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FM−CWレーダ装置 - 富士通株式会社
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発明の名称 FM−CWレーダ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−215272(P2001−215272A)
公開日 平成13年8月10日(2001.8.10)
出願番号 特願2000−23166(P2000−23166)
出願日 平成12年1月31日(2000.1.31)
代理人 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070 AB19 AC02 AC06 AE01 AF03 AH14 AH23 AH39 AK13 AK33 BA01 
発明者 洞井 義和 / 関 哲生 / 加藤木 豊 / 山脇 俊樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 三角波信号によって周波数変調された送信波とこの送信波が目標で反射した受信波とを混合してビート信号を生成するビート信号回路を有し、該ビート信号回路が生成したビート信号をもとに前記目標の距離および速度を検出するFM−CWレーダ装置において、前記ビート信号回路の後段に前記ビート信号のビート周波数が高くなるに従って順次、振幅利得を増加する特性を持たせた振幅等化器を備えたことを特徴とするFM−CWレーダ装置。
【請求項2】 前記振幅等化器の後段に前記ビート信号の出力増幅を行う出力増幅器をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のFM−CWレーダ装置。
【請求項3】 前記振幅等化器は、目標距離に対する相対受信電力の減衰特性を相殺する逆特性によって前記ビート信号を振幅等化処理することを特徴とする請求項1または2に記載のFM−CWレーダ装置。
【請求項4】 前記振幅等化器は、アンテナの指向性による影響を含む目標距離に対する相対受信電力の減衰特性を相殺する逆特性によって前記ビート信号を振幅等化処理することを特徴とする請求項1または2に記載のFM−CWレーダ装置。
【請求項5】 前記振幅等化器は、アクティブフィルタの傾斜部分の減衰特性を用いて前記逆特性を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のFM−CWレーダ装置。
【請求項6】 前記振幅等化器は、複数のアクティブフィルタの特性を合成して前記逆特性を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のFM−CWレーダ装置。
【請求項7】前記振幅等化器を備えた当該FM−CWレーザ装置は、車両に搭載される車両用のFM−CWレーダ装置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のFM−CWレーダ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標物の距離および速度を検知するFM−CWレーダ装置に関し、特に、移動車両などに搭載され、クラッター雑音などによる誤検知を確実に防ぐことができるFM−CWレーダ装置に関するものである。
【0002】近年における自動車の安全化に対する機運の高まりによって、車両の前方監視による衝突警報や障害物警報等の警報表示を行い、さらには衝突軽減自動ブレーキ、アダプティブクルーズコントロールなど、スロットルやブレーキなどの車両制御をも含めた自動車安全走行支援システムが着実に実現しつつある。
【0003】一方、ITS(Intelligent Transportation System;高度道路交通システム)においても、車両を迅速かつ確実に検知することによって路側間通信システムあるいは自動料金徴収システムを実現しつつある。このような各種システムでは、車両などに搭載され、数mから数100mの範囲内において迅速かつ確実に目標物を検知することができるレーダ装置の実現が要望される。
【0004】
【従来の技術】上述したレーダ装置としては、一般的なパルスレーダ装置のほかにFM−CWレーダ装置がある。FM−CWレーダ装置は、周波数変調された送受信波のビート周波数をもとに目標物の距離と速度とを簡易な構成によって検知することができるため、車両搭載用のレーダ装置として注目されている。
【0005】図13は、従来のFM−CWレーダ装置の概要構成を示すブロック図である。図13において、このFM−CWレーダ装置のVCO102は、三角波発振器101が生成する三角波によって、たとえば60GHz帯のミリ波搬送波を周波数変調し、方向性結合器103、共用器104およびアンテナ105を介し、送信波として送信する。
