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発明の名称 軸外し異方性光散乱フィルム及びその製造に用いる偏向用光重合性組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−228312(P2001−228312A)
公開日 平成13年8月24日(2001.8.24)
出願番号 特願2000−36504(P2000−36504)
出願日 平成12年2月15日(2000.2.15)
代理人
発明者 久米 誠 / 大江 靖
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる帯状の濃淡を形成しており、且つ、フィルム断面では、前記帯状の濃淡の伸びる方向がフィルムの主面に対して傾斜している樹脂成分が未硬化または半硬化の異方性光散乱フィルム上に、(A)ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(B)紫外光もしくは可視光を照射することによってラジカル重合を活性化させるラジカル種を発生する光重合開始剤を少なくとも含有し、実質的に透明である偏向用光重合性組成物を積層、硬化してなり、前記帯状の濃淡の伸びる方向がフィルムの厚さ方向に渡って徐々に変化していることを特徴とする軸外し異方性光散乱フィルム。
【請求項2】(A)ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(B)紫外光もしくは可視光を照射することによってラジカル重合を活性化させるラジカル種を発生する光重合開始剤を少なくとも含有し、実質的に透明であり、且つ、樹脂成分が未硬化または半硬化の異方性光散乱フィルムを膨潤させることが可能なことを特徴とする軸外し異方性光散乱フィルムの製造に用いる偏向用光重合性組成物。
【請求項3】高分子結合剤をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載の軸外し異方性光散乱フィルムの製造に用いる偏向用光重合性組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の入射角度に応じて散乱性が異なる(あるいは、入射角度選択性を持つ)と共に、光散乱特性に異方性を持つ光散乱フィルムにおいて、入射光の入射角度とは異なる方向へ強い光散乱を生じる軸外しの機能を発現させうる偏向用光重合性組成物およびこれを用いて作製した軸外し異方性光散乱フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置では、観察の際の視野角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明るく表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面に渡って均一な明るさで表示画像を見えるようにする目的で、装置の前面に光散乱フィルムを配置することが行なわれている。なお、本明細書中の言語「フィルム」とは、薄い樹脂シートの事を意味し、「シート」という言語と同意として使用する。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット状に加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂フィルムなどが用いられている。
【0003】従来のマット状に加工した樹脂フィルムや内部に拡散材を含有するフィルムの場合、入射光の入射角度に依存した散乱性の変化といった入射角度選択機能や、入射光の入射角度と異なる方向へ強い散乱光を出射するという軸外しの機能を持たせることは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち合わせていない。
【0004】表面をマット状に加工した光散乱フィルムの場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように物理的に加工してマット面を形成したり、あるいは、酸性またはアルカリ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形成する。従って光の散乱性を制御する事が難しく、また縦と横の散乱性を変えるといったことも出来ないため、光散乱に指向性を持たせることもできない。
【0005】また、内部に拡散材を包含した光散乱フィルムにおいても、散乱性を制御するために、拡散材の屈折率,大きさ,形状などを制御する試みもなされているが、技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言えないのが現状である。
【0006】従って、上記の光散乱フィルムやスクリーンでは、光散乱の入射角度依存性や軸外し機能がなく光散乱の指向性も無いか、もしくは少ないため、表示装置に使用した際に装置最表面からの照り返し光の方向や、表示画像観察に不適な方向への不必要な散乱光が生じ、結果として表示の明るさやコントラストの低下或いは表示画像のぼけを招くという問題点がある。
【0007】一方、光散乱に異方性を持つ散乱板を用いた反射型液晶表示装置に係る発明として、特開平8−201802号公報が公知である。上記公報に開示された散乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が強い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液晶表示装置からの出射表示光のどちらか一方を選択的に散乱させる特性を有する。
【0008】上記公報では、散乱板の構成は具体的に説明されておらず、「透明微細粒子を透明な重合性高分子で固めたもの」とだけ記載されている。このような散乱板では、上述した「内部に拡散材を包含した光散乱フィルム」と同様に、入射角度選択性(前方か後方か)を持たせられたとしても、入射光の入射角度と異なる方向へ強い散乱光を出射する軸外しの機能や縦と横の散乱特性(指向性)までも制御するのは難しい。
