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発明の名称 クローズドループ制御リング共振型振動ジャイロ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−21362(P2001−21362A)
公開日 平成13年1月26日(2001.1.26)
出願番号 特願平11−197243
出願日 平成11年7月12日(1999.7.12)
代理人 【識別番号】100066153
【弁理士】
【氏名又は名称】草野 卓 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105 BB04 BB09 CC04 CC08 CC20 CD02 CD06 CD11 CD13 
発明者 岡田 健一 / 田井 富茂
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 リング状部を有するリング状振動体を具備し、リング状振動体の基準点から周方向両側に任意の鋭角の角度位置に形成される1対の駆動電極を具備し、リング状振動体の基準点から周方向両側の45°および135°の点の合計4点の内の何れかに形成されるモニタ電極を具備し、1対の駆動電極のそれぞれを駆動励振する電圧を発生する振幅制御回路を具備し、モニタ電極の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する同期検波回路を具備し、同期検波回路の出力端を入力端に接続して同期検波回路の出力を積算するループフイルタを具備し、基準電圧源の基準電圧からループフイルタの出力を減算加算処理する演算回路を具備し、演算回路の減算出力端を一方の振幅制御回路に接続すると共に演算回路の加算出力端を他方の振幅制御回路に接続して、駆動電極を駆動励振する振幅制御回路の出力電圧を規定することを特徴とするクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロ。
【請求項2】 請求項1に記載されるクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロにおいて、モニタ電極はその形成される点の近傍においてこの点から周方向両側に任意の鋭角の角度位置に形成される1対のモニタ電極に分割形成し、分割形成されたモニタ電極の内の他方のモニタ電極の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する第2同期検波回路を具備し、両同期検波回路は互いに位相の反転した振動の大きさに対応した信号を出力する反転位相同期検波され、両同期検波回路の出力端が接続される反転入力端および非反転入力端を有する差動増幅器をループフイルタの前段に具備することを特徴とするクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロ。
【請求項3】 請求項1に記載されるクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロにおいて、1対の駆動電極のそれぞれから周方向に180°回転した位置に形成される振幅検出電極を具備し、振幅検出電極の検出出力を入力して振幅の大きさに対応する信号を出力する振幅検出回路を振幅検出電極それぞれに具備し、両振幅検出回路の出力を入力して合成するベクトル合成回路を具備し、ベクトル合成回路の出力を入力して第2基準電圧源の基準電圧から減算してその差分電圧を発生する差動増幅器を具備し、差分電圧を加算して加算出力を発生する第2ループフイルタを具備し、第2ループフイルタの加算出力と基準電圧源の発生する基準信号とを加算する加算器を具備し、加算器の出力を演算回路の基準信号とすることを特徴とするクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロ。
【請求項4】 請求項3に記載されるクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロにおいて、モニタ電極はその形成される点の近傍においてこの点から周方向両側に任意の鋭角の角度位置に形成される1対のモニタ電極に分割形成し、分割形成されたモニタ電極の内の他方のモニタ電極の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する第2同期検波回路を具備し、両同期検波回路は互いに位相の反転した振動の大きさに対応した信号を出力する反転位相同期検波され、両同期検波回路の出力端が接続される反転入力端および非反転入力端を有する差動増幅器をループフイルタの前段に具備することを特徴とするクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロ。