【0006】目標物から反射した受信波は、共用器104を介してミキサ106に入力する。ミキサ106は、共用器104から入力された受信波と、方向性結合器103から出力された送信波とを混合し、ビート信号を生成する。増幅器107は、このビート信号を増幅し、LPF108に出力する。LPF108は、所望のビート信号以外の高周波成分を除去し、距離・速度演算処理部109にビート信号を出力する。距離・速度演算処理部109は、入力されたビート信号の周波数をもとに、目標物までの距離と目標物の速度とを演算出力する。
【0007】ここで、図14を参照して、FM−CWレーダ装置による距離および速度の検出原理について説明する。図14(a)において、三角波によって周波数変調された送信波STと、破線で示した受信波SRとは、アンテナ105と目標物との間における伝播時間の時間差ΔT分、ずれが生じるとともに、目標物がアンテナ105に対して移動している場合には、ドップラシフトΔfDを生ずる。たとえば、目標物がアンテナ105に対して近づいている場合には、図14(a)に示すように、受信波SRは送信波STに対して正のドップラシフトΔfDを生ずる。
【0008】ミキサ106が送信波STと受信波SRとを混合すると、ミキサ106は、図14(c)に示したビート信号SBを出力する。このビート信号SBは、図14(b)に示したビート周波数fBを有する。ビート周波数fBは、三角波による変調周波数が増加する区間におけるアップビート周波数fBUと、三角波による変調周波数が減少する区間におけるダウンビート周波数fBDとに区分される。このアップビート周波数fBUとダウンビート周波数fBDとの平均は、時間差ΔTに対応するため、アップビート周波数fBUとダウンビート周波数fBDとの平均を用いて目標物の距離を検知することができる。また、アップビート周波数fBUとダウンビート周波数fBDとの差は、ドップラシフトΔfDに対応するため、目標物の相対速度を検知することができる。
【0009】具体的に、アンテナ105と目標物との距離Rは、次式(1)を用いて求めることができる。すなわち、 R=(fBD+fBU)・c/(8・Δf・fm) …(1)
である。また、アンテナ105に対する目標物の相対速度Vは、次式(2)を用いて求めることができる。すなわち、 V=(fBD−fBU)・c/(4・f0) …(2)
である。なお、「c」は、光速であり、「Δf」は、三角波の周波数変調幅である。また、「fm」は、三角波の変調周波数であり、「f0」は、変調中心周波数である。このように、変調三角波の増減区間毎のアップビート周波数fBUとダウンビート周波数fBDとを検知し、それぞれの和と差とを求めることによって、距離Rと相対速度Vとを同時に求めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のFM−CWレーダ装置は、目標物が遠距離に存在する場合には、受信波SRの受信レベルが低いのでビート信号fBのレベルが低く、目標物が近距離に存在する場合には、受信波SRの受信レベルが高いのでビート信号fBのレベルが高いため、距離および速度の信号処理演算を容易にすべく、ビート信号fBにAGC(自動可変利得調整)を施し、ビート信号fBのレベル変化を小さくし、AGCがかからない一定レベル以下では、そのままのビート信号fBのレベルとし、一定の閾値レベル以上でビート信号fBを検出した場合に、目標物を検知したものと判定していた。
【0011】この場合、AGCをかけてビート信号の有無を検知するようにしていたため、たとえば、遠距離および近距離に複数の目標物が同時に存在する場合、AGCは、近距離の目標物から反射した大きなレベルを有するビート信号fBを基準に動作するため、遠距離の目標物から反射した反射波に対応するビート信号fBのレベルは小さくなる。このため、目標物、すなわちビート信号の有無を判断する閾値レベルの値は、遠距離の目標物から反射される反射波に対応するビート信号fBのレベルに合わせて、小さく設定されていた。
【0012】この結果、近距離に存在する道路からのクラッター雑音や、アンテナのサイドローブによる検知方向外の物体の反射レベルは、遠距離の目標物からの反射レベルに近い反射レベルを有するので、誤って目標物として検知してしまう場合が発生するという問題点があった。
【0013】一方、上述したクラッター雑音などを検知しないようにするために、閾値レベルを高く設定すると、逆に、遠距離の目標物を検知できなくなるという問題点があった。
