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発明の名称 線状発光体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−297604(P2001−297604A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−111113(P2000−111113)
出願日 平成12年4月12日(2000.4.12)
代理人 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
【テーマコード(参考)】
2H038
5F041
【Fターム(参考)】
2H038 AA54 BA07 BA08 
5F041 AA04 AA24 DC81 EE21 FF11
発明者 杉山 秀夫 / 増谷 真紀
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 透光材よりなる線状の光伝送体と、該光伝送体内に光を供給する光源とを有する線状発光体において、該光伝送体の周面に、該光伝送体内の光を散乱させる散乱手段が設けられていることを特徴とする線状発光体。
【請求項2】 請求項1において、該散乱手段は粗面部であることを特徴とする線状発光体。
【請求項3】 請求項2において、粗面部は該光伝送体に切込まれた切込により構成されていることを特徴とする線状発光体。
【請求項4】 請求項3において、該光伝送体は、コアと、該コアの外周を被包する管状クラッドとを有し、前記切込は、該コアに達するように設けられていることを特徴とする線状発光体。
【請求項5】 請求項3又は4において、切込の配置密度は、光源から離れるほど高いことを特徴とする線状発光体。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項において、該光伝送体の一端に光源が配置され、他端面に反射体が設けられていることを特徴とする線状発光体。
【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1項において、該光伝送体の両端部に光源が配置されていることを特徴とする線状発光体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側周面から光を放射させるようにした線状発光体に係り、特に、管状クラッドと、この管状クラッドの構成材料よりも高屈折率の材料よりなるコアとを備えたものに好適な線状発光体に関する。
【0002】
【従来の技術】側周面から光を放射させるようにした線状発光体として、管状クラッドと、該管状クラッドの構成材料よりも高屈折率の材料で構成されるコアとを備える光伝送チューブにおいて、該管状クラッドとコアとの間に該管状クラッドの長さ方向に沿って帯状の反射層を形成し、前記コアを通る光を該反射層で反射・散乱させて該反射層形成側と反対側の管状クラッド側周面から放出させるようにした光伝送チューブよりなるものが近年注目されている。この線状発光体の側周面からの発光量を長手方向で均一にするために、該帯状の反射層の幅をその長さ方向で変化させることも知られている(特開2000−39519号)。
【0003】この光伝送チューブでは、反射層を管状クラッドとコアとの間にチューブの長さ方向に沿って帯状に形成してあり、光量の最も多いコア内部を通る強い光がこの帯状の反射層で反射され、該反射層と反対側のチューブ側周面から指向性の高い強い光として放出される。この結果、著しく輝度が高くなり、非常に明るいものとなる。帯状の反射層を、該光伝送チューブの光の入射部となる一端側から他端側へ向って次第に幅が大きくなるように形成することにより、光伝送チューブから、長さ方向においてほぼ均等な光量の光が放出されるようにすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の光伝送チューブよりなる線状発光体にあっては、反射層の反射効率が高いために、光伝送体の周面からの発光効率がやや低い。
【0005】本発明は、側周面からの発光効率が著しく向上した線状発光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の線状発光体は、透光材よりなる線状の光伝送体と、該光伝送体内に光を供給する光源とを有する線状発光体において、該光伝送体の周面に、該光伝送体内の光を散乱させる散乱手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】本発明では、光伝送体内を伝播する光を散乱させるための散乱手段を設けているため、光伝送体の周面からの発光効率が高い。
【0008】この散乱手段としては、粗面部であることが好ましい。粗面部とするための具体的な手段としては、光伝送体の周面に切込を設けることが例示される。光伝送体がコアと管状クラッドとからなる場合には、この切込はコアに達するように設けられる。
【0009】この切込の配置密度を光源からほど高くすることにより、光伝送体の長手方向での光放射量を均等化することができる。