【請求項5】 リング状部を有するリング状振動体を具備し、基準点から周方向両側に90°或いは180°回転した角度位置の任意の位置に形成される駆動電極を具備し、その駆動電極から周方向に90°或いは180°回転した角度位置に形成される検出電極を具備し、リング状振動体の共振周波数で発振する発振回路と自動振幅制御回路より成る駆動回路を具備し、リング状振動体の基準点から周方向両側に任意の鋭角の角度位置に形成される1対の制御電極を具備し、リング状振動体の基準点から周方向両側の45°および135°の点の合計4点の内の何れかに形成されるモニタ電極を具備し、1対の制御電極それぞれを制御励振する電圧を発生する振幅制御回路を具備し、モニタ電極の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する同期検波回路を具備し、同期検波回路の出力端を入力端に接続して同期検波回路の出力を積算するループフイルタを具備し、ループフイルタの出力に正および負の極正を付与して出力する演算回路を具備し、演算回路の負出力端を一方の振幅制御回路に接続すると共に演算回路の正出力端を他方の振幅制御回路に接続して制御電極を駆動励振する振幅制御回路の出力電圧を規定することを特徴とするクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クローズドループ制御リング共振型振動ジャイロに関し、特に、スケールファクタの改善されたクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】図6を参照するに、リング共振型振動ジャイロと称されるリング状の振動体を有する振動ジャイロとしては、シリンドリカル共振型振動ジャイロ、半球共振型振動ジャイロ、リング共振型振動ジャイロを例示することができる。即ち、図6(a)はシリンドリカル共振型振動ジャイロを示す図であり、図6(b)は半球共振型振動ジャイロを示す図であり、図6(c)はリング共振型振動ジャイロを示す図である。リング共振型振動ジャイロのリング状振動体80を構成する原材料として圧電セラミックスを採用することができる。このリング状振動体80は中心軸である支柱82との間に圧縮状態の半円スプリング81を円周方向に等間隔に介在させて支柱82に結合された状態に構成されている。
【0003】図7を参照するに、圧電セラミックスより成るリング状振動体80の外表面および内表面に対向して電極を形成し、これら両電極間に交流電圧を印加して圧電駆動することにより振動モード1の振動を生起することができる。即ち、リング状振動体80の中心軸82に直交すると共に互いに直交する2方向に、リング状振動体80を屈曲振動させることができる。リング状振動体80の振動モード1の振動状態において、リング状振動体80に円周方向に角速度が入力されると、振動モード1と直交する方向にコリオリ力が作用する結果、振動モード1の方向から45°の方向に振動モード2が発生する。ここで、振動モード2の方向の力の大きさを知ることにより、入力角速度の値を検出することができる。以下、図8を参照して更に具体的に説明する。
【0004】図8は振動モードの回転を説明する図である。図8(a)は角速度が印加されていない状態を示す図である。この場合、A点の位置は振動モード1の方向に一致しており、B点の位置は振動していない点であるノードとなる。ここで、図8(a)のリング状振動体80に角速度が入力されると、リング状振動体80は図8(b)に示される如く、A点はA’点の位置に回転すると共にノードであるB点はB’点の位置に回転する。この場合、電極の圧電駆動による振動モード1の振動に加えて入力角速度による振動モード1に対して45°方向の振動モード2の振動が生起されることにより、振動モードのピークの位置はA点からずれたA’点の位置にずれ、振動していない点であるノードも振動モードのB点からずれたB’点に位置した振動をするに到る。
【0005】図9はリング共振型振動ジャイロの従来例を説明する図である。振幅制御回路11から供給される駆動信号Vd はリング状振動体80の共振周波数に等しい周波数を有する交流の電圧信号であり、リング状振動体80のA点の位置に設置される駆動電極Ea に印加される。その結果、リング状振動体80は、先に述べた振動モード1で振動するに到る。A点と丁度180°回転したC点の位置の両面に設置される電極Ec は振動モード1のモニタ電極である。このモニタ電極Ec から得られる振動情報は振幅検出回路13に供給され、直流信号Vp に変換されて差動増幅器51において基準信号源52の出力する基準信号Vr と比較される。差動増幅器51より得られる差信号Ve は一例として積分器により構成されたループフイルタ31に入力される。ループフイルタ31より得られる出力Vcontは、振幅制御回路11に供給され、振幅検出回路13から出力される直流信号Vp が基準信号Vr と等しくなって差動増幅器51の差信号Ve をゼロとすべく、駆動信号Vd の振幅を制御する。即ち、リング状振動体80の駆動信号Vd を一定に制御することにより、リング状振動体80の振動振幅を常時一定に保持している。