【0014】また、近距離の目標物を基準にしてAGCがかかった場合、遠距離の目標物からの反射レベルが小さくなるが、距離・速度演算処理部109による信号処理は、この小さい反射レベルによるビート信号fBのレベルと雑音レベルとの比で決定される信号対雑音比(S/N比)が小さくなり、誤動作を生じることから、この信号処理の誤動作を生じさせないS/N比を確保するためのビート信号fBのレベルを確保する必要がある。このため、所望のS/N比を確保するビート信号fBのレベルを確保できる最大の検知距離が設定され、結果として、目標物の検出範囲が狭くなるという問題点があった。
【0015】逆に、この目標物の検出範囲を狭めないように、ビート信号fBの増幅利得を大きくし、S/N比を確保し、最大の検知距離を長くしようとすると、近距離から反射される大きなレベルを有するビート信号fBは飽和し、非線形特性によって高調波や相互変調歪み波を発生し、目標物の誤検出を促進させるという問題点があった。
【0016】一方、従来の他のFM−CWレーダ装置では、AGCをかけずに、ダイナミックレンジが広いA/D変換用ICを用い、このディジタル化したデータによってビート信号fBの有無、すなわち目標物の有無を判断するようにしていたが、この場合、ビート信号fBに対する増幅器やA/D変換器は、広いダイナミックレンジを有するものが用いられ、かつ最大の検知距離を基準に閾値レベルを設定していた。
【0017】このため、AGCを施さない従来の他のFM−CWレーダ装置では、広いダイナミックレンジを有した増幅器やA/D変換器を必要とするとともに、閾値レベルを最大の検知距離を基準として設定しているため、AGCを施す従来のFM−CWレーダ装置と同じように、近距離のクラッター雑音、近距離の目標物からの大きなレベルを有するビート信号fBの高調波や歪みによって発生する不要信号を、目標物として誤検出する場合が発生するという問題点があった。
【0018】この発明は上記に鑑みてなされたもので、近距離から遠距離までの検出範囲を十分確保でき、複数目標であっても目標物を誤りなく確実に検知するとともに、クラッター雑音や信号歪みによる不要信号を確実に排除することができるFM−CWレーダ装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、三角波信号によって周波数変調された送信波とこの送信波が目標で反射した受信波とを混合してビート信号を生成するビート信号回路(図1,図5,図7のミキサ6に相当)を有し、該ビート信号回路が生成したビート信号をもとに前記目標の距離および速度を検出するFM−CWレーダ装置において、前記ビート信号回路の後段に前記ビート信号のビート周波数が高くなるに従って順次、振幅利得を増加する特性を持たせた振幅等化器(図1,図5,図7の振幅等化器8,31に相当)を備えたことを特徴とする。
【0020】この請求項1にかかる発明によれば、ビート信号回路から出力されたビート信号に対して、振幅等化器が、ビート信号のビート周波数が高くなるに従って順次、振幅利得を増加する特性を施し、ビート周波数の高低、すなわち目標までの距離の長短にかかわらず、ビート信号レベルを平坦化して出力するようにしている。
【0021】また、請求項2にかかる発明は、上記の発明において、前記振幅等化器(図5の振幅等化器8に相当)の後段に前記ビート信号の出力増幅を行う出力増幅器(図5の増幅器21に相当)をさらに備えたことを特徴とする。
【0022】この請求項2にかかる発明によれば、出力増幅器が、振幅等化器によって平坦化されたビート信号を出力増幅し、近距離のビート信号のみを大きく出力増幅しないようにしている。
【0023】また、請求項3にかかる発明は、上記の発明において、前記振幅等化器は、目標距離に対する相対受信電力の減衰特性(図2の曲線L1,L2、図6の曲線L3に相当)を相殺する逆特性(図3の曲線LL1,図8の曲線LL2に相当)によって前記ビート信号を振幅等化処理することを特徴とする。
【0024】この請求項3にかかる発明によれば、振幅等化器が、目標距離に対する相対受信電力の減衰特性を相殺する逆特性によってビート信号を振幅等化処理し、目標距離の長短にかかわらず、ビート信号レベルを確実に平坦化して出力するようにしている。
【0025】また、請求項4にかかる発明は、上記の発明において、前記振幅等化器は、アンテナの指向性による影響を含む目標距離に対する相対受信電力の減衰特性(図6の曲線L3に相当)を相殺する逆特性(図8の曲線LL2)によって前記ビート信号を振幅等化処理することを特徴とする。
【0026】この請求項4にかかる発明によれば、振幅等化器が、アンテナの指向性による影響を含む目標距離に対する相対受信電力の減衰特性を相殺する逆特性によってビート信号を振幅等化処理し、目標距離の長短にかかわらず、ビート信号レベルを確実に平坦化して出力するようにしている。
