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発明の名称 電動ポンプ装置及びその制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−304134(P2001−304134A)
公開日 平成13年10月31日(2001.10.31)
出願番号 特願2000−117935(P2000−117935)
出願日 平成12年4月19日(2000.4.19)
代理人 【識別番号】100089233
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3H045
5H576
【Fターム(参考)】
3H045 AA06 AA09 AA12 AA23 AA40 BA12 BA43 CA21 CA25 DA04 DA07 DA48 EA20 EA26 EA35 EA38 EA50 
5H576 AA05 BB06 CC05 DD04 EE08 HB01 JJ03 KK06 LL14 LL56 MM10
発明者 椢原 敬士 / 笠松 和秀 / 田村 功一 / 池田 正実
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 周波数可変駆動部から揚水用の電動機への出力周波数を、前記電動機の負荷量に応じて変動する駆動系電気的要素の値が一定となるように可変制御する電動ポンプ装置であって、前記駆動系電気的要素の値を検出するための電気的要素検出手段と、予め駆動系電気的要素の第1目標値及びこの第1目標値よりも大きな第2目標値と、前記電動機への出力周波数又は出力電圧の下限値が設定され、前記電気的要素検出手段によって検出された駆動系電気的要素の値が前記第1目標値と一致するように、前記周波数可変駆動部に出力周波数の変更指令を与える一方、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を下回ったときに前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与える制御手段と、を備えた電動ポンプ装置。
【請求項2】 請求項1記載の電動ポンプ装置であって、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回ったときに、再度前記駆動系電気的要素の値が前記第1目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与える電動ポンプ装置。
【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の電動ポンプ装置であって、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、報知手段を介して異常の発生を報知する電動ポンプ装置。
【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電動ポンプ装置であって、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、前記電動機を逆回転させる電動ポンプ装置。
【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電動ポンプ装置であって、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、出力周波数を増加させて電動機の加速を試みる電動ポンプ装置。
【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電動ポンプ装置であって、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、前記電動機を停止させる電動ポンプ装置。
【請求項7】 電動機への出力周波数を、前記電動機の負荷量に応じて変動する駆動系電気的要素の値が一定となるように可変制御する電動ポンプ装置の制御方法であって、検出された駆動系電気的要素の値が予め設定された第1目標値と一致するように、出力周波数を可変に制御する一方、その出力周波数又は出力電圧が予め設定された下限値を下回ったときに、前記駆動系電気的要素の値が、前記第1目標値よりも大きな第2の目標値と一致するように前記出力周波数を可変に制御する電動ポンプ装置の制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚水槽等に用いられる電動ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電動ポンプ装置として、図4に示すように、貯水槽(汚水槽)1内の底部にアンカーボルト等により固定設置される接続管2と、吐出口3bが前記接続管2の一端開口部に連通接続された状態で貯水槽1内の底部に設置される水中モータポンプ3と、前記接続管2の他端開口部に接続された配水管4と、水中モータポンプ3を制御するポンプ制御盤10とを備えたものがある。
