米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 測定; 光学 -> ミノルタ株式会社

発明の名称 マルチビーム出射装置およびこれを用いたマルチビーム加工装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−42239(P2001−42239A)
公開日 平成13年2月16日(2001.2.16)
出願番号 特願平11−218834
出願日 平成11年8月2日(1999.8.2)
代理人 【識別番号】100090446
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 司朗
【テーマコード(参考)】
2C362
2H041
2H045
5C072
【Fターム(参考)】
2C362 AA09 AA48 BA57 BA61 BA71 BA89 
2H041 AA12 AB26 AC01 AZ03 AZ06
2H045 AA01 BA22 BA33 CA02 CA88 DA02
5C072 AA03 BA04 EA05 HA02 HA06 HA10 HA11 HA13 HB08
発明者 石山 雅三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数の光ビームを間隔をおいて所定の照射面に照射するマルチビーム出射装置であって、第1の光ビームを前記照射面又はそれと等価な面上で受光する受光手段と、第2の光ビームの前記照射面上における照射位置を移動させる光ビーム移動手段と、前記受光手段の出力を監視し、第2の光ビームの照射位置が第1の光ビームの照射位置とほぼ一致するまで光ビーム移動手段を制御する第1制御手段と、2つの光ビームの正規の間隔とその間隔を得るのに必要な光ビーム移動手段の制御量との対応関係を記憶している記憶手段と、前記記憶手段の記憶している制御量だけ、第2の光ビームの照射位置を第1の光ビームの照射位置と一致後移動するように光ビーム移動手段を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とするマルチビーム出射装置。
【請求項2】 前記第1制御手段は、両光ビーム受光時における前記受光手段の出力が、第1の光ビーム受光時のほぼ2倍になった場合に、当該両光ビームの照射位置が一致したと判断することを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム出射装置。
【請求項3】 前記第1制御手段は、両光ビーム受光時における前記受光手段の出力が、最大値になった場合に、当該両光ビームの照射位置が一致したと判断することを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム出射装置。
【請求項4】 前記マルチビーム出射装置は、前記第1の光ビームを発生する第1のビーム発生素子と、第2の光ビームを発生する第2のビーム発生素子とを有する構成、または一の光ビームを発生するビーム発生素子と、前記一の光ビームを前記第1の光ビームと第2の光ビームとに分割するビーム分割光学素子とを有する構成のいずれか一方を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマルチビーム出射装置。
【請求項5】 前記光ビーム移動手段は、第2の光ビームの光路中に配設され、第2の光ビームの照射位置を照射面上において移動させる移動光学素子と、制御量に基づいて前記移動光学素子を駆動する光学素子駆動手段と、を含み、前記第2制御手段は、前記光学素子駆動手段に対して前記正規の間隔に応じた制御量に基づいて光学素子駆動手段を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチビーム出射装置。
【請求項6】 前記光ビーム移動手段は、制御量に基づいて前記第2のビーム発生素子を直線的に移動するビーム発生素子移動手段を含み、前記第2制御手段は、前記ビーム発生素子移動手段に対して前記正規の間隔に応じた制御量を出力することを特徴とする請求項4に記載のマルチビーム出射装置。
【請求項7】 前記受光手段は、受光素子が2分割された2分割センサ、複数の受光素子がライン状に配設されたラインセンサ、複数の受光素子が平面状に配設されたエリアセンサまたはポジション・センシング・デバイスのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のマルチビーム出射装置。
【請求項8】 前記第1の光ビームと第2の光ビームとを共通に照射光と残余光とにそれぞれ分岐する分岐手段を備え、前記受光手段は残余光の光路中に配設されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のマルチビーム出射装置。
【請求項9】 対象物の像平面上を所定の方向に間隔をおいて複数の光ビームを照射し、当該対象物を加工するマルチビーム加工装置であって、前記複数の光ビームを出射する手段として、請求項1ないし8のいずれかに記載のマルチビーム出射装置を使用したことを特徴とするマルチビーム加工装置。
【請求項10】 前記マルチビーム出射装置と前記対象物との間に、前記基準ビームと他の光ビームとを前記方向と直交する方向へ走査させる走査光学系を有し、前記対象物として用いられる感光体を走査することにより画像を形成することを特徴とする請求項9に記載のマルチビーム加工装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームなどの光ビームを複数出射するマルチビーム出射装置およびこれを用いたマルチビーム加工装置に関し、特に所定の照射面における光ビームの間隔を精度よく調整する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、レーザプリンタ等の画像形成装置の分野においては、画像形成の高速化等に対応すべく、像担持体表面を照射するための光ビームを複数本、射出するようにしたマルチビーム出射装置を用いた画像形成装置が開発されている。このようなマルチビーム出射装置を用いて良好な品質の画像を得るためには、像担持体表面を照射する際の複数の光ビーム間の副走査方向における間隔(ビーム間隔)を所定の間隔に保つ必要がある。
【0003】ところが、製造段階で一旦、ビーム間隔を所定の間隔に設定しても、例えば、画像形成装置の使用時にビーム発生素子を保持する部材が温度変化により膨張してこのビーム発生素子が微少に位置ずれするなどの原因により、ビーム間隔が変動する場合がある。他方、解像度に合わせてビーム間隔を変更したいという要望もある。このため、従来からビーム間隔を所定間隔に調整する技術が種々開発されており、この一例が、特開平9−159949号公報に開示されている。
