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発明の名称 小火器用弾丸
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−183100(P2001−183100A)
公開日 平成13年7月6日(2001.7.6)
出願番号 特願平11−372096
出願日 平成11年12月28日(1999.12.28)
代理人 【識別番号】100064067
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由美
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002 AA01W AB01Y AB04Y AB05Y AC00W AF00Y BB03W BB12W BB23W BC03W BE02Y CD16X CF00W CF03Y CF06W CF07W CH00Y CK02W CK02Y CL00Y CL01W DA077 DA087 DA097 DA117 DC007 DL007 EH076 EH146 EP026 EW046 FA087 FB077 FB087 FB097 FB167 FB267 FD02X FD026 FD20Y 
発明者 安藤 充 / 新井 伯竹 / 北村 勝之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性のポリマ樹脂に可塑剤を添加した熱可塑性樹脂組成物と、弾丸の比重を調整するための粉粒状の重金属と、前記熱可塑性樹脂組成物と前記重金属との界面接着性を向上させるためのカップリング剤とから弾丸素材を組成し、この弾丸素材を所定形状の弾丸に形成するようにしたことを特徴とする小火器用弾丸。
【請求項2】 前記熱可塑性樹脂組成物には、ポリマ樹脂を自然分解させるための生分解性添加物を添加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の小火器用弾丸。
【請求項3】 前記熱可塑性樹脂組成物には、弾丸の弾性を高めるためのエラストマを添加するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の小火器用弾丸。
【請求項4】 前記重金属は、その粉粒径が1〜3μmの小粉粒径重金属と、30〜150μmの大粉粒径重金属とが混在していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の小火器用弾丸。
【請求項5】 前記重金属の材質は、タングステン,ステンレス鋼,鉄,銅またはアルミニウムのいずれか、若しくはこれらを組み合わせるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の小火器用弾丸。
【請求項6】 前記所定形状に形成された後の弾丸の表面は、金属めっき,樹脂コーティングまたは二硫化モリブデンコーティングの表面処理をするようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の小火器用弾丸。
【請求項7】 前記弾丸素材は、粉粒状の重金属に置き替えて、粉粒状のガラスにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の小火器用弾丸。
【請求項8】 前記ガラスには、前記重金属を混在するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の小火器用弾丸。
【請求項9】 前記所定形状に形成された後の弾丸の比重は、2〜13.5であるようにしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の小火器用弾丸。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拳銃,小銃,機関銃,散弾銃などの小火器用弾丸に係り、さらに詳しくは、鉛を素材としない無毒性の小火器用弾丸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾丸の性能は、おもに命中精度と威力特性とで評価され、近年までは命中精度が高く、威力が強い弾丸を要求されることが多かった。 しかし、最近においてはこれらの他に、環境や動物に悪影響を及ぼさない無毒性や、目的に適合した威力特性,破壊特性,跳飛特性なども求められるようになった。 これらのうちの威力特性は、その目的によって、強威力が要求される場合と、低威力が要求される場合とがある。 特に低威力が要求される目的は、テロや暴動或いはハイジャクの鎮圧に際して、建造物、飛行機などの器物や機体に損傷を与えないことや、標的に対して必要以上の損傷を与えないことである。
