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発明の名称 光ファイバセンサ、光ファイバセンサユニットおよびそのセンサを用いた変位計測装置ならびに光ファイバセンサユニット接続構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−66118(P2001−66118A)
公開日 平成13年3月16日(2001.3.16)
出願番号 特願2000−72238(P2000−72238)
出願日 平成12年3月15日(2000.3.15)
代理人
発明者 小野 紘一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被変形体の外面若しくは内面に当該被変形体の長手方向に伸延する光ファイバを収納する複数の収納溝が形成され、当該収納溝のそれぞれに光ファイバが固着されていることを特徴とする光ファイバセンサユニット。
【請求項2】 前記被変形体は、その断面形状が円形、楕円形、四角形、三角形または任意の形状の可撓性を有する長尺体であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサユニット。
【請求項3】 前記収納溝の内、少なくとも1つの収納溝には少なくとも1本の光ファイバが固着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバセンサユニット。
【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ファイバセンサユニットの一端または両端に接続器を取り付け、測定対象物の長さに応じて前記光ファイバセンサユニットを複数連結したことを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項5】 前記接続器は、前記光ファイバセンサユニットを構成する被変形体を機械的に連結することができるとともに、前記被変形体に固着された前記光ファイバを光学的に接続することができることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバセンサ。
【請求項6】 前記接続器は、前記被変形体と同一の屈曲特性を有するように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光ファイバセンサ。
【請求項7】 前記光ファイバセンサは、少なくとも前記光ファイバセンサユニット同士の連結部分が保護パイプで保護されていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の光ファイバセンサ。
【請求項8】 少なくとも2本以上の光ファイバが被変形体の長手方向に沿って伸延された状態で取り付けられていることを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項9】 前記被変形体は、地中に埋設されるか地上に敷設される長尺の埋設物または敷設物であることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバセンサ。
【請求項10】 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ファイバセンサユニットに、当該光ファイバセンサユニットの変位分布と変位方向とを前記光ファイバセンサユニットの全長に渡って計測するための演算手段を接続したことを特徴とする変位計測装置。
【請求項11】 請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の光ファイバセンサに、当該光ファイバセンサの変位分布と変位方向とを前記光ファイバセンサの全長に渡って計測するための演算手段を接続したことを特徴とする変位計測装置。
【請求項12】 請求項9または請求項10に記載の光ファイバセンサに、当該光ファイバセンサの変位分布と変位方向とを前記光ファイバセンサの全長に渡って計測するための演算手段を接続したことを特徴とする変位計測装置。
【請求項13】 被変形体に沿って配置された光ファイバを有する光ファイバセンサユニットにおいて、少なくとも2つの光ファイバセンサユニットの前記被変形体を機械的に連結し、前記光ファイバを光学的に接続することを特徴とする光ファイバセンサユニット接続構造。
【請求項14】 被変形体に沿って配置された光ファイバを有する光ファイバセンサユニットの一端に着脱自在で外周面に光ファイバコネクタを有する第1接続部と、当該第1接続部と凹凸嵌合でき、他の光ファイバセンサユニットの一端に着脱自在で外周面に光ファイバコネクタを有する第2接続部と、を有する光ファイバセンサユニット接続構造であって、前記第1接続部と前記第2接続部とは、凹凸嵌合によって2つの光ファイバセンサユニットの被変形体同士を機械的に連結し、さらに光ファイバコネクタによって2つの光ファイバセンサユニットの光ファイバ同士を光学的に接続することを特徴とするユニット接続構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば構造物の変形状況や地層の移動状況を高精度で検出することができる光ファイバセンサ、光ファイバセンサユニットおよびそのセンサを用いた変位計測装置ならびに光ファイバセンサユニット接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバを用いた歪み測定器の開発が盛んに行なわれている。