【0009】また、散乱板としてホログラムを用いた透過型液晶表示装置に係る発明として、特開平9−152602号公報が公知である。上記提案は、バックライトを有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるものであり、散乱板としてホログラムを採用しているため、散乱特性に入射角度選択性を持たせることも容易であり、縦と横の散乱特性も制御することも容易ではあるが、必然的に回折現象による分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視点を移動するに応じて、表示光の色が虹色に変化して視覚されることになる。
【0010】これらの問題点を解決した発明として、本出願人による特願平10−346743号がある。この発明は、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異なる部分の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方向およびフィルムの厚さ方向に沿って最適化することにより、入射光の入射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共に、不必要な方向への光散乱を無くし、必要な方向(範囲)にのみ光を散乱させるものである。しかしながら、この異方性光散乱フィルムにおいては、出射散乱光が入射角度と同じ角度で強く散乱するため、反射型液晶表示装置の前面散乱板として用いた際に、観察される方向と異なる方向に強く散乱光が出射され、効率が若干悪くなってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、散乱特性に入射角度の依存性を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱指向性までも制御することが容易であると共に、軸外し機能によって最も観察に好適な方向へ強い散乱光を生じ、且つまた観察位置によって表示光の色が変化しない軸外し異方性光散乱体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる帯状の濃淡を形成しており、且つ、フィルム断面では、前記帯状の濃淡の伸びる方向がフィルムの主面に対して傾斜している樹脂成分が未硬化または半硬化の異方性光散乱フィルム上に、(A)ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(B)紫外光もしくは可視光を照射することによってラジカル重合を活性化させるラジカル種を発生する光重合開始剤を少なくとも含有し、実質的に透明である偏向用光重合性組成物を積層、硬化してなり、前記帯状の濃淡の伸びる方向がフィルムの厚さ方向に渡って徐々に変化していることを特徴とする軸外し異方性光散乱フィルムである。
【0013】請求項2に記載の発明は、(A)ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を少なくとも1つ以上有する光重合性化合物と、(B)紫外光もしくは可視光を照射することによってラジカル重合を活性化させるラジカル種を発生する光重合開始剤を少なくとも含有し、実質的に透明であり、且つ、樹脂成分が未硬化または半硬化の異方性光散乱フィルムを膨潤させることが可能なことを特徴とする軸外し異方性光散乱フィルムの製造に用いる偏向用光重合性組成物である。
【0014】請求項3に記載の発明は、高分子結合剤をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載の軸外し異方性光散乱フィルムの製造に用いる偏向用光重合性組成物である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の偏向用光重合性組成物を用いて作製した軸外し異方性光散乱フィルムは、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異なる部分の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方向およびフィルムの厚さ方向に沿って最適化することにより、入射光の入射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共に、入射角度とは異なる方向へ強い散乱光を出射し、必要な方向(範囲)にのみ光を散乱させる散乱指向性の機能を持たせることで、不必要な方向への光散乱を無くしたものである。
【0016】このような軸外し異方性光散乱フィルムを適用することで、高精細で明るく高コントラストであり、且つ像のぼけの少ない表示が可能な液晶表示装置が提供される。また、屈折率の異なる部分はフィルム表面と平行な面で見ると不規則に分布しているため、ホログラムで見られるような観察位置による出射光の色変化は生じない。
【0017】以下、図面に基づいて本発明で作製された軸外し異方性光散乱フィルムを説明する。図1は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布して、屈折率の高低(同図では、黒と白で表現する)からなる濃淡模様が形成された軸外し異方性光散乱フィルム1を示す説明図であり、左が平面図,右が断面図である。平面図から分かるように、屈折率の異なる部分の形状は横長である。また、断面図から分かるように、屈折率の異なる部分は、フィルム1の厚さ方向に対して傾斜して分布しているが、その傾斜方向はフィルム厚み方向に対して徐々に傾斜角(フィルム垂線からの角度)が小さくなっている構造である。
【0018】図1の軸外し光散乱フィルム1の光学特性について、まず、断面図で考える。屈折率の異なる部分が分布した上記傾斜方向に概ね沿った角度(フィルム1の垂線から角度θをなす、図の矢印3の方向)で入射する光に対しては、光散乱が生じることになる。この時、屈折率の異なる部分の傾斜方向がフィルム1の厚み方向で徐々に変化し、これに沿った方向に強く光散乱が生じるため、フィルム1から出射する散乱光は、入射光の入射角度とは異なる方向(図の矢印4の方向)を中心に広がる事になる。上記傾斜方向とは概ね垂直な角度(図の矢印5の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルムとして機能し、入射光は散乱されずに出射する。
