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発明の名称 マルチアングル測色計
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−50817(P2001−50817A)
公開日 平成13年2月23日(2001.2.23)
出願番号 特願平11−226174
出願日 平成11年8月10日(1999.8.10)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020 AA08 DA12 DA34 DA45 
発明者 井村 健二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を互いに異なる方向から照明する複数の照明手段と、上記複数の照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する受光手段と、上記受光信号に基づいて上記測定試料の反射特性測定値を上記複数の照明手段に対応してそれぞれ求める第1演算処理手段と、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向を基準とする上記照明方向の角度を変数とし、上記測定試料の試料面の法線に対する上記測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数を記憶する記憶手段と、上記各反射特性測定値および上記照明方向の角度に基づいて上記複数の未定係数を決定し、この未定係数が決定された上記近似関数を用いて上記各反射特性測定値をそれぞれ補正する第2演算処理手段とを備えたことを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項2】 請求項1記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、上記傾斜角度を最大値として対称な値をとるように設定されたものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項3】 請求項2記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、ガウス関数であることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項4】 請求項2または3記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は上記未定係数を所定個数有するもので、上記複数の照明手段は少なくとも上記所定個数の照明手段からなるものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の照明手段は、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の照明手段と、その反対側に配設された第2の照明手段とを含むものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項6】 請求項5記載のマルチアングル測色計において、上記第1の照明手段と上記第2の照明手段とは、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項7】 測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を互いに異なる方向から照明する複数の照明手段と、上記複数の照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する受光手段と、演算処理手段とを備え、上記複数の照明手段は、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の照明手段と、その反対側に配設された第2の照明手段とを含むもので、この第1、第2の照明手段は、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されており、上記演算処理手段は、上記第1、第2の照明手段による受光信号の和に基づいて、上記第1の照明手段に対応する上記測定試料の反射特性を求めるものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項8】 請求項7記載のマルチアングル測色計において、上記第1、第2の照明手段は、上記測定試料の照明を同時に行うものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の照明手段は、それぞれ、光源と、この光源からの光束が通過する開口を有する光束規制板と、上記開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に配置され、上記受光手段の光軸および上記複数の照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の照明手段は、それぞれ、光源と、この光源からの光束が通過する第1開口および第2開口を有する光束規制板と、上記第1開口および第2開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記第1開口および第2開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に、上記受光手段の光軸および上記複数の照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項11】 請求項8記載のマルチアングル測色計において、上記第1、第2の照明手段は、共通の光源を備えたものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項12】 測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を特定方向から照明する照明手段と、上記照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する複数の受光手段と、上記受光信号に基づいて上記測定試料の反射特性測定値を上記複数の受光手段に対応してそれぞれ求める第1演算処理手段と、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向を基準とする上記受光方向の角度を変数とし、上記測定試料の試料面の法線に対する上記測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数を記憶する記憶手段と、上記各反射特性測定値および上記受光方向の角度に基づいて上記複数の未定係数を決定し、この未定係数が決定された上記近似関数を用いて上記各反射特性測定値をそれぞれ補正する第2演算処理手段とを備えたことを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項13】 請求項12記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、上記傾斜角度を最大値として対称な値をとるように設定されたものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項14】 請求項13記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、ガウス関数であることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項15】 請求項13または14記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は上記未定係数を所定個数有するもので、上記複数の受光手段は少なくとも上記所定個数の受光手段からなるものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項16】 請求項13〜15のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の受光手段は、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の受光手段と、その反対側に配設された第2の受光手段とを含むものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項17】 請求項16記載のマルチアングル測色計において、上記第1の受光手段と上記第2の受光手段とは、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項18】 測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を特定方向から照明する照明手段と、上記照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する複数の受光手段と、演算処理手段とを備え、上記複数の受光手段は、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の受光手段と、その反対側に配設された第2の受光手段とを含むもので、この第1、第2の受光手段は、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されており、上記演算処理手段は、上記第1、第2の受光手段による受光信号の和に基づいて、上記第1の受光手段に対応する上記測定試料の反射特性を求めるものであることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項19】 請求項12〜18のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記照明手段は、光源と、この光源からの光束が通過する開口を有する光束規制板と、上記開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に配置され、上記複数の受光手段の光軸および上記照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項20】 請求項12〜18のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記照明手段は、光源と、この光源からの光束が通過する第1開口および第2開口を有する光束規制板と、上記第1開口および第2開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記第1開口および第2開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に、上記複数の受光手段の光軸および上記照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることを特徴とするマルチアングル測色計。
【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記反射特性は、波長に依存する分光反射特性であることを特徴とするマルチアングル測色計。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタリック塗装やパールカラー塗装などの測色に用いられるマルチアングル測色計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の塗装などに用いられるメタリック塗装やパールカラー塗装では、図13に示すように、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材101が塗膜102内に含まれている。同図に示すように、光輝材101の向きがばらついているために、光輝材101からの反射光強度が見る方向によって異なることになり、これによってメタリック効果やパール効果が得られる。こうした特性を有するメタリック塗装やパールカラー塗装の色彩を測定する測色計としては、一方向照明多方向受光または多方向照明一方向受光の形式を有するマルチアングル測色計が用いられる。