【0003】また、弾丸自身の破壊特性は、その目的によって、破壊しにくい難破壊性が要求される場合と、破壊し易い易破壊性が要求される場合とがある。 とりわけ易破壊性が要求される目的は、テロや暴動或いはハイジャックの鎮圧に際して、標的に的中したら壊れ、類損を防止することである。 また、発射された弾丸の跳飛特性は、その目的によって、高跳飛性が要求される場合と、低跳飛性または無跳飛性が要求される場合とがある。 低跳飛性または無跳飛性が要求される目的は、テロや暴動或いはハイジャックの鎮圧に際して、建造物内外や飛行機内で弾丸を発射しても、跳飛弾丸による二次的損傷を与えないことである。
【0004】従来の弾丸は、徹甲弾や曳光弾などの特殊弾丸を除いて、図1に示す普通弾丸の弾芯1には鉛が用いられ、その周囲を銅,銅合金などの円筒金属の被甲2で覆って弾丸を構成している。 また、散弾銃の弾丸においては、被甲がなく鉛のみで形成されている。 この鉛は、毒性が強く、水質の悪化や、動物が呑み込むと鉛中毒になるなど、環境や動物に悪影響を及ぼす欠点がある。 また、この欠点を改良したものとして、例えば、特表平7−503528号公報に開示された発明が知られている。
【0005】この特表平7−503528号公報の発明は、弾丸の素材が、細かな銅粉末、ナイロン11およびナイロン12からなる群から選択された熱可塑性樹脂の圧縮混合物である。 そして、その銅粉末が少なくとも92質量%であり、圧縮混合物の最少比重を5.7にしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べた弾丸のうち、弾芯1に鉛を用いた弾丸は、上述のように毒性が強く環境や動物に悪影響を及ぼすという問題がある反面においては、適度な比重を有するので命中精度が高いという特性がある。 この命中精度は、特に、普通弾丸の場合には、銅,銅合金などの被甲2で覆われているので、螺旋を刻設した銃身内を通過させて発射する際に、その螺旋によって弾丸が回転される回転特性に優れ、高い命中精度が得られる。
【0007】しかしながら、普通弾丸の威力特性は、鉛(弾芯1)の比重が11.3であることから、強威力である点では優れているが、低威力が要求される場合には欠点となる。 しかも弾芯1が鉛の単一組成であるため、目的に適合した比重の威力特性に調整することができないという問題がある。 また、弾丸自身の破壊特性は、難破壊性である点では優れている反面において、易破壊性が要求される場合には欠点となるという問題がある。 また、発射された弾丸の跳飛特性は、被甲2で覆われた弾丸では跳飛性が高く、被甲がない鉛のみの弾丸では跳飛特性は低くなるが、所定の回転特性を得られにくく、飛しょう性が低下する。
【0008】次いで、特表平7−503528号公報の発明によれば、熱可塑性樹脂は、ナイロン11およびナイロン12で組成しているので、耐蝕性に優れている反面、環境中において分解されにくく、最近ではそれ自体が公害を引き起こす要因になっている。 そして、リサイクルやソースリダクション(発生源の削減)が重視されていることからも明らかなように、環境破壊をしたり、資源を浪費するという問題がある。
【0009】また、この発明の重金属は、その粒子径が11μm以下、22μm以下、44μm以下の銅粉末を混合したものであるから、重金属の総面積が増大して摩擦抵抗が増加し、混練抵抗が高くなる問題や、作業中に粉塵となって飛散しやすく、作業環境の悪化や製造コストの増大をまねくという問題がある。 また、混合する重金属の種類は銅粉末のみであるから、弾丸の比重を大きくして高威力にしたり、比重を小さくしたりして低威力にしたりして、威力特性を調整することができないという問題がある。
【0010】本発明は、上述した従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであって、薬莢,発射薬,雷管などを改良せずに、無毒性で命中精度が高く、かつ、使用目的に適合できる威力特性,破壊特性,跳飛特性の小火器用弾丸を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、請求項1に係る発明の小火器用弾丸は、熱可塑性のポリマ樹脂に可塑剤を添加した熱可塑性樹脂組成物と、弾丸の比重を調整するための粉粒状の重金属と、前記熱可塑性樹脂組成物と前記重金属との界面接着性を向上させるためのカップリング剤とから弾丸素材を組成し、この弾丸素材を所定形状の弾丸に形成するようにしたものである。
【0012】この請求項1に係る発明によれば、熱可塑性樹脂組成物は熱可塑性のポリマ樹脂に可塑剤を添加したものであるから、成形加工温度領域における流動性が向上する。 このため熱可塑性樹脂組成物を粉粒状の重金属の表面周囲にくまなく行き渡らせることができる。 また、耐蝕性に優れているので弾丸の貯蔵中において形状の変形が起こらないとともに、環境中においてナイロン11,ナイロン12などよりも分解しやすいという作用をする。
【0013】また、粉粒状の重金属を混合するようにしたので、その混合比を加減することで、弾丸の比重を大きくして高威力にしたり、比重を小さくして低威力にしたりして、威力特性を調整することができる。 さらに、重金属を粉粒状にしたことにより、弾丸素材から所定形状の弾丸を成形加工する際に、弾丸の微少形状部分や角部などにも均一に偏析することなく分散させることができるとともに、射出成形などの成形加工が容易にできる。
