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発明の名称 フィルム光導波路およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−281486(P2001−281486A)
公開日 平成13年10月10日(2001.10.10)
出願番号 特願2000−93926(P2000−93926)
出願日 平成12年3月30日(2000.3.30)
代理人 【識別番号】100066153
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 卓 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2H037
2H047
5F088
【Fターム(参考)】
2H037 BA11 BA23 CA13 CA34 
2H047 KA04 KA05 MA03 MA05 MA07 PA01 PA28 QA05 QA07 TA33 TA34
5F088 BA16 BB01 JA12 JA14
発明者 宮下 拓也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 基板の表面に球面窪みを形成し、基板の表面に合成樹脂材料をコーティングして焼成することにより下面に球面凸レンズが球面窪みに対応して一体形成されたクラッド層を硬化形成し、クラッド層の表面にクラッド層の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングして焼成することによりコア層を硬化形成し、コア層にエッチング処理を施し、球面凸レンズに対応して光導波路コアを形成し、光導波路コアにその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面を球面凸レンズの中心軸に交差して形成し、クラッド層および光導波路コアより成る光導波路を基板から剥離することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項2】 請求項1に記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板の表面に球面窪みを形成するに際して重ね合わせ記号を形成することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項3】 請求項1および請求項2の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板として表面が熱酸化されたシリコン基板を使用することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項4】 請求項2および請求項3の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、コア層に光導波路コアを形成するに際して、球面凸レンズに対する光導波路コアの重ね合わせ位置を基板に形成される重ね合わせ記号を参照して決定することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、光導波路コア形成後に第2のクラッド層を形成することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項6】 基板に貫通丸孔を形成し、基板の表面に合成樹脂材料をコーティングして焼成することにより貫通丸孔を介して垂下する球面凸レンズを下面に一体形成されたクラッド層を硬化形成し、クラッド層の表面にクラッド層の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングして焼成することによりコア層を硬化形成し、コア層にエッチング処理を施し、球面凸レンズに対応して光導波路コアを形成し、光導波路コアにその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面を球面凸レンズの中心軸に交差して形成したことを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項7】 請求項6に記載されるフィルム光導波路製造方法において、クラッド層および光導波路コアより成る光導波路から基板を剥離することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項8】 請求項6および請求項7の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板に貫通丸孔を形成するに際して重ね合わせ記号を形成することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項9】 