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発明の名称 クローズドループ干渉型光ファイバジャイロ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−74471(P2001−74471A)
公開日 平成13年3月23日(2001.3.23)
出願番号 特願平11−252164
出願日 平成11年9月6日(1999.9.6)
代理人 【識別番号】100066153
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 卓 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105 BB03 BB04 DD02 DE01 DE05 DE14 DE21 DE25 DF01 DF07 DF10 
発明者 浅見 栄一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 光ファイバコイルを互いに逆回りに伝播する左右周回光の干渉光強度により光ファイバコイル軸周りに入力される回転角速度を検出するクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍の矩形波信号と偶数倍の矩形波信号とを重畳した位相変調信号を左右周回光の光位相変調器に印加する位相変調信号発生回路を具備し、光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍の周波数で動作する第1同期検波器と固有周波数の偶数倍の周波数で動作する第2同期検波器を具備し、第2同期検波器から出力される固有周波数の偶数倍の矩形波信号と同期した成分に基づいて第1同期検波器の出力を補正する信号を発生する第1同期検波器出力補正信号発生器を具備し、第1同期検波器出力補正信号を第1同期検波器の出力に加算してフィードバック光位相変調器に印加するフィードバック信号形成回路を具備することを特徴とするクローズドループ干渉型光ファイバジャイロ。
【請求項2】 請求項1に記載されるクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、位相変調信号発生回路は光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍波を発生する奇数倍波位相変調信号発生器、光ファイバコイルの固有周波数の偶数倍波を発生する偶数倍波強度変調信号発生器、光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍波と光ファイバコイルの固有周波数の偶数倍波とを加算する第1加算器を有し、フィードバック信号形成回路はランプジェネレータの出力するフライバック信号を乗算し第1同期検波器出力補正信号を出力するフライバック信号掛算器と、第1同期検波器の出力にフライバック信号掛算器の出力を加算する第2加算器とを有するものであることを特徴とするクローズドループ干渉型光ファイバジャイロ。
【請求項3】 請求項1および請求項2の内の何れかに記載されるクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、奇数を1とし、偶数を2としたことを特徴とするクローズドループ干渉型光ファイバジャイロ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロに関し、特に、光ファイバコイルを互いに逆回りに伝播する左右周回光の干渉光強度により光ファイバコイル軸周りに入力された回転角速度を検出するスケールファクタの直線性の良好なクローズドループ干渉型光ファイバジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】従来例を図7を参照して説明する。光源1から出射した光は、光カップラ2を介して光IC3に導入される。この光IC3は、単一の偏光成分のみを選択し、この光を2分し、光を変調する構成を有する光学素子である。即ち、光IC3に導入された光はここにおいて単一の偏光成分のみが選択されると共に、ここから2分して出射される。この2分された光は、それぞれ右回りCW光および左回りCCW光として光ファイバコイル4に導入される。光ファイバコイル4を伝播した右回り光および左回り光は、光IC3において再会して相互に干渉する。この干渉した光には、サニャック効果により生ぜしめられた左右両回り光間の位相差に関する情報が、干渉の結果光強度の形で含まれている。従って、この光干渉強度の変化を検出し処理することにより、サニャック効果を発生させる原因である光ファイバコイル4に入力された角速度を知ることができる。