【0003】従来、受光方向を機械的に切り換えるものでは、一方向照明多方向受光形式を有するマルチアングル測色計も存在するが、作業現場で使われるポータブルのマルチアングル測色計では、可動部がないため信頼性が高く測定時間が短い多方向照明一方向受光形式が広く採用されている。そこで、以下では、多方向照明一方向受光形式を例として説明する。
【0004】従来の多方向照明一方向受光形式を有するマルチアングル測色計として、例えば図14に示すように、測定試料103の試料面の法線に対して45°方向の反射光を受光する受光手段104を備え、3個の照明手段105,106,107により3方向から照明するものが知られている。このようなマルチアングル測色計においては、各照明手段による照明方向は、一般に、受光方向の正反射方向、すなわち試料面の法線に関して受光方向と対称な方向(図中、S方向)を基準とし、試料面の法線のある側を正とする角度で表わされており、一つは例えば45°、すなわち試料面の法線方向(測定器本体の中心軸)に設定され(照明手段106)、一つは例えば15°と受光方向の正反射方向に近い方向に設定され(照明手段105)、一つは例えば110°と受光方向に近い方向に設定されている(照明手段107)。そして、各照明方向から照明されたときに測定試料103から反射される反射光を受光手段104で受光し、その受光量に基づいて反射特性や色彩値を求め、各照明方向の反射特性や色彩値によって測定試料の特性を表わすようになっている。一般に、受光方向の正反射方向に近い照明方向をハイライト方向と称し、受光方向に近い照明方向をシェード方向と称する。
【0005】ところで、図13に示す光輝材101は、塗膜102内で塗膜表面に対してほぼ平行(すなわち、光輝材101の薄片面の法線101nと塗膜102の表面の法線102nとがほぼ平行)になるように配置しており、同図に示すように法線101nと法線102nとの角度をtとすると、その角度分布P(t)は、図15に示すように、t=0をピークとする正規分布に近い特性になっている。従って、メタリック塗装やパールカラー塗装をある方向から照明したときの光輝材からの反射光の角度分布も、塗膜表面による正反射の方向(すなわち、塗膜表面の法線に関して照明方向と対称な方向)にピークを持つ正規分布に近いものになる。
【0006】そして、種々の方向から測定試料を照明して反射特性の測定を行うと、図16に示すように、反射特性R(x)には、光輝材からの反射光によるものに加えて、角度依存のない拡散反射光Ldによるものと、測定試料の試料面からの正反射光Lgによるものとが含まれる。受光方向の正反射方向から遠いシェード方向からの照明では、光輝材からの反射光の寄与は殆どなく、照明方向の角度変化に対する反射特性の変化も緩やかである。一方、受光方向の正反射方向に近いハイライト方向からの照明では、上記図15に示すように光輝材の反射面の大部分が試料面とほぼ平行になっているから、光輝材からの反射光の寄与が著しく大きく、照明方向の角度変化に対する反射特性の変化の傾斜も急になっている。受光方向から45°方向の照明では、上記両者の中間的な特性を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ハイライト方向からの照明による反射特性は、メタリック塗装やパールカラー塗装の特徴を表わす光輝材の性質を知る上で特に重要であるので、この反射特性を高精度で得ることが望まれるが、上記図16に示したように、照明方向の角度変化が微小であっても、反射特性の値が大きく変化してしまう。そこで、高精度の測定を行うためには、測定試料の試料面に対するマルチアングル測色計の姿勢を測定ごとに正確に設定する、すなわち、測定器本体の中心軸と測定試料の試料面の法線とを精度良く一致させる必要がある。
【0008】ところが、例えば自動車のボディの塗装面をポータブル測色計により測定する場合などには、塗装面を傷つけないように測色計の接触面がゴムなどで形成されているため、測定器本体の中心軸と測定試料の試料面の法線とを精度良く一致させるのは容易ではなかった。特に、自動車のボディのように測定試料の試料面が曲面の場合には、より一層困難であった。
【0009】これを解決するために、試料面に対する測定器本体の角度を調整する機能を有するものが実用化されているが、角度検出のためのセンサが必要であるために部品点数が増大して構成が複雑化するという問題や、測定ごとに角度調整のために時間を要するため測定時間が長引いてしまうという問題がある。
【0010】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、試料面に対する測定器本体の傾斜角度に応じて測定結果を補正することにより、高精度の測色を可能にするマルチアングル測色計を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、試料面に対して測定器本体が多少傾斜していても、ハイライト方向の反射特性を精度良く得ることが可能なマルチアングル測色計を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を互いに異なる方向から照明する複数の照明手段と、上記複数の照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する受光手段と、上記受光信号に基づいて上記測定試料の反射特性測定値を上記複数の照明手段に対応してそれぞれ求める第1演算処理手段と、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向を基準とする上記照明方向の角度を変数とし、上記測定試料の試料面の法線に対する上記測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数を記憶する記憶手段と、上記各反射特性測定値および上記照明方向の角度に基づいて上記複数の未定係数を決定し、この未定係数が決定された上記近似関数を用いて上記各反射特性測定値をそれぞれ補正する第2演算処理手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】この構成によれば、測定試料の試料面が複数の照明手段により互いに異なる方向から照明され、照明された測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光が受光手段により受光されて光強度に応じた受光信号が出力され、第1演算処理手段により受光信号に基づいて測定試料の反射特性測定値が複数の照明手段に対応してそれぞれ求められる。
【0014】ここで、測定器本体に穿設された測定用開口の法線に平行な測定器本体の中心軸に関して特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、基準方向を基準とする照明方向の角度を変数とし、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数が記憶手段に記憶されている。
【0015】そして、第2演算処理手段により、各照明手段の照明方向の角度を上記近似関数に代入したときの値が各反射特性測定値にできるだけ等しくなるように、複数の未定係数が決定され、この未定係数が決定された近似関数を用いて、複数の照明手段に対応する反射特性測定値がそれぞれ補正されることにより、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度によって生じる誤差が低減され、測定精度が向上する。
【0016】また、請求項2の発明は、請求項1記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、上記傾斜角度を最大値として対称な値をとるように設定されたものであることを特徴としている。
【0017】この構成によれば、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各照明手段の照明方向の角度に対する反射特性は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度を最大値としてほぼ対称なライン上に載る。そこで、反射特性を近似する近似関数として、上記所定角度を最大値として対称な値をとるように設定された近似関数を用いることにより、反射特性がより精度良く近似されることとなり、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差がより低減され、測定精度が一層向上する。
【0018】また、請求項3の発明は、請求項2記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、ガウス関数であることを特徴としている。
【0019】この構成によれば、測定試料がメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各照明手段の照明方向の角度に対する反射特性は、上記所定角度をピークとする正規分布に近似したライン上に載る。そこで、反射特性を表わす近似関数として、上記所定角度を最大値とするガウス関数を用いることにより、反射特性がより一層精度良く近似されることとなり、これによって、上記傾斜角度によって生じる誤差が更によく低減され、測定精度がさらに一層向上する。
【0020】また、請求項4の発明は、請求項2または3記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は上記未定係数を所定個数有するもので、上記複数の照明手段は少なくとも上記所定個数の照明手段からなるものであることを特徴としている。
【0021】この構成によれば、近似関数は未定係数を所定個数有し、少なくとも所定個数の照明手段が存在することから、各照明手段の照明方向の角度を上記近似関数に代入したときの値が各照明手段に対応する測定試料の反射特性測定値にできるだけ等しくなるように、近似関数の所定個数の未定係数を決定することが確実に可能になり、これによって近似関数を用いて複数の照明手段に対応する反射特性測定値の補正が可能になる。
【0022】また、請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の照明手段は、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の照明手段と、その反対側に配設された第2の照明手段とを含むものであることを特徴としている。
【0023】この構成によれば、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各照明手段の照明方向の角度に対する反射特性は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度を最大値としてほぼ対称なライン上に載る。
【0024】反射特性を表わす近似関数として、上記所定角度を最大値として対称な値をとるように設定された近似関数が用いられるが、基準方向に関して測定器本体の中心軸側に配設された第1の照明手段と反対側に配設された第2の照明手段とが含まれていることにより、上記所定角度は、第1の照明手段の照明方向の角度と第2の照明手段の照明方向の角度との間に配置されるという条件を設定することが可能になる。
【0025】従って、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数が、より精度良く決定されることとなり、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差がより低減され、測定精度が更に一層向上する。
