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発明の名称 カラーフィルタおよびその製法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−183510(P2001−183510A)
公開日 平成13年7月6日(2001.7.6)
出願番号 特願平11−365598
出願日 平成11年12月22日(1999.12.22)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外7名)
【テーマコード(参考)】
2H048
【Fターム(参考)】
2H048 BA11 BA45 BB14 BB24 BB42 
発明者 糸井 健 / 伊藤 慎次 / 谷 瑞仁
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 黒色樹脂組成物を硬化させてなるブラックマトリクスと、着色層とを有するカラーフィルタにおいて、前記黒色樹脂組成物が、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を、複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル内で加熱しながら分散処理して得られたものを含有することを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項2】 樹脂が(メタ)アクリル酸エステル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項3】 (メタ)アクリル酸エステル系樹脂の平均分子量が500〜50000であることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ。
【請求項4】 黒色樹脂組成物が、光重合モノマーと、光重合開始剤をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
【請求項5】 黒色樹脂組成物が、光酸発生剤と、架橋剤をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
【請求項6】 黒色樹脂組成物が、光重合モノマーと、ジアゾ系またはアジド系化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
【請求項7】 チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を、複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル内で加熱しながら分散処理して黒色樹脂組成物を調製し、基板上に前記黒色樹脂組成物からなるブラックマトリクスを形成し、さらに、着色層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、電子表示装置等の表示材料に使用されるカラーフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置、電子表示装置等の表示材料に使用されるカラーフィルタは、通常、赤、緑、青の色画素をモザイクまたはストライプ状に配列したフィルタである。この色画素の周囲には、よりコントラストの良好な画像を得るためにブラックマトリクスと称する黒色画素が形成されている。アクティブ型表示装置においては、このブラックマトリクスによって不要な光を除去できるので、スイッチング素子の誤作動を低減することができる。このようなブラックマトリクスは、従来、ガラス基板上に蒸着法、スパッタ法などで設けた金属薄膜をフォトリソグラフィー法により微細パターン化することにより形成されている。具体的には、例えば、クロム薄膜上にフォトレジストを塗布、乾燥し、フォトマスクを介して紫外線を照射し、現像することによりレジストパターンを形成し、さらにエッチング工程とレジスト剥離工程を経てブラックマトリクスを形成する。
【0003】しかしながら、このような方法によるブラックマトリクスの形成は、その工程が煩雑であるために時間を要し、コストが高い。また、遮光膜となるブラックマトリクスにクロム膜を使用するために反射率が高い。さらに近年では、環境安全性も考慮されるようになり、ブラックマトリクスの形成は、カーボンブラックを含有した薄膜による手法に代わりつつある。この手法は、カーボンブラックを感光性樹脂組成物中に配合し、この樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して黒色被膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法により微細パターン化するものである。ところが、カーボンブラックは遮光性が他の有機顔料に比べて高いものの、導電性を有し、遮光性を挙げるため感光性樹脂中にカーボンブラックをあまり多く添加すると、形成されたブラックマトリクス自体も導電性を有してしまう。そのため、これらの材料を用いてカラーフィルタを製造した場合、液晶駆動電極と導通、またはブラックマトリクスを通じて電界が動作する等の不具合が生じてしまうため、さらに厚い絶縁性の膜あるいは電界遮断膜を形成する必要があるという欠点が生じていた。このような不具合を解決するため、例えば特開平1−141963号公報には、チタンの酸化物もしくは酸窒化物を用いた被覆組成物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この被覆組成物は体積抵抗率が106 Ω・cm以上であるとされているが、チタンの酸化物もしくは酸窒化物を含む組成物は、オーミックな挙動を示さず、印加電圧が高いほどその体積抵抗率が低くなる傾向がある。