【0003】上記水中モータポンプ3は、誘導電動機3c及び羽根車3dを内蔵しており、誘導電動機3cの駆動により羽根車3dを回転させて、吸込口3aから貯水槽1内の汚水を吸込むようになっている。そして、このように吸込まれた汚水は、接続管2から配水管4を通って所定の送水先の貯水槽5まで送水されるようになっている。
【0004】ところで、この種の電動ポンプ装置のなかには、上記誘導電動機3cの回転速度等をポンプ制御盤10に設けられたインバータによりインバータ制御するものがあり、この誘導電動機3cはインバータからの出力周波数に応じた回転速度で駆動することになる。
【0005】この場合の電動ポンプ装置の特性は図5(a)に示すようになる(但し、主として遠心ポンプや渦流ポンプ等の特性)。
【0006】即ち、図5(a)は、一定回転速度(インバータからの出力周波数f0が一定)における水中モータポンプ3のH−Q特性(吐出し量−全揚程特性)と、管路抵抗曲線■〜■との関係を示す図である(一点差線で示すH−Q特性は後述する)。このうち管路抵抗曲線■は配水管4が長い、細い等の理由で配管抵抗HLが大きい場合(HL=HL1)、管路抵抗曲線■は配管抵抗HLが中程度の場合(HL=HL2)、管路抵抗曲線■は配水管4が短く太い等の理由で配管抵抗HLが小さい場合(HL=HL3)を、それぞれ示している。なお、全揚程Hは、送水元の貯水槽1の水位と送水先の貯水槽5の水位との水位差である実揚程Ha(図4参照)とその配管抵抗等HL(接続管2や配水管4での損失)との合計であるが、図5(a)では理解を容易にするため実揚程Ha=0にして配管等での損失HLのみを考慮している。
【0007】この図5(a)では、水中モータポンプ3のH−Q特性と管路抵抗曲線■〜■とのそれぞれの交点が水中モータポンプ3の運転点となる。
【0008】従って、図5(a)に示すように、管路抵抗HLが大きくなるに従って吐出し量Qが少なくなることがわかる。
【0009】また、各吐出し量Qに対する誘導電動機3cの駆動電流I及び電力量Pは、図5(b)及び図5(c)の実線に示すようになり、ポンプの吐出し量Qが増えるに従って、誘導電動機3cの負荷量は大きくなり電流I,消費電力量Pは共に大きくなる。
【0010】従って、一定回転速度(出力周波数f0が一定)の条件下で水中モータポンプ3を運転した場合、実揚程Haや損失H1が変動して、吐出し量Qが多い状態になると、誘導電動機3cはその駆動電流I及び消費電力量Pが共に大きい過負荷な状態となる傾向になり好ましくなく、また、吐出し量Qが少ない状態になると誘導電動機3cの電流I及び消費電力量Pが共に小さく、誘導電動機3cの能力を充分に引出していない状態となって好ましくない。
【0011】そこで、誘導電動機3cの能力を過不足無く引出すため、特開平9−96291号公報に開示の電動ポンプでは、電動機の電流Iや消費電力量Pが予め設定された一定の値となるように、インバータから当該モータへの出力周波数fまたは出力電圧Vを制御する方法が開示されている。
【0012】この場合、電動機3cの消費電流Iが一定値Ioとなるように、出力周波数fまたは出力電圧Vをインバータ制御すると、吐出し量Qに対する全揚程H,電流I,電力量Pは図5(a)〜図5(c)の一点鎖線に示すようになり、電動機3cの能力を過不足無く引出せるようになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この制御方法では、どのような運転状況であっても電流I又は電力量Pの値を一定にするように制御するため、汚物等によって羽根車3dが閉塞してしまうと、その閉塞解除に必要なトルクを発生させるだけの電流I又は電力量Pを得ることができずに停止に至ってしまうという問題がある。そして、その場合には、ポンプ装置のユーザーが水中モータポンプ3を貯水層1から引上げて分解し、閉塞原因となっている汚物を取除かなければいけなくなる。
【0014】これをより具体的に、電流Iが所定のIOで一定となるようにインバータ制御を行った場合について説明する。
【0015】図6は、電流Iが所定の目標電流値IO一定となるように制御する処理を示すフローチャートである。
【0016】即ち、電流Iが所定の目標電流値IO一定となるように制御するためには、図6に示すように、誘導電動機3cの電流Iを検出し、ステップT1においてその検出電流Iと前記目標電流値IOとを比較する。ここで、検出電流Iが前記目標電流値IOよりも小さいと判断された場合には、ステップT2に進んで出力周波数fを増大させる。また、ステップT1において検出電流Iと前記目標電流値IOとが同じであった場合には、ステップT3に進んで出力周波数fをそのままに維持する。また、ステップT1において検出電流Iが前記目標電流値IOよりも大きいと判断された場合には、ステップT4に進んで出力周波数fを減少させる。
【0017】このように電流Iを一定にする制御を行った場合、インバータからの出力周波数fと、出力電圧V及びトルクT,電流I,電力量Pのそれぞれの関係は、図7(a)〜図7(d)に示すようになる。