【0026】また、請求項6の発明は、請求項5記載のマルチアングル測色計において、上記第1の照明手段と上記第2の照明手段とは、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることを特徴としている。この構成によれば、第1の照明手段と第2の照明手段とは、基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることにより、請求項5の発明と同様の作用が行われ、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数が、より精度良く決定されることとなり、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差がより低減され、測定精度が更に一層向上する。
【0027】また、請求項7の発明は、測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を互いに異なる方向から照明する複数の照明手段と、上記複数の照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する受光手段と、演算処理手段とを備え、上記複数の照明手段は、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の照明手段と、その反対側に配設された第2の照明手段とを含むもので、この第1、第2の照明手段は、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されており、上記演算処理手段は、上記第1、第2の照明手段による受光信号の和に基づいて、上記第1の照明手段に対応する上記測定試料の反射特性を求めるものであることを特徴としている。
【0028】この構成によれば、測定試料の試料面が複数の照明手段により互いに異なる方向から照明され、照明された測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光が受光手段により受光されて光強度に応じた受光信号が出力される。
【0029】ここで、第1、第2の照明手段は、基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることから、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が傾斜すると、測定試料からの反射光については、第1、第2の照明手段のうちの一方の照明手段による反射光の光強度が増大し、他方の照明手段による反射光の光強度が減少する。
【0030】従って、第1、第2の照明手段による受光信号の和は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜の有無やその大きさに関わりなくほぼ一定になるので、第1、第2の照明手段による受光信号の和に基づいて、第1の照明手段に対応する測定試料の反射特性が求められることにより、第1の照明手段に対応する測定試料の反射特性は、精度良く求められることとなる。
【0031】なお、請求項7の構成において、第1の照明手段による照明方向と上記基準方向との角度差が小さい場合には、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜が第1の照明手段による受光信号に大きく影響するが、この場合でも第1、第2の照明手段による受光信号の和の大きさはほぼ一定になるので、高精度で反射特性の測定が行われることとなる。
【0032】また、請求項8の発明は、請求項7記載のマルチアングル測色計において、上記第1、第2の照明手段は、上記測定試料の照明を同時に行うものであることを特徴としている。この構成によれば、第1、第2の照明手段により測定試料の照明が同時に行われることから、第1、第2の照明手段による反射光が受光手段によって同時に受光されるので、第1の照明手段に対応する測定試料の反射特性がそのまま求められることとなり、これによって測定時間が短縮される。
【0033】また、請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の照明手段は、それぞれ、光源と、この光源からの光束が通過する開口を有する光束規制板と、上記開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に配置され、上記受光手段の光軸および上記複数の照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であることを特徴としている。
【0034】この構成によれば、光束規制板の開口は、受光手段の光軸および複数の照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であるので、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜しても、開口の測定面に垂直な辺の範囲内において傾斜なしに相当する光束が開口を通過することとなり、測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差が低減されることとなる。
【0035】なお、この場合において、開口の測定面に平行な辺が短いほど、光束の平行性が良くなり、測定精度が向上する。
【0036】また、請求項10の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の照明手段は、それぞれ、光源と、この光源からの光束が通過する第1開口および第2開口を有する光束規制板と、上記第1開口および第2開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記第1開口および第2開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に、上記受光手段の光軸および上記複数の照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることを特徴としている。
【0037】この構成によれば、光束規制板の第1開口および第2開口は、受光手段の光軸および複数の照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることから、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜すると、第1開口および第2開口のうちで一方の開口からの光束が増大し、他方の開口からの光束がほぼ同一量だけ減少することになり、第1、第2開口を通過する全光束量は変化せず、これによって測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差が低減されることとなる。
【0038】なお、請求項10の構成において、受光手段は、第1開口および第2開口の双方を含むような受光視野角を有していることが好ましい。
【0039】また、請求項11の発明は、請求項8記載のマルチアングル測色計において、上記第1、第2の照明手段は、共通の光源を備えたものであることを特徴としている。この構成によれば、共通の光源が駆動されることのみで、第1、第2の照明手段による測定試料の照明が同時に行われることとなり、これによって光源およびその駆動に関する構成が簡素化される。
【0040】また、請求項12の発明は、測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を特定方向から照明する照明手段と、上記照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する複数の受光手段と、上記受光信号に基づいて上記測定試料の反射特性測定値を上記複数の受光手段に対応してそれぞれ求める第1演算処理手段と、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向を基準とする上記受光方向の角度を変数とし、上記測定試料の試料面の法線に対する上記測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数を記憶する記憶手段と、上記各反射特性測定値および上記受光方向の角度に基づいて上記複数の未定係数を決定し、この未定係数が決定された上記近似関数を用いて上記各反射特性測定値をそれぞれ補正する第2演算処理手段とを備えたことを特徴としている。
【0041】この構成によれば、測定試料の試料面が照明手段により特定方向から照明され、照明された測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光が複数の受光手段により受光されて光強度に応じた受光信号が出力され、第1演算処理手段により受光信号に基づいて測定試料の反射特性測定値が複数の受光手段に対応してそれぞれ求められる。
【0042】ここで、測定器本体に穿設された測定用開口の法線に平行な測定器本体の中心軸に関して特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、基準方向を基準とする受光方向の角度を変数とし、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数が記憶手段に記憶されている。
【0043】そして、第2演算処理手段により、各受光手段の受光方向の角度を上記近似関数に代入したときの値が各反射特性測定値にできるだけ等しくなるように、複数の未定係数が決定され、この未定係数が決定された近似関数を用いて、複数の受光手段に対応する反射特性測定値がそれぞれ補正されることにより、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度によって生じる誤差が低減され、測定精度が向上する。
【0044】また、請求項13の発明は、請求項12記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、上記傾斜角度を最大値として対称な値をとるように設定されたものである。
【0045】この構成によれば、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各受光手段の受光方向の角度に対する反射特性は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度を最大値としてほぼ対称なライン上に載る。そこで、反射特性を近似する近似関数として、上記所定角度を最大値として対称な値をとるように設定された近似関数を用いることにより、反射特性がより精度良く近似されることとなり、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差がより低減され、測定精度が一層向上する。
【0046】また、請求項14の発明は、請求項13記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は、ガウス関数である。
【0047】この構成によれば、測定試料がメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各受光手段の受光方向の角度に対する反射特性は、上記所定角度をピークとする正規分布に近似したライン上に載る。そこで、反射特性を表わす近似関数として、上記所定角度を最大値とするガウス関数を用いることにより、反射特性がより一層精度良く近似されることとなり、これによって、上記傾斜角度によって生じる誤差が更によく低減され、測定精度がさらに一層向上する。
【0048】また、請求項15の発明は、請求項13または14記載のマルチアングル測色計において、上記近似関数は上記未定係数を所定個数有するもので、上記複数の受光手段は少なくとも上記所定個数の受光手段からなるものである。
【0049】この構成によれば、近似関数は未定係数を所定個数有し、少なくとも所定個数の受光手段が存在することから、所定個数の受光手段の受光方向の角度を上記近似関数に代入したときの値が所定個数の受光手段に対応する測定試料の反射特性測定値にできるだけ等しくなるように、近似関数の所定個数の未定係数が確実に決定されることとなり、これによって近似関数を用いて複数の受光手段に対応する反射特性測定値の補正が可能になる。
