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発明の名称 光ファイバ及び歪み計測システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−281471(P2001−281471A)
公開日 平成13年10月10日(2001.10.10)
出願番号 特願2000−91467(P2000−91467)
出願日 平成12年3月29日(2000.3.29)
代理人 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外4名)
【テーマコード(参考)】
2F065
2H050
【Fターム(参考)】
2F065 AA02 AA20 AA65 BB12 CC23 CC40 DD16 FF42 FF61 LL02 
2H050 AD06 BC12 BD06
発明者 呉 智深 / 堀内 辰夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 素線と被覆との間にすべりを生じさせるとともに、前記素線と前記被覆とを固定する固定点を設けたことを特徴とする光ファイバ。
【請求項2】 前記光ファイバに外部から物理的変形を加えることによって前記固定点を設けることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項3】 計測対象物に敷設された光ファイバと、この光ファイバにパルスを入射させ、この入射パルスによる散乱光を測定し、この散乱光の周波数シフト量から前記計測対象物に発生した歪みを計測する歪み計測装置とから構成された歪み計測システムにおいて、前記光ファイバは、素線と被覆との間にすべりが生じているとともに、前記素線と前記被覆との間は一定の間隔で設けられた固定点によって固定されていることを特徴とする歪み計測システム。
【請求項4】 前記光ファイバの素線と被覆との間を固定する間隔は、前記歪み計測装置における距離分解能と誤差とに基づいて設定されることを特徴とする請求項3に記載の歪み計測システム。
【請求項5】 前記光ファイバは、前記計測対象物にループ状に敷設されていることを特徴とする請求項3または4に記載の歪み計測システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバを計測対象物に敷設して、計測対象物に発生した歪みを計測する歪み計測システムに係り、特に敷設する光ファイバの素線と被覆との間にすべりを生じさせたことによって、素線への応力集中または歪み集中を防止することのできる歪み計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光ファイバを利用した歪み計測システムの構成を図6に基づいて説明する。
【0003】図6に示すように、従来の歪み計測システム101は、計測対象物に敷設された光ファイバ102と、この光ファイバ102にパルス光Pを入射させ、この入射パルスによる散乱光を測定し、この散乱光の周波数シフト量から計測対象物に発生した歪みを計測する歪み計測装置103とから構成されている。
【0004】この歪み計測システム101は、光ファイバ102を橋梁やトンネル、堤防などの構造物の表面に接着し、この構造物に発生した歪みを計測するためのシステムである。例えば、堤防やトンネルの防災管理を例にすると、図7に示すように地盤71の土圧が変化し、コンクリート構造物72に歪みが生じると、その表面に接着されている光ファイバ102には伸び歪みが発生する。そして、このように歪みの生じた光ファイバ102にパルス光を入射させ、その入射パルスによる散乱光を測定すると、計測対象物に発生した歪みε(=△L/L)を計測することができる。
【0005】ここで、この歪み計測装置103による歪み量の計測原理を図面に基づいて説明する。
【0006】まず、歪み計測装置103は、図8に示すようにパルス光Pを光ファイバ102に入射させる。すると、光ファイバ102内ではさまざまな後方散乱光が発生し、この後方散乱光は歪み計測装置103に到達する。そして、歪み計測装置103は、この後方散乱光を受信して測定する。このとき、この後方散乱光にはレイリー散乱光、ブリルアン散乱光、ラマン散乱光などのさまざまな散乱光が存在するが、この歪み計測装置103ではブリルアン散乱光の受光パワーを計測して歪み量を測定する。この測定結果を図9に示す。
