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発明の名称 センサー診断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−343396(P2001−343396A)
公開日 平成13年12月14日(2001.12.14)
出願番号 特願2000−165671(P2000−165671)
出願日 平成12年6月2日(2000.6.2)
代理人 【識別番号】100087790
【弁理士】
【氏名又は名称】尾関 伸介
発明者 増田 雄一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】加速度その他のベクトル量を感知するセンサーの診断をする装置において、診断対象のセンサーと同じ種類のベクトル量を1つの方向について感知する1軸センサーと、前記1軸センサーを固定するとともに、前記診断対象センサーを着脱可能に取り付け、該1軸センサーと該診断対象センサーとの相対姿勢を一定に保持するセンサー固定手段と、前記診断対象センサーの出力を受け、該診断対象センサー出力に座標変換処理を施し、該診断対象センサー出力における前記1軸センサーの感知軸方向の成分を生成する座標変換手段と、前記1軸センサーの出力と前記座標変換手段の出力とを比較し、前記診断対象センサーの感知性能に関する判定をする比較判定手段と、前記判定を診断結果として出力する診断結果出力手段とを備えることを特徴とするセンサー診断装置。
【請求項2】前記1軸センサーの感度と前記診断対象センサーの感度とが相違するときにも、該1軸センサーの出力と前記座標変換手段の出力との比較から該診断対象センサーの診断を可能にするために、前記1軸センサー又は前記診断対象センサーの出力に、設定利得で増幅または減衰の処理を施す利得設定手段が設けてあることを特徴とする請求項1に記載のセンサー診断装置。
【請求項3】前記設定利得は、前記1軸センサーの感度と前記診断対象センサーの感度との比に基づく値であることを特徴とする請求項2に記載のセンサー診断装置。
【請求項4】前記利得設定手段は、キーボード等の手動入力手段から前記設定利得を入力することを特徴とする請求項2又は3に記載のセンサー診断装置。
【請求項5】前記1軸センサーは加速度計、傾斜計、角速度計又は磁気センサーであることを特徴とする請求項1乃至4に記載のセンサー診断装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベクトル量を感知するセンサー(例えば、加速度計、傾斜計、角速度計、磁気センサー)の診断をする装置に関し、特に携帯用のセンサーの良否を判定するのに好適なセンサー診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用センサーの一例として、3軸加速度計の一種である落下感知センサーがある。物体が落下する途中では、物体が受ける重力はほぼゼロになる。落下感知センサーは、直交する3軸について重力の加速度を感知するセンサーであり、落下保護衣に設けられる。落下保護衣は、高所において作業をする作業者が予め装着しておき、作業者が万一誤って落下したときはガスで急激に膨らみ、着地の際の衝撃を軽減するものである。ガスはボンベに充填され、落下感知センサーの出力がほぼゼロになると、落下が始まったと見なし、ボンベの口を火薬で開き、ガスを落下保護衣に充填する。雷管の点火回路に電流を流すことにより雷管に点火し、雷管の火力で火薬を起爆する。点火回路は、落下感知センサーの出力がほぼゼロになった時に導通する。
【0003】この落下感知センサーは、シガレットケース程度の小型であり、携帯に適している。落下感知センサーは3つの加速度計でなる。これら3つの加速度計における感知軸は互いに直交している。各加速度計は、電極付きシリコンでなり、加速度によりシリコンが受ける歪を電極間容量の変化から検知する容量型である。
【0004】落下感知センサーの不良は生命に係わるから、その良否を使用に先だって診断しておくことが求められる。そして、その診断は、建築の現場などで、作業者の数だけの多数個を短時間に、誰でもが誤りなく確実に行えることが好ましい。