【0018】なお、図7(a)に示すように、基底周波数f0以下の領域では、V/fが一定で定トルク運転を行っており、基底周波数f0以上の領域では電圧Vが一定の定出力運転を行っている。また、図7(b)は、ポンプ負荷トルク曲線■〜■と、誘導電動機3cのf−T特性(周波数−トルク特性)との関係を示している。ポンプ負荷トルク曲線■〜■は、それぞれ図5の管路抵抗曲線■〜■と対応しており、即ち、ポンプ負荷トルク曲線■は配管抵抗HLが大きい場合(HL=HL1)、ポンプ負荷トルク曲線■は配管抵抗HLが中程度の場合(HL=HL2)、ポンプ負荷トルク曲線■は配管抵抗HLが小さい場合(HL=HL3)を、それぞれ示している。
【0019】この場合、図7(b)に示すように、誘導電動機3cは、ポンプ負荷トルク曲線■〜■と、誘導電動機3cのf−T特性(周波数−トルク特性)との交点で運転されるので、配管抵抗HL1の場合(曲線■)には、比較的大きい出力周波数f1で運転され、配管抵抗HL2の場合(曲線■)には中程度の出力周波数f0で運転され、配管抵抗HL1の場合(曲線■)には比較的小さい出力周波数f3で運転される。つまり、配管抵抗H1が大きくなるに従って出力周波数fは大きくなる(ちなみに、図5(a)に一点鎖線で示すH−Q特性と管路抵抗曲線■〜■との各交点である水中モータポンプ3の運転点における出力周波数fは、それぞれf1,f0,f3となる)。
【0020】ところが、電動ポンプ装置に汚物等による閉塞が生じると、電動機3cに過大な負荷が加わって駆動電流Iが増加する傾向となる。このため、図6のフローチャートでT1からT4に進む処理(駆動電流Iを減少させようとする処理)を繰返して行うようになり、図8に示すように、出力周波数fが減少を続けてしまい、水中モータポンプ3はやがて停止してしまうことになる。なお、閉塞時の衝撃により多少の電流Iの上昇は期待できるものの、電流Iを一定値IOにするように制御しているため結果的に出力トルクTが閉塞解除トルクTcよりも小さくなってしまい、閉塞状態の解除はできない。
【0021】そこで、この発明の課題は、電動機を過不足無く適切な状態で駆動でき、かつ、汚物等に起因する閉塞停止を防止し得る電動ポンプ装置及びその制御方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、請求項1記載の電動ポンプ装置は、周波数可変駆動部から揚水用の電動機への出力周波数を、前記電動機の負荷量に応じて変動する駆動系電気的要素の値が一定となるように可変制御する電動ポンプ装置であって、前記駆動系電気的要素の値を検出するための電気的要素検出手段と、予め駆動系電気的要素の第1目標値及びこの第1目標値よりも大きな第2目標値と、前記電動機への出力周波数又は出力電圧の下限値が設定され、前記電気的要素検出手段によって検出された駆動系電気的要素の値が前記第1目標値と一致するように、前記周波数可変駆動部に出力周波数の変更指令を与える一方、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を下回ったときに前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与える制御手段と、を備えるものである。
【0023】なお、請求項2記載のように、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回ったときに、再度前記駆動系電気的要素の値が前記第1目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えるものであってもよい。
【0024】また、請求項3記載のように、制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、報知手段を介して異常の発生を報知するものであってもよい。
【0025】さらに、請求項4記載のように、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、前記電動機を逆回転させるものであってもよい。
【0026】また、請求項5記載のように、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、出力周波数を増加させて電動機の加速を試みるものであってもよい。
【0027】また、請求項6記載のように、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、前記電動機を停止させるものであってもよい。