請求項6ないし請求項8の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板として表面が熱酸化されたシリコン基板を使用することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項10】 請求項7ないし請求項9の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、コア層に光導波路コアを形成するに際して、球面凸レンズに対する光導波路コアの重ね合わせ位置を基板に形成される重ね合わせ記号を参照して決定することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項11】 請求項6ないし請求項10の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、光導波路コア形成後に第2のクラッド層を形成することを特徴とするフィルム光導波路製造方法。
【請求項12】 下面に球面凸レンズが一体に形成されるクラッド層を具備し、クラッド層の表面にクラッド層の屈折率より大なる屈折率の光導波路コアを球面凸レンズに対応して形成し、光導波路コアにその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面を球面凸レンズの中心軸に交差して形成したことを特徴とするフィルム光導波路。
【請求項13】 基板の表面に球面窪みを形成し、基板の表面に合成樹脂材料をコーティングして下面に球面凸レンズが球面窪みに対応して一体形成されたクラッド層を硬化形成し、クラッド層の表面にクラッド層の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングしてコア層を硬化形成し、球面凸レンズに対応して光導波路コアを形成し、光導波路コアにその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面を球面凸レンズの中心軸に交差して形成し、クラッド層および光導波路コアより成る光導波路を基板から剥離したことを特徴とするフィルム光導波路。
【請求項14】 基板の表面に貫通丸孔を形成し、基板の表面に合成樹脂材料をコーティングして下面に球面凸レンズが貫通丸孔に対応して一体形成されたクラッド層を硬化形成し、クラッド層の表面にクラッド層の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングしてコア層を硬化形成し、球面凸レンズに対応して光導波路コアを形成し、光導波路コアにその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面を球面凸レンズの中心軸に交差して形成したことを特徴とするフィルム光導波路。
【請求項15】 請求項14に記載されるフィルム光導波路において、クラッド層および光導波路コアより成る光導波路から基板を剥離したことを特徴とするフィルム光導波路。
【請求項16】 請求項12ないし請求項15の内の何れかに記載されるフィルム光導波路において、光導波路コアに第2のクラッド層を形成したことを特徴とするフィルム光導波路。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フィルム光導波路およびその製造方法に関し、特に、光ファイバおよび受光素子その他の受光光部品と低損失で光結合すると共に加工性に優れたフィルム光導波路およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信装置の内部において低損失で光配線接続する柔軟な光伝送部材としてフィルム光導波路が開発使用されている。このフィルム光導波路の従来例を図4を参照して説明する。図4(a)は表面に光導波路が形成されるべき基板を示す図であり、(イ)は基板1の表面を示す図、(ロ)は(イ)における線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。以下、基板1はシリコンより成るものとして説明する。
【0003】図4(b)は基板1の表面にクラッド層3を形成し、クラッド層3の表面にコア層4を形成した光導波路層を示す図であり、(イ)は光導波路層の最上層を構成するコア層4の表面を示す図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。コア層4はクラッド層3を形成する高分子材料の屈折率より大なる屈折率の高分子材料より成り、クラッド層3表面に成膜形成される。図4(c)はクラッド層3の表面に光導波路コア41が形成されたところを示す図であり、(イ)はクラッド層3および光導波路コア41の表面を示す図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。光導波路コア41はコア層4の表面にフォトリソグラフィ技術を含むマイクロマシーニング技術を適用し、コアパターン形成、イオンエッチングにより形成する。
