるときの近接距離(限界近接距離と呼ぶ)は予め実験的に定めておくことができる。そして、受光素子9Aの出力による光強度分布と近接距離との対応を、予め実験的に定めてデータ化しておけば、上記光強度分布により、近接距離が限界近接距離以下に小さくなったことを検出でき、このとき、第1定着装置では適正な定着が行われない虞れがあるので、十全な定着を行うために第2定着装置を使用するのである。即ち、図1(a)において、定着ローラ2の温度が定着時の温度で、加圧ローラ3が定着ローラ2に圧接しているとき不活性ガスは最も圧力が高く、この状態において表層部材4の表面が「最も張っている」ようにする。画像形成時には、第1定着部を通過する用紙に熱を奪われるので、加圧ローラ3の温度が徐々に低下し、空隙部6に封入された不活性ガスは徐々に圧力が低下する。加圧ローラ3には定着ローラ2の接触圧が作用しているため、加圧ローラ3の表層部材4は変形し、定着ローラ2とのニップ部分での近接距離が小さくなる。上記データ化された「受光素子9Aの出力による光強度分布と近接距離との対応関係」は、制御部40の一部を構成するマイクロコンピュータのメモリに記録され、該マイクロコンピュータは、受光素子9Aからの入力情報に基づき近接距離の大きさを求める。そして、近接距離が所定の大きさ(前記限界近接距離)よりも大きいときには、第1定着装置において適正な定着が可能であるので、第1定着部には排出経路33Bの入り口Bを対向させて、第1定着部を通過した用紙を排出経路33Bに導き、排出ローラ34により外部トレイ(図示されず)に排出する。上記近接距離が限界近接距離よりも小さくなると、定着率が低下して定着不全の生じる虞れがあるので、近接距離が限界近接距離よりも小さくなったとき、マイクロコンピュータは、制御部40におけるドライバ回路によりソレノイド36を作動させ、搬送経路の切り替えを行う。即ち、第1定着部に搬送経路33Aの入り口Aを対向させる。これにより、第1定着部を通過した用紙は第2定着装置へ導かれて補助定着を受け、トナー画像を適正に定着された後、外部トレイに排出される。なお、上に説明した実施の形態では、照明用光ファイバおよび受光用光ファイバ束を「加圧ローラ3の表層部材4の側」に設けたが、これに限らず「軸部材7側」に設けてもよい。
【0013】図3に、この発明の実施の別形態を示す。繁雑を避けるため、混同の虞れがないと思われるものについては、図1に於けると同一の符号を付した。この実施の形態が図1の実施の形態と異なるところは、第2定着装置の加熱ローラ31の加熱用の熱源(ハロゲンランプ等)31Aの加熱用電源41を、制御手段としての制御部40(のマイクロコンピュータ)で制御する点であり、他の部分は、図1に即して説明した形態のものと同様である。受光手段から入力される信号に基づき、制御部40が「近接距離が所定の大きさ(前記限界近接距離よりも若干大きい距離が良い)以下になったこと」を検知すると、制御部40のマイクロコンピュータは、加熱ローラ31の加熱用電源41を制御して熱源31Aを発熱させる。近接距離がさらに小さくなり、限界近接距離以下になったときは、制御部40は前述の実施の形態と同様、ソレノイド36を動作させて「搬送経路の切り替え」を行なう。すると、第1定着部を通過した用紙は第2定着装置へ導かれて補助定着を行われる。このとき、第2定着装置の加熱ローラは、搬送路の切り替えが行われる少し前から加熱を開始され、補助定着を行うのに必要な温度に加熱されているので、補助定着を有効に実行することができる。先に、図1に即して説明した実施の形態では、第2定着装置の加熱ローラは常時、補助定着が可能な状態とされるが、図3の実施の形態の場合には、補助定着が必要になる状況においてのみ加熱ローラ31の加熱が行われるので、図1の実施の形態よりも消費電力を小さくできる。
【0014】上に説明した実施の各形態は、シート状記録媒体Sに担持されたトナー画像TIをシート状記録媒体Sに定着する定着装置において、シート状記録媒体Sに未定着のトナー画像TIを定着させるための第1定着装置2,3と、第1定着装置の後段に配備された第2定着装置31,32と、第1定着装置と第2定着装置の間に配備され、シート状記録媒体の搬送経路を、排出経路33Bと第2定着装置へ向かう経路33Aとの間で切り替える経路切り換え手段35,36と、経路切り換え手段の動作を制御する制御手段40とを有し、第1定着装置は、内側に熱源1を有する定着ローラ2と、定着ローラに圧接して回転する加圧ローラ3とを有し、トナー画像TIが定着ローラ2の側になるようにしてシート状記録媒体Sを挾圧搬送しつつトナー画像を加熱・加圧するものであり、第1定着装置による定着率が低いと、加圧ローラ側に配備されたセンサ手段と制御手段40により、搬送経路を第2定着装置へ向かう経路33Aとする(請求項1)。また、第1定着装置における加圧ローラ3は、軸部材7と、変形しやすい弾性体により構成されて軸部材を囲繞する表層部材4と、これら軸部材と表層部材の間に空隙部6を形成するための複数のスペーサ部材8とを有し、空隙部6に所定量の気体が封入され、表層部材4に、照明光を導光するための照明用光ファイバ5および軸部材7により反射された光を導光する受光用光ファイバ束9が、各ファイバ端面を空隙部6に臨ませて埋設され、照明用光ファイバ5により導光されるべき光を放射する光源と、受光用光ファイバ束9により導光された反射光を受光する受光手段9Aとを有し、受光手段の出力により、表層部材と軸部材との近接距離を検知するセンサ(制御部40の一部)を有する(請求項2)。
【0015】また、図3に示す実施の形態では、第2定着装置は、加熱ローラ31と加圧用ローラ32とを有し、シート状記録媒体Sを挾圧搬送しつつトナー画像TIを加熱・加圧するように構成され、第1定着装置の加圧ローラ3における表層部材4と軸部材7との近接距離が所定の大きさ以下となったことが検知されたとき、加熱ローラ31を加熱する加熱手段41を作動させる加熱制御手段40を有することを特徴とするものである(請求項3)。そして、図1〜図3に即して説明した実施の各形態において、第1定着装置の加圧ローラ3の空隙部に封入された気体が「不活性ガス」である(請求項4)。上記実施の各形態では、第1定着装置の加圧ローラ3における表層部材4と軸部材7との近接距離が所定の大きさより大きいときには、第1定着装置のみにより定着を行い、トナー画像TIを定着されたシート状記録媒体Sを排出経路33Bにより排出し、近接距離が所定の大きさ以下となったときは、経路切り換え手段35,36により搬送経路を第2定着装置へ向かう経路33Aに切り替え、第1定着装置を通過したシート状記録媒体Sを第2定着装置へ導き、補助定着を行う定着方法(請求項5)が実施される。