【0004】図12は、上記公報に開示されたレーザプリンタの概略構成を示す図である。同図に示されるように、レーザダイオード(以下、「LD」と記す。)901から出射されたレーザビームLB0は、多ビーム発生素子902により2本に分岐される。分岐された2本のレーザビームLB10,LB20は、コリメータレンズ903を介し、音響光学的変調器(AOM)904において画像データに基づき光変調される。光変調されたレーザビームLB10,LB20は、レンズ905、反射ミラー906を介し、さらにシリンドリカルレンズ911、回転駆動されるポリゴンミラー912、fθレンズ913などの走査光学系を介して回転駆動される感光ドラム920周面上を照射しながら主走査する。これにより、感光ドラム920上に静電画像が形成される。
【0005】感光ドラム920の主走査始端側には、感光ドラム920を主走査するレーザビームLB10,LB20の副走査方向におけるビーム間隔を検出するためのCCDラインセンサ908が配設されている。このCCDラインセンサ908は、所定のピッチξ(例えば、10μm)で直線上に配列される複数の受光素子p101,p102,…を有し、この配列方向は、主走査方向と直交する方向(副走査方向)になっている。また、上記反射ミラー906とシリンドリカルレンズ911との間のレーザビームLB10,LB20の光路中には、ダブプリズム907が配設されており、このダブプリズム907は、回転角度調整機構909によって回転される。
【0006】ここで、レーザビームは、そのビーム軸において光強度が最大で、ビーム軸からビーム径端部に行くにつれて光強度が小さくなる正規分布特性を示すガウシアンビームであり、CCDラインセンサ908の各受光素子p101,p102,…は、不図示の制御部の指示に従って、レーザビームの正規分布に従う光強度に応じた電荷を蓄積し、この電荷に応じた電圧を出力する。この結果、各受光素子は、値の異なる電圧をそれぞれ出力する。光強度がビーム軸で最大になるのであるから、当該ビーム軸は、光強度が最大となる受光素子に位置していることになる(同図では、103番目(p103)と113番目(p113)の受光素子になる。)。なお、受光素子の一つ一つを、以下「画素」ともいう。
【0007】そこで、従来では、光強度が最大となる画素がどの画素かをCCDラインセンサ908の出力分布から検出して、その画素間隔が所定のビーム間隔Δ0になっているか否かを判断し、所定の間隔になっていなければ、その間隔になるように回転角度調整機構909によってダブプリズム907を回転させることにより両レーザビームLB10,LB20の副走査方向の間隔を調整するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の技術では、ビーム軸が通過した画素を簡単に特定できるものの、ビーム間隔の調整精度が悪いという問題があった。なぜなら、レーザビームLB10,LB20のビーム軸が、画素配列方向において、特定の画素(上記例では画素p103,p113)内のどこを通過したかまで判別することができないからである。例えば、画素p103の出力値が最大になる場合には、ビーム軸が画素p103の素子配列方向中央の位置に位置している場合もあれば、当該中央の位置からその配列方向手前側や後ろ側の画素にずれている場合もあり得るはずである。それにも拘わらず、従来の手法では、出力値が最大となる2つの画素を検出した後、それら画素の、例えば中央の位置をビーム間隔を調整するときの基準とする位置と予め決めておいて、その位置間隔を検出して、これを所定の間隔に調整するようにしている。従って、双方の画素について、最大で1ピッチ分(10μm)の誤差を含んだ状態で調整が行われることになってしまい、これにより調整精度が悪くなっていたのである。
【0009】例えば、上記の手法により副走査方向の解像度を600dpiでプリントするためにビーム間隔を42.3μmに調整する場合、たとえ上記ダブプリズム907を微細な角度で回転させて、ビーム間隔を0.1μmという微小な単位で調整できるようにしても、上記誤差によって、ビーム間隔は32.3〜52.3μmの範囲でばらついてしまう。これでは、レーザビームLB10とLB20により露光走査されて形成される画像に副走査方向に粗密が生じて、画像品質が著しく劣化してしまう。
【0010】このような問題を解決するために、近年実用化されつつある画素ピッチが3μm程度の高密度のCCDラインセンサを用いて検出精度を高めることも考えられるが、これは極めて高価であるので、大幅なコストアップとなり好ましくない。また、上記の問題は、感光体ドラムを露光走査する場合に限られず、トリミング装置等のように、対象物上に所定の間隔をおいて複数の光ビームを照射し、当該対象物に何らかの手を加えることにより対象物を加工するマルチビーム加工装置の分野においても、同様に発生しうるものである。
【0011】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、検出精度の悪い受光手段を用いても、ビーム間隔を精度よく調整することができるマルチビーム出射装置およびこれを用いたマルチビーム加工装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係るマルチビーム出射装置は、複数の光ビームを間隔をおいて所定の照射面に照射するマルチビーム出射装置であって、第1の光ビームを前記照射面又はそれと等価な面上で受光する受光手段と、第2の光ビームの前記照射面上における照射位置を移動させる光ビーム移動手段と、前記受光手段の出力を監視し、第2の光ビームの照射位置が第1の光ビームの照射位置とほぼ一致するまで光ビーム移動手段を制御する第1制御手段と、2つの光ビームの正規の間隔とその間隔を得るのに必要な光ビーム移動手段の制御量との対応関係を記憶している記憶手段と、前記記憶手段の記憶している制御量だけ、第2の光ビームの照射位置を第1の光ビームの照射位置と一致後移動するように光ビーム移動手段を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記第1制御手段は、両光ビーム受光時における前記受光手段の出力が、第1の光ビーム受光時のほぼ2倍になった場合に、当該両光ビームの照射位置が一致したと判断することを特徴とする。また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記第1制御手段は、両光ビーム受光時における前記受光手段の出力が、最大値になった場合に、当該両光ビームの照射位置が一致したと判断することを特徴とする。