【0028】さらに、請求項7記載の電動ポンプ装置の制御方法は、電動機への出力周波数を、前記電動機の負荷量に応じて変動する駆動系電気的要素の値が一定となるように可変制御する電動ポンプ装置の制御方法であって、検出された駆動系電気的要素の値が予め設定された第1目標値と一致するように、出力周波数を可変に制御する一方、その出力周波数又は出力電圧が予め設定された下限値を下回ったときに、前記駆動系電気的要素の値が、前記第1目標値よりも大きな第2の目標値と一致するように前記出力周波数を可変に制御するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】{実施の形態}以下、この発明の実施の形態に係る電動ポンプ装置について説明する。
【0030】この電動ポンプ装置は、図4に示す電動ポンプ装置におけるポンプ制御盤10の代りに、図1に示すポンプ制御盤20を備えている。なお、その他の構成要素、即ち、水中モータポンプ3や接続管2、配水管4については、本実施の形態に係る電動ポンプ装置も同様構成のものを備えているため、以下の説明ではそれらの構成要素については同一符号を用いてそれらの説明を省略する。
【0031】このポンプ制御盤20は、商用電源等からの電力供給を受けて誘導電動機3cを駆動するインバータ部30と、このインバータ部30を制御する主制御部25とが所定のケース内に収容されてなる。
【0032】インバータ部30は、誘導電動機3cに所定出力周波数及び所定出力電圧の電力を供給するための周波数可変駆動部としての主回路部31と、この主回路部31からの出力周波数や出力電圧を制御するためのインバータ内制御部32と、前記主回路部31から誘導電動機3cに出力される電流I(誘導電動機3cの駆動電流I)を検出するための電流検出部33とを備える。
【0033】主回路部31は、商用の交流電源を直流に変換するコンバータ回路や平滑化された直流電源を所定周波数及び所定電圧の交流電源に変換するインバータ回路等を有しており、その入力側の電源線21が商用の交流電源等に接続されると共に出力側の電源線22が誘導電動機3cに接続され、インバータ内制御部32より与えられる設定指令に応じた出力周波数及び出力電圧で誘導電動機3cを駆動可能に構成される。
【0034】また、電流検出部33は、主回路部31から誘導電動機3cへの電源線22の途中に挿入されており、当該主回路部31から誘導電動機3cに流れる電流Iを検出し、その検出信号をインバータ内制御部32に出力するように構成される。
【0035】インバータ内制御部32は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータが使用され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行されるものであり、前記電流検出部33より与えられる電流の検出信号に基づいて、その検出された駆動電流Iの値が所定の目標電流値IOと一致するように主回路部31からの出力周波数f及び出力電圧Vを制御する電流一定制御機能を有する。
【0036】即ち、インバータ内制御部32は、電流検出部33より与えられる電流の検出信号に基づいてその駆動電流の値Iを求め、この検出電流Iと所定の目標電流値IOとの大小を比較する。なお、所定の目標電流値IOは主制御部25により与えられる値であり、その目標電流値IOの設定基準については後述する。そして、比較の結果、検出電流Iが目標電流値IOよりも小さい場合には、その検出時点での出力周波数fよりも増大させた出力周波数fの設定指令を主回路部31に与える。また、検出電流Iと目標電流値IOが同じ場合には、検出時点での出力周波数fと同じ出力周波数fの設定指令を主回路部31に与える。さらに、検出電流Iが目標電流値IOよりも大きい場合には、検出時点での出力周波数fよりも小さな出力周波数fの設定指令を主回路部31に与える。これにより、主回路部31からの出力周波数が、前記各設定指令に応じて増減するので、駆動電流Iが一定になるように制御される。なお、このように主回路部31に与えられた出力周波数fの設定指令は主制御部25にも与えられる。
【0037】なお、このインバータ部30は、基底周波数f0以下ではV/f一定制御を行い、基底周波数f0以上では電圧一定制御を行うものであり(図7(a)参照)、従って、インバータ内制御部32から前記主回路部31に前記出力周波数fの設定指令が与えられると、前記インバータ内制御部32から主回路部31にV/f一定制御又は電圧一定制御に応じた出力電圧の設定指令が与えられる。
【0038】また、主制御部25は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータが使用され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行されるものであり、前記インバータ内制御部32により与えられた出力周波数fに応じてインバータ内制御部32に第1目標電流値IO1又は第2目標電流値IO2を与える機能と、目標電流値IO2を与えた後一定時間t経過後に所定の条件下でインバータ内制御部32に誘導電動機3cの停止指令を与えると共に報知手段としてのスピーカ40を通じて異常を通報するタイマ機能とを有する。