そのため、印加電圧が極めて低い場合にはこのような高い体積抵抗率が得られても、液晶表示装置等のデバイスに印加される3〜30Vの電圧下での体積抵抗率はこれより低くなり、絶縁破壊を起こす可能性がある。また、この組成物中においてチタン酸化物や酸窒化物の分散安定性が不良であり、特にアルカリ現像に際してアルカリバインダーを配合した場合、強い凝集性を示すという問題もあった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、分散安定性が良好であり、紫外線露光に対して高感度で、アルカリ水溶液による現像が可能な黒色樹脂組成物から形成されたブラックマトリクスを有し、このブラックマトリクスをなす硬化膜が電気的高抵抗性、高遮光性を有し、耐薬品性、耐熱性、基板との密着性に優れ、さらに膜強度が高く低反射率であるカラーフィルタを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。本発明のカラーフィルタは、黒色樹脂組成物を硬化させてなるブラックマトリクスと、着色層とを有するカラーフィルタにおいて、前記黒色樹脂組成物が、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル内で、加熱しながら分散処理して得られたものを含有することを特徴とする。黒色樹脂組成物に使用される上記樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂であることが好ましい。上記(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の平均分子量は500〜50000であることがことが好ましい。上記黒色樹脂組成物は、光重合モノマーと、光重合開始剤をさらに含むスラリー溶液であることが好ましい。または、上記黒色樹脂組成物は、光酸発生剤と、架橋剤をさらに含むスラリー溶液であることが好ましい。あるいは、上記黒色樹脂組成物は、光重合モノマーと、ジアゾ系またはアジド系化合物をさらに含むスラリー溶液であることが好ましい。本発明のカラーフィルタの製法は、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を、複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル内で加熱しながら分散処理して黒色樹脂組成物を調製し、基板上に前記黒色樹脂組成物からなるブラックマトリクスを形成し、さらに、着色層を形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。本発明のカラーフィルタは、黒色樹脂組成物を硬化させてなるブラックマトリクスと、着色層とを有し、前記黒色樹脂組成物は、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を含有する。黒色樹脂組成物に使用されるチタンブラックは、通常、黒色の色剤として使用されるチタン化合物であり、低次酸化チタン、酸窒化チタン等が挙げられる。低次酸化チタンとしては、例えば、特公昭52−12733号公報に記載の、二酸化チタンと金属チタン粉末を真空または還元雰囲気中で550〜1100℃で加熱して得られるTin 2n-1(nの正の整数)で示される黒色系の化合物や、特開昭64−11572号公報に記載の、含水二酸化チタンと金属チタン粉末を、珪素、アルミニウム、ニオブ、タングステン等を含む化合物からなる焼成処理補助剤の存在下、不活性雰囲気中で加熱して得られる化合物が挙げられる。酸窒化チタンとしては、例えば、特公平3−51645号公報や特公平2−42773号公報に記載の、二酸化チタンや水酸化チタンの粉末をアンモニア存在下、550〜950℃程度の温度で還元して得られる黒色系の化合物が挙げられる。その他に、特公平3−29010号公報に記載の、バナジウムを二酸化チタン等に付着させ、アンモニア存在下、750〜875℃で還元して得られる黒色系の化合物も挙げられる。
【0008】チタンブラック微粒子の粒径は特に限定はないが、通常0.01〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.2μmのものが使用される。また、スラリー溶液においては、チタンブラック微粒子の重量割合はスラリー溶液中の固形分、すなわち溶媒を除く成分の総量中30〜70重量%であることが好ましく、さらに好ましくは40〜60重量%である。30重量%未満では十分な遮光性や着色性が発揮できなくなる場合があり、一方70重量%を超えると被膜強の低下、分散安定性及び現像時のパターニング性の低下などを引き起こす場合がある。
【0009】黒色樹脂組成物に使用される樹脂としては、特に限定はないが、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メクリル酸ヒドロキシエチル、メクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アタクリル酸系モノマー;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の各種モノマーから構成される樹脂が挙げられる。樹脂はこれらのモノマーの1種からなる重合体でも、2種以上のモノマーからなる共重合体でもよいが、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が好ましい。樹脂の平均分子量は特に限定はないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の場合には、数平均分子量が500〜50000程度が好ましく、より好ましくは1000〜30000程度である。数平均分子量が500未満では現像されやすく密着性が悪い場合があり、50000を超えると、現像性が低下し解像性が悪くなる場合がある。