【0014】また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記第1の光ビームを発生する第1のビーム発生素子と、第2の光ビームを発生する第2のビーム発生素子とを有する構成、または一の光ビームを発生するビーム発生素子と、前記一の光ビームを前記第1の光ビームと第2の光ビームとに分割するビーム分割光学素子とを有する構成のいずれか一方を備えることを特徴とする。
【0015】また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記光ビーム移動手段は、第2の光ビームの光路中に配設され、第2の光ビームの照射位置を照射面上において移動させる移動光学素子と、制御量に基づいて前記移動光学素子を駆動する光学素子駆動手段と、を含み、前記第2制御手段は、前記光学素子駆動手段に対して前記正規の間隔に応じた制御量に基づいて光学素子駆動手段を制御することを特徴とする。
【0016】また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記光ビーム移動手段は、制御量に基づいて前記第2のビーム発生素子を直線的に移動するビーム発生素子移動手段を含み、前記第2制御手段は、前記ビーム発生素子移動手段に対して前記正規の間隔に応じた制御量を出力することを特徴とする。また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記受光手段は、受光素子が2分割された2分割センサ、複数の受光素子がライン状に配設されたラインセンサ、複数の受光素子が平面状に配設されたエリアセンサまたはポジション・センシング・デバイスのいずれかであることを特徴とする。
【0017】また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記第1の光ビームと第2の光ビームとを共通に照射光と残余光とにそれぞれ分岐する分岐手段を備え、前記受光手段は残余光の光路中に配設されていることを特徴とする。また、本発明に係るマルチビーム加工装置は、対象物の像平面上を所定の方向に間隔をおいて複数の光ビームを照射し、当該対象物を加工するマルチビーム加工装置であって、前記複数の光ビームを出射する手段として、上記のいずれかに記載のマルチビーム出射装置を使用したことを特徴とする。
【0018】また、本発明に係るマルチビーム出射装置は、前記マルチビーム出射装置と前記対象物との間に、前記基準ビームと他の光ビームとを前記方向と直交する方向へ走査させる走査光学系を有し、前記対象物として用いられる感光体を走査することにより画像を形成することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係るマルチビーム射出装置をレーザプリンタに適用した例について、図面を参照しながら説明する。
(1) レーザプリンタの全体構成図1は、本発明の一実施の形態に係るレーザプリンタ1の概略構成を示す図であり、図1(a)はその斜視図、図1(b)は、図1(a)のCCDラインセンサ300およびこの付近を示す図である。
【0020】同図に示すようにレーザプリンタ1は、プリンタヘッド10と、矢印a方向に回転駆動される感光体ドラム40(像担持体)と、プリンタヘッド10などを制御する制御部50とを備える。プリンタヘッド10は、2本のレーザビームLB1,LB2を出射するマルチビーム出射ユニット100と、このレーザビームLB1,LB2を偏向して感光体ドラム40表面を回転軸方向に走査する走査光学系200と、レーザビームLB1,LB2が照射する像表面内、走査始端側に配設されるCCDラインセンサ300などからなる。なお、マルチビーム出射ユニット100と、CCDラインセンサ300と、制御部50とで、マルチビーム出射装置が構成される。
【0021】マルチビーム出射ユニット100は、制御部50から出力される駆動信号により光変調されたレーザビームLB1,LB2をそれぞれ発生するレーザダイオードLD1,LD2と、ビームスプリッタ101、コリメータレンズ102、ビーム位置補正板120などを備える。レーザダイオードLD1、LD2からそれぞれ出射されたレーザビームL1、L2は、二つの三角プリズムを貼り合わせてなるビームスプリッタ101に互いにほぼ90°の角度をもって入射される。ここで、レーザビームL1は、ビームスプリッタ101により90°偏向されて、コリメータレンズ102に向かう。一方のレーザビームL2は、ビームスプリッタ101をそのまま通過して、コリメータレンズ102へ向かう。コリメータレンズ102に入射されたレーザビームL1、L2は、ここで共に平行光線にされる。なお、レーザビームL2は、ビームスプリッタ101に到達する前に、ビーム位置補正板120を経由している。このビーム位置補正板120は、後述のビーム位置調整処理において、レーザビームL2の照射位置を副走査方向に移動させるときに用いられるものである。なお、マルチビーム出射ユニット100の構成の詳細については、後述する。
【0022】走査光学系200は、シリンドリカルレンズ201と、矢印b方向に回転駆動されるポリゴンミラー202と、トロイダルレンズ203a,203bや、fθレンズ203c,203dなどの複数(図示4つ)のレンズが組み合わされて構成される走査レンズ203と、折り返しミラー204とからなる。マルチビーム出射ユニット100から出射されたレーザビームLB1,LB2は、シリンドリカルレンズ201によってポリゴンミラー202のミラー面にそれぞれ集光され、ポリゴンミラー202のミラー面で回転軸と直交する方向(主走査方向)に偏向される。偏向されたレーザビームLB1,LB2は、走査レンズ203、折り返しミラー204を介してCCDラインセンサ300および感光体ドラム40表面を走査する。そのときの感光体ドラム40上に結像されるレーザビームLB1,LB2のビーム径は、互いに42.3μmになっており、これは600dpiのプリント解像度に相当するものである。このプリント解像度の場合、レーザビームL1,L2は、各ビーム径の円周が接する状態で露光走査されるようにしている。このため、ビーム軸(ビーム強度が最大となるビーム径の中心)の副走査方向における間隔(以下、この間隔を「ビーム間隔」という。)は、ビーム間隔調整処理において調整された後において、42.3μmにされる。
【0023】感光体ドラム40の周囲には、不図示のクリーナや、イレーサランプ、帯電チャージャ、現像器、転写チャージャなどが配設されている。感光体ドラム40は、レーザビームLB1,LB2による露光を受ける前にクリーナで感光体表面の残留トナーを除去され、さらにイレーサランプに照射されて除電された後、帯電チャージャにより一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で露光を受けると、感光体ドラム40の表面の感光体に静電潜像が形成される。この静電潜像は、レーザビームLB1,LB2の露光によるいわゆる電荷抜き加工によって形成されるものであり、現像器からトナーの供給を受けてトナー像に顕像化される。このトナー像は、当該作像動作と同期して不図示の給紙部から給紙されてきた記録シート上にドラム・転写チャージャ間の静電力付与で転写された後、不図示の定着ローラにおいて熱定着される。これにより画像データに基づく画像形成が終了する。