【0027】また、請求項5にかかる発明は、上記の発明において、前記振幅等化器は、アクティブフィルタ(図4に相当)の傾斜部分の減衰特性を用いて前記逆特性(図3の曲線LL1に相当)を形成することを特徴とする。
【0028】この請求項5にかかる発明によれば、振幅等化器の逆特性を、アクティブフィルタ、たとえば2次のバターワースハイパスフィルタの傾斜部分の減衰特性を用いて形成するようにしている。
【0029】また、請求項6にかかる発明は、上記の発明において、前記振幅等化器は、複数のアクティブフィルタの特性を合成して(図9に相当)前記逆特性(図8の曲線LL2に相当)を形成することを特徴とする。
【0030】この請求項6にかかる発明によれば、振幅等化器の逆特性を、複数のアクティブフィルタ、たとえば2次のバターワースハイパスフィルタと2次のバターワースローパスフィルタとの各特性を合成して形成するようにしている。
【0031】また、請求項7にかかる発明は、上記の発明において、前記振幅等化器を備えた当該FM−CWレーザ装置は、車両に搭載される車両用のFM−CWレーダ装置であることを特徴とする。
【0032】この請求項7にかかる発明によれば、振幅等化器を備えたFM−CWレーダ装置は、車両に搭載される車両用のFM−CWレーダ装置であり、車両の前方等に位置する車両や障害物などの目標までの距離と相対速度を同時に検出するようにしている。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発明にかかるFM−CWレーダ装置の好適な実施の形態を説明する。
【0034】(実施の形態1)図1は、この発明の実施の形態1であるFM−CWレーダ装置の構成を示すブロック図である。図1に示したFM−CWレーダ装置は、図13に示したFM−CWレーダ装置の増幅器107とLPF108との間に、目標物の距離に依存しないで、ビート信号レベルを一定の振幅レベルで出力する振幅等化器8を設けた構成である。なお、この実施の形態1に示したFM−CWレーダ装置は、車両に搭載され、前方の障害物を目標物として検知する車両用レーダ装置として用いられる。したがって、目標物の検出範囲は、数mから数100m程度であることが要求される。
【0035】図1に示したFM−CWレーダ装置のVCO2は、三角波発振器1が生成する三角波によって、たとえば60GHz帯のミリ波搬送波を周波数変調し、方向性結合器3、共用器4およびアンテナ5を介し、送信波として送信する。
【0036】目標物から反射した受信波は、共用器4を介してミキサ6に入力する。ミキサ6は、共用器4から入力された受信波と、方向性結合器3から出力された送信波とを混合し、ビート信号を生成する。増幅器7は、前置増幅器として機能し、ビート信号を低雑音増幅し、振幅等化器8に出力する。振幅等化器8は、ビート周波数が高くなるにしたがって順次、振幅利得を増大する特性をもち、入力されたビート周波数に対応した振幅利得を与えて各ビート周波数をLPF9に出力する。LPF9は、所望のビート信号以外の高周波成分を除去し、距離・速度演算処理部10にビート信号を出力する。距離・速度演算処理部10は、入力されたビート信号のビート周波数をもとに、目標物までの距離と目標物の速度とを演算出力する。
【0037】ここで、図2〜図4を参照して、振幅等化器8の構成および動作について説明する。図2は、アンテナ地上高をパラメータとする目標距離対相対受信電力の関係を示す図である。図2は、目標物の最大高さを「1.0」mとし、アンテナ地上高を「0.2」m,「0.7」mとしたときの目標距離(目標物までの距離)に対する相対受信電力の理論値との関係を示している。目標物からの受信レベルは、レーダ方程式から、距離の4乗に反比例し、曲線L1,L2に示すように、アンテナ5の相対受信電力は、目標距離の増加に伴い、−12dB/octで減少する。すなわち、目標距離が2倍になると、相対受信電力が12dB減衰する。ここで、目標距離は、目標物がアンテナ5に対して静止している場合、目標距離はビート周波数に比例する。したがって、アンテナ5の相対受信電力は、ビート周波数の増加に伴い、ほぼ−12dB/octで減少することになる。
【0038】このため、図3に示すように、振幅等化器8は、相対周波数の増大に伴って、+12dB/octの傾斜を有し、曲線L1,L2に対して逆特性の減衰量特性(曲線LL1)を持たせるようにしている。すなわち、振幅等化器8は、図2に示した目標距離に対する相対受信電力の関係を相殺する振幅等化処理を行う。これによって、目標距離の遠近の違いによる受信波レベルの減衰に依存しないビート信号レベルを得ることができる。
