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発明の名称 フィルムの温度測定方法及びその測定系を搭載した成膜装置及び成膜方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−153728(P2001−153728A)
公開日 平成13年6月8日(2001.6.8)
出願番号 特願平11−339682
出願日 平成11年11月30日(1999.11.30)
代理人
発明者 山本 恭市 / 原田 隆宏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】背面より加熱されたフィルム表面から放射される赤外線を、放射温度計で測定するフィルムの温度測定方法であって、前記フィルム表面と放射温度計との間に該フィルムの赤外線吸収波長帯のみを通過させる光学部品を設けたことを特徴とするフィルムの温度測定方法。
【請求項2】前記請求項1記載のフィルムの温度測定方法の測定系を、該フィルム表面に薄膜を形成する装置に搭載したことを特徴とする成膜装置。
【請求項3】前記フィルム表面に薄膜を形成する成膜部に、該フィルムの温度調節機構を具備してなることを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
【請求項4】前記成膜部が、真空環境下であることを特徴とする請求項2または3記載の成膜装置。
【請求項5】前記請求項2、3または4記載の成膜装置を用いて、走行するウエブ状のフィルム表面に連続的に薄膜を形成する成膜方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルムの温度測定方法に関するものであり、さらに詳しくは、その測定方法の測定系を搭載した成膜装置と成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等のプラスチックフィルムは、種々のコーティング材料により処理された機能性フィルムの基材として用いられていて、特に包装材料分野では、数10μm程度の比較的薄いフィルムが大部分を占め、機能性フィルムとしてのプラスチックフィルムの用途は、今後も拡大が予想される。
【0003】これらフィルムへのコーティング処理において、印刷やラミネーション等のウエットコーティングでは、機能性を有する塗膜のコーティング直後にオーブン内で塗液の乾燥を行い、一定品質の機能性膜を形成している。この際の乾燥条件の設定は、一般的な水銀温度計、熱電対、測温抵抗体、蛍光式光ファイバー温度計などの各種温度計を用いて、オーブン内の温度を測定し一定条件に維持するものであった。
【0004】また、雰囲気温度ではなく、上記各種温度計をフィルムに接触させたり、非接触で放射温度計により、フィルムの温度を直接測定する方法もあった。
【0005】しかしながら、特にウエブ状のフィルムが連続的に搬送する巻取り用コーティング装置では、フィルムの温度を熱電対などを接触させて測定することは困難であり、オーブン内の雰囲気温度を測定したり、放射温度計によって測定するのが一般的であった。
【0006】一方、ドライコーティングとして、薄い膜層を真空環境下で形成する真空成膜装置におけるフィルムの温度調節法は、フィルムやフィルムホルダー等にニクロム線や赤外線ランプ、ハロゲンランプ等による直接加熱手段と、フィルムホルダーに水、エチレングリコールやフロン系冷媒を流して面接触を利用した冷却手段と、これらの加熱冷却手段を測定する各種温度計からなる測定手段を組み合わせて調節している。
【0007】しかしながら、ウエブ状のフィルムを連続的に搬送しながら成膜する巻取り式真空成膜装置では、冷温媒によって加熱冷却する大型のコーティングドラム上をドラムの回転とともにフィルムを搬送しながらその上に成膜するようになっており、その温度制御方法はコーティングドラムに流す冷温媒の液温度を測定し、制御せざるを得ず、不安定さがあった。
【0008】このような状況下のウエブ状フィルムの温度測定において、上記のような測定方法では以下の問題があった。すなわち、ウエットコーティングにおいて、雰囲気温度を上記各種温度計にて測定する場合は、実際のフィルム温度との差が大きく、精度が極端に悪かった。また、巻取りコーティング装置を使用した場合では、フィルムの搬送速度や熱容量、比熱の程度等によりフィルム温度の昇温程度も変化し、そのコントロールには経験に頼らざるを得なかった。
【0009】また、走行するフィルムに温度計を接触させて測定する場合においても、温度計に対してフィルム、特に薄いフィルムでは、その熱容量が非常に小さいため高精度の測定は困難であった。よって、ウエットコーティングにおける乾燥温度や塗膜の硬化温度の安定した均一な制御は困難であるという問題点があった。
【0010】一方、ドライコーティングにおいて、真空成膜装置、特に巻取り式真空成膜装置の場合は、フィルムホルダーとなるコーティングドラムに流す冷温媒の液温度と薄いフィルムの温度は、そのフィルムの搬送速度や熱容量によって、冷却加熱効率が著しく変化するため、フィルムの温度とコーティングドラムの冷温媒の液温度とは異なる結果となる。
【0011】さらに、薄膜の形成手段としての抵抗加熱や電子ビーム源を蒸発源とする蒸着法やプラズマを利用したスパッタリング法やプラズマCVD法などは、薄膜の形成手段を主とする加熱源が、コーティングドラムの冷熱源とは独立して使用されているため、熱容量の小さい薄いフィルムは容易に加熱され、コーティングドラムの冷温媒の温度とは著しく異なってくる。よって、真空成膜中に、包装材に使用されるような比較的薄いフィルムではその熱負荷に耐えきれず溶断したり、熱伸収縮したりする問題が発生する。