【0024】感光体ドラム40の主走査始端側には、この感光体ドラム40を主走査するレーザビームLB10,LB20の副走査方向におけるビーム間隔を調整するためのCCDラインセンサ300が配設されている。このCCDラインセンサ300は、所定のピッチξ(例えば、10μm)で直線上に配列される複数(図示10個)の受光素子p1,p2,…を有し、この配列方向は、主走査方向と直交する方向(副走査方向)になっている。なお、レーザビームLB1,LB2は、ガウシビアンビームなので、そのビーム強度は、正規分布となる。このため、CCDラインセンサ300の各受光素子p1,p2,…は、制御部50の指示に従って、レーザビームの正規分布に従う光強度に応じた電荷を蓄積し、この電荷に応じた電圧を出力する。この結果、各受光素子は、値の異なる電圧をそれぞれ出力する。この出力に基づいて、ビーム間隔調整処理においてレーザビームLB1,LB2のビーム間隔が調整される。
【0025】(2) マルチビーム出射ユニット100の構成図2は図1に示すマルチビーム出射ユニット100の詳細な構成を示す図であり、図1および図2を用いてマルチビーム出射ユニット100の構成を説明する。なお、図2(a)はマルチビーム出射ユニット100の側面図であり、図2(b)は図2(a)の断面図であり、図2(c)はビーム位置補正板120およびこの付近の斜視図である。
【0026】マルチビーム出射ユニット100は、上記レーザダイオードLD1,LD2、、ビームスプリッタ101、コリメータレンズ102、ビーム位置補正板120の他、レーザダイオードLD1とビームスプリッタ101との間に配設される非点隔差補償板125と、レーザプリンタ1のフレーム60に取着されるベース115と、ベース115上に取着されるコリメータホルダ114と、ベース115の両側に対向して立設される側板117,118と、図2におけるベース115の左側端部に立設されるアパーチャ116と、レーザダイオードLD1,LD2をそれぞれ保持するLDホルダ111,112と、コリメータレンズ102を保持するコリメータ鏡筒113、側板117に取着されるアクチュエータホルダ132などから構成されている。なお、図1においては、煩雑さを避けるため、上記非点隔差補償板125や、その他の部品の図示が省略されている。
【0027】レーザダイオードLD1は、ビーム出射面をビームスプリッタ101側に向け、LDホルダ111によってコリメータホルダ114上部に取り付けられる。レーザダイオードLD2は、ビーム出射面をビームスプリッタ101側に向け、LDホルダ112によってベース115に取り付けられる。レーザダイオードLD1の直下で、両レーザダイオードLD1,LD2からの光路長が等しくなる位置には、コリメータホルダ114に取着されたビームスプリッタ101が配設される。ビームスプリッタ101は、レーザビームLB1,LB2の一部をコリメータレンズ102側に透過させる。なお、レーザダイオードLD1,LD2から出射されたレーザビームLB1,LB2は、レーザダイオードLD1,LD2のビーム出射面から離れるにつれて所定の角度で拡散する拡散光である。コリメータレンズ102は、コリメータ鏡筒113に保持されることによりコリメータホルダ114に取り付けられれ、ビームスプリッタ101を介するレーザビームLB1,LB2を拡散光から平行光にする。平行光にされたレーザビームLB1,LB2は、アパーチャ116を介して走査光学系200のシリンドリカルレンズ201に向かう。
【0028】レーザダイオードLD2とビームスプリッタ101との間のレーザビームLB2の光路中には、このレーザビームLB2を移動させるためのビーム位置補正板120が配設される。このビーム位置補正板120は、所定の厚みd(例えば、1mm)、所定の材料(例えば、光学ガラス)からなる平行平板であって、補正板ホルダ121に装着される。補正板ホルダ121は、回転軸122回りに回動可能に側板117,118間に軸止されている。また、回転軸122の一端には揺動アーム123が取着されている。
【0029】揺動アーム123の図2(a)における左側の一端(以下、「下端」という。)の上方に配置されるアクチュエータホルダ132には、リニアステッピングアクチュエータ130が取着されている。このリニアステッピングアクチュエータ130は、軸受け(不図示)と、これに螺合する軸131を有し、制御部50によるステップ駆動に基づいて、軸131を回転させて、当該軸131の図2(a)における下側先端を直線的に進退させるように構成されている。揺動アーム123の図2(a)における右側の一端(以下、「上端」という。)と、側板117に取着されたピン125との間には、引張りコイルバネ124が配設される。これにより、揺動アーム123の下端が矢印c(図2(c)参照)方向と逆の方向に押し上げられ、軸131の先端に当接される。
【0030】リニアステッピングアクチュエータ130をステップ駆動して軸131の先端を進出させると、揺動アーム123の下端が矢印c方向に押し下げられる。この逆に軸131の先端を後退させると、揺動アーム123の下端が矢印cと逆方向に押し上げられる。これにより、ビーム位置補正板120が回転軸122回りに回転される。
【0031】なお、同図において、レーザビームLB1が非点隔差補償板125を透過してビームスプリッタ101へと向かうようになっているのは、以下の理由による。レーザビームLB2がビーム位置補正板120を透過すると、この段階では拡散光であるので、いわゆるビーム径太りなどが生じる。この結果、レーザビームLB1について何ら補正を行わないと、レーザビームLB2とレーザビームLB1との間で非点隔差などの収差に相違が生じる。そこで、レーザビームLB1を非点隔差補償板125を透過させることにより、レーザビームLB1もレーザビームLB2と同様にビーム径を太らせ、両レーザビーム間の収差を等しくするためである。なお、非点隔差補償板125は、ビーム位置補正板120と同材料、同厚みに形成されている。