【0003】ここで、光IC3において相互干渉した光は再び光カップラ2に到達し、2分されて、一方は光検出器5に導入される。光検出器5においては、干渉光強度が電気信号に変換される。そして、この光検出器5から出力された電気信号は、信号処理部6に入力される。信号処理部6は、入力角速度を示す左右両回り光間の位相差に比例する成分を検出し、この入力角速度に比例する左右両回り光間の位相差を相殺するフィードバック信号を発生する。ここで、左右両回り光間の位相差の検出は、光IC3内に設けられた光位相変調器30を介して左右両回り光に印加される光位相変調と光検出器5の出力のその位相変調に対応した同期検波によりなされる。また、このフィードバク信号は鋸歯状波に形成されており、これを光IC3内に設けられるフィードバック光位相変調器31に印加することにより、入力角速度により左右両回り光間に発生せしめられた位相差を相殺する位相差、即ち、入力角速度により発生した位相差と符号が逆の位相差を左右両回り光間に発生させる。
【0004】ここで、信号処理部6の構成および動作を図7を参照して具体的に説明する。信号処理部6は光検出器5、ADコンバータ61、同期検波器62、積分器63、ランプジェネレータ64、DAコンバータ65、光IC3、光カップラ2、光検出器5によりメインループを構成している。60は位相変調信号発生器である。
【0005】先ず、位相差検出のための光位相変調と同期検波について説明する。位相変調信号発生器60は光が光ファイバコイル4内を伝播するのに要する時間τ(sec)に対して2τの周期を有する矩形波状の位相変調信号を発生しており、これにより光IC3に設けられた光位相変調器30は、これを通過する光に対してτ毎に+π/4(ラジアン)と−π/4(ラジアン)の光位相偏移を交互に付与している。この光位相偏移は左右両回り光に対して加えられるが、光位相変調器30が光ファイバコイル4の端分に位置しているところから、光IC3の分岐部において再会して干渉する両光にとっては必ずτの時間差をもってこの光位相偏移を受けており、結果として左右両回り光間には差し引き±π/2の相対的な位相差が常に形成されていることになり、且つ、その符号(極性)はやはりτ毎に交番する。ここで、光位相変調により作り出される位相差以外の位相差であるサニャック効果による回転角速度誘起の位相差がなく、位相差が完全に零点を中心として±π/2を交番するなら、交番の両者に対応する干渉光強度は等しいから光検出器5の出力は一定となる。もし、左右両回り光間の位相差にサニャック効果によるバイアスがあれば、τ毎に交番して得られる干渉光強度にはそのバイアスに応じた極性と大きさを有する差異が形成され、この差異分を取り出す処理が同期検波に他ならない。
【0006】この様な光位相変調の結果、τ毎に交互に変化する強度を持つ光検出器5の出力電気信号はADコンバータ61に入力され、ディジタル信号に変換される。ADコンバータ61から出力されるディジタル信号は復調器である同期検波器62に入力され、これにより入力角速度に関する情報を含み変調周波数と同期した成分が、より詳しくは上述のτ毎に交互に変化する強度の差異分が検出される。
【0007】ここで、図8、図9をも参照して信号処理部の同期検波器62の動作にを説明する。図8は同期検波器を説明するブロック図である。同期検波器62においては、入力される信号に+1と−1の値を交互にとる信号を掛算器621’において乗算して得られた出力に対して現時点の出力値と光ファイバコイル4内を伝播するに要する時間τ秒だけτ遅延回路624により遅延された前の光の出力値を加算することにより、光検出器5からADコンバータを介して取り込まれた信号の同期検波を実行する。
【0008】次段の積分器63において、同期検波器62の検波出力信号が積分され、その出力はランプジェネレータ64に入力される。積分器63により、サニャック効果による左右両光間の位相差バイアスを相殺する負帰還量を表す信号が作られる。ランプジェネレータ64は、積分器63の出力に基づいて階段状のランプ信号をディジタル的に合成する。