【0005】落下感知センサーなどの3軸加速度計を簡易に診断するために、従来は次の方式が採用されていた。3軸加速度計を水平な机上に置くことにより、3軸加速度計における1つの加速度計の感知軸(Z軸とする)を垂直に向け、他の2つの加速度計における感知軸(X軸及びY軸とする)を水平に向ける。この姿勢において、Z軸の出力が重力の加速度、すなわち9.8±αm/s2の範囲(ここで、mはメートル、s2は秒の二乗を表す。以下においても同じ。)であり、X軸及びY軸の出力が0±β m/s2の範囲であれば、3軸加速度計は良好と診断した。α及びβは、許容範囲であり、3軸加速度計の用途に応じて定める。
【0006】ベクトル量を感知するセンサーには、加速度計の他に、傾斜計、角速度計、磁気センサー等がある。これらセンサーを診断する従来の方式として、つぎのようなものが知られている。
【0007】第1の方式は、センサーに自己診断回路を内蔵する方式である。例えば、傾斜計では、感知出力が重力の加速度9.8±αm/s2の範囲内か否かを検査し、その範囲外のとき、故障と診断する。傾斜計は、一軸加速度計を備え、この一軸加速度計の感知軸が水平から傾いた角度(傾斜角度)をθとし、重力の加速度をG(9.8m/s2)とするとき、一軸加速度計はGsinθを出力することから、傾斜角度θを測定している。この傾斜計では、出力の最大値は9.8m/s2である。そこで、前記αを所定値に設定しておき、出力が9.8±αm/s2の範囲を越えたか否かを判定する回路を備えることにより、傾斜計の自己診断が可能である。また、角速度計も自己診断回路で診断できる。この自己診断回路は、角速度計を人が所持し、人が直立のまま自ら回転運動をしたとき、角速度計で感知される角速度が400deg/s(degは角度、sは秒をそれぞれ表す)を2秒間連続して越えているか否かを判定し、感知角速度が400deg/sを2秒間連続して越えたとき、故障と診断する。この自己診断方式による角速度計の診断精度は相当に低い。
【0008】第2の方式は、センサーを一定の条件下に置き、その条件における出力を調べることにより、良否を診断する方式である。3軸加速度計を診断する前述の方式がこの第2の方式の一例である。
【0009】第3の方式は、センサーの構成を冗長系とし、複数のセンサーの出力を比較する回路を内蔵し、比較回路で複数センサーの出力の一致度を調べ、センサーの良否を診断する方式である。
【0010】第4の方式は、自己試験機能を備える方式である。例えば、センサーがサーボ型加速度計であれば、電気信号により振子を振動させるようにした試験回路をサーボ型加速度計に内蔵し、試験回路に通電し、振子を振動させたとき、振動が所定の振幅であるか否かで、サーボ型加速度計の良否を判定する。
【0011】第5の方式は、診断対象のセンサーを計測台に搭載し、加速度、傾斜角加速度又は磁界といったベクトル量の入力を計測台に与え、センサーの出力を該入力と比較し、両者の一致度から診断対象センサーの良否を診断する方式である。例えば、この第5の方式の類型が特開平3−130666に開示されている。この方式は、センサーの製造における最終工程で行う出荷前の調整検査と同じ内容である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の第1の方式、即ちセンサーに自己診断回路を内蔵する方式では、自己診断回路を備える分だけ高価となるし、また角速度計の例で説明したように診断の精度も低い。
【0013】前述の第2の方式、即ちセンサーを一定の条件下に置き、その条件における出力を調べる方式では、想定した故障以外の故障は診断できない。例えば、先に詳しく説明した従来の3軸加速度計の診断方式では、X軸またはY軸の加速度計が故障していて、出力がゼロであっても、その3軸加速度計は正常と診断してしまう。X軸又はY軸の加速度計における出力がゼロになる故障を想定していないからである。勿論、机上の3軸加速度計の姿勢を変更し、X軸及びY軸を順次に垂直に向け、それらの軸の出力が9.8±αm/s2の範囲であるか否かを検査すれば、3つの感知軸全てにつき確実に診断ができる。しかしながら、このように1つの3軸加速度計の診断において、姿勢を変えながら3軸全てについて、それぞれ検査をするのでは、診断に多大な時間を要し、非効率である。