【0032】ここで、ビーム位置補正板120をレーザビームLB2が通過する場合、ビーム位置補正板120の入射側のレーザビームLB2とビーム位置補正板120を通過した出射側のレーザビームLB2との間でスネルの法則が成立する。すなわち、このビーム位置補正板120の法線とレーザビームLB2のビーム軸とが平行な状態(この状態をを、以下「平行状態」という。)であると、レーザビームLB2のビーム軸は、ビーム位置補正板120によって屈折されることなく、ビーム位置補正板120の入射側のビーム軸と出射側のビーム軸とが一直線となって通過する。この平行状態の場合には、ビームスプリッタ101を介するレーザビームLB1,LB2のビーム軸は一致するようになっている。この結果、レーザビームLB2のビーム軸は、走査光学系200を介した後のCCDラインセンサ300上においても、レーザビームLB1のビーム軸と一致し、この一致をCCDラインセンサ300により検出できるようになっている。
【0033】これに対して、上記平行状態からビーム位置補正板120が僅かでも回転され、ビーム位置補正板120の法線に対してレーザビームLB2のビーム軸が傾いた状態(この状態を、以下「傾斜状態」という。)であると、レーザビームLB2のビーム軸は、ビーム位置補正板120によって屈折され、ビーム位置補正板120の入射側のビーム軸と出射側のビーム軸とは所定の距離平行に移動する。この傾斜状態の場合には、ビームスプリッタ101を介するレーザビームLB1,LB2のビーム軸は所定の距離離間する。この結果、レーザビームLB2のビーム軸は、走査光学系200の光路長に応じて、レーザビームLB1のビーム軸から離間する。この離間距離がビーム位置補正板120の傾斜状態の角度に比例するから、傾斜状態の角度を調整すれば感光体ドラム40上においてレーザビームLB1,LB2のビーム間隔を調整できることになる。
【0034】上記リニアステッピングアクチュエータ130は、1基本ステップの駆動で軸131の移動量が20μmのものが用いられているが、制御部50によって基本ステップより1/32細かいファインステップ駆動されることにより、軸131を0.625μmのピッチで進退させるようにしている。この場合には、1ステップで、ビーム位置補正板120を0.0015625°回転させる。これにより、レーザビームLB2は、像平面に配置されたCCD300上においてδ=0.09375μmずつ副走査方向に移動され、レーザビームLB1と一致あるいは離間される。
【0035】制御部50は、CCDラインセンサ300の出力を監視し、マルチビーム出射ユニット100のビーム位置補正板120を回転させ、レーザビームLB2の照射位置を移動させ、レーザビームLB1,LB2のビーム間隔を調整するようになっている。
(3) 制御部50の構成図3は、制御部50の構成を示すブロック図である。
【0036】同図に示すように、制御部50は、主にCPU510と、データ受信部520と、画像メモリ530と、レーザダイオード駆動部540と、CCD駆動部550と、サンプルホールド回路560と、A/D変換器565と、モータ駆動部570と、ROM580と、RAM590などから構成される。データ受信部520は、パーソナルコンピュータから受信したテキストデータなどのプリントデータを受信し、プリントする頁ごとにビットマップ展開した画像データを生成して画像メモリ530に出力する。
【0037】画像メモリ530は、上記画像データを複数ページ分、一時的に記憶する記憶領域を有し、必要なページの画像データをレーザダイオード駆動部540に出力する。レーザダイオード駆動部540は、画像メモリ530から送られてきた画像データに基づきレーザダイオードLD1,LD2に駆動信号を送ってこれを駆動してレーザビームLB1,LB2を出射させる。なお、レーザダイオードLD1には1頁中の画像データの奇数ラインの駆動信号が、レーザダイオードLD2には偶数ラインの駆動信号が並行して送られ、プリント速度の高速化が図られるようになっている。
【0038】CCD駆動部550は、CPU510の指示に基づいてCCDラインセンサ300にシャッタ信号、シフト信号、出力信号などの各種信号を出力し、各画素にレーザビームを所定時間受光させ、各画素に蓄積された電荷を内部アナログレジスタに転送させ、画素ごとの電荷に応じた電圧をサンプルホールド回路560に出力させる。
【0039】サンプルホールド回路560は、CPU510から出力されたタイミング信号に同期して、CCDラインセンサ300から出力される各画素ごとの出力電圧を順次サンプリングし、サンプリングした電圧をA/D変換器565に出力する。A/D変換器565は、CPU510から出力されたタイミング信号に同期して、サンプリングされた電圧を例えば8ビットのデジタル信号に順次変換してCPU510に出力する。
【0040】モータ駆動部570は、CPU510の指示に基づきリニアステッピングアクチュエータ130をファインステップ駆動する。ROM580は、プリンタ各部を制御するプログラムや、リニアステッピングアクチュエータ130を駆動するステップ数とレーザビームLB2の移動量との対応関係や、制御変数の初期値などを予め記憶する。なお、この対応関係は、リニアステッピングアクチュエータ130を1ステップ駆動した場合、レーザビームLB2の照射位置が感光体ドラム40上においてδ=0.09375μmずつ副走査方向に移動される。このため、プリント解像度600dpi時における正規のビーム間隔42.3μmとこの間隔を得るのに必要なリニアステッピングアクチュエータ130を駆動するステップ数Nとの対応関係が予め調べられて記憶されている。また、400dpiや、1200dpiなどの他のプリント解像度の場合の対応関係についても、同様にして予め調べられて記憶されている。
【0041】また、RAM590は、上記プログラム実行時に、プリント可能フラグ591、ビーム間隔格納部592、ビーム間隔調整タイマ593などのワークエリアを提供する。なお、プリント可能フラグ591はプリント可能か否かを表すフラグを格納するエリアであり、ビーム間隔格納部592はプリント解像度に基づいて定められるレーザビームLB1,LB2の正規のビーム間隔Δを格納するためのエリアであり、ビーム間隔調整タイマ593は、ビーム間隔調整処理を所定の時間ごとに実行するためのタイマ値Tを格納するエリアである。
【0042】CPU510は、ROM580から必要なプログラムを読み出して、各種動作のタイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。特に、CCDラインセンサ300の検出結果に基づいてリニアステッピングアクチュエータ130を制御して、レーザビームLB1,LB2の間隔を精度よく調整する。
【0043】(4) 制御部50おける制御動作図4は、制御部50のCPU510による制御動作のメインルーチンを示すフローチャートである。電源が投入されると、制御部50のCPU510は、初期処理(ステップS1)の実行後、ルーチンタイマをスタートさせて当該メインルーチンの時間管理を行う(ステップS2およびS7)。そして、プリントデータ受付処理(ステップS3)、給紙・作像処理(ステップS4)、ビーム間隔調整処理(ステップS5)、上記以外のその他の処理(ステップS6)を所定の時間ごとに順次繰り返し実行する。
