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発明の名称 ホログラム反射板及びそれを用いた反射型液晶表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−188132(P2001−188132A)
公開日 平成13年7月10日(2001.7.10)
出願番号 特願2000−84(P2000−84)
出願日 平成12年1月4日(2000.1.4)
代理人
発明者 広瀬 喜一郎 / 溝渕 隆 / 高野 雅美
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】角度選択性を有する体積位相透過型ホログラムの背面に反射層を配置した構成のホログラム反射板において、前記ホログラム反射板の基材の少なくとも片面にバリアー層を設けたものであって、該バリアー層の水蒸気透過率が5ml/m2/24hr/atom以下であることを特徴とするホログラム反射板。
【請求項2】前記バリアー層が、金属酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする請求項1記載のホログラム反射板。
【請求項3】前記バリアー層が、請求項2記載の金属酸化物の蒸着膜の上にポリビニルアルコール共重合物と酸化珪素からなるゾルゲル塗布膜を形成して積層してなることを特徴とする請求項1記載のホログラム反射板。
【請求項4】前記バリアー層が、ポリ塩化ビニリデン樹脂の塗布膜又はポリ塩化ビニリデンフィルムからなることを特徴とする請求項1記載のホログラム反射板。
【請求項5】前記バリアー層が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなることを特徴とする請求項1記載のホログラム反射板。
【請求項6】請求項2〜5のいずれか1項に記載のバリアー層を透明プラスチックフィルムの片面に形成したバリアー性を有する基材を用いて、内面がバリアー層となるようにホログラム反射板の切断面の端部を被覆したことを特徴とする請求項1記載のホログラム反射板。
【請求項7】前記反射層が、アルミニウム(AL)蒸着膜からなり、その厚さが150Å以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のホログラム反射板。
【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載のホログラム反射板を液晶パネルの背面に配置してなる反射型液晶表示装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型液晶表示装置に係わり、特に、従来より明るい表示が可能であると共に、カラー表示に好適なホログラム反射板とその反射板を用いた反射型液晶表示装置に関する。応用分野としては、液晶時計、携帯電話などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルの背面に反射層を有する構成の反射型液晶表示装置が公知であり、近年では、前記表示装置に於いて、既存の金属反射層の代わりに反射型ホログラムを反射層として使用することが試みられている。反射型ホログラムを使用することにより、視域や反射方向を特定することができ、金属反射層に比べて、特定方向への明るい表示を図ることが可能となる。
【0003】また、液晶表示装置でのカラー表示を図る際には、従来より良く知られている顔料分散型などのカラーフィルターを液晶パネルと併用することが採用されているが、反射型の液晶表示装置では、カラーフィルターでの吸収などにより表示の明るさが低下する問題も発生している。
【0004】この反射板は時計や携帯電話に使用され。反射板の要求品質に反射特性とバックライト使用時の透過性を両立させる必要がある。反射板の透過率はアルミニウム(AL)蒸着の厚みで任意に設定できる。このALは耐湿性が問題となる。これは、ALが水分存在下で酸化が促進されるためである。ALは酸化されるとアルミナになり、透明になってしまう。そこで、耐湿試験の結果、透過率が上昇してしまう問題があった。このため、水分の進入を抑えたホログラム反射板が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、明るい表示(特に、明るいカラー表示)が可能であって、かつ耐湿性に優れたホログラム反射板及びそれを用いた反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、角度選択性を有する体積位相透過型ホログラムの背面に反射層を配置した構成のホログラム反射板において、前記ホログラム反射板の基材の少なくとも片面にバリアー層を設けたものであって、該バリアー層の水蒸気透過率が5ml/m2/24hr/atom以下であることを特徴とするホログラム反射板である。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載のホログラム反射板において、前記バリアー層が、金属酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載のホログラム反射板において、前記バリアー層が、請求項2記載の金属酸化物の蒸着膜の上にポリビニルアルコール共重合物と酸化珪素からなるゾルゲル塗布膜を形成して積層してなることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1記載のホログラム反射板において、前記バリアー層が、 ポリ塩化ビニリデン樹脂の塗布膜又はポリ塩化ビニリデンフィルムからなることを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1記載のホログラム反射板において、前記バリアー層が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなることを特徴とする。