【0010】黒色樹脂組成物に使用される溶媒は、チタンブラック微粒子と樹脂を良好に分散させることができれば、水溶性または非水溶性の各種のものを使用することができ、使用される樹脂の種類等に応じて適宜選択される。溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル等のグリコールないしその誘導体類;グリセロール、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のグリセロールないしその誘導体類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナフタレン、デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、トルエン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水添されたトリフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェニル、クロロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素類、ダイルロル(ダイキン工業(株)製)、デムナム(ダイキン工業(株)製)等のふっ化物類、安息香酸エチル、安息香酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル等のエステル化合物類等が挙げられ、これらは適宜選択され、単独でまたは2種以上組み合わせて使用される。
【0011】スラリー溶液においては、チタンブラック微粒子100重量部に対して、樹脂が5〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜30重量部である。樹脂が5重量部未満であると、チタンブラック微粒子の表面性状を十分に改質できない場合があり、一方50重量部を超えると樹脂の量が多すぎるため、遮光性、着色性等のチタンブラックが本来有する特性を損なう場合がある。溶媒の量は樹脂の種類によっても異なるが、樹脂100重量部に対し300〜2000重量部が好ましく、より好ましくは500〜1000重量部である。溶媒量が300重量部未満であると溶液の粘度が高く、スラリー溶液を撹拌し分散処理することが困難となる。一方溶媒量が2000重量部を超えると、充分な撹拌力を与えても、樹脂によるチタンブラック微粒子の表面性状改質が十分に進まない場合がある。
【0012】本発明のカラーフィルタに使用される黒色樹脂組成物は、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を、複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル内で、加熱しながら分散処理して得られる。このような条件下で分散処理することによって、得られる黒色樹脂組成物は、分散安定性に優れ、凝集による沈降が防止される。また、分散体の粘性低下、構造粘性の低下、色別れ防止等の特性面、また基板面に塗布した際の膜の密着性、被膜の電気的高抵抗性、高遮光性、膜強度等の特性面に関しても著しい改善が見られる。
【0013】図1はここで好ましく使用される攪拌装置の一例である連続式攪拌装置10である。この攪拌装置10は、被処理流体を収容する横型のベッセル11と、このベッセル11の中心部に略水平に設けられた攪拌軸12aと、攪拌軸12aに対して略垂直であって、かつ、互いに所定の間隔をあけて装着された円盤状の複数の攪拌翼12bと、前記ベッセル11の外周壁に巻装されたリボンヒーター13から概略構成されている。前記攪拌軸12aの一方の末端は、ベッセル11の側面に設けられた挿通孔11aからベッセル11の外部へと挿通されている。この末端はベッセル11の外部に設けられた図示略の駆動装置に接続されていて、攪拌軸12aを外部から回転させることができるようになっている。また、ベッセル11内には熱電対14が備えられていて、被処理流体の加熱温度を測定できるようになっている。さらにベッセル11の下部には流体導入口15aが設けられ、この導入口15aから連続的に供給された被処理流体は、ベッセル11の中心に対して流体導入口15aと略対称の位置に設けられた流体導出口15bから導出される。また、流体導入口15aには逆止弁15cが備えられていて、被処理流体が流体導入口15aからベッセル11の外部へと逆流しないようになっている。
【0014】この連続式攪拌装置10のベッセル11内には、より効率的に被処理流体を攪拌、分散させるために、粒状攪拌メディアとして多数の球状ビーズ16が充填されている。流体導出口15bの近傍には、球状ビーズ16が被処理流体とともに流体導出口15bからベッセル11の外部へと排出されないように、メディアセパレータ17が配置されている。このメディアセパレータ17は、外周がベッセル11の内周壁に略垂直に固定されている円環状の固定板部17aと、攪拌軸12aに略垂直に装着されている回転円盤部17cから構成されている。この固定板部17aと回転円盤部17cは、球形ビース16の粒径よりも小さく、かつ、被処理流体は容易に通過できるような間隙17bを介して配置されている。