【0014】また、熱可塑性樹脂組成物と重金属との混合に際してカップリング剤を添加しているため、重金属の粒子表面を被覆して熱可塑性樹脂組成物との親和性を高め、熱可塑性樹脂組成物の分子と重金属の粒子表面との界面接着性が向上する。したがって、熱可塑性樹脂組成物が弾性変形しても、重金属の表面から熱可塑性樹脂組成物が剥離することを抑止できる。
【0015】また、請求項2に係る発明の前記熱可塑性樹脂組成物には、ポリマ樹脂を自然分解させるための生分解性添加物を添加するようにしたものである。
【0016】この請求項2に係る発明によれば、熱可塑性樹脂組成物には、ポリマ樹脂を自然分解させる生分解性添加物を添加するようにしたので、生分解性添加物を溶融し冷却することで、粉粒状の重金属の相互を結合させる作用をし、熱可塑性樹脂組成物の内部に粉粒状の重金属を埋め込むことができる。 このため、融点が高い重金属であっても、生分解性添加物を介して射出成形などが可能となり、弾丸の成形加工が容易にできる。 また、生分解性添加物は、日常の使用中はポリマ樹脂を分解せず、ポリマ樹脂が土中や水中に放置されると微生物等によって分解され、低分子化合物となる。 最終的には炭酸ガスや水になると考えられており、環境や動物に悪影響を及ぼさない無毒性物質となる。
【0017】また、請求項3に係る発明の前記熱可塑性樹脂組成物には、弾丸の弾性を高めるためのエラストマを添加するようにしたものである。
【0018】この、請求項3に係る発明によれば、熱可塑性樹脂組成物には、室温でゴム弾性を示すエラストマを添加するようにしたので、弾丸の弾性を高める作用をし、その混合比率を加減することで、目的に適合した跳飛特性を有する弾丸に調整することができる。 すなわち、エラストマの混合比率を高くして低跳飛弾丸または無跳飛弾丸にしたり、混合比率を低くして高跳飛弾丸にしたりすることができる。 また、エラストマの混合比率を低くすることと、他の成分の混合比率とによって、目的に適合した破壊特性に調整することができる。
【0019】また、請求項4に係る発明の前記重金属は、その粉粒径が1〜3μmの小粉粒径重金属と、30〜150μmの大粉粒径重金属とを混在するようにしたものである。
【0020】この請求項4に係る発明によれば、重金属は小粉粒径金属と大粉粒径重金属とを混在するようにしたので、混練抵抗が高くなること、重金属がブリッジを形成して成形機などのスクリューが破損しやすくなること、熱可塑性樹脂組成物との剥離が生じやすいことなどを防止する作用をする。 すなわち、小粉粒径重金属のみである場合には、重金属の総面積が増大して摩擦抵抗が増加し、混練抵抗が高くなる。 また、大粉粒径重金属のみである場合には、混練中に成形機などの内部でブリッジが形成されやすいので、スクリューが破損しやすくなるとともに、重金属の総面積が小さくなるので、熱可塑性樹脂組成物との剥離が生じやすい。 そして、この発明のように小粉粒径重金属と大粉粒径重金属とを混在させることによって両者の欠点を補い合うことができる。
【0021】また、請求項5に係る発明の前記重金属の材質は、タングステン,ステンレス鋼,鉄,銅またはアルミニウムのいずれか、若しくはこれら組み合わせるようにしたものである。
【0022】この請求項5に係る発明によれば、重金属の材質は、タングステン,ステンレス鋼,鉄,銅またはアルミニウムのいずれか、若しくはこれらを組み合わせるようにしたので、弾丸の比重を小さなものから、大きなものまで適宜選択することができる。 すなわち、各々の混合比を加減することで、弾丸の比重を大きくして高威力にしたり、比重を小さくして低威力にしたりして、目的に適合した威力特性に調整することができる。
【0023】また、請求項6に係る発明の前記所定形状に形成された後の弾丸の表面には、金属めっき、樹脂コーティングまたは二硫化モリブデンコーティングの表面処理をするようにしたものである。
【0024】この請求項6に係る発明によれば、弾丸の表面は、金属めっき,樹脂コーティング,二硫化モリブデンコーティングなどの表面処理をするようにしたので、螺旋を刻設した銃身内を通過させて発射する際に、その螺旋によって回転される弾丸の回転特性を向上させる作用をし、少なくとも、従来の普通弾丸と同等の命中精度を得ることができる。
【0025】また、請求項7に係る発明の前記弾丸素材は、粉粒状の重金属に置き替えて、粉粒状のガラスにしたものである。
【0026】この請求項7に係る発明によれば、弾丸素材は、熱可塑性樹脂組成物と粉粒状のガラスとを混合するようにしたので、比重が小さい低威力特性の弾丸を容易に形成することができる。
【0027】また、請求項8に係る発明の前記ガラスには、前記重金属を混在するようにしたものである。