【0004】図4(d)は、基板1から剥離したクラッド層3および光導波路コア41より成るフィルム光導波路を示す図であり、(イ)はフィルム光導波路を上から視た図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。図4(e)は、図4(d)と同一のフィルム光導波路を示す図であり、(イ)はフィルム光導波路を上から視た図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。
【0005】図5はフィルム光導波路を光導波路コア41の長さ方向に沿って上下方向に切断した断面を示す図であり、光出射傾斜端面における光の拡散を説明する図である。図5(a)を参照するに、40はフィルム光導波路の光導波路コア41の光出射傾斜端面を示す。この光出射傾斜端面40は光導波路コア41の光軸に関して45゜程傾斜して加工されており、光導波路コア41に入射して伝播する光を90゜程偏向せしめて、光ファイバ、受光素子の如き他の受光光部品5に出射する。ここで、光導波路コア41の45゜程傾斜した光出射傾斜端面40から出射する光は、受光光部品5に到達する迄に拡散して光の接続損失が増加することにより、光の伝播経路を偏向するフィルム導波路は、一般に、光伝送特性の劣化の問題も生ずる。
【0006】フィルム光導波路の光導波路コア41の45゜程傾斜した光出射傾斜端面40から90゜程偏向して形成される出射光路に球面凸レンズを介在させ、上述した出射光の拡散を収束するフィルム導波路も開発、使用されている。これを図6を参照して説明する。図6(a)を参照するに、クラッド層3の表面には光導波路コア41が形成されている。光導波路コア41の光出射傾斜端面40に対向する表面に極く浅い断面円形凹部42を形成する。断面円形凹部42に、光導波路コア41の軟化温度より少し低い軟化温度のガラス材料丸棒61を挿入する。ここで、ガラス材料丸棒61はレーザ光により照射してこれを加熱溶融することができる。溶融したガラス材料丸棒61は、表面張力により溶融状態で鎖線により示される球面形状を保持する。球面形状を保持する溶融ガラス材料はそのまま徐々に冷却して球面凸レンズ6を形成し、光導波路コア41の表面に接合固定される。
【0007】図6(b)を参照するに、光導波路コア41を右方に伝播する光は光出射傾斜端面40において反射し、光導波路コア41の表面に接合固定された球面凸レンズ6により矢印方向に屈折して収束出射せしめられ、受光光部品5に効率よく入射する。図6(c)を参照するに、これは光導波路コア41の光出射傾斜端面40に対向する表面に形成される断面円形凹部42に溶融ガラス滴62を滴下充填し、表面張力により球面凸レンズ6を形成する例である(以上、詳細は、特開昭62−35304号公報 参照)。
【0008】光導波路の一部にレンズを形成して光導波路コアから出射する光を収束するフィルム光導波路の他の従来例を図7を参照して説明する。先ず、図7(a)を参照するに、石英基板50の表面に、薄膜成膜技術を適用してSiO2 クラッド層51、SiON光導波路コア層52、上側のSiO2 クラッド層53をこの順に成膜して光導波路層を形成する。次いで、このクラッド層53の表面にエッチング技術を適用して45゜程傾斜した端面R1、R2を有する溝54を石英基板50の表面に到るまでエッチング除去して形成する。ここで、表面に反射ミラー層を形成し、一部残存除去して端面R1に反射ミラー55を形成する。次いで、溝54を含む表面にSiO2 埋め込み層56を形成する。
【0009】図7(b)を参照するに、最後に、SiO2 埋め込み層56をエッチング加工してレンズ57を残存形成する。SiON光導波路コア層52を伝播する光は埋め込み層56に入射、伝播して端面R1の反射ミラー55に到達する。ここで90゜程偏向せしめられ、レンズ57により屈折収束して出射する。図8を参照するに、石英基板50の表面にマスクし、表面からイオン拡散して領域58の屈折率を部分的に増加させる。これにより領域58はレンズ作用をするに到る。レンズ作用をする領域58を有する石英基板50の表面に、薄膜成膜技術を適用してSiO2 クラッド層51、SiON光導波路コア層52、上側のSiO2 クラッド層53をこの順に成膜して光導波路層を形成する。ここで、上側のSiO2 クラッド層53表面にエッチング技術を適用して領域58の表面のこのクラッド層53、SiON光導波路コア層52、SiO2 クラッド層51をエッチング除去して45゜程傾斜した端面Rを形成する。ここで、SiON光導波路コア層52を右方から伝播する光は端面Rに到達し、ここで90゜程偏向せしめられ、レンズ作用をする領域58により屈折収束して出射する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図6を参照して説明した通り、光出射傾斜端面40を光反射面として光の伝播経路を偏向する構成のフィルム導波路は、光導波路コア41において光が反射して出射するに際して、光ビームが拡散して光の接続損失が増加する欠点を有している。この欠点は光導波路の一部にレンズを形成して光導波路コアから出射する光を収束することにより解消することができる。