【0014】前述の第3の方式、即ちセンサーの構成を冗長系とし、複数のセンサーの出力を相互に比較する回路を内蔵し、比較回路で複数センサーの出力の一致度を調べ、センサーの良否を診断する方式では、センサーの数が増えるから、全体として製造費の増大をもたらすし、また複数のセンサーが同時に同種の故障をしたときは故障を発見できない。
【0015】前述の第4の方式、即ち自己試験機能を備える方式では、試験装置を内蔵する必要があるから、やはり全体として製造費の増大をもたらすし、また試験装置による入力以外に他の入力がセンサに加わらないように、格別な配慮が求められる。たとえば、診断対象センサーが加速度センサーであれば、加速度センサーを静止させる環境に置く必要があり、診断環境に制限が加わる。
【0016】前述の第5の方式、即ち診断対象のセンサーを計測台に搭載し、加速度、傾斜角加速度又は磁界といったベクトル量の入力を計測台に与え、センサーの出力を該入力と比較し、両者の一致度から診断対象センサーの良否を診断する方式では、センサーの製造における調整検査で要する設備、技術者および手間を要し、診断に費用と時間が必要となり、建築現場などにおいて多数のセンサーを短時間に診断するときには実用的でない。
【0017】そこで、本発明の目的は、誰でも何処でも正確に軽易に迅速に安価にベクトル量センサの診断ができるセンサー診断装置の提供にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0019】(1)加速度その他のベクトル量を感知するセンサーの診断をする装置において、診断対象のセンサーと同じ種類のベクトル量を1つの方向について感知する1軸センサーと、前記1軸センサーを固定するとともに、前記診断対象センサーを着脱可能に取り付け、該1軸センサーと該診断対象センサーとの相対姿勢を一定に保持するセンサー固定手段と、前記診断対象センサーの出力を受け、該診断対象センサー出力に座標変換処理を施し、該診断対象センサー出力における前記1軸センサーの感知軸方向の成分を生成する座標変換手段と、前記1軸センサーの出力と前記座標変換手段の出力とを比較し、前記診断対象センサーの感知性能に関する判定をする比較判定手段と、前記判定を診断結果として出力する診断結果出力手段とを備えることを特徴とするセンサー診断装置。
【0020】(2)前記1軸センサーの感度と前記診断対象センサーの感度とが相違するときにも、該1軸センサーの出力と前記座標変換手段の出力との比較から該診断対象センサーの診断を可能にするために、前記1軸センサー又は前記診断対象センサーの出力に、設定利得で増幅または減衰の処理を施す利得設定手段が設けてあることを特徴とする前記(1)に記載のセンサー診断装置。
【0021】(3)前記設定利得は、前記1軸センサーの感度と前記診断対象センサーの感度との比に基づく値であることを特徴とする前記(2)に記載のセンサー診断装置。
【0022】(4)前記利得設定手段は、キーボード等の手動入力手段から前記設定利得を入力することを特徴とする前記(2)又は(3)に記載のセンサー診断装置。
【0023】(5)前記1軸センサーは加速度計、傾斜計、角速度計又は磁気センサーであることを特徴とする前記(1)乃至(4)に記載のセンサー診断装置。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を挙げ、本発明を一層詳しく説明する。
【0025】図1は本発明の一実施の形態を示すブロック回路図である。図2は、その実施の形態に診断対象センサー(落下感知センサー)を取り付けた構成の外観及び各センサーの感知軸を示す図である。図3は、その実施の形態で診断される落下感知センサーの平面形及び感知軸を示す図である。図4及び図5は、それぞれその実施の形態を示す平面図および正面図である。