【0044】ステップS1の初期処理においては、CPU510は、CPU510の内部レジスタの初期化、RAM590のワークエリアの初期化、画像メモリ530の初期化などを実行した後、プリント可能フラグ591、ビーム間隔格納部592、ビーム間隔調整タイマ593などのワークエリアの確保する。なお、このプリント可能フラグ591には初期値としてプリント可能を表す「1」がセットされ、ビーム間隔格納部592には初期値として目標とするビーム間隔Δ0(例えば、副走査方向のプリント解像度600dpi時におけるビーム間隔42.3μm)がセットされ、ビーム間隔調整タイマ593のタイマ値Tには初期値としてビーム間隔調整処理を実行する時間であることを表す「T0」がセットされるようになっている。
【0045】ステップS3のプリントデータ受付処理においては、CPU510は、パーソナルコンピュータからプリントデータが送られてきたのを検知すると、当該データを受信し、当該データ中で指定されているプリントモードにしたがってビットマップ展開し、画像データを画像メモリ530に格納する。また、プリントモードで指定されている副走査方向のプリント解像度に応じたビーム間隔がビーム間隔格納部592にセットされているビーム間隔と異なる場合には、レーザビームLB1,LB2のビーム間隔を変更するため、プリントモードの指定に応じたビーム間隔をビーム間隔格納部592に格納するとともに、ビーム間隔調整タイマ593のタイマ値Tに「T0」をセットするようになっている。
【0046】ステップS4の給紙・作像処理においては、CPU510は、プリント可能フラグ591を参照し、このフラグが「1」(プリント可能)であると、記録シートを転写位置に搬送し、画像メモリ530から所定の画像を読み出してレーザダイオード駆動部540に転送し、上記した作像動作を実行して、トナー像を記録シートに転写させる。
【0047】ステップS5のビーム間隔調整処理においては、レーザビームLB1,LB2の副走査方向への間隔を調整する。この処理の詳細は、後述する。ステップS6のその他の処理においては、CPU510は、定着部70における温度制御などを行う。次いで、上記ビーム間隔調整処理の詳細について図5および図6を用いて説明する。
【0048】図5は図4に示すビーム間隔調整処理(ステップS5)のサブルーチンを示すフローチャートであり、図6はこの調整処理時におけるレーザビームLB1,LB2の受光動作を説明するための図であり、特に図6(a)は、CCDラインセンサ300の各画素のレーザビームLB1,LB2の受光状態を示す図であり、図6(b)はCCDラインセンサ300がレーザビームLB1のみを受光している場合に得られる各画素ごとの出力値を示す波形図であり、図6(c),図6(e)はレーザビームLB1,LB2が少しずれている場合に得られる各画素ごとの出力値を示す波形図であり、図6(d)はレーザビームLB1,LB2が一致している場合に得られる各画素ごとの出力値を示す波形図である。なお、説明の便宜上、副走査方向のプリント解像度が600dpiに指定され、ビーム間隔格納部592にレーザビームLB1,LB2のビーム間隔(正規の間隔)が42.3μmに設定されて、CPU510はこのビーム間隔に調整するものとして説明する。
【0049】CPU510は、まずビーム間隔調整タイマ593のタイマ値Tが「T0」か否か判断する(ステップS501)。ビーム間隔調整タイマ593のタイマ値TがT0でなければ(ステップS501でN)、タイマ値Tをインクリメントし(ステップS516)、図4のメインルーチンにリターンする。ステップS501においてタイマ値Tが「T0」であれば(ステップS501でY)、タイマ値Tを「0」にリセットして(ステップS502)、ビーム間隔の調整中に作像処理を実行しないように、プリント可能フラグ591を「0」にリセットして(ステップS503)、ポリゴンミラー202を回転駆動させる(ステップS504)。ポリゴンミラー202が回転駆動されると、CPU510は、レーザダイオード駆動部540に指示し、レーザダイオードLD1から所定の光量のレーザビームLB1を出射させる(ステップS505)。そして、CPU510は、CCD駆動部550に指示し、CCDラインセンサ300に各種信号を出力することにより各画素ごとのレーザビームLB1の光強度に応じた出力電圧を順次出力させ、サンプルホールド回路560およびA/D変換器565にタイミングパルスを供給しCCDラインセンサ300の各画素ごとの出力値を取得する(ステップS506)。この出力値を、図6(b)に示す。
【0050】各画素ごとの出力値を取得すると、CPU510は、レーザダイオード駆動部540に指示し、レーザダイオードLD2からレーザビームLB1と同じ光量のレーザビームLB2を出射させる(ステップS507)。次いで、CPU510は、モータ駆動部570に指示して、リニアステッピングアクチュエータ130を1ステップ駆動させる(ステップS508)。これにより、ビーム位置補正板120が所定の角度回転され、レーザビームLB2の照射位置がレーザビームLB1の照射位置に接近する。そして、CPU510は、CCD駆動部550に指示し、CCDラインセンサ300に各種信号を出力することにより各画素ごとのレーザビームLB1,LB2の光強度に応じた出力電圧を順次出力させ、サンプルホールド回路560およびA/D変換器565にタイミングパルスを供給しCCDラインセンサ300の各画素ごとの出力値を取得する(ステップS509)。
【0051】各画素ごとの出力値を取得すると、CPU510は、この各画素ごとの出力値がステップS507で取得した出力値のほぼ2倍になっているか否か判断する(ステップS510)。2倍になっていなければ(ステップS510でN)、CPU510は、ステップS507に戻り、各画素の出力値がほぼ2倍になるまでステップS508〜S510を繰り返し実行する。これにより、ビーム位置補正板120が所定の角度回転され、レーザビームLB2の照射位置がレーザビームLB1の照射位置にさらに近接し、各画素の出力値がほぼ2倍になったところで、レーザビームLB2の照射位置がLB1の照射位置と一致と判断する。ここで、レーザビームLB1のビーム軸が画素内のどの位置を照射していても、最終的にレーザビームLB2のビーム軸がLB1のビーム軸と一致したところで各画素の出力値が2倍になる。したがって、レーザビームLB2の照射位置の位置合わせ原点をレーザビームLB1のビーム軸とほぼ完全に一致させることができる。なお、この繰り返しにより取得される出力値を、図6(c)、図6(d)、図6(e)に示す。