【0003】この歪み測定器は、光ファイバに光パルスを入射し、光ファイバの曲がり具合によって変化する後方散乱光強度を測定することによって、光ファイバの歪み量と歪み発生位置を検出するものである。
【0004】したがって、この光ファイバを構造物に埋め込み、光ファイバの歪み量や歪み発生位置を検出することによって、構造物のどこでどの程度の歪みが生じているかを知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような従来の歪み測定器では、光ファイバの歪み量や歪み発生位置の検出はできるものの、その光ファイバがどのように変位しているかまでは検出することはできない。たとえば、光ファイバを構造物に埋め込んで構造物の傾きを検出するような場合、光ファイバのどの部分がどの程度歪んでいるのかを検出することはできるが、光ファイバの各部分がどの程度変位しているのか、すなわち光ファイバがどのような形状で変形しているのか、までは検出することができない。
【0006】また、従来の歪み測定器で用いられている光ファイバセンサとしては、通常は特開平3−175328号公報に開示されているように、単一の光ファイバ素子により構成されているので、非常に小さな歪みを正確に検出することは困難である。もっとも、上記の公報に記載の発明では、低圧縮歪みを予め光ファイバ素子に与えておくことによって、非常に変位量の小さな歪みの検出を可能にしているが、このような構成を採っても変位量の小さな歪みの検出には限界がある。また、単一の光ファイバ素子では、歪みの方向を検出することは理論的に不可能であるから、たとえ検出された歪みを積分したとしても、この光ファイバ素子がどの方向にどのように変形したのか、すなわち光ファイバ素子の形状までは検出することはできない。
【0007】さらに、従来の光ファイバセンサは、一体的に形成されているので、製造できる長さには限界があり、建築物の歪みを検出する程度のたとえば1m程度の長さのものは製造可能であるが、地層の奥深くの動きを検出するためのたとえば30mというような非常に長いものは製造ができないという問題がある。
【0008】本発明は、このような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、構造物の変形状況や地層の移動状況を高精度で検出することができる光ファイバセンサ、光ファイバセンサユニットおよびそのセンサを用いた変位計測装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明は次のように構成される。
【0010】請求項1に記載の発明は、被変形体の外面若しくは内面に当該被変形体の長手方向に伸延する光ファイバを収納する複数の収納溝が形成され、当該収納溝のそれぞれに光ファイバが固着されていることを特徴とする光ファイバセンサユニットである。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバセンサユニットにおいて、前記被変形体は、その断面形状が円形、楕円形、四角形、三角形または任意の形状の可撓性を有する長尺体であることを特徴とする光ファイバセンサユニットである。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の光ファイバセンサユニットにおいて、前記収納溝の内、少なくとも1つの収納溝には少なくとも1本の光ファイバが固着されていることを特徴とする光ファイバセンサユニットである。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ファイバセンサユニットの一端または両端に接続器を取り付け、測定対象物の長さに応じて前記光ファイバセンサユニットを複数連結したことを特徴とする光ファイバセンサである。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光ファイバセンサにおいて、前記接続器は、前記光ファイバセンサユニットを構成する被変形体を機械的に連結することができるとともに、前記被変形体に固着された前記光ファイバを光学的に接続することができることを特徴とする光ファイバセンサである。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光ファイバセンサにおいて、前記接続器は、前記被変形体と同一の屈曲特性を有するように形成されていることを特徴とする光ファイバセンサである。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の光ファイバセンサにおいて、前記光ファイバセンサは、少なくとも前記光ファイバセンサユニット同士の連結部分が保護パイプで保護されていることを特徴とする光ファイバセンサである。
【0017】請求項8に記載の発明は、少なくとも2本以上の光ファイバが被変形体の長手方向に沿って伸延された状態で取り付けられていることを特徴とする光ファイバセンサである。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の光ファイバセンサにおいて、前記被変形体は、地中に埋設されるか地上に敷設される長尺の埋設物または敷設物であることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバセンサである。