【0028】この請求項8に係る発明によれば、弾丸素材は、熱可塑性樹脂組成物と粉粒状の重金属およびガラスとを混合するようにしたので、弾丸の比重を広範囲に調整することができるとともに、比重を大きくして高威力にしたり、小さくして低威力にする際に、比重が高い重金属と比重が低いガラスとの混合比率を加減することで、威力特性を微調整することができる。
【0029】また、請求項9に係る発明の前記所定形状に形成された後の弾丸の比重は、2〜13.5であるようしたものである。
【0030】この請求項9に係る発明によれば、所定形状に形成された後の弾丸の比重は、2〜13.5にしたので、比重が小さい低威力特性の弾丸や、比重が大きい高威力特性の弾丸、または、これらの中間威力特性の弾丸を使用目的によって、選択的に形成することができる。
【0031】
【発明の実施の態様】本発明の実施の態様について、図面および表を参照して以下のとおり説明する。 図2は、本発明に係る小火器用弾丸の半裁断面図である。 この弾丸は、図2に示すように、熱可塑性樹脂組成物3と、大/小粉粒径重金属4,5と、カップリング剤と、後述する使用目的ごとの添加物とから弾丸素材を組成する。 そして、この弾丸素材を所定形状の弾丸に形成し、後述する表面処理を施した後、図示しない薬莢に装着するものである。 したがって、図1に示す従来の普通弾丸のように、被甲2で被覆する必要はなく、大/小粉粒径重金属4,5を混合した熱可塑性樹脂組成物3のみで形成できる。
【0032】上記弾丸素材の熱可塑性樹脂組成物3は、熱可塑性のポリマ樹脂に可塑剤を添加したものであって、熱可塑性のポリマ樹脂とは、ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),ポリウレタン(PU),ポリスチレン(PS)などであって、これらを混合したものでも良い。 さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリエステル樹脂でもよい。 さらにまた、ポリエチレンの代わりにゴルフボールの表面のコーティング等に用いるアイオノマレジンを使用してもよい。 また、ナイロン6(6PA)も利用できる。
【0033】可塑剤としては、ポリマ樹脂の成形加工温度領域において流動特性を改善して成形加工を容易にするものである。 具体的には例えば、フタル酸ジオクチル(DOP),フタル酸ジブチル(DBP)等のフタル酸エステル類の可塑剤や、エチレンビスステアロアマイド等の内部滑剤等を含むものである。 この可塑剤によって、弾丸素材を所定形状の弾丸に成形加工する際の流動特性を改善して成形加工を容易にする。
【0034】また、それ以外にも、ポリエステル系可塑剤,トリクレジルホスフェート(TCP)やトリフェニルホスフェート(TPP)等のリン酸エステル類の可塑剤,エポキシ化大豆油及びメチルアセチルリシノレート(MAR)等の脂肪酸エステル等も含むものである。 その配合量は、例えばフタル酸ジオクチル(DOP)を熱可塑性樹脂組成物3の総質量に対して13質量%以下の範囲にする。
【0035】次に、弾丸素材の熱可塑性樹脂組成物3に添加する生分解性添加物について説明する。 この生分解性添加物は、ポリマ樹脂を自然分解させるための添加物であって、具体的には、ポリ−3−ヒドロキシブチレート,バイオポリエステル,カードラン,プルラン,バクテリアセルロース,ポリアミノ酸などの微生物で作った生分解性添加物や、でんぷん,キチン,キトサン,海産多糖類,セルロースなどの天然物を利用して作った生分解性添加物や、脂肪族ポリエステル,ポリウレタン樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリビニルアルコール,ポリエーテルなどの化学合成で作った生分解性添加物などが好ましい。
【0036】本例では、ポリプロピレン(PP)と、でんぷんをベースとする生分解性及び水溶性の生分解性添加物とを質量比で80対20の割合で混合して使用した。そして、これらの生分解性添加物は、ポリマ樹脂と混合することにより、日常の使用中はポリマ樹脂を分解せず、弾丸が土中や水中に放置されると微生物等によって、その混合した熱可塑性樹脂組成物3そのものを最終的に、水,炭酸ガス,バイオマス(微生物群)等に分解することができる。
【0037】次に、弾丸の比重を調整するための粉粒状の、重金属/ガラスについて説明する。 この粉粒状の重金属/ガラスは、比重が小さい低威力特性や、比重が大きい高威力特性の弾丸を製造するために弾丸素材に混合する比重調整物質である。本発明において重金属とは、タングステン(W;比重19.3),ステンレス鋼(SUS;比重7.7),鉄(Fe;比重7.87),銅(Cu;比重8.96)の外に特に、アルミニウム(Al;比重2.69)をも含めるものとする。また、これらの合金を含む重金属のいずれか、もしくは選択的に組み合わせて弾丸素材に混合する。 他方のガラス(GP;比重2.5)についても、ガラスのみか、または上記重金属と混在させて弾丸素材に混合するものである。