【0039】この図3に示した相対周波数に対する減衰量との関係は、図4に示すように、演算増幅器11を用いたアクティブフィルタである、2次のバターワースハイパスフィルタの傾斜部分を用いて実現することができる。図3および図4に示した2次のバターワースハイパスフィルタの特性は、遮断相対周波数fc=100とし、遮断相対周波数fc=100以上の相対周波数成分を通過させるものであるが、振幅等化器8は、遮断相対周波数fc=100以下の傾斜部分を+12dB/octとし、この傾斜部分を用いる。この遮断相対周波数fc=100は、最大検知の目標距離を100mとしたときのビート周波数に対応させたものである。
【0040】なお、LPFの遮断周波数は、最も高いビート周波数に比して少し高い周波数に設定する。これによって、ビート周波数のみを効果的に選択出力することができる。
【0041】また、上述した実施の形態1では、振幅等化器8が+12dB/octの傾斜特性を有し、これによって、−12dB/octの傾斜をもつ目標距離対相対受信電力の特性を相殺するようにしていたが、これに限らず、たとえば振幅等化器8に+6dB/octの傾斜特性を持たせ、これによって近距離の目標物に対する検出感度を遠距離の目標物に対する検出感度に比して上げるようにしてもよい。この場合、全体的には、ビート周波数に対して比較的平坦な特性をもたせることができることになる。
【0042】この実施の形態1によれば、目標距離の増大に伴って減衰するビート信号レベルの特性に対して逆特性をもつ振幅等化器8を設け、目標距離に依存しないビート信号レベルをもつビート信号を出力するようにしているので、遠距離のビート信号レベルと同程度のレベルをもつクラッター雑音等が近距離に存在しても、このクラッター雑音は、遠距離のビート信号レベルに比して大きく減衰されるため、クラッター雑音をビート信号として検出することがない。また、振幅等化器8から出力されるビート信号レベルは、平坦な特性を有するため、近距離のビート信号レベルが極端に大きくならず、ビート信号が飽和しないことから、ビート信号の歪みによる高調波信号および相互変調歪みによる不要信号の発生による誤検出が生じない。特に、遠距離および近距離に同時に複数の目標物が存在する場合であっても、遠距離、近距離にかかわらず各目標物からのビート信号を一定レベルで検出するようにしているので、確実に複数の目標物のみを検出することができる。
【0043】(実施の形態2)つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、上述した実施の形態1の構成に対し、さらに振幅等化器8の後段に出力段の増幅器21を設けるようにしている。
【0044】図5は、この発明の実施の形態2であるFM−CWレーダ装置の構成を示すブロック図である。図5において、このFM−CWレーダ装置では、図1に示したFM−CWレーダ装置の振幅等化器8とLPF9との間に出力段の増幅器21を設けた構成とし、その他の構成は、図1に示したFM−CWレーダ装置を同じ構成であり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0045】振幅等化器8は、上述したように目標距離に依存せずに、同一レベルのビート信号を出力する。すなわち、振幅等化器8は、各ビート周波数に対して一定レベルで出力する。出力段の増幅器21は、この同一レベルのビート信号を増幅出力する。このため、増幅器21は、近距離のビート信号を大きく増幅することがないため、近距離のビート信号を歪ませず、高調波や相互変調歪みによる不要信号を生成することがなく、ビート信号のみを確実に検知し、誤検出を確実に防ぐことができる。
【0046】この実施の形態2によれば、振幅等化器8の後段に出力段の増幅器21を設けているので、近距離のビート信号のみを大きく増幅することがなく、遠距離のビート信号と同程度に出力増幅を行うようにしているので、ビート信号の歪み発生による誤検知を確実になくすことができる。
【0047】(実施の形態3)つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、上述した実施の形態2における振幅等化器8が有する振幅等化特性を、アンテナ5の受信特性に対応させた逆特性を持たせるようにしている。
【0048】図6は、アンテナ地上高をパラメータとする目標距離対相対受信電力の関係を示す図である。図6に示した関係は、図2と同じ条件のもとに、アンテナ5のアンテナ地上高を「1.5」mとした場合の曲線L3をさらに示している。図6に示した曲線L3は、曲線L1,L2と異なり、目標距離が10m近傍以下では、目標距離が小さくなるにもかかわらず、一定の相対受信電力を振動的に保持する。これは、アンテナ5のアンテナ地上高が「1.5」m程度になると、アンテナ5の指向性によって近距離の目標物からの受信レベルが低下するからである。したがって、アンテナ地上高が高くなることによって、近距離における目標距離に対する相対受信電力の関係が−12dB/octでないため、目標距離が「1」m〜「10」m近傍までの間におけるビート信号レベルを、目標距離が「10」m近傍におけるビート信号レベルと同じレベルに維持する必要がある。