【0015】このような攪拌装置10のベッセル11内に、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を流体導入口15aより連続的に導入し、攪拌軸12aを回転させ、リボンヒータ13に通電してベッセル11を加熱する。攪拌軸12aの回転によって、ベッセル11内のスラリー溶液は回転する攪拌翼12bから剪断力を受けるとともに、ベッセル11内に充填されている複数の球形ビース16からも剪断力を受ける。すなわち、これらの球形ビーズ16は攪拌翼12bの回転により、個々に回転運動や旋回運動を行ったり、相互に接触したり衝突したりして、スラリー溶液に様々な方向に様々な大きさの剪断力を与える。また、この際、スラリー溶液はリボンヒータ13により所定の温度まで加熱されている。このように、加熱されたスラリー溶液が様々な剪断力を受けることによって、スラリー溶液中で2次凝集状態にあったチタンブラック微粒子は1次粒子へと個々に解砕、分離される。そして1次粒子となったチタンブラック微粒子は、樹脂溶液中に均一に分散されていくと同時に、樹脂との接触面積が向上する。そのため、チタンブラック微粒子表面が樹脂によって効率的に表面処理される。その結果、流体導出口15bから導出されるスラリー溶液は、導出直後の分散状態が良好であるのみならず、その分散状態が長時間にわたって安定するものとなる。
【0016】ここで、スラリー溶液が加熱される温度は、使用される樹脂の種類等によって左右されるため一概には規定できないが、通常40〜150℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃程度である。加熱温度が40℃未満では、チタンブラック微粒子の表面性状の改質が不十分であり、150℃を超えると撹拌分散系の制御や維持が困難となる。スラリー溶液の加熱時間も使用される樹脂の種類等に応じて適宜設定できるが、通常1〜10時間、好ましくは5〜7時間である。また、分散処理においてスラリー溶液に加わる剪断応力は、特に限定されるものではないが、通常102 Pa以上、好ましくは103 Pa以上、特に好ましくは104Pa以上である。
【0017】このようにスラリー溶液を複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル11内で、加熱しながら分散処理することによって、得られるスラリー溶液の分散性は向上し、かつ、その優れた分散性は長時間維持される。このような作用効果が得られる詳細な理由は明らかではないが、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒とを単純に撹拌混合してもこのような優れた効果は得られない。そのため、粒状攪拌メディアを用いた効率的な分散処理が加熱下で行われることによって、チタンブラック1次粒子の樹脂による表面処理が効果的に進行し、さらには加熱下で活性な状態にあるチタンブラック1次粒子と樹脂の間に、化学的またはメカノケミカルな何らかの反応が生じ、その結果、このような優れた効果が得られると考えられる。
【0018】スラリー溶液の分散処理に使用される攪拌装置としては図1のような連続式攪拌装置10に限らず、図2に示すような回分式攪拌装置20を使用してもよい。この攪拌装置20は、被処理流体を収容する縦型のベッセル11と、このベッセル11の中心部に略垂直に設けられた攪拌軸12aと、攪拌軸12aに対して略垂直な放射状であって、かつ、互いに所定の間隔をあけて多段に装着された複数のピン状の攪拌翼12bと、ベッセル11の内周壁に攪拌軸12aに向かって放射状かつ多段に固定された複数のピン状の邪魔板22と、前記ベッセル11の外周壁に設けられた加熱ジャケット23から概略構成されている。前記攪拌軸12aの一方の末端は、ベッセル11の上壁面に設けられた挿通孔11aからベッセル11の外部へと挿通されている。この末端はベッセル11の外部に設けられた図示略の駆動装置に接続されていて、攪拌軸12aを外部から回転させることができるようになっている。また、前記攪拌翼12bと邪魔板22とは、攪拌翼12bが回転した場合に互いに接触しないように適宜間隔をあけて設けられている。前記加熱ジャケット23には、加熱ヒータ24を備えた熱媒タンク25と熱媒循環ポンプ26を具備してなる循環管路28が接続されていて、循環する熱媒27によってベッセル11内の被処理流体を加熱できるようになっている。その際のベッセル11内の温度は熱電対14で測定できるようになっている。さらに、この回分式攪拌装置20のベッセル11内には、図1に示した連続式攪拌装置10と同様に、より効率的に被処理流体を攪拌、分散させるために、粒状攪拌メディアとして多数の球状ビーズ16が充填されている。この攪拌装置20を使用して所定時間分散処理を行った場合においても、上述の連続式攪拌装置10を使用した場合と同様の効果が得られ、取り出し直後の分散状態が良好であり、かつ、その分散状態が長時間にわたって安定するスラリー溶液が得られる。
【0019】なお、ここで使用する攪拌装置は、上記に示した連続式攪拌装置10および回分式攪拌装置20に限定されない。例えば、被処理流体を加熱するための加熱装置としては、被処理流体を有効に加熱できるものであれば任意の様式のものを使用でき、熱媒循環方式、リボンヒーターの他、セラミックスヒーター、赤外加熱方式、高周波誘導加熱方式、コイルヒーター等を採用することが可能である。またその配置位置も、攪拌子の回転に支障をきたさない限りベッセル11内に配置してもよい。例えば、ベッセル11の内周壁、攪拌翼12b、攪拌軸12aまたは邪魔板22に取り付けてもよいが、装置の構造面や温度制御の面から、ベッセル11の外周壁に加熱装置を配置するのが好ましい。また、この装置において、加熱装置以外の攪拌装置の基本的構成も特に限定されず、連続式でも回分式でもよい。また、ベッセル11の材質、形状、攪拌翼12bの材質、形状や配置位置、粒状攪拌メディアの材質、形状および粒径等についても特に限定されるものではなく、スラリー溶液中のチタンブラック微粒子の化学的性質、比重、粒度等の物理的性質等や、スラリー溶液に要求される性状に応じて、適宜設定できる。