【0010】本発明では、光伝送体の一端にのみ光源を設けてもよく、この場合には他端面に反射体を設けるのが好ましい。
【0011】本発明では、光伝送体の両端に光源を設けてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】図1〜5は本発明の線状発光体の実施の形態を示し、図1は斜視図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図2の要部拡大図、図4,5は図3のIV−IV線、V−V線に沿う断面図である。
【0014】この線状発光体10は、光伝送チューブ1と、この光伝送チューブ1の長手方向の一方の端面に設けられた反射体7と、他方の端面に対面配置されたLED12等の光源を備えてなる。
【0015】この光伝送チューブ1は、コア2とこれを覆う管状クラッド3との間に、チューブの長手方向に延在する帯状の反射層4を形成したものである。なお、反射層4はコア3の表面から若干コア3の内部に侵入した状態で形成されていても良い。
【0016】この実施の形態にあっては、切傷状の切込8を光伝送チューブ1の外周面に設けている。この切込8は、コア2に達するように管状クラッド3及び反射層4を貫いて設けられている。
【0017】この切込8は、光伝送チューブ1の周方向に延在するように設けられるのが好ましい。この切込8は、例えば平歯車状の回転体を光伝送チューブの外周面に押し当てることにより形成することができる。
【0018】この切込8を設けることにより、光伝送チューブ1内を伝播し反射層4に入射する光が散乱され、光伝送チューブ1の周面から放射される。この切込8からはごくわずかの光が光伝送チューブ外に放射されるが、この光量は少なく、光ロスの増大はごく少量である。
【0019】この切欠8の開き角度θは30〜60°例えば約45°程度が好ましい切欠8を設けるピッチは1〜5mmとくに2〜4mm程度が好ましいこのように構成された線状発光体10にあっては、LED12からの光が光伝送チューブの図の左端面からコア2内に入り、切込8によって散乱されて光伝送チューブ1の周面から放射される。光伝送チューブ1の図の右端面に達した少量の光は、反射体7によって反射され、その後光伝送チューブ1の周面から放射される。
【0020】このようにLED12から光伝送チューブ1内に入った光は、切込8によって散乱され、該光の伝送チューブ1の周面から効率よく放射される。また、反射体7を設けたことにより、LED12からの光の実質的に全量が光伝送チューブ1の周面から放射され、光のロスがきわめて少ない。
【0021】本発明にあっては、図6の光伝送チューブ1Aのように、切込8の配置密度を光源たるLED12から遠ざかるほど高くしてもよい。この光伝送チューブ1Aは、光伝送チューブ1の長手方向の発光光量分布が均等化され易い【0022】本発明にあっては、図7の光伝送チューブ1Bのように、両端にLED等の光源を配置してもよい。この場合、光伝送チューブ1Bの中部部ほど切込8の配置密度を高くしてもよく、このようにすれば、光伝送チューブの長手方向の発光光量分布が均等化され易くなる。
【0023】コア2を構成する材料(コア材)には、管状クラッド3を構成する材料(クラッド材)よりも屈折率が高い透明材料が用いられ、一般的には、プラスチック、エラストマー等の中から目的に応じて適宜選択使用される。
【0024】コア材の具体例としては、ポリスチレン、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、アリルグリコールカーボネート樹脂、スピラン樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ジアリルフタレート、フッ素樹脂、ポリエステルカーボネート、ノルボルネン系樹脂(ARTON)、脂環式アクリル樹脂(オプトレッツ)、シリコン樹脂、アクリルゴム、シリコンゴム等の透明材料が挙げられる(なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及びメタクリル」を示す。)。
【0025】一方、クラッド材としては、屈折率の低い透明材料の中から選定することができ、プラスチックやエラストマー等の有機材料が挙げられる。
【0026】クラッド材の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、フッ化ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂、シリコン樹脂、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、フッ素ゴム、シリコンゴム等が挙げられる。
【0027】上記のコア材、クラッド材のうち、透明性や屈折率等の光学特性及び同時押し出し加工性の面から、コア材としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレン−(メタ)アクリル共重合体(MSポリマー)等が好ましく、また、クラッド材としては(メタ)アクリル系ポリマー等が好ましい。