【0026】図において、1は一軸加速度計であり、11は一軸加速度計1の感知軸である。2は落下感知センサーである。落下感知センサー2は、前述のとおり、直交する3軸(X軸、Y軸およびZ軸)にそれぞれ加速度感知軸を有する3軸加速度計である。各感知軸には加速度計X、加速度計Y及び加速度計Zを有する。21,22及び23は、落下感知センサー2における加速度計Xの感知軸、加速度計Yの感知軸および加速度計Zの感知軸をそれぞれ示す。落下感知センサー2は、シガレットケース程度の大きさで、矩形をなし、内部に電源用の電池を有し、サンプリングタイミング100を受け、また加速度計X、加速度計Y及び加速度計Zで感知した加速度計信号102をシリアルに出力する端子を有する。
【0027】3は信号入出力部、4は座標変換手段、5は利得設定手段、6は比較判定手段である。7は、表示部であり、緑色発光ダイオード71及び赤色発光ダイオード72でなる。8は、ワンチップマイコンと通称されているマイクロコンピューターであり、CPU,RAM,ROM,A/D,RS-232Cインターフェース等を1つのシリコン製チップ上に集積してなる。信号入出力部3、座標変換手段4、利得設定手段5および比較判定手段6はマイクロコンピュータ8及びプログラムで成っている。プログラムはROMに記憶されている。
【0028】9はプラスチック製の筐体である。筐体9には、一軸加速度計1及びマイクロコンピュータ8が内蔵され、緑色発光ダイオード71及び赤色発光ダイオード72が表面に取り付けられており、またセンサー取り付け凹部13には落下感知センサー2が取り付けられ、さらにマイクロコンピュータ8及び表示部7の電源となる電池が着脱自在に装着されている。筐体9は、一軸加速度計1及び落下感知センサー2の感知軸の角度を一定に保持し、両センサー相互の姿勢を一定に固定する作用をしている。
【0029】10はこの実施の形態のセンサー診断装置である。20は、加速度計Xの感知軸21及び加速度計Yの感知軸22の交わる点から両軸のなす角度を等分割した線の方向を示す。方向20は図3における中心線に平行である。
【0030】本実施の形態のセンサー診断装置10は、図1及び図2において落下感知センサー2を除く部分でなる。図2において落下感知センサー2を除いた部分が、図4における筐体9のA-A矢視断面図である。但し、図2では、断面を表すために筐体9に描くべきハッチングは省略され、またコネクタ端子32は省略されている。センサー取り付け凹部13における背面14及び下面16に診断対象センサー2の底面24及び前面26がそれぞれ接触している。25,27,28及び29はそれぞれ落下感知センサー2における上面、後面、左側面及び右側面である。センサー取り付け凹部13における背面14及び下面16は筐体9の底面に対し、それぞれ60°及び30°の角度をなしている。
【0031】図2における符号30は、筐体9が置かれる机の上面などの水平な平面である。一軸加速度計1の感知軸11は水平面30に直交し、加速度計Zの感知軸23は水平面30に対し30°の角度をなし、加速度計Xの感知軸21及び加速度計Yの感知軸22は水平面30に対し60°の角度をなす。
【0032】直交3軸の加速度計出力Ax,Ay及びAzを任意の方向の直交3軸に座標変換し、該任意の方向の直交3軸における加速度A1,A2及びA3を求めるには、良く知られた下記数1の行列式が適用される。
【0033】
【数1】

ここで、〔C〕は方向余弦行列である。いま、加速度計X、加速度計Y及び加速度計Zで感知した加速度をそれぞれAx,Ay及びAzとし、一軸加速度計1の感知軸方向11におけAx,Ay及びAzの合成加速度をAsとするとき、Asを数1式におけるA1に取ると(As=A1とする)、Asは下記数2式から求められる。
As=−Axsin45°sin60°−Aysin45°sin60°+Azsin30° (数2)
水平面30から底面24を60°だけ傾け図2の姿勢で置かれた落下感知センサー2では、落下感知センサー2が正常でれば、加速度計X、加速度計Y及び加速度計ZでAx=6.00m/s2, Ay=6.00m/s2及び Az=−4.90m/s2がそれぞれ感知される。前記数2式にこれらAx,Ay及びAzを適用し、Asを計算すると、As=−9.8m/s2となる。
【0034】他方、一軸加速度計1で感知される加速度をAとすると、一軸加速度計1の感知軸11が重力方向に平行(垂直)であるから、当然にA=−9.8m/s2であり、合成加速度Asに一致する。