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1記載のホログラム反射板において、請求項2〜5のいずれか1項に記載のバリアー層を透明プラスチックフィルムの片面に形成したバリアー性を有する基材を用いて、内面がバリアー層となるようにホログラム反射板の切断面の端部を被覆したことを特徴とする。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のホログラム反射板において、前記反射層が、アルミニウム(AL)蒸着膜からなり、その厚さが150Å以上であることを特徴とする。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のホログラム反射板を液晶パネルの背面に配置してなる反射型液晶表示装置である。
【0014】<作用>本発明は、ホログラムとして、角度選択性を有する体積位相透過型ホログラムを採用し、前記ホログラムの背面の反射層をアルミニウム蒸着層で形成している。この基材としてポリエステルフィルムを初めとした平滑性に優れたプラスチックフィルムが用いられるが、これに蒸着されるアルミニウムは水分の存在下で酸化が進行し、反射機能が劣化する。本発明のホログラム反射板は、プラスチック基材に水蒸気バリア性を有する金属酸化物からなる蒸着膜及びフィルムを設けることによって、耐湿性が向上し、アルミニウム蒸着層の酸化による反射機能の劣化を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、一実施例として、本発明のホログラム反射板の実施形態につて図面を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明のホログラム反射板を用いた反射型液晶表示装置を示す概略断面図である。ホログラム反射板1は液晶パネル2の背面に配置されており、同図に示すように、そのホログラム反射板1は、角度選択性を有する体積位相透過型ホログラム6と反射層から構成される。ここで、反射層は基材10の片面にバリアー層9を設けこの上に金属反射層8を形成したものである。本発明におけるバリアー層は図1の(a)に示すように、バリアー層9は、金属反射層8と反対側の基材10面に設けても良いし、また図の(b)に示すように、基材10の両面に設けても良い。
【0017】本発明におけるバリアー層は、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物の蒸着膜、この金属蒸着膜にポリビニルアルコール共重合物と酸化珪素からなるゾルゲル塗布した膜、ポリ塩化ビニリデン樹脂塗布膜またはポリ塩化ビニリデンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなることを特徴とするものである。
【0018】金属酸化物の蒸着膜厚は構成材料により、様々だが100Å以上必要である。具体的にはSiO蒸着は100Å(この場合の水蒸気透過率が、40℃90%の条件下で3.5ml/m2/24hr/atom以下である。)、アルミナ蒸着は200Å(この場合の水蒸気透過率が、40℃90%の条件下で5ml/m2/24hr/atom以下である。)程度である。金属酸化物の蒸着膜の上に、さらにポリビニルアルコール共重合体と酸化珪素ゾルゲルコート処理することもできる。これによってさらに防湿性がアップする。(この場合の水蒸気透過率が、40℃90%の条件下で1ml/m2/24hr/atom以下である。)バリアー層として、ポリ塩化ビニリデン樹脂フィルムを用いる場合は、その膜厚が30μ(この場合の水蒸気透過率が、40℃90%の条件下で2ml/m2/24hr/atom以下である。)が望ましい。また、25μの厚さのPET基材に膜厚が3μのポリ塩化ビニリデン樹脂の塗布膜を形成した場合は、水蒸気透過率が、40℃90%の条件下で5ml/m2/24hr/atom以下である。また、バリアー層として、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用いる場合は、25μ(この場合の水蒸気透過率が、40℃90%の条件下で4ml/m2/24hr/atom以下である。) 以上の膜厚が必要である。本発明におけるバリアー層は、水蒸気バリアー性に優れることで、AL反射層の酸化及び腐食の防止対策となる。これにより、反射層の透過率の維持が可能となり、反射輝度の維持もはかれる。
【0019】また、本発明におけるAL蒸着膜からなる金属反射層の厚さが150Å以上であることを特徴とするものである。
【0020】また、本発明のホログラム反射板は、一例として図5の(a)、(b)に示すように、金属酸化物の蒸着膜、金属酸化物蒸着とポリビニルアルコール共重合物と酸化珪素からなるゾルゲル塗布膜、ポリ塩化ビニリデン樹脂塗布膜またはポリ塩化ビニリデンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの中から選ばれるバリアー層9を透明プラスチックフィルム22の片面に形成したバリアー性を有する基材21を用いて、内面がバリアー層となるようにホログラム反射板の切断面の端部を被覆したことを特徴とするものである。これによって、ホログラム反射板の切断面の端部からの水分の浸入による反射層の劣化を防止する【0021】次に、本発明のホログラム反射板を液晶パネルの背面に配置した反射型液晶表示装置について図1に基づいて説明する。液晶パネル2の前後には偏光フィルム3、4がそれぞれ配置されている。照明光11が外部より液晶表示装置に入射すると、まず1枚目の偏光フィルム3で1方向の偏光成分の光だけが液晶パネル2に到達し、液晶パネル2で表示パターンに応じて旋光された後、2枚目の偏光フィルム4に達する。