【0009】このランプ信号は、伝播時間τ毎に積分器63の出力に応じた高さづつ変化するステップで構成される階段状信号である。この信号が光IC3に形成された他方の光位相変調部であるフィードバック光位相変調器31に印加されると、上述した位相差検出の位相変調における光位相変調器30の動作と同様にして、光位相偏移はτの時間差をもって両回り光に加わるから、階段状信号のステップの高さに相当する相対的位相差を両回り光間に作り出す効果を奏す。これによって検出された両光の位相差バイアスを相殺する負帰還制御が実現するが、実際のフィードバック光位相変調器31に対する印加信号は有限の電圧のレンジ内になければならないから、光位相の周期性を利用して、階段状信号の高さが±2mπ(mは整数)に達すると折り返す、フライバックを行う。ランプジェネレータ64のの出力はこのフライバックを繰り返す階段状信号である。なお、入力角速度の情報は階段状信号の1段づつのステップの高さに表れているが、これが階段の勾配即ちランプの傾きを規定し、従ってフライバックの頻度を規定する。このフライバックの頻度が後で説明されるランプ信号の周波数fR であり、通常の信号処理においてこれを別途計数して角速度計の出力とする。そして、ランプジェネレータ64の出力はDAコンバータ65に入力される。DAコンバータ65は、ランプジェネレータ64の出力するランプ信号をディジタル値からアナログ値へと変換して出力する。DAコンバータ65の出力するアナログ値のランプ信号は、光IC3内に設けられるフィードバック光位相変調器31に印加されると、左右両回り光間に積分器63の出力に応じた位相差を作りだし、サニャック効果により発生した位相差を相殺するクローズドループが形成される。信号処理部6および光ファイバコイル4を含めた全体のループは、同期検波器62の出力を“零”とする動作をする。なお、ランプジェネレータ64により生成されるランプ信号の周波数fR が光ファイバコイル4に入力される角速度に比例した成分となり、これを光ファイバジャイロの出力信号として利用する。
【0010】また、信号処理部6は、先のメインループにおける同期検波器62から積分器63を介さずにランプ波高値コントロール部69を経由してランプジェネレータ64に到るループをサブループとして構成し、ランプジェネレータ64から出力されるランプ信号の上述したフライバック動作に係わる波高値±2mπを精確のため動的に制御するフライバック位相コントロール部としている。このフライバック位相コントロール部はランプ信号の波高値を、それにより生ずる光の最大位相偏移が+2mπ(ラジアン)、或は−2mπ(ラジアン)とすべく制御する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のクローズドループ信号処理は、原因の何であるかを問わず、同期検波器62の出力を負帰還量としてクローズドループを動作させる信号処理をしているところから、同期検波器62の入力信号中に何らかの原因でフィードバック信号であるランプ信号が混入すると、その混入したランプ信号の周波数fRが位相変調・同期検波の周波数である(1/2τ)の偶数分の1の条件を満たすとき、即ち、この様な周波数fR を出力する特定の回転角速度が光ファイバコイル4に入力したとき、光干渉角速度計の出力誤差が発生するという欠点がある。この欠点は、入力角速度が零であれば出力誤差が発生しないし、また上述の様な特定の入力角速度のみに応じた誤差が発生するという性格から、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロの性能項目中のスケールファクタ直線性の劣化として観測される。ランプ信号混入の原因としては、ランプ信号の光検出器5への電磁的な結合、および、光IC3を介したランプ信号による光強度変調が考えられる。これらを原因とするこの欠点を解消或いは低減するのに、ランプ信号がフライバックしたことを検知して、その時の同期検波器62の出力を“ゼロ”或いは“特定の値”として誤差を除去する方法も有効である。しかし、この方法に依ると、誤差が発生した区間の情報が欠落するので、光干渉角速度計の信号対雑音比が劣化する欠点があった。
【0012】以下、出力誤差発生のメカニズムを具体的に説明する。フィードバック信号として周波数fR が、式(1)を満足するか、或いはその近傍の周波数の階段状ランプ信号が光IC3内のフィードバック光位相変調器31に印加された場合を考える。
R=(1/2n)e=(1/2n)(1/2τ)=1/4nτ・・・・(1)
但し、fR:階段状ランプ信号の周波数fe:光ファイバコイルの固有周波数(fe=1/2τ)
n:自然数τ:光が光ファイバコイル中を伝播するのに要する時間(伝播時間)
である。