【0020】ベッセル11としては、アルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属等を一種あるいは二種以上用いて構成されるものが使用される。ベッセルの形状としては、横型または縦型の円筒型、円錐型、半円筒型等のものや、例えば特公平2−27018号公報に開示される断面W字状のもの、ダイアモンドファインミル(三菱重工業株式会社製)等で用いられているようなコ字型のものが挙げられる。さらには、例えば特公平6−73620号公報に開示の、ベッセルとその底部に配されたローターから構成され内部に粒状メディアを収容してなる室が、より大きな容器体内部に配置されている分散装置であり、被処理流体がローターの作用で室の内外を対流するものなど、各種の様式のものとすることができる。また攪拌翼12bの材質としては、ベッセル11と同様、アルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属等が適宜選択される。この材質はベッセル11の材質と異なっていても何等さしつかえない。また、形状としては、例えば、上記した円盤状(デスク型)、ピン状以外に、デスクタービン型、ファンタービン型、プロペラ型、螺旋軸翼型、螺旋帯翼型、ゲート型、アンカー型、円筒状、パドル型等各種の形状のもの、さらにはこれらに通液性の孔を形成するなどの改良を付したものなどを、単一または多段に配したものを使用できる。また、この攪拌翼12bの形状に応じて、適当な形状を有する邪魔板22や固定子を設けてもよい。さらにこのような攪拌翼12bが装着された攪拌軸12aは、ベッセル11と共軸的に配するもののみならず、ベッセルの中心軸より変位させて、あるいは2軸もしくは多軸に配置することも可能である。
【0021】粒状攪拌メディアとしては、アルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステンカーバイドなどの各種セラミックス、各種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属から構成される球状、円筒状、回転楕円体状等の形状のものが用いられる。これらは、処理されるチタンブラック微粒子や樹脂溶液の種類、ベッセルや攪拌子の形態等に応じて、適宜選択できるが、特にアルミナ、ジルコニア、鋼およびクロム鋼などの材質から構成される球状のビーズが好ましく使用され、このビーズの直径は、通常、直径0.05〜20mm程度、好ましくは0.1〜5mmである。また、これらの粒状攪拌メディアのベッセル11への充填割合は、ベッセル11や攪拌子の形態等によっても左右され特に限定されないが、例えばベッセル11の有効容積の20〜90体積%、より好ましくは30〜80体積%とされる。なお、充填割合が極端に少ないと、二次凝集状態にあるチタンブラック微粒子の解砕やチタンブラック微粒子の樹脂による表面改質が不十分となる場合がある。一方充填割合が極端に多いと、粒状メディアが磨耗し、スラリー溶液のコンタミネーションが増大する恐れがある。
【0022】黒色樹脂組成物には、チタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液を複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル11内で加熱しながら分散処理して得られたもの以外に、さらに他の成分が含まれてもよい。例えば、光重合モノマーと光重合開始剤、もしくは架橋剤と光酸発生剤、もしくは光重合モノマーとジアゾ系、アジド系化合物等があげられる。また、アルカリバインダー樹脂等をさらに含有してもよい。さらには、黒色樹脂組成物の粘度や分散性を適宜調節するために、スラリー溶液中の溶媒と同じ種類か、または他の種類の溶媒がさらに含まれていてもよい。
【0023】光重合モノマーとしては、単官能モノマーとして、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアセテート、2官能モノマーとして、2−エチル−2−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンメタクリレート、デカメチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジアリルフマレート、トリプロピレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、特に好ましくは、2−ブチルプロパンジオールジアクリレート、3官能モノマーとしてはポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアナート、トリエチレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、特に好ましくは、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、多官能モノマーとして、トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、特に好ましくは、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。これらの光重合モノマーの添加量は、特に限定されるものではないが固形分総量の1〜10重量%が好ましい。1重量%未満では十分な感度が得られず、多くの露光量をかけなければならない。一方10重量%を超えると経時安定性の低下やパターン形状不良などの問題が発生する。