【0022】2枚目の偏光フィルム4を透過した光はホログラム反射板1に入射するが、ホログラム反射板1の液晶パネル2側は、角度選択性を有する体積位相透過型ホログラム6であり、ホログラム6の角度選択性により入射光はホログラム6で回折せずにそのまま透過する。ホログラム6を透過した光7はホログラム6の背面にある金属反射層8で正反射し、再びホログラム6に入射する。この入射光12は1回目の入射光7とは正負逆の入射角度でホログラム6に入射し、ホログラム6の持つ角度選択性と合致し、回折光13として特定角度で透過回折する。この回折光13は再び偏光フィルム4、液晶パネル2、偏光フィルム3を透過して、観察者の目14にパターン表示光として到達する。
【0023】図2は、本発明でのホログラム反射板での回折光と正反射光の違いを模式的に示したものである。また、図3は既存の金属反射層を用いた反射型液晶表示装置の反射光量分布19と本発明のホログラム反射板を用いた場合の反射光量分布20を比較して示した図である。金属反射層では、正反射方向への反射光(図1に示したホログラム反射板の構成評価のため表面反射を含む)の強度が最も強く、周辺に行くに従って正規分布状に弱まっていく。一方、本発明のホログラム反射板では、その作製方法で視域を制御できるため、図示したような光量分布となり、所定の視域範囲内で均一の明るさを保つことができ、しかも表面(正)反射方向とはずれた位置で観察できるため、光源からの表面(正)反射光を意識せずに見易く明るい表示が可能となる。
【0024】本発明において採用される体積位相透過型ホログラムは、通常の2光束ホログラム撮影光学系により、体積位相型ホログラム用感光材料を用いて記録することができる。
【0025】前記感光材料としては、重クロム酸ゼラチンや銀塩感光材料、フォトポリマーなどが使用でき、本発明では、AGFA社製ホログラム用銀塩感光材料8E56フィルムを用いた。
【0026】ホログラムの撮影記録は、公知の2ステップの撮影工程による。光源であるレーザーは、アルゴンイオンレーザー(波長;514.5nm)を採用した。まず、第1ステップとして拡散板(すりガラス)を被写体としたフレネルホログラムを撮影し、第2ステップでこのフレネルホログラムから再生した拡散板の実像をイメージタイプのホログラムとして再度撮影した。第2ステップでのホログラム撮影後、CWC2現像液で現像、PBQ2漂白液で漂白を行い、水洗乾燥して体積位相透過型ホログラムを得た。このホログラムの裏面ベース側に反射層として、散乱面を有するポリエステルフィルムやポリプロピレンフィルムなどに透明バリアー層を積層やコーティング、蒸着処理で行う。これにアルミニウムを蒸着(散乱反射面を有する箔状のアルミニウムをラミネートしても良い)し、本発明のホログラム反射板とした。
【0027】上記説明の応用として、2ステップ目の撮影の際に感光材料の手前近傍に所望のマスクパターンを配し、撮影波長を変える毎にマスクパターンをステップ移動して繰り返し撮影を行えば、カラーホログラム反射板も可能となる。あるいは、波長ではなく参照光角度を変化させても同様の効果が得られる。
【0028】また、上記説明では、拡散板を(被写体として)撮影したホログラムを用いたが、ホログラムレンズアレイとする場合には、屈折レンズアレイを被写体として上記と同様に撮影する。あるいは、ホログラムレンズアレイをEB描画装置等で描画したものをマスターホログラムとしてコンタクトコピー法などで体積位相透過型ホログラムとすることも可能である。
【0029】
【実施例】ここで、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0030】<実施例1>基材には、ポリエステルフィルムのダイレクトマットタイプ25μ(表面粗さ0.25、光沢度45)を使用した。この面に、SiO蒸着を100Å施した。この上面にAL蒸着を150Å実施して反射層を形成した。これに実施形態で示したような工程を行い、図4に示した構成のホログラム反射板を作製した。層構成の各層の厚さは、STN及びTN偏光板120μ、粘着材25μ、ホロ層15μ、粘着層25μ及びこの反射層であった。
【0031】<実施例2>実施例1同様の基材面に、アルミナ蒸着を500Å施した基材の上面にAL蒸着を150Å実施して反射層を形成した以外は実施例1と同様である。
【0032】<実施例3>SiO蒸着を100Åした後、SiO2ゾルとPVA混合物を10μ程度コーティングを施して防湿基材を形成する。次に、防湿形成面にAL蒸着を150Å施し反射層を形成した以外は実施例1と同様である。
【0033】<実施例4>実施例1と同様の基材にポリ塩化ビニリデン樹脂をコートを2μ施し、この上にAL蒸着を150Å行った以外は実施例1と同様である。
【0034】<実施例6>基材に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを25μを用い、この上にAL蒸着を150Å行った以外は実施例1と同様である。
【0035】<実施例7>従来のホログラム反射板を図6に示す。この形態の反射板の外側に水蒸気バリアー層として、実施例1〜6の透明バリアーフィルム何れかで端部を含めて覆うことで、図5に示した形態のホログラム反射板を作製した。
【0036】<比較例>実施例1と同様の基材に、アルミニウム蒸着を150Å行った反射面を形成して図6に示した構成のホログラム反射板を作製した。
【0037】上記で得られたホログラム反射板につて、60℃90%の条件で耐湿試験を行った。500時間経過した結果を表1に示した。
【0038】
【表1】

【0039】
【発明の効果】本発明により、明るい表示(特に、明るいカラー表示)を実現でき、かつ耐湿性に優れたホログラム反射板及びそれを用いた反射型液晶表示装置を提供することが可能となった。




 

 


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