【0019】請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ファイバセンサユニットに、当該光ファイバセンサユニットの変位分布と変位方向とを前記光ファイバセンサユニットの全長に渡って計測するための演算手段を接続したことを特徴とする変位計測装置である。
【0020】請求項11に記載の発明は、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の光ファイバセンサに、当該光ファイバセンサの変位分布と変位方向とを前記光ファイバセンサの全長に渡って計測するための演算手段を接続したことを特徴とする変位計測装置である。
【0021】請求項1から請求項7、請求項10および請求項11に記載の発明によれば、光ファイバは、収納溝に固定されているので外部の衝撃から保護することができ、また、被変形体は、可撓性を有する長尺体であるので、測定対象物の変形する動きに対して常に追従することができ、測定対象物の変形の状況が高精度で把握できるようになる。さらに、1つの収納溝に複数本の光ファイバを固着しているので、1つの溝からより多くの情報を得ることができ、測定対象物の変形の状況がより高精度で把握できるようになる。また、少なくとも1本の光ファイバは、他の光ファイバに故障が生じた場合の予備用の光ファイバとして使用できるようにしているので、万が一、使用している光ファイバが損傷などしてしまった場合でも、新たに光ファイバセンサを敷設し直す必要がなくなる。
【0022】また光ファイバセンサは、接続器を用いて光ファイバセンサユニットを測定対象物の長さに応じて複数連結して形成する。したがって、光ファイバセンサユニットの連結数を変えるだけで測定対象物に応じた長さの光ファイバセンサが容易に構成できる。また、接続器は、被変形体と同一の屈曲特性を有するので、光ファイバセンサの長さが、たとえば30mというような長さになったとしても、光ファイバ全体が測定対象物の変形にしたがって屈曲し、接続部分でその屈曲状態が局部的に変化してしまうようなことがなく、測定対象物の歪み、変位分布および変位方向を光ファイバセンサの全長に渡って正確に把握できる。
【0023】また、光ファイバセンサユニットまたは光ファイバセンサに、演算手段を接続したので、被変形体の曲り具合を計測することができる。
【0024】請求項12に記載の発明は、請求項9または請求項10に記載の光ファイバセンサに、当該光ファイバセンサの変位分布と変位方向とを前記光ファイバセンサの全長に渡って計測するための演算手段を接続したことを特徴とする変位計測装置である。
【0025】請求項8、請求項9および請求項12に記載の発明にあっては、たとえば、杭、パイプライン、構造物の柱などの被変形体の曲り具合が計測できるようになる。
【0026】また、光ファイバセンサに、演算手段を接続したので、被変形体の曲り具合を計測することができる。
【0027】請求項13に記載の発明は、被変形体に沿って配置された光ファイバを有する光ファイバセンサユニットにおいて、少なくとも2つの光ファイバセンサユニットの前記被変形体を機械的に連結し、前記光ファイバを光学的に接続することを特徴とする光ファイバセンサユニット接続構造である。
【0028】請求項14に記載の発明は、被変形体に沿って配置された光ファイバを有する光ファイバセンサユニットの一端に着脱自在で外周面に光ファイバコネクタを有する第1接続部と、当該第1接続部と凹凸嵌合でき、他の光ファイバセンサユニットの一端に着脱自在で外周面に光ファイバコネクタを有する第2接続部と、を有する光ファイバセンサユニット接続構造であって、前記第1接続部と前記第2接続部とは、凹凸嵌合によって2つの光ファイバセンサユニットの被変形体同士を機械的に連結し、さらに光ファイバコネクタによって2つの光ファイバセンサユニットの光ファイバ同士を光学的に接続することを特徴とするユニット接続構造である。
【0029】請求項13および請求項14に記載の発明にあっては、光ファイバセンサユニットを機械的および光学的に接続することができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の光ファイバセンサは次のような効果を奏する。
【0031】請求項1から請求項7、請求項10および請求項11に記載の発明によれば、光ファイバは、収納溝に固定されているので外部の衝撃から保護することができ、また、被変形体は、可撓性を有する長尺体であるので、測定対象物の変形する動きに対して常に追従することができ、測定対象物の変形の状況が高精度で把握できるようになる。さらに、1つの収納溝に複数本の光ファイバを固着しているので、1つの溝からより多くの情報を得ることができ、測定対象物の変形の状況がより高精度で把握できるようになる。また、少なくとも1本の光ファイバは、他の光ファイバに故障が生じた場合の予備用の光ファイバとして使用できるようにしているので、万が一、使用している光ファイバが損傷などしてしまった場合でも、新たに光ファイバセンサを敷設し直す必要がなくなる。