【0038】これら比重調整物質(重金属/ガラス)のうち、弾丸素材を高比重領域で組成する際に、最も適合した重金属はタングステンであって、大気中に放置されても、周囲の環境に悪影響を及ぼさないうえに、鉛の比重11.3よりも大きな比重19.3を有しているので、弾丸の限られた体積内で高比重領域を組成する場合に最適である。 また、低比重領域で組成する際には、ガラスが最適であり、アルミニウムも好ましい。 そして、上記の各物質またはこれらを組み合わせることで、低比重領域から高比重領域までの、使用目的に適合した弾丸素材を選択的に組成できる。
【0039】次に、上述した弾丸素材を用いた比重の調整について説明する。 熱可塑性樹脂組成物3のポリマ樹脂をポリプロピレン(PP)またはナイロン6(6PA)とし、これらに、粉粒状の重金属、粉粒状のガラス(GP)、エラストマなどを混合して各々の混合比率を調整し、比重の異なる弾丸素材を製造するときの配分の一例を表1に示す。 なお、エラストマは、天然ゴムまたは合成ゴム、もしくはその組み合わせのいずれでも弾丸の弾性を高めることができる。 本例においては合成ゴムを添加した。
【0040】
【表1】

【0041】この表1に示すように、弾丸の比重が、2/4/8/11.3/13.5の広範囲で任意に調整可能である。 弾丸の比重について、2以下であると、弾丸が軽すぎて、螺旋を刻設した銃身内を通過して発射される際に弾丸の初速が過度に早くなり、螺旋に沿った回転が得られないため、弾道が安定せず、飛翔性が悪く所定の命中精度は得られなくなる。 逆に、弾丸の比重が13.5以上であると、薬莢内の薬量に制限があるので、初速が低下して結果的には所定の高威力が得られなくなる。
【0042】さらに重金属は、熱可塑性樹脂組成物3との混練抵抗を低くし、かつ、成形機などのスクリューが破損されないように、粉粒径が大きな大粉粒径重金属4と、粉粒径が小さな小粉粒径重金属5との二種類が混合されている。 前記小粉粒径重金属5は、その粉粒径が1〜3μmの範囲のものが、重金属の総質量に対して、30〜70質量%の範囲にあり、前記大粉粒径重金属4は、その粉粒径が30〜150μmの範囲のものが、重金属の総質量に対して、30〜70質量%の範囲にある。 なお、大粉粒径重金属4の粉粒径は、混練抵抗を抑えるため、より好ましくは、100〜150μmの範囲である。 また、大粉粒径重金属4の添加質量は、成形品のフローマークを抑えるため、より好ましくは、55〜70質量%の範囲である。
【0043】次に、小粉粒径重金属5の粉粒径の数値限定理由について説明する。 重金属のうち小粉粒径重金属5の粉粒径が1μmより小さいと、成形の際、小粉粒径重金属5の表面積が増加し、摩擦抵抗が増大して、混練抵抗が高くなる。 そして、粉粒径が小さい微粉状のため、作業中に粉塵となって飛散しやすく、作業環境が悪化し、製造コストが高くなる。 重金属のうち小粉粒径重金属5の粉粒径が3μmより大きいと、押出機の内部でブリッジを形成し易くなり、スクリューが破損し易くなる。 したがって、小粉粒径重金属5の粉粒径は、1〜3μmが望ましい。
【0044】小粉粒径重金属5が、重金属の総質量に対して、30質量%未満だと、小粉粒径重金属5を添加した効果が小さくなり、相対的に大粉粒径重金属4の割合が増えて、成形機内部でブリッジを形成し易くなり、押出機のスクリューが破損し易くなる。 また、重金属の総表面積が減少して、重金属と熱可塑性樹脂組成物との間で剥離が生じ、成形品(弾丸)に割れや、強度不足が発生し易くなる。 小粉粒径重金属5が、重金属の総質量に対して、70質量%を超えると、重金属の総表面積が大きくなりすぎて、摩擦抵抗が増加することにより、成形の際、混練抵抗が高くなる。 したがって、小粉粒径重金属5は、重金属の総質量に対して、30〜70質量%の範囲とする。
【0045】次に、大粉粒径重金属4の粒度分布の数値限定理由について説明する。 大粉粒径重金属4の粉粒径が、30μmより小さいと、粉粒径の大きな大粉粒径重金属4を添加した効果が小さくなり、押出の際、混練抵抗が高くなる。 重金属のうち大粉粒径重金属4の粉粒径が150μmより大きいと、押出の際の押出機の内部でブリッジを形成して、押出機の内部のスクリューが破損しやすくなる。また、粉粒径が大きな大粉粒径重金属4の表面と、熱可塑性樹脂組成物3との間で剥離が生じ易くなり、弾丸に割れの発生や、強度不足が発生する。
【0046】また、粉粒径が大きいため局部的に偏析し、均質な材料を形成することができなくなり、材料としての品質が低下する。 また、大粉粒径重金属4が弾丸の表面に現れると、弾丸の表面の凹凸が大きくなって、表面粗さが増し、銃身内の螺旋とのなじみが悪くなり、弾丸としての性能が劣化する。 したがって、大粉粒径重金属4の粉粒径は、30〜150μmとする。
【0047】大粉粒径重金属4が、重金属の総質量に対して、30質量%未満だと、大粉粒径重金属4を添加した効果が小さくなり、押出の際、混練抵抗が高くなる。 大粉粒径重金属4が、重金属の総質量に対して、70質量%を超えると、押出の際、押出機の内部でブリッジを形成して、押出機の内部のスクリューが破損しやすくなる。 また、粉粒径の大きな大粉粒径重金属4の表面と、熱可塑性樹脂組成物3との間で剥離が生じ易くなり、成形品(弾丸)に割れの発生や、強度不足が発生する。 したがって、大粉粒径重金属4は、重金属の総質量に対して、30〜70質量%の範囲とする。