【0050】また、請求項16の発明は、請求項13〜15のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記複数の受光手段は、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の受光手段と、その反対側に配設された第2の受光手段とを含むものである。
【0051】この構成によれば、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各受光手段の受光方向の角度に対する反射特性は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度を最大値としてほぼ対称なライン上に載る。
【0052】反射特性を表わす近似関数として、上記所定角度を最大値として対称な値をとるように設定された近似関数が用いられるが、基準方向に関して測定器本体の中心軸側に配設された第1の受光手段と反対側に配設された第2の受光手段とが含まれていることにより、上記所定角度は、第1の受光手段の受光方向の角度と第2の受光手段の受光方向の角度との間に配置されるという条件を設定することが可能になる。
【0053】従って、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数が、より精度良く決定されることとなり、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差がより低減され、測定精度が更に一層向上する。
【0054】また、請求項17の発明は、請求項16記載のマルチアングル測色計において、上記第1の受光手段と上記第2の受光手段とは、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されている。この構成によれば、第1の受光手段と第2の受光手段とは、基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることにより、請求項16の発明と同様の作用が行われ、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数が、より精度良く決定されることとなり、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差がより低減され、測定精度が更に一層向上する。
【0055】また、請求項18の発明は、測定器本体に穿設された測定用開口を測定試料に対向させて測色を行うマルチアングル測色計において、上記測定試料の試料面を特定方向から照明する照明手段と、上記照明手段によって照明された上記測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光を受光して光強度に応じた受光信号を出力する複数の受光手段と、演算処理手段とを備え、上記複数の受光手段は、上記測定用開口の法線に平行な上記測定器本体の中心軸に関して上記特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の受光手段と、その反対側に配設された第2の受光手段とを含むもので、この第1、第2の受光手段は、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されており、上記演算処理手段は、上記第1、第2の受光手段による受光信号の和に基づいて、上記第1の受光手段に対応する上記測定試料の反射特性を求めるものであることを特徴としている。
【0056】この構成によれば、測定試料の試料面が照明手段により特定方向から照明され、照明された測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光が複数の受光手段により受光されて光強度に応じた受光信号が出力される。
【0057】ここで、第1、第2の受光手段は、基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることから、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が傾斜すると、測定試料からの反射光については、第1、第2の受光手段のうちの一方の受光手段における反射光の光強度が増大し、他方の受光手段における反射光の光強度が減少する。
【0058】従って、第1、第2の受光手段における受光信号の和は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜の有無やその大きさに関わりなくほぼ一定になるので、第1、第2の受光手段における受光信号の和に基づいて、第1の受光手段に対応する測定試料の反射特性が求められることにより、第1の受光手段に対応する測定試料の反射特性は、精度良く求められることとなる。
【0059】なお、請求項18の構成において、第1の受光手段による受光方向と上記基準方向との角度差が小さい場合には、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜が第1の受光手段における受光信号に大きく影響するが、この場合でも第1、第2の受光手段における受光信号の和の大きさはほぼ一定になるので、高精度で反射特性の測定が行われることとなる。
【0060】また、請求項19の発明は、請求項12〜18のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記照明手段は、光源と、この光源からの光束が通過する開口を有する光束規制板と、上記開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に配置され、上記複数の受光手段の光軸および上記照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であることを特徴としている。
【0061】この構成によれば、光束規制板の開口は、複数の受光手段の光軸および照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であるので、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜しても、開口の測定面に垂直な辺の範囲内において傾斜なしに相当する光束が開口を通過することとなり、測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差が低減されることとなる。
【0062】なお、この場合において、開口の測定面に平行な辺が短いほど、光束の平行性が良くなり、測定精度が向上する。
【0063】また、請求項20の発明は、請求項12〜18のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記照明手段は、光源と、この光源からの光束が通過する第1開口および第2開口を有する光束規制板と、上記第1開口および第2開口を通過した光束を集光するコリメートレンズとからなり、上記第1開口および第2開口は、上記コリメートレンズの焦点位置近傍に、上記複数の受光手段の光軸および上記照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることを特徴としている。
【0064】この構成によれば、光束規制板の第1開口および第2開口は、複数の受光手段の光軸および照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることから、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜すると、第1開口および第2開口のうちで一方の開口からの光束が増大し、他方の開口からの光束がほぼ同一量だけ減少することになり、第1、第2開口を通過する全光束量は変化せず、これによって測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差が低減されることとなる。
【0065】なお、請求項20の構成において、複数の受光手段は、それぞれ第1開口および第2開口の双方を含むような受光視野角を有していることが好ましい。
【0066】また、請求項21の発明は、請求項1〜20のいずれかに記載のマルチアングル測色計において、上記反射特性は、波長に依存する分光反射特性であることを特徴としている。この構成によれば、測定試料の波長ごとの分光反射特性が得られることによって、測定試料の測色を行うことや種々の反射特性を得ること等が可能になる。
【0067】また、請求項5または7記載のマルチアングル測色計において、上記受光手段は、上記特定方向が上記測定器本体の中心軸に対して+45°となる位置に配置されたもので、上記基準方向を0°とし、上記中心軸のある側を正としたときに、上記第1の照明手段は光軸の方向が+15°で、上記第2の照明手段は光軸の方向が−15°であり、上記複数の照明手段は、さらに、光軸の方向が+45°である第3の照明手段と、光軸の方向が+110°である第4の照明手段とを含むものであるとしてもよい。また、請求項5または7記載のマルチアングル測色計において、上記受光手段は、上記特定方向が上記測定器本体の中心軸に対して+45°となる位置に配置されたもので、上記基準方向を0°とし、上記中心軸のある側を正としたときに、上記第1の照明手段は光軸の方向が+25°で、上記第2の照明手段は光軸の方向が−25°であり、上記複数の照明手段は、さらに、光軸の方向が+45°である第3の照明手段と、光軸の方向が+75°である第4の照明手段とを含むものであるとしてもよい。
【0068】これらの構成によれば、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度によって生じる誤差が低減された状態で、第1の照明手段によりいわゆるハイライト方向の反射特性が得られ、第4の照明手段によりいわゆるシェード方向の反射特性が得られ、第3の照明手段によりその中間の反射特性が得られることとなり、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、その測定試料の適正な反射特性が得られる。
【0069】また、請求項16または18記載のマルチアングル測色計において、上記照明手段は、上記特定方向が上記測定器本体の中心軸に対して+45°となる位置に配置されたもので、上記基準方向を0°とし、上記中心軸のある側を正としたときに、上記第1の受光手段は光軸の方向が+15°で、上記第2の受光手段は光軸の方向が−15°であり、上記複数の受光手段は、さらに、光軸の方向が+45°である第3の受光手段と、光軸の方向が+110°である第4の受光手段とを含むものであるとしてもよい。また、請求項16または18記載のマルチアングル測色計において、上記照明手段は、上記特定方向が上記測定器本体の中心軸に対して+45°となる位置に配置されたもので、上記基準方向を0°とし、上記中心軸のある側を正としたときに、上記第1の受光手段は光軸の方向が+25°で、上記第2の受光手段は光軸の方向が−25°であり、上記複数の受光手段は、さらに、光軸の方向が+45°である第3の受光手段と、光軸の方向が+75°である第4の受光手段とを含むものであるとしてもよい。
【0070】これらの構成によれば、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度によって生じる誤差が低減された状態で、第1の受光手段によりいわゆるハイライト方向の反射特性が得られ、第4の受光手段によりいわゆるシェード方向の反射特性が得られ、第3の受光手段によりその中間の反射特性が得られることとなり、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、その測定試料の適正な反射特性が得られる。
【0071】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施形態としてのマルチアングル測色計の内部構成を示す図、図2(a)は同マルチアングル測色計の外観を示す斜視図、図2(b)は同マルチアングル測色計の測定器本体の中心軸と測定試料の試料面との傾斜角度を説明する模式図である。