【0024】光重合開始剤としては、既知のすべての化合物を使用することが可能である。例えば、ベンジル、アセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン等のアシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエチルキサントン、チオキサントン−4−スルフォン等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシアセトフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン類およびアントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、トリブロモメチルフェニルスルフォン、フェナンシルクロライド、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−フェニルアクリジン、チオキサントン/アミン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ベンジルジメチルケタール、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。特に好ましくはトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、α,α’−ジメトキシアセトキシアセトフェノンが挙げられる。これらの光重合開始剤は、その総量が光重合モノマーに対して0.5〜40重量%となるような量で使用することが好ましい。0.5重量%未満では感度を得られにくく、40重量%を超えると結晶の析出による硬化不足等の原因となるためである。
【0025】光酸発生剤としてはトリアジン系化合物、オニウム塩系化合物がある。トリアジン系化合物としては、ピペロニル−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメリル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチール)−s−トリアジン等が挙げられる。オニウム塩系化合物としてはジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホロネーート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニル−フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニル−フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートなどが挙げられる。
【0026】架橋剤としては、N−メチロール構造を有するものが用いられ、例えばメチロール化尿素、尿素樹脂、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン、メチロール化グアナミン、あるいはこれらの化合物のアルキルエーテルを用いることができ、熱安定性が高いという点からアルキルエーテル化合物がより好ましい。このアルキルエーテルのアルキル基としては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。特に、このアルキルエーテル化合物としては感度の点からヘキサメチロールメラミンのアルキルエーテル化合物がより好ましい。上記架橋剤は、露光後発生した酸素存在下での加熱により、樹脂と架橋反応を起こしパターン形成する。
【0027】ジアゾ系化合物としては、p−ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド縮合物とヘキサフルオリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩、p−トルエンスルホン酸、もしくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸との反応により得られたジアゾニウム塩がある。アジド系化合物としては4,4’−ジアジドスチルベン、4,4’−ジアジドベンゾフェノン、4,4’−ジアジドカルコン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、p−フェニレンbis−アジドがある。
【0028】アルカリバインダー樹脂としては、公知の高分子化合物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等)の単独または共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレンと無水マレイン酸等の不飽和二塩基酸無水物との共重合体等がある。また分子中にカルボキシル基、水酸基、アミノ基、カルボン酸アミド基、スルフォン酸アミド基等を含む高分子化合物があるが、これらに何ら限定されるものではない。これらのバインダー樹脂の添加量は、固形分総量の10〜43重量%が好ましい。10重量%未満では基板とのパターン強度が低下し、一方43重量%を超えると樹脂層の粘着性が強固になり、現像性低下の原因となるためである。