【0013】図9は、光IC3に本来望ましくない強度変調が存在する時に、ランプ信号により光が強度変調を受けた時の図8の同期検波器62の各点A、B、C、Dにおける信号波形を示す。ここで、式(1)の条件を満足するランプ信号が光IC3に印加されると、光ファイバコイル4から出力される信号光は光強度変調を受けて、光検出器5の入力信号に、ランプ信号の周期を1周期とするクローズドループ干渉型光ファイバジャイロの正常動作にとっては望ましくない不要な信号成分が現われる。この不要な信号成分は、これが印加される同期検波器62の出力にも現われる。これは図9(E)に示される如く、長時間平均化してもゼロとはならない。この信号は、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロにとって本来不要であり、光ファイバジャイロのバイアスオフセットエラーを発生させる原因となる。センサとしての角速度計の代表的な性能評価項目として、入力角速度が零であるときの出力オフセット即ち零点バイアスと、入力角速度と出力信号との比例関係の直線性即ちスケールファクタ(感度係数)直線性とがある。上述のバイアスオフセットエラーは、本来感度係数の問題ではなく、むしろ出力に誤差が加重されるバイアスオフセットとして発生しているものであるが、ランプ信号が式(1)を満足するときにのみ発生し、入力角速度が零であるときは発生しないので、性能評価上零点バイアスとしては観測されず、逆に入力角速度に依存する誤差としてスケールファクタ直線性に影響する。実際、角速度計の性能評価として入力角速度を徐々に変化させながら角速度計の出力を測定して行くと、特定の入力角速度においてのみこの誤差を発生するので、これがこの点における感度係数のエラーとして観測され、全体としてスケールファクタ直線性が劣化している様に見えるのである。
【0014】この発明は、特に、光IC3の光強度変調を原因とする従来の欠点を除去し、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロの信号対雑音比を劣化させることなくスケールファクタ直線性を向上させたクローズドループ干渉型光ファイバジャイロを提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1:光ファイバコイルを互いに逆回りに伝播する左右周回光の干渉光強度により光ファイバコイル軸周りに入力される回転角速度を検出するクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍の矩形波信号と偶数倍の矩形波信号とを重畳した位相変調信号を左右周回光の光位相変調器30に印加する位相変調信号発生回路を具備し、光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍の周波数で動作する第1同期検波器621と固有周波数の偶数倍の周波数で動作する第2同期検波器622を具備し、第2同期検波器622から出力される固有周波数の偶数倍の矩形波信号と同期した成分に基づいて第1同期検波器621の出力を補正する信号を発生する第1同期検波器出力補正信号発生器67を具備し、第1同期検波器出力補正信号を第1同期検波器621の出力に加算してフィードバック光位相変調器31に印加するフィードバック信号形成回路を具備するクローズドループ干渉型光ファイバジャイロを構成した。
【0016】そして、請求項2:請求項1に記載されるクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、位相変調信号発生回路は光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍波を発生する奇数倍波位相変調信号発生器601、光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍波を発生する偶数倍波強度変調信号発生器602、光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍波と光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍波とを加算する第1加算器661を有し、フィードバック信号形成回路はランプジェネレータ64の出力するフライバック信号を乗算して第1同期検波器出力補正信号を出力するフライバック信号掛算器68と、第1同期検波器621の出力にフライバック信号掛算器68の出力を加算する第2加算器662を有するものであるクローズドループ干渉型光ファイバジャイロを構成した。
【0017】また、請求項3:請求項1および請求項2に記載されるクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、奇数を1とし、偶数を2としたクローズドループ干渉型光ファイバジャイロを構成した。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明は、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいて、光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍の矩形波信号と偶数倍の矩形波信号とを重畳した位相変調信号を光ファイバコイルの光位相変調器30に印加し、光ファイバコイルの固有周波数の偶数倍の周波数成分を同期検波することにより光ICにおいて発生する光強度変調レベルを検知し、この検知した光強度変調レベルに基づいてメインループの同期検波出力を補正する。