【0019】次に、平面図で考えると、屈折率の異なる部分はフィルム表面と平行な面で見ると不規則に分布しているため、ホログラムのような規則性がなく、そのため光の回折現象によって引き起こされる色分散が生じない。従って本発明の光散乱フィルムによれば観察位置による出射光の色変化は生じず、理想的な白色を呈することになる。
【0020】屈折率の異なる部分の形状が縦長(あるいは、横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、横長(あるいは、縦長)となるような指向性を持つ。図1では形状が横長であるから出射光は縦長に散乱することになる。
【0021】図2は、本発明の偏向用光重合性組成物を用いて作製した軸外し異方性光散乱フィルム1の持つ入射角度依存性の一例を示すグラフである。図中実線5で示すように、ある特定入射角度範囲(図では0度から60度)の光に対してはヘイズ値が80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図では−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%以下となっており、これが本明細書中で言う散乱性の入射角度依存性を指す。
【0022】図3は、本発明の偏向用光重合性組成物を用いて作製した軸外し異方性光散乱フィルム1の持つ軸外しの機能の一例を示すグラフである。同図は、入射角度30度(図2においてヘイズ値が80%以上である角度の1例)にて照明光が、本発明で作製された軸外し異方性光散乱フィルム1に入射した場合の出射する散乱光の強度分布を示している。図に示されるように出射角度10度の方向に最も強い散乱光が生じている。つまり入射角度30度とは異なる方向に光軸をずらした事になっており、これが、本明細書中で言う軸外し機能を指す。
【0023】また、上述したように、屈折率の異なる部分のフィルム表面上の形状が横長(あるいは、縦長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、縦長(あるいは、横長)となるような指向性を持つ。例えば、図1のように形状が横長であると、光散乱フィルムからの散乱出射光は、図4に示すように、縦長の楕円形となるような分布となる。
【0024】次に、本発明で作製された軸外し異方性光散乱フィルム1の構造について更に詳細に説明する。上述したように、本発明で作製された軸外し異方性光散乱フィルム1の内部には、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されている。この屈折率の差異は、小さすぎると散乱性が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が入射しても光散乱が生じてしまうことになり、散乱性の入射角依存性を持たせることが困難となる。そのため、表面上の屈折率差だけでは光散乱が生じず、フィルム1に厚みがあることで十分な散乱性を持つような最適な屈折率差である必要がある。
【0025】本発明では、上記条件に当てはまるように、屈折率差が0.001から0.2の範囲で適宜選択し、同様にフィルム厚みも前記屈折率差に応じて1000μmから1μmの範囲で適宜選択している。
【0026】記録できる屈折率差は作成方法や記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差を持つ場合はフィルムを薄く、小さな屈折率差を持つ場合はフィルムを厚くすることで、本発明の光散乱フィルムを実現することが可能である。また、屈折率の異なる部分のフィルム厚み方向での傾斜角度は、本発明の光散乱フィルムを適用するアプリケーション毎に異なるが、図5に示した反射型液晶表示装置用の前面散乱板を例にとると、表示装置の垂線方向(0度方向)から60度方向(観察者の頭上方向)までから入射する光を散乱させ、逆に垂線方向から−60度方向(観察者の足元方向)までの光に対しては散乱を生じないという機能が望ましいとされている。このため、30度の入射角度(斜め上方向)の光に対して最も効率よく光散乱を生じさせる必要があり、この例では、フィルム界面での光の屈折を考慮して、フィルム前側の表面周辺では、前記傾斜角度はフィルム垂線方向から約19度傾いて分布する。
【0027】次に図3に示したような軸外しの機能を実現させるために、本発明の光散乱フィルムは、前記傾斜角度がフィルムの厚み方向に対して徐々に変化している構造となっている。
【0028】例えば前記したのと同じ図5の反射型液晶表示装置用の前面散乱板を例にとると、液晶表示装置が概ねその垂線方向(0度方向=正面)から−20度方向(概ね装置正面方向)の間で観察される事が多いため、前記したように30度の入射角度で入射する光を−10度方向へ光軸をずらすことが望ましい。このため、30度方向からの入射光を、−10度方向を中心に散乱させるように、フィルム厚み方向に対して屈折率の異なる部分の傾斜角度が徐々に変化している構造としている。この例では、フィルム界面での光の屈折を考慮して、前記傾斜角度は、フィルム表面近傍では前記した通りに垂線方向から約19度傾いており、そこからフィルム裏面に向かって徐々に傾斜角度が小さくなり、フィルム裏面近傍では、約6.5度傾斜した構造としている。
【0029】屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を生じさせるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、その平均の大きさは直径で0.1μmから300μmの範囲内で、それぞれの用途での必要な散乱性に応じて適宜選択される。また、光散乱に指向性を持たせるために、フィルムの縦方向と横方向とでは平均の大きさを異ならせている。1例として、縦方向に伸びた楕円状に光散乱を生じさせるために、縦方向の平均サイズは12μmであるが、横方向の平均サイズは50μmという横長の形状とすることで、縦方向に約±40度、横方向には約±10度という散乱指向性を持つ光散乱フィルムを得ることができる。
【0030】本発明で作製した軸外し異方性光散乱フィルム1は、請求項1で述べたような構造の樹脂層であるという観点から、本明細書中ではフィルムという言語で統一して述べたが、例えば、ガラス基板や樹脂基板のような硬質基板上に形成されたシートであっても良い。