【0011】しかし、フィルム導波路の光反射端面に対向して球面凸レンズを位置決め形成する以上のフィルム導波路の形成方法は、何れも、簡単な方法ではない。即ち、図6により図示説明される方法は、予め形成されたフィルム導波路の光導波路コア41の表面に溶融ガラスを適用、冷却して球面凸レンズ6を接合形成するものであり、予め形成されたフィルム導波路に更に加工を施してここにレンズを形成するものであり、本来のフィルム導波路の形成工程に更なるレンズ形成工程が付加される。そして、このレンズ形成工程は、フィルム導波路の光導波路層形成工程とは異質の溶融ガラスを取り扱う工程であり、総合して工程が煩雑になる。
【0012】図7により図示説明される方法は、予め成膜形成された光導波路層のSiON光導波路コア層52の一部をエッチング除去して45゜程傾斜した端面R1、R2を有する形状の溝54を形成し、この端面R1に反射ミラー55を形成すると共に、溝54にSiO2 を埋め込みこれをエッチング加工してレンズ57を残存形成するものである。この方法も、先の方法と同様に予め形成されたフィルム導波路に更に加工を施してここにレンズを形成するものであり、このレンズ形成工程自体も簡単容易とは言い難い。
【0013】図8により図示説明される方法は、石英基板50の表面にレンズ作用をする領域58を予め形成しておき、この領域58に対向してここにフィルム導波路の光反射端面を位置決め形成するものである。レンズ作用をする領域58を形成する方法は、単に、石英基板50の表面からイオン拡散するだけであり、極く簡単にみえる。しかし、この方法も、イオン拡散するには大がかりなイオン照射装置をを必要とし、見かけ程簡単容易ではない。
【0014】この発明は、光ファイバおよび受光素子その他の受光光部品と低損失で光結合すると共に加工性に優れた上述の問題を解消したフィルム光導波路およびその製造方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1:基板1の表面に球面窪み11を形成し、基板1の表面に合成樹脂材料をコーティングして焼成することにより下面に球面凸レンズ6が球面窪み11に対応して一体形成されたクラッド層3を硬化形成し、クラッド層3の表面にクラッド層3の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングして焼成することによりコア層4を硬化形成し、コア層4にエッチング処理を施し球面凸レンズ6に対応して光導波路コア41を形成し、光導波路コア41にその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面40を球面凸レンズ6の中心軸に交差して形成し、クラッド層3および光導波路コア41より成る光導波路を基板1から剥離するフィルム光導波路製造方法を構成した。
【0016】請求項2:請求項1に記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板1の表面に球面窪み11を形成するに際して重ね合わせ記号10を形成するフィルム光導波路製造方法を構成した。
請求項3:請求項1および請求項2の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板1として表面が熱酸化されたシリコン基板を使用するフィルム光導波路製造方法を構成した。
【0017】請求項4:請求項2および請求項3の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、コア層4に光導波路コア41を形成するに際して、球面凸レンズ6に対する光導波路コア41の重ね合わせ位置を基板1に形成される重ね合わせ記号10を参照して決定するフィルム光導波路製造方法を構成した。
請求項5:請求項1ないし請求項4の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、光導波路コア41形成後に第2のクラッド層を形成するフィルム光導波路製造方法を構成した。
【0018】ここで、請求項6:基板1に貫通丸孔12を形成し、基板1の表面に合成樹脂材料をコーティングして焼成することにより貫通丸孔12を介して垂下する球面凸レンズ6を下面に一体形成されたクラッド層3を硬化形成し、クラッド層3の表面にクラッド層3の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングして焼成することによりコア層4を硬化形成し、コア層4にエッチング処理を施し球面凸レンズ6に対応して光導波路コア41を形成し、光導波路コア41にその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面40を球面凸レンズ6の中心軸に交差して形成したフィルム光導波路製造方法を構成した。
【0019】請求項7:請求項6に記載されるフィルム光導波路製造方法において、クラッド層3および光導波路コア41より成る光導波路から基板1を剥離するフィルム光導波路製造方法を構成した。