【0006】A点に対して45°の位置であるB点に設置される電極Eb は、先に述べた入力角速度により発生する振動モード2を検出するモニタ電極であり、このモニタ電極Eb から得られる振動情報は、同期検波回路21により振動の大きさに対応した直流信号に変換される。同期検波回路21の出力をそのまま振動の大きさの検出出力として使用すればオープンループ信号処理のジャイロが構成され、その出力はVO1になる。一方、クローズドループ信号処理のジャイロは、点線で示される回路を付加することにより構成される。
【0007】即ち、同期検波回路21の出力は、一例として積分器により構成されるループフイルタ32に供給され、第2ループフイルタ32から得られる出力はフィードバック信号発生回路61に供給される。フィードバック信号発生回路61は、第2ループフイルタ32から得られる信号と発信回路10から供給されるクロックCKが入力され、モニタ電極Eb から得られる振動モード2の振動とは周波数が同一で極性が逆の信号を発生する回路である。このフィードバック信号発生回路61の出力は、B点に対して180°回転した位置に設置されるフイードバック電極Ed に印加され、振動モード2の動きを逆向きに抑制する。その結果、振動ジャイロに角速度が入力され、振動モード2が発生しても、振動モード2は実質的にゼロに抑制されるクローズドループ信号処理をしていることになる。このクローズドループ信号処理におけるジャイロ出力は、フイードバック電極Ed に与える電圧Vf を使用することもできるが、この電圧Vf は交流電圧であるところから取り扱い難い。そこで、電圧Vf と比例関係にあるループフイルタ32の直流出力をジャイロ出力VO2として使用する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロの従来例は、モニタ電極Eb から得られる振動モード2の振動とは周波数が同一で極性が逆のフイードバック電圧Vf を、モニタ電極Eb から180°回転した位置に設置されるフイードバック電極Ed に印加してその信号の大きさをジャイロ出力として取り出す構成としているところから、リング状振動体80自体の品質ファクタ(Q値)が変動すると、ジャイロのスケールファクタはこの変動により大きな影響を受ける。
【0009】この発明は、上述の問題を解消したクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1:リング状部を有するリング状振動体80を具備し、リング状振動体80の基準点から周方向両側に任意の鋭角の角度θ1 の位置に形成される1対の駆動電極E1 、E2 を具備し、リング状振動体80の基準点から周方向両側の45°および135°の点の合計4点の内の何れかに形成されるモニタ電極E3 を具備し、1対の駆動電極E1 、E2 それぞれを駆動励振する電圧を発生する振幅制御回路11、12を具備し、モニタ電極E3 の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する同期検波回路21を具備し、同期検波回路21の出力端を入力端に接続して同期検波回路21の出力を積算するループフイルタ31を具備し、基準電圧源42の基準電圧VR からループフイルタ31の出力VO を減算加算処理する演算回路41を具備し、演算回路41の減算出力端を一方の振幅制御回路11に接続すると共に演算回路41の加算出力端を他方の振幅制御回路12に接続して、駆動電極を駆動励振する振幅制御回路の出力電圧を規定するクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロを構成した。
【0011】そして、請求項2:請求項1に記載されるクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロにおいて、モニタ電極E3 はその形成される点の近傍においてこの点から周方向両側に任意の鋭角の角度θ2 の位置に形成される1対のモニタ電極E4 、E5 に分割形成し、分割形成されたモニタ電極E4 、E5 の内の他方のモニタ電極E5 の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する第2同期検波回路22を具備し、両同期検波回路は互いに位相の反転した振動の大きさに対応した信号を出力する反転位相同期検波され、両同期検波回路の出力端が接続される反転入力端および非反転入力端を有する差動増幅器61をループフイルタ31の前段に具備するクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロを構成した。