【0048】次に、熱可塑性樹脂組成物と重金属との界面接着性を向上させるためのカップリング剤について説明する。 このカップリング剤は、熱可塑性樹脂組成物と重金属とを混練成形する際に添加する一種の界面活性剤(表面活性剤)であって、一つの分子の中に、樹脂に対して親和性を有する基と、金属に対して親和性を有する基との両方を持っているものである。
【0049】このため、界面接着性を向上させ熱可塑性樹脂組成物と重金属との剥離や成形品(弾丸)の割れを防止することができる。 このカップリング剤としては、チタン系カップリング剤をn−プロピルアルコールに溶かし、重金属の総質量に対して、0.2〜1.0質量%の範囲にした。 なお、このチタン系カップリング剤の他に、シラン系カップリング剤や、アルミニウム系カップリング剤が利用できる。
【0050】このような配合になる弾丸素材の製造手順の一例を説明する。 最初に、ポリプロピレン(PP)と、でんぷんをベースとした生分解性および水溶性の両性質を備えている生分解性添加物とを質量比で80対20割合で混ぜる。 そして、この混合したものにフタル酸ジオクチル(DOP)からなる可塑剤を添加して、粉体混合機により混合する。
【0051】次に、このポリプロピレン(PP)に、添加物の生分解性添加物および可塑剤を混合したものを押出機に投入して、加熱溶融し、押し出し、カッティングして直径が約0.5mmで、長さが約0.5〜1.0mm程度の略円柱状の樹脂ペレットを形成する。
【0052】次に、上述した樹脂ペレットとは別工程において、例えばタングステンの大粉粒径重金属4と小粉粒径重金属5とを適宜選択した割合で混合した重金属と、重金属の表面とポリマ樹脂の分子との界面接着性を向上させるチタン系のカップリング剤とを混合する。 具体的には、チタン系カップリング剤をn−プロピルアルコールにて温度50度で1時間程度、攪拌混合することにより溶かして樹脂ペレットに添加する。 次にこの重金属にカップリング剤を添加したものを乾燥炉で乾燥する。
【0053】次に、このカップリング剤および重金属を混合したものと、ポリマ樹脂に可塑剤,添加物及び必要によりエラストマを添加して形成した樹脂ペレットとを粉体混合機で混合する。 次に、樹脂ペレットと重金属とを混合したものを押出機に投入する。 この押出機に投入された樹脂ペレットおよび重金属は加熱され、押出機内部のスクリューで押出口からカッティングなしに冷風装置を有する冷房室に押し出される。
【0054】この冷風装置は、押出口から溶融状態で押し出される重金属入りの熱可塑性樹脂組成物を冷却する。 冷風装置によって冷やされた重金属入りの熱可塑性樹脂組成物は回転刃によって切断するホットカッタを備えたペレタイザによって切断され、ペレット状にされる。 ペレット状に切断された重金属入りの熱可塑性樹脂組成物を余熱で溶着した状態のペレットとなっているものを、形状の整ったペレットにするため解砕機に投入する。
【0055】次に、ペレット状の重金属入りの熱可塑性樹脂組成物を解砕機からある程度の量が溜まった後かき混ぜるタンブラに投入する。 これらの工程を経てペレット状の重金属入りの熱可塑性樹脂組成物の弾丸素材を製造する。
【0056】このように製造された本実施例の熱可塑性樹脂組成物は、生分解性を有するポリマ樹脂と、タングステンの大粉粒径,小粉粒径が混在した重金属とを混合しているため、ポリマ樹脂は押出機の内部で溶融状態とし、次いで冷却することによりこのポリマ樹脂が大・小粉粒径の重金属同士を結合させるバインダとしての役割を果たし、熱可塑性樹脂組成物の内部に大・小粉粒径の重金属を埋め込むことができる。
【0057】また、生分解性を有する熱可塑性樹脂組成物とタングステンの重金属を使用しているため、自然環境中に放置されても、微生物等により分解されて、そのまま自然環境に悪影響を及ぼすことがない。 タングステンは鉛のような毒性がなく環境を汚染しない。 また、ポリマ樹脂には可塑剤が添加されているため、ポリマ樹脂の流動性を向上させることができる。 これによりポリマ樹脂と大・小粉粒径の重金属との加熱混練時におけるポリマ樹脂と重金属の金属表面との接触状態を良好なものとすることができる。
【0058】すなわち、流動性が良好な熱可塑性樹脂組成物を大・小粉粒径の重金属の表面周囲にくまなく行き渡らせることができ、両者間に隙間を発生することを抑え、両者を強固に密着させることができる。 さらに、ポリマ樹脂に可塑剤を用いて形成した樹脂ペレットにカップリング剤を添加しているため、重金属の表面を被覆して熱可塑性樹脂組成物との親和性を高め界面の剥離が抑えられる。
【0059】次に、弾丸を製造するには、このペレット状の重金属入りの熱可塑性樹脂組成物を別の押出機である射出成形機の内部に投入して、複数個配列された弾丸型内で射出成形することにより、所定形状の弾丸に成形するものである。 このようにして成形された弾丸は、図2に示すように、熱可塑性樹脂組成物3の内部に重金属が埋め込まれた状態にある。 そして、熱可塑性樹脂組成物3の内部に埋め込まれた重金属は、大粉粒径重金属4と小粉粒径重金属5とが、熱可塑性樹脂組成物3の内部で均一に分散されたものにすることができる。