【0049】図7は、この発明の実施の形態3であるFM−CWレーダ装置の構成を示すブロック図である。図7において、このFM−CWレーダ装置は、図5に示したFM−CWレーダ装置の振幅等化器8を振幅等化器31に置き換えた構成としている。その他の構成は、図5に示したFM−CWレーダ装置と同じ構成であり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0050】振幅等化器31は、図6に示した曲線L3の特性を相殺して、目標距離(ビート周波数)に対するビート信号レベルを平坦な特性として出力するようにしている。すなわち、振幅等化器31は、図8に示した曲線LL2の減衰特性を有する。この曲線LL2は、基本的には、遮断相対周波数fc=100を有する2次のバターワースハイパスフィルタの傾斜部分に、遮断相対周波数fc=22を有する2次のバターワースローパスフィルタとを組み合わせた特性である。この2次のバターワースローパスフィルタの特性を、この2次のバターワースハイパスフィルタに組み合わせることによって、相対周波数が「10」以下の部分(目標距離「10」mに相当)以下がほぼ平坦な特性になる。
【0051】図9は、振幅等化器31の全体構成を示すブロック図である。図9において、振幅等化器31は、上述した2次のバターワースハイパスフィルタであるHPF40と、入力されるビート信号を所定量減衰した後に上述した2次のバターワースローパスフィルタによってビート信号をフィルタリングするLPF50と、HPF40およびLPF50から出力されたビート信号を合成出力する合成回路60とを有する。HPF40は、増幅器7に接続される端子P3から入力されるビート信号をフィルタリングして端子P5に出力する。LPF50は、増幅器7に接続される端子P3から入力されるビート信号を所定量減衰した後、フィルタリングして端子P6に出力する。合成回路60は、端子P5を介してHPF40から出力された信号と、端子P6を介してLPF50から出力された信号とを合成し、端子P4を介して増幅器21にビート信号を出力する。
【0052】HPF40は、図10に示すように、2次のバターワースハイパスフィルタによって構成され、図4と同一構成である。このHPF40は、図8に示した曲線LL1が示す相対周波数に対する減衰量特性を有する。一方、LPF50は、図11に示すように、減衰部51とフィルタ部52とから構成される。フィルタ部52は、上述したように、遮断相対周波数fc=22を有する2次のバターワースローパスフィルタである。減衰部51は、この2次のバターワースローパスフィルタによる特性を相対周波数全体にわたって減衰させ、平坦部、すなわち低周波通過域がHPF40における相対周波数「10」近傍の減衰量にほぼ一致させる。
【0053】合成回路60は、HPF40からの信号とLPF50からの信号とを合成し、図8に示した曲線LL2で表した相対周波数に対する減衰量の関係をもたせたビート信号として出力する。合成回路60は、利得「1」の演算増幅器62の−端子に、端子P5から入力されるHPF40からの信号を反転回路61によって反転された信号を入力し、+端子に、端子P6から入力されるLPF50からの信号を入力する。演算増幅器62は、−端子および+端子に入力される信号を逆相増幅し、これによって図8に示した曲線LL2を生成し、端子P4から逆相増幅されたビート信号を出力する。
【0054】合成回路60から出力されたビート信号は、ビート周波数の相対周波数が「10」(目標距離「10」mに相当)以下の場合は、相対周波数「10」と同程度のレベルに振幅増幅され、ビート周波数の相対周波数が「10」を超える場合には、ほぼ+12dB/octの傾斜をもって振幅増幅される。この結果、図6の曲線L3で示した目標距離対相対受信電力の関係を有する場合であっても、目標距離(ビート周波数)に依存せず、ビート信号レベルは、ほぼ平坦な特性をもって出力される。
【0055】なお、上述した実施の形態3では、2次のバターワースハイパスフィルタと2次のバターワースローパスフィルタとを組み合わせて、目標距離に対する相対受信電力の特性曲線の逆特性を形成するようにしているが、これに限らず、複数種類のフィルタを組み合わせて逆特性を形成するようにしてもよい。