【0012】また、請求項3:請求項1に記載されるクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロにおいて、駆動電極E1 、E2 のそれぞれから周方向に180°回転した位置に形成される振幅検出電極E6 、E7 を具備し、振幅検出電極E6 、E7 の検出出力を入力し振幅の大きさに対応する信号を出力する振幅検出回路13、14を振幅検出電極それぞれに具備し、両振幅検出回路13、14の出力を入力して合成するベクトル合成回路43を具備し、ベクトル合成回路43の出力VT を入力して第2基準電圧源45の基準電圧VR1から減算してその差分電圧Veを発生する差動増幅器44を具備し、差分電圧Ve を加算して加算出力VC を発生する第2ループフイルタ46を具備し、第2ループフイルタ46の加算出力VC と基準電圧源48の発生する基準信号VR2とを加算する加算器47を具備し、加算器47の出力VR3を演算回路41の基準信号とするクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロを構成した。
【0013】更に、請求項4:請求項3に記載されるクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロにおいて、モニタ電極E3 はその形成される点の近傍においてこの点から周方向両側に鋭角の角度θ2 の位置に形成される1対のモニタ電極E4 、E5 に分割形成し、分割形成されたモニタ電極E4 、E5 の内の他方のモニタ電極E5 の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する第2同期検波回路22を具備し、両同期検波回路は互いに位相の反転した振動の大きさに対応した信号を出力する反転位相同期検波され、両同期検波回路の出力端が接続される反転入力端および非反転入力端を有する差動増幅器61をループフイルタの前段に具備するクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロを構成した。
【0014】また、請求項5:リング状部を有するリング状振動体80を具備し、基準点から周方向両側に90°或いは180°回転した角度位置の任意の位置に形成される駆動電極Ea1を具備し、その駆動電極Ea1から周方向に90°或いは180°回転した角度位置の任意の位置に形成される検出電極Ed1を具備し、リング状振動体80の共振周波数で発振する発振回路と自動振幅制御回路より成る駆動回路15を具備し、リング状振動体80の基準点から周方向両側に任意の鋭角の角度θ1 の位置に形成される1対の制御電極Ec1 、Ec2 を具備し、リング状振動体80の基準点から周方向両側の45°および135°の点の合計4点の内の何れかに形成されるモニタ電極E3 を具備し、1対の制御電極Ec1 、Ec2 それぞれを制御励振する電圧を発生する振幅制御回路11、12を具備し、モニタ電極E3 の検出出力を入力して振動の大きさに対応する信号を出力する同期検波回路21を具備し、同期検波回路21の出力端を入力端に接続して同期検波回路21の出力を積算するループフイルタ31を具備し、ループフイルタ31の出力VO に正および負の極正を付与し出力する演算回路41を具備し、演算回路41の負出力端を一方の振幅制御回路11に接続すると共に演算回路41の正出力端を他方の振幅制御回路12に接続して制御電極Ec1 、Ec2 を駆動励振する振幅制御回路の出力電圧を規定するクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロを構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図1の第1の実施例を参照して説明する。図1において、A点をリング状振動体80の説明上の基準点とする。説明上の基準点とは、角速度が入力されていない状態において振動モード1がピークとなる位置を意味し、この位置を角度0°の位置とする。A点、即ち、角度0°の位置から180°回転したC点から両側に角度θ1 の位置に設置された駆動電極E1 および駆動電極E2 には以下の電圧が印加される。即ち、駆動電極E1 には、振幅制御回路11を介して、リング状振動体80の固有振動周波数に一致する周波数の交流駆動電圧Vd1が印加される。そして、駆動電極E2 には、第2振幅制御回路12を介して、リング状振動体80の固有振動周波数に一致する周波数の交流駆動電圧Vd2が印加される。その結果、リング状振動体80は、駆動電極E1 および駆動電極E2 により、図7を参照して説明された振動モード1の振動を生起せしめられる。この時、駆動電極E1 に印加される交流電圧Vd1と駆動電極E2 に印加される交流電圧Vd2とが同一振幅の電圧であるものとすると、両駆動電極の生起する振動を合成した振動は、振動モード1のピーク値を基準点であるA点に実質的に一致する振動となる。