【0029】スラリー溶液にさらに添加される溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のセルソルブ類及びこれらの酢酸エステル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、およびエタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類が挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して使用してもよい。このような溶媒の使用量は特に限定されないが、最終的に得られる黒色樹脂組成物中の固形分に対し、溶媒の総量が50〜200重量%となるが好ましい。
【0030】これらの成分は、複数の粒状攪拌メディアの存在する撹拌装置のベッセル11内で加熱しながら分散処理されたチタンブラック微粒子と樹脂と溶媒を含むスラリー溶液に、適宜添加される。こうして得られたスラリー溶液を、ディゾルバー型撹拌機、ターボ型撹拌機、二軸式撹拌機等の撹拌機を用いて混和したり、または、二本ロールミル、三本ロールミル、サンドミル、ペイントシェーカー等の分散機を用いて混練したりすることによって黒色樹脂組成物が得られる。
【0031】次に、このようにして得られた黒色樹脂組成物を用いてブラックマトリクスを形成する工程について図面を用いて説明する。まず、図3(a)に示すように、基板31上に黒色樹脂組成物をバーコート法、ロールコート法、スピンナー法、あるいはカーテンコート法などを用いて、均一に塗布し黒色樹脂層32を形成する。この場合、必要に応じて、70〜100℃程度の温度に加熱して乾燥させても良い。次いで、マスクパターン33を用いてブラックマトリクスを形成する箇所のみに紫外線を照射して露光を行い(図3(b))、ラジカル重合させて露光硬化部32aを形成し、その後ホットプレート34を用いて加熱する(図3(c))。露光には、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を使用する。その後、図3(d)に示すように、アルカリ水溶液を現像液として、未露光部32bの黒色樹脂層を除去して、ブラックマトリクス35を形成する。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどの無機アルカリ溶液、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイドなどの第四級アンモニウム塩などを用いることができる。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系極性溶剤なども用いることができる。また、上記現像液には、必要に応じて、他の添加剤、例えば、界面活性化剤、湿潤剤、有機溶剤などを添加しても良い。
【0032】ブラックマトリクスの形成後、公知の方法で着色層を形成してカラーフィルタを得る。着色層の形成は、まず、赤、青、緑いすれか一色の顔料を含む感光性樹脂組成物をブラックマトリクスパターン上に、スピンコータ等で全面に塗布し、ベークし、パターン露光する。露光後、アルカリ水溶液により現像して赤、青、緑いすれか一色の着色パターンを形成する。ついで、その他の2色の顔料をそれぞれ含む感光性樹脂組成物を用いて、上記と同様の方法を繰り返して着色パターンを形成し、赤、青、緑の着色パターンを形成する。
【0033】このようなカラーフィルタは、分散安定性が良好であり、紫外線露光に対して高感度で、アルカリ水溶液による現像が可能な黒色樹脂組成物から形成されたブッラクマトリクスを有し、このブラックマトリクスをなす硬化膜が電気的高抵抗性、高遮光性を有し、耐薬品性、耐熱性、基板との密着性に優れ、さらに膜強度が高く低反射率である。したがって、このブラックマトリクスを有するカラーフィルタは極めて優れた特性を発揮することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して具体的に説明する。なお実施例中、「部」は重量部を「%」は「重量%」とする。
[実施例1]
1.重合体溶液(1)の製造撹拌羽根、不活性ガス導入管、還流冷却管、温度計および滴下漏斗を備えたセパラブルフラスコに溶媒としてシクロヘキサノン200部を仕込み、N2 気流下で80℃に昇温した。ブチルメタクリレート50部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、メチルメタクリレート10部、メタクリル酸20部、開始剤としてアゾイソブチロニトリル3部およびシクロヘキサノン100部を混合し溶解させたものを滴下漏斗に仕込み、3時間にわたり80℃に保ちながら滴下を行い、さらに2時間重合反応を進めた後、冷却して取り出し、重合体溶液(1)(不揮発分25%)を得た。
2.チタンブラック分散液の製造チタンブラック13R(三菱マテリアル(株)製)1kgをヘンシェルミキサーにて10分間解砕した。次に図2に示すような構成を有する攪拌装置(ベッセル内容量1.2リットル)に、粒状攪拌メディアとして直径1mmのジルコニア製ビーズ2kgを充填し、上記で得られた解砕チタンブラック300部と、重合体溶液(1)216部、シクロヘキサノン30部を仕込んだ。ついで予め加熱しておいた熱媒を循環させることにより、ベッセル内部を100℃に昇温し、ディスクの外周速度10m/sで2時間運転を行った後冷却し、ジルコニア製ビーズを分離してチタンブラック分散液(1)を得た。