【0007】この測定結果から分かるように、光ファイバ102の歪み発生部分Zでは散乱光の周波数がf1からf2にシフトしている。ところが、このシフト量(f2−f1)は歪みに比例しているので、散乱光の周波数シフト量を測定することによって光ファイバ102に発生した歪み量εを計測することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の歪み計測システム101に使用されている光ファイバ102は、通常の光ファイバを使用しているために、素線と被覆がすべて接着されて固定されている。
【0009】したがって、このような光ファイバを計測対象物に接着し、その計測対象物にひび割れなどが発生すると、そのひび割れによって生じた光ファイバの伸び歪みは、光ファイバの被覆だけではなく、素線にも同時に生じてしまう。
【0010】ところが、素線は直径約125μmの石英ガラス系、多成分ガラス系の材質で形成されているために、伸び歪みに対して弱く、応力集中や歪み集中が発生すると切断される危険があるとともに、高い緊張状態に長時間おかれると、クリープや疲労破断が生じてしまう危険もあった。
【0011】とくに、コンクリート構造物のようにひび割れなどが発生しやすい構造物内に光ファイバを埋設する場合には、コンクリートのひび割れによって光ファイバが切断される危険性は高かった。
【0012】また、コンクリート構造物の歪み計測においては、光ファイバのすべての面を構造物に接着する全面接着よりも、ある一定の間隔をあけて構造物に接着する定点接着(定点固定)のほうが、測定の安定性や精度が高くなることが知られている。
【0013】しかし、構造物の表面に光ファイバを定点接着することは可能であるが、構造物内に光ファイバを埋設する場合には定点接着することは不可能であった。
【0014】また、歪みデータのサンプリング・シフト間隔等による歪み計測値の誤差をなくす方法としても、距離分解能よりも長いゲージ長を設定した定点接着(定点固定)を実現することが期待されていた。
【0015】さらに、別の問題点として、歪み計測装置103の計測している歪み量とは、距離分解能で定められた一定の距離間隔における歪みであるという問題点がある。例えば、歪み計測装置103の距離分解能が1mである場合には、光ファイバ上の特定の1mの間の歪み量を測定し、特定の1mにおける歪み量として出力している。
【0016】したがって、特定の1mの間の30cmの部分で非常に大きな歪みが発生していたとしても、残りの70cmの部分での歪みが小さいと、局所的には限界歪みを越えているにも関わらず、1mの平均では限界歪みを越えていないと判断されてしまう場合があり、この場合には構造物が非常に危険な状態であるにも関わらず、検知することができないという問題点があった。
【0017】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバの素線に応力集中または歪み集中が発生することを防止するとともに構造物内での定点接着を可能にし、構造物の損傷個所では局所的に歪みを計測することのできる歪み計測システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明である光ファイバは、素線と被覆との間にすべりを生じさせるとともに、前記素線と前記被覆とを固定する固定点を設けたことを特徴とする。
【0019】この請求項1の発明によれば、コンクリート構造物のようにひび割れなどの発生する危険のある構造物に埋設したとしても、コンクリートのひび割れによって光ファイバが切断されることを防止できるとともに、コンクリート構造物内において定点接着を実現することができる。
【0020】請求項2に記載の発明である光ファイバは、外部から物理的変形を加えることによって前記固定点を設けることを特徴とする。
【0021】この請求項2の発明によれば、構造物の建設現場において光ファイバに外部から熱や圧力を加えることによって固定点を作れるので、建築現場で必要に応じて自由に固定点を作ることができる。
【0022】請求項3に記載の発明である歪み計測システムは、計測対象物に敷設された光ファイバと、この光ファイバにパルスを入射させ、この入射パルスによる散乱光を測定し、この散乱光の周波数シフト量から前記計測対象物に発生した歪みを計測する歪み計測装置とから構成された歪み計測システムにおいて、前記光ファイバは、素線と被覆との間にすべりが生じているとともに、前記素線と前記被覆との間は一定の間隔で設けられた固定点によって固定されていることを特徴とする。