【0039】即ち、主制御部25は、インバータ内制御部32により与えられる出力周波数fと予め設定された下限周波数fLとの大小関係を判断しており、f≧fLの場合(通常動作状態)では、インバータ内制御部32に第1目標電流値IO1を与える。これにより、インバータ部30は、検出電流Iが当該第1目標電流値IO1と一致するように出力周波数f及び出力電圧Vを制御するようになる。ここで、第1目標電流値IO1はインバータ部30の通常動作状態での目標値であるので、誘導電動機3cの定格電流以下に設定するのが好ましい。また、下限周波数fLは、汚物等の詰りによる閉塞を検出するための値であるので、基底周波数f0よりも充分に低い値、例えば、基底周波数f0が60Hzである場合には、fL=20〜40Hzの範囲内の値に設定するのが好ましい。
【0040】一方、f<fLの場合(閉塞発生状態)では、インバータ内制御部32に第1目標電流値IO1よりも大きい2目標電流値IO2を与える。これにより、インバータ部30は、当該検出電流Iが当該第2目標電流値IO2と一致するように出力周波数f及び出力電圧Vを制御するようになる。ここで、第2目標電流値IO2は閉塞を解除させるために充分なトルクを誘導電動機3cに発生させるための値であるので、可及的に高い値に設定するのが好ましく、例えば、第1目標電流値IO1の2倍以上の値に設定することができる。なお、この第2目標電流値IO2での電流一定制御は短時間の運転を前提としているので(次に述べる)、その第2目標電流値IO2が誘導電動機3cの定格電流以上であっても差支えない。
【0041】また、主制御部25は、前記インバータ内制御部32に第2目標電流値IO2の指令を与えた後、f<fLの状態が一定時間t経過したかどうかを判断し、一定時間t経過したときに、インバータ内制御部32に停止指令を与える。これにより、誘導電動機3cが停止しその焼損を防止することができる。また、これと同時にスピーカ40を通じて異常を通報する。ここで、一定時間tは上記第2目標電流値IO2で駆動された誘導電動機3cが耐え得る時間、例えば、10秒程度に設定する。
【0042】<動作>次に、この電動ポンプ装置の動作について、図2及び図3を参照して説明する。
【0043】なお、初期設定として、予め主制御部25のメモリには、第1目標電流値IO1,第2目標電流値IO2、及び下限周波数fLがストアされているものとする。
【0044】そして、電動ポンプ装置が通常動作状態(ここに至るまでの動作は省略)に移行すると、図2のフローチャートに示す処理が行われる。
【0045】即ち、ステップS1において、主制御部25からインバータ内制御部32に第1目標電流値IO1の設定指令が与えられ、ステップS2において、インバータ内制御部32により、電流検出部33からの検出信号に基づいて当該検出された駆動電流Iと第1目標電流値IO1との大小の比較が行われる。そして、駆動電流Iが第1目標電流値IO1よりも小さいと判断されたときは(例えば、出力周波数fの一定条件下では吐出し量Qが少なくなると駆動電流Iが減少する傾向になる)、ステップS3に進んで、電流Iの検出時点での出力周波数fよりも増大させた出力周波数fの設定指令を主回路部31に与える。これにより主回路部31からの出力周波数fが増大して、誘導電動機3cの回転速度が大きくなる。また、ステップS2において、駆動電流Iと第1目標電流値IO1とが同一であると判断されたときには、ステップS4に進んで、電流Iの検出時点での出力周波数fと同じ出力周波数fの設定指令を主回路部31に与える。また、ステップS2において、駆動電流Iが第1目標電流値IO1よりも大きいと判断されたときには(例えば、出力周波数fの一定条件下では吐出し量Qが多くなると駆動電流Iが増加する傾向となる)、ステップS5に進んで電流Iの検出時点での出力周波数fよりも減少させた出力周波数fの設定指令を主回路部31に与える。これにより主回路部31からの出力周波数fが減少して、誘導電動機3cの回転速度が小さくなる。
【0046】そして、ステップS3〜S5の処理がなされた後、ステップS6に進んで、主制御部25によりインバータ内制御部32より与えられる出力周波数fと下限周波数fLとの大小関係が判断され、f<fLではない場合(閉塞が生じていない場合)には、ステップS1に戻ってステップS1〜S6の処理が行われる。閉塞が生じていない状態では、これらステップS1〜S6の処理が繰り返し行われ、吸込量(全揚程H等)の変動に応じて適切な出力周波数fで誘導電動機3cが駆動される。
【0047】一方、吸込口3a等が異物で閉塞した状態では、誘導電動機3cに過大な負荷がかかって駆動電流Iが増加するため、閉塞当初にはステップS2からステップS5に進む処理が繰り返し行われ、出力周波数fが減少していく(図3(a)〜図3(d)のf0からfLに向う過程参照)。そして、出力周波数f1が下限周波数fLよりも小さくなってステップS6においてf1<fLと判断されると、ステップS7において主制御部25からインバータ内制御部32に目標電流値IOとして第1目標電流値IO1に代り第2目標電流値IO2が与えられる。これにより、インバータ部30は、当該検出電流Iが当該第2目標電流値IO2と一致するように出力周波数f及び出力電圧Vを制御し、誘導電動機3cのトルクT及び駆動電流I,電力量Pが急激に増加する(図3(a)〜図3(d)のf2参照)。