【0032】また光ファイバセンサは、接続器を用いて光ファイバセンサユニットを測定対象物の長さに応じて複数連結して形成する。したがって、光ファイバセンサユニットの連結数を変えるだけで測定対象物に応じた長さの光ファイバセンサが容易に構成できる。また、接続器は、被変形体と同一の屈曲特性を有するので、光ファイバセンサの長さが、たとえば30mというような長さになったとしても、光ファイバ全体が測定対象物の変形にしたがって屈曲し、接続部分でその屈曲状態が局部的に変化してしまうようなことがなく、測定対象物の歪み、変位分布および変位方向を光ファイバセンサの全長に渡って正確に把握できる。
【0033】また、光ファイバセンサユニットまたは光ファイバセンサに、演算手段を接続したので、被変形体の曲り具合を計測することができる。
【0034】請求項8、請求項9および請求項12に記載の発明にあっては、たとえば、杭、パイプライン、構造物の柱などの被変形体の曲り具合が計測できるようになる。
【0035】また、光ファイバセンサに、演算手段を接続したので、被変形体の曲り具合を計測することができる。
【0036】請求項13および請求項14に記載の発明にあっては、光ファイバセンサユニットを機械的および光学的に接続することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光ファイバセンサを図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】図1は、光ファイバセンサの概略構成図である。なお、光ファイバセンサの一部を構成する被変形体は、その断面形状が円形、楕円形、四角形、三角形または任意の形状の可撓性を有する棒状体であり、その棒状体は、中空管または中実管のいずれであっても良い。本実施の形態では、被変形体として円筒管を例示して説明する。
【0039】図に示すように、可撓性のある円筒管10の内壁面12には、2本の光ファイバ14A,14Bが張力が加えられた状態で取り付けられている。この取り付けは、円筒管と同等の弾性係数を持つ接着材によって行なわれる。このように、円筒管と同等の弾性係数を持つ接着剤を使用するのは、円筒管の変形時に円筒管10上に生じる歪みと、当該円筒管10の歪みが生じた場所に取り付けられた光ファイバ14A,14Bに生じる歪みとが同じになるようにするためである。また、光ファイバ14A,14Bに張力を加えた状態で取り付けを行うのは、円筒管10の変形の動きに追従した光ファイバ14A,14Bが圧縮され縮むときに生じる圧縮の歪みを計測できるようにするためである。
【0040】このようにして光ファイバを取り付ける(固着する)ので、円筒管10の曲りに沿って光ファイバ14A,14Bが素直に曲がるようになる。
【0041】それぞれの光ファイバ14A,14Bは、内壁面12に直接固定してあるが、内壁面12にそれぞれの光ファイバ14A,14Bを収納するための収納溝を形成し、これらの収納溝に光ファイバ14A,14Bを収納しても良い。この2本の光ファイバ14A,14Bは、どの方向の曲がりも正確に検出できるように、円筒管10の中心軸を中心として中心角90゜の位相差をもって取り付けられている。したがって、円筒管10の曲がりの状態、すなわち、円筒管10のどの位置がどの方向にどの程度変位しているかが2本の光ファイバ14A,14Bの両方から得られる後方散乱光を合成することによって認識できるようになる。この2本の光ファイバ14A,14Bのそれぞれは、円筒管10の僅かな曲がりも正確に検出することができるように、円筒管10の内壁面12にしっかりと接触させた状態で固定し、円筒管10がどの方向に曲がったような場合でも、光ファイバ14A,14Bがそれぞれ異なる方向の圧縮応力または引っ張り応力を受けるようにしてある。
【0042】また、図2(A)に示すように、図1に示した光ファイバセンサとは異なり、円筒管10の外壁面13に光ファイバ14A,14Bを収納させるための収納溝15A,15Bを形成し、それらの収納溝15A,15Bに光ファイバ14A,14Bを固着させて光ファイバセンサを構成しても良い。また、図2(B)に示すように、円筒管10の外壁面13に光ファイバを収納させるための収納溝15C,15D,15Eをそれぞれ中心角120゜の位相角をもって形成し、それらの収納溝15A,15B,15Cにそれぞれ2本ずつの光ファイバを固着させて光ファイバセンサを構成しても良い。なお、それぞれの収納溝に2本の光ファイバを固着させているのは、その内の1本の光ファイバが切れるなどの故障を起してしまったりした場合に他の1本の光ファイバを使用できるようにするためである。
【0043】なお、図1および図2(A),図2(B)に示した円筒管10の材質は、耐侯性や可撓性を考慮すると塩化ビニール等の樹脂材であることが望ましいが、可撓性を備えている材質であればこれに限定されることはない。また、上記の例では、2本の光ファイバ14A,14Bの取り付け角度を90゜としているが、たとえば、30゜,45゜,60゜,75゜,105゜,120゜,135゜,150゜,165゜等、30゜〜165゜の範囲で取り付け角度を選定することもできる。さらに、上記の例では光ファイバを2本用いて光ファイバセンサを構成したが、3本またはそれ以上の光ファイバを用いて光ファイバセンサを構成するようにしても良い。さらに、収納溝には、1本の光ファイバだけでなく、複数本の光ファイバをまとめて収納させても良い。