【0072】この第1実施形態のマルチアングル測色計は、測定試料の試料面を互いに異なる方向から照明する4つの照明手段を備えた多方向照明一方向受光形式で、照明方向の角度を変数とし、4つの未定係数を有する近似関数を記憶しておき、まず、各照明手段による反射特性測定値を求め、近似関数に各照明方向の角度を代入した値が各反射特性測定値にできるだけ等しくなるように4つの未定係数を決定し、未定係数が決定された近似関数を用いて反射特性測定値を補正することによって、測定器本体の中心軸と測定試料の試料面との傾斜角度によって生じる誤差を補正するようにしたものである。
【0073】図2(a)に示すように、このマルチアングル測色計1は、図1の各構成要素(後述する)が収容された箱形状の測定器本体2からなる。この測定器本体2は、底壁に穿設された測定用開口3と、表面適所に配設された測定結果を示すための表示部4とを備え、持ち運び可能なポータブル測色計を構成している。
【0074】そして、図2(b)に示すように、マルチアングル測色計1の測定用開口3を測定試料5に向けて測定を行う。ここで、測定器本体2の中心軸2n(測定用開口3の法線)に対する測定試料5の試料面5aの法線5nの傾斜角度をx0としたときに、この第1実施形態では、上記傾斜角度x0によって生じる誤差を補正するようにしている。
【0075】図1において、マルチアングル測色計1は、第1〜第4の照明手段10〜40と、受光手段50と、制御部60とを備えている。
【0076】第1の照明手段10は、キセノンフラッシュランプ等からなる光源11と、この光源11を駆動する発光回路12と、光源11からの光束を規制する光束規制板13と、コリメートレンズ14とから構成されている。光束規制板13は、その開口13aがコリメートレンズ14の焦点位置に一致するように配置されており、光束規制板13の開口13aを通過した光源11からの光束は、コリメートレンズ14によってコリメートされて平行光束i1となって、測定試料5を照明する。
【0077】第2、第3、第4の照明手段20,30,40も、第1の照明手段10と同様に、それぞれ、光源21,31,41と、発光回路22,32,42と、光束規制板23,33,43と、コリメートレンズ24,34,44とから構成されており、光束規制板23,33,43の開口23a,33a,43aを通過した光源21,31,41からの光束は、コリメートレンズ24,34,44によってコリメートされて平行光束i2,i3,i4となって、測定試料5を照明する。
【0078】受光手段50は、測定試料5からの平行光束を集束する受光光学系51と、この受光光学系51の結像位置に配設され、入射光束を波長ごとに分離して光強度に応じた分光データを出力する分光手段52とから構成されている。
【0079】制御部60は、CPUなどからなり、機能ブロックとして、測定制御手段61と、演算処理手段62と、メモリ部63とを備え、後述する手順に従って、マルチアングル測色計1の全体の動作を制御するものである。測定制御手段61は、発光回路12,22,32,42に電気的に接続され、光源11,21,31,41の発光を制御する機能を有する。
【0080】演算処理手段62は、以下の機能を有する。(1) 分光手段52に電気的に接続され、分光手段52からの分光データを用いて、各照明手段10〜40に対応する測定試料5の反射特性測定値を求める第1演算処理手段としての機能。(2) 反射特性測定値を用いてガウス関数の未定係数を決定し、このガウス関数を用いて測定器本体2の中心軸2nに対する測定試料5の試料面5aの法線5nの傾斜角度x0によって生じる誤差を補正して反射特性補正値を求める第2演算処理手段としての機能。この機能およびガウス関数については後述する。
【0081】メモリ部63は、RAMまたはEEPROM等や、ROMからなり、このメモリ部63には、測定結果などが一時的に保管されるとともに、測定制御手段61および演算処理手段62を含む制御部60の動作プログラムや、後述する下記式(3)に示すガウス関数が格納されている(記憶手段)。
【0082】次に、第1〜第4の照明手段10〜40および受光手段50の配置について説明する。
【0083】受光手段50は、その光軸50Lが測定器本体2の中心軸2nに対して45°の方向(特定方向)に一致するように配置されている。ここで、測定器本体2の中心軸2nに関して受光手段50の光軸50Lと対称な方向である基準方向50Sを基準とし、中心軸2nのある側を正として、基準方向50Sからの角度により第1〜第4の照明手段10〜40の配置を表わすと、第1〜第4の照明手段10〜40は、それぞれ、その光軸10L,20L,30L,40Lが、+15°,−15°,+45°,+110°の方向に一致するように配置されている。従って、中心軸2nと光軸30Lとは一致している。
【0084】次に、この第1実施形態において行う光輝材の角度分布および反射特性を関数で近似する点について説明する。
【0085】上記図15を用いて説明したように、メタリック塗装やパールカラー塗装において、塗膜内の光輝材の角度分布は、正規分布に近くなっている。従って、この光輝材の角度分布P(t)は、対称な指数関数、例えば下記式(1)に示すガウス関数で近似することができる。
P(t)=P0exp[−(t/D)2] …(1)ただし、P0はガウス関数の最大値を与える定数、Dはガウス関数の幅を与える定数、tは、上記図13に示すように、塗膜102の表面の法線102nに対する光輝材101の表面の法線101nの角度である。
【0086】光輝材の角度分布P(t)を上記式(1)に示すようにガウス関数で近似することにより、上記図16に示す反射特性R(x)は、正反射光Lgの近傍を除いて、下記式(2)に示すように正反射方向にピークを持つガウス関数Rg(x)で近似することができる。
Rg(x)=R0exp[−(x/d)2]+b …(2)ただし、R0はガウス関数の最大値を与える定数、dはガウス関数の幅を与える定数、bは拡散反射に対応するガウス関数のオフセットを与える定数で、xは正反射方向を0とし、試料面の法線のある側を正にとった角度である。
【0087】ここで、上記式(2)において、xを、本来試料面5aの法線5n(図2(b)参照)と一致するべき測定器本体2の中心軸2nに関して、受光手段50の光軸50Lと対称な方向である基準方向50Sを基準(すなわちx=0)とする角度で、中心軸2nのある側を正にとると、上記式(2)は下記式(3)になる。
Rg(x)=R0exp[−[(x−x0)/d]2]+b …(3)ただし、x0は、実際の光輝材からの反射光の角度分布の中心に対応し、ガウス関数の中心の角度を与える定数で、試料面5aの法線5n(図2(b)参照)と測定器本体2の中心軸2nとの角度差を示すものである。法線5nと中心軸2nとが一致した状態であればx0=0であるが、一般には両者は一致せず、x0≠0になる。
【0088】なお、ここまで、光輝材からの反射光の角度分布の中心と試料面5aの法線5nが一致するものとして説明してきたが、これが一致しない場合には、x0は、試料面5aの法線5nではなく、光輝材からの反射光の角度分布の中心と、測定器本体2の中心軸2nとの角度差を示す。メタリック塗装やパールカラー塗装の視覚的な評価は反射光によって行われるので、これに基づく補正をすることで、視覚的な評価と測定値との相関を高めることができる。
【0089】上記式(3)に示すように、ガウス関数Rg(x)は、4つの未定係数R0,x0,d,bが定まると決まるが、4つ以上の照明方向から照明されたときの反射特性測定値R(x)を求めることにより、これに最も近い計算値Rg(x)を与える上記4つの未定係数を求めることができる。
【0090】次に、図1、図3〜図5を用いて、このマルチアングル測色計の動作について説明する。図3、図4はガウス関数を用いる測定結果の補正を説明する図、図5は動作手順を示すフローチャートである。
【0091】図5の#110〜#140において、測定制御手段61により第1、第2、第3、第4の照明手段10,20,30,40が順次発光する。これによって、平行光束i1,i2,i3,i4により測定試料5が異なる方向から順次照明され、受光光学系51に入射した反射光r1,r2,r3,r4の分光特性r1(λ),r2(λ),r3(λ),r4(λ)が、分光手段52から演算処理手段62に順次送出される。そして、演算処理手段62の第1演算処理手段としての機能によって、分光特性r1(λ),r2(λ),r3(λ),r4(λ)に基づいて照明方向ごとの分光反射特性測定値R1(λ),R2(λ),R3(λ),R4(λ)が求められる。
【0092】ここで、演算処理手段62により、分光反射特性測定値R(λ)が、照明方向を表わす角度xを変数とする関数R(λ,x)として捉えられる。なお、以下において、便宜上、R(λ,x)をR(x)と記述する。すなわち、分光反射特性測定値R1(λ),R2(λ),R3(λ),R4(λ)は、R(x1),R(x2),R(x3),R(x4)と記述され、図3において○印で示される。
【0093】図5に戻り、#150において、これらの測定結果R(x1),R(x2),R(x3),R(x4)と、上記式(3)に示すガウス関数Rg(x)にx1,x2,x3,x4を代入したRg(x1),Rg(x2),Rg(x3),Rg(x4)、すなわちRg(x1)=R0exp[−[(x1−x0)/d]2]+bRg(x2)=R0exp[−[(x2−x0)/d]2]+bRg(x3)=R0exp[−[(x3−x0)/d]2]+bRg(x4)=R0exp[−[(x4−x0)/d]2]+bとのそれぞれの差の二乗和S、すなわちS=[Rg(x1)−R(x1)]2+[Rg(x2)−R(x2)]2+[Rg(x3)−R(x3)]2+[Rg(x4)−R(x4)]2が最小となるように、ガウス関数Rg(x)を決定する4つの未定係数R0,x0,d,bが、いわゆる最小二乗法によって求められる。
【0094】但し、x1=+15°,x2=−15°,x3=+45°,x4=+110°である。なお、ガウス関数Rg(x)の中心角度x0は、x1=+15°とx2=−15°との間にあるという条件を与える。
【0095】次いで、演算処理手段62により、決定したガウス関数を用いて測定値の補正が行われる。これは、決定したガウス関数Rg(x)と角度差x0とから、ガウス関数の中心を基準にした角度x1+x0,x2+x0,x3+x0,x4+x0に対応する反射特性補正値Rg(x1+x0),Rg(x2+x0),Rg(x3+x0),Rg(x4+x0)を求めればよい。すなわち図3の○印で示す測定値を用いてガウス関数を決定し、このガウス関数に基づいて図3の×印で示す反射特性補正値を求めることができる。通常、角度差x0は十分に小さいので、反射特性の角度分布を表わすガウス関数に多少の誤差があっても、精度良く補正を行うことができる。
【0096】しかし、図4に示すように、○印で示すx=x1,x2,x3,x4での反射特性測定値R(x1),R(x2),R(x3),R(x4)と、決定した実線で示すガウス関数とが一致しない場合もありうる。
【0097】そこで、図5の#160では、決定したガウス関数Rg(x)に基づき、x=x1,x2,x3,x4での反射特性近似値Rg(x1),Rg(x2),Rg(x3),Rg(x4)を求め、さらにx=x1+x0,x2+x0,x3+x0,x4+x0での反射特性近似値Rg(x1+x0),Rg(x2+x0),Rg(x3+x0),Rg(x4+x0)を求めて、補正量として、それぞれの差、すなわちdRg(x1)=Rg(x1+x0)−Rg(x1)dRg(x2)=Rg(x2+x0)−Rg(x2)dRg(x3)=Rg(x3+x0)−Rg(x3)dRg(x4)=Rg(x4+x0)−Rg(x4)を求める。
【0098】次いで、#170において、この補正量が、それぞれ反射特性測定値に加算される。すなわち、R'(x1)=R(x1)+dRg(x1)R'(x2)=R(x2)+dRg(x2)R'(x3)=R(x3)+dRg(x3)R'(x4)=R(x4)+dRg(x4)によって、反射特性補正値R'(x1),R'(x2),R'(x3),R'(x4)が求められる。これによって反射特性測定値を精度良く補正することができる。