【0048】次に、ステップS8において目標電流値IOを第2目標電流値IO2にする設定指令を与えてから所定の設定時間t以上経過したか否かが判断され、設定時間t以上経過していない場合には、ステップS2に進む。これにより、主制御部25は、検出電流Iを当該第2目標電流値IO2と比較してステップS2の処理を行い、この際、急に大きな第2目標電流値IO2となるのでI<IO2と判断されてステップS3に進み出力周波数fが増大される(図3(a)〜図3(d)のf2からf´Lに向う過程参照)。
【0049】ここで、増加したトルクTが閉塞(異物詰り)を解除するために必要なトルクTcを上回ると(図3(b)参照)、上記閉塞(異物詰り)は解除され、その後、出力周波数fが下限周波数fLに達するまで検出電流Iの目標値をIO2に設定したままでステップS2,S3,S6〜S8の処理が繰り返しなされる。やがて出力周波数fが下限周波数fLに達して、ステップS6においてf<fLではないと判断されると、ステップS6からステップS1に進んで検出電流Iの目標値を第1目標電流値IO1に設定し、こうしてステップS1〜S6の処理が繰り返し行われる通常動作状態に戻る(実際には、加速時の周波数にはヒステリシスがあるためステップS6からステップS1に進む周波数f´LはfL+2〜3Hzになる)。
【0050】一方、増加したトルクTが閉塞の解除に必要なトルクTcを越えられず、閉塞を解除できないまま設定時間tが経過すると、ステップS8の判断処理が肯定され、ステップS9に進んで主制御部25からインバータ内制御部32に停止指令を与える。これにより、誘導電動機3cが停止するようになる。また、これと同時にスピーカ40を通じて異常が通報される。
【0051】以上のように構成された電動ポンプ装置によると、通常動作状態では、誘導電動機3cへの駆動電流Iが第1目標電流値IO1に一致するように、インバータ部30の主回路部31から誘導電動機3cへの出力周波数を可変制御しているため、揚程H等の変動に応じて誘導電動機3cを適切な状態で駆動できる。
【0052】さらに、主回路部31からの出力周波数fが予め設定された下限周波数fL以下になった閉塞状態では、誘導電動機3cへの駆動電流Iが、前記第1目標電流値IO1よりも大きな第2目標電流値IO2になるように、出力周波数fを可変制御しているため、これにより電動機3cからの出力トルクTを大きくして閉塞状態を解除し得る。従って、使用者による水中モータポンプ3の引上げ作業等を極力無くすることができる。
【0053】また、これにより閉塞状態を解除できない場合であっても、第2目標電流値IO2にしてから設定時間t経過後には、誘導電動機3cの駆動を停止させるようにしているため、誘導電動機3cの損傷を防止することができる。なお、本実施の形態では、報知手段としてスピーカ40を用いたがその他の報知手段、例えば、パトライトや電話回線による通報手段等を用いるようにしてもよい。
【0054】しかも、この際、合わせてスピーカ40を通じて異常通報しているため、使用者にその異常を知らせて、水中モータポンプ3の引上げ分解汚物除去作業を促すことができる。
【0055】{変形例}なお、上記ステップS8とステップS9の間(図2のステップS10参照)で、主制御部25からインバータ内制御部32に誘導電動機3cを逆方向に回転させる指令を与えて誘導電動機3cを逆回転させる処理を行うようにしてもよい。このように、誘導電動機3cを逆回転させると、羽根車3dの回転が逆になって閉塞が解除され易くなる。なお、この場合、誘導電動機3cを1〜2回程度、2秒/回の速度で逆回転させるのが好ましい。また、このように逆回転させた場合には、逆回転指令を与えた後、再度正回転させる指令を与えた場合において、逆回転により閉塞が解除されたときには再加速してステップS1に戻って通常運転状態に復帰させ、また、逆回転させても閉塞が解除されなかった場合には再加速できず、ステップS9の処理を行わせるのが好ましい。
【0056】あるいは、ステップS8とステップS9の間(図2のステップS10参照)で、主制御部25からインバータ内制御部32に検出された駆動電流Iの値に拘らず出力周波数fを増大させる指令を与えて、誘導電動機3cの駆動電流I及びトルクを増大させて再加速を試みるようにしてもよい(リトライ運転)。なお、この場合、駆動電流Iを2秒/回程度で1〜2回程度増大させるようなリトライ運転をするのが好ましい。この場合、閉塞を解除させることができると誘導電動機3cが再加速されるので、ステップS1に戻るようにする。一方、閉塞を解除させることができなかったときには誘導電動機3cを再加速することができないのでステップS9を行わせるのが好ましい。