【0044】上記の光ファイバセンサは、図3に示すように、実際には長さLm(通常は2.85m)の光ファイバセンサユニット16が複数連結されて構成されている。光ファイバセンサユニット16同士は、互いに接続器を用いて連結される。たとえば、測定対象物の長さが3Lmあれば、光ファイバセンサユニット16を3個連結して長さ3Lmの光ファイバセンサを構成すれば良い。なお、円筒管10同士の接続は接続器の機械的な接続機構によって行ない、光ファイバ同士の接続は接続器に設けられている損失の少ない光コネクタを用いて行なわれる。
【0045】図4は、光ファイバセンサユニット16の円筒管10同士を連結する接続器20の具体的な構造を示す図である。接続器20は図4(A)に示すように、光ファイバセンサユニット16の端部に取り付けられる。接続器20は、円筒管10の内周に嵌め込んで接続器20を光ファイバセンサユニット16の一端部にしっかりと取り付けるための嵌合部18と接続器20同士を連結させるための連結部19とが形成されている。嵌合部18の外周面は連結部19側に向かうにしたがって僅かながら拡径している。このため、嵌合部18が円筒管10の内部に差し込まれその内部に向けて押し込まれると、嵌合部18の外周面と円筒管10の内周面とがしっかりと係合し、連結部19が光ファイバセンサユニット16の端部に堅固に固定される。なお、接続器20は、円筒管10に嵌合された状態でも、円筒管10の弾性率ができるだけ変化しないような材料で作られている。このような材料を用いないと、光ファイバセンサユニット16を複数本接続して構成される光ファイバセンサが滑らかに曲がらないようになってしまうからである。
【0046】図4(B)に示すように、連結部19の主要部を成す三角柱21の中心部分には、その長手方向に沿って貫通する円筒状の嵌合穴24が開口されている。また、三角柱21の端部には光ファイバ同士を連結するための光ファイバコネクタ26が取り付けられている。また、一方の光ファイバセンサユニット16に対向して接続される光ファイバセンサユニット16側の連結部19には、対向する連結部19の嵌合穴24に挿入される挿入突起28が形成されている。したがって、一方の接続器20は雄の接続器となり、他方の接続器20は雌の接続器となる。
【0047】光ファイバセンサユニット16同士を接続するには、図4(C)に示すように、三角柱29に設けられている挿入突起28を三角柱21に開口されている嵌合穴24に挿入し、両光ファイバセンサユニット16から出ている光ファイバ同士を光ファイバコネクタ26によって接続する。接続した後は、接続部分に保護パイプ30を被せ連結部分に水が侵入したり、機械的が応力がかかって光ファイバが損傷することを防止する。もちろんこの保護パイプ30を被せた状態であっても、光ファイバセンサが滑らかに曲がらなければならないので、保護パイプ30の材料も接続器20の材料と同じく円筒管10の弾性率ができるだけ変化しないような材料を用いるのが望ましい。保護パイプ30で覆われる接続部分は、実際は0.15m程度である。なお、光ファイバセンサユニット16は、円筒管10と同様に、可撓性を有する材料で形成されていることが望ましい。
【0048】図5に示すように、光ファイバセンサの2本の光ファイバ14A,14Bは、切り替え器90を介して、光歪測定器35内に設けられている演算手段としての積分回路40に接続される。光歪測定器35では、一本の光ファイバからの光しか、測定することができないので、切り替え器90で順次測定する光ファイバと光歪測定器35との接続を切り替えている。光歪測定器35は、光ファイバ14Aから伝送されてくる光に含まれる後方散乱の成分と光ファイバ14Bから伝送されてくる光に含まれる後方散乱の成分との2つの成分を順次入力して、これらの2つの成分から光ファイバセンサの端部から任意の距離離れた点の歪みを認識し、この認識した歪みを積分回路40によって積分する。積分回路40によって積分すると光ファイバセンサの任意の位置の変位がわかる。つまり、光ファイバセンサがどのように変形しているのか、換言すれば、測定対象物の歪みや、変位分布やその変位の方向が光ファイバセンサの全長に渡って計測できる。
【0049】積分回路40によって積分された結果はパソコン45に出力され、パソコン45は光ファイバセンサの変形状態が視覚的に認識できるように演算して図示しないディスプレイにその変形状態を表示する。したがって、オペレータは、リアルタイムで測定対象物の変形状態を認識できる。
【0050】たとえば、本発明装置の光ファイバセンサを数百mに渡って活断層部分に垂直に埋設したり水平に付設したりして、光ファイバセンサの変形状態をディスプレイで監視するようにすれば、その活断層部分の地層の動きを極めて正確に認識することができ、地震予知などの精度の向上に大きく寄与できることになる。
【0051】なお、積分回路40で行なわれる積分は、次の式のような手順を経て行なわれる。この積分の説明は、理解を容易にするために、片持ち梁を例に説明する。
【0052】光ファイバ14A,14Bを、図6(A)に示すように円筒管10の最上部と最下部に位置させ、円筒管10の一端を壁50に固定して片持ち梁のようにして円筒管10を下に曲げると、光ファイバ14Aが引っ張り方向の応力を受け、光ファイバ14Bが圧縮方向の応力を受ける。
【0053】円筒管10の外周半径をR、その内周半径をRf、光ファイバによって測定された歪みをεm とすると、壁50からxm離れた点の円筒管10の外周面の歪みε(x)は、【0054】
【数1】