【0031】以下、本発明の軸外し異方性光散乱フィルムを作製する手段について説明する。本発明のフィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造である異方性光散乱フィルムは光学的な露光手段により作製することができる。
【0032】図6は、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造である異方性光散乱フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。レーザー光源15から出たレーザー光16ですりガラス17を照射する。すりガラス17のレーザー照射側とは反対の面には、所定距離Fをおいて感光材料20を配置し、すりガラス17で透過散乱したレーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペックルパターンが感光材料20に露光照射される。
【0033】この際、図示のようにレーザー光16と感光材料20は所定角度αだけ傾いて配置されているため、スペックルパターンは感光材料中で、所定角度傾いて露光されることになる。この角度が、異方性光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度依存性の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択される。当然の事ながら、異方性光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾きと入射角度依存性の散乱ピーク角度θとは、フィルム界面で光の屈折現象が生じるため、異なる角度である。またレーザー光16と感光材料20との傾き角度αと入射角度依存性の散乱ピーク角度θも、使用する感光材料によっては、記録、現像等の処理工程によって異なる場合もある。
【0034】記録に使用するレーザ光源15は、アルゴンイオンレーザーの514.5nm,488nmまたは457.9nmの波長のうち、感光材料の感度に応じて適宜選択して使用することができる。また、アルゴンイオンレーザー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれば使用可能であり、例えばヘリウムネオンレーザーやクリプトンイオンレーザーなどが使用できる。
【0035】また、ここで使用する感光材料20は、レーザー光の露光部と未露光部との屈折率の変化の形態で記録できる感光材料であり、記録しようとする濃淡模様より高い解像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できるような材料である必要がある。
【0036】このような記録材料としては、本出願人によりなされた、特願平11−255453号に記載のビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)と、分子内に少なくともひとつのオキシラン環を有した化合物(B)と、前記(A)及び(B)より屈折率の低い、ラジカル重合性を有する化合物(C)と、化学放射線によってカチオン種及びラジカル種を発生する光開始剤(D)を含有する異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−255454号に記載のビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)と、ラジカル重合性或いはカチオン重合性を有し分子内に(メタ)アクリロイル基を除くエチレン性不飽和結合を有した化合物(B)と、前記(A)及び(B)より屈折率が低く、分子内に少なくともひとつの(メタ)アクリロイル基を有した脂肪族化合物(C)と、化学放射線によってカチオン種及びラジカル種を発生する光開始剤(D)を含有する異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−255455号に記載のビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)と、濃淡模様を形成する際の露光に対しては非反応性であり、分子量が2000以下である化合物(B)と、前記(A)及び(B)より屈折率が低い、ラジカル重合性を有する化合物(C)と、化学放射線によってカチオン種及びラジカル種を発生する光開始剤(D)を含有する異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−108573号に記載の(A)カチオン重合性を有する化合物と、(B)ラジカル重合性を有する化合物、(C)化学放射線によってカチオン種及びラジカル種を発生する光開始剤からなり、(A)カチオン重合性を有する化合物と、(B)ラジカル重合性を有する化合物の屈折率に差がある異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−108574号に記載の屈折率の差がある重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物を複数有する異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−108575号に記載の屈折率の差がある重合可能なカチオン重合性置換基を有する化合物を複数有する異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−108576号に記載の(A)重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物と、(B)重合可能なエチレン性二重結合を持たない化合物とからなり、前記(A)重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物と、(B)重合可能なエチレン性二重結合を持たない化合物の屈折率が異なる異方性光散乱フィルム用組成物、特願平11−108577号に記載の複数の(A)分子内にオキシラン環を少なくとも一つ有する化合物と、(B)ラジカル重合性を有する化合物と、(C)化学放射線によってカチオン種及びラジカル種を発生する光開始剤からなり、(A)分子内にオキシラン環を少なくとも一つ有する化合物と、(B)ラジカル重合性を有する化合物の屈折率に差がある異方性光散乱フィルム用組成物が利用でき、また、体積型ホログラム用感光材料も利用できる。