【0052】なお、各画素の出力値が完全に2倍にならない場合は、レーザビームLB2の照射位置をレーザビームLB1の照射位置前後で移動させ、2倍に一番近い位置で停止させるようにすればよい。この各画素の出力値が完全に2倍にならないのは、リニアステッピングアクチュエータ130のステップ分解能誤差によるものであるが、この誤差は±δ=0.09375μmの範囲であるから、CCDラインセンサ300の1画素ξ=10μmより非常に小さいものであり、この誤差を無視することができる。
【0053】また、1画素が例えば20μmのように大きい場合であっても、この画素の出力値がそれぞれほぼ2倍に合わせ込み、レーザビームLB1,LB2を一致させることができる。この結果、安価なラインセンサでも精度の高い検出をすることができる。各画素の出力値が2倍になると、CPU510は、レーザダイオード駆動部540に指示して、レーザダイオードLD1,LD2の駆動を停止させ(ステップS511)、ポリゴンミラー202の回転を停止させ(ステップS512)。そして、CPU510は、ビーム間隔格納部592に格納されたビーム間隔Δ(42.3μm)に対応するステップ数Nを、ROM580に格納されているリニアステッピングアクチュエータ130を駆動するステップ数とレーザビームLB2の移動量との対応関係に基づいて取得する(ステップS513)。ステップ数Nを取得すると、CPU510は、モータ駆動部570に指示してリニアステッピングアクチュエータ130をステップ数Nだけ駆動させる(ステップS514)。これにより、ビーム位置補正板120が所定の角度回転され、レーザビームLB1が固定されたまま、レーザビームLB2の照射位置がレーザビームLB1が像平面上でレーザビームLB1から正規の間隔Δ=42.3μmだけ離間する。なお、この間隔Δ=42.3μmにも上記ステップ分解能誤差による誤差が生じるおそれもあるが、これも±δ=0.09375μmの範囲であるから、ほぼ無視することができ、レーザビームLB1,LB2間のビーム間隔を検出する必要もない。したがって、従来のように2つのレーザビームのビーム軸の検出値の両方に誤差が含まれるようなこともなく、検出した間隔と正規の間隔との間の大きな誤差が含まれることもなくなり、この結果、レーザビームLB1,LB2の副走査方向への間隔を精度よく調整することができる。
【0054】レーザビームLB2をΔ離間させると、調整がすみ品質の高い画像形成が可能になるので、CPU510は、コピー可能フラグに「1」をセットし(ステップS515)、図4のメインルーチンにリターンする。なお、上述の実施の形態によれば、レーザビームLB1のビーム軸が画素内のどの位置にあっても、レーザビームLB2の照射位置の位置合わせ原点をレーザビームLB1のビーム軸とほぼ完全に一致させることができる反面、予めレーザビームLB2の光量をレーザビームLB1とほぼ同じ光量に調整する手間が必要となる。
【0055】このような不都合を解消するため、次の変形例が考えられる。すなわち、まず、レーザダイオードLD1を点灯させてCCDラインセンサ300の各画素ごとの出力値をモニタして最大の出力値を出力する画素を特定する(このようにして特定した画素を以下、「特定画素」と記す。)。次いで、レーザダイオードLD2を点灯させると共に、リニアステッピングアクチュエータ130を1ステップ駆動させることによりレーザビームLB2の照射位置をレーザビームLB1の照射位置に接近させ、特定画素の出力値が最大値になったときにレーザビームLB2の照射位置がLB1の照射位置と一致したとみなす。
【0056】この変形例によれば、レーザビームLB1,LB2の光量をほぼ同じに調整する必要がないので、より短時間でレーザビームLB2の照射位置を位置決めすることができる。しかも、レーザビームLB1のビーム軸が特定画素内のいずれの位置にあっても、レーザビームLB2のビーム軸が特定画素内の中央の位置にあるときに特定画素の出力値が最大値になる。この結果、レーザビームLB2の照射位置のレーザビームLB1に対する位置合わせ原点のずれを最大でも画素ピッチの1/2未満とすることができ、従来よりも間隔調整の誤差を大幅に低減させることができる。
【0057】(5) 変形例以上、本発明に係るマルチビーム出射装置およびこれを用いたマルチビーム加工装置を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(5−1) 上記実施の形態では、受光手段としてCCDラインセンサ300を用いたが、下記のものでもよい。
【0058】(5−1−1) 図7は、CCDラインセンサ300に代えて、2分割フォトダイオード310を用いた場合の構成の一例を示すブロック図である。同図に示されるように、分割部分のフォトダイオード310a,310bと、レーザビームLB1あるいはレーザビームLB1,LB2の受光時にフォトダイオード310a,310bに流れる光電流を光電圧にそれぞれ変換する二つの抵抗311,312と、抵抗311,312により変換された光電圧を加算増幅する加算増幅器313とを備えている。加算増幅器313の出力は、制御部50のサンプルホールド回路560に入力される。この構成によれば、2分割フォトダイオード310がCCDラインセンサ300より安価で、CCD駆動部550も不用となるので、マルチビーム出射装置ひいてはマルチビーム加工装置を安価に構成できる。なお、両フォトダイオード310a,310bのほぼ中央をレーザビームLB1のビーム軸が上下に通過するように2分割フォトダイオード310を配置しておくのが望ましい。
【0059】(5−1−2) 図8は、CCDラインセンサ300に代えて、エリアセンサ(2次元CCD)320を用いた場合の構成の一例を示す図である。このエリアセンサ320は、内部に複数の受光素子が平面状に配設されてなり、制御部50のCCD駆動部550により駆動され、その出力は、サンプルホールド回路560に入力される。この構成によれば、CCDラインセンサ300より高価となるものの、両レーザビームLB1,LB2の一致を2次元的に検出できるので、一致検出の精度を高めることができる。