【0023】この請求項3の発明によれば、コンクリート構造物のようにひび割れなどの発生する危険のある構造物に、光ファイバを埋設して歪み計測を行うことができる。さらに、コンクリート構造物内に光ファイバを埋設した場合でも定点接着を実現することができるので、計測の安定性及び精度を高くすることができる。
【0024】請求項4に記載の発明である歪み計測システムは、光ファイバの素線と被覆との間を固定する間隔が、前記歪み計測装置における距離分解能と誤差とに基づいて設定されることを特徴とする。
【0025】この請求項4の発明によれば、固定間隔毎の歪み量を正確に計測することができるので、光ファイバの各固定間隔の敷設位置に基づいて、構造物におけるひび割れの発生位置を正確に特定することができる。
【0026】請求項5に記載の発明である歪み計測システムの光ファイバは、前記計測対象物にループ状に敷設されていることを特徴とする。
【0027】この請求項5の発明によれば、歪み計測装置の距離分解能よりも短い間隔で歪みの計測を行うことができ、構造物の危険個所を高精度で監視することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ファイバの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】図1に示すように、本実施形態の光ファイバ1は、素線2と、被覆3と、この被覆3と素線2との間を間隔Lで固定する固定点Xnとから構成されている。
【0030】この光ファイバ1の固定点Xnの間隔Lは一定間隔でもよいし、不規則に変化させてもよい。
【0031】また、固定点Xnでは接着するなどの方法によって素線2と被覆3とが固定されている。ただし、図1では素線2と被覆3との間には空間が存在するように記載されているが、素線2と被覆3との間は密着していてもすべりを生じていればよい。
【0032】さらに、素線と被覆が一体となった通常の光ファイバを素線2の代わりに利用することもできる。
【0033】このように、素線2と被覆3との間にすべりを生じさせるとともに、固定点Xnを設けて素線2と被覆3との間を固定したことによって、被覆3に伸び歪みが発生したとしても、素線2に応力または歪みが集中することがなくなる。
【0034】したがって、光ファイバをひび割れの危険のある構造物に埋設したとしても、ひび割れによって光ファイバが切断されることを防止することができる。
【0035】さらに、コンクリート構造物内に光ファイバを埋設した場合でも定点接着(定点固定)を実現することができる。
【0036】また、光ファイバの製造後に外部から物理的な変形を加えることによって、固定点を設けるようにしてもよい。
【0037】例えば、図2に示すように被覆3に熱収縮材料を使用することによって、外部から熱などを加えることによって素線2と被覆3とを固定するようにしてもよいし、また機械的に圧力を加えて素線2と被覆3とを固定できるようにしてもよい。
【0038】これによって、構造物の建設現場において光ファイバに外部から熱や圧力を加えることによって固定点を作れるので、建設現場で必要に応じて自由に固定点を作ることができる。
【0039】次に、上述した光ファイバを利用して歪みの計測を行う歪み計測システムの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0040】図3に示すように、本実施形態の歪み計測システム21は、計測対象物に敷設された光ファイバ22と、この光ファイバ22にパルスを入射させ、この入射パルスによる散乱光を測定し、この散乱光の周波数シフト量から計測対象物に発生した歪みを計測する歪み計測装置23とから構成されている。
【0041】この歪み計測システム21において、光ファイバ22では上述したように素線2と被覆3との間にすべりを生じさせるとともに、固定点Xnを設けて素線2と被覆3との間を固定している。
【0042】また、歪み計測装置23は、従来技術で説明した歪み計測装置と同様に構成された装置なので、詳しい説明は省略する。
【0043】このように、本実施形態の歪み計測システム21では、素線2と被覆3との間にすべりのある光ファイバ22を使用したことによって、構造物のひび割れなどによって被覆3に伸び歪みが発生したとしても、素線2に応力または歪みが集中することを防止できる。
【0044】したがって、コンクリート構造物のようにひび割れなどの発生する危険のある構造物内に光ファイバを埋設して歪みの計測を行うことができる。