【0037】スペックルパターンは、コヒーレント性の良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生ずる明暗の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不規則な位相関係で干渉するために生ずるものである。
【0038】「光測定ハンドブック 朝倉書店 田幸敏治ほか著 1994年11月25日発行」の記述(p.266 〜p.268 )によれば、濃度や位相が位置によってランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、前記パターンの大きさは、感光材料から拡散板を見込む角度に反比例して、パターンの平均径が決定される。従って、拡散板の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大きくした場合、感光材料上に記録されるパターンは、水平方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
【0039】図6の光学系での作製方法によるスペックルパターンでは、使用するレーザー光16の波長λおよびすりガラス17の大きさD,すりガラス17と感光材料20との距離Fが、記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定することになり、一般に、dは次式で表される。
【0040】d=1.2λF/D【0041】また、このスペックルパターンの奥行き方向の平均長さtは以下の式で表される。
【0042】t=4.0λ(F/D)2【0043】以上より、λおよびF/Dの値を最適な散乱性を持つように最適化することで所望の3次元的な屈折率分布を持つ異方性光散乱フィルムを得ることが出来る。
【0044】一例として、λ=0.5μmで、F/D=2とすると、d=1.2μm,t=8μmとなり、フィルム表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、フィルムの厚み方向には、前記傾斜角度に従った方向に平均8μmの大きさで分布することになる。
【0045】ただし、これらの大きさはあくまでも平均の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小様々な大きさで、屈折率の異なる部分が表面上および奥行き方向に傾斜して分布することになる。
【0046】なお、異方性散乱フィルムを後述する偏向用光重合性組成物により膨潤させ、帯状の濃淡の伸びる方向がフィルムの厚さ方向に渡って徐々に変化させるために、偏向用光重合性組成物を積層、硬化前の異方性光散乱フィルムの樹脂成分は、未硬化または半硬化である必要がある。本明細書において未硬化または半硬化とは、重合、架橋が完全には完了していない状態をいう。
【0047】上述の作製手段により作製された異方性光散乱フィルムは、原理的にフィルムの厚み方向に同じ傾斜角度φで、屈折率の異なる部分が分布している(図7a)ため、本発明の軸外し異方性光散乱フィルムを実現するためにフィルムの厚み方向に従って徐々に前記傾斜角度を変化させる手段について以下説明する。
【0048】屈折率の異なる部分の傾斜角度φを変動させるには、異方性光散乱フィルムのフィルム厚Lを変化させる事で為される。これは図7aに示したような同一の傾斜角度φで記録された異方性光散乱フィルムのフィルム厚Lを、図7bに示すようにL‘に増加させると、傾斜角度φがそれに従ってφ’に変化するという原理を利用する事でなされる。
【0049】具体的には、図7c に示すようにフィルム表面近傍(図中X近傍)ではあまり厚み変動がなく、フィルム裏面近傍(図中Y近傍)で厚み変動が大きければ、請求項1あるいは2に記載の軸外し異方性光散乱フィルム1を実現できる。
【0050】軸外し異方性光散乱フィルムは該異方性光散乱フィルムを膨潤させうる(A)実質的に透明な光重合性化合物が異方性光散乱フィルム中に浸透し、作製された屈折率の濃淡模様を膨潤させることを利用したものである。更に、浸透した化合物を硬化させることで、異方性光散乱フィルムの光散乱性を再現性よく変換させる偏向用光重合性組成物である。このような(A)光重合性化合物としては、ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物を少なくとも1つ以上含まれることが望ましい。また、固体の(A)光重合性化合物を用いる場合、それを溶解させる液体の(A)光重合性化合物と組み合わせて使用してもよい。(A)光重合性化合物は下記に示す化合物を1つ又は2つ以上を混合して使用してもよい。
【0051】ラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物の具体例として、具体的に液体化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどのジあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル類、またはエチルカルビトールアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3- フェノキシプロピルアクリレート、ω- ヒドロキシヘキサノイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2-(p- クロロフェノキシ) エチルアクリレート、2-(1- ナフチルオキシ) エチルアクリレート、o-ビフェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、p-ブロモベンジルアクリレート、ラウリルアクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、トリエチングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールモノアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールモノアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールモノアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-アクリロイルオキシエチル-2- ヒドロキシプロピルフタレート、2-ヒドオロキシ-3- フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-アクリロイルオキシハイドロゲンフタレート、2-アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、及びこれらアクリレートに対応するメタアクリレート、さらに、固体化合物としては、ポリエステルアクリレート、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート等の多官能アクリレート或いはこれらに対応するメタクリレート類のオリゴマー或いはポリマー等、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されるものでない。