請求項8:請求項6および請求項7の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板1に貫通丸孔12を形成するに際して重ね合わせ記号10を形成するフィルム光導波路製造方法を構成した。
【0020】請求項9:請求項6ないし請求項8の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、基板1として表面が熱酸化されたシリコン基板を使用するフィルム光導波路製造方法を構成した。
請求項10:請求項7ないし請求項9の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、コア層4に光導波路コア41を形成するに際して、球面凸レンズ6に対する光導波路コア41の重ね合わせ位置を基板1に形成される重ね合わせ記号10を参照決定するフィルム光導波路製造方法を構成した。
【0021】請求項11:請求項6ないし請求項10の内の何れかに記載されるフィルム光導波路製造方法において、光導波路コア41形成後に第2のクラッド層を形成するフィルム光導波路製造方法を構成した。そして、請求項12:下面に球面凸レンズ6が一体形成されるクラッド層3を具備し、クラッド層3の表面にクラッド層3の屈折率より大なる屈折率の光導波路コア41を球面凸レンズ6に対応して形成し、光導波路コア41にその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面40を球面凸レンズ6の中心軸に交差して形成したフィルム光導波路を構成した。
【0022】請求項13:基板1の表面に球面窪み11を形成し、基板1の表面に合成樹脂材料をコーティングして下面に球面凸レンズ6が球面窪み11に対応して一体形成されたクラッド層3を硬化形成し、クラッド層3の表面にクラッド層3の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングしてコア層4を硬化形成し、球面凸レンズ6に対応して光導波路コア41を形成し、光導波路コア41にその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面40を球面凸レンズ6の中心軸に交差して形成し、クラッド層3および光導波路コア41より成る光導波路を基板1から剥離したフィルム光導波路を構成した。
【0023】請求項14:基板1の表面に貫通丸孔12を形成し、基板1の表面に合成樹脂材料をコーティングして下面に球面凸レンズ6が貫通丸孔12に対応して一体形成されたクラッド層3を硬化形成し、クラッド層3の表面にクラッド層3の屈折率より大なる屈折率の合成樹脂材料をコーティングしてコア層4を硬化形成し、球面凸レンズ6に対応して光導波路コア41を形成し、光導波路コア41にその光軸に関して傾斜する光出射傾斜端面40を球面凸レンズ6の中心軸に交差して形成したフィルム光導波路を構成した。
【0024】請求項15:請求項14に記載されるフィルム光導波路において、クラッド層3および光導波路コア41より成る光導波路から基板1を剥離したフィルム光導波路を構成した。
請求項16:請求項12ないし請求項15の内の何れかに記載されるフィルム光導波路において、光導波路コア41に第2のクラッド層を形成したフィルム光導波路を構成した。
【0025】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1の第1の実施例を参照して説明する。図1(a)は表面に光導波路が形成されるべき基板1を示す図であり、(イ)は基板1の表面を示す図、(ロ)は(イ)における線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。基板1を構成する材料としては、半導体材料或いは金属材料の如き表面に窪みを形成し、或いは貫通孔を穿設することができる材料であれば、これらの内の何れをも使用することができる。以下、基板1は表面が熱酸化されたシリコンより成るものとして説明する。基板1の表面に球面窪み11および後の工程において必要とされる重ね合わせ記号10を形成する。この球面窪み11は後で説明される球面凸レンズ6を形成する余地を与える窪みである。球面窪み11および重ね合わせ記号10を形成する仕方を説明する。
【0026】この球面窪み11および重ね合わせ記号10を形成するには、先ず、基板1の表面にフォトレジスト膜を形成し、球面窪み11および重ね合わせ記号10をパターニングする。このフォトレジスト膜をマスクとして、先ず、熱酸化膜をエッチングし、基板1の上に熱酸化膜のマスクを形成する。残存するレジストを除去後、SF6系の反応ガスによるドライエッチング或いはKOH系水溶液によるウェットエッチングの如きエッチング方法により基板1をエッチングすることにより、球面窪み11と共に重ね合わせ記号10が付与された基板1が形成される。