【0060】このようにして弾丸が形成されたあと、拳銃等によって発射されるに際し、弾丸の銃身内通過時の螺旋による回転性を向上させるために、弾丸素材に表面処理を施すものである。 表面処理としては、金属めっき,樹脂コーティング,二硫化モリブデンコーティングなどがある。 金属めっきとしては添加剤に炭酸カルシウムを混ぜておくものである。
【0061】炭酸カルシウムは、粒度10μm、好ましくは0.1〜5μm、さらに好ましくは約3μm前後のものを1〜30質量%混合して均一に分散させ、これを弾丸に成形後、強酸水溶液に浸潰して、表面に存在する炭酸カルシウム粒子を溶解させる。 次にこれを分解して金属(好ましくは銅)を析出させ得る金属塩水溶液に浸潰し、表面にいわゆる化学金属めっき層(銅めっき層)を形成させる。
【0062】この金属(銅)めっき層を陽極とし、電解めっき層となる金属(銅)を陰極とし、当該金属(銅)塩の水溶性を媒体として電気分解を行い、上記化学金属(銅)めっき上に金属(銅)の電解めっき層を形成させる。 さらにこの電解めっき層を陽極とし、上記第1層の電気めっき層上に被覆する金属(例えばクロム)を陰極と、当該第2層目で構成される金属(例えばクロム)塩の水溶性を媒体として電気分解を行い、第2層目の電気めっき層を得る。 アルミニウムめっきも同様の手法によって行うことができる。
【0063】また、他方の樹脂コーティング剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などのフッ素系樹脂コーティング剤が利用できる。 これらの樹脂コーティング剤の溶液を吹き付けによってコーティングするものである。 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)では弾丸素材に吹き付けたあと、例えば、常温で60分間放置することにより硬化する膜厚は3〜15μmである。 また、樹脂コーティングとしてのアイオノマコーティングは、アイオノマレジンの溶液に弾丸を浸潰してコーティングするものである。 或いはまた、二硫化モリブデンコーティングは、二硫化モリブデンの粉末を弾丸に吹き付けたあと、例えば40℃で30分間放置することによって硬化し、膜厚は5〜10μmである。
【0064】このようにして弾丸素材を組成して弾丸に成形した後、弾丸表面にめっき、またはコーティングを施した9mm拳銃弾丸について試験した。 その比重は、4/8/11.3の三種類で、それぞれにポリプロピレン(PP),ステンレス鋼(SUS),タングステン(W)を選択して混合し、カップリング剤,n−プロピルアルコール,フタル酸ジオクチル(可塑剤),炭酸カルシウムを含む添加物を適宜加えた弾丸素材を組成し、9mm拳銃弾丸に形成した後、表面処理をした。
【0065】なお、金属めっきは、銅めっき(Cuめっき),アルミニウムめっき(Alめっき)を選択したが、クロムめっきも適用できる。 また、樹脂コーティングは、アイオノマコーティングを選択したが、ポリテトラフルオロエチレンも適用できる。 この他に、二硫化モリブデンコーティングの表面処理を選択した。 これの混合比率は以下のとおりであって、さらにこれらを一表にして表2に示す。ただし、比重調整物質(重金属)、ポリマ樹脂以外の添加物は、外割りの混合比率である。
【0066】
(1)比重4の弾丸を組成する混合比率(単位;質量%)
◇比重調整物質 SUS 86.5◇ポリマ樹脂 PP 13.5◇添加物・・・カップリング剤 SUS×1 n−プロピルアルコール(溶液)SUS×10 炭酸カルシウム 弾丸素材全体×2【0067】
(2)比重8の弾丸を組成する混合比率(単位;質量%)
◇比重調整物質 W 92.7◇ポリマ樹脂 PP 7.3◇添加物・・・カップリング剤 W×0.35 n−プロピルアルコール(溶液) W×4 フタル酸ジオクチル(可塑剤) PP×3 炭酸カルシウム 弾丸素材全体×2【0068】
(3)比重11.3の弾丸を組成する混合比率(単位;質量%)
◇比重調整物質 W 96.5◇ポリマ樹脂 PP 3.5◇添加物・・・カップリング剤 W×0.35 n−プロピルアルコール(溶液) W×5 フタル酸ジオクチル(可塑剤) PP×12.5 炭酸カルシウム 弾丸素材全体×2【0069】
【表2】

【0070】なお、表2の各添加物は外割りの混合比率であって、各混合比率の基準は以下のとおりである。 すなわち、カップリング剤,n−プロピルアルコールは、比重調整物質に対する質量%である。 フタル酸ジオクチル(DOP)は、ポリプロピレン(PP)に対する質量%である。 また、炭酸カルシウムは、弾丸素材全体に対する質量%である。
【0071】この比重4/8/11.3に数種類の表面処理を施した弾丸について実射を行った。 実射試験の結果は表3に示すとおりである。
【0072】
【表3】