【0012】以上のような問題点等から、フィルムの温度測定には、放射温度計が好適であると考えられる。しかし、そのフィルムは放射温度計の測定波長域である6〜15ミクロンの遠赤外線領域では半透明であり、また分光反射率も低く、波長にもよるが0.1〜0.8程度、平均放射率でも0.3〜0.8程度である。従って放射率の低いことによる誤差が生じやすく、半透明のフィルムでは背面放射の透過の影響を受け、精度の高い測定はできない。
【0013】また、上記のような真空成膜装置では、前述のように薄膜形成手段の熱源がフィルムの温度より高温であり、さらに真空装置内の内壁なども高温となっているため、半透明の薄いフィルムの温度測定は事実上困難なものであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極薄フィルムの温度測定に関する従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、比較的薄いフィルムの高精度の温度測定方法を提供し、その温度測定方法の測定系とその温度調節機構を搭載して、走行するウエブ状フィルムに物理的、化学的に安定で均一な薄膜を形成する真空成膜装置と成膜方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、背面より加熱されたフィルム表面から放射される赤外線を、放射温度計で測定するフィルムの温度測定方法であって、前記フィルム表面と放射温度計との間に該フィルムの赤外線吸収波長帯のみを通過させる光学部品を設けたことを特徴とするフィルムの温度測定方法としたものである。
【0016】上記請求項1の発明によれば、フィルムの赤外線吸収波長帯のみを通過させる光学部品によって、背面からくる前記赤外線吸収波長帯以外がカットされるので、背面の熱源等の影響がない高精度のフィルム温度の測定が可能となる。
【0017】また、請求項2の発明では、前記請求項1記載のフィルムの温度測定方法の測定系を、該フィルム表面に薄膜を形成する装置に搭載したことを特徴とする成膜装置としたものである。
【0018】また、請求項3の発明では、前記フィルム表面に薄膜を形成する成膜部に、該フィルムの温度調節機構を具備してなることを特徴とする請求項2記載の成膜装置としたものである。
【0019】また、請求項4の発明では、前記成膜部が、真空環境下であることを特徴とする請求項2または3記載の成膜装置としたものである。
【0020】上記本発明の成膜装置によれば、高精度のフィルム温度の測定が可能な測定系とその温度調節機構を具備しているので、均一でかつ所望の一定温度にコントロールされたフィルムとする成膜装置を提供することができる。
【0021】また、請求項5の発明では、前記請求項2、3または4記載の成膜装置を用いて、走行するウエブ状のフィルム表面に連続的に薄膜を形成することを特徴とする成膜方法としたものである。
【0022】上記請求項5の発明によれば、均一で所望の一定温度にコントロールされたフィルムとすることによって、走行するウエブ状フィルム表面に、物理的、化学的に安定で均一な薄膜を形成する成膜方法を提供することができる。
【0023】上記放射温度計は、物体からの赤外線放射光を受光して温度を測定するものであり、物体からの放射光は、物体の温度と放射率に応じて電磁波を放出するものである。放射率1.0である完全黒体放射体は完全吸収体でもあるが実際には存在せず、殆どの物体は灰色放射体である。
【0024】この灰色放射体は、完全黒体放射体のように外部からの赤外線をすべて吸収する完全吸収体ではなく、赤外線波長の一部を反射、吸収、透過し、それぞれの割合を反射率、吸収率、透過率と呼び、このうち吸収率と放射率は等しいことが知られている。外部から灰色放射体に入射する赤外線の全エネルギーH、反射率r、吸収率a、透過率tとすると、 H=rH+aH+tH、 r+a+t=1 ・・・・(1)
完全黒体放射体は完全吸収体であるため放射温度計で黒体の正確な温度を知ることができる。しかし、灰色放射体では、透過した赤外線のエネルギーも放射温度計に入射されるため正確な測定を阻害する。
【0025】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面等によって説明する。本発明のフィルムの温度測定方法は、図1に示すように、例えば、包装袋に使用されるような比較的薄いフィルム(50)を、背面から加熱する手段となる平面ヒーター(40)の10mm程度上部に設置する。さらにその上部に予め赤外線透過特性を測定して準備したその赤外線吸収波長帯に合わせた光学部品(30)を介し放射温度計(10)を近接して測定する測定系(20)を有するものである。
【0026】この放射温度計としては、スポット計測型、温度分布計測型など赤外線を感知し温度変換可能なものであれば良い。
【0027】ここで、図1に示すように、赤外線吸収波長帯に合わせた光学部品(30)を介さず直接放射温度計(10b)に入る測定系(通常の測定系)では、平面ヒーター(40)から放射された赤外線がフィルム(50)を透過し、またフィルム(50)からの放出される赤外線と合わさって放射温度計に入ることになり、この場合の測定値は正確なフィルム(50)の温度ではなくヒーター(50)の温度も測定していることになり正確なフィルムの温度とは言えない。