【0060】(5−1−3) 図9は、CCDラインセンサ300に変えて、PSD(ポジション・センシング・デバイス)330を用いた場合の構成を示すブロック図である。このPSD330は、シリコン表面に形成されたP層、裏面に形成されたN層、そしてそれらの中間にあるl層の3層に形成され、一対のアノード電極331,332と、カソード電極332とを備えている。P抗層は全面に均一な抵抗値を持つように作成されている。PSD330にスポット光が入射すると、入射位置には光エネルギーに比例した電荷が発生する。発生した電荷は、電極331,332までの距離(抵抗値)に逆比例する光電流I1,I2として分割され、電極331,332からそれぞれ出力される。電極331,332からそれぞれ出力された光電流I1,I2は、抵抗334,335により光電圧に変換される。この光電圧は、上記サンプルホールド回路560、A/D変換器565と同機能を有するのサンプルホールド回路336,337、A/D変換器338,339を介してCPU510にそれぞれ入力される。これにより、レーザビームLB1あるいはレーザビームLB1,LB2の照射位置を求めることができ、レーザビームLB1,LB2が一致したことも検出することができる。なお、上記CCDラインセンサ300、2分割フォトダイオード310、エリアセンサ320の場合には、1画素をレーザビームLB1,LB2のビーム径より小さくする必要があるが、レーザビームLB1,LB2の通過位置を検出するために、このPSD330の場合には受光面をレーザビームLB1,LB2のビーム径より大きくする必要がある。
【0061】(5−2) また、上記実施の形態では、CCDラインセンサ300などの受光手段を像平面内に配置するようにしたが、図10に示すようにしてもよい。すなわち、ビームスプリッタ101は、レーザビームLB1,LB2をコリメータレンズ102側に進む照射光とその残りの残余光とに2分岐し、残余光を直下に出力する。このため、残余光が出力されるビームスプリッタ101の直下をレーザビームLB1の照射面と等価な面とし、この面に上記のCCDラインセンサ300や、2分割フォトダイオード310、エリアセンサ320、PSD330などの各種受光手段を配設してもよい。なお、この場合には、残余光が拡散ビームであるので、ビームスプリッタ101と、受光手段との間に集光レンズを配設するのが好ましい。
【0062】(5−3) また、上記実施の形態ではビーム位置補正板120を回転させてレーザビームLB2の光路を移動させるようにしたが、図11に示すように、リニアモータ式スライド装置150によって、レーザダイオードLD2自体を直線的にスライドさせるようにしてもよい。リニアモータ式スライド装置150は、ベース115上に立設された2本の軸151,152と、軸151,152で指示された移動体153と、移動体0153に取着され、センターヨーク156回りに移動自在に巻回される駆動コイル154と、サイドヨーク155に取着され、同極(例えば、N極)が対向するマグネット157,158等からなる。レーザダイオードLD2は、移動体153にマウントされる。不図示のモータ駆動部により駆動コイル154が駆動され、駆動コイル154に電流が流されると、フレミングの左手の法則により力が発生し、移動体153が移動される。これにより、レーザダイオードLD2が直線的に移動され、レーザビームLB2の光路が移動され、レーザビームLB1,LB2の間隔が調整される。間隔の調整が終わると、不図示のロック機構が動作され、移動体153が固定される。このリニアモータ式スライド装置150によれば、リニアステッピングアクチュエータ130の場合のようなステップ分解能誤差がなくなり、レーザビームLB1,LB2の副走査方向への間隔をさらに精度よく調整することができる。また、このリニアモータ式スライド装置150で、ビーム位置補正板120を回転させるようにしてもよい。
【0063】(5−4) また、上記実施の形態では、ビームスプリッタ101として、プリズムを張り合わせたものを用いたが、平板を加工したハーフミラーを用いてもよい。
(5−5) また、上記実施の形態ではレーザビームが二本の場合で実施したが、三本以上の場合でも本発明を適用することが可能であり、この場合は、1本目のレーザビームと2本目のレーザビームとのビーム間隔を調整した後、1本目のレーザービームと3本目のレーザービームとのビーム間隔を同様の手法で調整すればよい。
【0064】(5−6) また、上記実施の形態では、プリント解像度が600dpiの場合で説明したが、他のプリント解像度でも実施できる。この場合にはプリンと解像度に合わせてレーザビームLB1,LB2の光量を増減させ、これによりビーム径を変更するのが好ましい。
(5−7) また、上記実施の形態では、各レーザダイオードからレーザビームをそれぞれ発生させたが、従来のように1つのレーザダイオードから発生されたレーザビームを回折格子などのビーム分割素子で複数に分割してもよい。
【0065】(5−8) また、光ビームの一例としてレーザビームを挙げたが、LEDから発生された光をアパーチャなどで細化することにより取得された光ビームでもよい。
(5−9) さらに、上記実施の形態では、画像形成装置の一例としてレーザプリンタで実施したが、デジタル方式の複写機や、プリンタ、FAX、マイクロリーダプリントや、これらの複合機などの画像形成装置にも適用できる。また、製版業界などで使用されるような画像形成装置、例えば円筒ドラムの外面に感材を取着して感材を光ビームで走査する円筒外面走査方式の画像形成装置や、円筒ドラムの内面に感材を取着して感材を光ビームで走査する円筒内面走査方式の画像形成装置にも適用できる。また、マルチビーム加工装置の一例として画像形成装置を挙げたが、対象物表面改質加工する例えば焼き入れ装置、対象物を接合加工する例えば溶接装置、対象物を除去加工する例えばトリミング装置などにも広く適用できる。なお、焼き入れ装置や、溶接装置、トリミング装置などの場合には、光強度が強いため、間隔調整以外の時にはCCDラインセンサ300などの各種センサにダメージを与えないようにこれらのセンサを遮光板で覆っておき、間隔調整の際にはこの遮光板を外し、光ビームの強度を下げて調整するのが好ましい。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明に係るマルチビーム出射装置によれば、複数の光ビームを間隔をおいて所定の照射面に照射するマルチビーム出射装置であって、第1の光ビームを前記照射面又はそれと等価な面上で受光する受光手段と、第2の光ビームの前記照射面上における照射位置を移動させる光ビーム移動手段と、前記受光手段の出力を監視し、第2の光ビームの照射位置が第1の光ビームの照射位置とほぼ一致するまで光ビーム移動手段を制御する第1制御手段と、2つの光ビームの正規の間隔とその間隔を得るのに必要な光ビーム移動手段の制御量との対応関係を記憶している記憶手段と、前記記憶手段の記憶している制御量だけ、第2の光ビームの照射位置を第1の光ビームの照射位置と一致後移動するように光ビーム移動手段を制御する第2制御手段と、を備えるので、従来のように2つのレーザビームのビーム軸の検出値の両方に誤差が含まれるようなこともなく、検出した間隔と正規の間隔との間の大きな誤差が含まれることもなくなり、検出精度の悪いセンサを用いても、ビーム間隔を精度よく調整することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013