【0056】この実施の形態3によれば、アンテナの指向性によって、所定の目標距離までは、ほぼ一定の相対受信電力をもつビート信号レベルを出力し、所定の目標距離以上では、目標距離の増大に伴って減衰するビート信号レベルを出力する特性に対する逆特性をもつ振幅等化器31を複数のフィルタを組み合わせることによって実現し、目標距離に依存しないビート信号レベルをもつビート信号を出力するようにしているので、遠距離のビート信号レベルと同程度のレベルをもつクラッター雑音等が近距離に存在しても、このクラッター雑音は、遠距離のビート信号レベルに比して大きく減衰されるため、クラッター雑音をビート信号として検出することがない。また、振幅等化器31から出力されるビート信号レベルは、平坦な特性を有するため、近距離のビート信号レベルが極端に大きくならず、ビート信号が飽和しないことから、ビート信号の歪みによる高調波信号および相互変調歪みによる不要信号の発生による誤検出が生じない。特に、遠距離および近距離に同時に複数の目標物が存在する場合であっても、遠距離、近距離にかかわらず各目標物からのビート信号を一定レベルで検出するようにしているので、確実に複数の目標物のみを検出することができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、ビート信号回路から出力されたビート信号に対して、振幅等化器が、ビート信号のビート周波数が高くなるに従って順次、振幅利得を増加する特性を施し、ビート周波数の高低、すなわち目標までの距離の長短にかかわらず、ビート信号レベルを平坦化して出力するようにしているので、遠距離のビート信号レベルと同程度のレベルをもつクラッター雑音等が近距離に存在しても、このクラッター雑音は、遠距離のビート信号レベルに比して大きく減衰されるため、クラッター雑音をビート信号として誤検出しないという効果を奏する。また、振幅等化器から出力されるビート信号レベルは、平坦な特性を有するため、近距離のビート信号レベルが極端に大きくならず、ビート信号が飽和しないことから、ビート信号の歪みによる高調波信号および相互変調歪みによる不要信号の発生による目標の誤検出が生じないという効果を奏する。特に、遠距離および近距離に同時に複数の目標が存在する場合であっても、遠距離、近距離にかかわらず各目標からのビート信号を一定レベルで検出するようにしているので、確実に複数の目標のみを検出することができるとともに、結果的に検出範囲を広げることができるという効果を奏する。
【0058】また、請求項2にかかる発明によれば、出力増幅器が、振幅等化器によって平坦化されたビート信号を出力増幅し、近距離のビート信号のみを大きく出力増幅しないようにしているので、ビート信号の歪み発生による誤検知を確実になくすことができるという効果を奏する。
【0059】また、請求項3にかかる発明によれば、振幅等化器が、目標距離に対する相対受信電力の減衰特性を相殺する逆特性によってビート信号を振幅等化処理し、目標距離の長短にかかわらず、ビート信号レベルを確実に平坦化して出力するようにしているので、近距離のビート信号レベルを極端に大きくすることによって生ずる目標の誤検出を確実に防止することができるとともに、検出範囲を広げることができるという効果を奏する。
【0060】また、請求項4にかかる発明によれば、振幅等化器が、アンテナの指向性による影響を含む目標距離に対する相対受信電力の減衰特性を相殺する逆特性によってビート信号を振幅等化処理し、目標距離の長短にかかわらず、ビート信号レベルを確実に平坦化して出力するようにしているので、近距離のビート信号レベルを極端に大きくすることによって生ずる目標の誤検出を確実に防止することができるとともに、検出範囲を広げることができるという効果を奏する。
【0061】また、請求項5にかかる発明によれば、振幅等化器の逆特性を、アクティブフィルタ、たとえば2次のバターワースハイパスフィルタの傾斜部分の減衰特性を用いて形成するようにしているので、簡易な構成によって振幅等化を実現することができるという効果を奏する。
【0062】また、請求項6にかかる発明によれば、振幅等化器の逆特性を、複数のアクティブフィルタ、たとえば2次のバターワースハイパスフィルタと2次のバターワースローパスフィルタとの各特性を合成して形成するようにしているので、簡易な構成によって振幅等化を実現することができるという効果を奏する。
【0063】また、請求項7にかかる発明によれば、振幅等化器を備えたFM−CWレーダ装置は、車両に搭載される車両用のFM−CWレーダ装置であり、車両の前方等に位置する車両や障害物などの目標までの距離と相対速度を同時に検出するようにしているので、簡易な構成によって、誤検出の少ない車両用のFM−CWレーダ装置を実現することができるという効果を奏する。




 

 


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