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発明の名称 遠赤外線穀物乾燥機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−50665(P2001−50665A)
公開日 平成13年2月23日(2001.2.23)
出願番号 特願平11−226140
出願日 平成11年8月10日(1999.8.10)
代理人 【識別番号】100080056
【弁理士】
【氏名又は名称】西郷 義美
【テーマコード(参考)】
2B100
3L113
【Fターム(参考)】
2B100 AA02 BA06 BC01 GA01 GB13 
3L113 AA07 AB04 AC04 AC10 AC35 AC41 AC63 AC67 AC73 AC90 BA03 DA01 DA07 DA22
発明者 大石 茂
要約 目的
遠赤外線穀物乾燥機において、埃やゴミ等の不純物が遠赤外線放射体に堆積するのを防止し、遠赤外線放射体が熱によって炭化するのを防止し、また、遠赤外線放射体からの遠赤外線を良好に放射させ、穀物の乾燥を向上するとともに、その除去作業を省略させることにある。

構成
遠赤外線放射体の上部には、不純物の堆積を防止する保護部材を設けている。
特許請求の範囲
【請求項1】 前後方向に長い乾燥機本体に上段の貯留部と中段の乾燥部と下段の集穀部とを設け、前記乾燥部内には前記貯留部と前記集穀部とを連絡して前後方向に延びる流穀路を設けるとともにこの流穀路に隣接して前後方向に延びる遠赤外線放射室を設け、前記乾燥機本体には前記乾燥部の外側にバーナを設け、このバーナに連絡して該バーナからの熱気を流通させる遠赤外線放射体を前記遠赤外線放射室内に設けた遠赤外線穀物乾燥機において、前記遠赤外線放射体の上部には不純物の堆積を防止する保護部材を設けたことを特徴とする遠赤外線穀物乾燥機。
【請求項2】 前記保護部材は、断面山形形状に形成され、前記遠赤外線放射体の上部に一体的に密着して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線穀物乾燥機。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遠赤外線穀物乾燥機に係り、特に遠赤外線放射体から放射される遠赤外線によって穀物を乾燥する遠赤外線穀物乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】米麦等の穀物を乾燥させる穀物乾燥機においては、精米前の籾状態の米や麦等の穀物を乾燥するものであり、循環型や平型等のものがある。
【0003】循環型の穀物乾燥機には、乾燥機本体内に上部から順次に、穀物が投入される貯留部と、穀物を乾燥する乾燥部と、この乾燥した穀物を集める集穀部とを設け、穀物を上段の貯留部から中段の乾燥部を経て下段の集穀部に導いた後に上段の貯留部に戻して循環させる間に、乾燥部において熱風や遠赤外線放射体から放射された遠赤外線により穀物を乾燥するものがある。
【0004】このような遠赤外線放射体を設けた遠赤外線穀物乾燥機としては、例えば、特開平8−14746号公報、特開平9−113140号公報、特開平10−82586号公報に開示されている。特開平8−14746号公報に記載のものは、貯留槽内に、流下する穀物に対して遠赤外線及び熱風を下向きに放射、噴出させる遠赤外線放射室を設けたものである。特開平9−113140号公報に記載のものは、遠赤外線放射体としての放熱管を熱風室内に設け、この放熱管の一端側にバーナを設けるとともに、放熱管の他端側を熱風室内に開口したものである。特開平10−82586号公報に記載のものは、穀物が流動する部位に遠赤外線放射体を対向して設け、この遠赤外線放射体を流動する穀物に対向する面が転換されるように回転させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、遠赤外線穀物乾燥機においては、遠赤外線放射体をそのまま遠赤外線放射室内や熱風路内に組み込んでいたので、特に遠赤外線放射体の上面に埃やゴミ等の不純物が堆積してしまい、遠赤外線放射体が熱によって炭化したり、また、遠赤外線の放射が邪魔をされ、穀物の乾燥が低下し、しかも、ユーザーがその不純物を頻繁に除去する必要があり、その除去作業が面倒であるという不都合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、前後方向に長い乾燥機本体に上段の貯留部と中段の乾燥部と下段の集穀部とを設け、前記乾燥部内には前記貯留部と前記集穀部とを連絡して前後方向に延びる流穀路を設けるとともにこの流穀路に隣接して前後方向に延びる遠赤外線放射室を設け、前記乾燥機本体には前記乾燥部の外側にバーナを設け、このバーナに連絡して該バーナからの熱気を流通させる遠赤外線放射体を前記遠赤外線放射室内に設けた遠赤外線穀物乾燥機において、前記遠赤外線放射体の上部には不純物の堆積を防止する保護部材を設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明は、遠赤外線放射体の上部に保護部材が設けられているので、埃やゴミ等の不純物が遠赤外線放射体に堆積するのを防止することから、遠赤外線放射体が熱によって炭化されるのを防止し、また、遠赤外線放射体からの遠赤外線を良好に放射させ、穀物の乾燥を向上することができ、しかも、ユーザーが不純物を除去する必要がないので、その除去作業を省略させることができる。