A点から45°回転した位置B点に設置されるモニタ電極E3 は入力角速度により発生する振動モード2の検出用の電極である。この振動モード2検出用のモニタ電極E3 から得られる振動情報は同期検波回路21により振動の大きさに対応した直流信号に変換される。同期検波回路21の直流信号出力は積分器より成るループフイルタ31に供給、積分されてその出力VO は鎖線により包囲して示されるフィードバック制御回路90内の演算回路41に供給され、基準電圧源42から供給される基準電圧信号VR と加減算される。演算回路41の出力の内の一方である(VR +VO )は振幅制御回路11に供給され、駆動電極E1 に印加される交流電圧Vd1に変換される。演算回路41の出力の内の他方の出力である(VR −VO )は振幅制御回路12に供給され、駆動電極E2 に印加される交流電圧Vd2に変換される。これら演算回路41の出力は振幅制御回路11および振幅制御回路12の出力の振幅を規定する電圧である。
【0016】ここで、リング状振動体80が振動モード1の状態にあり、円周方向に角速度の入力がない場合、振動モード2の発生はなく、同期検波回路21の出力はゼロとなる。ループフイルタ31の出力VO もゼロであるので演算回路41の出力は双方共に基準電圧信号VR となる。即ち、振幅制御回路11の交流電圧出力Vd1および第2振幅制御回路12の交流電圧出力Vd2は同じ値となる。その結果、この場合の振動のピーク値はA点に対応する位置になる。従って、A点から45°回転したB点においてモニタ電極E3 による検出電圧の発生はなく、同期検波回路21の出力はゼロとなり、クローズドループの制御が成り立つ。
【0017】ここで、リング状振動体80に角速度が入力されると、振動モード2が発生する。これにより、モニタ電極E3 の形成されるノードの位置はB点から僅かにずれる。このずれにより、モニタ電極E3 の設置されるB点においてリング状振動体80に振動が発生する。モニタ電極E3 はB点におけるリング状振動体80の振動の大きさに対応した検出電圧を発生し、同期検波回路21はこの検出電圧に対応した直流電圧を発生出力する。同期検波回路21により得られる出力は、ループフイルタ31の積分器により積分されて、演算回路41に供給される。演算回路41の出力端から加算された直流電圧(VR +VO )と減算された直流電圧(VR −VO )が出力される。直流出力電圧(VR −VO )は振幅制御回路11に入力され、対応する交流電圧Vd1に変換されて駆動電極E1 に印加される。直流出力電圧(VR +VO )も、同様に、第2振幅制御回路12に入力され、対応する交流電圧Vd2に変換されて駆動電極E2 に印加される。振幅制御回路11および第2振幅制御回路12には発振回路10からクロックパルスが供給され、同期制御される。駆動電極E1 に印加される交流電圧Vd1と駆動電極E2 に印加される交流電圧Vd2の間には差異が生じている。その結果、リング状振動体80に対して駆動電極E1 により生起せしめられる振動と駆動電極E2 により生起せしめられる振動は、その合成ベクトルの方向を振動モード1のピークが生じるA点の位置を通る方向から変移すると共にノードのB点位置も変移する振動である。
【0018】この実施例においては、振動モード1の振幅のピーク位置がA点からずれた場合、振幅制御回路11の出力Vd1と振幅制御回路12の出力Vd2は、合成ベクトルの方向を常にA点に引き戻し、振動が発生しないノード位置をB点に引き戻す両駆動電極の駆動をする両出力のバランスを調整するクローズドループ制御を実行している。
【0019】ここで、交流電圧Vd1、交流電圧Vd2のバランス量は、入力角速度と比例関係にあるので、バランス量のパラメータであるループフイルタの出力VO をジャイロの出力としている。図2を参照して第2の実施例を説明する。第2の実施例は振動が発生しないノード位置である基準点Aから45°回転したB点の両側に角度θ2 で設置したモニタ電極E4 とモニタ電極E5 により振動を検出し、差動増幅器61により検出した振動の差分を求めてB点における振動の大きさを検出する構成としたものである。モニタ電極E4 で検出された振動情報は同期検波回路21により振動の大きさに対応した直流信号に変換される一方モニタ電極E5 により検出した振動情報は第2同期検波回路22により振動の大きさに対応した直流信号に変換される。なお、同期検波回路21と第2同期検波回路22は反転位相で同期検波している。同期検波回路21の出力および第2同期検波回路22の出力は差動増幅器61において減算される。
【0020】ここで、リング状振動体80が振動モード1の状態にあり、リング状振動体80に円周方向の角速度が印加されていないものとすると、振動モード2の発生はなく、従って、B点から等間隔に設置されたモニタ電極E4 とモニタ電極E5 における振動の大きさは同一であり、同期検波回路21の出力と同期検波回路22の出力は同一である。従って、差動増幅器61の出力はゼロとなる。