【0099】これは、図4に示すように、ガウス関数の近似において、ガウス関数上の近似値と測定値との間に誤差が含まれていても、x=x1,x2,x3,x4での値と、x=x1+x0,x2+x0,x3+x0,x4+x0での値との差をとることにより、その誤差が打ち消されると考えられるので、補正量としては高精度に求めることができるからである。
【0100】なお、上述したように、反射特性測定値R(x)は、波長λに依存する分光反射特性R(λ,x)であるので、図5に示す各処理は波長ごとに行われる。
【0101】このように、第1実施形態によれば、測定用開口3の法線に平行な測定器本体2の中心軸2nに関して受光手段50の光軸50Lと対称な方向を基準方向とするときに、この基準方向を基準とする第1〜第4の照明手段10〜40の光軸10L〜40Lの角度を変数とし、4つの未定係数を有する近似関数として、上記式(3)に示すガウス関数をメモリ部63に記憶しておき、演算処理手段62により、第1〜第4の照明手段10〜40に対応する測定試料5の反射特性測定値および照明方向の角度に基づいてガウス関数の4つの未定係数を決定し、この決定したガウス関数を用いて各照明手段10〜40に対応する反射特性測定値をそれぞれ補正するようにしたので、測定器本体2の測定試料5に対する傾斜によって生じる誤差を精度良く補正した反射特性補正値を求めることができる。
【0102】図6は本発明の第2実施形態としてのマルチアングル測色計の内部構成を示す図である。なお、外観などについては図2に示す第1実施形態と同様で、図6では図1と同一部材については同一符号を付し、上記第1実施形態と異なる点について説明する。
【0103】この第2実施形態では、第1、第2の照明手段10,20は、それぞれ反射鏡15,25を備えるとともに、共通の光源11を備えている。そして、発光回路12により光源11が発光すると、光束規制板13の開口13aを通過した光源11からの光束は、反射鏡15により反射され、コリメートレンズ14によってコリメートされて平行光束i1となって、光軸10Lに沿って測定試料5を照明するとともに、光束規制板23の開口23aを通過した光源11からの光束は、反射鏡25により反射され、コリメートレンズ24によってコリメートされて平行光束i2となって、光軸20Lに沿って測定試料5を照明する。従って、測定試料5は、第1、第2の照明手段10,20からの平行光束i1,i2により同時に照明され、受光手段50は、測定試料5からの反射光r1,r2を同時に受光する。
【0104】第2実施形態の演算処理手段62は、分光手段52からの分光データを用いて測定試料5の反射特性を求める機能を有する。
【0105】次に、第2実施形態の作用について説明する。第2実施形態において、試料面5aの法線5n(図2(b)参照)と測定器本体2の中心軸2nとが一致せず、角度x0だけ傾斜している場合には、第1の照明手段10および第2の照明手段20のうちで、一方の照明手段からの平行光束による反射光が増加し、他方の照明手段からの平行光束による反射光は減少することになるので、光源11が発光したときに受光手段50に入射する反射光r1,r2の合計の光強度は、殆ど変化しない。
【0106】従って、上記図16を用いて説明したように、ハイライト方向の反射特性は試料面5aと測定器本体2との傾斜角度による影響を最も大きく受けるが、第2実施形態によれば、第1実施形態のように近似関数による演算を行うことなく、ハイライト方向の反射特性測定値に対する傾斜角度の影響を低減して、精度良く測定を行うことができる。
【0107】また、第1、第2の照明手段10,20を共通の光源11により構成しているので、消費電力および測定時間を低減することができるとともに、部品点数の削減により構成を簡素化することができる。
【0108】図7は本発明の第3実施形態としてのマルチアングル測色計の内部構成を示す図である。なお、外観などについては図2に示す第1実施形態と同様で、図7では図1と同一部材については同一符号を付し、上記第1実施形態と異なる点について説明する。
【0109】この第3実施形態のマルチアングル測色計は、1つの照明手段により照明された測定試料の試料面からの反射光のうちで互いに異なる方向の反射光をそれぞれ受光する4つの受光手段を備えた一方向照明多方向受光形式の測色計である。そして、第1実施形態では、照明方向の角度を変数とし、4つの未定係数を有する近似関数を記憶しているのに対して、第3実施形態では、受光方向の角度を変数とし、4つの未定係数を有する近似関数を記憶している点が異なるが、同様の作用を行う。すなわち、第3実施形態では、各受光手段による反射特性測定値を求め、近似関数に各受光方向の角度を代入した値が各反射特性測定値にできるだけ等しくなるように4つの未定係数を決定し、未定係数が決定された近似関数を用いて反射特性測定値を補正することによって、測定器本体の中心軸と測定試料の試料面との傾斜角度によって生じる誤差を補正するようにしている。
【0110】図7において、マルチアングル測色計1は、第1〜第4の導光手段110〜140と、照明手段150と、制御部160と、光束切替手段170と、分光手段52とを備えている。
【0111】照明手段150は、キセノンフラッシュランプ等からなる光源151と、この光源151を駆動する発光回路152と、光源151からの光束を規制する光束規制板153と、コリメートレンズ154とから構成されている。光束規制板153は、その開口153aがコリメートレンズ154の焦点位置に一致するように配置されており、光束規制板153の開口153aを通過した光源151からの光束は、コリメートレンズ154によってコリメートされて平行光束iとなって、測定試料5を照明する。
【0112】第1の導光手段110は、光ファイバ111と、入射光束を規制する光束規制板113と、測定試料5からの平行光束r1を集束する受光光学系114とから構成されている。光束規制板113は、その開口113aが受光光学系114の結像位置に一致するように配置されており、光束規制板113の開口113aを通過した測定試料5からの平行光束r1は、光ファイバ111の入射端に入射して、その射出端111aに導かれる。
【0113】第2、第3、第4の導光手段120,130,140も、第1の導光手段110と同様に、それぞれ、光ファイバ121,131,141と、光束規制板123,133,143と、受光光学系124,134,144とから構成されており、光束規制板123,133,143の開口123a,133a,143aを通過した測定試料5からの平行光束r2,r3,r4は、光ファイバ121,131,141の入射端に入射して、その射出端121a,131a,141aに導かれる。
【0114】光束切替手段170は、その入射端171aが、光ファイバ111,121,131,141の射出端111a,121a,131a,141aの対向位置に移動可能な可動ファイバ171と、この可動ファイバ170を移動させる駆動部172とから構成され、可動ファイバ171の移動により、光ファイバ111,121,131,141の射出端111a,121a,131a,141aからの光束を、順次、分光手段52に導くものである。
【0115】第1の導光手段110、光束切替手段170および分光手段52は第1の受光手段を構成し、第2の導光手段120、光束切替手段170および分光手段52は第2の受光手段を構成し、第3の導光手段130、光束切替手段170および分光手段52は第3の受光手段を構成し、第4の導光手段140、光束切替手段170および分光手段52は第4の受光手段を構成する。
【0116】制御部160は、CPUなどからなり、機能ブロックとして、測定制御手段161と、演算処理手段162と、メモリ部163とを備え、マルチアングル測色計1の全体の動作を制御するものである。測定制御手段161は、発光回路152に電気的に接続され、光源151の発光を制御する機能を有するとともに、駆動部172に電気的に接続され、可動ファイバ171の移動を制御する機能を有する。
【0117】演算処理手段162は、第1実施形態の演算処理手段62と同様に以下の機能を有する。すなわち、(1) 分光手段52に電気的に接続され、分光手段52からの分光データを用いて、各導光手段110〜140に対応する測定試料5の反射特性測定値を求める第1演算処理手段としての機能。(2) 反射特性測定値を用いてガウス関数の未定係数を決定し、このガウス関数を用いて測定器本体2の中心軸2nに対する測定試料5の試料面5aの法線5nの傾斜角度x0によって生じる誤差を補正して反射特性補正値を求める第2演算処理手段としての機能。
【0118】メモリ部163は、RAMまたはEEPROM等や、ROMからなり、このメモリ部163には、測定結果などが一時的に保管されるとともに、測定制御手段161および演算処理手段162を含む制御部160の動作プログラムや、上記式(3)に示すガウス関数が格納されている(記憶手段)。
【0119】次に、第1〜第4の導光手段110〜140および照明手段150の配置について説明する。
【0120】照明手段150は、その光軸150Lが測定器本体2の中心軸2nに対して45°の方向(特定方向)に一致するように配置されている。ここで、測定器本体2の中心軸2nに関して照明手段150の光軸150Lと対称な方向である基準方向150Sを基準とし、中心軸2nのある側を正として、基準方向150Sからの角度により第1〜第4の導光手段110〜140の配置を表わすと、第1〜第4の導光手段110〜140は、それぞれ、その光軸110L,120L,130L,140Lが、+15°,−15°,+45°,+110°の方向に一致するように配置されている。従って、中心軸2nと光軸130Lとは一致している。
【0121】このような構成により、光源151の点灯中に光束切替手段170の可動ファイバ171を移動させることで、各導光手段110,120,130,140に入射する測定試料5からの反射光r1,r2,r3,r4は、順次、分光手段52に入射し、この測定結果とガウス関数とを用いて、第1実施形態と同様に、測定結果の補正が行われる。
【0122】このように、一方向照明多方向受光形式の第2実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0123】なお、本発明は、上記第1〜第3実施形態に限られず、以下に示す変形形態を採用することができる。
【0124】(1)上記第1実施形態では第1〜第4の照明手段10〜40の4個の照明手段を備え、上記第3実施形態では第1〜第4の受光手段110〜140の4個の受光手段を備えているが、これに限られず、4個以上の照明手段または4個以上の受光手段を備え、その4個以上の照明手段または4個以上の受光手段による反射特性測定値を用いて上記式(3)に示すガウス関数Rg(x)の4個の未定係数を決定するようにしてもよい。
【0125】(2)上記第1実施形態では、第2の照明手段20は、その光軸20Lが、基準方向50Sに関して第1の照明手段10の光軸10Lと対称な位置に配置されているが、これに限られず、任意の位置に配置してもよい。なお、この場合において、第2の照明手段20を基準方向50Sに関して第1の照明手段10と反対側に配置することにより、ガウス関数の中心角度x0を精度良く求めることができる。
【0126】また、同様に、上記第3実施形態では、第2の受光手段120は、その光軸120Lが、基準方向150Sに関して第1の受光手段110の光軸110Lと対称な位置に配置されているが、これに限られず、任意の位置に配置してもよい。なお、この場合において、第2の受光手段120を基準方向150Sに関して第1の受光手段110と反対側に配置することにより、ガウス関数の中心角度x0を精度良く求めることができる。
【0127】(3)上記図16を用いて説明したように、試料面5aと測定器本体2との傾斜角度x0に対して、ハイライト方向の反射特性測定値R(x1),R(x2)が特に大きい影響を受けて誤差を生じるが、角度x1,x2は、角度分布の中心に対してほぼ対称に位置しているため、誤差の方向は逆、すなわち図4に示す補正量dRg(x1)と補正量dRg(x2)の符号は逆になる。