【0028】本発明では、赤外線吸収波長帯に合わせた光学部品を介して測定するので、その光学部品で背面にあるヒータからの赤外線を吸収するためフィルム(50)のみの放射を測定することができる。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により、より具体的に説明する。
〈実施例1〉図1に示すように、包装袋に使用されるようフィルム(50)として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを固定冶具(55)に弛みのないように取り付け、背面から加熱する手段となる平面ヒーター(40)の10mm上部に設置した。さらにその上部に予め赤外線透過特性を測定して準備したその赤外線吸収波長帯に合わせた光学部品(30)を介し放射温度計(10)を近接して測定する測定系(20)とした。
【0030】また、比較のため通常の温度測定系(22)として、図1に示すように、赤外線吸収波長帯に合わせた光学部品(30)を介さないで、直接他の放射温度計(10b)に入る系を布設した。
【0031】さらに温度補正用として、先端が薄く熱容量が小さいフィルムタイプの熱電対を上記フィルム(50)と平面ヒータ(40)に貼り付けた。
【0032】上記25μmのポリエチレンテレフタレートの赤外線透過特性は、図2に示したものを使用した。
【0033】また、放射温度計(20)としては、赤外線熱電対IRt/c−K−140F(米国 EXERGEN社製)を使用した。この放射温度計(20)の温度に対する出力特性と放射依存性の関係を図5に示した。このようにこの放射温度計(20)は、出力がCA熱電対と同様であり、その精度は25〜80℃の範囲でリニアリテイが2%程度であり、この範囲から外れると測定誤差が大きくなる仕様になっている。
【0034】以上の測定系を用いた温度測定法にて測定した結果を図3に示した。この結果から、温度補正用の熱電対からの測定結果(図面ではヒーターの温度曲線となっている)と比較すると光学部品を通していない場合の曲線では温度が高く表示された。これはヒーター(40)から放射された赤外線がフィルム(50)を透過し、そのフィルム(50)の放射と合計されているためである。また、光学部品を通した場合の温度曲線は、ほぼ温度補正用に取り付けた熱電対の曲線(ヒーターの曲線)と一致するものであった。
【0035】〈実施例2〉図4に示すように、実施例1の測定系(20)を真空チャンバー外に配置した巻き取り式の成膜装置(1)に適用した。この成膜装置(1)は、真空チャンバー(8)内の巻出しロール(11)からフィルム(50)が送り出され、温度調節可能なコーティングドラム(13)を経て巻取りロール(12)に巻き取られるようにした。
【0036】上記成膜装置(1)を用いて、その装置の真空チャンバー(8)内下部にある蒸発源(14)から蒸発した粒子を凝集させ、コーティングドラム(13)上を走行するフィルム(50)上に薄膜を形成した。
【0037】この時の温度測定系(20)は、赤外線吸収波長帯に合わせた光学部品(30)とともに、光学特性を考慮した窓材(15)を通して行うため、真空チャンバー(8)の外に配置した。また、フィルム(50)としては、図2に示すような赤外線透過特性をもつ厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した。
【0038】この時の成膜は、成膜装置(1)内のフィルム(50)の温度を測定し、そのデータを温度制御系を介してコーティングドラム(13)の温度を調整し、この温度が調整されたコーティングドラム(13)で、フィルム(50)の温度が調整されるような温度調節機構となっている。このような温度調節機構によって、フィルム(50)の溶断がなく、得られたフィルム(50)上の薄膜は、厚さ等を含め物理的、化学的に安定した、均一なものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。即ち、背面より加熱された包装袋等に使用される比較的薄いフィルムの表面から放射される赤外線を、放射温度計で測定するフィルムの温度測定方法において、前記フィルム表面と放射温度計との間に該フィルムの赤外線吸収波長帯のみを通過させる光学部品を設けたことによって、背面の冷熱源からくる前記赤外線吸収波長帯以外がカットされるので、背面の冷熱源等の影響のない高精度のフィルム温度測定方法とすることができる。
【0040】また、上記のフィルムの温度測定方法の測定系を、そのフィルム表面に薄膜を形成する装置に搭載し、薄膜を形成する成膜部に、フィルムの温度調節機構を具備した巻取り式の真空成膜装置としたので、高精度でかつ所望の一定温度にコントロールされた走行するフィルムとすることができる。
【0041】また、上記成膜装置を用いて、高精度で均一で所望の一定温度にコントロールされたフィルムとすることによって、走行するウエブ状フィルム表面に、物理的、化学的に安定で均一な薄膜を形成する成膜方法を提供することができる。
【0042】従って本発明のフィルム温度の測定方法を、包装用袋(パウチ)等に使用される比較的薄いフィルムに高精度の薄膜を形成する成膜装置等の如きに適用すると、優れた実用上の効果を発揮する。




 

 


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