このクローズドループ干渉型光ファイバジャイロは、光ICにおいてランプ信号がゼロに戻るフライバックした時に発生する光強度変調を原因とする入力角速度依存のバイアスオフセットエラーを解消、或いは低減することができるので、すべての入力角速度に対して精度の良い測定がなされ、その結果、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロのスケールファクタの直線性が向上する。そして、この発明によれば、誤差が発生した時の情報の欠落がないので、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロの信号対雑音比の劣化が発生しない。従って、この発明によれば、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロの信号対雑音比を劣化させることなく、スケールファクタ直線性を向上させることができる。
【0019】
【実施例】この発明の実施例を図1を参照して具体的に説明する。この実施例において、従来例における部材と共通する部材には共通する参照符号を付与している。図1において、601は光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍波を発生する奇数倍波位相変調信号発生器であり、602は光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍波を発生する偶数倍波強度変調信号発生器である。位相変調信号として、奇数倍波位相変調信号発生器601の発生する光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍波と偶数倍波強度変調信号発生器602の発生する光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍波とが第1加算器661において重畳され、第1DAコンバータ651を介してアナログ信号に変換された位相変調信号として、光IC3の光位相変調器30に印加される。光ファイバコイル4から出力される光信号は光IC3および光カップラ2を介して光検出器5に入力され、ここにおいて電気信号に変換される。変換された電気信号はADコンバータ61に入力され、ディジタル信号に変換される。変換されたディジタルの電気信号は2分され、それぞれの周波数と同期した成分を検出する第1同期検波器621および第2同期検波器622の双方に入力される。第1同期検波器621に入力される電気信号は、奇数倍波位相変調信号発生器601の発生する参照信号を入力して奇数倍波と同期した成分が検出される。第2同期検波器622に入力される電気信号は、偶数倍波強度変調信号発生器602の発生する参照信号を入力して偶数倍波と同期した成分が検出される。この第1同期検波器621の検波出力信号は、光ファイバコイル4を伝播する両回り光のサニャック効果による入力角速度誘起の光位相差に比例する出力成分である。一方、第2同期検波器622の検波出力信号は基本的に両回り光の光位相差には不感である。第2同期検波器622から出力される信号は、第1同期検波器出力補正信号発生器67に入力される。第1同期検波器出力補正信号発生器67においては、光が光ファイバコイル4内を伝播するに要する時間τに等しい或る持続する区間τの間に発生する強度変調によるエラー分を第2同期検波器622の出力より算出、出力する。通常、クローズドループ干渉型光ファイバジャイロに使用されるディジタル同期検波器は、図8に示される如く、現在の出力と光ファイバコイル4内の光伝播時間τ前の出力との間の差をとることによりDCドリフト成分を除去する構成を採用している。従って、階段状のランプ信号が混入しても、ランプ信号が単調増加或いは減少している限りにおいては、このDCドリフト除去機能が動作して出力誤差は生じない。しかし、ランプ信号が単調増加或は単調減少している時以外、即ち、ランプ信号がフライバックした時は、この混入したランプ信号が出力誤差要素となる。
【0020】しかし、それでもランプ信号の周波数が上述の式(1)の値を満足しないときには、誤差発生の周期は同期検波周期の奇数倍となり、同期検波器出力誤差の符号(極性)が交互に正負に反転するので、これをもとにフィードバック信号(ランプ信号)を作り出す際の積分器63による積分操作によって、この誤差は低減される。これに対して、ランプ信号の周波数が上述の式(1)の値を満足するときには、誤差発生の周期は同期検波周期の偶数倍となり、同期検波器出力誤差の符号は同一のままとなり、フィードバック信号を作り出す際に積分操作を行なうと、これがますます累積されて行く。