【0008】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜7は、この発明の実施例を示すものである。図6、7において、2は循環型の遠赤外線穀物乾燥機、4は乾燥機本体、6は貯留部、8は乾燥部、10は集穀部である。穀物乾燥機2は、前板12と後板14と一側、他側側板16−1、16−2とによって前後方向に長い乾燥機本体4を形成している。この穀物乾燥機2内には、上部から順次に、穀物が投入される貯留部6と、穀物を乾燥する乾燥部8と、この乾燥した穀物を集める集穀部10とが設けられている。
【0009】また、乾燥機本体4には、前板12側に揚穀機18が設けられ、貯留部6の上方には揚穀機18の上部に連絡する上部搬送手段20が設けられ、集穀部10の下方には揚穀機18の下部に連絡する下部搬送手段22が設けられている。
【0010】これにより、穀物乾燥機2においては、揚穀機18により揚上した穀物を上部搬送手段20により貯留部6内に均分落下させ、乾燥部8において穀物を乾燥した後に集穀部10に集め、下部搬送手段22により揚穀機18の下部に搬送して再び揚上するという循環を繰り返して穀物の乾燥を行っている。
【0011】また、乾燥部8の外側で乾燥機本体4の前板12には、液体燃料を燃焼して熱気を発生するガンタイプのバーナ24が取り付けられている。また、乾燥部8の外側で乾燥機本体4の後板14には、内部の穀物の乾燥後の熱気を吸引して排出する排風機26が取り付けられている。
【0012】このバーナ24及び排風機26は、前板12に取り付けられた制御盤28によって駆動制御されるものである。
【0013】乾燥部8内においては、貯留部6と集穀部10とを連絡して乾燥機本体4の前後方向に長く延びるように、一側第1、一側第2仕切り板30−1A、30−1Bによって一側第1流穀路32−1Aが形成され、一側第3、一側第4仕切り板30−1C、30−1Dによって一側第2流穀路32−1Bが形成され、また、他側第1、他側第2仕切り板30−2A、30−2Bによって他側第1流穀路32−2Aが形成され、他側第3、他側第4仕切り板30−2C、30−2Dによって他側第2流穀路32−2Bが形成されている。これら各仕切り板30は、熱気を流通し易いように、多孔板や網状部材等からなる通気性の良い部材で形成されている。
【0014】また、一側第1仕切り板30−1Aと他側第1仕切り板30−2Aとの間で略中央部位には、中央排風路34Mが形成され、一側第4仕切り板30−1Dと一側側板16−1の間には一側排風路34−1が形成され、他側第4仕切り板30−2Dと他側側板16−2の間には他側排風路34−2が形成されている。これら各排風路34は、上部位及び下部位で閉塞されている。
【0015】更に、一側第2仕切り板30−1Bと一側第3仕切り板30−1Cとの間には、一側第1流穀路32−1A及び一側第2流穀路32−1Bに隣接して一側遠赤外線放射室36−1が形成される。また、他側第2仕切り板30−2Bと他側第3仕切り板30−2Cとの間には、他側第1流穀路32−2A及び他側第2流穀路32−2Bに隣接して他側遠赤外線放射室36−2が形成される。これら遠赤外線放射室36は、幅が比較的小さく且つ流穀路32と略同じ高さに形成され、上部位及び下部位で閉塞されている。
【0016】遠赤外線放射室36内には、遠赤外線放射体として遠赤外線放射構成体38が設けられる。この遠赤外線放射構成体38は、中央放熱管40Mと上側放熱管40−1と下側放熱管40−2と戻り管組立て部材42とが一体的になって構成されている。中央放熱管40Mと上側放熱管40−1と下側放熱管40−2とには、表面にセラミックス等の遠赤外線放射素材が付設されている。よって、中央放熱管40Mと上側放熱管40−1と下側放熱管40−2とは、内部に流れるバーナ24からの熱気によって加熱されると、遠赤外線を放射するものである。戻り管組立て部材42は、中央集合部44と上側湾曲管46−1と下側湾曲管46−2とが一体的になって構成されている。また、この中央放熱管40Mと上側放熱管40−1と下側放熱管40−2とは、幅が比較的小さな遠赤外線放射室36に配設されることから、スペース的なことを考慮し、短軸Xが横方向で且つ長軸Yが上下方向に指向して夫々断面楕円形状に形成されている(図3参照)。
【0017】中央放熱管40Mは、一端側が熱気を発生するバーナ24に連結されているとともに、他端側が戻り管組立て部材42の中央集合部44に連結されている。上側放熱管40−1は、一端側が戻り管組立て部材42の上側湾曲管46−1に上側絞り部材48−1を介して連結されているとともに、他端側の上側開口50−1がバーナ24近くの遠赤外線放射室36内に開口している。下側放熱管40−2は、一端側が戻り管組立て部材42の下側湾曲管46−2に下側絞り部材48−2を介して連結されているとともに、他端側の下側開口50−2がバーナ24近くの遠赤外線放射室36内に開口している。