【0073】なお、発射薬量は、0.15gと0.20gとの二種類とした。 命中度は1射群10発×3的の平均半径の平均値を表す。 命中精度の求め方は、銃口から25m点の標的位置において図3に示すように標的(C点)からの距離Zの平均半径MR=ΣZ/N、(但しNは弾痕数)で求めてMR値で評価した。 MR値の低いほうが命中精度が高い。 拳銃弾の命中精度はMR値が30mm以下が実用可能である。 飛翔性は、標的紙の弾痕状態で判断した。 横転弾とは標的紙に弾丸が弾丸先端部から垂直に当たっておらず、弾丸軸がずれて斜めに当たったり、完全に横向きに当たった場合とした。
【0074】〔結果への考察〕比重4/8/11.3でそれぞれ表面処理を施さなかった4A,8A,11Aは、命中精度がMR値30mmを超え性能上問題がある。 さらに飛翔性においても横転弾が目立ち、特に発射薬量の多い場合に顕著である。 銃口の螺旋とのなじみが良くないことに起因するものと考えられる。 比重4/8/11.3の銅めっき(Cuめっき),アルミニウムめっき(Alめっき),アイオノマコーティング,二硫化モリブデンコーティングの表面処理を施したものは、表面の性質が改善され螺旋とのなじみがよく、螺旋に沿って回転する回転性が向上して弾道が安定し、すべての弾丸の命中精度並びに飛翔性において良好な結果が得られ、実用上全く問題のない成績であった。
【0075】
【発明の効果】上述のとおりであるので本発明は以下の効果を奏する。
【0076】請求項1の発明によれば、ポリマ樹脂は耐蝕性に優れているので、本発明による弾丸を長期間貯蔵しておいても変質することがない。 また、重金属を混合することで、従来の鉛を使用した弾丸と、同等の比重または小さい比重で弾丸素材を組成できるので、鉛を使用した弾丸と同等の威力特性や低威力特性の弾丸を選択的に構成できる。 そして、この発明による弾丸は、鉛を使用しないので無毒で、環境や動物に悪影響を及ぼさない効果を奏する。
【0077】また、請求項2の発明によれば、生分解性添加物は熱可塑性樹脂組成物を自然分解させるので、発射された弾丸が土中や水中に放置されても、微生物等により分解されて環境を汚染しない効果を奏する。
【0078】また、請求項3の発明によれば、エラストマは室温でゴム弾性を示すので弾丸の弾性を高める作用をし、その混合比率を加減することによって目的に適合した跳飛特性の弾丸素材を組成することができる。 すなわち、エラストマの混合比率を高くして低跳飛弾丸または無跳飛弾丸にしたり、混合比率を低くして高跳飛弾丸にすることで、様々な使用目的の弾丸にすることができる。 また、エラストマの混合比率を低くして他の物質との混合比率を選択することによって、目的に適合した破壊特性にすることができる。
【0079】また、請求項4の発明によれば、重金属は、その粉粒径が1〜3μmの小粉粒径重金属と、30〜150μmの大粉粒径重金属とを混在させることで混練抵抗を低くして、成形機などのスクリューが破損することや、熱可塑性樹脂組成物との剥離を防止することができるので、生産性の向上を図ることができる。 また、小粉粒径重金属の粉粒径を1〜3μmにしたので、作業中に粉塵が飛散することを防止できて、作業環境の改善や製造コストの低減を図ることができる。 また、大粉粒径重金属の粉粒径を30〜150μmにしたので、弾丸の割れや強度不足がなく、弾丸の表面を滑らかに形成できることで、弾丸の強度や表面粗さなどの品質を維持することができる。
【0080】また、請求項5の発明によれば、重金属の材質は、タングステン,ステンレス鋼,鉄,銅またはアルミニウムなど各種の重金属を適宜選択して配合するようにしたので、各々の混合比率を加減することで比重を調整し、目的に適合した威力特性の弾丸を広範囲に製造することができる。
【0081】また、請求項6の発明によれば、成形後の弾丸の表面は、金属めっき,樹脂コーティング,二硫化モリブデンコーティングなどの表面処理をするようにしたので、螺旋を刻設した銃身内を通過させて発射する際に、その螺旋によって回転される弾丸の回転特性を向上させる作用をし、少なくとも、従来の普通弾丸と同等の命中精度を維持することができる。
【0082】また、請求項7の発明によれば、弾丸素材は、熱可塑性樹脂組成物と粉粒状のガラスとを混合するようにしたので、特に、比重が小さい低威力特性の弾丸を容易に製造することができる。
【0083】また、請求項8の発明によれば、弾丸素材は、熱可塑性樹脂組成物と粉粒状の重金属およびガラスとを混合するようにしたので、比重が高い重金属と比重が低いガラスとの混合比率を加減して比重を調整することで、広い範囲の威力特性に適合した弾丸を製造することができる。
【0084】また、請求項9の発明によれば、所定形状に形成された後の弾丸の比重は、2〜13.5にしたので、比重が小さい低威力特性の弾丸や、比重が大きい高威力特性の弾丸、または、これらの中間威力特性の弾丸を使用目的によって、広範囲に製造することができる。




 

 


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