【0021】そこで、この実施例は、図1に示される如くフライバック信号掛算器68を具備し、ランプ信号がフライバックした時のみ第1同期検波器出力補正信号が第2加算器662に入力される構成を採用し、ランプ信号がフライバックした時の第1同期検波器621の出力を補正する。この第1同期検波器出力補正信号は、強度変調信号成分である第2同期検波器622の出力に基づいて形成され、ランプジェネレータ64の発生出力するランプ信号のフライバック信号“1”をフライバック信号掛算器68において乗算することにより第2加算器662に送り込まれる。ランプジェネレータ64はフライバックする時フライバック信号“1”を出力し、それ以外の時は“0”を出力している。実用上は、これらの積をゲイン調整して使用する。この第1同期検波器621出力の補正については、後で図6をも参照して更に説明される。
【0022】ここで、光IC3における光強度変調を検出する仕方を図2および図3を参照して詳細に説明する説明する。図2は光ファイバコイル4を互いに逆回りに伝播するCW光およびCCW光に印加される変調信号周波数と光ファイバコイル4の出力信号に現われる光強度変調成分を説明する図である。図2(a)は光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍である1倍の変調信号による変調を説明する図であり、図2(b)は光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍である2倍の変調信号による変調を説明する図である。
【0023】この種のクローズドループ干渉型光ファイバジャイロにおいては、一般に、光ファイバコイル4の固有周波数に一致した周波数で光ファイバコイル4に光位相変調信号を加えて光ファイバコイル4に入力される角速度を高感度で検出する構成を採用している。ここで、図2(a)を参照するに、位相変調信号の周波数が固有周波数の奇数倍である1倍、即ち、光ファイバコイル4の固有周波数に一致している場合、光ファイバコイル4の出力信号に光強度変調成分は現われない。その理由は、光ファイバコイル4の一端部に設けられる光位相変調器30により右回り光であるCW光と左回り光であるCCW光に対して、光ファイバコイル内伝播時間τの遅延をもって変調が加わり、CW光とCCW光に符号の異なる強度変調が生じるので、これら両光が干渉すると、干渉光量はCW光およびCCW光の和となる。この和は一定値であるところから、光強度変調による交流成分は発生しない。一方、図2(b)を参照するに、位相変調信号として光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍である2倍の周波数の変調信号を印加すると、CW光とCCW光に遅延τをもって加わる強度変調信号は強められ、光ファイバコイル4の信号中に光IC3で生じる光強度変調の大きさに比例した交流信号成分が現れる。この光IC3で生じる光強度変調成分に比例した信号は加えられた変調信号成分と同一の周波数であるため同期検波することで強度変調に比例した直流成分を得ることができる。
【0024】図3は光ファイバコイル4を互いに逆回りに伝播するCW光およびCCW光に印加される変調信号周波数とCW光およびCCW光間に発生する位相差を説明する図である。図3(a)は光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍である1倍の変調信号による位相差を説明する図であり、図3(b)は光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍である2倍の変調信号による位相差を説明する図である。
【0025】図3(a)を参照するに、CW光およびCCW光に、それぞれ、±(π/4)の位相差が発生する位相変調を加えると、CW光とCCW光との間の位相差は±(π/2)となり、光ファイバコイル4に入力される角速度を高感度で検出するのに有効である。一方、図3(b)を参照するに、これは変調周波数が光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍である2倍の時のCW光とCCW光の間に発生する位相差であり、光ファイバコイル4により生ずるCW光とCCW光の間の光伝播時間差τによる遅延の効果により、CW光とCCW光の間に位相差は発生しない。従って、光位相変調器30において発生する光強度変調成分を検出するのに重畳された光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍の変調信号は、CW光とCCW光の間に位相差に基づく誤差を発生させない。一方、光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍の周波数の信号による変調は、光位相変調器30における光強度変調による出力レベルに差を引き起こす。従って、光ファイバコイル4の固有周波数の偶数倍の周波数の信号の変調を印加することにより、位相誤差を発生させることなく光位相変調器30における光強度変調レベルを検出することができる。