【0021】リング状振動体80に角速度が印加されると振動モード2が発生する。振動モード2が発生したことに起因して、B点から等間隔に設置されたモニタ電極E4における振動の大きさとモニタ電極E5 における振動の大きさは異なり、同期検波回路21の出力と第2同期検波回路22の出力は相違するに到る。ここで、同期検波回路21の出力を第2同期検波回路22の出力から減算している差動増幅器61の出力は、入力角速度の大きさに対応した出力が現れてくる。差動増幅器61の出力は、図1における同期検波回路21の出力と同じ作用をする。ループフイルタ31以降のフィードバック制御回路90の動作は図1のフィードバック制御回路90の動作と同様である。
【0022】図3を参照して第3の実施例を説明する。第3の実施例は、図1の第1の実施例と比較対照しながら説明する。駆動電極E1 を設置すると共に駆動電極E1 から180°回転した位置に振幅検出電極E6 を設置し、駆動電極E2 を設置すると共に駆動電極E2 から180°回転した位置に振幅検出電極E7 を設置した。振幅検出電極E7 の位置における振動の大きさを振幅検出電極E7 により検出して振幅検出回路13により直流信号に変換すると共に、振幅検出電極E6 の位置における振動の大きさを振幅検出電極E6 により検出して第2振幅検出回路14により直流信号に変換し、両直流信号をベクトル合成回路43に供給し、これら直流信号のベクトル合成値VTを求めて出力する。ベクトル合成値VT は、差動増幅器44において第2基準電圧源45の発生する基準信号VR1から減算処理され、その差分電圧Ve は積分器より成る第2ループフイルタ46に入力される。第2ループフイルタ46の出力VC は加算器47において基準電圧源48の発生する基準信号VR2に加算され、演算回路41の基準信号VR3とされる。
【0023】ここで、リング状振動体80の振動モード1の大きさが小さくなり、ベクトル合成回路43の出力VT が第2基準電圧源45の発生する基準信号VR1より小さくなると、差動増幅器44は正の差分電圧Ve を発生することになる。この時、積分器より成る第2ループフイルタ46は正に増加する設定がなされているものとすると、加算器47の発生する基準信号VR3は増加し、演算回路41の出力は双方共に同じ値だけ増加する。その結果、駆動電極E1 と駆動電極E2 に印加される交流電圧Vd1および交流電圧Vd2は増加し、リング状振動体80の振動振幅が増加する。第2ループフイルタ46の出力電圧VC は、ベクトル合成回路43の出力VT と第2基準電圧源45の基準信号VR1が等しくなり、第2ループフイルタ46の入力である差動増幅器44の差分電圧Ve がゼロになるまで、即ち、リング状振動体80の振動の大きさが予め設定した振動レベルになるまで積分される。即ち、リング状振動体80の振幅の安定化が達成される。
【0024】図4を参照して第4の実施例を説明する。第4の実施例は、図3の第3の実施例において、B点における振動の大きさを検出する構成を、振動が発生しないノード位置である基準点Aから45°回転したB点の両側に角度θ2 で設置したモニタ電極E4 とモニタ電極E5 により振動を検出し、差動増幅器61により検出した振動の差分を求める構成としたものに相当する。
【0025】即ち、リング状振動体80の基準となる位置をA点とし、このA点の位置の角度を0°とした場合、A点或いはA点の位置から90°、180°、270°回転した位置の内の何れかであるC点の両側に任意の鋭角θ1 の位置に振動を励振する駆動電極E1 および駆動電極E2 を設置し、駆動電極E1 から180°回転した位置に振動を検出する振幅検出電極E6 を設置すると共に駆動電極E2 から180°回転した位置に振動検出用の振幅検出電極E7 を設置し、更にA点から45°、135°、225°、315°回転した位置の内の何れかから両側に任意の鋭角θ2 の位置にモニタ電極E4 およびモニタ電極E5 が形成される。
【0026】駆動電極E1 および駆動電極E2 には、リング状振動体80を駆動振動せしめる交流電圧がそれぞれの振幅制御回路11および第2振幅制御回路12から供給される。振幅検出電極E6 および振幅検出電極E7 は、リング状振動体80の自身の設置位置における振動の大きさを検出する電極であり、振幅検出回路13および第2振幅検出回路14により振動振幅の大きさを検出する。振幅制御回路13および第2振幅制御回路14から出力される信号は、ベクトル合成回路43に供給されて両信号のベクトル合成値が求められる。振幅制御回路11から出力され交流の駆動用信号および第2振幅制御回路12から出力される交流の駆動用信号の双方の振幅を制御し、ベクトル合成回路43の出力であるベクトル合成値を常時一定に制御する。振幅検出電極E6 および振幅検出電極E7 はリング状振動体80の振動の大きさを検出する電極であり、検出出力は互いに反転位相で同期検波する同期検波回路21および第2同期検波回路22に供給される。同期検波回路21および第2同期検波回路22は互いに位相の反転した振動の大きさに対応した信号を出力し、出力のそれぞれは差動増幅回路61に供給されて減算処理された後積分器より成るループフイルタ31に供給される。ループフイルタ31の出力VO は、フイードバック制御回路91に供給され、振幅制御回路11および第2振幅制御回路12の振幅を制御し、リング状振動体80に入力角速度が印加されても常時差動増幅器44の出力を実質的にゼロに制御するクローズドループ信号処理を実行する。