【0045】さらに、コンクリート構造物内に光ファイバを埋設した場合でも定点接着を実現することができるので、全面接着をした場合に比べて計測の安定性及び精度を高くすることができる。
【0046】次に、光ファイバ22の固定間隔Lの設定方法について説明する。
【0047】まず、従来技術で説明したように、歪み計測装置23は、距離分解能で定められる一定の距離間隔での歪みを測定している。例えば、距離分解能が1mである場合には、特定の1mの間の歪みを測定し、歪み量の測定結果としている。
【0048】ところが、この歪み計測装置23には計測位置についての誤差(現在の計測装置では±10cmとなっている)が生じている。例えば、光ファイバ上にある特定の1mについて測定しようとした場合には、測定対象となっている1mと、その前後10cmにおける歪みを測定してしまっている。
【0049】そこで、光ファイバの固定間隔Lを距離分解能1mと前後の誤差20cm(10cm×2)とを考慮して120cm、あるいはそれ以上にしておくことによって、各固定間隔L1、L2、・・・、Ln毎の歪みをそれぞれ正確に測定することができる。
【0050】このように、光ファイバ22の固定間隔Lを歪み計測装置23の距離分解能と歪みデータのサンプリングシフト間隔等の誤差とに基づいて決めることによって、各固定間隔Lnの歪み量をそれぞれ正確に計測することができる。
【0051】さらに、光ファイバの各固定間隔Lnの歪みをそれぞれ計測することができるようになると、その固定間隔Lnの構造物における敷設位置に基づいて、構造物のどこに歪みが発生しているのかを正確に特定することができる。
【0052】次に、歪み計測システムにおける光ファイバの敷設方法について説明する。
【0053】まず、構造物に光ファイバを敷設する場合に、構造物には歪みのとくに発生しやすい危険個所が存在しているので、そのような構造物を監視する上で重要な場所の歪みはとくに正確に計測する必要がある。ところが、そのような危険個所の幅が距離分解能よりも短い場合には危険個所の歪みを正確に計測することができない。例えば、歪み計測装置23の距離分解能が1mである場合に、幅が20cmしかない危険個所の歪みは正確に計測することができない。
【0054】そこで、図4に示すように、歪みの発生しやすい危険個所に光ファイバ31をループ状に埋設する。
【0055】このとき、図4(a)に示すように、光ファイバを立体的なループ状に埋設してもよいし、図4(b)に示すように構造物の表面近くに埋設させてもよい。
【0056】また、危険個所の幅によってループの半径及びループの巻数を調節する。
【0057】例えば、図5に示すように危険個所の幅が狭くなっていくにしたがって、巻数を1回から3回へと増やしていく。同様に、危険個所の幅や巻数に合わせてループの半径も調節する。
【0058】このように、光ファイバをループ状に埋設することによって、歪み計測装置の距離分解能よりも短い間隔における歪みを正確に計測することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイバによれば、ひび割れなどの発生する危険のある構造物に埋設したとしても、構造物内部のひび割れによって光ファイバが切断されることを防止できるとともに、コンクリート構造物内において定点接着を実現することができる。
【0060】また、本発明の歪み計測システムによれば、コンクリート構造物のようにひび割れなどの発生する危険のある構造物に、光ファイバを埋設して歪み計測を行うことができる。さらに、コンクリート構造物内に光ファイバを埋設した場合でも計測対象物内部における定点接着(定点固定)を実現することができるので、計測の安定性及び精度を高くすることができる。
【0061】また、光ファイバの素線と被覆の固定間隔を、歪み計測装置の距離分解能及び歪みデータのサンプリングシフト間隔等による誤差に基づいて決めることによって、固定間隔毎の歪み量を正確に計測することができ、これによって、光ファイバの各固定間隔の敷設位置に基づいて、構造物におけるひび割れなどの発生位置を正確に特定するとともに、高精度の歪み測定を行うことができる。
【0062】さらに、光ファイバをループ状に埋設することによって、歪み計測装置の距離分解能よりも短い間隔で歪みの計測を行うことができ、構造物の危険個所を高精度で監視することができる。




 

 


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