【0035】3.感光性黒色樹脂層の形成得られたチタンブラック分散液(1)35部、BMA/MMA/HEMA/MAA共重合体(Mw=50000)10部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート2.5部、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン1.5部、シクロヘキサノン51部およびガラスビーズ100部をガラス瓶に入れ、ペイントシェーカーにて2時間分散して感光性黒色樹脂分散液(1)を作成した。この感光性黒色樹脂分散液(1)をスピンナーにより、1000rpm、5秒でガラス基板上に塗布し、乾燥後、黒色樹脂層(1)を形成した。
4.露光3kW超高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 の露光量で、マスクパターンを介して露光を行った。
5.現像1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、基板を回転させながらシャワーを噴霧する方式で60秒間現像を行い、未露光部の黒色樹脂層を除去して、ブラックマトリクスを形成した。
6.評価評価は厚さ1mmの塗膜形成後のOD値、マスク露光しパターニンングした際の解像性、塗膜の表面平滑性、JIS規格(C2103−1991)の体積抵抗値試験に準じた方法での抵抗値、反射率を測定した。表1に得られた評価結果を示す。
【0036】7.着色層の形成一方、2−エチルヘキシルアクリレート40g、メチルメタクリレート40g、メタクリル酸、シクロヘキサノン300g、アゾビスイソブチロニトリル0.5gを窒素気流中で攪拌しながら80℃で5時間加熱反応させ、粘稠な液体を得た。この液体100gに対して、青色顔料(BASF社製、フタロシアニンブルー)25g、分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)5g、シクロヘキサノン100g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20g、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン3g、ビイミダゾール誘導体(保土ヶ谷化学(株)製、B−CIM)5gを加え、青色感光性樹脂組成物を得た。また、青色顔料のフタロシアニンブルーに代えて、赤色顔料(チバガイギー(株)製、アントラキノンレッド)を用いて赤色感光性樹脂組成物を得、さらに、緑色顔料(ヘキスト社製、フタロシアニングリーン)を用いて緑色感光性樹脂組成物を得た。次に、上記で得られたブラックマトリクスパターン上に、青色感光性樹脂組成物をスピンコータを用いて乾燥膜厚1.5μmになるように全面に塗布し、80℃でベークし、ニコン社製アライナーにより超高圧水銀灯で露光量100mJ/cm2 になるようにパターン露光した。露光後、0.5%水酸化ナトリウム水溶液により現像して青色パターンを形成し、さらに同様にして赤色感光性樹脂組成物を全面に塗布し、同様にしてパターン露光して赤色パターンを形成し、赤、青、緑の着色パターンを形成した。
【0037】
【表1】

【0038】[比較例1]アクリル樹脂(メタクリル酸20部、ヒドロキシエチルメタクリレート15部、メチルメタクリレート10部、ブチルメタクリレート55部をエチルセルソルブ300部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスニトリル0.75部を加えて、70℃、5時間反応させて得られたアクリル樹脂)を樹脂濃度20重量%になるようにエチルセルソルブで希釈した。このエチルセルソルブ希釈液30gと黒色顔料のチタンブラック13R(商品名:三菱マテリアル製)20g、分散剤 ソルスパース20000(商品名:ゼネカ製)3g、エチルセルソルブ30gを添加してビーズミル分散機で冷却しながら1.5時間分散した。この着色樹脂100gに対し光重合性モノマーとしてトリメチロープロパントリアクリレート4.0gと光重合開始剤としてピペロニル−s−トリアジン5g及び溶剤としてエチルセルソルブ100gを加え良く撹拌して遮光膜形成用着色組成物を作製した。この遮光膜形成用着色組成物を両面Cr蒸着された基板の片面に800rpmでスピンコートし、1.05μmの膜厚を得た。塗膜の乾燥後端面をアセトンで拭き取り更に230℃、30分の焼成後、両面のCrを銀ペーストで短絡し、体積抵抗値測定用基板とした。この基板をJIS規格(C2103−1991)の体積抵抗率試験に準じた方法で抵抗を測定したところ109 Ωcm以上であった。しかし透明ガラス基板上に厚さ1.0μmの塗膜を形成し、光学濃度を測定したところ2.3と極度に低い値を示した。また上記同様に透明ガラス基板上に塗膜を形成し、また透明ガラス基板上に厚さ1.2μmの塗膜を形成し、70℃15分プリベークを行った後、画素部が遮光されたマスクを介して精度良くアライメントを行った後、露光(100mJ/cm2 )し、2.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像後よく水洗した。水洗乾燥後、230℃、30分焼成を行いブラックマトリクスパターンを得たが、解像性、表面平滑性が悪く、また黒色組成物自体の分散安定性も悪かった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明のカラーフィルタは、分散安定性が良好であり、紫外線露光に対して高感度で、アルカリ水溶液による現像が可能な黒色樹脂組成物から形成されたブッラクマトリクスを有し、このブラックマトリクスをなす硬化膜が電気的高抵抗性、高遮光性を有し、耐薬品性、耐熱性、基板との密着性に優れ、さらに膜強度が高く低反射率である。したがって、このブラックマトリクスを有するカラーフィルタは極めて優れた特性を発揮することができる。




 

 


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