【0052】(B)光重合開始剤としては、紫外光もしくは可視光を照射することによってラジカル重合を活性化させるラジカル種を発生する化合物1種類又は複数の化合物からなることを特徴とする。具体的には、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2-クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2- メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルメタン-1- オン、2-メチル-1-[4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-ベンジル-2- ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ヒドロキシ-2- メチル-1- フェニルプロパン-1- オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2- メチル-1- プロパン-1-オン、ビス( シクロペンタジエニル)-ビス(2,6- ジフルオロ-3-(ピル-1- イル)チタニウム、鉄アレーン錯体、トリハロゲノメチル置換s−トリアジン、芳香族オニウム塩等を挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0053】これら偏向用光重合性組成物は、必要に応じて適当な溶剤で希釈しても良いが、その場合には異方性光散乱フィルムあるいは基材上に塗布した後、乾燥を要する。上記溶剤としては、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0054】さらに請求項2あるいは3に記載の偏向用光重合性組成物には、必要に応じて公知の高分子結合剤、シランカップリング剤、可塑剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加剤を加えても良い。高分子結合剤は偏向用光重合性組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存安定性などを向上させるために使用される。高分子結合剤は光重合性化合物や光重合開始剤と相溶性のよいものであれば良く、その具体例としては、ポリスチレン、塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、アセチルセルロース、フェノキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは1つ又は2つ以上混合して使用しても良い。
【0055】(A),(B)成分を適宜選択し、任意の割合で混合して得た偏向用光重合性組成物を前記異方性光散乱フィルム上にスピンコーター、ロールコーター、バーコーター、などの公知の塗工手段を用いて塗布、あるいは前記偏向用光重合性組成物をガラス基板や、ポリエチレンテレフタレート(PET) 、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等のフィルム基材上に公知の塗工手段を用いて塗布したものを前記異方性光散乱フィルム上に積層し、十分な時間放置した後、紫外線または可視光で全面露光し、固定化させる。この時、加熱処理を同時または逐次行ってもよい。
【0056】偏向用光重合性組成物を未硬化または半硬化の異方性光散乱フィルム上に塗布あるいは積層し、硬化する手段として、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の全面露光などがあるが、これに限定されるものではない。また、同時または逐次にオーブンまたはホットプレートなどによる加熱を行ってもよい。
【0057】以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を挙げて説明する。
【0058】<実施例1>ウレタンアクリレート(アロニックスM−1200、東亜合成(株)製商品名)100重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(VISCOAT#310HP、大阪有機化学(株)製商品名)10重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、チバスペシャリティケミカルズ(株)製商品名)5.0重量部を2−ブタノン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。該感光液をPET フィルム(ルミラーS−10、東レ(株)製商品名)上に、バーコーター#16で塗布、乾燥して偏向用光重合性組成物とした。