【0055】と表わされる。また、【0056】
【数2】

【0057】という関係があるので、【0058】
【数3】

【0059】となる。
【0060】ここで、Eは円筒管10のヤング率、Iは円筒管10の断面二次モーメント、uは円筒管10の変位、Mは曲げモーメント、Ψは円筒管10の曲率、ρは円筒管10の曲率半径である。
【0061】(2)式と(3)式から、【0062】
【数4】

【0063】が得られる。ここに、C1 は壁部(x=0)における片持梁の回転角であり、通常はC1 =0である。
【0064】したがって、円筒管の端部からxm離れた点の変位u(x)は、【0065】
【数5】

【0066】を計算することによって算出できることになる。ここに、C2 は壁部(x=0)における変位であり、通常はC2 =0である。
【0067】ところが、本願発明の変位計測装置に用いる光ファイバセンサ15は、図6(B)に示すように、光ファイバ14Aと14Bとの取り付け角度を90゜としているので、上記のように、測定された歪みεm をそのまま使用することはできない。そこで、光ファイバ14Aによって測定された歪みをε1 、光ファイバ14Bによって測定された歪みをε2 とすると、円筒管10の内周半径Rfと円筒管10の内周面の歪みε0 およびε1 とε2 との関係は、【0068】
【数6】