【0027】図1(b)は形成された光導波路層を示す図であり、(イ)は光導波路層の最上層を構成するコア層4の表面を示す図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。この光導波路層は以下の通りにして形成される。球面窪み11および重ね合わせ記号10が表面に形成された基板1を準備し、先ず、基板1の表面にポリイミド系合成樹脂材料をスピンコートし、350゜程の温度で焼成することにより基板1の表面にクラッド層3を硬化形成する。ポリイミド系合成樹脂材料を基板1の表面にスピンコートすると、ポリイミド系合成樹脂材料は球面窪み11にも充填され、焼成することによりクラッド層3の下面に球面凸レンズ6が一体的に突出、形成される。基板1の表面にクラッド層3を焼成硬化して形成したところで、屈折率がクラッド層3の屈折率より大きいポリイミド系合成樹脂材料をクラッド層3の表面にスピンコートし、350゜程の温度で焼成することにより、クラッド層3の表面にコア層4を硬化形成する。
【0028】図1(c)を参照するに、これはクラッド層3の表面に光導波路コア41が形成されたところを示す図であり、(イ)はクラッド層3および光導波路コア41の表面を示す図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。この光導波路コア41は以下の通りにしてクラッド層3の表面に露出形成される。上述した通り基板1の表面にクラッド層3とコア層4が形成されたところで、コア層4の表面全面にプラズマ耐性レジスト膜を形成し、光導波路コア41をパターニングする。このパターニングに関しては、結果として、基板1の窪みの中心上を光導波路コア41が交差する様に予め基板1に形成した重ね合わせ記号10を認識してパターニングすることにより高精度な重ね合わせ精度を実現した。この光導波路コア41が形成されるべき幅の小さい長方形領域の位置を特定するに、先に基板1の表面に形成しておいた重ね合わせ記号10を、コア層4およびクラッド層3およびプラズマ耐性レジスト膜を介して透視し、目印として参照する。重ね合わせ記号10を参照して長方形領域の位置を特定することにより、光導波路コア41はその幅内に球面窪み11の中心が収まる位置でパターニングされる。ここで、次いで、このプラズマ耐性レジスト膜をマスクとしてコア層4をドライエッチングして光導波路コア41を形成し、残存するレジストを除去することにより、基板1表面に光導波路コア41が形成される。
【0029】図1(d)を参照するに、これは基板1から剥離したクラッド層3および光導波路コア41より成るフィルム光導波路を示す図であり、(イ)はフィルム光導波路を上から視た図、(ロ)は(イ)における線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。そして、図1(e)は図1(d)と同一のフィルム光導波路を示す図であり、(イ)はフィルム光導波路を上から視た図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。
【0030】このフィルム光導波路は、クラッド層3とコア層4より成る光導波路層が基板1の表面に接合固定された図1(c)に示される状態においてダイシング加工される。先ず、必要とされるサイズに切断され、次いで、クラッド層3とコア層4より成る光導波路層の端部は、ダイシングソーにより光導波路コア41の光軸に関して45゜程傾斜した傾斜端面に切削加工される。そして、この切削加工の施されるところは、光導波路コア41の45゜程傾斜した光出射傾斜端面40において反射し出射される光の中心と球面窪み11の中心とがほぼ一致するところとする。45゜程の切削加工は、先端形状が90゜程のダイシングブレードを使用し、或いは通常のダイシングブレードに対して基板1を45゜程傾斜固定して実施することができる。
【0031】以上の通りに切断切削された光導波路層が形成される基板1は、最後に、フッ化水素酸水溶液の如き剥離液に浸漬して基板1から剥離することができる。クラッド層3とコア層4より成る光導波路層が表面に形成される基板1をこの剥離液に浸漬すると、基板1の表面に形成される熱酸化膜が数分の中にこの剥離液によりエッチングされ、フィルム導波路は基板1から剥離する。基板1の表面が熱酸化されていない平坦な平面の状態の場合も、この剥離液により同様に、フィルム導波路を基板1の表面から剥離することができる。
【0032】ここで、光導波路コア41を含むクラッド層3の表面に上側のクラッド層3を形成することにより、埋め込み型フィルム導波路が構成される。図2を参照して第2の実施例を説明する。この第2の実施例は、図1の第1の実施例において、基板1の表面に球面窪み11の代わりに貫通丸孔12を形成したものに相当する。図2(a)は表面に光導波路が形成されるべき基板1を示す図であり、(イ)は基板1の表面を示す図、(ロ)は(イ)における線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。基板1には貫通丸孔12が形成されている。貫通丸孔12の形成も図1(a)により図示説明された工程と同様の工程により実施される。但し、基板1に球面窪み11を形成する場合と比較して、エッチング時間を長くすることにより貫通丸孔12を形成することができる。インダクティブリカップルドプラズマエッチング(ICP(E))の如きディープドライエッチング技術を採用してこの微小な貫通丸孔12を形成する。