【0026】図4は光位相変調器30に印加される変調信号と、位相変調の結果、信号光に発生する光強度変と、光ファイバコイル4のCW光とCCW光の間に発生する位相差とを示す図である。位相変調信号として光ファイバコイル4の固有周波数の奇数倍である1倍の位相変調信号と固有周波数の偶数倍である2倍の位相変調信号を重畳した位相変調信号を印加することにより、位相変調信号の他に偶数倍波成分として光強度変調信号を発生させることができる。
【0027】図5および図8を参照して第1同期検波器621および第2同期検波器622の基本動作を説明する。説明の都合上、同期検波器を掛算器621’で表した。図5(A)および図5(B)は光ファイバコイル4に印加される奇数倍波と偶数倍波を重畳した変調信号であり、図5(C)は印加された変調信号により発生するCW光とCCW光の間の位相差を示す。そして、図5(D)は偶数倍波成分の変調により光IC3その他の個所において発生する強度変調を示す。以上の変調信号が光ファイバコイル4に印加された場合、光検出器5には、入力角速度がゼロの時は図5(E)に示される出力が現われる。一定の入力角速度がある時は図5(F)に示される出力が現われる。この光検出器出力を、第1同期検波器621において図5(G)に示される奇数倍波の参照信号で同期検波すると、入力角速度に比例した図5(H)に示される出力が得られる。また、この光検出器出力を、第2同期検波器622において図5(I)に示される偶数倍波の参照信号で同期検波すると、光強度変調に比例した図5(J)に示される出力が得られる。この図5(J)に示される光強度変調に比例した成分を平均化したものを使用して第1同期検波器621の出力を補正する。
【0028】図6を参照して第1同期検波器621出力の補正について更に説明する。図6は図8に示される同期検波器にランプ信号が混入した場合の誤差補正の仕方を説明する図である。光検出器5の出力中にランプ信号が混入すると、第1同期検波器621は図6(E)に示される誤差信号を出力する。そこで、ランプ信号がフライバックした時に、図6(F)に示されるフライバックパルスを発生させ、このフライバックパルスと、強度変調誤差を表わす図6(G)に示される第2同期検波器622の出力との間の積を第1同期検波器621の出力より差し引くことにより、図6(H)に示される補正された出力を得ることができる。補正された第1同期検波器621の出力信号の平均値はゼロとなり、ランプ信号の混入により発生する誤差をゼロ、或いは低減することができる。その結果、或る特定の入力角速度に対して発生する誤差が低減されるので、スケールファクタ直線性の良いクローズドループ光干渉角速度計を構成することができる。第1同期検波器621の出力より補正信号を差し引く際のゲインは、通常、光ファイバコイル4に印加される偶数倍波成分の電圧とランプ信号電圧との間の関係より設定するが、最終的には誤差信号をゼロにするゲイン調整をして最適化する。
【0029】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明によれば、光ファイバコイルの固有周波数の奇数倍の矩形波信号と偶数倍の矩形波信号とを重畳した位相変調信号を光ファイバコイルの光位相変調器に印加し、光ファイバコイルの固有周波数の偶数倍の周波数成分を同期検波することにより光ICにおいて発生する光強度変調レベルを検知し、この検知した光強度変調レベルに基づいてメインループの同期検波出力を補正する構成を具備することにより、光ICにおいてランプ信号により発生した光強度変調を原因とする入力角速度に依存するバイアスオフセットエラーは除去され、或は低減される。その結果、すべての入力角速度に対して精度の良い測定を実施するに到り、光ファイバジャイロのスケールファクタ直線性が向上する。そして、この発明によれば、誤差が発生した時の情報の欠落がないので、光ファイバジャイロの信号対雑音比の劣化が発生しない。従って、光ファイバジャイロの信号対雑音比を劣化させることなしにスケールファクタ直線性を向上させることができる。




 

 


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