【0028】反射層は白色顔料や散乱材を含む(メタ)アクリル系ポリマーで形成することが好ましい。
【0029】ここで白色顔料や散乱材としては、シリコーン樹脂粒子やポリスチレン樹脂粒子等の有機ポリマー粒子、Al、TiO、SiO等の金属酸化物粒子、BaSO等の硫酸塩粒子、CaCO等の炭酸塩粒子等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0030】反射効率や同時押し出し加工性等を考慮した場合、これら白色顔料や散乱材の粒子の平均粒径は0.1〜200μm程度特に0.5〜50μm程度であることが好ましく、また、反射層構成材料(反射材)中の含有量は0.5〜20重量%程度特に1〜10重量%程度であることが好ましい。
【0031】反射層4の厚さは特に制限されないが、10〜200μm特に50〜100μmとすることが好適である。この厚さが薄すぎると反射される光が少なくなるため輝度が低くなり、厚すぎると反射される光が多くなり輝度が高くなるが、これは光源から近距離の場合で、更に光源から離れた所では逆に輝度が低くなる不利を伴う場合がある。
【0032】コア2の直径は特に制限されないが、通常2〜30mm特に5〜15mm程度とされる。また、管状クラッド3の肉厚は通常0.05〜4mm特に0.2〜2mm程度とされる。
【0033】なお、反射層4を光源から遠ざかるほど次第に幅が大きくなるように形成してもよい。このように構成すれば、光伝送チューブ1の長さ方向に亘ってさらに均等に光を放出させることができる。
【0034】反射層4の幅(周方向長さ)は、例えばコア2の周長の3〜50%、特に5〜20%程度の範囲が好ましいが、この範囲外であっても良い。反射層4の幅を変化させる場合、連続的に変化させても良く、段階的に変化させても良い。
【0035】図示はしないが、反射層4を覆うように、管状クラッド3の外表面に反射性保護層を形成しても良い。このような反射性保護層を形成した光伝送チューブであれば、反射層4にピンホール等の欠陥がある場合、この欠陥部分を通って反射層4の裏側に漏洩する光や反射層4の側部から漏洩する光をこの反射性保護層で反射することにより光の損失を低減し、反射層4の反対側の輝度をより一層高めることができる。
【0036】この反射性保護層の構成材料としては、反射層4から漏れた光を外部に透過させず、また、この光を吸収せず、効率的に反射させるものが好ましく、具体的には、銀、アルミニウム等の金属箔や金属シート、或いは光を散乱する上記したような散乱性粒子を分散した塗膜等を用いることができる。
【0037】この光伝送チューブを製造するには、多色押出機例えば3個のスクリュー部を有する3色押出機を用い、コア材、クラッド材、及び白色顔料又は散乱材を含む反射材を押出機に導入し、コア材を円柱状に、反射材をこの円柱状コア材の外周面上に帯状に、かつクラッド材を上記コア材及び反射材を覆うチューブ状に同時に押し出すに際し、押し出しスクリューの回転数を変化させるなどして反射材の押し出し量を変化させて、長さ方向に幅の異なる帯状の反射層4をコア2と管状クラッド3との間に押し出せば良い。
【0038】この方法によれば、屈折率や物性の異なる3種の材料を同時に押し出し、3種の機能を持った積層構造体を一度に成形することができ、成形速度が速く、しかも各材料が軟化状態で積層されるため、各層間の密着性にも優れた光伝送チューブを効率的に製造することができる。
【0039】なお、本発明においては、反射層は1条に限らず、複数条形成しても良く、このように複数条の反射層を形成するべく、反射材を複数条に分割して押し出すためには、上記押し出し成形方法において、反射材の口金を複数個用いても良く、1つの口金に反射層間の間隔に相当する仕切壁を設けて押し出しても良い。
【0040】反射性保護層を形成する場合には、上記押し出し成形後に金属箔や金属シートを貼着したり、散乱性粒子を分散させた塗料を塗布したりすれば良いが、同時押し出しにより反射性保護層を形成することも可能である。
【0041】なお、光伝送チューブは上記以外の方法で製造されても良い。
【0042】上記実施の形態では、切込8はV字形状であるが、湾曲形状例えばU字形状や円弧形状であってもよい。
【0043】上記実施の形態では反射層4を設けているが、この反射層4を設けなくてもよい。この場合、光は光伝送チューブ1Cの全周面から放射される。
【0044】本発明では、光伝送チューブの端面のうちLED等の光源と対面する端面を粗面としてもよい。また、この端面を光伝送チューブの長手方向と垂直な面に対し傾斜面としてもよい。この端面と該垂直な面との交叉角度は50°以下例えば10〜50°特に20〜40°程度が好適である。
【0045】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、線状体の外周面から光を放射させる線状発光体において、光のロスを著しく少なくすることができる。




 

 


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