【0128】そこで、上記第1実施形態において、反射特性補正値R(x1)+dRg(x1)と、R(x2)+dRg(x2)との平均値である[R(x1)+dRg(x1)+R(x2)+dRg(x2)]/2を角度x1、すなわちハイライト方向の反射特性補正値としてもよい。これによって、傾斜角が小さい範囲では、傾斜により生じる誤差を打ち消すことができ、さらに精度を向上することができる。なお、第3実施形態についても、同様のことが言える。
【0129】(4)上記第1実施形態では、光輝材の配向の分布を表わす関数P(t)と、これに基づく反射特性R(x)をガウス関数で近似しているが、これに限られず、例えば下記式(8)に示すような他の対称な指数関数で近似するようにしてもよい。
Rg(x)=R0exp[−|(x−x0)/d|n]+b …(4)ただし、nはn>0の定数である。
【0130】特に、干渉を伴うパールカラー塗装では、光輝材の分光反射率が入射角度に依存するため、ガウス分布から外れることがありうるが、適切なnを与えることにより式(4)を良好な近似関数とすることができる。なお、第3実施形態についても、同様のことが言える。
【0131】(5)上記第1実施形態では、測定器本体2の傾斜は、図1の紙面、すなわち光軸10L〜40Lおよび光軸50Lを含む測定面に沿っての傾斜について考慮しているが、実際には、これと直交する方向への傾斜も考えられる。
【0132】この方向に傾斜した場合には、傾斜角度yに対する第1、第3、第4の照明手段10,30,40による反射特性測定値R(x1),R(x3),R(x4)は、図8に示すように分布する。すなわち、図8において、y=0の値が上記図4のx=x1,x3,x4での値に相当する。
【0133】図8から明らかなように、ガウス関数は、中心付近では傾斜角度の変化に対する反射特性の変化が小さいので、この方向での傾斜による誤差は、それほど大きくない。しかし、反射特性を近似する関数がガウス関数ではなく、例えば上記式(4)に示す関数の場合、特にそのnが小さい場合には、この方向での傾斜角度の変化に対する反射特性の変化が中心付近でも無視できないものになる。そこで、本変形形態は、この方向での傾斜により生じる誤差を低減するものである。
【0134】図9は第3の照明手段30の変形形態を示す構成図で、図1と同一物には同一符号を付しており、光源31の図示は省略している。図9において、測定面35は、図1における光軸30Lおよび光軸50Lを含む測定面(図1の紙面に対応する面)で、光束規制板33と測定面35とは互いに直交している。
【0135】この変形形態では、光束規制板33の開口33aは、測定面35に平行な辺は短く、測定面35に垂直な辺は長い矩形、すなわち長手方向が測定面35に直交するスリット状に形成されている。このため、試料面を照明する平行光束i3は、図9に示すように、その方向において、測定面35に直交する面内で幅36の広がりを有している。この幅36は、図8の幅D1に相当し、傾斜角度が小さければ、この範囲に反射特性のピークを与える光束が存在すると考えられる。従って、受光手段50の測定試料5上における受光範囲37が、幅36の範囲の平行照明光束の共通照明域38内にあれば、図8における幅D1の範囲内での傾斜は、受光手段50に入射する光量に殆ど影響しない。
【0136】このように、本変形形態によれば、光束規制板33の開口33aを測定面35に平行な辺は短く、測定面35に垂直な辺は長い矩形に形成することにより、測定器本体2が、図1の紙面、すなわち光軸10L〜40Lおよび光軸50Lを含む測定面に直交する方向の傾斜によって生じる誤差を低減することができる。
【0137】なお、ここでは第3の照明手段30についてのみ説明しているが、第1、第2、第4の照明手段10,20,40の光束規制板13,23,43の開口13a,23a,43aについても同様である。また、上記第3実施形態の照明手段150の光束規制板153の開口153aについても同様で、これによって、測定器本体2が、図7の紙面(すなわち光軸110L〜140Lおよび光軸150Lを含む測定面)に直交する方向の傾斜によって生じる誤差を低減することができる。
【0138】(6)本変形形態は、上記変形形態(5)と同様に、測定器本体2が、図1の紙面、すなわち光軸10L〜40Lおよび光軸50Lを含む測定面に直交する方向の傾斜によって生じる誤差を低減するものである。図10は第3の照明手段30の異なる変形形態を示す構成図で、図9と同一物には同一符号を付しており、光源31の図示は省略している。
【0139】この変形形態では、光束規制板33は、開口33aとして、光軸30L(測定面35)に関して対称な位置に穿設された2つの開口33a1,33a2を有しており、測定試料には、開口33a1,33a2からの平行光束i31,i32が入射する。この平行光束i31,i32による照明は、図8における角度y=0のピークを外した角度y1,y2に相当する。
【0140】ここで、測定器本体2が、図1の紙面、すなわち光軸10L〜40Lおよび光軸50Lを含む測定面に直交する方向に微小角度だけ傾斜すると、受光手段50の受光範囲37が、開口33a1,33a2双方に共通の照明域38内にある限り、開口33a1,33a2のうちで、一方の開口からの平行光束による反射光が増加し、他方の開口からの平行光束による反射光は減少することになるので、受光手段50に入射する反射光の合計の光強度は殆ど変化しない。
【0141】従って、本変形形態によれば、光束規制板33の開口33aとして、光軸30L(測定面35)に関して対称な位置に穿設された2つの開口33a1,33a2を有し、開口33a1,33a2の間隔を、受光手段50の受光範囲37が、開口33a1,33a2双方に共通の照明域38に含まれるようにすることにより、測定器本体2が、図1の紙面(すなわち光軸10L〜40Lおよび光軸50Lを含む測定面)に直交する方向の傾斜によって生じる誤差を低減することができる。
【0142】なお、ここでは第3の照明手段30についてのみ説明しているが、第1、第2、第4の照明手段10,20,40の光束規制板13,23,43の開口13a,23a,43aについても同様である。また、上記第3実施形態の照明手段150の光束規制板153の開口153aについても同様で、これによって、測定器本体2が、図7の紙面(すなわち光軸110L〜140Lおよび光軸150Lを含む測定面)に直交する方向の傾斜によって生じる誤差を低減することができる。
【0143】(7)上記第1実施形態で説明したように、シェード方向に配置された第4の照明手段40による反射特性測定値R(x4)への光輝材による反射光の寄与は極めて小さいので、これを無視してR(x4)=b(拡散反射によるオフセット成分)とすることができる。この場合には、残りの3つの未定係数を最小二乗法で求めればよい。この形態によれば、未定係数が3つに減少するので、上記実施形態の場合よりも未定係数を求めるための計算時間を短縮することができるとともに、関数の精度を向上することができる。なお、第3実施形態における第4の受光手段140による反射特性測定値R(x4)についても同様である。
【0144】(8)第1〜第4の照明手段10〜40の配置は、上記第1、第2実施形態に限られない。図11は多方向照明一方向受光形式で照明手段の配置が図1と異なる形態を示す図である。図11では、中心軸2nのある側を正として、基準方向50Sからの角度により第1〜第4の照明手段10〜40の配置を表わすと、第1〜第4の照明手段10〜40は、それぞれ、その光軸10L,20L,30L,40Lが、+25°,−25°,+45°,+75°の方向に一致するように配置されている。この形態でも、上記第1、第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0145】(9)第1〜第4の導光手段110〜140の配置は、上記第3実施形態に限られない。図12は一方向照明多方向受光形式で導光手段の配置が図7と異なる形態を示す図である。図12では、中心軸2nのある側を正として、基準方向150Sからの角度により第1〜第4の導光手段110〜140の配置を表わすと、第1〜第4の導光手段110〜140は、それぞれ、その光軸110L,120L,130L,140Lが、+25°,−25°,+45°,+75°の方向に一致するように配置されている。この形態でも、上記第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0146】(10)上記第1実施形態で求めたガウス関数を用いて、照明手段の配置が図1と異なる上記変形形態(8)のような配置での反射特性値を求めるようにしてもよい。この場合には、演算処理手段62により、例えば図3に示すようなガウス関数Rg(x)を求めた上で、Rg(x1+x0)においてx1=25°とすればよい。また、同様に、上記第3実施形態で求めたガウス関数を用いて、受光手段の配置が図7と異なる上記変形形態(9)のような配置での反射特性値を求めることができる。この形態によれば、照明手段や受光手段の配置が異なる構成での反射特性値を推定することができる。
【0147】(11)上記第2実施形態では、第1、第2の照明手段10,20を共通の光源11により構成しているが、これに限られず、図1に示すように、光源11,21をそれぞれ個別に備える第1実施形態と同一の構成でもよい。この場合において、測定制御手段61により発光回路12,22を同時に駆動すれば、上記第2実施形態と同様の作用が行われる。また、発光回路12,22を個別に駆動すれば、受光手段50により反射光r1,r2をそれぞれ受光し、演算処理手段63により反射特性測定値R1,R2を算出した後で、測定値R1と測定値R2とを加算すればよい。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、測定器本体に穿設された測定用開口の法線に平行な測定器本体の中心軸に関して受光手段が受光する特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、基準方向を基準とする照明方向の角度を変数とする近似関数であって、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数を記憶手段に記憶しておき、測定試料の試料面を複数の照明手段により互いに異なる方向から照明し、照明された測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光を受光手段により受光して光強度に応じた受光信号を出力し、受光信号に基づいて測定試料の反射特性測定値を複数の照明手段に対応してそれぞれ求め、各照明手段の照明方向の角度および各照明手段に対応する反射特性測定値に基づいて複数の未定係数を決定し、この決定した近似関数を用いて複数の照明手段に対応する反射特性測定値をそれぞれ補正するようにしたので、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度によって生じる誤差を低減することができ、測定精度を向上することができる。
【0149】また、請求項2の発明によれば、上記近似関数は、上記傾斜角度を最大値として対称な値をとるように設定されたものであることにより、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各照明手段の照明方向の角度に対する反射特性は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度を最大値としてほぼ対称なライン上に載ることから、反射特性をより精度良く近似することができ、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差をより低減することができ、測定精度を一層向上することができる。