【0033】図2(b)は形成された光導波路層を示す図であり、(イ)は光導波路層の最上層を構成するコア層4の表面を示す図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。この実施例の場合、ポリイミド系合成樹脂材料を基板1の表面にスピンコートすると、ポリイミド系合成樹脂材料は貫通丸孔12にも進入する。この貫通丸孔12に進入したポリイミド系合成樹脂材料は表面張力で球面状に垂れ込んだ状態にあり、先の実施例と同様に、焼成することによりクラッド層3の下面に球面凸レンズ6が一体的に突出形成される。
【0034】図2(c)を参照するに、これはクラッド層3の表面に光導波路コア41が形成されたところを示す図であり、(イ)はクラッド層3および光導波路コア41の表面を示す図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。図2(d)を参照するに、これは、基板1から剥離したクラッド層3および光導波路コア41より成るフィルム光導波路を示す図であり、(イ)はフィルム光導波路を上から視た図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。図2(e)は図2(d)と同一のフィルム光導波路を示す図であり、(イ)はフィルム光導波路を上から視た図、(ロ)は(イ)の線ロ−ロ’に沿った断面を示す図である。
【0035】ここで、図3を参照して第2の実施例の変形例を説明する。第2の実施例においては、フィルム光導波路はクラッド層3とコア層4より成る光導波路層が基板1の表面に接合固定された図2(c)に示される状態においてダイシング加工され、次いで、フッ化水素酸水溶液の如き剥離液に浸漬することにより基板1から剥離される。この変形例は、クラッド層3とコア層4より成る光導波路層が表面に接合固定された基板1をダイシング加工したところで製造工程を終了し、光導波路層の剥離工程を省略する。これにより、基板1を支持基板とする支持基板付きフィルム導波路とすることができる。
【0036】図5(b)はこの発明によるフィルム光導波路を光導波路コア41の長さ方向に沿って上下方向に切断した断面を示す図であり、光出射傾斜端面40における光の収束を説明する図である。図示される如く、光導波路コア41の45゜程傾斜した光出射傾斜端面40において反射し出射される光は、クラッド層3の下面に一体的に突出形成された球面凸レンズ6により収束されて受光光部品5に入射される。
【0037】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明は、基板の表面に球面窪みを形成し、合成樹脂材料をコーティングして焼成することによりクラッド層の下面に球面凸レンズを球面窪みに対応して一体形成する。基板の表面に球面窪みを形成しておくこの方法を採用することにより、球面窪みの形状に従った球面凸レンズがクラッド層の下面に通常のフィルム光導波路の製造工程を実施しているうちに自動的に一体化構成される。このレンズにより光導波路コアの光出射傾斜端面の反射光を集束することができて、他の受光光部品との間の光結合性が良好なフィルム光導波路を形成することができる。そして、基板に球面窪みに代えて貫通丸孔を形成することにより、クラッド層の下面から垂れ込んで表面張力により球面凸レンズを形成することができる。また、基板に貫通丸孔を形成して球面凸レンズを垂れ込んで形成することにより、光導波路を基板に接合保持した状態のフィルム光導波路を構成する場合、貫通丸孔が球面凸レンズを通過した光の光経路を形成するので、製造に使用した基板を剥離せずそのまま保持基板として使用することができる。
【0038】そして、基板に球面窪み或は貫通丸孔を形成するに際して重ね合わせ記号を形成することにより、重ね合わせ記号を参照して光導波路コアを球面凸レンズの中心位置に精密に位置決め形成することができる。更に、光導波路コアに光出射傾斜端面を球面凸レンズの中心軸に交差して形成するに際して、重ね合わせ記号を参照することにより、光出射傾斜端面を切削形成するところを精密に位置決めすることができる。
【0039】また、基板をシリコンにより構成してその表面を熱酸化しておくことにより、基板を剥離液に浸漬すると、表面に形成される熱酸化膜が数分の中に剥離液によりエッチングされ、フィルム導波路は基板から容易に剥離する。更に、光導波路コア形成後に第2のクラッド層を形成することにより、フィルム導波路の光伝送効率はより向上する。




 

 


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