【0035】信号入出力部3は、マイクロコンピュータ8のインターフェース回路であり、RS-232Cインターフェース規格線路で端子31,32,33に接続されている。落下感知センサー2がセンサー取り付け凹部13に嵌められたとき、端子31,32,33に接触する端子が落下感知センサー2側に設けてある。そこで、信号入出力部3はサンプリングタイミング100を落下感知センサー2に供給する。落下感知センサー2は、サンプリングタイミング100で順次にサンプリングされた加速度Ax,Ay及びAzをシリアルに加速度信号102としてを信号入出力部3に送る。サンプリングタイミング100は一軸加速度計1にも供給される。一軸加速度計1は、サンプリングタイミング100でサンプリングされ、感知した加速度Aを加速度信号101として出力する。
【0036】座標変換手段4は、信号入出力部3経由で加速度Ax,Ay及びAzを信号103として受け、前記数2式で示される演算により、加速度Ax,Ay及びAzに座標変換を施し、感知軸11方向の合成加速度Asを求め、信号104として出力する。信号104は合成加速度Asを表す。
【0037】一軸加速度計1の感度と落下感知センサー2の感度とが相違するときには、比較判定手段6における比較に先だって、一軸加速度計1の出力101と合成加速度Asの信号レベルを揃える必要がある。利得設定手段5は、一軸加速度計1の出力101と合成加速度Asの信号レベルを揃えるために、座標変換手段4の出力信号104に増幅又は減衰の処理を加え、信号104の利得調整を行い、利得調整された信号105を生成する。利得設定手段5は一種の増幅器である。信号105は、信号104に利得調整を施した合成加速度Asである。診断対象の落下感知センサー2が正常であれば、信号105で表される合成加速度Asは、一軸加速度計1の出力の加速度信号101で表される加速度Aにほぼ等しくなる。
【0038】落下感知センサー2は、診断対象のセンサーとして筐体9に取り付けられたものである。そして、診断対象センサーは診断が終わり次第に次々に交換されるのであるから、各落下感知センサー2が正常であっても、落下感知センサー2の感度は個別に多少は相違する。他方、落下感知センサー2の設計感度は診断に先立ち既知である。そこで、この利得設定手段5では、落下感知センサー2の感度がその設計感度であるときに、信号105で表される合成加速度Asが、一軸加速度計1の出力の加速度信号101で表される加速度Aに等しくなるように、座標変換手段4の出力信号104(合成加速度As)の利得を調整する。例えば、落下感知センサー2の感度が一軸加速度計1の感度の2分の1であるとすると、利得設定手段5は信号104を2倍に増幅し、信号105として出力する。
【0039】一軸加速度計1および落下感知センサー2の設計感度は診断の際に既知である。利得設定手段5に手動で入力される利得は、一軸加速度計1の感度に対する落下感知センサー2の設計感度の比αに応じて定まる。利得設定手段5に設定しようとする利得は、キーボード50(前述の手動入力手段に相当)から手動で入力される。キーボード50は、筐体9の左側に配置された50aの部分と、筐体9の右側に配置された50bの部分とからなっている。利得設定手段5は、メモリを備え、入力された設定利得をそのメモリに記憶する。
【0040】比較判定手段6は、信号105で表される加速度Ax,Ay及びAzの合成加速度Asと、一軸加速度計1の出力の加速度信号101で表される加速度Aとの差δを演算し、その差δが許容誤差α以内であれば、診断対象センサーの落下感知センサー2は正常であると判定し、その差δが許容誤差αを越えておれば、診断対象センサーの落下感知センサー2は故障であると判定する。そして、比較判定手段6は、正常と判定したときは、表示部7における緑色発光ダイオード71を発光させるように判定信号106を出力し、故障と判定したときは、表示部7における赤色発光ダイオード72を発光させるように判定信号106を出力する。