【0069】と表わされ、上式からε0 とこれらの歪みε1 とε2 との関係は、【0070】
【数7】

【0071】と表わされる。
【0072】また、上式から図4(B)に示してある角度θが次の式【0073】
【数8】

【0074】によって最大ひずみと変位の方向が算出でき、この結果、円筒管10の内周面の歪みε0 が次の式で算出できる。
【0075】
【数9】

【0076】このようにして、円筒管10の内周面の歪みε0 がわかると、円筒管10の外周面の歪みεは、【0077】
【数10】

【0078】によって求めることができる。
【0079】このようにして求めた円筒管10の外周面の歪みεは、図6(A)の円筒管10の外周面の歪みε(x)に等しい。
【0080】したがって、光ファイバ14Aによって歪みε1 を測定し、光ファイバ14Bによって歪みε2 を測定して、円筒管10の外周面の歪みεを求め、求めた歪みεを用いて(1)式から(6)式の計算をすれば、円筒管10(光ファイバセンサ15と同じ)の変形形状を求めることができる。
【0081】なお、以上の計算によって求めた理論上の変位u(x)が、実際の測定値とは異なる場合は、それを補正するために、図6(c)に示すように、実際に測定したその自由端の変位u(m)と計算によって求めた円筒管10の自由端の変位u(L)との比(u(m)/u(L))を求め、それを補正計数βとする。
【0082】積分回路40によって計算された変位u(x)には、この補正計数βが掛けられ、実際の変位は、βu(x)として求めることもできる。
【0083】このようにして積分回路40によって積分された結果は、パソコン45に出力され、パソコン45は光ファイバセンサの変形状態が視覚的に認識できるように演算して図示しないのディスプレイにその変形状態を表示する。したがって、オペレータは、リアルタイムで測定対象物の変形状態を認識できることになる。
【0084】図7は、本発明の変位計測装置を用いた総合観測管理システムの概略構成図である。ダムの傾斜面や山の斜面などの測定対象物に本発明の光ファイバセンサ60,61,62を設置する。光ファイバセンサ60,61,62は、監視センター70に設けられている管理システムに伝送用の光ファイバケーブルを介して接続される。監視システムは、前記した歪測定器35、歪・変位分布解析監視および管理装置75、出力装置80を備えている。
【0085】この総合観測管理システムは、図8のフローチャートに示すように動作する。
【0086】まず、測定対象物に光ファイバセンサ60,61,62の設置が終わり(S10)、光ファイバセンサ60,61,62が測定対象物の変形に追従して変形すると(S20)、歪測定器35には、光ファイバセンサ60,61,62の検出信号が入力され、それぞれの光ファイバセンサ60,61,62の歪みが計測される(S30)。歪測定器35は、この歪み量から、光ファイバセンサ60,61,62の変位量とその方向が検出される(S40)。歪・変位分布解析監視および管理装置75は、歪測定器35によって検出された変位量から測定対象物の歪み分布と変位分布を算出する(S50)。歪・変位分布解析監視および管理装置75は、その算出された変位分布を基準値と比較し、測定対象物の危険度を予測するとともにダムの傾斜面や山の斜面に異常があれば、警報を鳴らし、電話回線を通じてその情報を遠距離に伝送し、また必要に応じてその情報を出力装置80で出力する(S60)。
【0087】なお、図9や図10に示すように、斜面や地滑り地帯に光ファイバセンサを設置するには、地盤の所定位置にボーリング穴を開口し、その穴に光ファイバセンサを挿入し、光ファイバセンサが地盤と同じ動きをするように固定する。傾斜面の地盤が緩んだり、掘削区域の地盤が緩んだりすると、設置した光ファイバセンサに図8または図9に示すような応力がかかり、光ファイバセンサがその応力に応じて変形する。その変形によって得られた情報から危険箇所やその程度を予測する。その予測から適切な対策を講じる。
【0088】本発明の光ファイバセンサの他の応用としては、パイプラインの変位観測と安全管理、橋梁の変位観測と振動測定、飛行場の地盤沈下観測、起伏測定、ダム本体と基板の変位、沈下、トンネルの変位観測、その他の歪みと変位の計測を必要とする実験や観測等を挙げることができる。




 

 


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