【0059】異方性光散乱フィルム用材料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート1007、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(VISCOAT−310HP、大阪有機化学製(株)商品名)50重量部、グリシジルフェニルエーテル30重量部、および4,4’−ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート5.0重量部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.2重量部を2−ブタノン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。該感光液を青板ガラス(1.1mm厚、5インチ角)に、膜厚が約30ミクロンになるようにドクターブレードで塗布、乾燥し記録用媒体とした。該感光材料を、図6に示した光学系で、光源としてクリプトンイオンレーザー(413nm)をレンズを用いて広げた光ですりガラス15を介して、感光材料面から露光して異方性光散乱フィルムを記録した(傾斜角度19度)。半硬化である該異方性光散乱フィルムに偏向用光重合性組成物をラミネートし、85℃で5分間加温放置してから、高圧水銀灯で全面照射することによって硬化、定着した。さらに、硬化物をPET フィルム、ガラス基板から剥離することによって軸外し異方性光散乱フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは40ミクロンであった。
【0060】得られた軸外し異方性光散乱フィルムの散乱強度及び散乱光出射角度は以下のようにして測定した。測定条件は幅3 mmの白色光を試料に30°の角度で入射し、試料を中心とした半径20cmの円周上に設置した幅3mmのスリットを有するフォトマルチメーターを試料の周りの円周上を走査しながら試料からの散乱光強度と散乱角度を検出した。その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】<実施例2〜6>実施例1の偏向用光重合性組成物中のトリプロピレングリコールジアクリレートの代わりに、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート(M−120、東亜合成(株)製商品名)、フェノキシエチルアクリレート(VISCOAT#192、大阪有機化学(株)製商品名)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)(日本化薬(株)製)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(M−309、東亜合成(株)製商品名)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬(株)製)を用いて実施例1と同様の操作を行って、軸外し異方性光散乱フィルムを作製した。測定結果を表2に示す。
【0063】
【表2】

【0064】<実施例7〜11>実施例2−6の偏向用光重合性組成物中のウレタンアクリレート、アロニックスM−1200の代わりに、ポリエステルアクリレート(アロニックスM−7100、東亜合成(株)製商品名)を用いて実施例2−6と同様の操作を行って、軸外し異方性光散乱フィルムを作製した。測定結果を表3に示す。
【0065】
【表3】

【0066】<実施例12〜16>実施例2〜6の偏向用光重合性組成物に高分子結合剤としてアクリル樹脂(ダイヤナールBR−90、三菱レーヨン(株)製商品名)100重量部を添加して、実施例2−6と同様の操作を行って、軸外し異方性光散乱フィルムを作製した。測定結果を表4に示す。
【0067】
【表4】

【0068】<実施例17>実施例1に記載の光重合性組成物を偏向用光重合性組成物とした。異方性光散乱フィルム用材料として、ビスフェノール系エポキシアクリレート(リポキシVR60、昭和高分子(株)製商品名)100重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(VISCOAT−310HP、大阪有機化学製(株)商品名)50重量部および3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン7.5重量部、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)0.25重量部を2- ブタノン100重量部に混合溶解したものを感光液とした。該感光液を青板ガラス(1.1mm厚、5インチ角)に、膜厚が約70ミクロンになるようにドクターブレードで塗布、乾燥し記録用媒体とした。該感光材料を、図6に示した光学系で、光源としてアルゴンイオンレーザー(488nm)をレンズを用いて広げた光ですりガラス15を介して、感光材料面から露光して異方性光散乱フィルムを記録した(傾斜角度19度)。該異方性光散乱フィルムに偏向用光重合性組成物をラミネートし、85℃で5分間加温放置してから、高圧水銀灯で全面照射することによって定着した。さらに、硬化物をPET フィルム、ガラス基板から剥離することによって軸外し異方性光散乱フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは79ミクロンであった。測定結果を表5に示す。
【0069】
【表5】

【0070】
【発明の効果】異方性光散乱フィルムが所定角度範囲で入射する光に対しては光散乱が生じ、逆にそれとは垂直な光に対しては透明フィルムとして機能することにより、光散乱性に入射角度選択性を持ち、光散乱が生じる角度で光が入射した際に、その入射角度とは異なる方向へ強い散乱光を生じ、そのため散乱性を要する光と散乱性が不要な光とを、そのフィルムへの入射角度により分離し、且つ必要な散乱光を所望の方向へ偏向することができ、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく、装置正面での表示の明るさや細かさ、見易さやコントラストを向上し、且つ表示像のぼけを軽減させるなどの効果がある。
【0071】また、屈折率の異なる部分はフィルム表面と平行な面で見ると不規則に分布しているため、ホログラムで見られるような観察位置による出射光の色変化は生じない。加えて、光散乱が生じる入射角度で光が入射した際に、その散乱光の広がりが、縦横で異なるような散乱指向性をも併せ持つことが可能である。そのため、必要な方向にのみ散乱光を出射することができ、結果として表示装置に用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の明るさ、コントラストを向上させるなどの効果がある。
【0072】




 

 


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