【0018】中央放熱管40Mの上部と上側放熱管40−1とは、上側連結体52−1で一体に平行に連結されている。また、中央放熱管40Mの下部と下側放熱管40−2とは、下側連結体52−2で一体に平行に連結されている。
【0019】また、遠赤外線放射構成体38の上部には、埃やゴミ等の不純物の堆積を防止する保護部材(カバー)54が設けられる。この実施例においては、バーナ24に近くで高温の熱気が送られる中央放熱管40Mの上部には、保護部材54が一体的に設けられる(図1の斜線部分で示す)。この保護部材54は、一側カバー部54−1と他側カバー部54−2とで断面山形形状に形成され、一端側が中央放熱管40Mの一端部位から他端側が戻り管組立て部材42の中央集合部44までの長さで、風等で埃が舞い上がらないように、中央放熱管40Mの上部に密着して一体的に取り付けられ、且つ、中央放熱管40Mの一部である上部のみを覆い、中央放熱管40Mの下方向及び左右方向を開放している。また、保護部材54は、図2、3に示す如く、断面山形の一側カバー部54−1と他側カバー部54−2との角度θが、上方からの不純物が堆積しない安息角として60度以下に設定されている。
【0020】また、下側湾曲管46−2と下側絞り部材48−2と下側放熱管40−2の他端側の一部には、他の保護部材としてのエルボ偏平管カバー組付体56が一体的に密着して取り付けられている。このエルボ偏平管カバー組付体56は、上述の保護部材54と同じ様な形状に形成されている。
【0021】次に、この実施例の作用を説明する。
【0022】遠赤外線穀物乾燥機2は、運転を開始すると、制御盤28の操作によってモータ(図示せず)を駆動し、穀物を上段の貯留部6から中段の乾燥部8を経て下段の集穀部10に導いた後に、再び揚上して循環させる。
【0023】この遠赤外線穀物乾燥機2は、穀物の循環中に、制御盤28の操作によってバーナ24を着火燃焼させて熱気を発生し、この熱気を遠赤外線放射構成体38の各放熱管40内に流して遠赤外線を放射させ、流穀路32内を流通する穀物を乾燥する。また、各放熱管40を加熱した熱気は、遠赤外線放射室36内に流入し、排風機26の吸引力により流穀路32を通過して排風路34に流れ、流穀路32の穀物を乾燥して排風機26により外部に排出される。
【0024】これにより、遠赤外線穀物乾燥機2は、貯留部6と乾燥部8と集穀部10と循環させる間に、乾燥部8において熱気及び各放熱管40から放射された遠赤外線により穀物を乾燥する。
【0025】また、この穀物の循環中に、埃やゴミ等の不純物が遠赤外線放射構成体38に落下するが、この不純物が保護部材54によってその堆積が防止され、特に、バーナ24近くで高温の熱気が流通する中央放熱管40Mには堆積することがない。
【0026】これにより、特に、バーナ24近くの高温となる中央放熱管40Mを保護し、この中央放熱管40Mが熱によって炭化されるのを防止し、また、中央放熱管40Mからの遠赤外線を良好に放射させ、穀物の乾燥を向上することができ、しかも、ユーザーが不純物を除去する必要がないので、その除去作業を省略させることができる。
【0027】また、中央放熱管40Mと上側放熱管40−1と下側放熱管40−2とは、短軸が横方向で且つ長軸が上下方向に指向して断面楕円形状に形成されているので、幅が比較的小さな遠赤外線放射室36にでも容易に配設させることができ、レイアウトが容易で、且つ、スペース的に有利とすることができる。
【0028】更に、保護部材54が中央放熱管40Mの一部である上部のみを覆い、中央放熱管40Mの下方向及び左右方向が開放されているので、中央放熱管40Mからの放射方向及び面域が広くなり、遠赤外線による穀物の乾燥能率を向上することができる。
【0029】更にまた、保護部材54は、一端側が中央放熱管40Mの一端部位から他端側が戻り管組立て部材42の中央集合部44までの長さで、中央放熱管40Mの上部に密着して一体的に取り付けられているので、風等で埃が舞い上がるのを防止することができる。
【0030】また、保護部材54においては、断面山形の一側カバー部54−1と他側カバー部54−2との角度θが安息角として60度以下に設定されているので、上方からの不純物が下方に円滑に落下し、不純物の堆積を効果的に防止することができる。
【0031】なお、この発明においては、保護部材を、中央放熱管のみならず、上側放熱管及び下側放熱管にも設け、全ての放熱管から遠赤外線を良好に放射させ、穀物の乾燥をさらに向上させることも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、遠赤外線放射体の上部には不純物の堆積を防止する保護部材を設けたことにより、埃やゴミ等の不純物が遠赤外線放射体に堆積するのを防止することから、遠赤外線放射体が熱によって炭化するのを防止し、また、遠赤外線放射体からの遠赤外線を良好に放射させ、穀物の乾燥を向上することができ、しかも、ユーザーが不純物を除去する必要がないので、その除去作業を省略させ得る。




 

 


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