【0016】図4は、この発明の画像形成装置の実施の1形態を略示している。この画像形成装置はレーザプリンタであり、像担持体100として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。像担持体100の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ101、現像装置105、転写ローラ107、クリーニング装置109が配備されている。この実施の形態では「帯電手段」として、オゾン発生の少ない接触式の帯電ローラ101を用いているが、コロナ放電を利用するコロナチャージャを帯電手段として用いることもできる。また、光走査装置103が設けられ、帯電ローラ101と現像装置105との間で「レーザビームの光走査による露光」を行うようになっている。図4において、符号110は定着装置、符号Sは用紙、即ちシート状記録媒体としての転写紙を示している。
【0017】画像形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体100が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ101により均一帯電され、光走査装置103のレーザビームの光書込による露光により静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置105により反転現像され、像担持体100上にトナー画像が形成される。用紙Sは、図示されないカセットから給紙され、図示されないレジストローラにより、像担持体100上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングをあわせて用紙Sを転写部へ送りこまれる。送りこまれた用紙Sは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写ローラ107の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像を転写された用紙Sは定着装置110でトナー画像を定着されたのち装置外部へ排出される。トナー画像が転写されたのち、像担持体100の表面はクリーニング装置109によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。定着装置110は、図1もしくは図3に即して説明した実施の形態の如きものであり、上に説明した如くして定着を行う。 、即ち、図4に実施の形態を示す画像形成装置は、像担持体100に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体Sに定着して画像を得る画像形成装置において、シート状記録媒体Sにトナー画像を定着させるための定着装置として、請求項1または2または3記載の定着装置を用いるものであり(請求項6)、静電潜像は光導電性の感光体100に形成されて現像され、得られるトナー画像がシート状記録媒体Sに直接転写されるものである(請求項7)。最後に付言すると、この発明の定着装置において、照明用光ファイバや、受光用光ファイバ束は加圧ローラの表層部材もしくは軸部材に埋設され、空隙部に対する照明光の照射や、空隙部から光の受光手段への導光を行う。加圧ローラは相当の高温になるから、照明用の光源(LED等)や受光手段を加圧ローラに直接設けるわけにいかないが、この発明のように、光ファイバを用いて導光を行うことにより、光源や受光手段を加圧ローラに直接的に設けずにすみ、光源や受光手段が加圧ローラの熱によりダメージを受けるのを防止できる。但し、加圧ローラは回転しているので、照明用光ファイバや受光用光ファイバ束を光源や受光手段と連結するには、光ファイバが加圧ローラの回転によりよじれたり、加圧ローラ軸に巻きつかないようにする等の注意が必要である。このような光ファイバの設置は、この種の問題を回避するために従来から知られた各種の方法を適宜に利用して行うことができる。例えば、加圧ローラと同軸に「円筒状の保持具」を設け、保持具が加圧ローラと一体的に回転するようにする。そして上記光源と受光手段をこの保持具に設けて照明用光ファイバ・受光用光ファイバ束を、光源・受光手段と係合させる。光源に対する通電部、受光手段に対する通電部および出力部は、上記保持具の周面あるいは裏面に同心円状に露呈させ、これに接触端子を接触させることにより通電や信号出力を行うようにすればよい。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれば新規な定着装置および定着方法、および画像形成装置を実現できる。この発明の定着方法では、第1および第2定着装置を用い、第1定着装置における定着温度を、加熱ローラにおける空隙部の近接距離により検知し、検知結果に基づき、第1定着装置で定着不全が生じる虞れがあるときに、シート状記録媒体の搬送経路を第2定着装置側へ切り替えて、第2定着装置による補助定着を行うことにより、定着不全の発生を有効に防止して適正な定着を行うことができる。この発明の定着装置は上記定着方法を実施することにより、定着熱不足に起因する定着不全を防止しつつ良好な定着を実現できる。この定着装置では、第1定着装置における定着温度を検知できるので、シート状記録媒体の種類や厚み、含水分状態といった要因に拘らず、第2定着装置による補助定着の実行・不実行を適正に選択でき、シート状記録媒体の種類や状態に拘らず適正な定着を実現できる。この発明の画像形成装置は、上記定着装置を具備することにより、定着不全の無い画像形成を実現できる。




 

 


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