【0150】また、請求項3の発明によれば、上記近似関数は、ガウス関数であることにより、測定試料がメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各照明手段の照明方向の角度に対する反射特性は、上記所定角度をピークとする正規分布に近似したライン上に載ることから、反射特性をより一層精度良く近似することができ、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差を更によく低減することができ、測定精度をさらに一層向上することができる。
【0151】また、請求項4の発明によれば、上記近似関数は未定係数を所定個数有するもので、上記複数の照明手段は少なくとも上記所定個数の照明手段からなるものであることにより、各照明手段の照明方向の角度を上記近似関数に代入したときの値が各照明手段に対応する測定試料の反射特性測定値にできるだけ等しくなるように、近似関数の所定個数の未定係数を決定することが確実にでき、これによって近似関数を用いて複数の照明手段に対応する反射特性測定値の補正を行うことができる。
【0152】また、請求項5の発明によれば、上記複数の照明手段は、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の照明手段と、その反対側に配設された第2の照明手段とを含むものであることにより、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度は、第1の照明手段の照明方向の角度と第2の照明手段の照明方向の角度との間に配置されるという条件設定が可能になるので、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数を、より精度良く決定することができ、これによって、上記傾斜角度によって生じる誤差をより低減することができ、測定精度を更に一層向上することができる。
【0153】また、請求項6の発明によれば、上記第1の照明手段と上記第2の照明手段とは、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることにより、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数を、より精度良く決定することができ、これによって、上記傾斜角度によって生じる誤差をより低減することができ、測定精度を更に一層向上することができる。
【0154】また、請求項7の発明によれば、測定試料の試料面を複数の照明手段により互いに異なる方向から照明し、照明された測定試料からの反射光のうちで特定方向の反射光を受光手段により受光して光強度に応じた受光信号を出力するようにしたものであって、測定器本体に穿設された測定用開口の法線に平行な測定器本体の中心軸に関して受光手段が受光する特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、第1、第2の照明手段は、基準方向に関して互いに対称な位置に配設し、第1、第2の照明手段による受光信号の和に基づいて、第1の照明手段に対応する測定試料の反射特性を求めるようにしたので、第1、第2の照明手段による受光信号の和は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜の有無やその大きさに関わりなくほぼ一定になることから、第1の照明手段に対応する測定試料の反射特性を、精度良く求めることができる。
【0155】また、請求項8の発明によれば、上記第1、第2の照明手段は、上記測定試料の照明を同時に行うものであることにより、第1、第2の照明手段による反射光が受光手段によって同時に受光されるので、第1の照明手段に対応する測定試料の反射特性がそのまま求められることとなり、これによって測定時間を短縮することができる。
【0156】また、請求項9の発明によれば、光束規制板の開口は、受光手段の光軸および複数の照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であるので、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜しても、開口の測定面に垂直な辺の範囲内において傾斜なしに相当する光束が開口を通過することとなり、測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差を低減することができる。
【0157】また、請求項10の発明によれば、光束規制板の第1開口および第2開口は、受光手段の光軸および複数の照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることにより、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜すると、第1開口および第2開口のうちで一方の開口からの光束が増大し、他方の開口からの光束がほぼ同一量だけ減少することになり、第1、第2開口を通過する合計の光強度はほぼ変化しないので、測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差を低減することができる。
【0158】また、請求項11の発明によれば、第1、第2の照明手段は、共通の光源を備えたものであることにより、共通の光源が駆動されることのみで、第1、第2の照明手段による測定試料の照明が同時に行われることとなり、これによって光源およびその駆動に関する構成を簡素化することができる。
【0159】また、請求項12の発明によれば、測定器本体に穿設された測定用開口の法線に平行な測定器本体の中心軸に関して照明手段が照明する特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、基準方向を基準とする受光方向の角度を変数とする近似関数であって、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度を含む複数の未定係数を有する近似関数を記憶手段に記憶しておき、測定試料の試料面を照明手段により特定方向から照明し、照明された測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光を複数の受光手段により受光して光強度に応じた受光信号を出力し、受光信号に基づいて測定試料の反射特性測定値を複数の受光手段に対応してそれぞれ求め、各受光手段の受光方向の角度および各受光手段に対応する反射特性測定値に基づいて複数の未定係数を決定し、この決定した近似関数を用いて複数の受光手段に対応する反射特性測定値をそれぞれ補正するようにしたので、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度によって生じる誤差を低減することができ、測定精度を向上することができる。
【0160】また、請求項13の発明によれば、上記近似関数は、上記傾斜角度を最大値として対称な値をとるように設定されたものであることにより、測定試料が、薄片状のアルミニウムやマイカなどからなる光輝材が塗膜内に含まれているメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各受光手段の受光方向の角度に対する反射特性は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度を最大値としてほぼ対称なライン上に載ることから、反射特性をより精度良く近似することができ、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差をより低減することができ、測定精度を一層向上することができる。
【0161】また、請求項14の発明によれば、上記近似関数は、ガウス関数であることにより、測定試料がメタリック塗装やパールカラー塗装が施されたものである場合には、各受光手段の受光方向の角度に対する反射特性は、上記所定角度をピークとする正規分布に近似したライン上に載ることから、反射特性をより一層精度良く近似することができ、これによって上記傾斜角度によって生じる誤差を更によく低減することができ、測定精度をさらに一層向上することができる。
【0162】また、請求項15の発明によれば、上記近似関数は未定係数を所定個数有するもので、上記複数の受光手段は少なくとも上記所定個数の受光手段からなるものであることにより、所定個数の受光手段の受光方向の角度を上記近似関数に代入したときの値が所定個数の受光手段に対応する測定試料の反射特性測定値にできるだけ等しくなるように、近似関数の所定個数の未定係数を確実に決定することができ、これによって近似関数を用いて複数の受光手段に対応する反射特性測定値の補正を行うことができる。
【0163】また、請求項16の発明によれば、上記複数の受光手段は、上記基準方向に関して上記測定器本体の中心軸側に配設された第1の受光手段と、その反対側に配設された第2の受光手段とを含むものであることにより、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜角度だけ基準方向からずれた所定角度は、第1の受光手段の受光方向の角度と第2の受光手段の受光方向の角度との間に配置されるという条件設定が可能になるので、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数を、より精度良く決定することができ、これによって、上記傾斜角度によって生じる誤差をより低減することができ、測定精度を更に一層向上することができる。
【0164】また、請求項17の発明によれば、上記第1の受光手段と上記第2の受光手段とは、上記基準方向に関して互いに対称な位置に配設されていることにより、近似関数の上記傾斜角度に対応する未定係数を、より精度良く決定することができ、これによって、上記傾斜角度によって生じる誤差をより低減することができ、測定精度を更に一層向上することができる。
【0165】また、請求項18の発明によれば、測定試料の試料面を照明手段により特定方向から照明し、照明された測定試料からの反射光のうちでそれぞれ互いに異なる方向の反射光を複数の受光手段により受光して光強度に応じた受光信号を出力するようにしたものであって、測定器本体に穿設された測定用開口の法線に平行な測定器本体の中心軸に関して照明手段が照明する特定方向と対称な方向を基準方向とするときに、第1、第2の受光手段は、基準方向に関して互いに対称な位置に配設し、第1、第2の受光手段による受光信号の和に基づいて、第1の受光手段に対応する測定試料の反射特性を求めるようにしたので、第1、第2の受光手段による受光信号の和は、測定試料の試料面の法線に対する測定器本体の中心軸の傾斜の有無やその大きさに関わりなくほぼ一定になることから、第1の受光手段に対応する測定試料の反射特性を、精度良く求めることができる。
【0166】また、請求項19の発明によれば、光束規制板の開口は、複数の受光手段の光軸および照明手段の光軸を含む測定面に平行な辺が短く、上記測定面に垂直な辺が長い矩形形状であるので、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜しても、開口の測定面に垂直な辺の範囲内において傾斜なしに相当する光束が開口を通過することとなり、測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差を低減することができる。
【0167】また、請求項20の発明によれば、光束規制板の第1開口および第2開口は、複数の受光手段の光軸および照明手段の光軸を含む測定面に関して互いに対称な位置に穿設されていることにより、測定試料の試料面の法線に対して測定器本体の中心軸が測定面に直交する方向に傾斜すると、第1開口および第2開口のうちで一方の開口からの光束が増大し、他方の開口からの光束がほぼ同一量だけ減少することになり、第1、第2開口を通過する合計の光強度はほぼ変化しないので、測定面に直交する方向への傾斜による測定誤差を低減することができる。
【0168】また、請求項21の発明によれば、反射特性は、波長に依存する分光反射特性であることにより、測定試料の測色を行ったり種々の反射特性を得ること等ができる。




 

 


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