【0027】図5を参照して第5の実施例を説明する。駆動回路15はリング状振動体80の共振周波数で発振する発振回路と自動振幅制御回路より成る。リング状振動体80はこの駆動回路15によりA点に形成される駆動電極Ea1と、A点から周方向に90°回転した角度位置に形成される検出電極Ed1とをリング状振動体80の共振周波数で振動振幅を一定に保持して駆動される。ループフイルタ31の出力VO は演算回路41に入力され、バランス電圧源49のバランス電圧Vb との間に−(Vb +VO )と+(Vb +VO )が演算出力される。−(Vb +VO )出力は振幅制御回路11に印加されると共に、(Vb +VO )出力は第2振幅制御回路12に印加される。振幅制御回路11および第2振幅制御回路12の双方には駆動回路15から出力されるクロックパルスが入力され、駆動回路15と同期制御される。振幅制御回路11から出力される制御電圧Vd1と第2振幅制御回路12から出力される制御電圧Vd2は、位相が180°相違すると共に絶対量は等しい交流駆動電圧に設定される。振幅制御回路11の出力および第2振幅制御回路12の出力は、C点から双方向に例えば22. 5°程度の任意の角度θの位置に設置される制御電極Ec1、および制御電極Ec2に印加される。図5においては、制御電極Ec1および制御電極Ec2に振幅が等しく位相が180°相違する制御電圧を印加することにより、リング状振動体80の振動方向を制御してモニタ電極Eb の検出電圧をゼロとする。即ち、制御電極Ec1および制御電極Ec2に印加される電圧は位相差が180°異なり、絶対値は入力角速度に対応しており、入力角速度に対応して両制御電極によりリング状振動体80の振動ベクトルを回転させ、モニタ電極Eb の検出電圧がゼロとする。この場合のジャイロ出力も、他の実施例と同様に、ループフイルタ31の出力を使用することができる。バランス電圧源49のバランス電圧Vb はリング状振動体80の非対称性その他の設計誤差により生ずるオフセット分をトリミングすることができる。
【0028】この発明に使用されるリング共振型振動体は、シリンドリカル型、半球共振型の如くリング状の振動部分を有するものでありさえすれば、何れも使用することができる。リング共振型振動体を駆動励振する駆動電極、および半球共振型振動体の振動を検出する検出電極であるモニタ電極および振幅検出電極としては、上述した圧電効果を利用した素子、更に、静電力、磁気力を利用した素子とすることができる。また、リング状振動体は、圧電セラミックスをはじめとして恒弾性材のエリンバ、クリスタル、シリコンその他、種々の固体材料が利用される。以上の実施例は、振動体を圧電セラミックスで構成し、各部位に駆動用および検出用のと電極と接地用の電極を近接形成して駆動電極および検出電極としている。
【0029】
【発明の効果】以上の通りであって、図9に示されるリング共振型振動ジャイロの従来例においては、フィードバック電極Ed に印加される電圧とそれにより発生する力の変換係数の温度特性および経年変化によりジャイロ出力の入出力利得、即ち、スケールファクタに悪影響を与えていた。これに対して、この発明のクローズドループ制御リング共振型振動ジャイロは、A点、或いはC点およびこれと等価のA点から90°回転した位置および270°回転した位置の両側の同一角度位置に駆動電極を設置し、これら両電極に印加する交流駆動電圧のバランスを入力角速度の大きさに対応して変化する構成を採用したことにより駆動電極の特性の差を相殺することができ、これによりリング共振型振動ジャイロのスケールファクタの温度安定性を改善することができる。
【0030】振動を検出するモニタ電極および振幅検出電極についても以上の効果は奏される。即ち、これら検出電極の温度特性および経年変化はリング共振型振動ジャイロのスケールファクタに影響を及ぼしていたが、この発明は検出電極を2個使用してその差動信号を利用することにより検出電極の特性の差を相殺し、スケールファクタの安定性を改善することができる。更に、この発明により、振動ジャイロ一般において解決されるべき最大の技術的課題であるバイアス温度特性の改善についても効果を発揮する。




 

 


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