【0041】かくして、表示部7の発光色から、落下感知センサー2の良否の診断がなされる。一つの落下感知センサー2の診断が終了すると、その落下感知センサー2をセンサー取り付け凹部13から取出し、診断対象センサーである次の落下感知センサー2をセンサー取り付け凹部13に嵌め、同様に診断する。この診断は、落下感知センサー2を筐体9のセンサー取り付け凹部13に嵌めたり、取出したりするだけで、直ちに行えるから、誰でも迅速に容易に行える。
【0042】筐体9は、一軸加速度計1及び落下感知センサー2の感知軸の角度を一定に保持し、両センサー相互の姿勢を一定に保持しているから、筐体9を水平面30に載置することは必須ではない。前記数2式において、筐体9が重力に対して成す角度によってはAx,Ay及びAzは変動するが、各余弦(sin30°,sin45°及びsin60°)は筐体9の形で規定されるセンサー1及び2の感知軸が相互に成す角度で定まり、筐体9が重力に対して成す角度によっては変わらない。そこで、座標変換手段4は、筐体9の姿勢に拘わらず、常に数2式を適用して合成加速度Asを求めることができる。そこで、この実施の形態のセンサー診断装置10によれば、筐体9を水平面30に置くことが困難な環境、即ち建築現場のような任意の場所でも落下感知センサー2の診断ができる。
【0043】また、この実施の形態のセンサー診断装置10では、落下感知センサー2も何らかの自己診断回路とか、試験装置とか、同種の別のセンサーとかを必要としないから、落下感知センサー2の製造費の増大を招くこともない。角加速度の診断をするための前述の自己診断方式では、人が最大速度で回転しても角速度が400deg/sを越えることは通常ないといった程度のあいまいな基準で診断をしていたが、本実施の形態のセンサー診断装置10では、人の動作等を診断の要素に含まないから、診断精度は高い。また、直交3軸の出力Ax,Ay及びAzうちのどれかがゼロであると言う故障があっても、数2式による座標変換の際にその故障による誤差が合成加速度Asに現れるから、故障を見逃すことはない。
【0044】以上に診断対象センサーが落下感知センサーである場合につき、実施の形態を挙げ本発明を詳しく説明したが、本発明で診断対象とするセンサーは落下感知センサー等の3軸加速度センサーに限らない。本発明で診断対象とするセンサーは、ベクトル量すなわち大きさと方向を有する物理量のセンサーであればよい。例えば、前述の傾斜センサーも、一種の一軸加速度計であり、前述の実施の形態における加速度Ax,Ay及びAzのうち Ay及びAzがゼロとして扱えば、その実施の形態と同様に診断できる。また、診断対象センサーが磁気センサーであっても、前述の実施の形態における加速度を磁界に置き換えれば、その実施の形態とほぼ同様に診断できる。
【0045】前述の実施の形態では、利得設定手段5を設けたが、一軸加速度計の感度と診断対象センサーの感度とが等しいときには利得設定手段は不要である。また、実施の形態では、利得設定手段は座標変換手段の出力の利得を調整した。しかし、利得設定手段は、一軸加速度計の出力を調整し、一軸加速度計の出力と合成加速度Asとの信号レベルを比較判定手段の入力端で揃えるようにしても差し支えない。さらに、前述の実施の形態では、利得設定手段にキーボードで手動により利得を入力するとしたが、利得設定手段に手動により利得を入力する手段は、キーボードに限らず、例えばメモリに予め記憶しておいた複数の利得のうちから1つを選択するようにしても差し支えないことは勿論である。
【0046】また、前述の実施の形態では、比較判定手段6は信号105で表される合成加速度Asと信号101で表される加速度Aとの差δが許容誤差α内か否かで診断対象センサーの良否を判定した。しかし、比較判定手段では両入力の差に代えて、両入力の比aや或いは比aの対数などを許容値と比較しても判定ができ、また許容値との比較を大小の比較ではなく、比で行っても判定ができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、以上に実施の形態を挙げ詳しく説明したように、誰でも何処でも正確に軽易に迅速に安価にベクトル量センサーの診断が可能なセンサー診断装置を提供できる。




 

 


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