【0057】なお、本実施の形態においては、第1及び第2目標電流値IO1,IO2を設定し、検出電流Iがこれらに一致するように出力周波数fを可変制御しているが、他に、検出された誘導電動機3cの電力量P或はトルクTが予め設定された第1及び第2目標電力値或は第1及び第2目標出力トルク値に一致するように出力周波数fを可変制御するようにしてもよい。
【0058】また、出力周波数fが下限周波数fL以下かどうかを基準として、電流Iの目標電流値IOを第1目標電流値IO1から第2目標電流値IO2に代えるようにしているが、インバータ部30においてV/f一定制御をしている場合等、出力周波数fに1対1で対応する電圧Vを出力するように制御している場合には、下限周波数fLの代りに下限電圧VLを設定しておき、出力電圧Vが下限電圧VL以下かどうかを基準として、電流Iの目標電流値IOを代えるようにしてもよい。
【0059】なお、本実施の形態は、主として遠心ポンプや渦流ポンプ等、配管抵抗が大きくなると流量Qが少なくなって駆動電流が小さくなるタイプの電動ポンプ装置についてのものであるが、軸流ポンプや斜流ポンプ等、流量Qが少なくなると駆動電流が大きくなるタイプの電動ポンプ装置についても、駆動電流の増減による出力周波数等の増減を逆に制御すれば、同様に適用することができる。
【0060】また、第2目標電流IO2は、あえて設定しなくても、インバータの短時間過負荷電流としてもよい。
【0061】また、本実施の形態では、制御手段の各機能を、インバータ内制御部32と主制御部25に分けて持たせたが、これらの各機能は物理的に一の制御手段に統合してあってもよいし、また、必要に応じて各機能が物理的に複数の制御手段に割振られていてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1記載の電動ポンプ装置によると、駆動系電気的要素の値を検出するための電気的要素検出手段と、予め駆動系電気的要素の第1目標値及びこの第1目標値よりも大きな第2目標値と、前動機への出力周波数又は出力電圧の下限値が設定され、前記電気的要素検出手段によって検出された駆動系電気的要素の値が前記第1目標値と一致するように、前記周波数可変駆動部に出力周波数の変更指令を与える一方、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を下回ったときに前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与える制御手段と、を備えているため、通常動作状態では全揚程等の変動に応じて電動機を適切な状態で駆動できると共に、閉塞状態に陥ると電動機からの出力トルクを大きくして閉塞状態を解除させ得る。
【0063】また、請求項2記載のように、前記制御手段は、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回ったときに、再度前記駆動系電気的要素の値が前記第1目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えるようにすると、閉塞解除後、通常動作状態に復帰することができる。
【0064】また、請求項3記載のように、制御手段が、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、報知手段を介して異常の発生を報知すると、作業者側においてその異常の発生を認識することができる。
【0065】さらに、請求項4記載のように、前記制御手段が、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、前記電動機を逆回転させるようにすると、閉塞の解除がされ易くなる。
【0066】また、請求項5記載のように、前記制御手段が、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、出力周波数を増加させて電動機の加速を試みるようにしても、閉塞の解除がされ易くなる。
【0067】また、請求項6記載のように、前記制御手段が、前記駆動系電気的要素の値が前記第2目標値と一致するように出力周波数の変更指令を前記周波数可変駆動部に与えた後、その出力周波数又は出力電圧が前記下限値を上回らない状態で、予め設定された一定時間経過したときに、前記電動機を停止させるようにすると、電動機の焼損を防止することができる。
【0068】また、この発明の請求項7記載の電動ポンプ装置の制御方法によると、検出された駆動系電気的要素の値が予め設定された第1目標値と一致するように、出力周波数を可変に制御する一方、その出力周波数又は出力電圧が予め設定された下限値を下回ったときに、前記駆動系電気的要素の値が、前記第1目標値よりも大きな第2の目標値と一致するように前記出力周波数を可変に制御するため、通常動作状態では全揚程等の変動に応じて電動機を適切な状態で駆動できると共に、閉塞状態に陥ると電動機からの出力トルクを大きくして閉塞状態を解除させ得る。




 

 


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